JP2004022285A - 加熱体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】抵抗発熱性の基体部と、基体部に電力を供給する電極部と、基体部の最外周表面に形成され、耐熱性、絶縁性かつ非粘着性の性質を有する被覆層とを主要構成要素とする加熱体の製造方法において、当該基体部を、無機質バインダー100質量部と、耐熱性無機質材料0〜500質量部と、導電性フィラー5〜300質量部とを主成分として含有する焼成体であって、内部気孔率が25〜90%、体積抵抗率が0.01〜100,000Ω・cm、嵩密度が0.2〜1.95g/cm3の多孔質セラミックスにより形成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基体部分が、電力効率が高く、昇温速度が速い多孔質セラミックス製の加熱体及びその製造方法に関する。ここに、セラミックスとは、無機質固体材料を主成分とし、高温で焼成し、更に必要により焼結または溶融して製造される材料を言う。そして、本願発明のロール状及び柱状の加熱体の基体部分の主要部は、それ自身は多孔質セラミックス質であり、且つ、通電したときそれ自身の電気抵抗により発熱する抵抗発熱体から構成されている。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子写真技術は、暗中で一様に帯電した感光体表面に光学像を投影すると、露光による明部では電荷が消失し、暗部では電荷が残存することにより、感光体表面には光学像に対応した静電気潜像が形成され、その表面に現像剤である帯電した微粒子(トナー)を静電気力で付着させて画像を現像し、この表面に前記微粒子の帯電とは反対の極性に帯電した紙を重ねて前記微粒子を紙面に転写し、この微粒子を加熱して紙面に溶融して定着する事により画像の複製を行う技術である。
【0003】
上記の微粒子を紙面に溶融して定着する工程は、微粒子が表面に転写された紙面をロール状または柱状の加熱体と加圧ロールとの間に通して加熱加圧して微粒子を溶融して定着する方法が一般的である。係るロール状及び柱状の加熱体としては、従来アルミニウムなどの金属製円筒体の内部に電力ヒーター、ハロゲンランプなどの発熱体を配設して発生する熱を熱伝達または輻射によって円筒体を加熱する間接加熱方式のものが多用されていた。しかし、最近、特開平7−64425号公報および特開2000−98779号公報のようにロール体そのものが発熱体であり、これに通電することによりロール体を直接発熱させて昇温させる直接加熱方式のロール状または柱状の加熱体を用いた加熱ローラ、あるいは特開平4‐44075号公報、特開平4‐44083号公報、特開平4‐204980号公報および特開平4‐204984号公報には加熱体としてセラミックスヒータを使用した、いわゆるオンデマンド方式の定着装置が開示されている。
【0004】
前記の特開平7−64425号公報に記載のロール状の加熱体では、円筒体が体積固有抵抗0.1〜10Ω・cmの希土類酸化物系セラミックスで構成されている。このロール状の加熱体は、原料が高価であるのみならず、セラミックス自体の嵩密度が高いため熱容量が大きく、一定温度へ昇温する場合の消費電力に対する昇温効率が劣ると共に昇温速度が遅い。
【0005】
また、前記の特開2000−98779号公報に記載の加熱ロールでは、円筒体が例えばPPS樹脂に微粉炭素を混合した、体積抵抗率が5kΩ・cm以下の導電性合成樹脂から構成されている。ここに記載の加熱ロールは、材料は安価であるが耐熱温度が低いため、高い温度での長時間使用には適さない。さらに、熱容量が大きく、一定温度への昇温には長い待機時間が必要である。
【0006】
また、特開平4‐44075号公報、特開平4‐44083号公報、特開平4‐204980号公報および特開平4‐204984号公報に記載のオンデマンド定着装置に使用されているセラミックスヒータは、板状セラミックスの基材表面に抵抗体をスクリーン印刷し、さらにその上にガラスを積層した構成である。しかしながら係るセラミックスヒータは構成が複雑であるため、材料費、加工費等がかかり、高価であるという難点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
電子写真画像を現像する機械すなわち複写機や印刷機においては、使用時には定着装置の加熱体の表面が一定の設定温度に保たれていなければならないが、新たに使用を始める場合は、電源を入れた後、定着装置の加熱体の表面がその設定温度に昇温するまで待機する必要があり、この昇温時間が長い場合は仕事の効率が悪いばかりでなく使用者に不快の念を生じさせる。すなわち、本願発明は、定着装置の加熱体が一定の設定温度まで急速に昇温でき且つ消費電力効率が優れたロール状及び柱状の加熱体およびその製造方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、
(1) 抵抗発熱性の基体部と、基体部に電力を供給する電極部と、基体部の最外周表面に形成され、耐熱性、絶縁性かつ非粘着性の性質を有する被覆層とを主要構成要素とする加熱体において、当該基体部が、無機質バインダー100質量部と、耐熱性無機質材料0〜500質量部と、導電性フィラー5〜300質量部とを主成分として含有する焼成体であって、内部気孔率が25〜90%、体積抵抗率が0.01〜100,000Ω・cm、嵩密度が0.2〜1.95g/cm3の多孔質セラミックスにより形成されていることを特徴とする加熱体、及び
【0009】
(2) 抵抗発熱性の基体部に電力を供給する電極部と、被覆層とを主要構成要素とするロール状または柱状の加熱体の製造方法において、当該基体部が、無機質バインダー100質量部と、耐熱性無機質材料0〜500質量部と、有機質バインダー2〜100質量部と、導電性フィラー5〜300質量部と、耐水性有機質材料0〜300質量部とを主成分とする混合物に、水を加えて水系混合物を調製する混練工程によって得られた混合物を、成形工程と、乾燥工程と、焼成工程とを含む工程により処理して得られることを特徴とする加熱体の製造方法、に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の加熱体は、基体部に電力を供給する電極部と、基体部の最外周表面に形成され、耐熱性、絶縁性かつ非粘着性の性質を有する被覆層とを主要構成要素としており、特に、当該加熱体をロール状の形状で使用する場合は、軸部が中空であり、さらにその中空部分に貫通して装着されてその回転を駆動する回転軸部を有する。
【0011】
上記の回転軸部は、あらかじめ別途形成されたロール状の基体部の軸部中空孔に貫通して装着してもよいし、上記のロール状の基体部を形成する過程で一体として組み込んで成形して装着してもよい。以下、あらかじめ別途形成されたロール状の基体部の軸部中空孔に回転軸部を貫通して装着する場合を中心にして上記のロール状の加熱体の製造方法を説明する。
【0012】
上記のロール状の基体部は、必須成分として無機質バインダーと導電性フィラーと、必要によりさらに耐熱性無機質材料とを主成分として含有する焼成体により形成されている。
【0013】
そして、上記の多孔質セラミックス層は、無機質バインダーと、有機質バインダーと、導電性フィラーと、必要によりさらに耐熱性無機質材料および耐水性有機質材料とを主成分とする混合物に、水を加えて水系混合物を調製する混練工程によって得られた混合物を、成形工程と、乾燥工程と、焼成工程とを含む工程により処理して導電性がある多孔質セラミックスとして得られる。
【0014】
上記の無機質バインダーは、焼成工程において自らセラミックス成分となり、さらに上記の無機質材料を相互に固結しうる材料である。係る無機質バインダーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ガラスフリット、コロイダルシリカ、アルミナゾル、シリカゾル、珪酸ソーダ、チタニアゾル、珪酸リチウム、水ガラスなどが挙げられる。なお、これらの二種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0015】
上記の耐熱性無機質材料とは混練工程〜焼成工程の間で実質的には溶融変形しない繊維状または粒子状のものを言う。なお、上記の繊維状と粒子状の区分については、JIS−L0204では、繊維は太さに比して十分の長さをもつ、細くて撓みやすいものを言うと規定しているが、繊維と粒子との厳格な区分は出来ないため、本願発明においても、繊維と粒子とは厳格な区分はせず、合わせて耐熱性無機質材料というが、適宜繊維状と粒子状の表現を用いる。
【0016】
上記の繊維状耐熱性無機質材料としては、例えば、アルミナシリカ繊維、アルミナ繊維、温石綿(クリソタイル)、カーボンファイバー、ガラス繊維、スラグウール、シリカ繊維、ジルコニア繊維、石膏ウイスカー、炭化珪素繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、高珪酸ファイバー、溶融シリカファイバー、ロックウールなど、通常、繊維状といわれているものがあげられる。なお、これらの二種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0017】
上記の粒子状耐熱性無機質材料としては、クレー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、アルミ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ジルコニア、チタニア、セピオライト、カオリン、ゼオライト、窒化珪素、窒化アルミニウム、アルミノボロシリケート、アルミノシリケート、多孔質炭素等の粒子状のものを挙げることができる。なお、これらの二種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0018】
上記の繊維状耐熱性無機質材料の長さ(又は粒子状耐熱性無機質材料の長径)は、特に限定されるものではないが、水中分散性を考慮し、3mm以下のものが好ましい。また、繊維状耐熱性無機質材料の直径および粒子状材料の直径は、製品である多孔質セラミックス製抵抗発熱体の内部気孔率をより大きくするためには、やや太いものが好ましく、例えば1〜15μmのものが好ましい。
【0019】
上記の耐熱性無機質材料は必須成分ではないが、耐熱性および強度向上のため併用するのが好ましい。係る耐熱性無機質材料の使用量は、無機質バインダー100質量部に対して0〜500質量部であるが、好ましくは0〜200質量部であり、より好ましくは30〜100質量部、更に好ましくは50〜100質量部である。使用量が500質量部を超える場合は得られる多孔質セラミックス製抵抗発熱体の強度が十分でない。
【0020】
前記の有機質バインダーは、原料混合物を成形する段階での混合物の可塑性の調節、強度向上などの取り扱い性を改良するために必要に応じて使用されるものであり、通常増粘剤と呼ばれるものも含む。この成分は焼成工程において焼失される。
【0021】
上記の有機質バインダーとしては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、フェノール樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エポキシ樹脂、コーンスターチなどが挙げられる。なお、これらの二種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0022】
上記の有機質バインダーの使用量は、無機質バインダー100質量部に対して通常2〜100質量部、好ましくは10〜50質量部、さらに好ましくは15〜25質量部である。2質量部未満の場合、成形に必要な可塑性が得られず、100質量部を越える場合は、不必要な有機分が多くなり、脱脂性が低下するため、初期の目的を達成することが出来ない。
【0023】
また、前記の耐水性有機質材料は、成形性および目的とする多孔質セラミックス製抵抗発熱体の内部気孔率を増加させるために使用されるものであり、混練工程〜乾燥工程の間ではその形状を保持できる耐水性のものが使用される。上記の工程において上記材料が占めていた空間は焼成工程において上記材料が焼失されて気孔として残存する。
【0024】
係る耐水性有機質材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、フェノール樹脂などの耐水性合成樹脂、木材、竹材、その他の天然有機物などが挙げられ、形状は繊維状であってもよいし、粒子状であってもよい。これらの材料としては内部発泡しているものも好適に使用することができる。また、これらの二種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0025】
上記の耐水性有機質材料の繊維状と粒子状の区分については前記の無機質材料の場合と同様である。かかる材料の繊維状物の直径および粒子状物の直径は、通常1〜2000μmの範囲であり、好ましくは5〜1000μm、さらに好ましくは10〜500μmである。
【0026】
上記の耐水性有機質材料の使用量は、目的とする多孔質セラミックス製抵抗発熱体の目標とする内部気孔率を考慮して必要に応じて適宜決定され、無機質バインダー100質量部に対して、通常0〜300質量部、好ましくは0〜150質量部、更に好ましくは0〜100質量部である。上記の耐水性有機質材料の使用量が300質量部を超える場合は、多孔質セラミックスの強度が著しく低くなり、本願発明の目的を達成できない。但し、耐水性有機質材料の使用量は、無機質材料の使用量との関係で制限され、耐水性有機質材料と無機質材料の合計量は無機質バインダー100質量部に対して0〜500質量部の範囲が好ましい。
【0027】
上記の導電性フィラーとしては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、鉄、銅、アルミニウム、ステンレス、黄銅、亜鉛、金、銀、白金、窒化珪素、鉛粉およびそれらの合金、酸化チタン、酸化亜鉛および酸化スズなどの金属酸化物、あるいは非導電性物質の粒子の表面に金属粒子や金属メッキ層を被覆したものを挙げることができる。これらの導電性フィラーは、粉体、球形、繊維状、鱗片状であってもよい。また、これらの二種以上を組み合わせて使用することもできる。この際、導電性フィラーとして、負の温度係数を有するNTC特性のものを使用または併用することにより、加熱対象物と接触しない部分の昇温を抑制することが出来る。
【0028】
上記の導電性フィラーの使用量は、目的とする多孔質セラミックス製抵抗発熱体の目標とする体積抵抗率を考慮して適宜決定されるが、無機質バインダー100質量部に対して、通常5〜500質量部であり、好ましくは10〜100質量部、更に好ましくは20〜50質量部である。
【0029】
上記の導電性フィラーが5質量部未満の場合は、体積抵抗率が非常に高くなり、500質量部を超える場合は体積抵抗率が必要以上に低くなり且つ強度も低下するため、何れも本願発明の目的を達成できない。なお、上記の目標とする体積抵抗率は、本願発明においては、0.01〜100,000Ω・cmである。
【0030】
前記の混練工程は、前記の耐熱性無機質材料、無機質バインダー、有機質バインダー、導電性フィラー、耐水性有機質材料、およびその他の添加物の所定量を水と混合し、それらの混合物を均一な水系ディスパージョンまたは水系塑性物とする工程である。上記の混練工程において使用される水の量は、混合物が後工程である成形工程に適するように、適宜調整されるが、概ね上記各固形成分の全質量に対して50〜200質量%程度である。
【0031】
係る混練工程に使用する混練装置としては、公知のものを使用することが出来るが、例えば、加圧型ニーダー、双腕型ニーダー、高速ミキサー、バタフライミキサーを挙げることが出来る。
【0032】
前記の成形工程は、上記の混合物を使用してロール基体の形状を形成する工程であり、前記の混合物を、中空部を残した形状に成るような型を用いて、または当該中空部に回転軸部を配置して、例えば押出成形法、プレス成形法、湿式成形法などの方法によって中空の又は回転軸部と一体の円筒状成形体を得ることができる。勿論、柱状基体の形状においてもロール状と同様に柱状になるような型を用いて上記同様の成形法で柱状成形体を得ることができる。
【0033】
上記の回転軸部は、前記のようにロール状の基体部の成形工程において一体的に組み込む場合には、例えば、予め回転軸となる金属製の軸シャフトまたは金属パイプに必要な絶縁処理を施した後、成形型の中のロール基体部の中空部となる位置に配置し、型内の他の空間を前記の混合物を用いて充填して目的とする中空の円筒状の部分を成形する方法を挙げることができる。また、柱状の場合は単に角型の型で成形が可能となる。
【0034】
前記の乾燥工程は、後の焼成工程に先行して、通常、常温または加熱温度下に乾燥して、水分を除去するとともに成形体を硬化させてその形状が確定する工程である。上記の加熱温度は、通常、200℃以下であり、好ましくは水分が穏やかに且つ蒸発し易い105℃程度で行われる。また、乾燥時間は、成形体の形状、加熱温度により変化することが出来るが、通常0.5〜12時間程度である。
【0035】
最終製品であるロール状または柱状の加熱体の電極を、高温熱処理することが必要な導電性ペーストを塗布して形成する場合は、上記の乾燥工程の後、次の焼成工程の前に塗布し、焼成工程において焼成するのが好ましい。上記の導電性ペーストについては、後述する。
【0036】
前記の焼成工程は、予備焼成段階と最終焼成段階に区分して行うのが好ましい。上記の予備焼成段階は、通常、大気中で行われ、後の段階である高温での最終焼成段階で粒子状有機物の急激な消失による亀裂の発生などを防ぐために行われ、通常150〜400℃で行われる。また、予備焼成時間は、成形体の形状、加熱温度により変化するが、通常12〜72時間程度である。
【0037】
上記の最終焼成段階は、通常400〜1000℃の高温において行われ、残存している粒子状有機物、有機質バインダーを完全に消失させ、さらに無機質バインダーを溶融させて全体を一体化する段階である。なお、導電性フィラーとしてカーボンブラック、金属粒子、その他400℃以上で酸化または変質の可能性がある素材を使用する場合は、還元雰囲気下において行うのが好ましい。最終焼成段階の加熱時間は、成形体の形状、加熱温度、使用材料成分、配合比などにより変化するが、通常0.5〜24時間程度である。
【0038】
以上のようにして、焼成工程において前記の混合物の成形体中の耐水性有機質材料、有機質バインダー及びその他の有機質成分が完全に焼失し、無機質バインダーが熱溶融し、耐熱性無機質材料と一体化して実質的に無機質成分のみから構成された導電性を有する焼成体すなわち多孔質セラミックスが得られる。上記の多孔質セラミックス製抵抗発熱体には、希望により更に塗装、表面コーティング、およびその他の二次加工を行うことが出来る。
【0039】
以上のようにして得られる多孔質セラミックスの内部気孔率は、通常25〜90%、好ましくは40〜85%である。内部気孔率が25%未満では、熱容量が大きくなり電力効率および昇温速度についての効果を十分に得ることが出来ず、90%を超えると固体を形成する物質の量が少ないために十分な強度を維持するのが困難である。
【0040】
上記の多孔質セラミックスの内部気孔の内、直径が200μm以上の細孔の平均径が200〜2000μmであり、水銀ポロシメータ(Micromeritics社製ポアサイザ9320)により測定した微細孔の気孔平均径が5〜100μmである。
【0041】
また、上記の多孔質セラミックスの嵩密度は、通常0.2〜1.95g/cm3であり、好ましくは0.4〜1.5g/cm3である。嵩密度が1.95g/cm3を超える場合は熱容量が大きくなり電力効率および昇温速度についての効果を十分に得ることが出来ず、0.2g/cm3未満の場合は固体としての強度が十分でない。
【0042】
また、上記の多孔質セラミックスは導電性であり、その体積抵抗率は、通常0.01〜100,000Ω・cm、好ましくは0.1〜10,000Ω・cmであり、より好ましくは0.1〜1000Ω・cmである。体積抵抗率が0.01Ω・cm未満の場合は抵抗が小さいため所定温度への温度制御が困難となり、かつ、消費電力が大きくなる。また、100,000Ω・cmを超える場合は、抵抗が大きいため必要な発熱量が得られない。
【0043】
以上のようにして回転軸を一体成形しない方法で得られた多孔質セラミックスの中空部分には回転軸を貫通して装着する。係る回転軸を装着する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ロール状の基体部の両端の支持部分となる部分を含む一連の金属製の軸シャフトを貫通させて固定する方法と、上記多孔質セラミックスと長さが等しく且つその中空部にその内径に等しい外径を持つ中空の金属パイプを圧入し、さらに、その金属パイプの両端の内部にそれぞれ軸シャフトを圧入してロール基体部の両端における支持部分を形成する方法があげられる。
【0044】
上記の金属パイプなどの回転軸部または成形時に一体成形する際に使用した回転軸部を構成する素材としては、公知の素材、形状および寸法のものを使用することが出来、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレススチール、真鍮などが挙げられるが、ロール状の加熱体に軽量性を重視する場合はアルミニウムが好適に使用される。
【0045】
本発明のロール状の加熱体において、ロール基体部は抵抗発熱性であり、このロール基体部に電流を通じることにより発熱させて昇温する事ができる。係る電流を通じる方法としては、例えば、ロール基体部長さ方向に電流を通じる方法と、ロール基体部の厚さ方向すなわちロールの半径方向に電流を通じる方法とが挙げられる。さらに柱状の加熱体においても基体部長さ方向、または幅方向、または厚み方向に電流を通じる方法が挙げられる。
【0046】
上記の電流を通じる方法が前者のロール状または柱状の基体部の長さ方向に電流を通じる方法の場合は、ロール状の基体部の両側端面に、導電性ペースト等を塗布し、焼成、または金属電極板を貼付して電極を設け、この電極に電源が接続される。上記の導電性ペーストとしては、例えば、銀、ニッケル、アルミニウム、ベリリウム銅などの導電性金属ペーストが挙げられる。上記の導電性ペーストの塗布量は、通常、固形分として5〜100mg/cm2とされる。この場合は、貫通して固定される回転軸の表面は電気絶縁される。上記の電極形成に使用する導電性金属ペーストが高温処理を必要とする場合は、前記のように基材部の乾燥後、焼成前の段階で塗布するのが好ましい。
【0047】
また、上記の電流を通じる方法が後者のロール基体部の厚さ方向すなわちロールの半径方向に電流を通じる方法の場合は、ロール基体部の外周表面部に電極層を形成して一方の電極とし、他方の電極の機能は回転軸が果たす。この場合、ロール基体部の両側端面部は絶縁される。
【0048】
上記の表面部の電極層の形成方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが出来、例えば金属箔を貼付する方法、前記の導電性ペーストを塗布する方法、金属蒸着法、金属メッキ法など公知の方法を適用することが出来る。
【0049】
上記のロール基体部の最外周表面または表面電極層の表面には、通常、耐熱性、絶縁性かつ非粘着性を有する被覆層が形成される。この被覆層としては、さらに弾力性などロール状の加熱体としての表面適性を兼備したものが好ましい。係る被覆層を形成する方法としては、公知の方法を用いることができるが、例えば、フッ素ゴム、シリコンゴム等を主成分とするシート状物を貼付する方法、これらの材料のラテックスをスプレーコート法等により塗布し乾燥して被膜層を形成する方法が挙げられる。係る被覆層の厚みはロール状の加熱体を使用する用途により適宜設定されるが、例えば0.1〜5mm程度である。
【0050】
【実施例】
以下に本願発明を実施例により、説明図1及び2を用いて説明するが、本願発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において、表1に記載の各評価項目は以下の試験法により測定した。
【0051】
(1) 嵩密度(g/cm3):試験片の質量と形状寸法から算出される体積とから算出した。
(2) 内部気孔率(%):外径20mm×長さ30mmの試験片を切り出し、試験片の形状寸法から算出される体積と空気比較式比重計1000型(東京サイエンス株式会社製)を使用して得られる気孔体積とから100分率値として算出した。
(3) 平均微細孔径(μm):水銀ポロシメータ(Micromeritics社製ポアサイズ9320)を使用して測定した平均値を微細孔の平均径とした。
(4) 平均細孔径(μm):長径が200μm以上の孔の長径を顕微鏡を用いて読み取り、その算術平均として求めた。
さらに、ロール状の両端面に導電性塗料(藤倉化成(株)製 ドータイト D−550)を塗布した体積抵抗率測定用試験体としてのロール状の加熱体基体部について、
(5) 体積抵抗率(Ω・cm、20℃):試験体の寸法と抵抗値からJIS H0505に準じて平均断面積法により算出した。
また、後述するロール状の加熱体として作製したものについて、
(6) 抵抗値(Ω、20℃):試験体の電極間の抵抗値を測定し、
(7) 昇温速度(秒):表1中に記載の印加電圧を印加したときの170℃まで昇温に要した時間を測定した。
(8) 消費電力:実際のロール状の加熱体に表1の中に記載した電圧を印加して室温から170℃に昇温し、10秒間保持するサイクルを10回繰り返し、それに要する消費電力の1サイクル当たりの平均値を求めた。
(9) 温度分布:ロール状表面の長さ方向での温度分布のばらつき幅を測定した。
【0052】
実施例1
混合物の配合組成が、無機質バインダーとしてガラスフリット80質量部とコロイダルシリカを固形分として20質量部、有機質バインダーとしてメチルセルロース5質量部、および導電性フィラーとしてカーボンブラック20質量部である混合物に、水20質量部を加えた水系混合物を双腕型ニーダで、混練して可塑性混合物を得た。
【0053】
この混合物を押出成形装置を使用して断面が外径20mm×内径19mm、長さ230mmのロール状成形体を成形し、105℃で5時間乾燥して硬化した成形体を得た。この成形体を300〜400℃まで合計24時間加熱して、含有されるメチルセルロースを焼失させる。さらに還元雰囲気下で600℃で3時間焼成して、無機質バインダーを融着させて、無機質成分を一体化させたロール状の加熱体基体部13を得た。
【0054】
得られたロール状の加熱体基体部13の内の1本について、両端面に導電性塗料(藤倉化成(株)製 ドータイトD−550)を塗布して体積抵抗率測定用試験体を作製し、前記の試験方法により20℃での前記試験体の体積抵抗率を測定した。次いで、嵩密度、内部気孔率、平均微細孔径、平均細孔径を測定し、それらの結果を表1に記載した。
【0055】
上記の他の一本のロール状の加熱体基体部13の中空部に、表面を絶縁処理して絶縁層12を形成した外径19mm、内径17mm、長さ232mmのアルミニウム製軸パイプ11を圧入し、この軸パイプの両端部にそれぞれ軸シャフト16を圧入し、ロール状の加熱体基体部13の両端面のアルミニウム製軸パイプ11の外周表面に外径24mm、内径19mmのベリリウム銅製の電極15を密着して装着し、その外側から軸シャフト16の外周表面に絶縁性樹脂のフランジ17を取り付けることにより電極15を押さえて保護し、上記外周表面よりはみ出した電極15の部分はそれぞれ両端側に折り畳んだ。また、上記のロール状の加熱体基体部13の外周表面に厚さ0.5mmのフッ素ゴム被覆層14を塗布により形成し、ロール状の加熱体10を作製した。
【0056】
上記のロール状の加熱体10について、前記の試験方法により20℃での抵抗値を測定し、次いで、電極15の間に100ボルトの交流電源を接続して、昇温時間、消費時間および温度分布を測定し、その結果を表1に記載した。
【0057】
実施例2
実施例1において、混合物の配合組成が、無機質バインダーとしてガラスフリット90質量部とコロイダルシリカの固形分10質量部、有機質バインダーとしてメチルセルロース6質量部、および導電性フィラーとしてカーボンブラック15質量部であり、水が35質量部であること以外は実施例1と同様にして可塑性混合物を得た。
【0058】
上記の可塑性混合物を実施例1と同様にして外径20mm、内径19mmのロール状の加熱体基体部13を作製した。得られたロール状の加熱体基体部13の内の1本について、両端面に導電性塗料(藤倉化成(株)製 ドータイトD−550)を塗布して体積抵抗率測定用試験体を作製し、前記の試験方法により20℃での前記試験体の体積抵抗率を測定した。次いで、嵩密度、内部気孔率、平均微細孔径、平均細孔径を測定し、それらの結果を表1に記載した。
【0059】
上記の残りのロール状の加熱体基体部13について、実施例1と同様にして実施例2のロール状の加熱体10を作製した。前記の試験方法により20℃での抵抗値を測定し、次いで、両端の電極の間に100ボルトの交流電源を接続して、昇温時間、消費時間および温度分布を測定して、それらの結果を表1に記載した。
【0060】
実施例3
実施例1において、混合物の配合組成が、耐熱性無機質材料としてアルミナシリカ繊維30質量部とガラス繊維20質量部、無機質バインダーとしてガラスフリット80質量部と珪酸ソーダ20質量部、有機質バインダーとしてメチルセルロース20質量部、可燃性有機材料として平均粒径300μmのポリエチレン40質量部、および導電性フィラーとしてカーボンブラック25質量部であり、水が120質量部であること以外は実施例1と同様にして可塑性混合物を得た。
【0061】
上記の可塑性混合物を実施例1と同様にして外径20mm、内径16mmのロール状の加熱体基体部13を作製した。得られたロール状の加熱体基体部13の内の1本について、両端面に導電性塗料(藤倉化成(株)製 ドータイトD−550)を塗布して体積抵抗率測定用試験体を作製し、前記の試験方法により20℃での前記試験体の体積抵抗率を測定した。次いで、嵩密度、内部気孔率、平均微細孔径、平均細孔径を測定し、それらの結果を表1に記載した。
【0062】
上記の残りのロール状の加熱体基体部13について、軸パイプ11として外径が16mm、内径が14mmであること以外は実施例1と同様にして実施例3のロール状の加熱体10を作製した。前記の試験方法により20℃での抵抗値を測定し、次いで、両端の電極の間に100ボルトの交流電源を接続して、昇温時間、消費時間および温度分布を測定してそれらの結果を表1に記載した。
【0063】
実施例4
実施例1において、混合物の配合組成が、ガラス繊維50質量部、無機質バインダーとしてガラスフリット50質量部と珪酸ソーダ50質量部、有機質バインダーとしてメチルセルロース25質量部、可燃性有機材料として平均粒径300μmのポリエチレン100質量部、および導電性フィラーとしてカーボンブラック10質量部、水が200質量部であること以外は実施例1と同様にして可塑性混合物を得た。
【0064】
上記の可塑性混合物を実施例1と同様にして外径20mm、内径10mmのロール状の加熱体基体部13を作製した。得られたロール状の加熱体基体部13の内の1本について、両端面に導電性塗料(藤倉化成(株)製 ドータイトD−550)を塗布して体積抵抗率測定用試験体を作製し、前記の試験方法により20℃での前記試験体の体積抵抗率を測定した。次いで、嵩密度、内部気孔率、平均微細孔径、平均細孔径を測定し、それらの結果を表1に記載した。
【0065】
上記の残りのロール状の加熱体基体部13について、軸パイプ11の外径が10mm、内径が8mmであること以外は実施例1と同様にして実施例4のロール状の加熱体10を作製した。前記の試験方法により20℃での抵抗値を測定し、次いで、その両端の電極の間に100ボルトの交流電源を接続して、昇温時間、消費時間および温度分布を測定して、それらの結果を表1に記載した。
【0066】
実施例5
実施例1において、混合物の配合組成が、ムライト繊維50質量部、ガラス繊維30質量部、無機質バインダーとしてガラスフリット50質量部と珪酸ソーダ50質量部、有機質バインダーとしてメチルセルロース25質量部、可燃性有機材料として平均粒径300μmのポリエチレン100質量部、および導電性フィラーとして酸化スズ80質量部であり、水が300質量部であること以外は実施例1と同様にして可塑性混合物を得た。
【0067】
上記の可塑性混合物を使用して実施例1と同様にして外径20mm、内径10mmのロール状成形体を作製し、さらに、成形工程において外径が10mmのアルミニウム製の軸シャフト21を組み込んだ以外は実施例1と同様の条件で成形し、乾燥し、予備焼成し、最終焼成は600℃の酸化雰囲気下で行って、ロール状の加熱体基体部単体及び軸シャフト21を組み込んだ外径20mm、内径10mmのロール状の加熱体基体部22を作製した。
【0068】
得られた単体のロール状の加熱体基体部22について、両端面に導電性塗料(藤倉化成(株)製 ドータイトD−550)を塗布して体積抵抗率測定用試験体を作成し、前記の試験方法により20℃での前記試験体の体積抵抗率を測定した。次いで、嵩密度、内部気孔率、平均微細孔径、平均細孔径を測定し、それらの結果を表1に記載した。
【0069】
上記の軸シャフト21を組み込んだロール状の加熱体基体部22について、円周表面に導電性銀ペーストを固形分換算で10mg/cm2塗布し、焼成して表面側電極23とし、さらにその外側に厚さ0.5mmのフッ素ゴム被覆層24を形成し、実施例5のロール状の加熱体20を作製した。前記の試験方法により20℃での電極間の抵抗値を測定し、次いで、その表面側電極と金属製の軸シャフトとの間に100ボルトの交流電源を接続して、実施例1と同様にして昇温時間、消費時間および温度分布を測定して、それらの結果を表1に記載した。
【0070】
実施例6
実施例1において、混合物の配合組成が、ガラス繊維100質量部、無機質バインダーとしてガラスフリット80質量部とコロイダルシリカを固形分として20質量部、有機質バインダーとしてメチルセルロース15質量部、および導電性フィラーとして酸化亜鉛70質量部であり、水が160質量部であること以外は実施例1と同様にして可塑性混合物を得た。
【0071】
上記の可塑性混合物を使用して実施例1と同様にして外径20mm、内径16mmのロール状成形体を作製し、さらに、成形工程において外径が16mmのアルミニウム製の軸シャフト21を組み込んだ以外は実施例1と同様の条件で成形し、乾燥し、予備焼成し、最終焼成は600℃の酸化雰囲気下で行って、ロール状の加熱体基体部単体及び軸シャフト21を組み込んだ外径20mm、内径16mmのロール状の加熱体基体部22を作製した。
【0072】
得られた単体のロール状の加熱体基体部22について、両端面に導電性塗料(藤倉化成(株)製 ドータイトD−550)を塗布して体積抵抗率測定用試験体を作製し、前記の試験方法により20℃での前記試験体の体積抵抗率を測定した。次いで、嵩密度、内部気孔率、平均微細孔径、平均細孔径を測定し、それらの結果を表1に記載した。
【0073】
上記の軸シャフト21を組み込んだロール状の加熱体基体部22について、円周表面に導電性ペーストを塗布し、焼成して表面側電極23とし、さらにその外側にフッ素ゴム被覆層24を形成して実施例6のロール状の加熱体20を作製した。前記の試験方法により20℃での電極間の抵抗値を測定し、次いで、その表面側電極と金属製の軸シャフト21との間に200ボルトの交流電源を接続して、実施例1と同様にして昇温時間、消費時間および温度分布を測定して、それらの結果を表1に記載した。
【0074】
比較例1
実施例1においてロール状の加熱体基体部13と絶縁層12とその中空部に圧入したアルミニウム製軸パイプ11部分との3層の代わりに、単層の外径が20mm、内径15mmのアルミニウム製軸パイプを使用し、その表面に実施例1と同様にフッ素ゴム被膜層を塗布により形成した。この軸パイプの中空部にハロゲンランプ熱源を装着した後、両端部に実施例1の場合と同様にしてそれぞれ軸シャフトを圧入し、固定して比較例1のロール状の加熱体を作製した。このハロゲンランプの両電極に100ボルト電源を接続し、実施例1と同様にして昇温速度、消費電力および温度分布を測定し、その結果を表1に記載した。
【0075】
【表1】
【0076】
【実施例7】
本実施例を図3、4及び5を併用して説明する。3−1は導電性を有する多孔質セラミックス抵抗発熱体であり、導電性フィラーとしてNTC特性を有する素材である黒鉛を使用することにより温度依存性を持たせ、電気抵抗値を制御している例である。図中、3−1、4−1は本発明による柱状の多孔質からなるセラミックス抵抗発熱体、3−1a、3−1b、4−1a、4−1b、3−3、4−3はガラスによる絶縁性被覆層、4−5は加圧するための金属製部材、4−4は円筒状のシリコンゴムローラを示す。なお、図中、長手方向に通電するための電極部は略してある。
【0077】
本実施例では、実施例2において、導電性フィラーとしてNTC特性を有する黒鉛を使用する以外は実施例2と同様にして、長さ230mm、幅6mm、高さ3mmの柱状の加熱体3−1を作製した。その内部気孔率は40%、嵩密度は1.6g/cm3、電気抵抗値は長手方向の両端間で18Ωであった。120Vの交流電源に接続することにより最大で、800Wの電力が取り出せる。上記の加熱体3−1は、図5に示すように温度の上昇に伴って加熱体の抵抗値が減少する、所謂NTC特性を有しており、TCR値は−900であった。
【0078】
図4において、厚み45μmのシームレスポリイミドフィルムの表面に厚さ10μmのフッ素樹脂コートをしたフィルムチューブ4−2の外径は24mm、加圧ローラ4−4としては、その外径が20mmで、表面のゴム層の厚みが3mm、ゴム層の硬度がアスカーC硬度50度のものを使用し、加熱体4−1に対して総圧で150Nを加えた。この結果ニップ幅は6mmとなった。加圧ロ−ラ4−4を表面の周速で200mm/秒で回転させながら加熱体4−1の両端に100Vを入力して加熱したところ、サーミスタ4−7の出力で測定すると常温(25℃)から190℃まで加熱するのに要した時間は5秒であった。これは、オンデマンド性を維持するのに十分な昇温速度であった。
【0079】
上記の定着装置を使用して、コマーシャル10サイズ(幅104.8mm×長さ242.3mm)の封筒を連続して10枚、通紙速度150mm/秒で通紙させ、その時の通紙部と非通紙部の加熱体直上の温度変化を測定し、その結果を表3に示した。通紙部領域直上の温度は低下し、非通紙部領域直上の温度は上昇していなかった。これは、非通紙部においては抵抗が下がり電力も下がり発熱量が多くなることは少ないためである。
【0080】
比較例2
実施例7の多孔質セラミックス抵抗発熱体による加熱定着装置の代わりに従来のハロゲンヒータ内包タイプの加熱定着装置を使用した。係る加熱定着装置の定着ロールとして外径が25mm、肉厚0.8mmのアルミニウム製のパイプに25μmのPFAコートをしたものの中に750Wのヒーターを入れたものを使用し、また、加圧ローラーとして、外径が20mm、表面ゴム層厚3mm、ゴム硬度がアスカーC硬度50度のものを用いた。
【0081】
上記の定着ロールおよび加圧ロールを使用して、実施例7と同様に、モノクロ印字の定着に必要な熱量として、常温(25℃)から温調温度190℃まで加熱したところ、それに要した時間は45秒であった。これからすると、熱ロール方式は、立ち上がりが遅く、オンデマンド性は得られなかった。
【0082】
比較例3
実施例7の多孔質セラミックス抵抗発熱体による加熱定着装置の多孔質セラミックス加熱体の代わりに板状セラミックスヒータータイプのオンデマンド定着装置を使用した。係るオンデマンド定着装置において実施例7と同じフィルムチューブ4−2を用い、上記の板状セラミックスヒーターとして、0.6mm厚のアルミナセラミックス基材の上に銀とパラジウムの合金を塗布した抵抗体とガラスを積層した抵抗値18Ωのものを使用した。上記の加熱体は、TCR値は約500であった。また、加圧ローラとしては、実施例7で使用した加圧ローラーと同じものを用いた。
【0083】
上記のオンデマンド定着装置を使用して、実施例7と同様に、モノクロ印字の定着に必要な熱量として、温調温度190℃まで5秒で立ち上がり、印字可能となった。これからすると、セラミックスヒータタイプのオンデマンド定着装置はは実施例7と同じ時間で昇温させることができることが判る。
【0084】
次いで、上記の定着装置について、実施例7と同様にして、連続通紙テストを行い、通紙部および非通紙部の直上の温度を測定し、その結果を表3に示した。通紙部直上の温度は低下し、非通紙部直上の温度は上昇している。
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】
上記のように、比較例2の熱ロール方式を用いたものは長い昇温時間が必要であるが、実施例7は昇温速度が速く、特に導電性フィラーとしてNTC特性を有するものを使用したことにより小サイズの紙を連続して通紙したときでも、紙と接触しない部分の温度上昇が抑制され、加圧ローラや、フィルム等に熱ダメージを与えることが少なかった。なお、比較例3のように合金を塗布した抵抗体を用いたセラミックスヒータは、昇温速度は速かったが、非通紙部の温度上昇が大きく、さらに構成が複雑なため価格が高価であり、実用性の観点からはより安価なものが求められる。
【0088】
【発明の効果】
上記実施例および比較例の結果である表1の結果からも明らかなように、本発明により製造される焼成体すなわち多孔質セラミックス抵抗発熱体は、主として無機質成分から成るため耐熱性が優れ、また、体積抵抗率が0.01〜100,000Ω・cmの導電性を有し、且つ内部に内部気孔率が25〜90%の多量の気孔を内包しているため嵩密度が0.2〜1.95g/cm3と低くて見かけ上の熱容量が小さく、電源に接続すると自己発熱し、発熱する際、効率的に昇温する。即ち、速い昇温速度が得られ且つそれに要する電力が少なく、構造が簡素であるため安価でもあり、実用性に優れている。そして、導電性フィラーとしてNTC特性を有するものを使用した場合は、連続して通紙したとき、小サイズの紙でも非通紙部の温度上昇が抑制され、加圧ローラや、フィルム等に熱ダメージを与えることを少なくすることが可能である。これらの特性を利用して、印刷機や複写機などの画像形成装置の加熱体に好適に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜4のヒートロールの構造概念説明図である。
【図2】実施例5、6のヒートロールの構造概念説明図である。
【図3】実施例7の加熱体の構造の概念説明図である。
【図4】実施例7で使用した定着装置の構造の概念説明図である。
【図5】実施例7において使用した加熱体の抵抗値が温度の上昇と共に低下することを示す図表である。
【符号の説明】
10 ロール状の加熱体
11 軸パイプ
12 絶縁層
13 ロール状の加熱体基体部(多孔質セラミックス抵抗発熱体)
14 フッ素ゴム被覆層
15 電極
16 軸シャフト
17 フランジ
20 ロール状の加熱体
21 軸シャフト
22 ロール状の加熱体基体部(多孔質セラミックス抵抗発熱体)
23 表面部電極
24 フッ素ゴム被覆層
3−1 柱状多孔質セラミックス抵抗発熱体
3−1a ガラスによる絶縁性被覆層
3−1b ガラスによる絶縁性被覆層
3−3 ガラスによる絶縁性被覆層
4−1 柱状多孔質セラミックス抵抗発熱体
4−1a ガラスによる絶縁性被覆層
4−1b ガラスによる絶縁性被覆層
4−2 フイルムチューブ
4−3 ガラスによる絶縁性被覆層
4−4 シリコ−ンゴムローラ(加圧ローラ)
4−5 加圧するための金属製部材
4−6 支持具
4−7 サーミスタ
Claims (9)
- 抵抗発熱性の基体部と、基体部に電力を供給する電極部と、基体部の最外周表面に形成され、耐熱性、絶縁性かつ非粘着性の性質を有する被覆層とを主要構成要素とする加熱体において、当該基体部が、無機質バインダー100質量部と、耐熱性無機質材料0〜500質量部と、導電性フィラー5〜300質量部とを主成分として含有する焼成体であって、内部気孔率が25〜90%、体積抵抗率が0.01〜100,000Ω・cm、嵩密度が0.2〜1.95g/cm3の多孔質セラミックスにより形成されていることを特徴とする加熱体。
- 基体部の内部気孔率が40〜85%であることを特徴とする請求項1に記載の加熱体。
- 基体部の嵩密度が0.4〜1.5g/cm3であることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱体。
- 基体部内部に存在する気孔の内、直径200μm以上の気孔の平均径が200〜2000μmであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1つに記載の加熱体。
- 基体部内部に存在する気孔の内、水銀ポロシメータ(Micromeritics社製ポアサイザ9320)により測定した微細孔の気孔平均径が5〜100μmであることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1つに記載の加熱体。
- 基体部がロール状であり、その軸部が中空であり、さらにその中空部分に貫通し固定されて基体部の回転を駆動する回転軸部を有し、電極部がロール状の基体部の両側端面に設けられて加熱電流がロール状の基体部の長さ方向に通電されるものであることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1つに記載の加熱体。
- 基体部がロール状であり、その軸部が中空であり、さらにその中空部分に貫通し固定されてその回転を駆動する回転軸部を有し、電極部がロールの回転軸およびロール基体部の外周表面部に形成された電極層であり、加熱電流がロール基体部の回転軸とロール基体部の外周表面部の電極層との間に通電されるものであることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1つに記載の加熱体。
- 基体部が柱状であり且つNTC特性を有し、加熱電流が基体部の長さ方向に通電されることを特徴とする前記請求項1から5までのいずれか1つに記載の加熱体。
- 抵抗発熱性の基体部に電力を供給する電極部と、被覆層とを主要構成要素とするロール状または柱状の加熱体の製造方法において、当該基体部が、無機質バインダー100質量部と、耐熱性無機質材料0〜500質量部と、有機質バインダー2〜100質量部と、導電性フィラー5〜300質量部と、耐水性有機質材料0〜300質量部とを主成分とする混合物に、水を加えて水系混合物を調製する混練工程によって得られた混合物を、成形工程と、乾燥工程と、焼成工程とを含む工程により処理して得られることを特徴とする加熱体の製造方法。
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