JP2004020518A - 静電容量式液体センサ - Google Patents

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浦野 充弘
Takashi Toda
戸田 孝史
Eisaku Yokota
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Abstract

【課題】傾斜センサとしても加速度センサとしても好適な、安定性と信頼性に優れた液体センサを提供する。
【解決手段】導電性密閉容器の内部に導電性液体を略1/2容量満たす。容器の一方の端面より一対のリード端子を容器に電気絶縁的に貫通固定させる。その各リード端子の容器内先端に、表面がシリコン酸化皮膜に覆われた短冊状の主電極を、先端部が導電性液体の液面上に出るように取り付ける。各主電極と導電性液体との間の静電容量の変化より傾斜角又は加速度を測定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、傾斜センサとしても、また加速度センサとしても好適な、導電性液体を使用した静電容量式液体センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
傾斜センサは、それが取り付けられた被測定物の水平面あるいは鉛直軸からの傾斜角の測定に使用されるセンサである。一方、加速度センサは、それが取り付けられた物が受ける加速度の測定に使用されるセンサである。両者は測定対象とする物理量が異なることから、通常は各々の物理量の測定に適した別々のセンサが選択使用される。
【0003】
しかし、同じセンサでありながら傾斜角と加速度の双方の測定に使用可能なセンサとして、従来より導電性液体を使用した液体センサが用いられている。この液体センサは、液体の表面が静止状態では常に水平を保つ原理を利用したもので、内部に液体を入れたセンサの容器が傾いた時に、内部の液体表面に対する容器の角度を検出して容器の傾斜角を測定する。逆に、水平に置かれたセンサの容器に水平方向の加速度が加えられた場合には、センサ内の液体表面が傾くことから、その傾斜角を検出して加えられた加速度を測定するというものである。本明細書では、このような原理を使って傾斜角や加速度の測定に用いられるセンサを液体センサと呼んでいる。
【0004】
液体センサにおける、内部に入れた液体の表面と容器との傾斜角を検出する方式としては、抵抗式と静電容量式とが知られている。
抵抗式に関しては、例えば、特開2001−13160号公報に技術が開示されている。このセンサの構造は、図11の縦断面図、及び図12の内部電極配置を表す斜視図に示すようなものである。一端を閉じたほぼ円筒状の金属製容器101の内部に導電性液体102が適量封入され、開口部は金属製円板103で塞いで密閉してある。そして下部の円板103を通して金属製電極104が一対あるいは二対、電気絶縁的に貫通固定されている。このような構造の下、容器101が傾くか、あるいは容器101に水平方向の加速度が加えられると、内部の液体表面105と容器101との傾斜角が変化する。すると金属製電極104と導電性液体102との接触面積が変化して、金属製容器101と各金属製電極104との間の電気抵抗に変化が生ずる。従って、その電気抵抗の変化量を測ることにより、容器101の傾斜角、又は容器101に加えられた加速度の大きさが把握できるという方式のものである。
【0005】
他方、静電容量式に関しては、例えば、特開平11−118412号公報に、この方式を使用した位置変位信号発生装置の技術が開示されている。この装置は、容器に入れた電解液の中に1本の電極単体と、アルミ化成箔のような電極を有する2本の誘電体構造体の電極が浸漬され、その電極間に電気素子が接続された構成をなしている。電解液を入れた容器が傾いたり、誘電体構造体の電極自体が位置変位させられると、誘電体構造体の電極と電解液との接触面積が変化して、電極単体と誘電体構造体の電極間の静電容量に変化が生ずる。従って、その静電容量の変化を、電気素子でもって電圧の変化に変換して測定すれば、位置変位を検出できるとする装置である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の抵抗式の場合には、金属製電極が導電性液体(電解液)と直接に接しているため、その境界面を通して抵抗値を測定するための電流が流れる。電解液と直接接する金属電極表面を通して電流が流れる場合には、電極を構成する金属の溶出、導電性液体の電気分解といった化学変化の発生が避けられない。従って、この方式では長期に渡るセンサの安定性、信頼性の確保に困難が伴う。
【0007】
また、前記公報に開示されている静電容量式の場合には、誘電体構造体の電極にアルミ化成箔が使用されている。アルミ化成箔は、アルミ箔の表面に陽極酸化により誘電体であるアルミ酸化皮膜を形成したものである。このアルミ酸化皮膜は、それほど強固でなく、また安定性に優れた皮膜でもない。液体センサとして長く使用した場合、電解液に浸っている部分と浸っていない部分とで皮膜特性に違いが生じたり、あるいは電流を長期に渡って流すと誘電体としての特性が変化して、コンデンサの容量が変化するなどの現象が生ずる。このため経年変化が大きく、長期にわたる安定性と信頼性の確保は困難である。更に、陽極酸化皮膜の場合、表面が微細な構造をなしているため、電極表面への電解液の濡れ上がりが、静止時と振動時とでは異なるという問題もある。
【0008】
本発明は、このような従来の抵抗式及び静電容量式の液体センサが有していた問題点を解消するために案出されたもので、長期に渡りセンサとしての安定性が確保され、且つ信頼性に優れた液体センサを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、静電容量式の液体センサであって、密閉容器と、その内部に封入され前記密閉容器の略1/2の内容積を占める導電性液体と、前記密閉容器の一方の端面から前記密閉容器に電気絶縁的に貫通固定された一対のリード端子と、表面にシリコン酸化皮膜が形成された電極であって前記リード端子の各々の先に取り付けられ前記密閉容器が静止状態ではその電極の一部が前記導電性液体の液面上に位置するように配設された主電極と、前記導電性液体に導電的に接触させた副電極とを具備するものである。
なお、本明細書では、表面に酸化膜が形成され密閉容器内に配設される電極を主電極、密閉容器内の導電性液体の電位を容器外に取り出すための電極を副電極と呼んでいる。
【0010】
シリコン酸化皮膜は、半導体ICの絶縁皮膜として広く採用されていることから分かるように、電気的、化学的安定性に非常に優れた誘電体皮膜である。その安定性は、アルミ酸化皮膜よりも一段と優れている。本発明の液体センサは、主電極の表面がこのような安定した皮膜で覆われているため、主電極材料が導電性液体に溶出することがなく、導電性液体も劣化しにくい。また主電極と、導電性液体と、その間に挟まれた誘電体としてのシリコン酸化皮膜とで構成されるコンデンサは、特性が極めて安定で信頼性の高いものとなり、ドリフトの少ない高い性能を発揮する。加えて、シリコン酸化皮膜は、表面が緻密、平坦であり非常に薄く形成することできることから、少ない表面積で大きなコンデンサ容量を得ることができ、センサの小型化にも効果がある。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記一対のリード端子に代えて二対のリード端子を貫通固定させ、該リード端子の各々の先に前記主電極を取り付け、該二対の主電極を各対の2つの主電極の中心を結ぶ線が互いに直交するように配設したことを特徴とするものである。
このように、主電極二対を互いに直交するように配設することで、水平面上で直交する2つの方向の傾斜角や加速度の測定が可能になる。さらに2つの方向の傾斜角や加速度の測定値を合成することで、水平面の任意方向の傾斜角や加速度を算出することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記密閉容器を導電性材料で構成して前記副電極として使用するものである。このように構成すれば、密閉容器内の導電性液体の電位を容器外に容易に取り出すことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記密閉容器の一方の端面から導電性電極を貫通固定して導電性液体と接触させ、前記副電極として使用するものである。
このようにして主電極に対して対極となる導電性液体の電位を容器外に取り出せば、密閉容器を導電性材料で製作する必要がない。従って、例えば透明ガラスで容器を構成し、内部状態の点検を容易にすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4の何れかに記載の発明において、前記主電極を短冊状に形成し、前記密閉容器内において各対の2つの主電極の中心を結ぶ線がそれぞれの面に垂直となるように、各対の2つの主電極面を対向して配設したことを特徴とするものである。
短冊状にすれば、少ない主電極素材で広い表面積が得られ、コンデンサ容量が大きくなる効果がある。また、各対の2つの主電極の中心を結ぶ線がそれぞれの面に垂直となるように、各対の2つの主電極面を対向して配設することで、主電極中心線を結ぶ線に沿った傾斜や加速度によるコンデンサ容量の変化が大きくなり、測定感度が高まる効果が得られる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4の何れかに記載の発明において、前記主電極を短冊状に形成し、前記密閉容器の略中心より、隣り合う主電極面のなす角度が等しい放射状に配設したことを特徴とするものである。
主電極を短冊状にして放射状に配設することで、容器内の導電性液体の回転が抑えられ共振が起きにくくなる。この結果、安定した測定が可能になる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6の何れかに記載の発明において、前記主電極を単結晶シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコンのうちから選択した一つの材料で形成したことを特徴とするものである。
シリコンの表面を酸化させてシリコン酸化皮膜を形成する技術は、半導体産業で確立されている。従って、主電極素材にシリコンを採用し、そのような表面酸化技術を用いて酸化させることで、表面がシリコン酸化皮膜に覆われた安定した主電極を容易に形成することができる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7の何れかに記載の発明において、前記導電性液体として、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル類のうちの一つ又は複数を組み合わせた液体に、硝酸リチウム、ヨウ化カリウムなどの電解質を加えた導電性液体を使用するものである。
【0018】
これらの液体は、硝酸リチウム、ヨウ化カリウムなどの電解質が加えられていることにより導電性を有する。これらの液体は、凝固温度が低く、広い温度範囲で流動性が確保できる上、粘性の変化が比較的少ないので、センサの使用可能温度範囲が拡がる効果がある。また、シリコン酸化皮膜を腐食させることがなく、経年変化も少ないのでセンサの特性を長期間安定させることができる。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8の何れかに記載の発明において、前記密閉容器内に不活性ガスを封入したことを特徴とするものである。
このように不活性ガスを封入することで、導電性液体の変質や金属素材の酸化を防ぐことができ、センサの経年変化を抑制できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施の形態を、図1ないし図10を参照して説明する。
【0021】
図1は、本実施形態の液体センサの縦断面図、図2はそのセンサ内部の電極配置を示す斜視図である。
本実施形態の液体センサは、内部に設けられた電極が一対である液体センサであって、容器1、導電性液体2、円板3、第1、第2のリード端子4、5、第1、第2の主電極6、7とから構成されている。
【0022】
容器1は、一端が閉じられたほぼ円筒状の容器で、導電性を持たせるため金属素材で形成されている。金属素材としては腐食に強い金属、例えばステンレスを使用することができる。円筒状の容器1の開口部は、円板3で塞がれ、全体として密閉構造を成している。円板3も導電性金属で形成されている。
【0023】
容器1と円板3とからなる密閉容器8の内部には、導電性液体2が封入されている。その量は、密閉容器8の内容積の略1/2である。また密閉容器8の上部空間には、不活性ガスが封入してある。
【0024】
第1、第2のリード端子4、5は、円板3とは電気的に絶縁された状態で、円板3を貫通して固定されている。密閉容器8の内部に突き出たリード端子4、5の先には、第1、第2の主電極6、7が取り付けられている。リード端子4、5の、密閉容器8内に突き出た部分は、導電性液体2と電気的に接触しないように、その表面が絶縁性樹脂で覆われている。同様に、リード端子4、5と主電極6、7との接続部分も、絶縁性樹脂で表面が覆われ保護されている。
【0025】
主電極6、7は、導電性素材の表面に薄いシリコン酸化皮膜が形成された電極である。この誘電体である薄いシリコン酸化皮膜を挟んで、主電極を一方の電極、導電性液体2を他方の電極とする平行板コンデンサが形成されている。主電極素材としては、その表面にシリコン酸化皮膜を形成することから、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコン等のシリコン素材を使用することが好ましい。シリコン酸化皮膜の形成方法としては、熱酸化法やCVD法など、ICの製造プロセスで使われる一般的な方法を用いることができる。
【0026】
主電極6、7は、同じ形状をなしており、共に短冊状に形成されている。これは、電極の表面積を大きくしてコンデンサ容量を増し、測定を容易にするためである。
【0027】
主電極6、7は、図2に示すように、短冊状の面が互いに向き合い、主電極面が平行になるように取り付ける(2つの主電極の中心を結ぶ線がそれぞれの面に垂直となるように、2つの主電極面を対向して取り付ける)か、あるいは図3に示すように主電極面が同じ平面上に乗るように(容器の中心から互いに180°の角度で放射状に)取り付ける。
【0028】
ここで主電極6、7の配置は、必ずしもこれら配置に限られるものではなく、後述するように密閉容器8あるいは液面2が傾いた場合に、導電性液体2への2つの主電極6、7の浸漬面積に変化が生ずる取り付け方であればよい。主電極6、7は、静止状態では、その電極面積の略1/2が液面上に出るような形状と配置で取り付けられている。
なお、本液体センサは、通常は円板3が底になる姿勢で使用されるが、上下を逆にして、円板3を上に、容器1を下にした姿勢で使用してもよい。
【0029】
次に、このような構成の液体センサの作用について説明する。
最初に、本実施形態の液体センサを、傾斜センサとして使用する場合について、主電極6、7が図2に示すように互いの面が平行に配置されている場合を例に説明する。図1に示すように主電極6、7が水平面に垂直になるように置かれていたとする。この状態では、第1の主電極6と、導電性液体2と、これに挟まれた第1の主電極6の表面に形成されたシリコン酸化皮膜とで構成されるコンデンサ(以下、C1とする)の容量と、第2の主電極7と、導電性液体2と、これに挟まれた第2の主電極7の表面に形成されたシリコン酸化皮膜とで構成されるコンデンサ(以下、C2とする)の容量とは等しい。
【0030】
この状態から、密閉容器8が図4に示すように傾斜角θだけ、第1のリード端子4と第2のリード端子5を結ぶ線に沿って傾いたとする。すると、第1の主電極6と導電性液体2との接触面積は増加して、コンデンサC1の容量は増加する。反対に、第2の主電極7と導電性液体2との接触面積は減少して、コンデンサC2の容量は減少する。このようにして生じたコンデンサC1とC2の容量の差と、密閉容器8の傾斜角θとの間には、一定の関係がある。従って、その関係を予め実験により確認しておけば、コンデンサC1とC2の容量の差を測定することで、逆に密閉容器8の傾斜角θを知ることができる。このように使用することで、この液体センサは、傾斜センサとして使用できる。
【0031】
なお、主電極6、7が図3に示すような放射状配置の場合も、密閉容器8が、第1のリード端子4と第2のリード端子5とを結ぶ線に沿って傾くと、図6に示すように主電極6、7と導電性液体2との接触面積に差が生ずる。
【0032】
次に、本実施形態の液体センサを、加速度センサとして使用する場合について説明する。同じく図1に示すように主電極6、7が、水平面に垂直になるように置かれていたとして、これに図5に示すような水平方向の加速度が密閉容器8に加えられたとする。すると、密閉容器8内の導電性液体2は、その有する慣性により加速度方向とは反対の側に寄せられ、図5に示すように液体表面9が水平位置から傾斜角θだけ傾く。これにより、前記傾斜センサとしての使用の場合と同様に、コンデンサC1とC2の容量に差が生ずる。このコンデンサC1とC2の容量の差と、密閉容器8に加えられた水平方向加速度との間には、一定の関係がある。従って、その関係を予め実験により確認しておけば、コンデンサC1とC2の容量の差を測定することで、逆に密閉容器8に加えられた加速度の大きさを知ることができる。このように使用することで、この液体センサは、加速度センサとしても使用することができる。
【0033】
以上、説明してきた実施形態の液体センサは、主電極が一対であったので、水平面内の一方向に沿った傾斜角又は加速度しか測定できない。これに対して、図7にその内部電極の配置を斜視図で示した液体センサは、密閉容器8内に更に一対の主電極10、11を追加し、隣り合う主電極面が直角になるように配設(各対の2つの主電極の中心を結ぶ線がそれぞれの面に垂直となるように、各対の2つの主電極面を対向して配設)したものである。
【0034】
二対の主電極をこのように配設することにより、水平面内で互いに直交する2つの方向に沿った傾斜角又は加速度の測定が可能になる。更に、直交する2つの方向に沿った出力を合成することで、任意の水平方向に沿った傾斜角又は加速度の測定も可能になる。
【0035】
ここで、二対の主電極は図8に示すように、隣り合う主電極面のなす角度が90°の放射状に(隣り合う主電極面のなす角度が等しい放射状に)配設してもよい。この場合は、各主電極面が密閉容器8内の導電性液体2の回転運動を抑制するため、より安定した測定が可能になる。
【0036】
次に、主電極6、7の表面上に形成されたコンデンサC1、C2の容量の差を検出する方法について説明する。図9は、コンデンサC1、C2の差を電圧の変化に変換して計測するいわゆる交流ブリッジ回路である。図中のコンデンサC3、C4は、容量の等しい固定コンデンサである。コンデンサC1とC2との接続点Y1が、導電性液体2に、接続点X1、X2が第1、第2のリード端子4、5に相当する。導電性液体2の電位は、密閉容器8を導電性材料で構成し、容器1又は円板3から取り出すことができる。又は、図10に示すように導電性の副電極9を円板3に貫通固定させて取り出してもよい。
【0037】
直列に接続されたコンデンサC1とC3の接続点X1と、同じく直列に接続されたコンデンサC2とC4との接続点X2との間には、内部インピーダンスの高い電圧計Vを接続する。一方、コンデンサC3とC4との接続点Y2と、前記接続点Y1との間には交流電圧源12を接続する。導電性液体2の有する抵抗値は、コンデンサC1、C2のインピーダンスに比べて十分低くなるように、導電性が調整されているので、その抵抗値は無視できる。
【0038】
この回路で接続点Y1、Y2に交流電圧が印加されると、コンデンサC1とC2の容量の差が少ない場合、電圧計VにはコンデンサC1、C2の容量の差にほぼ比例した電圧が検出される。従って、この電圧を測定することでコンデンサC1とC2の容量の差が判明し、その値から液体センサの傾斜角あるいは、液体センサに加えられた加速度を知ることができる。なお、図9の交流ブリッジ回路のコンデンサC3、C4は、固定抵抗に置き換えてもよい。
【0039】
次に、密閉容器8に封入される導電性液体2について説明する。導電性液体2は、コンデンサC1、C2の一方の電極としての役割を果たすものであるので、その電気導電度は十分に高い値に保つ必要がある。これは、溶媒に硝酸リチウム、ヨウ化カリウム等の電解質を溶解させて調製する。溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル類等の有機溶媒が適している。これらの溶媒は単独で使用しても、また複数を組み合わせて使用してもよい。
【0040】
これらの中の何れの溶媒、電解質が適しているかは、その液体センサの用途により異なる。例えば、液体センサを地震の強度を測定する感震器として用いる例を挙げると、この場合、加速度は数Hzの周波数で正負の方向に繰り返し変化する。このような周期的に変化する加速度を正確に測定するためには、その周波数に十分追随できる応答性が要求される。加えてセンサの共振周波数が地震波の周波数に一致しない設計が求められる。これらの要件を満たすために導電性液体2に求められる比重、粘性、表面張力等の条件は、密閉容器8の形状、主電極6、7の形状等との関係で決まってくる。従って、使用する溶媒及び電解質の種類は、これらの要求、更には使用温度範囲等を考慮して決定されることになる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液体センサは、主電極表面上にシリコン酸化皮膜を形成して、コンデンサを形成する誘電体として使用すると同時に、主電極素材を保護するように構成されている。このため高い安定性と信頼性が得られる効果がある。またシリコン酸化皮膜は、表面が緻密、平坦であり非常に薄く形成することができることから、少ない表面積で大きなコンデンサ容量を得ることができ、センサの小型化にも効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に従った液体センサの縦断面図である。
【図2】図1の液体センサの内部電極配置を示す斜視図である。
【図3】本発明の内部電極配置の他の例を示す斜視図である。
【図4】図1の液体センサの容器が傾いた場合の内部状態を示す縦断面図である。
【図5】図1の液体センサに水平方向の加速度が加わった場合の内部状態を示す縦断面図である。
【図6】図3の液体センサの容器が傾いた場合の内部状態を示す縦断面図である。
【図7】主電極を二対設けた液体センサの内部電極配置の一例を示す斜視図である。
【図8】主電極を二対設けた液体センサの内部電極配置の他の例を示す斜視図である。
【図9】主電極表面上のコンデンサ容量の差を電圧に変換する交流ブリッジ回路の例である。
【図10】副電極を追加した液体センサの一例を示す縦断面図である。
【図11】従来の抵抗式液体センサの縦断面図である。
【図12】従来の抵抗式液体センサの内部電極配置を示す斜視図である。
【符号の説明】
図面中、1は容器、2は導電性液体、3は円板、4は第1のリード端子、5は第2のリード端子、6は第1の主電極、7は第2の主電極、8は密閉容器、9は副電極を示す。

Claims (9)

  1. 密閉容器と、その内部に封入され前記密閉容器の略1/2の内容積を占める導電性液体と、前記密閉容器の一方の端面から前記密閉容器に電気絶縁的に貫通固定された一対のリード端子と、表面にシリコン酸化皮膜が形成された電極であって前記リード端子の各々の先に取り付けられ前記密閉容器が静止状態ではその電極の一部が前記導電性液体の液面上に位置するように配設された主電極と、前記導電性液体に導電的に接触する副電極とを具備する静電容量式液体センサ。
  2. 前記一対のリード端子に代えて二対のリード端子を貫通固定させ、該リード端子の各々の先に前記主電極を取り付け、該二対の主電極は各対の2つの主電極の中心を結ぶ線が互いに直交するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量式液体センサ。
  3. 前記副電極は、前記密閉容器を導電性材料で構成したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電容量式液体センサ。
  4. 前記副電極は、前記密閉容器の一方の端面から導電性電極を貫通固定させたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電容量式液体センサ。
  5. 前記主電極は短冊状に形成され、前記密閉容器内において各対の2つの主電極の中心を結ぶ線がそれぞれの面に垂直となるように、各対の2つの主電極面が対向して配設されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の静電容量式液体センサ。
  6. 前記主電極は短冊状に形成され、前記密閉容器の略中心より、隣り合う主電極面のなす角度が等しい放射状に配設されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の静電容量式液体センサ。
  7. 前記主電極は、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコンのうちの一つの材料で形成されていることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の静電容量式液体センサ。
  8. 前記導電性液体は、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル類のうちの一つ又は複数を組み合わせた液体に、硝酸リチウム、ヨウ化カリウムなどの電解質を加えた液体であることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の静電容量式液体センサ。
  9. 前記密閉容器内に不活性ガスを封入したことを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の静電容量式液体センサ。
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