JP2004024686A - 医薬ワックスマトリックスの製法 - Google Patents

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Tomio Nakano
中野 富夫
Shiyougo Izumi
泉 正悟
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Abstract

【課題】医薬ワックスマトリックスの新規な製法を提供することにある。
【解決手段】被混練材料を円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送して混練物を製造するものであって、回転円板と固定円板との谷間で両円板の境界線部によって外周方向に押し出され、回転円板の外周とシリンダ内面との間を送り出されるように構成された混練押出機に、少なくとも原料として医薬上許容されるワックスと医薬とを投入し、当該原料に対して一括して混練押出等の処理を行うことを特徴とする、医薬ワックスマトリックスの製法である。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品製剤の原末原料として有用な医薬ワックスマトリックスの製法に関するものである。
【0002】
医薬ワックスマトリックスは、形態的には医薬がワックス格子に包み込まれたものであり、主に徐放性製剤に係るデバイスであると共に、医薬の味などをマスキングするための一つの製剤技術である。
【0003】
ここで「ワックス」とは、ろう状の物理的性質、即ち、耐水性、可塑性、光沢性、不透明性等の性質を有する、常温(25℃)で固体又は半固体(固形状)の物質であり、かつ100℃までの温度で溶融ないし軟化する、高分子重合体以外のものをいう。
【0004】
【従来の技術】
医薬ワックスマトリックスは、伝統的には、医薬とワックスとを適当な溶媒に溶解し、その後溶媒を留去することによる溶媒法、医薬とワックスとを溶融し、その後冷却することによる溶融法、その折衷法である溶媒−溶融法によって製造することができる。また、流動層造粒機又は転動造粒機等を用いて、融点以上に加熱溶融したワックスを医薬結晶若しくは医薬を含んだ粉体混合末又はその造粒品に吹きつけることによって、又はワックスと粉体(医薬結晶及び粉体賦形剤)の溶融混合物を冷気中にスプレーすることによって、ワックスマトリックスを製造することもできる。さらには、ニーディングパドルと呼ばれる特殊なスクリュウエレメントを有する2軸コンパウンドエクストルーダーを用いて、メカノケミカル的に混練押出することにより製造する方法(例、WO94/08568)なども知られている。
【0005】
一方、被混練材料を円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送して混練物を製造するものであって、シリンダ内で回転してその軸方向に流体を移送するように外周部にスクリュウを形成した回転軸に対して回転円板をその中心部で固着し、この円板の少なくとも片方の面には山と谷とを交互に放射状に形成し、この面に対向させて同軸に固定円板をシリンダに固着させ、かつ前記回転軸との間に隙間が形成されるように配置すると共にこの固定円板の回転円板に対する面にも山と谷とを交互に放射状に形成し、固定円板と回転軸との間を通って送り込まれた流体は両円板の谷間で両円板の境界線部によって外周方向に押し出され、回転円板の外周とシリンダ内面との間を送り出されるように構成された混練押出機(以下「本混練押出機」という)は、プラスチック(高分子)材料を始めとしてその他各種材料の混練物を製造するための機械であり、それはいわば挽き臼で原料を磨り潰す原理を発展させたものと考えることができる。このような混練押出機は、連続捏和機、捏和押出機、連続捏和押出機などとも言われている(例えば、特開平8−183027号公報記載の混練押出機)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、医薬ワックスマトリックスの新規な製法を提供することである。あるいは本混練押出機の新規な使用方法を提供することであると言うこともできる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、本混練押出機により医薬ワックスマトリックスを製造しうることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
本発明の要旨は、次の通りである。
(1)本混練押出機に、少なくとも原料として医薬上許容されるワックスと医薬とを投入し、当該原料に対して一括して混練押出等の処理を行うことを特徴とする、医薬ワックスマトリックスの製法。
(2)少なくとも医薬上許容されるワックスと医薬とから構成される医薬ワックスマトリックスを製造するために、本混練押出機を使用する方法。
【0009】
本混練押出機の具体例としては、次のものを挙げることができる。
(1)被混練材料を送り込む材料供給部と該材料供給部から送り込まれた被混練材料を周面に浅底溝を有する円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送する材料混練部とが一連に横設されており、材料混練部4が前記螺旋状スクリュウ6aを周設した回転軸6と、材料供給部2側に位置付けられて材料供給部2から送り込まれた前記被混練材料を圧縮・剪断して混練しながら回転軸6側へ移送する該回転軸6と同軸に固定された該回転軸6より大径の一枚の前記円板3と、該円板3を内設して回転できる広さに形成された円柱状横穴開口部8が後端部10b に設けられて前記回転軸6を内設して回転できる広さの筒状横穴9が円柱状横穴開口部8の底面8aから先端部端面10c に向かって形成されているシリンダ部10とから構成されている混練押出機1であって、前記シリンダ部10が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する可動部19に固定されて該可動部19を往復動させて前記円板3の回転軸側側面と前記円柱状横穴開口部8の底面8aとの間に形成される隙間を調節することによって前記被混練材料の種類に応じた圧縮・剪断度合いが得られるもの。
【0010】
(2)被混練材料を送り込む材料供給部と該材料供給部から送り込まれた被混練材料を周面に浅底溝を有する円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送する材料混練部とが一連に横設されており、材料混練部4が前記螺旋状スクリュウ6aを周設した回転軸6と、材料供給部2側に位置付けられて材料供給部2から送り込まれた前記被混練材料を圧縮・剪断して混練しながら回転軸6側へ移送する該回転軸6と同軸に固定された該回転軸6より大径の一枚の前記円板3と、該円板3を内設して回転できる広さに形成された円柱状横穴開口部8が後端部10b に設けられて前記回転軸6を内設して回転できる広さの筒状横穴9が円柱状横穴開口部8の底面8aから先端部端面10c に向かって形成されている混練側シリンダ部10とから構成され、材料供給部2が前記円柱状横穴開口部8に往復動可能に嵌まる形状の先端部13a を有して該先端部13a が開口した供給側シリンダ部13と、該供給側シリンダ部13内に投入された被混練材料を先端部13a に押し出すピストン部14とから構成されている混練押出機1であって、前記混練側シリンダ部10が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する混練側可動部19に固定されていると共に前記供給側シリンダ部13が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する供給側可動部20に固定されて混練側可動部19を往復動させて前記円板3の回転軸側側面と前記円柱状横穴開口部8の底面8aとの間に形成される混練側隙間を調節すると共に供給側可動部20を往復動させて前記円板3の材料供給部側側面と前記供給側シリンダ部13の先端部13a 端面との間に形成される供給側隙間を調節することによって前記被混練材料の種類に応じた圧縮・剪断度合いが得られるもの。
【0011】
(3)被混練材料を送り込む材料供給部と該材料供給部から送り込まれた被混練材料を周面に浅底溝を有する円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送する材料混練部とが一連に横設されており、材料混練部4が前記螺旋状スクリュウ6aを周設した回転軸6と、材料供給部2側に位置付けられて材料供給部2から送り込まれた前記被混練材料を圧縮・剪断して混練しながら回転軸6側へ移送する該回転軸6と同軸に固定された該回転軸6より大径の一枚の前記円板3と、該円板3を内設して回転できる広さに形成された円柱状横穴開口部8が後端部10b に設けられて前記回転軸6を内設して回転できる広さの筒状横穴9が円柱状横穴開口部8の底面8aから先端部端面10c に向かって形成されている混練側シリンダ部10とから構成され、材料供給部2が前記円柱状横穴開口部8に往復動可能に嵌まる形状の先端部13a を有して該先端部13a が開口した供給側シリンダ部13と、該供給側シリンダ部13に回転可能に内設して前記回転軸6と同軸に前記円板3に固定されて供給側シリンダ部13内に投入された被混練材料を回転させながら先端部13a に押し出す移送スクリュウ軸36とから構成されている混練押出機1であって、前記混練側シリンダ部10が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する混練側可動部19に固定されて混練側可動部19を往復動させて前記円板3の回転軸側側面と前記円柱状横穴開口部8の底面8aとの間に形成される混練側隙間を調節することによって前記被混練材料の種類に応じた圧縮・剪断度合いが得られるもの。
【0012】
以下、本混練押出機の具体的形態を図面に基づき説明する。
(1)本混練押出機の具体的形態1
図1は本混練押出機に係る混練押出機を示した側面図、図2は図1に図示した混練押出機の平面図であり、図1において図2に示す供給側可動板及び混練側可動板は省略され、図1及び図2において供給側シリンダ部と混練側シリンダ部とは断面にて図示されている。また、図3は図1に図示した混練側シリンダ部の説明図であり、図3の(a)は混練側シリンダ部の縦断面図、図3の(b)は混練側シリンダ部の左側面図、図3の(c)は混練側シリンダ部の右側面図である。また、図4は図1に図示した円板の説明図であり、図4の(a)は円板の正面図、図4の(b)は円板の右側面図、図4の(c)は円板の左側面図、図4の(d)は図4の(c)に図示した円板のA−A線縦断面図である。さらに、図5は図2に図示した供給側可動板と混練側可動板とを往復動させる可動機構を説明する縦断面図である。これらの図において、1は被混練材料を送り込む材料供給部2と該材料供給部2から送り込まれた被混練材料を周面に浅底溝を有する円板3の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送する材料混練部4とが架台5の上に一連に横設されているバッチ式混練押出機である。
【0013】
前記材料混練部4は、前記螺旋状スクリュウ6aを周設した回転軸6と、材料供給部2側に位置付けられて材料供給部2から送り込まれた前記被混練材料を圧縮・剪断して混練しながら回転軸6側へ移送する該回転軸6と同軸に固定された該回転軸6より大径の一枚の前記円板3と、混練された被混練材料を排出する排出口7が先端部10a 側に設けられていると共に、円板3を内設して回転できる広さに形成された円柱状横穴開口部8が後端部10b に設けられ、回転軸6を内設して回転できる広さの筒状横穴9が円柱状横穴開口部8の底面8aから先端部10a の端面10c に向かって形成されている混練側シリンダ部10とから構成されており、円柱状横穴開口部8は円板3が埋まってしまう深さに形成されて円柱状横穴開口部8の底面8aには、図3に示すように、前記筒状横穴9の開口を含んで走る放射状浅底溝8bが形成されている。
【0014】
前記円板3は、図4に示すように、その中心部に回転軸6の嵌合後端部6b(図1参照)を嵌めて軸着する六角形軸孔3aが設けられており、円板3の両側面には、円板3の六角形軸孔3a近傍から放射状に広がる扇型浅底溝3bが複数形成されており、円板3の円周面には、該円周面を扇型浅底溝3bに向かって斜めに横断する複数の樋状浅底溝3cが間隔を有して形成されている。
【0015】
前記回転軸6は、図1及び図2に示すように、その先端部がモータ(図示せず。)に連結されて前記筒状横穴9に回転可能に内設できる径の連結回転軸部6cと、前記排出口7の径に納まる幅を有する周回括部6dを介して続く螺子型螺旋状スクリュウ6eを周設した、前記混練側シリンダ部10の先端部10a 側に納まる螺子型回転軸部6fと、該螺子型回転軸部6fに続く前記螺旋状スクリュウ6aを周設したスクリュウ回転軸部6gと、該スクリュウ回転軸部6gの後端に形成された六角頭の前記嵌合後端部6bとからなり、前記螺子型回転軸部6fの円周面には、回転軸6の長手方向と平行に螺子型回転軸部6fの両端に達しない長さの細溝6h(図2参照)が形成されており、両端から途中まで走る細溝6hと円周面の途中に形成された細溝6hとが間隔を有して重ならないように設けられている(なお、図2において、前記螺子型螺旋状スクリュウ6eは省略されている。)。
【0016】
そして、回転軸6の連結回転軸部6cを架台5に立設された混練部側固定アングル部11に設けた軸受12に通して連結回転軸部6cの先端部はカップリッグ等を介してモータに取付けられており、回転軸6の周回括部6dは排出口7に位置し、回転軸6の螺旋状スクリュウを周設した螺子型回転軸部6fとスクリュウ回転軸部6gとが筒状横穴9に内設され、回転軸6の嵌合後端部6bに嵌めた円板3が円柱状横穴開口部8に内設されている。
【0017】
前記材料供給部2は、前記円柱状横穴開口部8に往復動可能に嵌まる円形状に形成された先端部13a を有し、該先端部13a から回転軸6を中心として該回転軸6の長手方向と同じ方向に形成されて両端が開口する被混練材料の送り出し用横穴型空洞部13b を設けた供給側シリンダ部13と、該供給側シリンダ部13内に投入された被混練材料を先端部13a に押し出すピストン部14とから構成されており、供給側シリンダ部13の後部側上壁部には被混練材料を投入する開口部13c が形成されて該開口部13c にはホッパー15が取り付けられている。また、前記ピストン部14には円周面に螺子溝を形成した押し込み用ハンドル軸16が一体に設けられており、該ハンドル軸16は架台5に立設された供給部側固定アングル部17に設けられためねじ穴17a に螺着されてその後端部には手回ハンドル(図示せず。)が固定されている。
【0018】
さらに、図2に示すように、連結して一連に横設された混練側シリンダ部10と供給側シリンダ部13とを挟んで二本の支柱軸18,18が前記回転軸6の長手方向と平行に混練部側固定アングル11と供給部側固定アングル17とに架設されており、支柱軸18,18にはそれぞれ混練側可動板(混練側可動部)19,19と供給側可動板(供給側可動部)20,20とのその一端部が往復動可能に取り付けられ、その他端部が混練側可動板19,19においては、両側から断熱板21を介して混練側シリンダ部10の後端部10b にボルト(図示せず。)等で固定されており、供給側可動板20,20においては、両側から断熱板21を介して供給側シリンダ部13の後端部外周に形成された鍔部13d にボルト(図示せず。)等で固定されている。そして、両可動板19,20と二本の支柱軸18,18との連結箇所には混練側シリンダ部10を回転軸6の長手方向と同一方向に往復動させる混練側可動機構22,22と供給側シリンダ部13を回転軸6の長手方向と同一方向に往復動させる供給側可動機構23,23とがそれぞれ設けられている。
【0019】
なお、図1及び図2において、24は混練側シリンダ部10の端面10c に設けられた軸受け、25は混練側シリンダ部10の端面10c と軸受け24との間に嵌着された混練物の漏れ止めリング、26は混練側シリンダ部10の後端部10b 端面に嵌着された被混練材料の剪断物漏れ止めリングである。また、混練側シリンダ部10と供給側シリンダ部13にはヒータが温度調節可能に取り付けられている。
【0020】
前記混練側可動機構22,22と供給側可動機構23,23とは対称に配置されており、同じ構成となっているので、図2において上側に配置された混練側可動機構22を例に採って可動機構22,23の構成を説明する。
【0021】
混練側可動機構22は、図5に示すように、混練側可動板19に対して左側から支柱軸18に往復動可能に通して混練側可動板19に当接させたスペーサ27と、混練側シリンダ部10の円柱状横穴開口部8に円板3が納まっている状態において混練側可動板19の左側に位置付けられるように形成された支柱軸18周面の螺子溝18a にスペーサ27に当接するまで螺着した六角ナット28と、混練側可動板19に対して右側から支柱軸18に往復動可能に通して混練側可動板19に当接させた隙間調節螺子部29とから構成されており、隙間調節螺子部29は、六角頭30a と円周面に螺子溝30b を有する胴部30c とからなるボルト状固定部30と、円柱状横穴開口部8の底面8aと円板3の側面との間にできる混練側隙間幅を表す目盛りを円周面に刻印してなる、固定部30の胴部30c に螺着したツマミ部31とから構成されている。なお、供給側可動機構23におけるツマミ部31に刻印された目盛りは供給側シリンダ部13の先端部13a 端面と円板3の側面との間にできる供給側隙間幅を表している。また、32は六角頭30a に形成された止め螺子用雌ねじ穴であり、止め螺子33を雌ねじ穴32に支柱軸18に達するまで螺着することにより、固定部30が支柱軸18に固定される。
【0022】
次に、可動機構22,23の動作について説明する。
図2に示すように、混練側可動機構22,22の六角ナット28と止め螺子33とを緩めて円柱状横穴開口部8の底面8aが円板3の側面に当接するまで混練側可動板19,19を往復動させて混練側シリンダ部10を矢印X方向へ移動し、円柱状横穴開口部8の底面8aが円板3の側面に当接した状態で止め螺子33を締め込んで固定部30を支柱軸18,18に固定する。この後、被混練材料の種類に応じた前記混練側隙間幅を得るためにツマミ部31を回して混練側可動板19,19を矢印Y方向(矢印X方向とは逆方向)へ移動させ、所望の混練側隙間幅が形成された状態で六角ナット28を締め込んでスペーサ27を混練側可動板19,19に押し付けて該混練側可動板19,19を固定する。次いで、供給側可動機構23,23の六角ナット28と止め螺子33とを緩めて供給側シリンダ部13の先端部13a 端面が円板3の側面に当接するまで供給側可動板20,20を往復動させて供給側シリンダ部13を矢印Y方向へ移動し、供給側シリンダ部13の先端部13a 端面が円板3の側面に当接した状態で止め螺子33を締め込んで固定部30を支柱軸18,18に固定する。この後、被混練材料の種類に応じた前記供給側隙間幅を得るためにツマミ部31を回して供給側可動板20,20を矢印X方向(矢印Y方向とは逆方向)へ移動させ、所望の供給側隙間幅が形成された状態で六角ナット28を締め込んでスペーサ27を供給側可動板20,20に押し付けて該供給側可動板20,20を固定する。
【0023】
次に、混練押出機1の動作について説明する。
ホッパー15から供給側シリンダ部13の空洞部13bに被混練材料を投入した後、手回しハンドルを回してピストン部14によって被混練材料を供給側シリンダ部13の先端部13a に移送する。先端部13a に移送された被混練材料は供給側隙間にて、回転する円板3の供給側側面に押圧され、加熱により溶解しながら該側面に形成された浅底溝3bによって圧縮・剪断される。圧縮・剪断された被混練材料が円板3の浅底溝3cを通る際に円柱状横穴開口部8の側壁との間でさらに圧縮・剪断され、混練されながら円板3の混練側側面に形成された浅底溝3bに達し、混練側隙間にて円柱状横穴開口部8の底面8aに形成された放射状浅底溝8bとの間で圧縮・剪断及び混練されながら該放射状浅底溝8bを通過して回転軸6の螺旋状スクリュウ6aによって混練側シリンダ部10の先端部10a に送られ、回転軸部6fによってさらに混練された後、周回括部6dを通って排出口7から排出される。
【0024】
該具体的形態1では、混練側シリンダ部10を回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する混練側可動板19,19に固定する共に、混練側シリンダ部10の円柱状横穴開口部8に供給側シリンダ部13の先端部13a を往復動可能に挿入した状態で該供給側シリンダ部13を回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する供給側可動板20,20に固定し、混練側可動機構22,22によって混練側可動板19,19を往復動させて円板3の回転軸側側面と円柱状横穴開口部8の底面8aとの間に形成される混練側隙間を調節すると共に、供給側可動機構23,23によって供給側可動板20,20を往復動させて円板3の材料供給部側側面と供給側シリンダ部13の先端部13a 端面との間に形成される供給側隙間を調節するようにしたので、被混練材料の種類に応じた圧縮・剪断度合いを得ることができ、回転円板を複数設けなくても混練度を向上させることができ、これにより、混練側シリンダ部10を短くすることができる。
【0025】
また、混練側可動機構22,22の六角ナット28を緩めて混練側可動板19,19を矢印Y方向に向かって移動させれば、回転軸6の螺子型回転軸部6f及びスクリュウ回転軸部6gと円板3とが混練側シリンダ部10から抜かれて剥き出しになるので、円板3と回転軸6とを容易に清掃することができる。
なお、円板3の周面に形成された浅底溝3b,3cは、該周面に突起部を形成することによりできる谷間状溝であってもよい。また、回転軸6は周回括部6dまで螺旋状スクリュウ6aが周設されているものであってもよい。
【0026】
(2)本混練押出機の具体的形態2
図6は本実施の形態に係る混練押出機を示した平面図であり、供給側シリンダ部と混練側シリンダ部とは断面にて図示されている。また、図7は図6に図示した軸受部を説明する縦断面図、図8は図6に図示した混練側可動板を往復動させる可動機構を説明する縦断面図である。
図6に示す混練押出機は連続式混練押出機であり、図1〜図5と同一符号は同一又は相当部分を示し、材料混練部4における回転軸6には螺旋状スクリュウ6aが周設されてその先端部は螺旋状スクリュウ6aの外径より小さい径の小軸部34(図7参照)となっており、該小軸部34は混練側シリンダ部10の端面10c に固定された軸受部35に内包して軸着されている。また、材料供給部2においては、回転軸6と同軸に円板3に固定されて供給側シリンダ部13内に投入された被混練材料を回転させながら先端部13a に押し出す移送スクリュウ軸36が回転可能に供給側シリンダ部13に内設されており、移送スクリュウ軸36には、被混練材料を該移送スクリュウ軸36に送り込む噛合いスクリュウ軸37が螺合して設けられており、移送スクリュウ軸36と噛合いスクリュウ軸37とは供給側固定アングル部17を介してギヤボックス38に連結され、ギヤボックス38内のギヤ系39を介してモータ軸40に連結されている。また、混練側シリンダ部10は混練側可動板19,19に固定されて混練側可動機構22,22を介して支柱軸18,18に往復動可能に取り付けられている。そして、供給側隙間を設けた状態で供給側シリンダ部13の先端部13a が混練側シリンダ部10の円柱状横穴開口部8に往復動可能に挿入されており、材料供給部2と材料混練部4とが一連に横設されている。
【0027】
前記軸受部35は、図7に示すように、回転軸6の長手方向と平行に円周面の途中まで形成された案内溝41a と該案内溝41a の終端から端面に向かって開口した孔状溝41b とが形成されて回転軸6の小軸部34に螺旋状スクリュウ6aとの間に隙間を設けて固定された混練物案内リング41と、小軸部34に案内リング41を固定した状態で内設して回転・往復動できる広さの円柱状軸着開口部42a と該軸着開口部42a の底面がすり鉢状に形成されて先端に向かって開口した排出口7とを設けたスクリュウ受部42と、すり鉢状底面を塞いで円柱状軸着開口部42a に嵌めた無数を孔を有するレンコン型ブレーカープレート43とから構成されている。
【0028】
前記混練側可動機構22,22は、図8に示すように、混練側シリンダ部10の円柱状横穴開口部8に円板3が納まっている状態において混練側可動板19を含む位置から左側の支柱軸18端面まで形成された螺子溝18a に螺着した六角ナット28と、混練側可動板19に対して右側から支柱軸18に往復動可能に通して混練側可動板19に形成された嵌合穴44に嵌めた外周面に鍔部45a を有する筒状スライダー45と、該筒状スライダー45に当接させた隙間調節螺子部29とから構成されている。
なお、46はヒータ、47は漏れ止めリング26を固定する固定リング、48は供給部側固定アングル部17を架台5に固定したボルトである。
【0029】
次に、可動機構22の動作について説明する。
混練側可動機構22,22の六角ナット28と止め螺子33とを緩め、図6に示すように、円柱状横穴開口部8の底面8aが円板3の側面に当接するまで混練側可動板19,19を往復動させて混練側シリンダ部10を矢印X方向へ移動かし、円柱状横穴開口部8の底面8aが円板3の側面に当接した状態で止め螺子33を締め込んで固定部30を支柱軸18,18に固定する。この後、図8に示すように、被混練材料の種類に応じた前記混練側隙間幅を得るためにツマミ部31を回して混練側可動板19,19を矢印Y方向(矢印X方向とは逆方向)へ移動させ、所望の混練側隙間幅が形成された状態で六角ナット28を締め込んで混練側可動板19,19を固定する。
前記軸受部35においては、混練側可動板19,19を矢印X,Y方向へ往復移動させることにより、回転軸6の小軸部34に固定された案内リング41がスクリュウ受部42の軸着開口部42a 内を往復動する。
【0030】
次に、混練押出機1の動作について説明する。
ホッパー15から移送スクリュウ軸36と噛合いスクリュウ軸37との螺合位置に向かって被混練材料を投入すれば、お互いに内向きに回転している移送スクリュウ軸36と噛合いスクリュウ軸37とによって供給側シリンダ部13の先端部13a に移送される。先端部13a に移送された被混練材料は供給側隙間にて、回転する円板3の供給側側面に押圧され、加熱により溶解しながら該側面に形成された浅底溝3bによって圧縮・剪断される。圧縮・剪断された被混練材料が円板3の浅底溝3cを通る際に円柱状横穴開口部8の側壁との間でさらに圧縮・剪断され、混練されながら円板3の混練側側面に形成された浅底溝3bに達し、混練側隙間にて円柱状横穴開口部8の底面8aに形成された放射状浅底溝8bとの間で圧縮・剪断及び混練されながら該放射状浅底溝8bを通過して回転軸6の螺旋状スクリュウ6aによって混練側シリンダ部10の先端部10a に送られ、小軸部34の案内溝41a と孔状溝41b とを通ってブレーカープレート43の孔を通過した後、排出口7から排出される。
【0031】
該具体的形態2では、供給側隙間を調節できないが、混練側隙間を調節することができ、混練側可動機構22,22の六角ナット28を緩めることにより回転軸6が混練側シリンダ部10から抜かれて剥き出しになるので、前記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
なお、移送スクリュウ軸36と噛合いスクリュウ軸37とがお互いに外向きに回転するものであってもよく、回転軸6が二軸スクリュウより構成されているものであってもよい。さらに、噛合いスクリュウ軸37は設けず、移送スクリュウ軸36の一軸スクリュウで移送するようにしてもよい。
【0032】
本発明で用い得るワックスとしては、医薬上許容されるワックスであれば、動植物由来のものであるか、合成又は半合成されたものであるかを特に問わない。具体的には下記のものを挙げることができる。
1.高級脂肪酸に係るワックス
例えば、炭素数12〜30の高級飽和脂肪酸からなるワックスを挙げることができる。具体的な当該高級飽和脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸を挙げることができる。
2.高級アルコールに係るワックス
例えば、炭素数15〜30の高級アルコールからなるワックスを挙げることができる。具体的な当該高級アルコールとしては、例えば、ペンタデカノール、ヘキサデカノール(セタノール、セチルアルコール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、ノナデカノール、エイコサノール、羊毛アルコール、コレステロールを挙げることができる。
【0033】
3.高級脂肪酸エステルに係るワックス
例えば、
▲1▼上記1記載のいずれかの高級飽和脂肪酸と、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はポリエチレングリコールとのエステルからなるワックス。
例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO60))、又はモノステアリン酸グリセリンからなるワックスを挙げることができる。
▲2▼動植物由来のワックス
例えば、動物又は植物から得られる飽和脂肪酸のグリセライドからなるワックス及びその混合物からなるワックス、並びにそれら動植物由来のグリセライドの硬化油脂からなるワックス。
▲3▼炭素数15〜30の不飽和脂肪酸のグリセライドからなるワックス。
例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸のグリセライドからなるワックス及びその混合物からなるワックス。
4.高級アルコールエステルに係るワックス
例えば、上記2記載のいずれかの高級アルコールと脂肪酸とのエステルからなるワックスを挙げることができる。
例えば、コレステリールパルミテート、植物ステロールのパルミテート、又はカルナウバロウからなるワックスを挙げることができる。
【0034】
上記ワックスは、単品で使用することができるが、二種以上を併用することもできる。
【0035】
本発明に用い得る医薬に関しては、使用するワックスや混練押出処理温度で分解されなければ、水溶性医薬、難水溶医薬に拘わらず用いることができる。一般的には水溶性医薬の方が好ましい。具体例として下記の医薬を挙げることができる。
【0036】
1.解熱・鎮痛・消炎剤
インドメタシン、アスピリン、ジクロフェナックナトリウム、ケトプロフェン、イブプロフェン、メフェナム酸、デキサメタゾン、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、ハイドロコーチゾン、プレドニゾロン、アズレン、フェナセチン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、塩酸ベンジタミン、フェニルブタゾン、フルフェナム酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸コリン、サザピリン、クロフェゾン、エトドラック、フェルビナク。
2.抗潰瘍剤
スルピリド、塩酸セトラキサート、ゲファルナート、マレイン酸イルソグラジン、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、塩酸ロキサチジンアセテート、アズレンスルホン酸ナトリウム。
3.冠血管拡張剤
ニフェジピン、二硝酸イソソルビット、塩酸ジルチアゼム、トラピジル、ジピリダモール、塩酸ジラゼプ、メチル 2,6−ジメチル−4−(2−ニトロフェニル)−5−(2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホリナン−2−イル)−1,4−ジヒドロピリジン−3−カルボキシレート、ベラパミル、ニカルジピン、塩酸ニカルジピン、塩酸ベラパミル。
【0037】
4.末梢血管拡張剤
酒石酸イフェンプロジル、マレイン酸シネパシド、シクランデレート、シンナリジン、ペントキシフィリン。
5.抗生物質
アンピシリン、アモキシリン、セファレキシン、エチルコハク酸エリスロマイシン、塩酸バカンピシン、塩酸ミノサイクリン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、エリスロマイシン、グリセオフルビン、セフジトレンピボキシル、アジスロマイシン、クラリスロマイシン。
6.合成抗菌剤
ナリジクス酸、ピロミド酸、ピペミド酸三水和物、エノキサシン、シノキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、6−フルオロ−1−メチル−7−[4−(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル−1−ピペラジニル]−4−オキソ−4H[1,3]チアゼト[3,2−a]キノリン−3−カルボン酸、イトラコナゾール。
7.鎮けい剤
臭化プロパンテリン、硫酸アトロピン、臭化オキソビウム、臭化チメビジウム、臭化ブチルスコポラミン、塩化トロスピウム、臭化ブトロピウム、N−メチルスコポラミンメチル硫酸、臭化メチルオクタトロピン。
【0038】
8.鎮咳・抗喘息剤
テオフィリン、アミノフィリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸プロカテロール、塩酸トリメトキノール、リン酸コデイン、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、臭化水素酸デキストロメトルファン、リン酸ジメモルファン、塩酸クロブチノール、塩酸ホミノベン、リン酸ベンプロペリン、ヒベンズ酸チペピジン、塩酸エプラジノン、塩酸クロフェダノール、塩酸エフェドリン、ノスカピン、クエン酸カルベタペンテン、タンニン酸オキセラジン、クエン酸イソアミニル、プランルカスト、プロピオン酸フルチカゾン。
9.気管支拡張剤
ジプロフィリン、硫酸サルブタモール、塩酸クロルプレナリン、フマル酸フォルモテロール、硫酸オルシプレナリン、塩酸ピルブテロール、硫酸ヘキソプレナリン、メシル酸ビトルテロール、塩酸クレンブテロール、硫酸テルブタリン、塩酸マブテロール、臭化水素酸フェノテロール、塩酸メトキシフェナミン。
10.利尿剤
フロセミド、アセタゾラミド、トリクロルメチアジド、メチクロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、エチアジド、シクロペンチアジド、スピロノラクトン、トリアムテレン、フロロチアジド、ピレタニド、メフルシド、エタクリン酸、アゾセミド、クロフェナミド。
【0039】
11.筋弛緩剤
カルバミン酸クロルフェネシン、塩酸トルペリゾン、塩酸エペリゾン、塩酸チザニジン、メフェネシン、クロルゾキサゾン、フェンプロバメート、メトカルバモール、クロルメザノン、メシル酸プリジノール、アフロクアロン、バクロフェン、ダントロレンナトリウム。
12.脳代謝改善剤
塩酸メクロフェノキセート。
13.マイナートランキライザー
オキサゾラム、ジアゼパム、クロチアゼパム、メダゼパム、テマゼパム、フルジアゼパム、メプロバメート、ニトラゼパム、クロルジアゼポキシド、クアゼパム。
14.メジャートランキライザー
スルピリド、塩酸クロカプラミン、ソデピン、クロルプロマジノン、ハロペリドール、リスペリドン。
15.β−ブロッカー
ピンドロール、塩酸プロプラノロール、塩酸カルテオロール、酒石酸メトプロロール、塩酸ラベタロール、塩酸セリプロロール、塩酸アセブトロール、塩酸ブフェトロール、塩酸アルプレノロール、塩酸アロチノロール、塩酸オクスプレノロール、ナドロール、塩酸ブクモロール、塩酸インデノロール、マレイン酸チモロール、塩酸ベフノロール、塩酸ブプラノロール、カルベジロール。
【0040】
16.抗不整脈剤
塩酸プロカインアミド、ジソピラミド、アジマリン、硫酸キニジン、塩酸アプリンジン、塩酸プロパフェノン、塩酸メキシレチン。
17.痛風治療剤
アロプリノール、プロベネシド、コルヒチン、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、ブコローム。
18.血液凝固阻止剤
塩酸チクロピジン、ジクマロール、ワルファリンカリウム。
19.抗てんかん剤
フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、メタルビタール、カルバマゼピン。
20.抗ヒスタミン剤
マレイン酸クロルフェニラミン、フマール酸クレマスチン、メキタジン、酒石酸アリメマジン、塩酸サイクロヘプタジン。
21.鎮吐剤
塩酸ジフェニドール、メトクロプラミド、ドンペリドン、メシル酸ベタヒスチン、マレイン酸トリメブチン。
22.降圧剤
塩酸レセルピン酸ジメチルアミノエチル、レシナミン、メチルドパ、塩酸プラゾシン、塩酸ブナゾシン、塩酸クロニジン、ブドララジン、ウラピジン。
【0041】
23.交感神経興奮剤
メシル酸ジヒドロエルゴタミン、塩酸イソプロテレノール、塩酸エチレフリン。
24.去たん剤
塩酸ブロムヘキシン、カルボシスティン、塩酸エチルシスティン、塩酸メチルシスティン、塩酸アンブロキソール。
25.経口糖尿病治療剤
グリベングラミド、トルブタミド、グリミジンナトリウム、トログリタゾン、ロシグリタゾン、塩酸ピオグリタゾン、エパルレスタット。
26.循環器用剤
ユビデカレノン、ATP−2Na。
27.鉄剤
硫酸第一鉄、乾燥硫酸鉄。
28.ビタミン剤
ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、葉酸。
29.頻尿・尿失禁治療剤
塩酸フラボキサート、塩酸オキシブチニン、塩酸テロリジン、4−ジエチルアミノ−1,1−ジメチル−2−ブチニル(±)−α−シクロヘキシル−α−フェニルグリコレートハイドロクロライド モノハイドレート。
30.アンジオテンシン変換酵素阻害剤
マレイン酸エナラプリル、アラセプリル、塩酸デラプリル、カンデサルタンシレキセチン。
31.腎炎治療剤
(3β,4α)−3、23−ジヒドロキシ−N−(2−メトキシエチル)−18β−オレアン−12−エン−28−アミド(以下、化合物Aという)。
32.免疫抑制剤
タクロリムス。
33.抗悪性腫瘍剤
パクリタキセル、ドセタキセル、ビカルタミド。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明は、一般的には、それぞれ所定量の医薬上許容されるワックス、医薬、及び所望により他の添加剤のような被混練材料の予備混合物(被混練材料の単純混合物あるいは物理的混合物)を本混練押出機に投入するか、又は予備混合なしに個々の被混練材料を材料供給機等により同時かつ定量的に本混練押出機に投入し、使用する本混練押出機の機能に基づいて当該原料に対して一括して圧縮、剪断、混練、押出等の処理を行うことにより実施することができる。
【0043】
使用するワックスと医薬との配合比率は、使用するワックスや医薬の種類、所望する医薬ワックスマトリックスなどにより異なるが、溶媒法等の他の製法における配合比率と何ら変わるところはない。一般的には、ワックスの配合量は、重量比にして当該医薬に対して、例えば0.1〜10倍が適当であり、0.5〜5倍が好ましい。
【0044】
他の添加剤としては、お互い重複する化合物を含み得るが、例えば、放出調節剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、安定化剤、香料、可溶化剤、吸着剤、抗酸化剤、pH調整剤、界面活性剤、緩衝剤、矯味剤、甘味剤、発泡剤、保存剤、清涼剤を挙げることができる。これらを適当量配合することができる。具体的な当該添加剤としては、例えば、下記のものを挙げることができる。
【0045】
1.セルロース誘導体
メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC;例、HPMC2208(メトローズ(登録商標、以下同じ)90SH、SB−4)、同2906(メトローズ65SH)、同2910(メトローズ60SH、TC−5(登録商標、以下同じ))など)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS;例、AQOAT(登録商標)L、同M、同H)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP;例、HPMCP220824(HP50)、同220731(HP55))、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム。
【0046】
2.合成高分子化合物
ポリビニルピロリドン(PVP;例、コリドン(登録商標、以下同じ)K30、同K60、同K90)、N−ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(例、コリドンVA64)、ポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシビニルポリマー(ポリアクリル酸;例、カーボポール(登録商標)、ハイビスワコー(登録商標))、ポリエチレングリコール(マクロゴール;例、PEG4000、同6000)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(プルロニック(登録商標)、PEP101)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、メタアクリル酸コポリマー(例、オイドラギット(登録商標、以下同じ)L30D−55、同L100−55、同L100、同S100)、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー(例、オイドラギットE100)、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート(AEA)、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー(例、オイドラギットRS30D、同RS100、同RL30D、同RL100)。
【0047】
3.天然高分子化合物及びその誘導体
アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、寒天、ゼラチン、トラガント、キサンタンガム。
4.糖類及び糖アルコール
乳糖、白糖、D−マンニトール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、イノシトール、マルチトール、アラビトール、ズルシトール。
5.デンプン類
馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉、デキストリン、α化デンプン(例、アミコール(登録商標)、マツノリン(登録商標))、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、カルボキシメチルスターチナトリウム(例、プリモジェル(登録商標)、エキスプロタブ(登録商標))、プルラン、部分α化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ(HPS)。
【0048】
6.無機物質
リン酸水素カルシウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、タルク、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、酸化チタン、タール色素。
7.その他
フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、クエン酸トリエチル、トリアセチン、Span類、Tween類、アスコルビン酸、安息香酸、1−メントール、オレンジエキス。
【0049】
被混練材料の予備混合物は、常法通り、例えば、ニーダーミキサー、V型混合機、二重円錐型混合機、立方体型混合機、リボン型混合機などの機械や手動によって被混練材料を単純に混合することにより得ることができる。
被混練材料の予備混合物の本混練押出機への投入は、手動により、又は適当な材料供給機、例えば、スクリューフィーダー、テーブルフィーダー、ベルトコンベア式定量供給機、電磁フィーダーによって行うことができる。また、これら材料供給機は、予備混合物を本混練押出機に投入するのみならず、個々の被混練材料を同時かつ定量的に投入する場合にも用いることができる。
【0050】
被混練材料の処理温度は、用いるワックスや医薬、他の添加剤の種類や配合比率、使用する本混練押出機の種類(特に回転円板や固定円板の形状特性)、処理スピードなどによって異なるが、被混練材料の溶融ないし軟化温度以上であることが望ましい。溶融ないし軟化温度よりも低い温度でも、用いるワックスや医薬等の種類や配合比率、第三添加物の存在等によっては十分に本発明を実施しうる場合がある。なお、被混練材料は、回転円板部に到るまでに少なくとも前記処理温度近くに到達している方が好ましい。また、被混練材料が回転円板部を通過した後、押し出されるまでにおいても被混練材料の軟化温度近くの温度が維持される方が好ましい。
処理速度(スクリュの回転数)は、使用する本混練押出機の種類(特に回転円板と固定円板の形状特性)、被混練材料、処理温度等によって適宜使用する本混練押出機の許容範囲内で設定することができる。具体的には5rpm 以上が適当であり、10〜300rpmが好ましい。
【0051】
排出口から押し出されてきた混練押出物(医薬ワックスマトリックス)は、適当な裁断機、例えば、ローラー型解砕機、カッターミル、ピンミル等で所望の長さに裁断することができる。この裁断されたものは、そのまま又は乾燥して粒状の医薬品製剤とすることができる。なお、排出口の形状は、特に制限されず、例えば、円形、三角形や四角形、六角形等の多角形、星形を挙げることができる。排出口の口径は、0.5〜5mmが適当である。
上記粒状物をカプセル等に詰めれば、カプセル製剤とすることができ、圧縮成形すれば錠剤とすることができる。
また、粒状物にコーティング処理などを施したもの又は粒状物若しくはそれをコーティング処理したものをカプセルに詰めるなどすることもできる。これにより医薬品製剤の強度を更に向上させることができ、また医薬品の安定性を高めることができる。
当然ながら、上記製剤化においては、種々の医薬上許容される添加剤を適宜配合して行うことができる。
【0052】
【実施例】
次に、実施例、比較例、試験例を掲げて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。なお、以下の実施例は、図1及び図2に示すバッチ式混練押出機1を使用して行った。
【0053】
実施例1
テオフィリン30gに対し硬化ヒマシ油(ラブリワックス(登録商標、以下同じ)101、フロイント産業) 30 g、マンニトール40gを単純に混合した。この予備混合物を、直径50mm、幅20mmの円板(材質:窒化処理したSACM645 )3と、直径20mm、螺旋状スクリュウ6aと螺子型回転軸部6fとを合わせた長さ 100mmの回転軸(材質:窒化処理したSACM645 )6と、排出口7の径2mm とを備えたバッチ式混練押出機(混練側シリンダ部の材質:窒化処理したSACM645 、供給側シリンダ部の材質:窒化処理したSACM645 )1を使用し、条件を回転数20rpm,混練側シリンダ部10の温度80 ℃,供給側シリンダ部13の温度70 ℃とし、それぞれ混練側隙間2mm,供給側隙間2mmで処理し、混練押出物(医薬ワックスマトリックス)を得た。また、クアドロ・コーミル(QC−197S型、パウレック社;以下同じ)を用いて、この押出物を整粒し、得られた顆粒を物性評価の試料とした。
【0054】
実施例2
テオフィリン30 gと硬化ヒマシ油(ラブリワックス101) 40 g、モノステアリン酸グリセリン(ポエム(登録商標、以下同じ)S−100、理研ビタミン)30gとの予備混合物を用い、混練側シリンダ部10の温度を65 ℃、供給側シリンダ部13の温度を55 ℃とする以外は実施例1と同様に処理して混練押出物(医薬ワックスマトリックス)を得た。また、クアドロ・コーミルを用いて、この押出物を整粒し、得られた顆粒を物性評価の試料とした。
実施例3
アセトアミノフェン50 gと硬化ヒマシ油(ラブリワックス101) 20 g、硬化ナタネ油(ラブリワックス103) 30gとの予備混合物を用いた以外は実施例2と同様に処理して混練押出物(医薬ワックスマトリックス)を得た。また、クアドロ・コーミルを用いて、この押出物を整粒し、得られた顆粒を物性評価の試料とした。
【0055】
実施例4
インドメタシン20 gとモノステアリン酸グリセリン(ポエムS−100)30 g、マンニトール50 gとの予備混合物を用いた以外は実施例2と同様に処理して混練押出物(医薬ワックスマトリックス)を得た。また、クアドロ・コーミルを用いて、この押出物を整粒し、得られた顆粒を物性評価の試料とした。
実施例5
塩酸アンブロキソール 10 gと硬化ヒマシ油(ラブリワックス101) 20 g、キシリトール 20 g、マンニトール 10 g、コーンスターチ 40 gとの予備混合物を用い、混練側シリンダ部10の温度を80℃、供給側シリンダ部13の温度を70 ℃とする以外は実施例1と同様に処理して混練押出物(医薬ワックスマトリックス)を得た。また、クアドロ・コーミルを用いて、この押出物を整粒し、得られた顆粒を物性評価の試料とした。
【0056】
比較例1  溶融法
テオフィリン15 gに対し硬化ヒマシ油(ラブリワックス101) 15 g、マンニトール 20 gを混合し、ステンレス製ビーカー(直径:9.5cm、高さ:15cm)に投入し、90℃の温浴にて加熱熔融させた。これを均一に分散させた後、温浴から取り出し25℃の環境下に放置し自然冷却させ硬化させた。また、クアドロ・コーミルを用いて、得られた試料を解砕・整粒し、比較用試験サンプルとした。
【0057】
試験例1
実施例1及び2で製造された医薬ワックスマトリックスとテオフィリン原末に関して、篩サイズ:16号(1000ミクロン)〜32号(500ミクロン)範囲の粒子を溶出試験用の試料とした。これら各々の試料からテオフィリン50mg相当量を秤取し、精製水 900 mLに投入し、パドル法(回転数:50 rpm)、測定波長(242nm)の条件で溶出試験を行った。その結果を図9に示す。
試験例2
実施例3で製造された医薬ワックスマトリックスとアセトアミノフェン原末に関して、篩サイズ:16号(1000ミクロン)〜32号(500ミクロン)範囲の粒子を溶出試験用の試料とした。これら各々の試料からアセトアミノフェン20mg相当量を秤取し、精製水 900 mLに投入し、パドル法(回転数:50 rpm)、測定波長(216nm)の条件で溶出試験を行った。その結果を図10に示す。
【0058】
試験例3
実施例4で製造された医薬ワックスマトリックスとインドメタシン原末に関して、篩サイズ:16号(1000ミクロン)〜32号(500ミクロン)範囲の粒子を溶出試験用の試料とした。これら各々の試料からインドメタシン50mg相当量を秤取し、日本薬局方第第二液(pH6.8) 900 mLに投入し、パドル法(回転数:50 rpm)、測定波長(300nm)の条件で溶出試験を行った。その結果を図11に示す。
試験例4
実施例5で製造された医薬ワックスマトリックスと塩酸アンブロキソール原末に関して、篩サイズ:16号(1000ミクロン)〜32号(500ミクロン)範囲の粒子を溶出試験用の試料とした。これら各々の試料から塩酸アンブロキソール50mg相当量を秤取し、精製水900 mLに投入し、パドル法(回転数:50 rpm)、測定波長(232nm)の条件で溶出試験を行った。その結果を図12に示す。
【0059】
試験例5  官能検査結果
実施例5で得られた押出物の苦みの有無を確認する目的で、成人男子(10人)を用いて官能検査を行った。試験方法は、処理前の予備混合物、及び処理後、整粒操作で得た顆粒(本発明実施物)の、それぞれ300mgを口に含み、以下に示した評価基準に従い苦みの有無を確認した。
【0060】
【表1】
Figure 2004024686
【0061】
試験例6  含量均一性
実施例1及び比較例1で得られた試料を各約50mg秤取し、エタノール・精製水混液(9:1)100mLを用いて、超音波照射をしながら当該医薬の抽出を行った。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により抽出液中のテオフィリンの含量を測定した。その結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明による医薬ワックスマトリックスの含量均一性は、極めて優れていた。
【0062】
【表2】
Figure 2004024686

【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る混練押出機を示した側面図である。
【図2】図1に図示した混練押出機の平面図である。
【図3】図1に図示した混練側シリンダ部の説明図である。
【図4】図1に図示した円板の説明図である。
【図5】図2に図示した供給側可動板と混練側可動板とを往復動させる可動機構を説明する縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る混練押出機を示した平面図である。
【図7】図6に図示した軸受部を説明する縦断面図である。
【図8】図6に図示した混練側可動板を往復動させる可動機構を説明する縦断面図である。
【図9】実施例1及び2の医薬ワックスマトリックスとテオフィリン原末の溶出試験の結果を示す。縦軸は溶出率(%)、横軸は試験時間(時間)を表す。−○−は医薬原末の結果を、−△−は実施例1に係る医薬ワックスマトリックスの結果を、−□−は実施例2に係る医薬ワックスマトリックスの結果を、それぞれ表す。
【図10】実施例3の医薬ワックスマトリックスとアセトアミノフェン原末に関する溶出試験の結果を示す。縦軸は溶出率(%)、横軸は試験時間(時間)を表す。−○−は医薬原末の結果を、−□−は実施例3に係る医薬ワックスマトリックスの結果を、それぞれ表す。
【図11】実施例4の医薬ワックスマトリックスとインドメタシン原末に関する溶出試験の結果を示す。縦軸は溶出率(%)、横軸は試験時間(時間)を表す。−○−は医薬原末の結果を、−□−は実施例4に係る医薬ワックスマトリックスの結果を、それぞれ表す。
【図12】実施例5の医薬ワックスマトリックスと塩酸アンプロキソール原末に関する溶出試験の結果を示す。縦軸は溶出率(%)、横軸は試験時間(分)を表す。−○−は医薬原末の結果を、−□−は実施例5に係る医薬ワックスマトリックスの結果を、それぞれ表す。
【符号の説明】
1 混練押出機(バッチ式混練押出機、連続式混練押出機)
2 材料供給部
3 円板
4 材料混練部
6 回転軸
7 排出口
8 円柱状横穴開口部
10 混練側シリンダ部
13 供給側シリンダ部
18 支柱軸
19 混練側可動板
20 供給側可動板
22 混練側可動機構
23 供給側可動機構
29 隙間調節螺子部
30 固定部
31 ツマミ部
36 移送スクリュウ軸

Claims (14)

  1. 被混練材料を円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送して混練物を製造するものであって、シリンダ内で回転してその軸方向に流体を移送するように外周部にスクリュウを形成した回転軸に対して回転円板をその中心部で固着し、この円板の少なくとも片方の面には山と谷とを交互に放射状に形成し、この面に対向させて同軸に固定円板をシリンダに固着させ、かつ前記回転軸との間に隙間が形成されるように配置すると共にこの固定円板の回転円板に対する面にも山と谷とを交互に放射状に形成し、固定円板と回転軸との間を通って送り込まれた流体は両円板の谷間で両円板の境界線部によって外周方向に押し出され、回転円板の外周とシリンダ内面との間を送り出されるように構成された混練押出機に、少なくとも原料として医薬上許容されるワックスと医薬とを投入し、当該原料に対して一括して混練押出等の処理を行うことを特徴とする、医薬ワックスマトリックスの製法。
  2. 混練押出機が、被混練材料を送り込む材料供給部と該材料供給部から送り込まれた被混練材料を周面に浅底溝を有する円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送する材料混練部とが一連に横設されており、材料混練部4が前記螺旋状スクリュウ6aを周設した回転軸6と、材料供給部2側に位置付けられて材料供給部2から送り込まれた前記被混練材料を圧縮・剪断して混練しながら回転軸6側へ移送する該回転軸6と同軸に固定された該回転軸6より大径の一枚の前記円板3と、該円板3を内設して回転できる広さに形成された円柱状横穴開口部8が後端部10b に設けられて前記回転軸6を内設して回転できる広さの筒状横穴9が円柱状横穴開口部8の底面8aから先端部端面10c に向かって形成されているシリンダ部10とから構成されている混練押出機1であって、前記シリンダ部10が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する可動部19に固定されて該可動部19を往復動させて前記円板3の回転軸側側面と前記円柱状横穴開口部8の底面8aとの間に形成される隙間を調節することによって前記被混練材料の種類に応じた圧縮・剪断度合いが得られることを特徴とするものである、請求項1に記載された、医薬ワックスマトリックスの製法。
  3. 混練押出機が、被混練材料を送り込む材料供給部と該材料供給部から送り込まれた被混練材料を周面に浅底溝を有する円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送する材料混練部とが一連に横設されており、材料混練部4が前記螺旋状スクリュウ6aを周設した回転軸6と、材料供給部2側に位置付けられて材料供給部2から送り込まれた前記被混練材料を圧縮・剪断して混練しながら回転軸6側へ移送する該回転軸6と同軸に固定された該回転軸6より大径の一枚の前記円板3と、該円板3を内設して回転できる広さに形成された円柱状横穴開口部8が後端部10b に設けられて前記回転軸6を内設して回転できる広さの筒状横穴9が円柱状横穴開口部8の底面8aから先端部端面10c に向かって形成されている混練側シリンダ部10とから構成され、材料供給部2が前記円柱状横穴開口部8に往復動可能に嵌まる形状の先端部13a を有して該先端部13a が開口した供給側シリンダ部13と、該供給側シリンダ部13内に投入された被混練材料を先端部13a に押し出すピストン部14とから構成されている混練押出機1であって、前記混練側シリンダ部10が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する混練側可動部19に固定されていると共に前記供給側シリンダ部13が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する供給側可動部20に固定されて混練側可動部19を往復動させて前記円板3の回転軸側側面と前記円柱状横穴開口部8の底面8aとの間に形成される混練側隙間を調節すると共に供給側可動部20を往復動させて前記円板3の材料供給部側側面と前記供給側シリンダ部13の先端部13a 端面との間に形成される供給側隙間を調節することによって前記被混練材料の種類に応じた圧縮・剪断度合いが得られることを特徴とするものである、請求項1に記載された、医薬ワックスマトリックスの製法。
  4. 混練押出機が、被混練材料を送り込む材料供給部と該材料供給部から送り込まれた被混練材料を周面に浅底溝を有する円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送する材料混練部とが一連に横設されており、材料混練部4が前記螺旋状スクリュウ6aを周設した回転軸6と、材料供給部2側に位置付けられて材料供給部2から送り込まれた前記被混練材料を圧縮・剪断して混練しながら回転軸6側へ移送する該回転軸6と同軸に固定された該回転軸6より大径の一枚の前記円板3と、該円板3を内設して回転できる広さに形成された円柱状横穴開口部8が後端部10b に設けられて前記回転軸6を内設して回転できる広さの筒状横穴9が円柱状横穴開口部8の底面8aから先端部端面10c に向かって形成されている混練側シリンダ部10とから構成され、材料供給部2が前記円柱状横穴開口部8に往復動可能に嵌まる形状の先端部13aを有して該先端部13a が開口した供給側シリンダ部13と、該供給側シリンダ部13に回転可能に内設して前記回転軸6と同軸に前記円板3に固定されて供給側シリンダ部13内に投入された被混練材料を回転させながら先端部13a に押し出す移送スクリュウ軸36とから構成されている混練押出機1であって、前記混練側シリンダ部10が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する混練側可動部19に固定されて混練側可動部19を往復動させて前記円板3の回転軸側側面と前記円柱状横穴開口部8の底面8aとの間に形成される混練側隙間を調節することによって前記被混練材料の種類に応じた圧縮・剪断度合いが得られることを特徴とするものである、請求項1に記載された、医薬ワックスマトリックスの製法。
  5. 医薬上許容されるワックスが、医薬上許容される、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、又は高級アルコールエステルから実質的に構成されているワックスである、請求項1〜4のいずれかに記載された、医薬ワックスマトリックスの製法。
  6. 医薬上許容されるワックスが、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸に代表される炭素数12〜30の高級飽和脂肪酸からなるワックス;ペンタデカノール、ヘキサデカノール(セタノール、セチルアルコール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、ノナデカノール、エイコサノール、羊毛アルコール、コレステロールに代表される炭素数15〜30の高級飽和アルコールからなるワックス;ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、若しくはモノステアリン酸グリセリンからなるワックス;医薬上許容される動植物由来のワックス;医薬上許容される、炭素数15〜30の不飽和脂肪酸のグリセライドからなるワックス;又はコレステリールパルミテート、植物ステロールのパルミテート若しくはカルナウバロウからなるワックスである、請求項1〜4のいずれかに記載された、医薬ワックスマトリックスの製法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載された製法によって製造される医薬ワックスマトリックスを含有する医薬品製剤。
  8. 剤形が、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、細粒剤、又は散剤である、請求項7記載の医薬品製剤。
  9. 少なくとも医薬上許容されるワックスと医薬とから構成される医薬ワックスマトリックスを製造するために、被混練材料を円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送して混練物を製造するものであって、シリンダ内で回転してその軸方向に流体を移送するように外周部にスクリュウを形成した回転軸に対して回転円板をその中心部で固着し、この円板の少なくとも片方の面には山と谷とを交互に放射状に形成し、この面に対向させて同軸に固定円板をシリンダに固着させ、かつ前記回転軸との間に隙間が形成されるように配置すると共にこの固定円板の回転円板に対する面にも山と谷とを交互に放射状に形成し、固定円板と回転軸との間を通って送り込まれた流体は両円板の谷間で両円板の境界線部によって外周方向に押し出され、回転円板の外周とシリンダ内面との間を送り出されるように構成された混練押出機を使用する方法。
  10. 混練押出機が、被混練材料を送り込む材料供給部と該材料供給部から送り込まれた被混練材料を周面に浅底溝を有する円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送する材料混練部とが一連に横設されており、材料混練部4が前記螺旋状スクリュウ6aを周設した回転軸6と、材料供給部2側に位置付けられて材料供給部2から送り込まれた前記被混練材料を圧縮・剪断して混練しながら回転軸6側へ移送する該回転軸6と同軸に固定された該回転軸6より大径の一枚の前記円板3と、該円板3を内設して回転できる広さに形成された円柱状横穴開口部8が後端部10b に設けられて前記回転軸6を内設して回転できる広さの筒状横穴9が円柱状横穴開口部8の底面8aから先端部端面10c に向かって形成されているシリンダ部10とから構成されている混練押出機1であって、前記シリンダ部10が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する可動部19に固定されて該可動部19を往復動させて前記円板3の回転軸側側面と前記円柱状横穴開口部8の底面8aとの間に形成される隙間を調節することによって前記被混練材料の種類に応じた圧縮・剪断度合いが得られことを特徴とするものである、請求項9記載の方法。
  11. 混練押出機が、被混練材料を送り込む材料供給部と該材料供給部から送り込まれた被混練材料を周面に浅底溝を有する円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送する材料混練部とが一連に横設されており、材料混練部4が前記螺旋状スクリュウ6aを周設した回転軸6と、材料供給部2側に位置付けられて材料供給部2から送り込まれた前記被混練材料を圧縮・剪断して混練しながら回転軸6側へ移送する該回転軸6と同軸に固定された該回転軸6より大径の一枚の前記円板3と、該円板3を内設して回転できる広さに形成された円柱状横穴開口部8が後端部10b に設けられて前記回転軸6を内設して回転できる広さの筒状横穴9が円柱状横穴開口部8の底面8aから先端部端面10c に向かって形成されている混練側シリンダ部10とから構成され、材料供給部2が前記円柱状横穴開口部8に往復動可能に嵌まる形状の先端部13a を有して該先端部13a が開口した供給側シリンダ部13と、該供給側シリンダ部13内に投入された被混練材料を先端部13a に押し出すピストン部14とから構成されている混練押出機1であって、前記混練側シリンダ部10が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する混練側可動部19に固定されていると共に前記供給側シリンダ部13が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する供給側可動部20に固定されて混練側可動部19を往復動させて前記円板3の回転軸側側面と前記円柱状横穴開口部8の底面8aとの間に形成される混練側隙間を調節すると共に供給側可動部20を往復動させて前記円板3の材料供給部側側面と前記供給側シリンダ部13の先端部13a 端面との間に形成される供給側隙間を調節することによって前記被混練材料の種類に応じた圧縮・剪断度合いが得られることを特徴とするものである、請求項9記載の方法。
  12. 混練押出機が、被混練材料を送り込む材料供給部と該材料供給部から送り込まれた被混練材料を周面に浅底溝を有する円板の回転により圧縮・剪断して螺旋状スクリュウの回転により螺旋移送する材料混練部とが一連に横設されており、材料混練部4が前記螺旋状スクリュウ6aを周設した回転軸6と、材料供給部2側に位置付けられて材料供給部2から送り込まれた前記被混練材料を圧縮・剪断して混練しながら回転軸6側へ移送する該回転軸6と同軸に固定された該回転軸6より大径の一枚の前記円板3と、該円板3を内設して回転できる広さに形成された円柱状横穴開口部8が後端部10b に設けられて前記回転軸6を内設して回転できる広さの筒状横穴9が円柱状横穴開口部8の底面8aから先端部端面10c に向かって形成されている混練側シリンダ部10とから構成され、材料供給部2が前記円柱状横穴開口部8に往復動可能に嵌まる形状の先端部13aを有して該先端部13a が開口した供給側シリンダ部13と、該供給側シリンダ部13に回転可能に内設して前記回転軸6と同軸に前記円板3に固定されて供給側シリンダ部13内に投入された被混練材料を回転させながら先端部13a に押し出す移送スクリュウ軸36とから構成されている混練押出機1であって、前記混練側シリンダ部10が前記回転軸6の長手方向と同一方向に往復動する混練側可動部19に固定されて混練側可動部19を往復動させて前記円板3の回転軸側側面と前記円柱状横穴開口部8の底面8aとの間に形成される混練側隙間を調節することによって前記被混練材料の種類に応じた圧縮・剪断度合いが得られることを特徴とするものである、請求項9記載の方法。
  13. 医薬上許容されるワックスが、医薬上許容される、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸エステル、又は高級アルコールエステルから実質的に構成されているワックスである、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 医薬上許容されるワックスが、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸に代表される炭素数12〜30の高級飽和脂肪酸からなるワックス;ペンタデカノール、ヘキサデカノール(セタノール、セチルアルコール)、ヘプタデカノール、オクタデカノール(ステアリルアルコール)、ノナデカノール、エイコサノール、羊毛アルコール、コレステロールに代表される炭素数15〜30の高級飽和アルコールからなるワックス;ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、若しくはモノステアリン酸グリセリンからなるワックス;医薬上許容される動植物由来のワックス;医薬上許容される、炭素数15〜30の不飽和脂肪酸のグリセライドからなるワックス;又はコレステリールパルミテート、植物ステロールのパルミテート若しくはカルナウバロウからなるワックスである、請求項9〜12のいずれかに記載の方法。
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