JP2004021701A - 情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インレット110が中間層120a,120b及び表面シート130a,130bに挟まれて構成される情報記録媒体において、インレット110に、X線により検出可能な材料からなるAg層116が表面に形成された識別情報領域113を設け、かつ、そのAg層116を、所定の情報が表現される形状にレーザにより加工する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報が記録されたカード等の情報記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報化社会の進展に伴い、カード等の情報記録媒体に所定の情報を書き込み、情報が書き込まれたカードによって個人認証を行うサービスやショッピングを利用可能とするサービス等が行われている。このようなサービスにおいては、予め所定のカードにその用途に応じて決められた情報を書き込んでおき、サービスを利用する場合に、カードに書き込まれた情報を読み取り、読み取った情報を用いてサービスの提供が行われる。
【0003】
このような情報が書き込まれるカードとしては、様々なものが挙げられるが、最も簡単な構造のものとして表面に情報が印字されただけのものから、構造的に複雑なものとしてICが埋め込まれたICカード等がある。これらのカードにおいては、書き込まれた情報が、カードに対する情報の書き込み方法に応じた読み取り方法によって読み取られることになる。例えば、表面にバーコード情報が印字されたカードにおいては、表面にバーコードリーダを翳すことによりバーコードとして書き込まれた情報が読み取られ、また、表面に磁気ストライプが貼付されたカードにおいては、磁気により情報を読み取る専用の読取装置によって磁気ストライプに書き込まれた情報が読み取られ、さらに、ICが埋め込まれたカードにおいては、ICから電気的に情報を読み取る専用の読取装置によってICに書き込まれた情報が読み取られる。
【0004】
上述したようなカードの中でも、ICが埋め込まれたカードにおいては、書き込み可能な情報量が多く、さらに、カードに対して非接触状態にて情報の書き込み及び読み出しを行うことが可能なICが埋め込まれた非接触型ICカードにおいてはその利便性が優れているため、急速な普及が進みつつある。
【0005】
図7は、従来の非接触型ICカードの一例を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は内部構造を示す図、(c)は積層構造を示す図である。
【0006】
本従来例は図7に示すように、樹脂シート715上において、外部からの情報の書き込み及び読み出しが可能なICモジュール711が搭載されるとともに、接点714を介してICモジュール711と接続され、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)からの電磁誘導によりICモジュール711に電流を供給し、ICモジュール711に対する情報の書き込み及び読み出しを非接触状態にて行うための導電性のアンテナ712がコイル状に形成されたインレット710と、PET等からなり、インレット710を挟むように積層された中間層720a,720bと、透明フィルム層からなり、互いに積層されたインレット710と中間層720a,720bとを挟むように積層された表面シート730a,730bとから構成されており、インレット710と中間層720a,720b、並びに、中間層720a,720bと表面シート730a,730bとはそれぞれ接着剤層(不図示)によって互いに接着されている。
【0007】
上記のように構成された非接触型ICカード700においては、外部に設けられた情報書込/読出装置に近接すると、情報書込/読出装置からの電磁誘導によりアンテナ712に電流が流れ、この電流が接点714を介してICモジュール711に供給され、それにより、非接触状態において、情報書込/読出装置からICモジュール711に情報が書き込まれたり、ICモジュール711に書き込まれた情報が情報書込/読出装置にて読み出されたりする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
一般的にカード等の情報記録媒体においては、その表面にロット番号等を印字しておき、このロット番号を用いて製品の管理が行われている。
【0009】
ここで、上述したようなICが埋め込まれた非接触型ICカードにおいては、ICモジュールとアンテナとの接続不良や、ICモジュール自体の動作不良が発生する虞れがあるため、樹脂シート上にICモジュールが搭載されてなるインレット単体についても管理を行うことが好ましい。
【0010】
しかしながら、インレットは他の層によって外部からは視認不可能となっており、インレットにロット番号を印字した場合非破壊管理を行うことができないため、実際には、カードの表面に印字されたカードとしてのロット番号を用いて管理されることになり、インレット単体で管理することができないという問題点がある。
【0011】
また、カードを管理するためのロット番号がカードの表面に印字されているため、カード表面のデザイン性を損ねたり、そのためのスペースを設けなければならなかったりする等の問題点がある。
【0012】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、複数の層が積層されてなる情報記録媒体において、外部から視認不可能な領域に識別情報を形成し、その識別情報を用いて非破壊管理を行うことができる情報記録媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、
コア層を挟むように複数の層が積層されてなる情報記録媒体であって、
前記コア層は、X線により検出可能な材料からなる層が表面に形成された領域を有し、前記層は、所定の情報が表現される形状にレーザにより加工されていることを特徴とする。
【0014】
また、前記層は、複数の穴の羅列により前記所定の情報が表現される形状に加工されていることを特徴とする。
【0015】
また、前記材料は、銀であることを特徴とする。
【0016】
また、前記コア層の一方の面に形成されたコイル状のアンテナと、
前記コア層のアンテナが形成された面に前記アンテナと接続されるように搭載されたICモジュールとを有し、
前記層は、前記コア層のアンテナが形成された面とは反対側の面において、前記アンテナの一端及び前記ICモジュールと導通部分を介して接続されるように形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、前記情報記録媒体の製造方法であって、
前記コア層に前記アンテナを形成する工程と、
前記コア層に前記材料からなる層を形成する工程と、
前記コア層に前記ICモジュールを搭載する工程と、
前記ICモジュールに書き込まれた情報を読み取る工程と、
前記ICモジュールから読み取られた情報が表現される形状に前記層をレーザにより加工する工程とを有することを特徴とする。
【0018】
また、コア層を挟むように複数の層が積層されてなる情報記録媒体であって、前記コア層は、所定の情報が表現される形状に凹部が形成されていることを特徴とする。
【0019】
また、前記コア層の一方の面に形成されたコイル状のアンテナと、
前記コア層のアンテナが形成された面に前記アンテナと接続されるように搭載されたICモジュールとを有することを特徴とする。
【0020】
また、前記コア層に前記アンテナを形成する工程と、
前記コア層に前記ICモジュールを搭載する工程と、
前記ICモジュールに書き込まれた情報を読み取る工程と、
前記ICモジュールから読み取られた情報が表現される形状に、前記凹部を前記コア層に形成する工程とを有することを特徴とする。
【0021】
(作用)
上記のように構成された本発明においては、コア層を挟むように複数の層が積層されてなる情報記録媒体において、コア層には、X線により検出可能な材料からなる層が表面に形成された領域が設けられ、かつ、その層は、所定の情報が表現される形状にレーザにより加工されている。
【0022】
このようなコア層が複数の層に挟まれるように積層されてなる情報記録媒体においては、X線を照射すれば、レーザによって加工された層により表現される情報が外部から認識可能となるので、情報記録媒体を管理するための情報が表現されるように層を加工すれば、該情報を情報記録媒体の表面に印字する必要がなくなり、それにより、情報記録媒体を管理するための情報を情報記録媒体の表面に印字することによるデザイン性を低下を回避することができる。
【0023】
また、コア層にICモジュールが搭載された情報記録媒体においては、ICモジュールやコア層単体を管理するための情報が表現されるようにレーザにより層を加工しておけば、X線を照射することによりこの情報が外部から認識可能となるため、ICモジュールやコア層単体の非破壊管理を行うことができるようになる。
【0024】
また、コア層を挟むように複数の層が積層されてなる情報記録媒体のコア層において、所定の情報が表現される形状に凹部が形成されている場合は、情報記録媒体の表面あるいは裏面から超音波を照射すれば、その反射率及び反射面までの距離の違いから所定の情報が外部から認識可能となる。これにより、情報記録媒体を管理するための情報が表現されるように凹部を形成すれば、該情報を情報記録媒体の表面に印字する必要がなくなり、それにより、情報記録媒体を管理するための情報を情報記録媒体の表面に印字することによるデザイン性を低下を回避することができる。
【0025】
また、コア層にICモジュールが搭載された情報記録媒体においては、ICモジュールやコア層単体を管理するための情報が表現されるように凹部を形成しておけば、超音波を照射することによりこの情報が外部から認識可能となるため、ICモジュールやコア層単体の非破壊管理を行うことができるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0027】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の情報記録媒体の第1の実施の形態である非接触型ICカードを示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は内部構造を示す図、(c)は積層構造を示す図である。
【0028】
本形態は図1に示すように、樹脂シート115上において、外部からの情報の書き込み及び読み出しが可能なICモジュール111が搭載されるとともに、接点114を介してICモジュール111と接続され、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)からの電磁誘導によりICモジュール111に電流を供給し、ICモジュール111に対する情報の書き込み及び読み出しを非接触状態にて行うための導電性のアンテナ112がコイル状に形成されたコア層であるインレット110と、PET等からなり、インレット110を挟むように積層された中間層120a,120bと、透明フィルム層からなり、互いに積層されたインレット110と中間層120a,120bとを挟むように積層された表面シート130a,130bとから構成されており、インレット110と中間層120a,120b、並びに、中間層120a,120bと表面シート130a,130bとはそれぞれ接着剤層(不図示)によって互いに接着されている。さらに、インレット110においては、樹脂シート115上の所定の領域が、銀からなるAg層116が積層された識別情報領域113となっており、さらに、この識別情報領域113において、レーザによりAg層116及び樹脂シート115にレーザ穴117が開けられ、このレーザ穴117によって識別情報が表現されている。
【0029】
上記のように構成された非接触型ICカード100においては、外部に設けられた情報書込/読出装置に近接すると、情報書込/読出装置からの電磁誘導によりアンテナ112に電流が流れ、この電流が接点114を介してICモジュール111に供給され、それにより、非接触状態において、情報書込/読出装置からICモジュール111に情報が書き込まれたり、ICモジュール111に書き込まれた情報が情報書込/読出装置にて読み出されたりする。
【0030】
以下に、上述した非接触型ICカード100の製造方法について説明する。
【0031】
図2は、図1に示した非接触型ICカード100の製造方法を説明するための図である。
【0032】
まず、樹脂シート115上にコイル状のアンテナ112を形成するとともに、識別情報領域113となる部分に銀からなるAg層116を形成する(図2(a))。
【0033】
次に、接点114を介してアンテナ112と電気的に接続されるように、樹脂シート115上にICモジュール111を搭載する(図2(b))。
【0034】
次に、樹脂シート115上の識別情報領域113において、ICモジュール111あるいは非接触型ICカード100を識別するための識別情報を表現するようにレーザ光によってAg層116及び樹脂シート115にレーザ穴117を開け、インレット110を完成する(図2(c))。ここで、レーザ穴117においては、識別情報を表現するように連続した線として形成するのではなく、複数の穴の羅列によって識別情報を表現するように形成する。これは、レーザ光によって識別情報を表現するように連続してレーザ穴117を形成した場合、1箇所におけるレーザ光の照射時間が長くなり、それにより、線幅が広がり、識別情報を認識しにくくなってしまうためである。また、ICモジュール111に書き込まれたICモジュール111を識別可能な情報を読み取り、この情報に基づいた形状にレーザ穴117を形成することも考えられる。
【0035】
次に、インレット110を挟むように中間層120a,120bを積層し(図2(d))、さらに、これらを挟むように表面シート130a,130bを積層する(図2(e))。
【0036】
上述した一連の工程によって製造された非接触型ICカード100においては、樹脂シート115上にAg層116が積層された識別情報領域113において、レーザ穴117が形成されることにより、樹脂シート115上に形成されたAg層116が除去されて所望の情報が表現されているため、このインレット110が中間層120a,120b及び表面シート130a,130bに挟まれるように積層された後においても、識別情報領域113にて表現される識別情報は、X線を照射することにより外部から認識可能となる。
【0037】
これにより、ICモジュール111やインレット110を管理するための情報をレーザ穴117により表現するようにレーザ穴117を形成すれば、ICモジュール111やインレット110の非破壊管理を行うことができる。
【0038】
また、非接触型ICカード100を管理するための情報をレーザ穴117により表現するようにレーザ穴117を形成すれば、非接触型ICカード100を管理するための情報を非接触型ICカード100の表面に印字する必要がなくなり、非接触型ICカード100の表面のデザイン性を損ねることがなくなるとともに、そのためのスペースを設ける必要がなくなる。
【0039】
なお、本形態においては、識別情報領域113において、Ag層116及び樹脂シート115に、レーザによってレーザ穴117を形成したが、Ag層116のみにレーザ穴117を形成するようにレーザを照射すれば十分な効果を得ることができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
図3は、本発明の情報記録媒体の第2の実施の形態である非接触型ICカードを示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は積層構造を示す図、(c)は(b)に示したインレット210の表面構造を示す図、(d)は(b)に示したインレット210の裏面構造を示す図である。
【0041】
本形態は図3に示すように、樹脂シート215上において、外部からの情報の書き込み及び読み出しが可能なICモジュール211が搭載されるとともに、接点214を介してICモジュール211と接続され、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)からの電磁誘導によりICモジュール211に電流を供給し、ICモジュール211に対する情報の書き込み及び読み出しを非接触状態にて行うための導電性のアンテナ212がコイル状に形成されたコア層であるインレット210と、PET等からなり、インレット210を挟むように積層された中間層220a,220bと、透明フィルム層からなり、互いに積層されたインレット210と中間層220a,220bとを挟むように積層された表面シート230a,230bとから構成されており、インレット210と中間層220a,220b、並びに、中間層220a,220bと表面シート230a,230bとはそれぞれ接着剤層(不図示)によって互いに接着されている。さらに、インレット210においては、コイル状のアンテナ212の一端とICモジュール211とを接続するために、アンテナ212が形成された面とは反対側の面において、Ag層216からなるブリッジ部218が形成されており、このブリッジ部218において、レーザによりAg層216にレーザ穴217が開けられ、このレーザ穴217によって識別情報が表現されている。
【0042】
以下に、上記のように構成された非接触型ICカード200の製造方法について説明する。
【0043】
図4は、図3に示した非接触型ICカード200の製造方法を説明するための図である。
【0044】
まず、樹脂シート215上にコイル状のアンテナ212を形成する(図4(a))。
【0045】
次に、樹脂シート215のアンテナ212が形成された面とは反対側の面に、アンテナ212の一端とICモジュール211とを接続するためのブリッジ部218を、Ag層216により形成する(図4(b))。また、このブリッジ部218は、スルーホール(不図示)を介して、あるいはかしめ等の方法により、樹脂シート215の表面から裏面に導通する導通部分を形成し、アンテナ212及び接点214と接続されることになる。
【0046】
次に、接点214を介してアンテナ112と電気的に接続されるように、樹脂シート215上にICモジュール211を搭載する(図4(c))。
【0047】
次に、樹脂シート215上のブリッジ部218において、ICモジュール211あるいは非接触型ICカード200を識別するための識別情報を表現するようにレーザ光によってAg層216にレーザ穴217を開け、インレット210を完成する(図4(d))。ここで、レーザ穴217においては、識別情報を表現するように連続した線として形成するのではなく、複数の穴の羅列によって識別情報を表現するように形成する。これは、レーザ光によって識別情報を表現するように連続してレーザ穴217を形成した場合、1箇所におけるレーザ光の照射時間が長くなり、それにより、線幅が広がり、識別情報を認識しにくくなってしまうためである。また、ICモジュール211に書き込まれたICモジュール211を識別可能な情報を読み取り、この情報に基づいた形状にレーザ穴217を形成することも考えられる。
【0048】
次に、インレット210を挟むように中間層220a,220bを積層し(図4(e))、さらに、これらを挟むように表面シート230a,230bを積層する(図4(f))。
【0049】
上述した一連の工程によって製造された非接触型ICカード200においては、樹脂シート215上にてAg層216によって形成されたブリッジ部218において、レーザ穴217が形成されることにより、樹脂シート215上に形成されたAg層216が除去されて所望の情報が表現されているため、このインレット210が中間層220a,220b及び表面シート230a,230bに挟まれるように積層された後においても、ブリッジ部218にて表現される識別情報は、X線を照射することにより外部から認識可能となる。
【0050】
これにより、ICモジュール211やインレット210を管理するための情報をレーザ穴217により表現するようにレーザ穴217を形成すれば、ICモジュール211やインレット210の非破壊管理を行うことができる。
【0051】
また、非接触型ICカード200を管理するための情報をレーザ穴217により表現するようにレーザ穴217を形成すれば、非接触型ICカード200を管理するための情報を非接触型ICカード200の表面に印字する必要がなくなり、非接触型ICカード200の表面のデザイン性を損ねることがなくなるとともに、そのためのスペースを設ける必要がなくなる。
【0052】
なお、上述した2つの実施の形態においては、識別情報領域113あるいはブリッジ部218に銀からなるAg層116,216を形成したが、本発明は、Ag層に限らず、X線によって検出可能な材料であれば、例えば、識別情報領域113あるいはブリッジ部218に銅からなるCu層を形成し、そのCu層にレーザ穴を形成してもよい。
【0053】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の情報記録媒体の第3の実施の形態である非接触型ICカードを示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は内部構造を示す図、(c)は積層構造を示す図である。
【0054】
本形態は図5に示すように、樹脂シート315上において、外部からの情報の書き込み及び読み出しが可能なICモジュール311が搭載されるとともに、接点314を介してICモジュール311と接続され、外部に設けられた情報書込/読出装置(不図示)からの電磁誘導によりICモジュール311に電流を供給し、ICモジュール311に対する情報の書き込み及び読み出しを非接触状態にて行うための導電性のアンテナ312がコイル状に形成されたコア層であるインレット310と、PET等からなり、インレット310を挟むように積層された中間層320a,320bと、透明フィルム層からなり、互いに積層されたインレット310と中間層320a,320bとを挟むように積層された表面シート330a,330bとから構成されており、インレット310と中間層320a,320b、並びに、中間層320a,320bと表面シート330a,330bとはそれぞれ接着剤層(不図示)によって互いに接着されている。さらに、インレット310においては、樹脂シート315上の所定の領域が凹部317が形成された識別情報領域313となっており、この識別情報領域313において凹部317によって識別情報が表現されている。
【0055】
以下に、上述した非接触型ICカード300の製造方法について説明する。
【0056】
図6は、図5に示した非接触型ICカード300の製造方法を説明するための図である。
【0057】
まず、樹脂シート315上にコイル状のアンテナ312を形成する(図6(a))。
【0058】
次に、接点314を介してアンテナ312と電気的に接続されるように、樹脂シート315上にICモジュール311を搭載する(図6(b))。
【0059】
次に、樹脂シート315上の識別情報領域313において、ICモジュール311あるいは非接触型ICカード300を識別するための識別情報を表現するように凹部317を形成し、インレット310を完成する(図6(c))。なお、ICモジュール311に書き込まれたICモジュール311を識別可能な情報を読み取り、この情報に基づいた形状に凹部317を形成することも考えられる。
【0060】
次に、インレット310を挟むように中間層320a,320bを積層し(図6(d))、さらに、これらを挟むように表面シート330a,330bを積層する(図6(e))。
【0061】
上述した一連の工程によって製造された非接触型ICカード300においては、樹脂シート315上の識別情報領域313において、凹部317が形成されることにより所望の情報が表現されているため、この非接触型ICカード300の表面あるいは裏面から超音波を照射すれば、その反射率及び反射面までの距離の違いから凹部317の形状を認識することができる。これにより、このインレット310が中間層320a,120b及び表面シート330a,330bに挟まれるように積層された後においても、識別情報領域313にて表現される識別情報は、超音波を照射することにより外部から認識可能となる。
【0062】
これにより、ICモジュール311やインレット310を管理するための情報を凹部317により表現するように凹部317を形成すれば、ICモジュール311やインレット310の非破壊検査を行うことができる。
【0063】
また、非接触型ICカード300を管理するための情報を凹部317により表現するように凹部317を形成すれば、非接触型ICカード300を管理するための情報を非接触型ICカード300の表面に印字する必要がなくなり、非接触型ICカード300の表面のデザイン性を損ねることがなくなるとともに、そのためのスペースを設ける必要がなくなる。
【0064】
なお、本形態においては、樹脂シート315上において、所定の情報が表現される形状に凹部317を形成したが、樹脂シート315に対して、所定の情報が表現される形状に穴を形成することも考えられる。
【0065】
また、微細な凹部317や穴によって二次元コードを表現するような構成とすれば、狭い領域にて所定の情報を表現することができる。
【0066】
また、上述した第1及び第3の実施の形態においては、情報記録媒体として非接触型ICカードを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、インレット等のコア層が複数の層に挟まれるように複数の層が積層されて構成される情報記録媒体であれば適用することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、コア層を挟むように複数の層が積層されてなる情報記録媒体において、コア層に、X線により検出可能な材料からなる層が表面に形成された領域が設けられ、さらに、この層が、所定の情報が表現される形状にレーザにより加工されているため、情報記録媒体の外部からX線を照射することにより、外部から視認不可能な領域に形成された情報を認識可能とすることができ、それにより、外部から視認不可能な領域に形成された情報を用いて情報記録媒体の管理等を行うことができる。
【0068】
また、コア層を挟むように複数の層が積層されてなる情報記録媒体のコア層において、所定の情報が表現される形状に凹部が形成されているものにおいては、情報記録媒体の外部から超音波を照射することにより、外部から視認不可能な領域に形成された情報を認識可能とすることができ、それにより、外部から視認不可能な領域に形成された情報を用いて情報記録媒体の管理等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体の第1の実施の形態である非接触型ICカードを示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は内部構造を示す図、(c)は積層構造を示す図である。
【図2】図1に示した非接触型ICカードの製造方法を説明するための図である。
【図3】本発明の情報記録媒体の第2の実施の形態である非接触型ICカードを示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は積層構造を示す図、(c)は(b)に示したインレットの表面構造を示す図、(d)は(b)に示したインレットの裏面構造を示す図である。
【図4】図3に示した非接触型ICカードの製造方法を説明するための図である。
【図5】本発明の情報記録媒体の第3の実施の形態である非接触型ICカードを示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は内部構造を示す図、(c)は積層構造を示す図である。
【図6】図5に示した非接触型ICカードの製造方法を説明するための図である。
【図7】従来の非接触型ICカードの一例を示す図であり、(a)は表面構造を示す図、(b)は内部構造を示す図、(c)は積層構造を示す図である。
【符号の説明】
100,200,300 非接触型ICカード
110,210,310 インレット
111,211,311 ICモジュール
112,212,312 アンテナ
113,313 識別情報領域
114,214,314 接点
115,215,315 樹脂シート
116,216 Ag層
117,217 レーザ穴
120a,120b,220a,220b,320a,320b 中間層
130a,130b,230a,230b,330a,330b 表面シート
218 ブリッジ部
317 凹部
Claims (8)
- コア層を挟むように複数の層が積層されてなる情報記録媒体であって、
前記コア層は、X線により検出可能な材料からなる層が表面に形成された領域を有し、前記層は、所定の情報が表現される形状にレーザにより加工されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項1に記載の情報記録媒体において、
前記層は、複数の穴の羅列により前記所定の情報が表現される形状に加工されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項1または請求項2に記載の情報記録媒体において、
前記材料は、銀であることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項3に記載の情報記録媒体において、
前記コア層の一方の面に形成されたコイル状のアンテナと、
前記コア層のアンテナが形成された面に前記アンテナと接続されるように搭載されたICモジュールとを有し、
前記層は、前記コア層のアンテナが形成された面とは反対側の面において、前記アンテナの一端及び前記ICモジュールと導通部分を介して接続されるように形成されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項4に記載の情報記録媒体の製造方法であって、
前記コア層に前記アンテナを形成する工程と、
前記コア層に前記材料からなる層を形成する工程と、
前記コア層に前記ICモジュールを搭載する工程と、
前記ICモジュールに書き込まれた情報を読み取る工程と、
前記ICモジュールから読み取られた情報が表現される形状に前記層をレーザにより加工する工程とを有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。 - コア層を挟むように複数の層が積層されてなる情報記録媒体であって、
前記コア層は、所定の情報が表現される形状に凹部が形成されていることを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項6に記載の情報記録媒体において、
前記コア層の一方の面に形成されたコイル状のアンテナと、
前記コア層のアンテナが形成された面に前記アンテナと接続されるように搭載されたICモジュールとを有することを特徴とする情報記録媒体。 - 請求項7に記載の情報記録媒体の製造方法であって、
前記コア層に前記アンテナを形成する工程と、
前記コア層に前記ICモジュールを搭載する工程と、
前記ICモジュールに書き込まれた情報を読み取る工程と、
前記ICモジュールから読み取られた情報が表現される形状に、前記凹部を前記コア層に形成する工程とを有することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002177164A JP2004021701A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 情報記録媒体及びその製造方法 |
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JP2002177164A JP2004021701A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 情報記録媒体及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7694890B2 (en) | 2006-07-18 | 2010-04-13 | International Business Machines Corporation | Passive ultrasonic tag and method and system for reading recorded information |
JP2017528780A (ja) * | 2014-06-27 | 2017-09-28 | インテル・コーポレーション | 複数の3dコードのレーダベース解釈 |
-
2002
- 2002-06-18 JP JP2002177164A patent/JP2004021701A/ja active Pending
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