JP2004023834A - 半導体スイッチング素子のゲート駆動回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力変換器を構成する半導体スイッチング素子等を過電圧破壊から保護しつゝ、そのゲート駆動のために安定した電力供給ができるようにする。
【解決手段】半導体スイッチング素子としての、例えばIGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)Q1の両端の電圧をコンデンサC1,C2等で分圧し、ゲート駆動電力を供給するコンデンサC2に蓄えられた電荷から、DC/DCコンバータE1によりIGBTQ1のゲート駆動に必要な電流,電圧に変換することにより、ゲート駆動回路F1を介してIGBTQ1のゲート駆動ができるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体スイッチング素子としての、例えばIGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)Q1の両端の電圧をコンデンサC1,C2等で分圧し、ゲート駆動電力を供給するコンデンサC2に蓄えられた電荷から、DC/DCコンバータE1によりIGBTQ1のゲート駆動に必要な電流,電圧に変換することにより、ゲート駆動回路F1を介してIGBTQ1のゲート駆動ができるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インバータ等の電力変換装置を構成するIGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)等の半導体スイッチング素子のゲート駆動回路、特にその改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来例として、例えば平成11年電気学会全国大会論文集,上田 外発表,1009「IGBT変換器用ゲート電源の主回路給電方式」が知られている(従来方式とも言う)。図6はその論文にて発表された従来方式を示す構成図である。
IGBTを直列接続して使用する場合、IGBTの漏れ電流のばらつきによる素子電圧の分担不平衡を抑制するため、IGBTと並列に分圧抵抗Rdを取り付け、IGBTがオフしている期間の漏れ電流の均一化を図る必要がある。そこで、IGBTがオフしている期間に分圧抵抗Rdに流れる電流をコンデンサCdに蓄え、平均化している。そして、コンデンサCdに蓄えられたエネルギーを、電圧調節器(AVR)によりゲート駆動に必要な電流,電圧に変換している。分圧抵抗Rdの電流は通常数十mA程度であるが、IGBTのゲート駆動に必要な電力は数W程度であるので、この分圧抵抗Rdを介する電力供給でゲート駆動が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来方式では、インバータの場合、パルスオフ時に直流中間電圧/(IGBT直列数×2(上下アーム))の電圧が個々のIGBTに印加されるが、この状態でもゲート駆動回路は、IGBTのゲートを駆動するのに必要な電力を供給可能な分圧抵抗値にしなければならない。そのため、インバータ運転時(IGBTがスイッチングしているとき)には、ゲート駆動に必要な電力以上の電力が分圧抵抗を介してコンデンサに供給されるため、コンデンサ電圧が上昇しコンデンサやゲート駆動回路が過電圧破壊すると言うおそれが生じる。
したがって、この発明の課題は、スイッチング素子両端の電圧が高いときにはコンデンサやゲート駆動回路が過電圧破壊しないようにし、スイッチング素子両端の電圧が低いときには必要な電力を安定に供給可能とすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、請求項1の発明では、主回路から非絶縁で回路電力の供給が可能な半導体スイッチング素子のゲート駆動回路において、
前記半導体スイッチング素子の両端の電圧を複数のコンデンサで分圧することを特徴とする。
この請求項1の発明においては、前記複数のコンデンサの各コンデンサ電圧を検出する検出回路と、コンデンサの電荷を放電する放電回路とを設け、前記検出回路による検出電圧が所定値以上のときは対応するコンデンサを放電させ、コンデンサまたはゲート駆動回路の過電圧破壊を防止することができ(請求項2の発明)、または、前記複数のコンデンサの各々にツェナーダイオードを並列に接続し、コンデンサの両端の電圧がツェナー電圧を越えたときは対応するコンデンサの電荷を放電し、コンデンサまたはゲート駆動回路の過電圧破壊を防止することができる(請求項3の発明)。
【0005】
上記請求項2の発明においては、ゲート駆動電力を供給する電力供給用コンデンサの電圧が所定値以下になったことを検出する電圧低下検出回路を設け、前記電力供給用コンデンサの電圧が所定値以下になったときは、前記放電回路によりゲート駆動電力を供給していない方のコンデンサの電圧を低下させることにより、前記電力供給している方のコンデンサの電圧を上昇させることができる(請求項4の発明)。この請求項4の発明においては、前記電力を供給していない方のコンデンサを少なくとも2個直列に接続し、前記電力供給している方のコンデンサの電圧が所定値以下になったときは、前記放電回路によりゲート駆動電力を供給していない少なくとも1つのコンデンサの電圧を低下させることができ(請求項5の発明)、請求項4または5の発明においては、前記ゲート駆動電力を供給していない方のコンデンサの容量を、前記電力供給している方のコンデンサの容量よりも小さくすることができる(請求項6の発明)。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施の形態を示す構成図である。
図示のように、IGBTQ1と並列に、複数のコンデンサを直列に(ここでは、C1,C2の2つ)接続した点が特徴である。なお、L1はリアクトルで、IGBTQ1が電流を遮断したときに主電流が分圧コンデンサC1,C2に転流しないようにするために、また、D1はダイオードで、IGBTQ1がオンしたときに分圧コンデンサC1,C2に蓄えられた電荷が放電しないようにするために、それぞれ設けられる。
【0007】
上記のような構成では、IGBTQ1のオフ期間にリアクトルL1,ダイオードD1を介して分圧コンデンサC1,C2が充電され、分圧コンデンサの容量比で分圧される。IGBTQ1のエミッタ側の分圧コンデンサC2にはDC/DCコンバータE1が接続されているので、分圧コンデンサC2に蓄えられた電荷はIGBTQ1のゲート駆動に必要な電流,電圧に変換され、ゲート駆動回路F1に供給されてIGBTQ1がゲート駆動される。
【0008】
図2はこの発明の第2の実施の形態を示す構成図である。
図1の構成では、分圧コンデンサC1,C2の漏れ電流の違いにより、電圧分担の不平衡が生じる。また、分圧コンデンサC2はゲート駆動電力を供給するため、分圧コンデンサC2の電圧が下がり、相対的に分圧コンデンサC1の電圧が上昇する。そのため、図1に示すものに対し、過電圧検出器A1,A2と放電抵抗R1,R2および放電スイッチSW1,SW2からなる放電回路とを設けて、以下のようにする。
【0009】
つまり、分圧コンデンサC1の電圧が所定の電圧以上に上昇した場合、このことを過電圧検出器A1で検出し、放電スイッチSW1をオンして放電抵抗R1を投入することにより、分圧コンデンサC1の電圧を低下させる。同様に、分圧コンデンサC2の電圧が所定の電圧以上に上昇した場合は、これを過電圧検出器A2で検出し、放電スイッチSW2をオンして放電抵抗R2を投入することにより、分圧コンデンサC2の電圧を低下させる。
【0010】
図3はこの発明の第3の実施の形態を示す構成図である。
これは図2に示すものに対し、ゲート駆動電力を供給している分圧コンデンサC2の不足電圧を検出する検出器B1と、この不足電圧(または電圧低下)検出器B1の検出結果を分圧コンデンサC1の放電抵抗R1の投入回路(放電スイッチSW1)に伝達する絶縁アンプG1と、過電圧検出器A1の出力と絶縁アンプG1の出力との論理和をとるオアゲートORとを付加して構成される。
【0011】
これにより、不足電圧検出器B1で分圧コンデンサC2の電圧低下を検出したときは、絶縁アンプG1を介して不足電圧検出結果を伝達し、その信号で放電スイッチSW1をオンして放電抵抗R1を投入することにより、分圧コンデンサC1の電圧を低下させる。その結果、分圧コンデンサC1の電圧が低下し、相対的に分圧コンデンサC2の電圧が上昇する。その後、分圧コンデンサC2の電圧が所定の電圧に上昇したら、放電スイッチSW1をオフして放電抵抗R1を切り離す。その他の動作は、図2と同様である。
【0012】
図4はこの発明の第4の実施の形態を示す構成図である。
これは図3に示すものに対し、ゲート駆動電力を供給していない分圧コンデンサC3と、この分圧コンデンサC3の放電スイッチSW3,放電抵抗R3,過電圧検出器A3,絶縁アンプG3およびオアゲートORを付加して構成される。
いま、分圧コンデンサC3の電圧が所定の電圧以上に上昇したことが過電圧検出器A3で検出されると、放電スイッチSW3がオンとなって放電抵抗R3が投入され、これにより分圧コンデンサC3の電圧が低下する。その後、分圧コンデンサC3の電圧が所定の電圧に低下したら、放電スイッチSW3をオフとし放電抵抗R3を切り離す。
【0013】
不足電圧検出器B1が分圧コンデンサC2の電圧低下を検出すると、絶縁アンプG1だけでなく絶縁アンプG3にも伝達されるので、絶縁アンプG1,G3を介して放電スイッチSW1,SW3がオンし、分圧コンデンサC1,C3の電荷を放電抵抗R1,R3を介して放電させ、分圧コンデンサC1,C3の電圧を低下させる。その結果、相対的に分圧コンデンサC2の電圧が上昇する。その後、分圧コンデンサC2の電圧が所定の電圧に低下したら、放電スイッチSW1,SW3をオフとし放電抵抗R1,R3を切り離す。このとき、絶縁アンプG1,G3はそれぞれ分圧コンデンサ1個分の耐圧があれば良い。その他の動作は、図3と同様である。なお、図4はゲート駆動電力を供給していない分圧コンデンサが2個の場合であるが、3個以上直列の場合も同様である。
【0014】
図4でゲート駆動電力を供給していない分圧コンデンサC1,C3は、IGBTQ1の両端の電圧を分圧するだけであるので、大きい容量は必要ない。そのため、ゲート駆動電力を供給していない分圧コンデンサC1,C3の容量は、ゲート駆動電力を供給している分圧コンデンサC2よりも小さくすることが可能である。その場合、分圧コンデンサC1,C3の電圧が上昇した場合は、各過電圧検出器A1,A3で過電圧かどうかを検出し、過電圧ならば放電抵抗R1,R3を投入することにより、電圧を低下させることができる。
また、ゲート駆動電力を供給している分圧コンデンサC2の電圧が所定値より低下した場合は、放電抵抗R1,R3の少なくとも1つを投入することにより、分圧コンデンサC2の電圧を上昇させることができる。
【0015】
図5は過電圧防止のための別の例を示す構成図で、図2の変形例である。
ここでは、図2の過電圧検出器A1,A2および放電スイッチSW1,SW2に代えて、ツェナーダイオードZD1,ZD2を放電抵抗R1,R2と直列に接続し、分圧コンデンサC1,C2の電圧がツェナーダイオードZD1,ZD2のクランプ電圧以上になったらコンデンサC1,C2の電荷を放電することで、図2と同様の機能,効果を持たせるようにしている。
【0016】
【発明の効果】
この発明によれば、主回路から非絶縁で、半導体スイッチング素子のゲート駆動回路の回路電力を供給するに当たり、半導体スイッチング素子の両端電圧をコンデンサで分圧するだけで、ゲート駆動電力が供給可能となる。また、コンデンサ電圧を監視することで、半導体スイッチング素子の両端電圧が上昇しても、コンデンサやゲート駆動回路が過電圧破壊しないようにすること、または、半導体スイッチング素子の両端電圧が低下しても、ゲート駆動に必要な電力を安定して供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す構成図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態を示す構成図である。
【図3】この発明の第3の実施の形態を示す構成図である。
【図4】この発明の第4の実施の形態を示す構成図である。
【図5】図2の変形例を示す構成図である。
【図6】従来方式を示す構成図である。
【符号の説明】
Q1…IGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)、C1,C2,C3…分圧コンデンサ、R1,R2,R3…放電抵抗、SW1,SW2,SW3…放電スイッチ、A1,A2,A3…過電圧検出器、B1…不足電圧検出器、E1…DC/DCコンバータ、F1…ゲート駆動回路、G1,G3…絶縁アンプ、D1…ダイオード、L1…リアクトル、ZD1,ZD2…ツェナーダイオード、OR…オアゲート、Rd…分圧抵抗、Cd…コンデンサ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、インバータ等の電力変換装置を構成するIGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)等の半導体スイッチング素子のゲート駆動回路、特にその改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来例として、例えば平成11年電気学会全国大会論文集,上田 外発表,1009「IGBT変換器用ゲート電源の主回路給電方式」が知られている(従来方式とも言う)。図6はその論文にて発表された従来方式を示す構成図である。
IGBTを直列接続して使用する場合、IGBTの漏れ電流のばらつきによる素子電圧の分担不平衡を抑制するため、IGBTと並列に分圧抵抗Rdを取り付け、IGBTがオフしている期間の漏れ電流の均一化を図る必要がある。そこで、IGBTがオフしている期間に分圧抵抗Rdに流れる電流をコンデンサCdに蓄え、平均化している。そして、コンデンサCdに蓄えられたエネルギーを、電圧調節器(AVR)によりゲート駆動に必要な電流,電圧に変換している。分圧抵抗Rdの電流は通常数十mA程度であるが、IGBTのゲート駆動に必要な電力は数W程度であるので、この分圧抵抗Rdを介する電力供給でゲート駆動が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来方式では、インバータの場合、パルスオフ時に直流中間電圧/(IGBT直列数×2(上下アーム))の電圧が個々のIGBTに印加されるが、この状態でもゲート駆動回路は、IGBTのゲートを駆動するのに必要な電力を供給可能な分圧抵抗値にしなければならない。そのため、インバータ運転時(IGBTがスイッチングしているとき)には、ゲート駆動に必要な電力以上の電力が分圧抵抗を介してコンデンサに供給されるため、コンデンサ電圧が上昇しコンデンサやゲート駆動回路が過電圧破壊すると言うおそれが生じる。
したがって、この発明の課題は、スイッチング素子両端の電圧が高いときにはコンデンサやゲート駆動回路が過電圧破壊しないようにし、スイッチング素子両端の電圧が低いときには必要な電力を安定に供給可能とすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するため、請求項1の発明では、主回路から非絶縁で回路電力の供給が可能な半導体スイッチング素子のゲート駆動回路において、
前記半導体スイッチング素子の両端の電圧を複数のコンデンサで分圧することを特徴とする。
この請求項1の発明においては、前記複数のコンデンサの各コンデンサ電圧を検出する検出回路と、コンデンサの電荷を放電する放電回路とを設け、前記検出回路による検出電圧が所定値以上のときは対応するコンデンサを放電させ、コンデンサまたはゲート駆動回路の過電圧破壊を防止することができ(請求項2の発明)、または、前記複数のコンデンサの各々にツェナーダイオードを並列に接続し、コンデンサの両端の電圧がツェナー電圧を越えたときは対応するコンデンサの電荷を放電し、コンデンサまたはゲート駆動回路の過電圧破壊を防止することができる(請求項3の発明)。
【0005】
上記請求項2の発明においては、ゲート駆動電力を供給する電力供給用コンデンサの電圧が所定値以下になったことを検出する電圧低下検出回路を設け、前記電力供給用コンデンサの電圧が所定値以下になったときは、前記放電回路によりゲート駆動電力を供給していない方のコンデンサの電圧を低下させることにより、前記電力供給している方のコンデンサの電圧を上昇させることができる(請求項4の発明)。この請求項4の発明においては、前記電力を供給していない方のコンデンサを少なくとも2個直列に接続し、前記電力供給している方のコンデンサの電圧が所定値以下になったときは、前記放電回路によりゲート駆動電力を供給していない少なくとも1つのコンデンサの電圧を低下させることができ(請求項5の発明)、請求項4または5の発明においては、前記ゲート駆動電力を供給していない方のコンデンサの容量を、前記電力供給している方のコンデンサの容量よりも小さくすることができる(請求項6の発明)。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の第1の実施の形態を示す構成図である。
図示のように、IGBTQ1と並列に、複数のコンデンサを直列に(ここでは、C1,C2の2つ)接続した点が特徴である。なお、L1はリアクトルで、IGBTQ1が電流を遮断したときに主電流が分圧コンデンサC1,C2に転流しないようにするために、また、D1はダイオードで、IGBTQ1がオンしたときに分圧コンデンサC1,C2に蓄えられた電荷が放電しないようにするために、それぞれ設けられる。
【0007】
上記のような構成では、IGBTQ1のオフ期間にリアクトルL1,ダイオードD1を介して分圧コンデンサC1,C2が充電され、分圧コンデンサの容量比で分圧される。IGBTQ1のエミッタ側の分圧コンデンサC2にはDC/DCコンバータE1が接続されているので、分圧コンデンサC2に蓄えられた電荷はIGBTQ1のゲート駆動に必要な電流,電圧に変換され、ゲート駆動回路F1に供給されてIGBTQ1がゲート駆動される。
【0008】
図2はこの発明の第2の実施の形態を示す構成図である。
図1の構成では、分圧コンデンサC1,C2の漏れ電流の違いにより、電圧分担の不平衡が生じる。また、分圧コンデンサC2はゲート駆動電力を供給するため、分圧コンデンサC2の電圧が下がり、相対的に分圧コンデンサC1の電圧が上昇する。そのため、図1に示すものに対し、過電圧検出器A1,A2と放電抵抗R1,R2および放電スイッチSW1,SW2からなる放電回路とを設けて、以下のようにする。
【0009】
つまり、分圧コンデンサC1の電圧が所定の電圧以上に上昇した場合、このことを過電圧検出器A1で検出し、放電スイッチSW1をオンして放電抵抗R1を投入することにより、分圧コンデンサC1の電圧を低下させる。同様に、分圧コンデンサC2の電圧が所定の電圧以上に上昇した場合は、これを過電圧検出器A2で検出し、放電スイッチSW2をオンして放電抵抗R2を投入することにより、分圧コンデンサC2の電圧を低下させる。
【0010】
図3はこの発明の第3の実施の形態を示す構成図である。
これは図2に示すものに対し、ゲート駆動電力を供給している分圧コンデンサC2の不足電圧を検出する検出器B1と、この不足電圧(または電圧低下)検出器B1の検出結果を分圧コンデンサC1の放電抵抗R1の投入回路(放電スイッチSW1)に伝達する絶縁アンプG1と、過電圧検出器A1の出力と絶縁アンプG1の出力との論理和をとるオアゲートORとを付加して構成される。
【0011】
これにより、不足電圧検出器B1で分圧コンデンサC2の電圧低下を検出したときは、絶縁アンプG1を介して不足電圧検出結果を伝達し、その信号で放電スイッチSW1をオンして放電抵抗R1を投入することにより、分圧コンデンサC1の電圧を低下させる。その結果、分圧コンデンサC1の電圧が低下し、相対的に分圧コンデンサC2の電圧が上昇する。その後、分圧コンデンサC2の電圧が所定の電圧に上昇したら、放電スイッチSW1をオフして放電抵抗R1を切り離す。その他の動作は、図2と同様である。
【0012】
図4はこの発明の第4の実施の形態を示す構成図である。
これは図3に示すものに対し、ゲート駆動電力を供給していない分圧コンデンサC3と、この分圧コンデンサC3の放電スイッチSW3,放電抵抗R3,過電圧検出器A3,絶縁アンプG3およびオアゲートORを付加して構成される。
いま、分圧コンデンサC3の電圧が所定の電圧以上に上昇したことが過電圧検出器A3で検出されると、放電スイッチSW3がオンとなって放電抵抗R3が投入され、これにより分圧コンデンサC3の電圧が低下する。その後、分圧コンデンサC3の電圧が所定の電圧に低下したら、放電スイッチSW3をオフとし放電抵抗R3を切り離す。
【0013】
不足電圧検出器B1が分圧コンデンサC2の電圧低下を検出すると、絶縁アンプG1だけでなく絶縁アンプG3にも伝達されるので、絶縁アンプG1,G3を介して放電スイッチSW1,SW3がオンし、分圧コンデンサC1,C3の電荷を放電抵抗R1,R3を介して放電させ、分圧コンデンサC1,C3の電圧を低下させる。その結果、相対的に分圧コンデンサC2の電圧が上昇する。その後、分圧コンデンサC2の電圧が所定の電圧に低下したら、放電スイッチSW1,SW3をオフとし放電抵抗R1,R3を切り離す。このとき、絶縁アンプG1,G3はそれぞれ分圧コンデンサ1個分の耐圧があれば良い。その他の動作は、図3と同様である。なお、図4はゲート駆動電力を供給していない分圧コンデンサが2個の場合であるが、3個以上直列の場合も同様である。
【0014】
図4でゲート駆動電力を供給していない分圧コンデンサC1,C3は、IGBTQ1の両端の電圧を分圧するだけであるので、大きい容量は必要ない。そのため、ゲート駆動電力を供給していない分圧コンデンサC1,C3の容量は、ゲート駆動電力を供給している分圧コンデンサC2よりも小さくすることが可能である。その場合、分圧コンデンサC1,C3の電圧が上昇した場合は、各過電圧検出器A1,A3で過電圧かどうかを検出し、過電圧ならば放電抵抗R1,R3を投入することにより、電圧を低下させることができる。
また、ゲート駆動電力を供給している分圧コンデンサC2の電圧が所定値より低下した場合は、放電抵抗R1,R3の少なくとも1つを投入することにより、分圧コンデンサC2の電圧を上昇させることができる。
【0015】
図5は過電圧防止のための別の例を示す構成図で、図2の変形例である。
ここでは、図2の過電圧検出器A1,A2および放電スイッチSW1,SW2に代えて、ツェナーダイオードZD1,ZD2を放電抵抗R1,R2と直列に接続し、分圧コンデンサC1,C2の電圧がツェナーダイオードZD1,ZD2のクランプ電圧以上になったらコンデンサC1,C2の電荷を放電することで、図2と同様の機能,効果を持たせるようにしている。
【0016】
【発明の効果】
この発明によれば、主回路から非絶縁で、半導体スイッチング素子のゲート駆動回路の回路電力を供給するに当たり、半導体スイッチング素子の両端電圧をコンデンサで分圧するだけで、ゲート駆動電力が供給可能となる。また、コンデンサ電圧を監視することで、半導体スイッチング素子の両端電圧が上昇しても、コンデンサやゲート駆動回路が過電圧破壊しないようにすること、または、半導体スイッチング素子の両端電圧が低下しても、ゲート駆動に必要な電力を安定して供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す構成図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態を示す構成図である。
【図3】この発明の第3の実施の形態を示す構成図である。
【図4】この発明の第4の実施の形態を示す構成図である。
【図5】図2の変形例を示す構成図である。
【図6】従来方式を示す構成図である。
【符号の説明】
Q1…IGBT(絶縁ゲート形バイポーラトランジスタ)、C1,C2,C3…分圧コンデンサ、R1,R2,R3…放電抵抗、SW1,SW2,SW3…放電スイッチ、A1,A2,A3…過電圧検出器、B1…不足電圧検出器、E1…DC/DCコンバータ、F1…ゲート駆動回路、G1,G3…絶縁アンプ、D1…ダイオード、L1…リアクトル、ZD1,ZD2…ツェナーダイオード、OR…オアゲート、Rd…分圧抵抗、Cd…コンデンサ。
Claims (6)
- 主回路から非絶縁で回路電力の供給が可能な半導体スイッチング素子のゲート駆動回路において、
前記半導体スイッチング素子の両端の電圧を複数のコンデンサで分圧することを特徴とする半導体スイッチング素子のゲート駆動回路。 - 前記複数のコンデンサの各コンデンサ電圧を検出する検出回路と、コンデンサの電荷を放電する放電回路とを設け、前記検出回路による検出電圧が所定値以上のときは対応するコンデンサを放電させ、コンデンサまたはゲート駆動回路の過電圧破壊を防止することを特徴とする請求項1に記載の半導体スイッチング素子のゲート駆動回路。
- 前記複数のコンデンサの各々にツェナーダイオードを並列に接続し、コンデンサの両端の電圧がツェナー電圧を越えたときは対応するコンデンサの電荷を放電し、コンデンサまたはゲート駆動回路の過電圧破壊を防止することを特徴とする請求項1に記載の半導体スイッチング素子のゲート駆動回路。
- ゲート駆動電力を供給する電力供給用コンデンサの電圧が所定値以下になったことを検出する電圧低下検出回路を設け、前記電力供給用コンデンサの電圧が所定値以下になったときは、前記放電回路によりゲート駆動電力を供給していない方のコンデンサの電圧を低下させることにより、前記電力供給している方のコンデンサの電圧を上昇させることを特徴とする請求項2に記載の半導体スイッチング素子のゲート駆動回路。
- 前記電力を供給していない方のコンデンサを少なくとも2個直列に接続し、前記電力供給している方のコンデンサの電圧が所定値以下になったときは、前記放電回路によりゲート駆動電力を供給していない少なくとも1つのコンデンサの電圧を低下させることを特徴とする請求項4に記載の半導体スイッチング素子のゲート駆動回路。
- 前記ゲート駆動電力を供給していない方のコンデンサの容量を、前記電力供給している方のコンデンサの容量よりも小さくすることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の半導体スイッチング素子のゲート駆動回路。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002172456A JP2004023834A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 半導体スイッチング素子のゲート駆動回路 |
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EP1615341A2 (de) | 2004-07-09 | 2006-01-11 | Alstom | Ansteuerschaltung für ein Leistungshalbleiterelement und Betriebsverfahren für eine Ansteuerschaltung |
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US11888411B2 (en) | 2019-07-01 | 2024-01-30 | Mitsubishi Electric Corporation | Power conversion device |
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