JP2004024312A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な遊技性を付与することにより、遊技意欲を掻き立て、興趣を向上させることができる遊技機を提供する。
【解決手段】遊技者の操作に応じて抽選を行う抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、前記特別遊技状態を発生させるまでの抽選状態として、遊技者の操作に応じて相互に変更される第1抽選状態及び第2抽選状態の少なくとも2種類の状態を有し、現状の抽選状態を示唆する抽選状態示唆手段50を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】遊技者の操作に応じて抽選を行う抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、前記特別遊技状態を発生させるまでの抽選状態として、遊技者の操作に応じて相互に変更される第1抽選状態及び第2抽選状態の少なくとも2種類の状態を有し、現状の抽選状態を示唆する抽選状態示唆手段50を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシン等に代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技者の操作に応じて抽選を行う抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、パチンコ機では、遊技媒体である遊技球を遊技領域内に打ち込んで入賞口に入賞させ、これにより遊技球の払い出しを得るといった遊技が行われる。
また、スロットマシンでは、遊技媒体であるメダルを投入してドラムを回転させ、特定の態様の図柄が表示されるようにドラムを停止させ、これによりメダルの払い出しを得るといった遊技が行われる。ここで、上記のパチンコ機やスロットマシン等の遊技機の中には、遊技者の操作に応じて抽選を行い、この抽選の結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものがある。例えば、パチンコ機では、「遊技球を遊技領域内に打ち込む」といった遊技者の操作に応じて種々の抽選手段により抽選を行い、この抽選の結果に基づき、特別遊技状態として、入賞口に多量の遊技球が入賞し易くなるように、開閉駆動される入賞口を開放したり、繰り返し開閉する状態、所謂「大当たり状態」を発生させるものがある。また、スロットマシンでは、「メダルを投入してドラムを回転させる」といった遊技者の操作に応じて種々の抽選手段により抽選を行い、この抽選の結果に基づき、特別遊技状態として、所定ゲーム数の間、特定の態様の図柄を表示するようにドラムが頻繁に停止する状態、所謂「ボーナスゲーム状態」を発生させるものがある。
【0003】
また、さらに、上記の遊技機の中には、特別遊技状態として複数の種類のものが用意されており、特別遊技状態を発生させる場合には、複数の中から選出した種類の特別遊技状態を発生させるものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の遊技機では、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選や、特別遊技状態の種類を決定する抽選等、種々の抽選を行うのであるが、この抽選は、抽選確率等の条件が予め設定された所定の抽選状態の下で行われていた。そして、遊技者は、所定の抽選状態の下で、特別遊技状態を発生させるためだけに、淡々と遊技を行うだけであり、従来の遊技機は、興趣の低いものであった。
【0005】
なお、複数種類の抽選状態が用意され、適宜に選出された抽選状態にて遊技を行うことができるようにした遊技機もある。しかしながら、このような遊技機であっても、遊技者の操作によっては抽選状態を相互に変更することができないものであり、遊技者は、与えられた抽選状態の下で遊技を行うことしかない。よって、このような遊技機も、やはり、興趣の低いものであった。
【0006】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、新規な遊技性を付与することにより、遊技意欲を掻き立て、興趣を向上させることができる遊技機の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じて、その作用効果についても説明する。
【0008】
手段1:遊技者の操作に応じて抽選を行う抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、前記特別遊技状態を発生させるまでの抽選状態として、遊技者の操作に応じて相互に変更される第1抽選状態及び第2抽選状態の少なくとも2種類の状態を備えることを特徴とする遊技機。
【0009】
ここで、抽選手段は、特別遊技状態に関する抽選を行うものであればよい。例えば、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行うものであってもよく、その他、特別遊技状態として、内容の異なる複数種類のものが用意されている場合に、発生させる特別遊技状態の種類を決定する抽選を行うものであってもよい。
【0010】
また、特別遊技状態とは、通常の遊技状態より遊技者に有利な状態を指すものである。そして、この特別遊技状態としては、以下のような種々の状態を例示することができる。
【0011】
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される入賞口を、所定回数繰り返し開閉させたり、所定時間、或いは、遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技媒体である遊技球が多量に入賞口に入賞し易くした状態、所謂「大当たり状態」。
【0012】
(2)パチンコ機等の遊技機において、大当たり状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
【0013】
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体である遊技球の入賞や通過により大当たり状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の入賞口を、通常よりも遊技球が入賞し易い状態とし、大当たりの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
【0014】
(4)スロットマシン等の遊技機において、所定ゲーム数の間、遊技媒体であるメダルの払い出しを行う図柄にてドラムが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
【0015】
(5)スロットマシン等の遊技機において、ボーナスゲーム状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
【0016】
また、抽選状態とは、特別遊技状態に関する抽選を行う状態であり、抽選確率を設定したり、抽選によって選出される選出対象が複数ある場合に選出対象を設定する等、抽選に関する種々の条件が設定された状態を指す。
【0017】
手段1では、特別遊技状態に関する抽選を行う抽選状態として、第1抽選状態と第2抽選状態との少なくとも2種類の状態があり、各状態は、遊技者の操作に応じて相互に変更される。よって、遊技内容として、特別遊技状態を発生させるための遊技だけでなく、抽選状態の変更に関する遊技も加わり、遊技内容が多様化し、興趣を向上させることができる。
【0018】
また、遊技者にとっては、現在の抽選状態がいずれの状態であるかについて憶測しつつ遊技を行うこともでき、遊技意欲が掻き立てられ、この理由からも、興趣を向上させることができる。
【0019】
例えば、第2抽選状態を第1抽選状態よりも遊技者に有利な状態とした場合、遊技者は、第1抽選状態では、特別遊技状態を発生させるためだけでなく、抽選状態を有利な第2抽選状態に変更しようと、遊技に熱が入る。また、特別遊技状態を取得できた際ばかりでなく、抽選状態を第1抽選状態から第2抽選状態に変更できた際にも喜びを得ることができ、遊技の面白みが増す。一方、第2抽選状態では、この有利な第2抽選状態の下で早く特別遊技状態を取得すべく、遊技に熱が入る。また、特別遊技状態の取得への期待感に、抽選状態が不利な第1抽選状態に変更される不安感が加わり、遊技者は「ドキドキ」、「ハラハラ」し、遊技の面白みが増す。さらに、抽選状態が不利な第1抽選状態に変更されても、落胆を感じると同時に、再度、抽選状態を第2抽選状態に変更しようと、遊技意欲が掻き立てられる。
【0020】
なお、第1抽選状態と第2抽選状態とで、上述のように、遊技者にとっての有利さが異なる状態としてもよいが、有利さが同等、或いは、有利さが対比できないような状態としてもよい。例えば、第1抽選状態と第2抽選状態とで、「特別遊技状態を発生させる確率を異ならせる」、「発生させる特別遊技状態の種類を異ならせる」等の状態項目のうち、適宜の状態項目を異ならせる態様では、一方の抽選状態を、特別遊技状態の発生確率については有利であるが、特別遊技状態の種類については不利とし、他方の抽選状態を、特別遊技状態の発生確率については不利であるが、特別遊技状態の種類については有利とする等、抽選状態全体で有利さを対比することができないように状態項目に差異を生じさせてもよい。
【0021】
また、第1抽選状態から第2抽選状態へと変更される確率と、第2抽選状態から第1抽選状態へと変更される確率とを異ならせると、興趣をより一層向上させることができ、好適である。ここで、第2抽選状態が第1抽選状態よりも遊技者に有利な状態である場合、第1抽選状態から第2抽選状態へと変更される確率を高くし、第2抽選状態から第1抽選状態へと変更される確率を低く設定すると、遊技者にとって、第2抽選状態での安心感が高まる。また、第1抽選状態では、第2抽選状態へと変更しようと、遊技意欲が高まる。一方、第1抽選状態から第2抽選状態へと変更される確率を低くし、第2抽選状態から第1抽選状態へと変更される確率を高く設定すると、第1抽選状態から第2抽選状態に変更された際には、確率が低い分だけ、遊技者にとって喜びが増す。また、第2抽選状態では、早めに特別遊技状態を取得しなければ、第1抽選状態に変更されてしまうことから、遊技意欲が、より一層高められる。
【0022】
手段2:請求項1の遊技機において、現状の抽選状態を示唆する抽選状態示唆手段を備えることを特徴とする遊技機。
【0023】
ここで、抽選状態示唆手段は、現状の抽選状態を遊技者に示唆するものであればよい。なお、抽選状態示唆手段としては、ランプ、液晶表示器、発光ダイオード等の種々の表示装置での表示出力や、スピーカでの音声出力等の案内手段によって抽選状態を直接的に案内することにより示唆するもの、第1抽選状態と第2抽選状態とで、表示装置や可動する装飾品等の種々の演出装置により実行される演出を異ならせ、これにより、現状の抽選状態を遊技者に憶測させることにより間接的に示唆するもの等を例示することができる。
【0024】
手段2では、現状の抽選状態が抽選状態示唆手段によって遊技者に対して示唆される。このため、抽選状態が変更された際に、遊技者にとっては、現状の抽選状態が認識可能となる。よって、遊技者にとっては、特別遊技状態を発生させるといった遊技を楽しむばかりでなく、抽選状態を変更させるといった遊技を楽しむことができる。
【0025】
手段3:手段1または手段2の遊技機において、前記抽選手段は、前記特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行うものであり、前記第2抽選状態では、前記第1抽選状態よりも高い確率で特別遊技状態を発生させることを特徴とする遊技機。
【0026】
手段3は、第1抽選状態と第2抽選状態とで、特別遊技状態を発生させる確率を異ならせ、第2抽選状態を、特別遊技状態の発生確率の高い、遊技者にとって有利な状態としたものである。
【0027】
例えば、パチンコ機等の遊技機では、大当たり状態の終了後に、次回の大当たり状態の発生まで、遊技状態を通常状態とするか、この通常状態よりも大当たりの発生確率を高くした確率変動状態とするかを適宜設定する場合がある。このような遊技機では、遊技状態が通常状態であっても、確率変動状態であっても、遊技者は、次の大当たり状態を取得するためだけに淡々と遊技を行うしかなく、遊技内容が単調となる。これに対して、手段3では、抽選状態が遊技者の操作によって、第1抽選状態から有利な第2抽選状態に、或いは、第2抽選状態から不利な第1抽選状態に変更されるため、上述した通り、遊技内容が多様化し、興趣が向上する。
【0028】
なお、第1抽選状態では、特別遊技状態の発生確率を「0」とし、特別遊技状態を発生させないようにしてもよいが、第2抽選状態よりも低い確率で特別遊技状態を発生させるようにしてもよい。ここで、第1抽選状態で特別遊技状態を発生させないようにすると、第1抽選状態での遊技が、特別遊技状態を取得するためではなく、第2抽選状態に変更するためのものとなる。これに対して、第2抽選状態での遊技は、抽選状態を第1抽選状態に変更されないように維持しつつ、特別遊技状態を発生させるためのものとなる。このような遊技機では、第1抽選状態と第2抽選状態とで、遊技内容が全く別異なものとなり、遊技内容が多様化し、興趣が向上する。一方、第1抽選状態でも、例えば、第2抽選状態の1/2〜1/20程度の低い確率で、特別遊技状態を発生させることとすると、第1抽選状態で特別遊技状態を取得できた際には、期待感が少ないにも拘わらず、予想に反して特別遊技状態を取得できたことになるため、遊技者にとって、喜びが増し、遊技の面白みが増す。
【0029】
手段4:手段1または手段2の遊技機において、前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、該第1特別遊技状態よりもさらに遊技者に有利な第2特別遊技状態との少なくとも2種類の状態を有し、前記第1抽選状態では、前記第1特別遊技状態を発生させ、前記第2抽選状態では、前記第2特別遊技状態を発生させることを特徴とする遊技機。
【0030】
手段4は、第1抽選状態と第2抽選状態とで、発生させる特別遊技状態の種類を異ならせ、第2抽選状態で発生される特別遊技状態を、第1抽選状態で発生される第1特別遊技状態よりもさらに遊技者に有利な第2特別遊技状態としたものである。
【0031】
特別遊技状態として複数の種類のものが用意されており、複数の中から選出された種類の特別遊技状態を発生させる場合、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選と同時に、発生させる特別遊技状態の種類を決定することとすると、遊技者にとっては、特別遊技状態の発生が決定されて、はじめて、その特別遊技状態の種類を知り得るだけである。よって、特別遊技状態の種類に関しては、遊技者が介入したり予測する余地がなく、遊技内容が単調となる。これに対して、手段4では、第1抽選状態の下では第1特別遊技状態を取得でき、第2抽選状態の下では、第1特別遊技状態よりもさらに有利な第2特別遊技状態を取得でき、遊技者は、これを憶測或いは認識して遊技を行うことができる。よって、第2抽選状態では、抽選状態が第1抽選状態に変更される前に第2特別遊技状態を取得すべく、遊技に熱が入り、遊技の面白みが増す。また、発生される特別遊技状態の種類を、完全に予測できるか(第1抽選状態では、第1特別遊技状態のみを発生させ、第2抽選状態では、第2特別遊技状態のみを発生させる場合)、或いは、ある程度予測できるため(第1抽選状態では、第1特別遊技状態の発生確率を高くし、第2抽選状態では、第2特別遊技状態の発生確率を高くした場合)、特別遊技状態の発生とその種類とを関連付けて遊技を行うことができるため、遊技の面白みが増す。
【0032】
なお、複数種類の特別遊技状態の具体的な内容としては、特に限定するものではないが、「パチンコ機等の遊技機において、大当たり状態の種類を、開閉駆動される入賞口の開閉回数や開放時間等を異ならせた複数の種類とする」、「パチンコ機等の遊技機において、大当たり状態が所定条件を満たした場合に継続される態様である場合に、大当たり状態実行中の形態を異ならせ、上記所定条件を満たし易い形態と、満たし難い形態とを含む複数種類の形態とする」、「スロットマシン等の遊技機において、ボーナスゲーム状態の種類として、有利なゲームの回数を異ならせた複数の種類とする」等を例示することができる。
【0033】
手段5:手段4の遊技機において、前記第2特別遊技状態の内容は、夫々遊技者に有利な状態である、第1態様と、該第1態様の終了後に付与される第2態様とを有する内容であり、前記第1特別遊技状態の内容は、前記第1態様を有し、前記第2態様を有さない内容であることを特徴とする遊技機。
【0034】
手段5は、夫々異なる第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態の内容を限定したものであり、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とで、共に第1態様を実行するのであるが、この第1態様の終了後に、第2態様を付与するか否かで差異を生じさせたものである。具体的には、例えば、パチンコ機等の遊技機において、第1特別遊技状態では、大当たり状態の終了後は何らの付加価値も付与せずに通常状態とする一方で、第2特別遊技状態では、大当たり状態の終了後に、確率変動状態や時間短縮状態等、通常状態より有利な遊技状態を付与するようにしたものである。
【0035】
手段6:手段4または手段5の遊技機において、前記第1抽選状態であっても、前記第2特別遊技状態を、前記第1特別遊技状態よりも低い頻度で発生させることを特徴とする遊技機。
【0036】
手段6では、第1抽選状態であっても、低い頻度で第2特別遊技状態が発生されるため、第1抽選状態の下で第2特別遊技状態が発生すると、遊技者にとっては、期待感が少ないにも拘わらず、第2特別遊技状態を取得できたことになり、喜びが増し、遊技の面白みが増す。なお、第1抽選状態で第2特別遊技状態を発生させる頻度を、第1特別遊技状態の発生頻度の1/5〜1/50程度とすると、第1抽選状態の下では第2特別遊技状態を頻繁に取得できないため、第2特別遊技状態を取得できた際の喜び感が大きく、興趣を向上させることができ、好適である。
【0037】
手段7:手段4または手段5の遊技機において、抽選状態を示唆する抽選状態示唆手段を備え、該抽選状態示唆手段は、現状の抽選状態が第2抽選状態であっても第1抽選状態であるとして、第2抽選状態の示唆よりも低い頻度で示唆することを特徴とする遊技機。
【0038】
手段7では、抽選状態示唆手段によって、遊技者に、現状の抽選状態の情報を正確に与えるのではなく、誤った情報を与える。よって、現状の抽選状態が第1抽選状態であると誤って認識している下で、予期せず第2特別遊技状態を取得できた場合には、上述の手段6と同様に、喜びが増して遊技の面白みが増す。なお、第1抽選状態であるとして誤った状態を示唆する頻度を、正確な第2抽選状態を示唆する頻度の1/5〜1/50程度とするのが、上述の手段6と同様な理由から、好適である。
【0039】
手段8:手段4から手段7のいずれか一つの遊技機において、前記第2抽選状態であっても、前記第1特別遊技状態を、前記第2特別遊技状態よりも低い頻度で発生させることを特徴とする遊技機。
【0040】
手段8では、第2抽選状態であっても、低い頻度で第1特別遊技状態が発生されるため、第2抽選状態の下で第1特別遊技状態が発生した際には、予期せず、不利な第1特別遊技状態を取得することになるため、遊技者にとって、特別遊技状態取得の喜びの感と、その不利な内容による落胆の感とが交錯し、心境が複雑となり、遊技の面白みが増す。なお、第2抽選状態で第1特別遊技状態を発生させる頻度を、第2特別遊技状態の発生頻度の1/5〜1/50程度とすると、第2抽選状態の下では第1特別遊技状態が頻繁に発生しないため、遊技者に無用に落胆の感を与えることがなく、好適である。
【0041】
手段9:手段4から手段7の遊技機において、抽選状態を示唆する抽選状態示唆手段を備え、該抽選状態示唆手段は、現状の抽選状態が第1抽選状態であっても第2抽選状態であるとして、第1抽選状態の示唆よりも低い頻度で示唆することを特徴とする遊技機。
【0042】
手段9では、抽選状態示唆手段によって、遊技者に、現状の抽選状態の情報を正確に与えるのではなく、誤った情報を与える。よって、現状の抽選状態が第2抽選状態であると誤って認識している下で、予期せず第1特別遊技状態が取得された場合には、上述の手段8と同様に、心境が複雑となって遊技の面白みが増す。なお、第2抽選状態であるとして誤った状態を示唆する頻度を、正確な第1抽選状態を示唆する頻度の1/5〜1/50程度とするのが、上述の手段8と同様な理由から、好適である。
【0043】
手段10:手段1から手段9までのいずれか一つの遊技機において、抽選状態の変更に際して、遊技者が認識可能な演出を行うことを特徴とする遊技機。
【0044】
手段10では、遊技者に、抽選状態の変更に際しての演出を楽しませることができ、興趣を向上させることができる。
【0045】
なお、抽選状態を変更する際の演出については、特に限定するものではなく、ランプ、液晶表示器、発光ダイオード等の種々の表示装置での表示による演出、スピーカからの効果音や音声による演出、装飾品の動作による演出等を例示することができる。また、特別遊技状態を発生させるか否かについての演出を行う態様では、上記演出を行う演出手段を用いて、抽選状態の変更に関する演出を行うこととすると、共通の演出手段にて、特別遊技状態の発生と抽選状態の変更とを関連させて演出を楽しませることができ、好適である。例えば、特別遊技状態の発生に関しての演出を、演出手段として、種々の図柄を表示する図柄表示装置により行い、図柄表示装置に特定態様の図柄を表示することで、特別遊技状態の発生を演出する場合に、図柄表示装置に上記特定態様とは別の特定態様の図柄を表示することで、抽選状態の変更を演出することとする。このようにすると、遊技者は、共通する演出手段である図柄表示装置での演出によって、特別遊技状態の発生への期待感と、抽選状態の変更への期待感或いは不安感とを関連させて、同時に楽しむことができる。
【0046】
手段11:手段1から手段10までのいずれか一つの遊技機において、前記抽選手段は、コンピュータ処理によって抽選を行うことを特徴とする遊技機。
【0047】
ここで、抽選をコンピュータ処理によって行うためには、CPU、ROM及びRAM等の電子部品を備えたコンピュータに、乱数カウンターから取得した値によって抽選の当否を判定する等の内容の抽選用プログラムを実行させればよい。
【0048】
手段11では、抽選がコンピュータ処理によって行われるため、特別遊技状態の発生や、抽選状態の変更に関する種々の抽選処理を、簡便に行うことができる。また、抽選に関する条件を、多様に設定したり、変更することが容易である。
【0049】
手段12:手段1から手段10までのいずれか一つの遊技機において、前記抽選手段は、抽選領域での抽選媒体の挙動によって抽選を行うことを特徴とする遊技機。
【0050】
ここで、抽選媒体とは、抽選を行うために用いられる物品を指すものであり、この抽選媒体としては、例えば、パチンコ機やスロットマシン等で遊技を行うために用いられる遊技球やメダル等の遊技媒体を採用してもよく、或いは、遊技媒体とは別途の抽選専用の媒体を採用してもよい。また、抽選媒体の挙動による抽選としては、例えば、パチンコ機等において役物内の特定の入賞口に遊技球が入賞するか否か等、抽選領域内に設けられた特定領域に抽選媒体が到達するか否かによって抽選の当否を判定したり、ダイスの出目等、抽選領域内にて停止した抽選媒体の停止態様によって抽選の当否を判定する等を例示することができる。
【0051】
手段12では、抽選が抽選媒体の挙動によって行われるため、抽選が行われている状態を、視覚的に認識することができる。よって、この抽選媒体の挙動によって抽選を演出することができ、興趣を向上させることができる。また、コンピュータ処理によって抽選を行う場合、遊技者にとっては、抽選が行われている状態を確認することができず、抽選が不正に行われているのではないかといった疑義が生じるのであるが、手段12では、遊技者にとって、抽選が行われている状態を確認することができるため、抽選についての疑義が生じ難く、安心して遊技を行うことができる。
【0052】
手段13:手段1から手段12までのいずれか一つの遊技機において、抽選状態の変更を、コンピュータ処理による条件の成立に基づいて行うことを特徴とする遊技機。
【0053】
ここで、抽選状態の変更をコンピュータ処理による条件の成立に基づいて行うためには、上述の手段11と同様に、乱数カウンター等を用いて変更の条件が成立した否かを判定する等の手法を用いればよい。
【0054】
手段13では、抽選状態の変更をコンピュータ処理による条件の成立に基づいて行うため、抽選状態の変更処理を、簡便に行うことができる。また、抽選状態を変更するための条件を、多様に設定したり、変更することが容易である。
【0055】
手段14:手段1から手段12までのいずれか一つの遊技機において、抽選状態の変更を、変更領域での変更媒体の挙動による条件の成立に基づいて行うことを特徴とする遊技機。
【0056】
ここで、変更媒体とは、抽選状態を変更するための条件が成立したか否かを判定するために用いられる物品を指すものであり、この変更媒体としては、例えば、パチンコ機やスロットマシン等で遊技を行うために用いられる遊技球やメダル等の遊技媒体を採用してもよく、或いは、遊技媒体とは別途の条件判定専用の媒体を採用してもよい。また、変更媒体の挙動による条件の成立としては、例えば、パチンコ機等において、遊技領域内の特定の入賞口に遊技球が入賞するか否か等、変更領域内に設けられた特定領域に変更媒体が到達するか否かによって条件の成立を判定したり、ダイスの出目等、変更領域内にて停止した変更媒体の停止態様によって条件の成立を判定する等を例示することができる。
【0057】
手段14では、抽選状態の変更が変更媒体の挙動に基づいて行われるため、変更の条件が成立するか否の状態を、視覚的に認識することができる。よって、この変更媒体の挙動によって条件の成立状態を演出することができ、興趣を向上させることができる。また、コンピュータ処理に基づく場合、遊技者にとっては、条件の成立状態を確認することができず、抽選状態の変更が不正に行われているのではないかといった疑義が生じるのであるが、手段14では、遊技者にとって、抽選状態の変更条件が成立する状態を確認することができるため、抽選状態の変更についての疑義が生じ難く、安心して遊技を行うことができる。
【0058】
手段15:手段1から手段14までのいずれか一つの遊技機において、特別遊技状態の発生に関する表示と、抽選状態の変更に関する表示とを行う表示手段を備えることを特徴とする遊技機。
【0059】
ここで、特別遊技状態の発生に関する表示と、抽選状態の変更に関する表示とを行う表示手段の具体的な態様としては、次のようなものを例示することができる。例えば、パチンコ機等の遊技機において、特別遊技状態、所謂「大当たり状態」を発生させる際に、複数の図柄を可変表示する図柄表示装置等の表示手段によって、特定の態様の図柄を表示するようにした場合、抽選状態を変更するに際しても、表示手段によって、上記の特定の態様とは別の態様の図柄を表示するようにすればよい。
【0060】
手段15では、表示手段によって、特別遊技状態の発生に関する表示と、抽選状態の変更に関する表示とがなされるため、表示手段の表示内容には、特別遊技状態のみについての情報、或いは、抽選状態のみについての情報といった単体の情報ではなく、多様な情報が含まれることになる。よって、表示手段の表示内容について、遊技者の関心が高められ、遊技者にとっては、表示手段にどのような表示がなされるのか、大きく興味が惹きつけられて、表示手段による表示を十分に楽しむことができる。
【0061】
手段16:手段1から手段15までのいずれか一つの遊技機において、パチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0062】
手段16は、遊技機としてパチンコ機を対象としたものであり、手段16によれば、パチンコ機において、手段1から手段15までのいずれかの作用効果を得ることができる。
【0063】
手段17:手段1から手段15までのいずれか一つの遊技機において、スロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0064】
手段17は、遊技機としてスロットマシンを対象としたものであり、手段17によれば、スロットマシンにおいて、手段1から手段15までのいずれかの作用効果を得ることができる。
【0065】
手段18:手段1から手段15までのいずれか一つの遊技機において、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなることを特徴とする遊技機。
【0066】
手段18は、遊技機としてパチンコ機とスロットマシンとを融合させてなるものを対象としたものである。ここで、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機とは、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いるスロットマシンである。手段18によれば、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなるものにおいて、手段1から手段15までのいずれかの作用効果を得ることができる。
【0067】
なお、本発明の遊技機としては、パチンコ機、スロットマシン、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる融合機等を挙げることができるが、この他、種々の遊技機を対象とすることもできる。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明に係る遊技機の実施形態の一例を、遊技機としてのパチンコ機を例にして、以下、図面に基づいて詳細に説明する。
【0069】
図1に示すように、パチンコ機10は、遊技盤11の表面に形成された遊技領域12を備えている。遊技者は、ハンドル13を操作して発射装置(図示省略)から遊技領域12に遊技球を打ち出すことにより遊技を行う。
【0070】
図2に示すように、遊技領域12には、複数の普通入賞口20、普通図柄始動口21、特別図柄始動口22、大入賞口23、普通図柄表示装置30、特別図柄表示装置40、状態表示装置50等が設けられている。
【0071】
普通入賞口20は、遊技球の入賞により所定数(例えば10個)の賞球を払い出すものである。普通図柄始動口21は、遊技球が通過されるものであり、遊技球の通過に応じて、特別図柄始動口22を開放させる否かの抽選、所謂「当たり」の抽選を行うものである。また、この抽選の結果は、ランプの点灯により「○」または「×」のいずれかを表示する普通図柄表示装置30によって、「当たり」であると「○」として、「外れ」であると「×」として表示される。さらに、普通図柄表示装置30の近傍には、「当たり」抽選用の4つの保留ランプ31が設けられており、「当たり」の抽選は、最大で4回分が保留され、抽選の保留状態では、保留する抽選回数分の保留ランプ31が点灯される。
【0072】
特別図柄始動口22は、ソレノイド等により開閉駆動されるチューリップ型の電動入賞口として構成されており、開放状態では、閉鎖状態に比して、遊技球が入賞し易くなる。特別図柄始動口22に遊技球が入賞すると、所定数(例えば5個)の賞球の払い出しが行われると共に、大入賞口23を開放させる否かの抽選、所謂「大当たり」の抽選が行われる。この特別図柄始動口22への遊技球の入賞に応じて抽選を行う構成は、抽選手段の一例を示すものである。そして、この抽選の結果は、特別図柄表示装置40に表示される。ここで、特別図柄表示装置40は、数字、文字、図形、キャラクター等の種々の図柄を変動して表示するものであり、液晶ディスプレイ、CRT、発光ダイオード、エレクトロルミネセンス、ドットマトリックス、蛍光表示管等を用いて構成されている。また、特別図柄表示装置40の上方には、「大当たり」抽選用の4つの保留ランプ41が設けられており、「大当たり」の抽選は、最大で4回分が保留され、抽選の保留状態では、保留する抽選回数分の保留ランプ41が点灯される。
【0073】
特別図柄始動口22への遊技球の入賞により行われた抽選の結果が「大当たり」であると、特別図柄表示装置40に特定の表示態様で図柄を表示し、ソレノイド等の駆動により開閉される大入賞口23を開放して、多量の遊技球が大入賞口23に入賞し易い状態、所謂「大当たり状態」が形成される。そして、大入賞口23に遊技球が入賞すると、所定数(例えば15個)の賞球の払い出しが行われる。
【0074】
特別図柄表示装置40は、多様な図柄を複数列で表示するものであり、本例では、図柄として「0」〜「9」の10種類の数字を、3列の図柄列ごとに個別に変動させた後に、各図柄列ごとに、順次停止させて表示する。そして、抽選結果が「大当たり」であると、特定の表示態様として、各図柄列に同一の数字を表示する。例えば、「7,7,7」と表示する。ここで、各図柄列の図柄は、図柄列ごとに順次停止して表示されるため、最初の2列の図柄列に同一の図柄が停止表示されると、残り1列の図柄列にも同一の図柄が停止表示されれば「大当たり」となる状態、所謂「リーチ状態」となり、遊技者にとっては、「大当たり」の期待感が増す。このように、本例では、特別図柄表示装置40に抽選結果を表示するに際して、演出が行われている。なお、「大当たり」である図柄の特定の表示態様としては、上記に限らず、多様な図柄のうちの1つが選択的に表示される態様において、1種または2種以上の特定の図柄が表示される態様等であってもよい。
【0075】
大当たり状態での大入賞口23の開放は、例えば、所定時間(例えば30秒)経過するか、或いは、所定数(例えば10個)の遊技球が入賞するといった所定の条件が満たされると終了され、大入賞口23は、初期の遊技球が入賞不能な状態に閉鎖される。また、大入賞口23には、Vゾーン24が設けられており、大入賞口23の開放中に遊技球がVゾーン24を通過すると、「大当たり状態」を継続する権利が取得されて、大入賞口23の閉鎖後、再度、大入賞口23が開放される。この大入賞口23の開閉は、所定回数(例えば初回の開放を含めて15回)を上限として繰り返される。
【0076】
ところで、普通図柄始動口21による抽選は、遊技球の通過タイミングによって当たり判定用の当否乱数カウンターから値が取得されることにより行われる。そして、取得された値が特定の値である場合に「当たり」であるとして、普通図柄表示装置に「○」を表示させると共に、特別図柄始動口22を開放させる。なお、上記の抽選結果が「当たり」となる確率は、1/2に設定されている。また、特別図柄始動口22は、上記の抽選結果が「当たり」であると開放されるものであるが、通常の遊技状態では、普通図柄始動口21に遊技球が通過した後、30秒程度経過した後に、0.5秒程度の時間で開放される。
【0077】
一方、「大当たり状態」は、特別図柄始動口22への遊技球の入賞によって行われる抽選の結果が「大当たり」であると発生される。ここで、上記の抽選は、遊技球の入賞タイミングによって大当たり判定用の当否乱数カウンターから値が取得されることにより行われる。そして、取得された値が特定の値である場合に「大当たり」であるとして、特別図柄表示装置40に特定の表示態様で図柄を表示させると共に、大入賞口23を開放させ、「大当たり状態」を発生させる。なお、上記の抽選結果が「大当たり」となる確率は、通常の遊技状態では、1/300に設定されている。
【0078】
上述の「大当たり状態」を含む遊技状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態であるが、本例のパチンコ機10では、特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、この第1特別遊技状態よりもさらに遊技者に有利な第2特別遊技状態との2種類が用意されている。
【0079】
第1特別遊技状態は、第1態様として、「大当たり状態」を実行し、この「大当たり状態」終了後には、通常の遊技状態に復帰させるものである。そして、第2特別遊技状態は、第1態様として、「大当たり状態」を実行し、加えて、この「大当たり状態」終了後に、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な第2態様を付与するものである。ここで、第2態様は、特別図柄始動口22への遊技球の入賞による抽選の結果が「大当たり」となる確率を1/60として、通常の遊技状態よりも高確率に変更した状態、所謂「確率変動状態」を実行する。また、加えて、普通図柄始動口21への遊技球の通過による抽選の結果が「当たり」である場合に、特別図柄始動口22を、普通図柄始動口21での遊技球の通過から5秒程度経過した後に、2秒程度開放させ、この開放を3回繰り返す。これにより、特別図柄始動口22の開閉頻度を多発させ、且つ、開放時間を長くして、通常の遊技状態よりも特別図柄始動口22に遊技球が入賞し易く、頻繁に「大当たり」の抽選が行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」を実行する。なお、本例における第2態様は、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」の双方を実行するものであるが、「確率変動状態」または「時間短縮状態」のいずれか一方を実行するものであってもよい。
【0080】
特別遊技状態は、上記の第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態の2種類の中から選出されるのであるが、本例のパチンコ機10では、特別遊技状態を発生させるための抽選を行う抽選状態として、第1抽選状態と第2抽選状態との2種類の抽選状態が用意されており、抽選状態に対応する種類の特別遊技状態が選出される。すなわち、第1抽選状態では、第1特別遊技状態が選出され、第2抽選状態では、第2特別遊技状態が選出される。
【0081】
そして、本例のパチンコ機10では、特別遊技状態の発生及びその種類が決定されると、これに対応した態様の図柄が特別図柄表示装置40に表示される。これにより、遊技者は、特別遊技状態の獲得、及び、獲得した特別遊技状態の種類を知ることができる。例えば、特別図柄表示装置40の3列の図柄列に全て同一の図柄が揃うようにして表示されることにより、特別遊技状態の獲得を知ることができる。また、揃った図柄が、例えば奇数の数字等、特定の図柄であれば、発生される特別遊技状態が、最も有利な第2特別遊技状態であり、例えば「0」及び偶数の数字等、上記特定以外の図柄であれば、第2特別遊技状態よりも不利な第1特別遊技状態であることを知ることができる。
【0082】
抽選状態は、第1抽選状態と第2抽選状態とで、所定の条件の下で相互に変更される。ここで、本例では、特別図柄表示装置40によって「リーチ状態」が演出され、「リーチ状態」の発生後、「大当たり」に至らなかった場合に、すなわち「外れリーチ状態」の発生後に、変更される。なお、抽選状態を変更する条件としては、これに限らず、例えば「リーチ状態」発生前に、これを予告する演出、所謂「リーチ予告演出」を所定の頻度で発生させる場合、「リーチ予告演出の発生」を条件としてもよく、「特定の図柄でのリーチ状態の発生」を条件としてもよく、或いは、「1,4,7」、「2,5,8」、「3,6,9」等、各図柄列に表示された図柄が麻雀のすじ目である態様、最終に停止される図柄列の表示が「7」である態様等、「特定の態様の図柄が表示されること」を条件してもよい。このように、遊技者に認識できる条件にて抽選状態を変更することにより、抽選状態の変更に際して演出が行われることになり、遊技者を楽しませることができる。また、本例では、特別図柄表示装置40が、特別遊技状態の発生に関する表示と、抽選状態の変更に関する表示とを行う表示手段を構成する。よって、遊技者は、この特別図柄表示装置40に表示された種々の態様の図柄を確認しながら遊技を行うことにより、特別遊技状態の発生までの経過と抽選状態の変更までの経過との両方を、十分に楽しむことができる。
【0083】
そして、現状の抽選状態が第1抽選状態または第2抽選状態のいずれであるかは、特別図柄表示装置40の上方に設けられた左右一対の状態表示装置50による表示によって、遊技者に示唆される。ここで、上記の状態表示装置50は、抽選状態示唆手段の一例を示すものであり、例えば、第1抽選状態であれば、一方の状態表示装置50に「通常」と表示され、第2抽選状態であれば、他方の状態表示装置50に「チャンス」と表示される。なお、抽選状態示唆手段としては、上記に限らず、スピーカから音声を出力するものであってもよく、また、特別図柄表示装置40に抽選状態を表示するものであってもよい。さらに、第1抽選状態では「0」及び偶数の数字のリーチ状態を多発させる一方で、第2抽選状態では奇数の数字のリーチ状態を多発させたり、特別図柄表示装置40に描写される背景や、登場するキャラクター等の種類を変える等して、現状の抽選状態を示唆するものであってもよい。
【0084】
次に、図3に示すブロック図に基づいて、本例のパチンコ機10の電気的構成を説明する。パチンコ機10は、遊技内容の制御を行う主制御基板60を備えている。そして、主制御基板60は、各種の処理プログラムを記憶したROM61と、データを一時的に記憶するRAM62と、各種の演算を行うCPU63と、所定周波数のパルス信号を出力するクロック回路64とを備えている。
【0085】
主制御基板60のCPU63には、入出力ポートを介して、表示制御基板40K、ランプ制御基板70K、音声制御基板80K、普通図柄表示装置30、状態表示装置50、大入賞口駆動装置23A、特別図柄始動口駆動装置22A、普通入賞口スイッチ20S、普通図柄始動口スイッチ21S、特別図柄始動口スイッチ22S、大入賞口スイッチ23S、Vゾーンスイッチ24S及び他の入出力装置90が接続されている。
【0086】
ここで、表示制御基板40Kは、主制御基板60からの信号を受けて、特別図柄表示装置40を制御するものである。ランプ制御基板70Kは、主制御基板60からの信号を受けて、パチンコ機10に設けられた各種ランプ70を制御するものである。音声制御基板80Kは、主制御基板60からの信号を受けて、スピーカ80を制御するものである。普通図柄表示装置30は、主制御基板60からの信号を受けて、普通図柄始動口21の遊技球の通過による抽選結果を表示するものである。状態表示装置50は、主制御基板60からの信号を受けて、抽選状態を表示するものである。大入賞口駆動装置23Aは、ソレノイド等の駆動装置からなり、主制御基板60からの信号を受けて、大入賞口23を開閉駆動するものである。特別図柄始動口駆動装置22Aは、ソレノイド等の駆動装置からなり、主制御基板60からの信号を受けて、特別図柄始動口22を開閉駆動するものである。
【0087】
また、普通入賞口スイッチ20Sは、普通入賞口20に設けられたものであり、普通入賞口20への遊技球の入賞を検知して、主制御基板に検知信号を送るものである。普通図柄始動口スイッチ21Sは、普通図柄始動口21に設けられたものであり、普通図柄始動口21での遊技球の通過を検知して、主制御基板に検知信号を送るものである。特別図柄始動口スイッチ22Sは、特別図柄始動口22に設けられたものであり、特別図柄始動口22への遊技球の入賞を検知して、主制御基板に検知信号を送るものである。大入賞口スイッチ23Sは、大入賞口23に設けられたものであり、大入賞口23への遊技球の入賞を検知して、主制御基板に検知信号を送るものである。Vゾーンスイッチ24Sは、大入賞口23内のVゾーン24に設けられたものであり、Vゾーン24への遊技球の通過を検知して、主制御基板に検知信号を送るものである。
【0088】
次に、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選や、抽選状態を変更する処理等のパチンコ機10にて行われる各種の処理について説明する。ここで、本例のパチンコ機10では、電源投入後に、メイン処理にて、各種のデータを初期化したり、各種機器の状態を整える立ち上げ処理を実行し、電源復帰処理を実行した後に、後述する変動パターン乱数カウンタC3の値を更新し、更新した値を変動パターンバッファに格納する処理を、閉ループにて繰り返し実行する。このメイン処理に対して、クロック回路64からのパルス信号に基づいて、例えば4msで、図4に示す割込み処理を行う。
【0089】
図4に示す割込み処理では、まず、外れ図柄更新処理を行い(S10)、次に、当否乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC2の更新処理を行い(S20)、次に、始動入賞処理を行い(S30)、次に、図柄変動処理を行い(S40)、次に、大当たり処理を行い(S50)、最後に、その他処理を行って(S60)、割込み処理を終了する。
【0090】
外れ図柄更新処理(S10)では、図5に示すように、まず、第1図柄乱数カウンタC4aの更新を行い(S101)、S102の処理に移行する。第1図柄乱数カウンタC4aは、特別図柄表示装置40に「外れ」の図柄を表示する際に、第1列目の図柄列に表示される図柄を決定するのに用いられるカウンタである。本例では、第1図柄乱数カウンタC4aの値を、「0」〜「9」までは1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻す。そして、特別図柄表示装置40の第1列目の図柄列には、第1図柄乱数カウンタC4aの値に対応して、同じ数字が表示される。
【0091】
S102の処理では、第1図柄乱数カウンタC4aの値が「0」であるか否かを判定し、「0」であれば、S103の処理に移行する。一方、第1図柄乱数カウンタC4aの値が「0」でなければ、S106の処理に移行する。
【0092】
S103の処理では、第2図柄乱数カウンタC4bの更新を行い、S104の処理に移行する。第2図柄乱数カウンタC4bは、特別図柄表示装置40に「外れ」の図柄を表示する際に、第2列目の図柄列に表示される図柄を決定するのに用いられるカウンタである。本例では、第2図柄乱数カウンタC4bの値を、「0」〜「9」までは1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻す。そして、特別図柄表示装置40の第2列目の図柄列には、この第2図柄乱数カウンタC4bの値に対応して、同じ数字が表示される。
【0093】
S104の処理では、第2図柄乱数カウンタC4bの値が「0」であるか否かを判定し、「0」であれば、S105の処理に移行する。一方、第2図柄乱数カウンタC4bの値が「0」でなければ、S106の処理に移行する。
【0094】
S105の処理では、第3図柄乱数カウンタC4cの更新を行い、S106の処理に移行する。第3図柄乱数カウンタC4cは、特別図柄表示装置40に「外れ」の図柄を表示する際に、第3列目の図柄列に表示される図柄を決定するのに用いられるカウンタである。本例では、第3図柄乱数カウンタC4cの値を、「0」〜「9」までは1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻す。そして、特別図柄表示装置40の第3列目の図柄列には、この第3図柄乱数カウンタC4cの値に対応して、同じ数字が表示される。
【0095】
S106の処理では、第1図柄乱数カウンタC4aの値と第2図柄乱数カウンタC4bの値とが同じであるか否かを判定する。各値が同じ値であれば、第1列目と第2列目の各図柄列に同じ数字が表示され、「リーチ状態」の表示態様が形成されることになるので、S107の処理に移行する。一方、各値が同じ値でなければ、「リーチ状態」の表意態様は形成されず、また、「大当たり状態」の表示態様も形成されないことになるため、第1図柄乱数カウンタC4a、第2図柄乱数カウンタC4b及び第3図柄乱数カウンタC4cの各値を、「外れ図柄」を決定する値として、外れ図柄バッファに格納して(S108)、外れ図柄更新処理を終了する。
【0096】
S107の処理では、第1図柄乱数カウンタC4aの値と第3図柄乱数カウンタC4cの値とが同じであるか否かを判定する。各値が同じ値であれば、第1列目と第2列目と第3列目の各図柄列に同じ数字が表示され、「大当たり状態」の表示態様が形成されることになる。ここで、「大当たり状態」の表示態様は、後述する別の処理(S413)にて決定されるので、本処理では、各値をそのままとし、外れ図柄更新処理を終了する。一方、各値が同じ値でなければ、「大当たり状態」の表示態様は形成されず、「リーチ状態」の表示態様ではあるが「大当たり状態」の表示態様ではない、所謂「外れリーチ状態」の表示態様が形成されることになるため、第1図柄乱数カウンタC4a、第2図柄乱数カウンタC4b及び第3図柄乱数カウンタC4cの各値を、「外れリーチ図柄」を決定する値として、外れリーチ図柄バッファに格納して(S109)、外れ図柄更新処理を終了する。
【0097】
当否乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC2の更新処理(S20)では、図示は省略するが、当否乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC2を更新し、更新した値を対応するバッファに格納する。当否乱数カウンタC1は、通常状態で1/300、確率変動状態で1/60の確率で当選する「大当たり」の判定に用いられるものであり、本例では、「0」〜「599」までを順に1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻す。なお、通常状態では、当否乱数カウンタC1の値として、「7」及び「307」の2種類の値が取得されると、「大当たり」と判定する。また、確率変動状態では、当否乱数カウンタC1の値として、60で除したときの余りが「7」である「7」、「67」、「127」・・・「547」の10種類の値が取得されると、「大当たり」と判定する。一方、リーチ乱数カウンタC2は、「外れリーチ状態」を発生させるか否かの抽選に際して用いられるものであり、本例では、「0」〜「11」までを順に1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻す。なお、リーチ乱数カウンタC2の値として「3」の値が取得されると、「外れリーチ状態」と判定する。よって、本例では、1/12の確率で「外れリーチ状態」が発生される。
【0098】
始動入賞処理(S30)では、図6に示すように、まず、特別図柄始動口22に遊技球が入賞したか否か(入賞か否か)を判定する(S301)。この判定は、特別図柄始動口スイッチ22Sが遊技球を検出したか否かによって行われる。
そして、入賞であれば、S302の処理に移行する。一方、入賞でなければ、S306の処理に移行する。
【0099】
S302の処理では、「大当たり」の抽選を保留する保留数Nの値が「4」未満であるか否かを判定し、保留数Nの値が「4」未満であれば、S303の処理に移行する。一方、保留数Nの値が「4」未満でなければ、これ以上の抽選を保留することはできないため、S306の処理に移行する。
【0100】
S303の処理では、保留数Nとして、「1」を加算した新たな値をセットする。そして、以降の処理では、「大当たり」抽選用の保留ランプ41を1つ点灯し(S304)、対応するバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値及びリーチ乱数カウンタC2の値を、第1保留エリア、第2保留エリア、第3保留エリア及び第4保留エリアのうち、保留数Nに対応する空き記憶エリアに格納し(S305)、S306の処理に移行する。
【0101】
S306の処理では、保留数Nの値が「0」よりも大きいか否かを判定し、保留数Nの値が「0」よりも大きければ、S307の処理に移行する。一方、保留数Nの値が「0」よりも大きくなければ、そもそも入賞がないことになるので、以降の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。
【0102】
S307の処理では、特別図柄表示装置40が変動中であるか否か、また、大当たり中であるか否かを判定する。特別図柄表示装置40が変動中でなく、且つ、大当たり中でなければ、特別図柄表示装置40を変動させることができるので、変動許可フラグF1に「1」の値をセットして、始動入賞処理を終了する。一方、特別図柄表示装置40が変動中であるか、或いは、大当たり中であると、特別図柄表示装置40を変動させることができないので、以降の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。
【0103】
図柄変動処理(S40)では、図7及び図8に示すように、まず、変動許可フラグF1の値が「1」であるか否かを判定し、変動許可フラグF1の値が「1」であれば、「大当たり」抽選用の保留ランプ41を1つ消灯し(S402)、保留数Nとして、「1」減じた新たな値をセットし(S403)、記憶エリアのデータ、すなわち、第1保留エリア、第2保留エリア、第3保留エリア及び第4保留エリアの各記憶エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値及びリーチ乱数カウンタC2の値を、実行エリア側の記憶エリアにシフトする(S404)。そして、詳細は後述する表示コマンド決定処理を行い(S405)、決定された表示コマンドを表示制御基板40Kに送信し(S408)、変動許可フラグF1に「0」の値をセットし(S407)、S408の処理に移行する。
【0104】
S408の処理では、大当たり中であるか否かを判定し、大当たり中でなければ、S409の処理に移行する。一方、大当たり中であれば、以降の処理をスキップし、図柄変動処理を終了する。なお、大当たり中とは、「大当たり状態」の実行中と、この「大当たり状態」終了後に、所定時間、パチンコ機10の状態を整える状態とを含むものである。
【0105】
S409の処理では、特別図柄表示装置40に変動表示されている図柄の変動時間が終了したか否かを判定する。特別図柄表示装置40では、後述する種々の変動パターンで図柄を変動表示するのであるが、この変動パターンごとに設定された変動時間により、上記の判定がなされる。そして、変動時間が終了していれば、変動表示されている図柄を停止させるため、及び、停止表示される図柄の確認のため、確定コマンドを表示制御基板40Kに送信し(S410)、S411の処理に移行する。一方、変動時間が終了していなければ、図柄の停止処理を行わず、以降の処理をスキップして、図柄変動処理を終了する。
【0106】
S411の処理では、抽選状態を変更する条件が満たされているか否か(更新条件か否か)を判定する。本例では、「外れリーチ状態」の発生を更新条件としているため、実行エリアに記憶されているリーチ乱数カウンタC2の値が「外れリーチ状態」を発生させる値であるか否かによって判定が行われる。そして、更新条件を満たしていれば、S412の処理に移行する。一方、更新条件を満たしていなければ、以降の処理をスキップして、図柄変動処理を終了する。
【0107】
S412の処理では、大当たり図柄乱数カウンタC5の値を更新する。ここで、本例では、「大当たり状態」にて、大当たり図柄乱数カウンタC5の値に対応する数字を表示するようにしてある。そして、本例では、特別図柄表示装置40の各図柄列に、「0」〜「9」の数字を揃うように表示することにより、「大当たり状態」の表示態様を形成するため、「大当たり状態」の表示態様の種類は、10種類となる。よって、大当たり図柄乱数カウンタC5を、「0」〜「9」までは1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻すこととし、更新された大当たり図柄乱数カウンタC5の値を、大当たり図柄バッファに格納し(S413)、S414の処理に移行する。
【0108】
S414の処理では、大当たり図柄乱数カウンタC5の値が「奇数」であるか否かを判定する。本例では、大当たり図柄乱数カウンタC5の値に対応する数字の表示よって「大当たり状態」の表示態様を形成する。そして、「大当たり状態」の表示態様が、奇数の数字揃いであれば、最も有利な第2特別遊技状態が発生される。一方で、「大当たり状態」の表示態様が、「0」及び偶数の数字揃いであれば、第2特別遊技状態よりも不利な第1特別遊技状態が発生される。よって、大当たり図柄乱数カウンタC5の値が「奇数」である状態は、「大当たり」となれば第2特別遊技状態を発生させる状態、すなわち「第2抽選状態」であるため、状態フラグF2に「1」の値をセットして(S415)、図柄変動処理を終了する。一方、大当たり図柄乱数カウンタC5の値が「奇数」でなければ、この状態は、「大当たり」となれば第1特別遊技状態を発生させる状態、すなわち、「第1抽選状態」であるため、状態フラグF2に「0」の値をセットして(S416)、図柄変動処理を終了する。そして、本例では、状態フラグF2に「0」の値がセットされた状態であれば、状態表示装置50が第1抽選状態に対応するように駆動され、これにより、遊技者は、抽選状態が第1抽選状態であることを認識することができる。また、状態フラグF2に「1」の値がセットされた状態であれれば、状態表示装置50が第2抽選状態に対応するように駆動され、これにより、遊技者は、抽選状態が第2抽選状態であることを認識することができる。
【0109】
図柄変動処理(S40)中に実行される表示コマンド決定処理(S405)は、図9に示すように、まず、実行エリアに格納されている「大当たり」抽選用の当否乱数カウンタC1の値が「大当たり状態」を発生させる値であるか否かを判定する(S451)。そして、「大当たり状態」を発生させる値であれば、特別図柄表示装置40に表示される停止図柄として、大当たり図柄バッファに格納されている値に応じた大当たり図柄を設定する(S452)。そして、この大当たり図柄を停止させるまでの変動パターンとして、メイン処理にて随時更新され、変動パターンバッファに格納されている変動パターン乱数カウンタC3の値に応じた変動パターンに決定し(S453)、表示コマンド決定処理を終了する。一方、当否乱数カウンタC1の値が大当たりを発生させる値でなければ、S454の処理に移行する。
【0110】
S454の処理では、実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値が「外れリーチ状態」を発生させる値であるか否かを判定する。そして、「外れリーチ状態」を発生させる値であれば、特別図柄表示装置40に表示される停止図柄として、外れリーチ図柄バッファに格納されている第1図柄乱数カウンタC4a、第2図柄乱数カウンタC4b及び第3図柄乱数カウンタC4cの各値に応じた外れリーチ図柄を設定する(S455)。そして、この外れリーチ図柄を停止させるまでの変動パターンとして、変動パターンバッファに格納されている変動パターン乱数カウンタC3の値に応じた変動パターンに決定し(S456)、表示コマンド決定処理を終了する。一方、リーチ乱数カウンタC2の値が「外れリーチ状態」を発生させる値でなければ、S457の処理に移行する。
【0111】
S457の処理では、特別図柄表示装置40に表示される停止図柄として、外れ図柄バッファに格納されている第1図柄乱数カウンタC4a、第2図柄乱数カウンタC4b及び第3図柄乱数カウンタC4cの各値に応じた外れ図柄を設定する(S457)。そして、この外れリーチ図柄を停止させるまでの変動パターンとして、変動パターンバッファに格納されている変動パターン乱数カウンタC3の値に応じた変動パターンに決定し(S458)、表示コマンド決定処理を終了する。
【0112】
上述のような表示コマンド決定処理(S405)によって、特別図柄表示装置40に最終的に停止表示される大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄の各種の図柄が決定される。また、各図柄を変動して停止する際に、変動時間を異ならせたり、登場するキャラクターを異ならせたり、変動する図柄の大きさや色を異ならせる等、種々の演出を行うための変動パターンも決定される。
【0113】
大当たり処理(S50)では、図10に示すように、まず、実行エリアに格納されている「大当たり」抽選用の当否乱数カウンタC1の値が「大当たり状態」を発生させる値であるか否か(大当たりであるか否か)を判定し(S501)、大当たりであれば、開放回数カウンタCRに「15」の値をセットし(S502)、入賞個数カウンタCEに「0」の値をセットし(S503)、開放回数カウンタCRの値を「1」減じて(S504)、大入賞口23を開放し(S505)、S506の処理に移行する。一方、大当たりでなければ、以降の全ての処理をスキップして、大当たり処理を終了する。ここで、開放回数カウンタCRは、繰り返し開放される大入賞口23の開放回数をカウントダウンするためのものであり、本例では、開放回数の上限が15回であるため、最初に「15」の値がセットされ、大入賞口23の開放前に「1」減算される。また、入賞個数カウンタCEは、大入賞口23の1回の開放中に入賞した遊技球の入賞個数をカウントするためのものであり、大入賞口23が開放される前に、リセットのために「0」の値がセットされ、大入賞口23の開放中においては、大入賞口スイッチ23Sが遊技球を検知するごとに、「1」加算される。
【0114】
S506の処理では、入賞個数カウンタCEの値が「10」より大きいか否かを判定し、大きくなければ、S507の処理に移行する。一方、大きければ、S507の処理をスキップし、大入賞口23を閉鎖し(S508)、S509の処理に移行する。これにより、大入賞口23は、1回の開放中に遊技球が10個入賞すると、閉鎖される。
【0115】
S507の処理では、大入賞口23の開放時間が閉鎖時期に達したか否かを判定し、閉鎖時期に達していなければ、S506の処理に戻る。一方、閉鎖時期に達していれば、大入賞口23を閉鎖し(S508)、S509の処理に移行する。これにより、大入賞口23は、1回の開放中に遊技球が10個入賞しなくても、開放時間が閉鎖時期に達すると閉鎖される。
【0116】
S509の処理では、開放回数カウンタCRの値が「0」であるか否かを判定し、「0」でなければ、S510の処理に移行する。一方、「0」であれば、大入賞口23の開放回数が上限の15回に達したことになるので、以降の処理をスキップし、大当たり処理を終了する。
【0117】
S510の処理では、大入賞口23のVゾーン24を遊技球が通過したか否か(V入賞ありか否か)を判定する。この判定は、大入賞口23の開放中にVゾーンスイッチ24Sが遊技球を検知したか否かよって行われる。V入賞ありであれば、大入賞口23を繰り返し開放させるための権利が取得されたものとして、S503の処理に戻り、以降の処理を繰り返し実行する。一方、V入賞ありでなければ、大入賞口23を繰り返し開放させるために権利が取得されなかったものとして、大当たり処理を終了する。
【0118】
割込み処理におけるその他処理(S60)では、特別図柄始動口22を開放させるための「当たり」の抽選処理、パチンコ機10の各種の機器を制御するための処理等、各種の処理が行われる。なお、その他処理(S60)については、本発明に直接的に関わるものではないため、詳細は省略する。
【0119】
以上詳細に説明した本例のパチンコ機は、次のような効果を奏する。
【0120】
例えば、図柄表示装置に特定態様の図柄が表示されると「大当たり」とすると共に、この図柄の種類によって、「大当たり」の種類を、「大当たり状態」の実行後は「通常状態」とする所謂「通常大当たり」か、或いは、「大当たり状態」の実行後は「確率変動状態」及び「時間短縮状態」とする所謂「特別大当たり」かに決定するパチンコ機では、「大当たり」の発生によって初めて、「大当たり」の種類を遊技者に知らせる。ここで、遊技者は、「特別大当たり」を取得した場合には、大きな喜びを感じることができるのであるが、「通常大当たり」を取得した場合には、「大当たり」を取得できた喜びに反して、有利な「特別大当たり」でないことから、大きく落胆してしまう。場合によっては、「通常大当たり」を取得すると、「大当たり」といった利益が得られたのにも拘わらず、「特別大当たり」でないことから、怒りすら感じてしまう。よって、上記のパチンコ機では、「通常大当たり」の発生によって、遊技者の遊技意欲を大きく損ねてしまう虞がある。
【0121】
これに対して本例のパチンコ機では、抽選状態が第1抽選状態であれば、発生される「大当たり」は「通常大当たり」となり、抽選状態が第2抽選状態であれば、発生される「大当たり」は「特別大当たり」となる。そして、現状の抽選状態が第1抽選状態であるか、第2抽選状態であるいかは、状態表示装置によって遊技者に対して示唆される。よって、遊技者は、現状の抽選状態を認識した上で遊技を行うことができ、第1抽選状態の下で「通常大当たり」を取得したとしても、予定通りの結果であることから、落胆することはなく、「大当たり」の取得を単純に喜ぶことができる。一方、第2抽選状態の下で「特別大当たり」を取得した場合には、喜びが何ら損なわれないばかりか、抽選状態が第1抽選状態に変更される前に「大当たり」を取得することができたことから、安堵感も得ることができる。
【0122】
また、「大当たり」を取得するための遊技に、抽選状態を変更するための遊技が加わるため、遊技者は、第1抽選状態の下では、「大当たり」を取得しようとする遊技ばかりでなく、抽選状態を有利な第2抽選状態に早く変更しようと、遊技に熱が入る。一方、第2抽選状態の下では、抽選状態が不利な第1抽選状態に変更されないように期待すると共に、この有利な第2抽選状態の下で早く「大当たり」を取得しようと、遊技に熱が入る。このように、本例のパチンコ機では、抽選状態がどのような状態であっても、遊技者の遊技意欲が何ら損なわれず、興趣を向上させることができる。
【0123】
さらに、本例のパチンコ機では、種々の態様の演出を行って「大当たり」の図柄を表示する特別図柄表示装置を用いて、抽選状態の変更の演出が行われる。よって、遊技者は、特別図柄表示装置での演出を、「大当たり」と「抽選状態の変更」とを関連付けて十分に楽しむことができる。具体的に説明すると、本例では、特別図柄表示装置にて「リーチ状態」が演出された後に「大当たり」に至らなかった場合、抽選状態が変更される。よって、第2抽選状態で「リーチ状態」が演出されると、遊技者は、「外れ」になると不利な第1抽選状態に変更されてしまうことから「大当たり」になるように切望し、演出を見る姿勢に熱が入る。一方、第1抽選状態で「リーチ状態」が演出されると、遊技者は、「大当たり」を期待する場合には、「大当たり」となるように切望し、有利な第2抽選状態に変更されることを切望する場合には、「外れ」になるように切望し、どのような場合でも、演出を見る姿勢に熱が入る。
【0124】
以上、本発明に係る遊技機の実施形態を例示したが、本発明に係る遊技機はこれに限らず、以下のように、様々な変更が可能である。
【0125】
第1抽選状態では必ず第1特別遊技状態を発生させ、第2抽選状態では必ず第2抽選状態を発生させる態様に限らず、第1抽選状態であっても、低い頻度で第2特別遊技状態を発生させる態様としたり、第2抽選状態であっても、低い頻度で第1抽選状態を発生させる態様としてもよい。また、現状の抽選状態が実際には第1抽選状態であっても、低い頻度で第2抽選状態であるとして示唆したり、逆に、第2抽選状態であっても、低い頻度で第1抽選状態であるとして示唆する態様としてもよい。
【0126】
抽選状態は、特別遊技状態の種類を決定するための状態に限らず、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う状態であってもよい。例えば、特別遊技状態の発生確率が異なる複数種類の抽選状態を用意し、適宜の条件により、各抽選状態を相互に変更するようにしてもよい。
【0127】
入賞装置に入賞した遊技球が、さらに、入賞装置内の特定入賞領域に入賞するか否かで特別遊技状態の発生に関する抽選を行うパチンコ機等の遊技機において、上記の特定入賞領域の配置部位を変更したり、特定入賞領域に至る経路の形態を変更する等して、特定入賞領域への遊技球の入賞し易さに差異を生じさせ、これにより、複数の抽選状態を構成することとしてもよい。また、入賞装置内に特定入賞領域を複数設け、遊技球が入賞した特定入賞領域に対応して、複数の中から選出した種類の特別遊技状態を発生させることとしてもよく、この場合には、複数の態様を用意し、各態様ごとに入賞し易い特定入賞領域を異ならせ、これにより、複数の抽選状態を構成することとしてもよい。
【0128】
遊技機としては、パチンコ機等の遊技球により遊技を行うものに限らず、スロットマシン等であってもよい。例えば、スロットマシン等で、所定ゲーム数においてメダルの払い出しを行う図柄が表示され易くした特別遊技状態、所謂「ボーナスゲーム状態」として、上記の所定ゲーム数が少なく設定された第1特別遊技状態、所謂「レギュラーボーナス状態」と、所定ゲーム数が多く設定された、所謂「ビッグボーナス状態」との複数種類のものがある場合に、発生する特別遊技状態が必ずまたは高確率で第1特別遊技状態となる第1抽選状態と、発生する特別遊技状態が必ずまたは高確率で第2特別遊技状態となる第2抽選状態とで、抽選状態が相互に変更されるようにしてもよい。また、特別遊技状態の発生確率が低い第1抽選状態と、特別遊技状態の発生確率が高い第2抽選状態とで、抽選状態が相互に変更されるようにしてもよい。
【0129】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した本発明によれば、新規な遊技性を付与することにより、遊技意欲を掻き立て、興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機の一例としてのパチンコ機を示す正面図である。
【図2】図1に示したパチンコ機の遊技領域を示す正面図である。
【図3】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】割込み処理を示すフローチャートである。
【図5】外れ図柄更新処理を示すフローチャートである。
【図6】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図7】図柄変動処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図8】図柄変動処理の後半部分を示すフローチャートである。
【図9】表示コマンド決定処理を示すフローチャートである。
【図10】大当たり処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 パチンコ機(遊技機)
11 遊技盤
12 遊技領域
20 普通入賞口
21 普通図柄始動口
22 特別図柄始動口
23 大入賞口
24 Vゾーン
30 普通図柄表示装置
31 保留ランプ
40 特別図柄表示装置
41 保留ランプ
50 状態表示装置(抽選状態示唆手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、スロットマシン等に代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技者の操作に応じて抽選を行う抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、パチンコ機では、遊技媒体である遊技球を遊技領域内に打ち込んで入賞口に入賞させ、これにより遊技球の払い出しを得るといった遊技が行われる。
また、スロットマシンでは、遊技媒体であるメダルを投入してドラムを回転させ、特定の態様の図柄が表示されるようにドラムを停止させ、これによりメダルの払い出しを得るといった遊技が行われる。ここで、上記のパチンコ機やスロットマシン等の遊技機の中には、遊技者の操作に応じて抽選を行い、この抽選の結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるものがある。例えば、パチンコ機では、「遊技球を遊技領域内に打ち込む」といった遊技者の操作に応じて種々の抽選手段により抽選を行い、この抽選の結果に基づき、特別遊技状態として、入賞口に多量の遊技球が入賞し易くなるように、開閉駆動される入賞口を開放したり、繰り返し開閉する状態、所謂「大当たり状態」を発生させるものがある。また、スロットマシンでは、「メダルを投入してドラムを回転させる」といった遊技者の操作に応じて種々の抽選手段により抽選を行い、この抽選の結果に基づき、特別遊技状態として、所定ゲーム数の間、特定の態様の図柄を表示するようにドラムが頻繁に停止する状態、所謂「ボーナスゲーム状態」を発生させるものがある。
【0003】
また、さらに、上記の遊技機の中には、特別遊技状態として複数の種類のものが用意されており、特別遊技状態を発生させる場合には、複数の中から選出した種類の特別遊技状態を発生させるものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の遊技機では、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選や、特別遊技状態の種類を決定する抽選等、種々の抽選を行うのであるが、この抽選は、抽選確率等の条件が予め設定された所定の抽選状態の下で行われていた。そして、遊技者は、所定の抽選状態の下で、特別遊技状態を発生させるためだけに、淡々と遊技を行うだけであり、従来の遊技機は、興趣の低いものであった。
【0005】
なお、複数種類の抽選状態が用意され、適宜に選出された抽選状態にて遊技を行うことができるようにした遊技機もある。しかしながら、このような遊技機であっても、遊技者の操作によっては抽選状態を相互に変更することができないものであり、遊技者は、与えられた抽選状態の下で遊技を行うことしかない。よって、このような遊技機も、やはり、興趣の低いものであった。
【0006】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、新規な遊技性を付与することにより、遊技意欲を掻き立て、興趣を向上させることができる遊技機の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じて、その作用効果についても説明する。
【0008】
手段1:遊技者の操作に応じて抽選を行う抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、前記特別遊技状態を発生させるまでの抽選状態として、遊技者の操作に応じて相互に変更される第1抽選状態及び第2抽選状態の少なくとも2種類の状態を備えることを特徴とする遊技機。
【0009】
ここで、抽選手段は、特別遊技状態に関する抽選を行うものであればよい。例えば、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行うものであってもよく、その他、特別遊技状態として、内容の異なる複数種類のものが用意されている場合に、発生させる特別遊技状態の種類を決定する抽選を行うものであってもよい。
【0010】
また、特別遊技状態とは、通常の遊技状態より遊技者に有利な状態を指すものである。そして、この特別遊技状態としては、以下のような種々の状態を例示することができる。
【0011】
(1)パチンコ機等の遊技機において、開閉駆動される入賞口を、所定回数繰り返し開閉させたり、所定時間、或いは、遊技球が所定個数入賞するまで継続して開放させて、遊技媒体である遊技球が多量に入賞口に入賞し易くした状態、所謂「大当たり状態」。
【0012】
(2)パチンコ機等の遊技機において、大当たり状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
【0013】
(3)パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体である遊技球の入賞や通過により大当たり状態を発生させるか否かの抽選を行う抽選用の入賞口を、通常よりも遊技球が入賞し易い状態とし、大当たりの抽選が通常よりも頻繁に行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」。
【0014】
(4)スロットマシン等の遊技機において、所定ゲーム数の間、遊技媒体であるメダルの払い出しを行う図柄にてドラムが停止され易くした状態、所謂「ボーナスゲーム状態」。
【0015】
(5)スロットマシン等の遊技機において、ボーナスゲーム状態が発生する確率を通常よりも高確率とした状態、所謂「確率変動状態」。
【0016】
また、抽選状態とは、特別遊技状態に関する抽選を行う状態であり、抽選確率を設定したり、抽選によって選出される選出対象が複数ある場合に選出対象を設定する等、抽選に関する種々の条件が設定された状態を指す。
【0017】
手段1では、特別遊技状態に関する抽選を行う抽選状態として、第1抽選状態と第2抽選状態との少なくとも2種類の状態があり、各状態は、遊技者の操作に応じて相互に変更される。よって、遊技内容として、特別遊技状態を発生させるための遊技だけでなく、抽選状態の変更に関する遊技も加わり、遊技内容が多様化し、興趣を向上させることができる。
【0018】
また、遊技者にとっては、現在の抽選状態がいずれの状態であるかについて憶測しつつ遊技を行うこともでき、遊技意欲が掻き立てられ、この理由からも、興趣を向上させることができる。
【0019】
例えば、第2抽選状態を第1抽選状態よりも遊技者に有利な状態とした場合、遊技者は、第1抽選状態では、特別遊技状態を発生させるためだけでなく、抽選状態を有利な第2抽選状態に変更しようと、遊技に熱が入る。また、特別遊技状態を取得できた際ばかりでなく、抽選状態を第1抽選状態から第2抽選状態に変更できた際にも喜びを得ることができ、遊技の面白みが増す。一方、第2抽選状態では、この有利な第2抽選状態の下で早く特別遊技状態を取得すべく、遊技に熱が入る。また、特別遊技状態の取得への期待感に、抽選状態が不利な第1抽選状態に変更される不安感が加わり、遊技者は「ドキドキ」、「ハラハラ」し、遊技の面白みが増す。さらに、抽選状態が不利な第1抽選状態に変更されても、落胆を感じると同時に、再度、抽選状態を第2抽選状態に変更しようと、遊技意欲が掻き立てられる。
【0020】
なお、第1抽選状態と第2抽選状態とで、上述のように、遊技者にとっての有利さが異なる状態としてもよいが、有利さが同等、或いは、有利さが対比できないような状態としてもよい。例えば、第1抽選状態と第2抽選状態とで、「特別遊技状態を発生させる確率を異ならせる」、「発生させる特別遊技状態の種類を異ならせる」等の状態項目のうち、適宜の状態項目を異ならせる態様では、一方の抽選状態を、特別遊技状態の発生確率については有利であるが、特別遊技状態の種類については不利とし、他方の抽選状態を、特別遊技状態の発生確率については不利であるが、特別遊技状態の種類については有利とする等、抽選状態全体で有利さを対比することができないように状態項目に差異を生じさせてもよい。
【0021】
また、第1抽選状態から第2抽選状態へと変更される確率と、第2抽選状態から第1抽選状態へと変更される確率とを異ならせると、興趣をより一層向上させることができ、好適である。ここで、第2抽選状態が第1抽選状態よりも遊技者に有利な状態である場合、第1抽選状態から第2抽選状態へと変更される確率を高くし、第2抽選状態から第1抽選状態へと変更される確率を低く設定すると、遊技者にとって、第2抽選状態での安心感が高まる。また、第1抽選状態では、第2抽選状態へと変更しようと、遊技意欲が高まる。一方、第1抽選状態から第2抽選状態へと変更される確率を低くし、第2抽選状態から第1抽選状態へと変更される確率を高く設定すると、第1抽選状態から第2抽選状態に変更された際には、確率が低い分だけ、遊技者にとって喜びが増す。また、第2抽選状態では、早めに特別遊技状態を取得しなければ、第1抽選状態に変更されてしまうことから、遊技意欲が、より一層高められる。
【0022】
手段2:請求項1の遊技機において、現状の抽選状態を示唆する抽選状態示唆手段を備えることを特徴とする遊技機。
【0023】
ここで、抽選状態示唆手段は、現状の抽選状態を遊技者に示唆するものであればよい。なお、抽選状態示唆手段としては、ランプ、液晶表示器、発光ダイオード等の種々の表示装置での表示出力や、スピーカでの音声出力等の案内手段によって抽選状態を直接的に案内することにより示唆するもの、第1抽選状態と第2抽選状態とで、表示装置や可動する装飾品等の種々の演出装置により実行される演出を異ならせ、これにより、現状の抽選状態を遊技者に憶測させることにより間接的に示唆するもの等を例示することができる。
【0024】
手段2では、現状の抽選状態が抽選状態示唆手段によって遊技者に対して示唆される。このため、抽選状態が変更された際に、遊技者にとっては、現状の抽選状態が認識可能となる。よって、遊技者にとっては、特別遊技状態を発生させるといった遊技を楽しむばかりでなく、抽選状態を変更させるといった遊技を楽しむことができる。
【0025】
手段3:手段1または手段2の遊技機において、前記抽選手段は、前記特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行うものであり、前記第2抽選状態では、前記第1抽選状態よりも高い確率で特別遊技状態を発生させることを特徴とする遊技機。
【0026】
手段3は、第1抽選状態と第2抽選状態とで、特別遊技状態を発生させる確率を異ならせ、第2抽選状態を、特別遊技状態の発生確率の高い、遊技者にとって有利な状態としたものである。
【0027】
例えば、パチンコ機等の遊技機では、大当たり状態の終了後に、次回の大当たり状態の発生まで、遊技状態を通常状態とするか、この通常状態よりも大当たりの発生確率を高くした確率変動状態とするかを適宜設定する場合がある。このような遊技機では、遊技状態が通常状態であっても、確率変動状態であっても、遊技者は、次の大当たり状態を取得するためだけに淡々と遊技を行うしかなく、遊技内容が単調となる。これに対して、手段3では、抽選状態が遊技者の操作によって、第1抽選状態から有利な第2抽選状態に、或いは、第2抽選状態から不利な第1抽選状態に変更されるため、上述した通り、遊技内容が多様化し、興趣が向上する。
【0028】
なお、第1抽選状態では、特別遊技状態の発生確率を「0」とし、特別遊技状態を発生させないようにしてもよいが、第2抽選状態よりも低い確率で特別遊技状態を発生させるようにしてもよい。ここで、第1抽選状態で特別遊技状態を発生させないようにすると、第1抽選状態での遊技が、特別遊技状態を取得するためではなく、第2抽選状態に変更するためのものとなる。これに対して、第2抽選状態での遊技は、抽選状態を第1抽選状態に変更されないように維持しつつ、特別遊技状態を発生させるためのものとなる。このような遊技機では、第1抽選状態と第2抽選状態とで、遊技内容が全く別異なものとなり、遊技内容が多様化し、興趣が向上する。一方、第1抽選状態でも、例えば、第2抽選状態の1/2〜1/20程度の低い確率で、特別遊技状態を発生させることとすると、第1抽選状態で特別遊技状態を取得できた際には、期待感が少ないにも拘わらず、予想に反して特別遊技状態を取得できたことになるため、遊技者にとって、喜びが増し、遊技の面白みが増す。
【0029】
手段4:手段1または手段2の遊技機において、前記特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、該第1特別遊技状態よりもさらに遊技者に有利な第2特別遊技状態との少なくとも2種類の状態を有し、前記第1抽選状態では、前記第1特別遊技状態を発生させ、前記第2抽選状態では、前記第2特別遊技状態を発生させることを特徴とする遊技機。
【0030】
手段4は、第1抽選状態と第2抽選状態とで、発生させる特別遊技状態の種類を異ならせ、第2抽選状態で発生される特別遊技状態を、第1抽選状態で発生される第1特別遊技状態よりもさらに遊技者に有利な第2特別遊技状態としたものである。
【0031】
特別遊技状態として複数の種類のものが用意されており、複数の中から選出された種類の特別遊技状態を発生させる場合、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選と同時に、発生させる特別遊技状態の種類を決定することとすると、遊技者にとっては、特別遊技状態の発生が決定されて、はじめて、その特別遊技状態の種類を知り得るだけである。よって、特別遊技状態の種類に関しては、遊技者が介入したり予測する余地がなく、遊技内容が単調となる。これに対して、手段4では、第1抽選状態の下では第1特別遊技状態を取得でき、第2抽選状態の下では、第1特別遊技状態よりもさらに有利な第2特別遊技状態を取得でき、遊技者は、これを憶測或いは認識して遊技を行うことができる。よって、第2抽選状態では、抽選状態が第1抽選状態に変更される前に第2特別遊技状態を取得すべく、遊技に熱が入り、遊技の面白みが増す。また、発生される特別遊技状態の種類を、完全に予測できるか(第1抽選状態では、第1特別遊技状態のみを発生させ、第2抽選状態では、第2特別遊技状態のみを発生させる場合)、或いは、ある程度予測できるため(第1抽選状態では、第1特別遊技状態の発生確率を高くし、第2抽選状態では、第2特別遊技状態の発生確率を高くした場合)、特別遊技状態の発生とその種類とを関連付けて遊技を行うことができるため、遊技の面白みが増す。
【0032】
なお、複数種類の特別遊技状態の具体的な内容としては、特に限定するものではないが、「パチンコ機等の遊技機において、大当たり状態の種類を、開閉駆動される入賞口の開閉回数や開放時間等を異ならせた複数の種類とする」、「パチンコ機等の遊技機において、大当たり状態が所定条件を満たした場合に継続される態様である場合に、大当たり状態実行中の形態を異ならせ、上記所定条件を満たし易い形態と、満たし難い形態とを含む複数種類の形態とする」、「スロットマシン等の遊技機において、ボーナスゲーム状態の種類として、有利なゲームの回数を異ならせた複数の種類とする」等を例示することができる。
【0033】
手段5:手段4の遊技機において、前記第2特別遊技状態の内容は、夫々遊技者に有利な状態である、第1態様と、該第1態様の終了後に付与される第2態様とを有する内容であり、前記第1特別遊技状態の内容は、前記第1態様を有し、前記第2態様を有さない内容であることを特徴とする遊技機。
【0034】
手段5は、夫々異なる第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態の内容を限定したものであり、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とで、共に第1態様を実行するのであるが、この第1態様の終了後に、第2態様を付与するか否かで差異を生じさせたものである。具体的には、例えば、パチンコ機等の遊技機において、第1特別遊技状態では、大当たり状態の終了後は何らの付加価値も付与せずに通常状態とする一方で、第2特別遊技状態では、大当たり状態の終了後に、確率変動状態や時間短縮状態等、通常状態より有利な遊技状態を付与するようにしたものである。
【0035】
手段6:手段4または手段5の遊技機において、前記第1抽選状態であっても、前記第2特別遊技状態を、前記第1特別遊技状態よりも低い頻度で発生させることを特徴とする遊技機。
【0036】
手段6では、第1抽選状態であっても、低い頻度で第2特別遊技状態が発生されるため、第1抽選状態の下で第2特別遊技状態が発生すると、遊技者にとっては、期待感が少ないにも拘わらず、第2特別遊技状態を取得できたことになり、喜びが増し、遊技の面白みが増す。なお、第1抽選状態で第2特別遊技状態を発生させる頻度を、第1特別遊技状態の発生頻度の1/5〜1/50程度とすると、第1抽選状態の下では第2特別遊技状態を頻繁に取得できないため、第2特別遊技状態を取得できた際の喜び感が大きく、興趣を向上させることができ、好適である。
【0037】
手段7:手段4または手段5の遊技機において、抽選状態を示唆する抽選状態示唆手段を備え、該抽選状態示唆手段は、現状の抽選状態が第2抽選状態であっても第1抽選状態であるとして、第2抽選状態の示唆よりも低い頻度で示唆することを特徴とする遊技機。
【0038】
手段7では、抽選状態示唆手段によって、遊技者に、現状の抽選状態の情報を正確に与えるのではなく、誤った情報を与える。よって、現状の抽選状態が第1抽選状態であると誤って認識している下で、予期せず第2特別遊技状態を取得できた場合には、上述の手段6と同様に、喜びが増して遊技の面白みが増す。なお、第1抽選状態であるとして誤った状態を示唆する頻度を、正確な第2抽選状態を示唆する頻度の1/5〜1/50程度とするのが、上述の手段6と同様な理由から、好適である。
【0039】
手段8:手段4から手段7のいずれか一つの遊技機において、前記第2抽選状態であっても、前記第1特別遊技状態を、前記第2特別遊技状態よりも低い頻度で発生させることを特徴とする遊技機。
【0040】
手段8では、第2抽選状態であっても、低い頻度で第1特別遊技状態が発生されるため、第2抽選状態の下で第1特別遊技状態が発生した際には、予期せず、不利な第1特別遊技状態を取得することになるため、遊技者にとって、特別遊技状態取得の喜びの感と、その不利な内容による落胆の感とが交錯し、心境が複雑となり、遊技の面白みが増す。なお、第2抽選状態で第1特別遊技状態を発生させる頻度を、第2特別遊技状態の発生頻度の1/5〜1/50程度とすると、第2抽選状態の下では第1特別遊技状態が頻繁に発生しないため、遊技者に無用に落胆の感を与えることがなく、好適である。
【0041】
手段9:手段4から手段7の遊技機において、抽選状態を示唆する抽選状態示唆手段を備え、該抽選状態示唆手段は、現状の抽選状態が第1抽選状態であっても第2抽選状態であるとして、第1抽選状態の示唆よりも低い頻度で示唆することを特徴とする遊技機。
【0042】
手段9では、抽選状態示唆手段によって、遊技者に、現状の抽選状態の情報を正確に与えるのではなく、誤った情報を与える。よって、現状の抽選状態が第2抽選状態であると誤って認識している下で、予期せず第1特別遊技状態が取得された場合には、上述の手段8と同様に、心境が複雑となって遊技の面白みが増す。なお、第2抽選状態であるとして誤った状態を示唆する頻度を、正確な第1抽選状態を示唆する頻度の1/5〜1/50程度とするのが、上述の手段8と同様な理由から、好適である。
【0043】
手段10:手段1から手段9までのいずれか一つの遊技機において、抽選状態の変更に際して、遊技者が認識可能な演出を行うことを特徴とする遊技機。
【0044】
手段10では、遊技者に、抽選状態の変更に際しての演出を楽しませることができ、興趣を向上させることができる。
【0045】
なお、抽選状態を変更する際の演出については、特に限定するものではなく、ランプ、液晶表示器、発光ダイオード等の種々の表示装置での表示による演出、スピーカからの効果音や音声による演出、装飾品の動作による演出等を例示することができる。また、特別遊技状態を発生させるか否かについての演出を行う態様では、上記演出を行う演出手段を用いて、抽選状態の変更に関する演出を行うこととすると、共通の演出手段にて、特別遊技状態の発生と抽選状態の変更とを関連させて演出を楽しませることができ、好適である。例えば、特別遊技状態の発生に関しての演出を、演出手段として、種々の図柄を表示する図柄表示装置により行い、図柄表示装置に特定態様の図柄を表示することで、特別遊技状態の発生を演出する場合に、図柄表示装置に上記特定態様とは別の特定態様の図柄を表示することで、抽選状態の変更を演出することとする。このようにすると、遊技者は、共通する演出手段である図柄表示装置での演出によって、特別遊技状態の発生への期待感と、抽選状態の変更への期待感或いは不安感とを関連させて、同時に楽しむことができる。
【0046】
手段11:手段1から手段10までのいずれか一つの遊技機において、前記抽選手段は、コンピュータ処理によって抽選を行うことを特徴とする遊技機。
【0047】
ここで、抽選をコンピュータ処理によって行うためには、CPU、ROM及びRAM等の電子部品を備えたコンピュータに、乱数カウンターから取得した値によって抽選の当否を判定する等の内容の抽選用プログラムを実行させればよい。
【0048】
手段11では、抽選がコンピュータ処理によって行われるため、特別遊技状態の発生や、抽選状態の変更に関する種々の抽選処理を、簡便に行うことができる。また、抽選に関する条件を、多様に設定したり、変更することが容易である。
【0049】
手段12:手段1から手段10までのいずれか一つの遊技機において、前記抽選手段は、抽選領域での抽選媒体の挙動によって抽選を行うことを特徴とする遊技機。
【0050】
ここで、抽選媒体とは、抽選を行うために用いられる物品を指すものであり、この抽選媒体としては、例えば、パチンコ機やスロットマシン等で遊技を行うために用いられる遊技球やメダル等の遊技媒体を採用してもよく、或いは、遊技媒体とは別途の抽選専用の媒体を採用してもよい。また、抽選媒体の挙動による抽選としては、例えば、パチンコ機等において役物内の特定の入賞口に遊技球が入賞するか否か等、抽選領域内に設けられた特定領域に抽選媒体が到達するか否かによって抽選の当否を判定したり、ダイスの出目等、抽選領域内にて停止した抽選媒体の停止態様によって抽選の当否を判定する等を例示することができる。
【0051】
手段12では、抽選が抽選媒体の挙動によって行われるため、抽選が行われている状態を、視覚的に認識することができる。よって、この抽選媒体の挙動によって抽選を演出することができ、興趣を向上させることができる。また、コンピュータ処理によって抽選を行う場合、遊技者にとっては、抽選が行われている状態を確認することができず、抽選が不正に行われているのではないかといった疑義が生じるのであるが、手段12では、遊技者にとって、抽選が行われている状態を確認することができるため、抽選についての疑義が生じ難く、安心して遊技を行うことができる。
【0052】
手段13:手段1から手段12までのいずれか一つの遊技機において、抽選状態の変更を、コンピュータ処理による条件の成立に基づいて行うことを特徴とする遊技機。
【0053】
ここで、抽選状態の変更をコンピュータ処理による条件の成立に基づいて行うためには、上述の手段11と同様に、乱数カウンター等を用いて変更の条件が成立した否かを判定する等の手法を用いればよい。
【0054】
手段13では、抽選状態の変更をコンピュータ処理による条件の成立に基づいて行うため、抽選状態の変更処理を、簡便に行うことができる。また、抽選状態を変更するための条件を、多様に設定したり、変更することが容易である。
【0055】
手段14:手段1から手段12までのいずれか一つの遊技機において、抽選状態の変更を、変更領域での変更媒体の挙動による条件の成立に基づいて行うことを特徴とする遊技機。
【0056】
ここで、変更媒体とは、抽選状態を変更するための条件が成立したか否かを判定するために用いられる物品を指すものであり、この変更媒体としては、例えば、パチンコ機やスロットマシン等で遊技を行うために用いられる遊技球やメダル等の遊技媒体を採用してもよく、或いは、遊技媒体とは別途の条件判定専用の媒体を採用してもよい。また、変更媒体の挙動による条件の成立としては、例えば、パチンコ機等において、遊技領域内の特定の入賞口に遊技球が入賞するか否か等、変更領域内に設けられた特定領域に変更媒体が到達するか否かによって条件の成立を判定したり、ダイスの出目等、変更領域内にて停止した変更媒体の停止態様によって条件の成立を判定する等を例示することができる。
【0057】
手段14では、抽選状態の変更が変更媒体の挙動に基づいて行われるため、変更の条件が成立するか否の状態を、視覚的に認識することができる。よって、この変更媒体の挙動によって条件の成立状態を演出することができ、興趣を向上させることができる。また、コンピュータ処理に基づく場合、遊技者にとっては、条件の成立状態を確認することができず、抽選状態の変更が不正に行われているのではないかといった疑義が生じるのであるが、手段14では、遊技者にとって、抽選状態の変更条件が成立する状態を確認することができるため、抽選状態の変更についての疑義が生じ難く、安心して遊技を行うことができる。
【0058】
手段15:手段1から手段14までのいずれか一つの遊技機において、特別遊技状態の発生に関する表示と、抽選状態の変更に関する表示とを行う表示手段を備えることを特徴とする遊技機。
【0059】
ここで、特別遊技状態の発生に関する表示と、抽選状態の変更に関する表示とを行う表示手段の具体的な態様としては、次のようなものを例示することができる。例えば、パチンコ機等の遊技機において、特別遊技状態、所謂「大当たり状態」を発生させる際に、複数の図柄を可変表示する図柄表示装置等の表示手段によって、特定の態様の図柄を表示するようにした場合、抽選状態を変更するに際しても、表示手段によって、上記の特定の態様とは別の態様の図柄を表示するようにすればよい。
【0060】
手段15では、表示手段によって、特別遊技状態の発生に関する表示と、抽選状態の変更に関する表示とがなされるため、表示手段の表示内容には、特別遊技状態のみについての情報、或いは、抽選状態のみについての情報といった単体の情報ではなく、多様な情報が含まれることになる。よって、表示手段の表示内容について、遊技者の関心が高められ、遊技者にとっては、表示手段にどのような表示がなされるのか、大きく興味が惹きつけられて、表示手段による表示を十分に楽しむことができる。
【0061】
手段16:手段1から手段15までのいずれか一つの遊技機において、パチンコ機であることを特徴とする遊技機。
【0062】
手段16は、遊技機としてパチンコ機を対象としたものであり、手段16によれば、パチンコ機において、手段1から手段15までのいずれかの作用効果を得ることができる。
【0063】
手段17:手段1から手段15までのいずれか一つの遊技機において、スロットマシンであることを特徴とする遊技機。
【0064】
手段17は、遊技機としてスロットマシンを対象としたものであり、手段17によれば、スロットマシンにおいて、手段1から手段15までのいずれかの作用効果を得ることができる。
【0065】
手段18:手段1から手段15までのいずれか一つの遊技機において、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなることを特徴とする遊技機。
【0066】
手段18は、遊技機としてパチンコ機とスロットマシンとを融合させてなるものを対象としたものである。ここで、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機とは、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いるスロットマシンである。手段18によれば、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなるものにおいて、手段1から手段15までのいずれかの作用効果を得ることができる。
【0067】
なお、本発明の遊技機としては、パチンコ機、スロットマシン、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる融合機等を挙げることができるが、この他、種々の遊技機を対象とすることもできる。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明に係る遊技機の実施形態の一例を、遊技機としてのパチンコ機を例にして、以下、図面に基づいて詳細に説明する。
【0069】
図1に示すように、パチンコ機10は、遊技盤11の表面に形成された遊技領域12を備えている。遊技者は、ハンドル13を操作して発射装置(図示省略)から遊技領域12に遊技球を打ち出すことにより遊技を行う。
【0070】
図2に示すように、遊技領域12には、複数の普通入賞口20、普通図柄始動口21、特別図柄始動口22、大入賞口23、普通図柄表示装置30、特別図柄表示装置40、状態表示装置50等が設けられている。
【0071】
普通入賞口20は、遊技球の入賞により所定数(例えば10個)の賞球を払い出すものである。普通図柄始動口21は、遊技球が通過されるものであり、遊技球の通過に応じて、特別図柄始動口22を開放させる否かの抽選、所謂「当たり」の抽選を行うものである。また、この抽選の結果は、ランプの点灯により「○」または「×」のいずれかを表示する普通図柄表示装置30によって、「当たり」であると「○」として、「外れ」であると「×」として表示される。さらに、普通図柄表示装置30の近傍には、「当たり」抽選用の4つの保留ランプ31が設けられており、「当たり」の抽選は、最大で4回分が保留され、抽選の保留状態では、保留する抽選回数分の保留ランプ31が点灯される。
【0072】
特別図柄始動口22は、ソレノイド等により開閉駆動されるチューリップ型の電動入賞口として構成されており、開放状態では、閉鎖状態に比して、遊技球が入賞し易くなる。特別図柄始動口22に遊技球が入賞すると、所定数(例えば5個)の賞球の払い出しが行われると共に、大入賞口23を開放させる否かの抽選、所謂「大当たり」の抽選が行われる。この特別図柄始動口22への遊技球の入賞に応じて抽選を行う構成は、抽選手段の一例を示すものである。そして、この抽選の結果は、特別図柄表示装置40に表示される。ここで、特別図柄表示装置40は、数字、文字、図形、キャラクター等の種々の図柄を変動して表示するものであり、液晶ディスプレイ、CRT、発光ダイオード、エレクトロルミネセンス、ドットマトリックス、蛍光表示管等を用いて構成されている。また、特別図柄表示装置40の上方には、「大当たり」抽選用の4つの保留ランプ41が設けられており、「大当たり」の抽選は、最大で4回分が保留され、抽選の保留状態では、保留する抽選回数分の保留ランプ41が点灯される。
【0073】
特別図柄始動口22への遊技球の入賞により行われた抽選の結果が「大当たり」であると、特別図柄表示装置40に特定の表示態様で図柄を表示し、ソレノイド等の駆動により開閉される大入賞口23を開放して、多量の遊技球が大入賞口23に入賞し易い状態、所謂「大当たり状態」が形成される。そして、大入賞口23に遊技球が入賞すると、所定数(例えば15個)の賞球の払い出しが行われる。
【0074】
特別図柄表示装置40は、多様な図柄を複数列で表示するものであり、本例では、図柄として「0」〜「9」の10種類の数字を、3列の図柄列ごとに個別に変動させた後に、各図柄列ごとに、順次停止させて表示する。そして、抽選結果が「大当たり」であると、特定の表示態様として、各図柄列に同一の数字を表示する。例えば、「7,7,7」と表示する。ここで、各図柄列の図柄は、図柄列ごとに順次停止して表示されるため、最初の2列の図柄列に同一の図柄が停止表示されると、残り1列の図柄列にも同一の図柄が停止表示されれば「大当たり」となる状態、所謂「リーチ状態」となり、遊技者にとっては、「大当たり」の期待感が増す。このように、本例では、特別図柄表示装置40に抽選結果を表示するに際して、演出が行われている。なお、「大当たり」である図柄の特定の表示態様としては、上記に限らず、多様な図柄のうちの1つが選択的に表示される態様において、1種または2種以上の特定の図柄が表示される態様等であってもよい。
【0075】
大当たり状態での大入賞口23の開放は、例えば、所定時間(例えば30秒)経過するか、或いは、所定数(例えば10個)の遊技球が入賞するといった所定の条件が満たされると終了され、大入賞口23は、初期の遊技球が入賞不能な状態に閉鎖される。また、大入賞口23には、Vゾーン24が設けられており、大入賞口23の開放中に遊技球がVゾーン24を通過すると、「大当たり状態」を継続する権利が取得されて、大入賞口23の閉鎖後、再度、大入賞口23が開放される。この大入賞口23の開閉は、所定回数(例えば初回の開放を含めて15回)を上限として繰り返される。
【0076】
ところで、普通図柄始動口21による抽選は、遊技球の通過タイミングによって当たり判定用の当否乱数カウンターから値が取得されることにより行われる。そして、取得された値が特定の値である場合に「当たり」であるとして、普通図柄表示装置に「○」を表示させると共に、特別図柄始動口22を開放させる。なお、上記の抽選結果が「当たり」となる確率は、1/2に設定されている。また、特別図柄始動口22は、上記の抽選結果が「当たり」であると開放されるものであるが、通常の遊技状態では、普通図柄始動口21に遊技球が通過した後、30秒程度経過した後に、0.5秒程度の時間で開放される。
【0077】
一方、「大当たり状態」は、特別図柄始動口22への遊技球の入賞によって行われる抽選の結果が「大当たり」であると発生される。ここで、上記の抽選は、遊技球の入賞タイミングによって大当たり判定用の当否乱数カウンターから値が取得されることにより行われる。そして、取得された値が特定の値である場合に「大当たり」であるとして、特別図柄表示装置40に特定の表示態様で図柄を表示させると共に、大入賞口23を開放させ、「大当たり状態」を発生させる。なお、上記の抽選結果が「大当たり」となる確率は、通常の遊技状態では、1/300に設定されている。
【0078】
上述の「大当たり状態」を含む遊技状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態であるが、本例のパチンコ機10では、特別遊技状態として、第1特別遊技状態と、この第1特別遊技状態よりもさらに遊技者に有利な第2特別遊技状態との2種類が用意されている。
【0079】
第1特別遊技状態は、第1態様として、「大当たり状態」を実行し、この「大当たり状態」終了後には、通常の遊技状態に復帰させるものである。そして、第2特別遊技状態は、第1態様として、「大当たり状態」を実行し、加えて、この「大当たり状態」終了後に、通常の遊技状態よりも遊技者に有利な第2態様を付与するものである。ここで、第2態様は、特別図柄始動口22への遊技球の入賞による抽選の結果が「大当たり」となる確率を1/60として、通常の遊技状態よりも高確率に変更した状態、所謂「確率変動状態」を実行する。また、加えて、普通図柄始動口21への遊技球の通過による抽選の結果が「当たり」である場合に、特別図柄始動口22を、普通図柄始動口21での遊技球の通過から5秒程度経過した後に、2秒程度開放させ、この開放を3回繰り返す。これにより、特別図柄始動口22の開閉頻度を多発させ、且つ、開放時間を長くして、通常の遊技状態よりも特別図柄始動口22に遊技球が入賞し易く、頻繁に「大当たり」の抽選が行われるようにした状態、所謂「時間短縮状態」を実行する。なお、本例における第2態様は、「確率変動状態」及び「時間短縮状態」の双方を実行するものであるが、「確率変動状態」または「時間短縮状態」のいずれか一方を実行するものであってもよい。
【0080】
特別遊技状態は、上記の第1特別遊技状態及び第2特別遊技状態の2種類の中から選出されるのであるが、本例のパチンコ機10では、特別遊技状態を発生させるための抽選を行う抽選状態として、第1抽選状態と第2抽選状態との2種類の抽選状態が用意されており、抽選状態に対応する種類の特別遊技状態が選出される。すなわち、第1抽選状態では、第1特別遊技状態が選出され、第2抽選状態では、第2特別遊技状態が選出される。
【0081】
そして、本例のパチンコ機10では、特別遊技状態の発生及びその種類が決定されると、これに対応した態様の図柄が特別図柄表示装置40に表示される。これにより、遊技者は、特別遊技状態の獲得、及び、獲得した特別遊技状態の種類を知ることができる。例えば、特別図柄表示装置40の3列の図柄列に全て同一の図柄が揃うようにして表示されることにより、特別遊技状態の獲得を知ることができる。また、揃った図柄が、例えば奇数の数字等、特定の図柄であれば、発生される特別遊技状態が、最も有利な第2特別遊技状態であり、例えば「0」及び偶数の数字等、上記特定以外の図柄であれば、第2特別遊技状態よりも不利な第1特別遊技状態であることを知ることができる。
【0082】
抽選状態は、第1抽選状態と第2抽選状態とで、所定の条件の下で相互に変更される。ここで、本例では、特別図柄表示装置40によって「リーチ状態」が演出され、「リーチ状態」の発生後、「大当たり」に至らなかった場合に、すなわち「外れリーチ状態」の発生後に、変更される。なお、抽選状態を変更する条件としては、これに限らず、例えば「リーチ状態」発生前に、これを予告する演出、所謂「リーチ予告演出」を所定の頻度で発生させる場合、「リーチ予告演出の発生」を条件としてもよく、「特定の図柄でのリーチ状態の発生」を条件としてもよく、或いは、「1,4,7」、「2,5,8」、「3,6,9」等、各図柄列に表示された図柄が麻雀のすじ目である態様、最終に停止される図柄列の表示が「7」である態様等、「特定の態様の図柄が表示されること」を条件してもよい。このように、遊技者に認識できる条件にて抽選状態を変更することにより、抽選状態の変更に際して演出が行われることになり、遊技者を楽しませることができる。また、本例では、特別図柄表示装置40が、特別遊技状態の発生に関する表示と、抽選状態の変更に関する表示とを行う表示手段を構成する。よって、遊技者は、この特別図柄表示装置40に表示された種々の態様の図柄を確認しながら遊技を行うことにより、特別遊技状態の発生までの経過と抽選状態の変更までの経過との両方を、十分に楽しむことができる。
【0083】
そして、現状の抽選状態が第1抽選状態または第2抽選状態のいずれであるかは、特別図柄表示装置40の上方に設けられた左右一対の状態表示装置50による表示によって、遊技者に示唆される。ここで、上記の状態表示装置50は、抽選状態示唆手段の一例を示すものであり、例えば、第1抽選状態であれば、一方の状態表示装置50に「通常」と表示され、第2抽選状態であれば、他方の状態表示装置50に「チャンス」と表示される。なお、抽選状態示唆手段としては、上記に限らず、スピーカから音声を出力するものであってもよく、また、特別図柄表示装置40に抽選状態を表示するものであってもよい。さらに、第1抽選状態では「0」及び偶数の数字のリーチ状態を多発させる一方で、第2抽選状態では奇数の数字のリーチ状態を多発させたり、特別図柄表示装置40に描写される背景や、登場するキャラクター等の種類を変える等して、現状の抽選状態を示唆するものであってもよい。
【0084】
次に、図3に示すブロック図に基づいて、本例のパチンコ機10の電気的構成を説明する。パチンコ機10は、遊技内容の制御を行う主制御基板60を備えている。そして、主制御基板60は、各種の処理プログラムを記憶したROM61と、データを一時的に記憶するRAM62と、各種の演算を行うCPU63と、所定周波数のパルス信号を出力するクロック回路64とを備えている。
【0085】
主制御基板60のCPU63には、入出力ポートを介して、表示制御基板40K、ランプ制御基板70K、音声制御基板80K、普通図柄表示装置30、状態表示装置50、大入賞口駆動装置23A、特別図柄始動口駆動装置22A、普通入賞口スイッチ20S、普通図柄始動口スイッチ21S、特別図柄始動口スイッチ22S、大入賞口スイッチ23S、Vゾーンスイッチ24S及び他の入出力装置90が接続されている。
【0086】
ここで、表示制御基板40Kは、主制御基板60からの信号を受けて、特別図柄表示装置40を制御するものである。ランプ制御基板70Kは、主制御基板60からの信号を受けて、パチンコ機10に設けられた各種ランプ70を制御するものである。音声制御基板80Kは、主制御基板60からの信号を受けて、スピーカ80を制御するものである。普通図柄表示装置30は、主制御基板60からの信号を受けて、普通図柄始動口21の遊技球の通過による抽選結果を表示するものである。状態表示装置50は、主制御基板60からの信号を受けて、抽選状態を表示するものである。大入賞口駆動装置23Aは、ソレノイド等の駆動装置からなり、主制御基板60からの信号を受けて、大入賞口23を開閉駆動するものである。特別図柄始動口駆動装置22Aは、ソレノイド等の駆動装置からなり、主制御基板60からの信号を受けて、特別図柄始動口22を開閉駆動するものである。
【0087】
また、普通入賞口スイッチ20Sは、普通入賞口20に設けられたものであり、普通入賞口20への遊技球の入賞を検知して、主制御基板に検知信号を送るものである。普通図柄始動口スイッチ21Sは、普通図柄始動口21に設けられたものであり、普通図柄始動口21での遊技球の通過を検知して、主制御基板に検知信号を送るものである。特別図柄始動口スイッチ22Sは、特別図柄始動口22に設けられたものであり、特別図柄始動口22への遊技球の入賞を検知して、主制御基板に検知信号を送るものである。大入賞口スイッチ23Sは、大入賞口23に設けられたものであり、大入賞口23への遊技球の入賞を検知して、主制御基板に検知信号を送るものである。Vゾーンスイッチ24Sは、大入賞口23内のVゾーン24に設けられたものであり、Vゾーン24への遊技球の通過を検知して、主制御基板に検知信号を送るものである。
【0088】
次に、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選や、抽選状態を変更する処理等のパチンコ機10にて行われる各種の処理について説明する。ここで、本例のパチンコ機10では、電源投入後に、メイン処理にて、各種のデータを初期化したり、各種機器の状態を整える立ち上げ処理を実行し、電源復帰処理を実行した後に、後述する変動パターン乱数カウンタC3の値を更新し、更新した値を変動パターンバッファに格納する処理を、閉ループにて繰り返し実行する。このメイン処理に対して、クロック回路64からのパルス信号に基づいて、例えば4msで、図4に示す割込み処理を行う。
【0089】
図4に示す割込み処理では、まず、外れ図柄更新処理を行い(S10)、次に、当否乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC2の更新処理を行い(S20)、次に、始動入賞処理を行い(S30)、次に、図柄変動処理を行い(S40)、次に、大当たり処理を行い(S50)、最後に、その他処理を行って(S60)、割込み処理を終了する。
【0090】
外れ図柄更新処理(S10)では、図5に示すように、まず、第1図柄乱数カウンタC4aの更新を行い(S101)、S102の処理に移行する。第1図柄乱数カウンタC4aは、特別図柄表示装置40に「外れ」の図柄を表示する際に、第1列目の図柄列に表示される図柄を決定するのに用いられるカウンタである。本例では、第1図柄乱数カウンタC4aの値を、「0」〜「9」までは1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻す。そして、特別図柄表示装置40の第1列目の図柄列には、第1図柄乱数カウンタC4aの値に対応して、同じ数字が表示される。
【0091】
S102の処理では、第1図柄乱数カウンタC4aの値が「0」であるか否かを判定し、「0」であれば、S103の処理に移行する。一方、第1図柄乱数カウンタC4aの値が「0」でなければ、S106の処理に移行する。
【0092】
S103の処理では、第2図柄乱数カウンタC4bの更新を行い、S104の処理に移行する。第2図柄乱数カウンタC4bは、特別図柄表示装置40に「外れ」の図柄を表示する際に、第2列目の図柄列に表示される図柄を決定するのに用いられるカウンタである。本例では、第2図柄乱数カウンタC4bの値を、「0」〜「9」までは1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻す。そして、特別図柄表示装置40の第2列目の図柄列には、この第2図柄乱数カウンタC4bの値に対応して、同じ数字が表示される。
【0093】
S104の処理では、第2図柄乱数カウンタC4bの値が「0」であるか否かを判定し、「0」であれば、S105の処理に移行する。一方、第2図柄乱数カウンタC4bの値が「0」でなければ、S106の処理に移行する。
【0094】
S105の処理では、第3図柄乱数カウンタC4cの更新を行い、S106の処理に移行する。第3図柄乱数カウンタC4cは、特別図柄表示装置40に「外れ」の図柄を表示する際に、第3列目の図柄列に表示される図柄を決定するのに用いられるカウンタである。本例では、第3図柄乱数カウンタC4cの値を、「0」〜「9」までは1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻す。そして、特別図柄表示装置40の第3列目の図柄列には、この第3図柄乱数カウンタC4cの値に対応して、同じ数字が表示される。
【0095】
S106の処理では、第1図柄乱数カウンタC4aの値と第2図柄乱数カウンタC4bの値とが同じであるか否かを判定する。各値が同じ値であれば、第1列目と第2列目の各図柄列に同じ数字が表示され、「リーチ状態」の表示態様が形成されることになるので、S107の処理に移行する。一方、各値が同じ値でなければ、「リーチ状態」の表意態様は形成されず、また、「大当たり状態」の表示態様も形成されないことになるため、第1図柄乱数カウンタC4a、第2図柄乱数カウンタC4b及び第3図柄乱数カウンタC4cの各値を、「外れ図柄」を決定する値として、外れ図柄バッファに格納して(S108)、外れ図柄更新処理を終了する。
【0096】
S107の処理では、第1図柄乱数カウンタC4aの値と第3図柄乱数カウンタC4cの値とが同じであるか否かを判定する。各値が同じ値であれば、第1列目と第2列目と第3列目の各図柄列に同じ数字が表示され、「大当たり状態」の表示態様が形成されることになる。ここで、「大当たり状態」の表示態様は、後述する別の処理(S413)にて決定されるので、本処理では、各値をそのままとし、外れ図柄更新処理を終了する。一方、各値が同じ値でなければ、「大当たり状態」の表示態様は形成されず、「リーチ状態」の表示態様ではあるが「大当たり状態」の表示態様ではない、所謂「外れリーチ状態」の表示態様が形成されることになるため、第1図柄乱数カウンタC4a、第2図柄乱数カウンタC4b及び第3図柄乱数カウンタC4cの各値を、「外れリーチ図柄」を決定する値として、外れリーチ図柄バッファに格納して(S109)、外れ図柄更新処理を終了する。
【0097】
当否乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC2の更新処理(S20)では、図示は省略するが、当否乱数カウンタC1及びリーチ乱数カウンタC2を更新し、更新した値を対応するバッファに格納する。当否乱数カウンタC1は、通常状態で1/300、確率変動状態で1/60の確率で当選する「大当たり」の判定に用いられるものであり、本例では、「0」〜「599」までを順に1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻す。なお、通常状態では、当否乱数カウンタC1の値として、「7」及び「307」の2種類の値が取得されると、「大当たり」と判定する。また、確率変動状態では、当否乱数カウンタC1の値として、60で除したときの余りが「7」である「7」、「67」、「127」・・・「547」の10種類の値が取得されると、「大当たり」と判定する。一方、リーチ乱数カウンタC2は、「外れリーチ状態」を発生させるか否かの抽選に際して用いられるものであり、本例では、「0」〜「11」までを順に1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻す。なお、リーチ乱数カウンタC2の値として「3」の値が取得されると、「外れリーチ状態」と判定する。よって、本例では、1/12の確率で「外れリーチ状態」が発生される。
【0098】
始動入賞処理(S30)では、図6に示すように、まず、特別図柄始動口22に遊技球が入賞したか否か(入賞か否か)を判定する(S301)。この判定は、特別図柄始動口スイッチ22Sが遊技球を検出したか否かによって行われる。
そして、入賞であれば、S302の処理に移行する。一方、入賞でなければ、S306の処理に移行する。
【0099】
S302の処理では、「大当たり」の抽選を保留する保留数Nの値が「4」未満であるか否かを判定し、保留数Nの値が「4」未満であれば、S303の処理に移行する。一方、保留数Nの値が「4」未満でなければ、これ以上の抽選を保留することはできないため、S306の処理に移行する。
【0100】
S303の処理では、保留数Nとして、「1」を加算した新たな値をセットする。そして、以降の処理では、「大当たり」抽選用の保留ランプ41を1つ点灯し(S304)、対応するバッファに格納されている当否乱数カウンタC1の値及びリーチ乱数カウンタC2の値を、第1保留エリア、第2保留エリア、第3保留エリア及び第4保留エリアのうち、保留数Nに対応する空き記憶エリアに格納し(S305)、S306の処理に移行する。
【0101】
S306の処理では、保留数Nの値が「0」よりも大きいか否かを判定し、保留数Nの値が「0」よりも大きければ、S307の処理に移行する。一方、保留数Nの値が「0」よりも大きくなければ、そもそも入賞がないことになるので、以降の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。
【0102】
S307の処理では、特別図柄表示装置40が変動中であるか否か、また、大当たり中であるか否かを判定する。特別図柄表示装置40が変動中でなく、且つ、大当たり中でなければ、特別図柄表示装置40を変動させることができるので、変動許可フラグF1に「1」の値をセットして、始動入賞処理を終了する。一方、特別図柄表示装置40が変動中であるか、或いは、大当たり中であると、特別図柄表示装置40を変動させることができないので、以降の処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。
【0103】
図柄変動処理(S40)では、図7及び図8に示すように、まず、変動許可フラグF1の値が「1」であるか否かを判定し、変動許可フラグF1の値が「1」であれば、「大当たり」抽選用の保留ランプ41を1つ消灯し(S402)、保留数Nとして、「1」減じた新たな値をセットし(S403)、記憶エリアのデータ、すなわち、第1保留エリア、第2保留エリア、第3保留エリア及び第4保留エリアの各記憶エリアに記憶された当否乱数カウンタC1の値及びリーチ乱数カウンタC2の値を、実行エリア側の記憶エリアにシフトする(S404)。そして、詳細は後述する表示コマンド決定処理を行い(S405)、決定された表示コマンドを表示制御基板40Kに送信し(S408)、変動許可フラグF1に「0」の値をセットし(S407)、S408の処理に移行する。
【0104】
S408の処理では、大当たり中であるか否かを判定し、大当たり中でなければ、S409の処理に移行する。一方、大当たり中であれば、以降の処理をスキップし、図柄変動処理を終了する。なお、大当たり中とは、「大当たり状態」の実行中と、この「大当たり状態」終了後に、所定時間、パチンコ機10の状態を整える状態とを含むものである。
【0105】
S409の処理では、特別図柄表示装置40に変動表示されている図柄の変動時間が終了したか否かを判定する。特別図柄表示装置40では、後述する種々の変動パターンで図柄を変動表示するのであるが、この変動パターンごとに設定された変動時間により、上記の判定がなされる。そして、変動時間が終了していれば、変動表示されている図柄を停止させるため、及び、停止表示される図柄の確認のため、確定コマンドを表示制御基板40Kに送信し(S410)、S411の処理に移行する。一方、変動時間が終了していなければ、図柄の停止処理を行わず、以降の処理をスキップして、図柄変動処理を終了する。
【0106】
S411の処理では、抽選状態を変更する条件が満たされているか否か(更新条件か否か)を判定する。本例では、「外れリーチ状態」の発生を更新条件としているため、実行エリアに記憶されているリーチ乱数カウンタC2の値が「外れリーチ状態」を発生させる値であるか否かによって判定が行われる。そして、更新条件を満たしていれば、S412の処理に移行する。一方、更新条件を満たしていなければ、以降の処理をスキップして、図柄変動処理を終了する。
【0107】
S412の処理では、大当たり図柄乱数カウンタC5の値を更新する。ここで、本例では、「大当たり状態」にて、大当たり図柄乱数カウンタC5の値に対応する数字を表示するようにしてある。そして、本例では、特別図柄表示装置40の各図柄列に、「0」〜「9」の数字を揃うように表示することにより、「大当たり状態」の表示態様を形成するため、「大当たり状態」の表示態様の種類は、10種類となる。よって、大当たり図柄乱数カウンタC5を、「0」〜「9」までは1づつ加算して更新し、最大値に達した後には、再び「0」に戻すこととし、更新された大当たり図柄乱数カウンタC5の値を、大当たり図柄バッファに格納し(S413)、S414の処理に移行する。
【0108】
S414の処理では、大当たり図柄乱数カウンタC5の値が「奇数」であるか否かを判定する。本例では、大当たり図柄乱数カウンタC5の値に対応する数字の表示よって「大当たり状態」の表示態様を形成する。そして、「大当たり状態」の表示態様が、奇数の数字揃いであれば、最も有利な第2特別遊技状態が発生される。一方で、「大当たり状態」の表示態様が、「0」及び偶数の数字揃いであれば、第2特別遊技状態よりも不利な第1特別遊技状態が発生される。よって、大当たり図柄乱数カウンタC5の値が「奇数」である状態は、「大当たり」となれば第2特別遊技状態を発生させる状態、すなわち「第2抽選状態」であるため、状態フラグF2に「1」の値をセットして(S415)、図柄変動処理を終了する。一方、大当たり図柄乱数カウンタC5の値が「奇数」でなければ、この状態は、「大当たり」となれば第1特別遊技状態を発生させる状態、すなわち、「第1抽選状態」であるため、状態フラグF2に「0」の値をセットして(S416)、図柄変動処理を終了する。そして、本例では、状態フラグF2に「0」の値がセットされた状態であれば、状態表示装置50が第1抽選状態に対応するように駆動され、これにより、遊技者は、抽選状態が第1抽選状態であることを認識することができる。また、状態フラグF2に「1」の値がセットされた状態であれれば、状態表示装置50が第2抽選状態に対応するように駆動され、これにより、遊技者は、抽選状態が第2抽選状態であることを認識することができる。
【0109】
図柄変動処理(S40)中に実行される表示コマンド決定処理(S405)は、図9に示すように、まず、実行エリアに格納されている「大当たり」抽選用の当否乱数カウンタC1の値が「大当たり状態」を発生させる値であるか否かを判定する(S451)。そして、「大当たり状態」を発生させる値であれば、特別図柄表示装置40に表示される停止図柄として、大当たり図柄バッファに格納されている値に応じた大当たり図柄を設定する(S452)。そして、この大当たり図柄を停止させるまでの変動パターンとして、メイン処理にて随時更新され、変動パターンバッファに格納されている変動パターン乱数カウンタC3の値に応じた変動パターンに決定し(S453)、表示コマンド決定処理を終了する。一方、当否乱数カウンタC1の値が大当たりを発生させる値でなければ、S454の処理に移行する。
【0110】
S454の処理では、実行エリアに格納されているリーチ乱数カウンタC2の値が「外れリーチ状態」を発生させる値であるか否かを判定する。そして、「外れリーチ状態」を発生させる値であれば、特別図柄表示装置40に表示される停止図柄として、外れリーチ図柄バッファに格納されている第1図柄乱数カウンタC4a、第2図柄乱数カウンタC4b及び第3図柄乱数カウンタC4cの各値に応じた外れリーチ図柄を設定する(S455)。そして、この外れリーチ図柄を停止させるまでの変動パターンとして、変動パターンバッファに格納されている変動パターン乱数カウンタC3の値に応じた変動パターンに決定し(S456)、表示コマンド決定処理を終了する。一方、リーチ乱数カウンタC2の値が「外れリーチ状態」を発生させる値でなければ、S457の処理に移行する。
【0111】
S457の処理では、特別図柄表示装置40に表示される停止図柄として、外れ図柄バッファに格納されている第1図柄乱数カウンタC4a、第2図柄乱数カウンタC4b及び第3図柄乱数カウンタC4cの各値に応じた外れ図柄を設定する(S457)。そして、この外れリーチ図柄を停止させるまでの変動パターンとして、変動パターンバッファに格納されている変動パターン乱数カウンタC3の値に応じた変動パターンに決定し(S458)、表示コマンド決定処理を終了する。
【0112】
上述のような表示コマンド決定処理(S405)によって、特別図柄表示装置40に最終的に停止表示される大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄の各種の図柄が決定される。また、各図柄を変動して停止する際に、変動時間を異ならせたり、登場するキャラクターを異ならせたり、変動する図柄の大きさや色を異ならせる等、種々の演出を行うための変動パターンも決定される。
【0113】
大当たり処理(S50)では、図10に示すように、まず、実行エリアに格納されている「大当たり」抽選用の当否乱数カウンタC1の値が「大当たり状態」を発生させる値であるか否か(大当たりであるか否か)を判定し(S501)、大当たりであれば、開放回数カウンタCRに「15」の値をセットし(S502)、入賞個数カウンタCEに「0」の値をセットし(S503)、開放回数カウンタCRの値を「1」減じて(S504)、大入賞口23を開放し(S505)、S506の処理に移行する。一方、大当たりでなければ、以降の全ての処理をスキップして、大当たり処理を終了する。ここで、開放回数カウンタCRは、繰り返し開放される大入賞口23の開放回数をカウントダウンするためのものであり、本例では、開放回数の上限が15回であるため、最初に「15」の値がセットされ、大入賞口23の開放前に「1」減算される。また、入賞個数カウンタCEは、大入賞口23の1回の開放中に入賞した遊技球の入賞個数をカウントするためのものであり、大入賞口23が開放される前に、リセットのために「0」の値がセットされ、大入賞口23の開放中においては、大入賞口スイッチ23Sが遊技球を検知するごとに、「1」加算される。
【0114】
S506の処理では、入賞個数カウンタCEの値が「10」より大きいか否かを判定し、大きくなければ、S507の処理に移行する。一方、大きければ、S507の処理をスキップし、大入賞口23を閉鎖し(S508)、S509の処理に移行する。これにより、大入賞口23は、1回の開放中に遊技球が10個入賞すると、閉鎖される。
【0115】
S507の処理では、大入賞口23の開放時間が閉鎖時期に達したか否かを判定し、閉鎖時期に達していなければ、S506の処理に戻る。一方、閉鎖時期に達していれば、大入賞口23を閉鎖し(S508)、S509の処理に移行する。これにより、大入賞口23は、1回の開放中に遊技球が10個入賞しなくても、開放時間が閉鎖時期に達すると閉鎖される。
【0116】
S509の処理では、開放回数カウンタCRの値が「0」であるか否かを判定し、「0」でなければ、S510の処理に移行する。一方、「0」であれば、大入賞口23の開放回数が上限の15回に達したことになるので、以降の処理をスキップし、大当たり処理を終了する。
【0117】
S510の処理では、大入賞口23のVゾーン24を遊技球が通過したか否か(V入賞ありか否か)を判定する。この判定は、大入賞口23の開放中にVゾーンスイッチ24Sが遊技球を検知したか否かよって行われる。V入賞ありであれば、大入賞口23を繰り返し開放させるための権利が取得されたものとして、S503の処理に戻り、以降の処理を繰り返し実行する。一方、V入賞ありでなければ、大入賞口23を繰り返し開放させるために権利が取得されなかったものとして、大当たり処理を終了する。
【0118】
割込み処理におけるその他処理(S60)では、特別図柄始動口22を開放させるための「当たり」の抽選処理、パチンコ機10の各種の機器を制御するための処理等、各種の処理が行われる。なお、その他処理(S60)については、本発明に直接的に関わるものではないため、詳細は省略する。
【0119】
以上詳細に説明した本例のパチンコ機は、次のような効果を奏する。
【0120】
例えば、図柄表示装置に特定態様の図柄が表示されると「大当たり」とすると共に、この図柄の種類によって、「大当たり」の種類を、「大当たり状態」の実行後は「通常状態」とする所謂「通常大当たり」か、或いは、「大当たり状態」の実行後は「確率変動状態」及び「時間短縮状態」とする所謂「特別大当たり」かに決定するパチンコ機では、「大当たり」の発生によって初めて、「大当たり」の種類を遊技者に知らせる。ここで、遊技者は、「特別大当たり」を取得した場合には、大きな喜びを感じることができるのであるが、「通常大当たり」を取得した場合には、「大当たり」を取得できた喜びに反して、有利な「特別大当たり」でないことから、大きく落胆してしまう。場合によっては、「通常大当たり」を取得すると、「大当たり」といった利益が得られたのにも拘わらず、「特別大当たり」でないことから、怒りすら感じてしまう。よって、上記のパチンコ機では、「通常大当たり」の発生によって、遊技者の遊技意欲を大きく損ねてしまう虞がある。
【0121】
これに対して本例のパチンコ機では、抽選状態が第1抽選状態であれば、発生される「大当たり」は「通常大当たり」となり、抽選状態が第2抽選状態であれば、発生される「大当たり」は「特別大当たり」となる。そして、現状の抽選状態が第1抽選状態であるか、第2抽選状態であるいかは、状態表示装置によって遊技者に対して示唆される。よって、遊技者は、現状の抽選状態を認識した上で遊技を行うことができ、第1抽選状態の下で「通常大当たり」を取得したとしても、予定通りの結果であることから、落胆することはなく、「大当たり」の取得を単純に喜ぶことができる。一方、第2抽選状態の下で「特別大当たり」を取得した場合には、喜びが何ら損なわれないばかりか、抽選状態が第1抽選状態に変更される前に「大当たり」を取得することができたことから、安堵感も得ることができる。
【0122】
また、「大当たり」を取得するための遊技に、抽選状態を変更するための遊技が加わるため、遊技者は、第1抽選状態の下では、「大当たり」を取得しようとする遊技ばかりでなく、抽選状態を有利な第2抽選状態に早く変更しようと、遊技に熱が入る。一方、第2抽選状態の下では、抽選状態が不利な第1抽選状態に変更されないように期待すると共に、この有利な第2抽選状態の下で早く「大当たり」を取得しようと、遊技に熱が入る。このように、本例のパチンコ機では、抽選状態がどのような状態であっても、遊技者の遊技意欲が何ら損なわれず、興趣を向上させることができる。
【0123】
さらに、本例のパチンコ機では、種々の態様の演出を行って「大当たり」の図柄を表示する特別図柄表示装置を用いて、抽選状態の変更の演出が行われる。よって、遊技者は、特別図柄表示装置での演出を、「大当たり」と「抽選状態の変更」とを関連付けて十分に楽しむことができる。具体的に説明すると、本例では、特別図柄表示装置にて「リーチ状態」が演出された後に「大当たり」に至らなかった場合、抽選状態が変更される。よって、第2抽選状態で「リーチ状態」が演出されると、遊技者は、「外れ」になると不利な第1抽選状態に変更されてしまうことから「大当たり」になるように切望し、演出を見る姿勢に熱が入る。一方、第1抽選状態で「リーチ状態」が演出されると、遊技者は、「大当たり」を期待する場合には、「大当たり」となるように切望し、有利な第2抽選状態に変更されることを切望する場合には、「外れ」になるように切望し、どのような場合でも、演出を見る姿勢に熱が入る。
【0124】
以上、本発明に係る遊技機の実施形態を例示したが、本発明に係る遊技機はこれに限らず、以下のように、様々な変更が可能である。
【0125】
第1抽選状態では必ず第1特別遊技状態を発生させ、第2抽選状態では必ず第2抽選状態を発生させる態様に限らず、第1抽選状態であっても、低い頻度で第2特別遊技状態を発生させる態様としたり、第2抽選状態であっても、低い頻度で第1抽選状態を発生させる態様としてもよい。また、現状の抽選状態が実際には第1抽選状態であっても、低い頻度で第2抽選状態であるとして示唆したり、逆に、第2抽選状態であっても、低い頻度で第1抽選状態であるとして示唆する態様としてもよい。
【0126】
抽選状態は、特別遊技状態の種類を決定するための状態に限らず、特別遊技状態を発生させるか否かの抽選を行う状態であってもよい。例えば、特別遊技状態の発生確率が異なる複数種類の抽選状態を用意し、適宜の条件により、各抽選状態を相互に変更するようにしてもよい。
【0127】
入賞装置に入賞した遊技球が、さらに、入賞装置内の特定入賞領域に入賞するか否かで特別遊技状態の発生に関する抽選を行うパチンコ機等の遊技機において、上記の特定入賞領域の配置部位を変更したり、特定入賞領域に至る経路の形態を変更する等して、特定入賞領域への遊技球の入賞し易さに差異を生じさせ、これにより、複数の抽選状態を構成することとしてもよい。また、入賞装置内に特定入賞領域を複数設け、遊技球が入賞した特定入賞領域に対応して、複数の中から選出した種類の特別遊技状態を発生させることとしてもよく、この場合には、複数の態様を用意し、各態様ごとに入賞し易い特定入賞領域を異ならせ、これにより、複数の抽選状態を構成することとしてもよい。
【0128】
遊技機としては、パチンコ機等の遊技球により遊技を行うものに限らず、スロットマシン等であってもよい。例えば、スロットマシン等で、所定ゲーム数においてメダルの払い出しを行う図柄が表示され易くした特別遊技状態、所謂「ボーナスゲーム状態」として、上記の所定ゲーム数が少なく設定された第1特別遊技状態、所謂「レギュラーボーナス状態」と、所定ゲーム数が多く設定された、所謂「ビッグボーナス状態」との複数種類のものがある場合に、発生する特別遊技状態が必ずまたは高確率で第1特別遊技状態となる第1抽選状態と、発生する特別遊技状態が必ずまたは高確率で第2特別遊技状態となる第2抽選状態とで、抽選状態が相互に変更されるようにしてもよい。また、特別遊技状態の発生確率が低い第1抽選状態と、特別遊技状態の発生確率が高い第2抽選状態とで、抽選状態が相互に変更されるようにしてもよい。
【0129】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した本発明によれば、新規な遊技性を付与することにより、遊技意欲を掻き立て、興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技機の一例としてのパチンコ機を示す正面図である。
【図2】図1に示したパチンコ機の遊技領域を示す正面図である。
【図3】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】割込み処理を示すフローチャートである。
【図5】外れ図柄更新処理を示すフローチャートである。
【図6】始動入賞処理を示すフローチャートである。
【図7】図柄変動処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図8】図柄変動処理の後半部分を示すフローチャートである。
【図9】表示コマンド決定処理を示すフローチャートである。
【図10】大当たり処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 パチンコ機(遊技機)
11 遊技盤
12 遊技領域
20 普通入賞口
21 普通図柄始動口
22 特別図柄始動口
23 大入賞口
24 Vゾーン
30 普通図柄表示装置
31 保留ランプ
40 特別図柄表示装置
41 保留ランプ
50 状態表示装置(抽選状態示唆手段)
Claims (1)
- 遊技者の操作に応じて抽選を行う抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、
前記特別遊技状態を発生させるまでの抽選状態として、遊技者の操作に応じて相互に変更される第1抽選状態及び第2抽選状態の少なくとも2種類の状態を備えることを特徴とする遊技機。
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- 2002-06-21 JP JP2002181293A patent/JP2004024312A/ja active Pending
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