JP2008116416A - 傾斜センサ及び傾斜スイッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程の簡易であり、かつ、小型化・低コスト化が可能な傾斜センサを提供する。
【解決手段】本発明の傾斜センサ10は、基板11と、この基板11上に設けられた駆動用電極21、22及び検出用共通電極20と、基板11上の駆動用電極21、22及び検出用共通電極20を覆うように設けられた絶縁膜12と、絶縁膜12との間に内部空間を形成し、かつこの内部空間を密閉するキャップ13と、内部空間に封入された検出用液体14とからなる構造となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板に電極パターンを形成し、さらにその上に絶縁膜を配し、キャップによって該絶縁膜との間に空間を作り、この空間に分極しやすい液体もしくは導電性液体と気体で満たした構造の傾斜センサ及び傾斜スイッチに関する。
傾斜センサ、傾斜スイッチなどは、測量、姿勢制御などにおいて重要なデバイスであり、さらに運動物体の制御機器やモバイル機器の分野にも大きな需要がある。現在市販されている傾斜センサ、傾斜スイッチの原理は大きく分けて、1)電解液と気泡をガラス管に封入して上下電極の抵抗変化を利用したものと、2)オイル等の絶縁性の液体と気泡を上下電極を設置した金属容器に封入して上下電極の静電容量変化を利用するものの2種類に分けられる。
前者の例としては、特許文献1(特開平9−61162号公報)には、密閉容器Aは、下面を球状凹面3aとする天板3、円筒部材2、及び底板1を同軸に接着して構成しておき、この密閉容器A内に、気泡Bを形成する電解液Lを密封し、密閉空間A内における球状凹面3aと底板1の上面1aには、夫々気泡Bの位置を両者間の電気抵抗の変化として検出する電極4、5、6を形成してなる傾斜センサが開示されている。
また、後者の例としては、特許文献2(特開2000−241162号公報)には、半円状の一対の差動電極21a、21bが垂直方向に隣接配置され、これと対向するように、共通電極22が一定の間隙を設けて配置し、前記一対の差動電極21a、21bおよび共通電極22を、密閉容器内に収容し、この密閉容器内には誘電性液体が封入し、上側の差動電極21aおよび共通電極22で上側可変コンデンサC1を構成し、下側の差動電極21bおよび共通電極22で下側可変コンデンサC2を構成する静電容量式の傾斜センサが開示されている。
特開平9−61162号公報 特開2000−241162号公報
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載されているような傾斜センサでは、上下の電極を機械加工により形成する必要があるため製造工程が複雑になり、傾斜センサを小型化するにあたっての障壁となっていた。
上記のような課題を解決するために、本発明の提案では、電極を片側のみに設置してさらにその上に分極しやすい(比誘電率が大きい)液体(有機溶媒、水等)もしくは導電性液体(例:食塩水、イオン性液体)と気体で満たした構造の傾斜センサとするものであり、より具体的には、請求項1に係る発明は、基板と、該基板上に設けられた駆動用電極及び検出用共通電極と、該基板上の該駆動用電極及び該検出用共通電極を覆うように設けられた絶縁膜と、該絶縁膜との間に内部空間を形成し、かつこの内部空間を密閉するキャップと、該内部空間に封入された検出用液体とからなることを特徴とする傾斜センサである。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の傾斜センサにおいて、該検出用液体は比誘電率が大きい液体又は導電性液体であることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の傾斜センサにおいて、該検出用液体はメタノール等の動粘度の低い液体であることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の傾斜センサにおいて、該基板上の該検出用共通電極は該駆動用電極の周囲を囲むように形成されることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、基板と、該基板上に設けられた駆動用電極及び検出用共通電極と、該基板上の該駆動用電極及び該検出用共通電極を覆うように設けられた絶縁膜と、該絶縁膜との間に内部空間を形成し、かつこの内部空間を密閉するキャップと、該内部空間に封入された検出用液体とからなることを特徴とする傾斜スイッチである。
本発明の傾斜センサ、傾斜スイッチによれば、電極が片側のみに存在する構造になるため、露光技術などを用いた電極形成(プリント基板のパタニング、リソグラフィ技術)が可能となり傾斜センサの製造工程の簡易化と傾斜センサの小型化・低コスト化を可能とする。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態の傾斜センサの断面を示す図であり、図2は本発明の実施の形態の傾斜センサの基板上の電極パターンを示す図であり、図3は本発明の実施の形態の傾斜センサの使用状況を示す図である。図1乃至図3において、10は傾斜センサ(又は傾斜スイッチ)、11は基板、12は絶縁膜、13はキャップ、14は検出用液体、15は気体部、20は検出用共通電極、21は第1駆動用電極、22は第2駆動用電極、25はリード線をそれぞれ示している。図1において示される傾斜センサ10の断面図は、図2の基板11上の電極パターンを線A−A’で切ったものを示している。傾斜センサ10は一軸傾斜センサであり、図3に示すような状態として、当該傾斜センサ10の傾きθを検出するものである。
本発明の実施の形態に係る傾斜スイッチは、傾斜センサ10と構造を同じくするものであり、傾斜センサ10が傾斜角に比例した出力特性を持たせるのに対して、傾斜スイッチの出力特性はヒステリシスを持たせるように設定する。このように同じ構造のものを傾斜センサとするか、或いは傾斜スイッチとするかは、検出用液体14と気体部15とのバランス、ないしは駆動用電極21、22の形状を変えることによって、変更することが可能となる。以下、本発明を、傾斜センサ10を例として詳細に説明する。
傾斜センサ10の基板11上には、検出用共通電極20、第1駆動用電極21、第2駆動用電極22が図示するような電極パターンにて形成されている。第1駆動用電極21及び第2駆動用電極22は、面積がほぼ等しい略半円形状のパターンであり、それぞれに引き出し用端子b及びcが接続される構成となっている。また、検出用共通電極20は、第1駆動用電極21及び第2駆動用電極22のパターンを囲むように形成され、引き出し用端子aが接続される構成となっている。検出用共通電極20の終端と第2駆動用電極22の引き出し用端子cとの間には、十分な絶縁性が確保できるような距離の間隙gが形成される。引き出し用端子a乃至cにはリード線25が接続され、検出用共通電極20、第1駆動用電極21、第2駆動用電極22からの信号が傾斜センサ10外に取り出せるようになっている。
検出用共通電極20、第1駆動用電極21、第2駆動用電極22が形成された基板11上には、ガラス、シリコン系有機材料或いはフッ素系有機材料などからなる絶縁膜12が形成される。この絶縁膜12には、絶縁膜12全体を覆い、絶縁膜12とキャップ13との間の内部空間を設け、かつこの内部空間を密閉するようなキャップ13が設けられる。絶縁膜12とキャップ13との間の密閉された空間には、検出用液体14が封入される。この検出用液体14には、分極しやすい(比誘電率が大きい)液体(例:有機溶媒、水等)もしくは導電性液体(例:食塩水、イオン性液体)が用いられる。検出用液体14は、傾斜センサ10を図3に示すような立てた状態にしたとき、検出用共通電極20、第1駆動用電極21、第2駆動用電極22の略半分の上に検出用液体14が存在する状態となる程度の量が封入される。
検出用液体14には、上記のような電気的な性質に加え、絶縁膜12とキャップ13との間の内部空間において、傾斜センサ10の傾斜角θに追随して動くような物理的な性質も要求される。表1は、各液体の25℃における動粘度を比較したものが示されている。
Figure 2008116416
本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10の検出用液体14には、上記のような電気的な性質に加え、動粘度としても低い値を有するメタノール(表1参照)が特に好適である。このメタノールには、安全性が高く、凝固点も十分に低く、さらに安価であるというメリットもある。
以上のように構成される傾斜センサ10は、図3に示すような状態とし、当該傾斜センサ10の傾きθを検出する一軸傾斜センサとして利用する。
次に、本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10の検出原理について説明する。図4は本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10の等価回路を示す図であり、図5は本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10の計測状態における内部状態を示す図であり、図6は本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路を示す図である。
後述する傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路における駆動周波数が数100Hz〜数100kHzであるとき、分極しやすい液体である検出用液体14は見かけ上導電体としてふるまう。したがって、図4において、検出用共通電極20と検出用液体14との間の絶縁膜12、第1駆動用電極21と検出用液体14との間の絶縁膜12、第2駆動用電極22と検出用液体14との間の絶縁膜12は、駆動周波数が数100Hz〜数100kHzの下でそれぞれキャパシタとしてふるまう。
絶縁膜12の誘電率をεとし、また、各電極と絶縁膜12表層までの距離をdとし、第1駆動用電極21上の絶縁膜12表層と検出用液体14が接している面積をS+、第2駆動用電極22上の絶縁膜12表層と検出用液体14が接している面積をS-とすると、第1駆動用電極21と検出用液体14との間の絶縁膜12が形成するキャパシタの静電容量Cx+、第2駆動用電極22と検出用液体14との間の絶縁膜12が形成するキャパシタの静電容量Cx-は、
Figure 2008116416
Figure 2008116416
となる。なお、検出用共通電極20と検出用液体14との間の絶縁膜12が形成するキャパシタの静電容量はCoとする。
また、傾斜センサ10の傾斜角θによらず、第1駆動用電極21上の絶縁膜12表層と検出用液体14が接している面積S+と第2駆動用電極22上の絶縁膜12表層と検出用液体14が接している面積S-と和Sは等しいので、以下の式が成立する。
Figure 2008116416
後に詳述する図6に示すチャージバランス型静電容量―電圧変換回路の出力電圧Voutは、当該回路の電源電圧をVddとするとき、
Figure 2008116416
によって、求めることができる。
面積S+の変化は傾斜センサ10の傾斜角θに比例すること、及び、(1)乃至(4)式の関係により、チャージバランス型静電容量―電圧変換回路の出力電圧Voutと傾斜センサ10の傾斜角θとの関係は次式によって求めることができる。
Figure 2008116416
なお、図2に示すように、検出用共通電極20、第1駆動用電極21、第2駆動用電極22には、引き出し用端子a乃至cが設けられている関係上、傾斜センサ10が測定可能な傾斜角θは略±80°以内である。
実施の形態に係る傾斜センサ10の計測状態における内部状態は、図5に示されるような状態となっている。絶縁膜12とキャップ13との間の内部空間に満たされた検出用液体14は、メニスカス力によって、図5のSに示すようにキャップ13内壁面に引きつけられた状態となる。すなわち、本実施形態に係る傾斜センサ10においては、検出用共通電極20が存在する絶縁膜 12上に検出用液体14が安定して存在する状態を物理的にも作り出しやすく、傾斜センサとして非常に好適である。本発明に類似する傾斜センサにおいて、検出用共通電極を複数の駆動電極の中央部に配置するものがあるが、このような構成では、検出用液体の量によっては、必ずしも検出用共通電極上に検出用液体が存在しない状況があり得、傾斜センサによる計測に支障をきたすことがある。しかしながら、本発明においては、検出用共通電極20が第1駆動用電極21、第2駆動用電極22の周囲に配置されているために、このようなことはない。
次に、本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路について説明する。図6において、Vddは電源電圧、S1、S2はスイッチ、Cf、Cmはキャパシタ(それぞれの静電容量はCf、Cmとする)、OPはオペアンプ(演算増幅器)、Voutは出力電圧をそれぞれ示している。キャパシタCx+、Cx-、Coからなる傾斜センサ10の等価回路は、チャージバランス型静電容量―電圧変換回路に対して、引き出し端子a乃至cを利用し図6に示されるように接続される。
4つのスイッチS1は全て同時にオンオフされ、また、4つのスイッチS2も全て同時にオンオフされる。4つのスイッチS1は4つのスイッチS2がオフのときにオンされ、また、4つのスイッチS2は4つのスイッチS1がオフのときにオンされる。これらのスイッチのオンオフ周期の周波数が駆動周波数であり、前述のように本発明においては、検出用液体14が見かけ上導電体としてふるまう駆動周波数である数100Hz〜数100kHzが利用される。図9は、本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路のスイッチS1及びスイッチS2のオンオフタイミングを示す図である。
次に、スイッチS1、スイッチS2が交互にオンオフされるときの状況について説明する。図7は本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路においてスイッチS1がオンの状態を示す図であり、図8は本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路においてスイッチS2がオンの状態を示す図である。
スイッチS1がオンで、スイッチS2がオフの状態である図7の状態のときにおいては、2つの傾斜センサ10のキャパシタCx+及びキャパシタCx-は電源電圧Vddとグランド間に直列接続された状態となり、電源電圧VddによってキャパシタCx+及びキャパシタCx-が充電される。なお、駆動周波数が数100Hz〜数100kHzの下では、キャパシタCoはほぼショート状態と見なすことができる。オペアンプOPのオフセット電圧はVos、また、キャパシタCx+に蓄積する電荷をQ+、キャパシタCx-に蓄積する電荷をQ―とすると、
Figure 2008116416
が成立する。また、オペアンプOPの非反転入力端子における電位をVmとすると、
Figure 2008116416
と表すことができる。また、キャパシタCfに蓄積する電荷をQfとすると、
Figure 2008116416
となる。
次に、スイッチS2がオンで、スイッチS1がオフの状態である図8の状態をみてみる。このとき、2つの傾斜センサ10のキャパシタCx+及びキャパシタCx-は電源電圧Vddとグランドとから切り離された状態となる。また、図8の状態においては、キャパシタCx+及びキャパシタCx-及びキャパシタCfは並列接続状態となる。すなわち、オペアンプへの入力をΔVとすると、
Figure 2008116416
となる。ここで、|Q―|>|Q+|と仮定した。
ΔVはオペアンプOPによって増幅され、オペアンプOPの出力端子にVoutを出力する。この出力電圧Voutは、スイッチS2がオンで、スイッチS1がオフの状態であるときに、オペアンプOPの非反転入力端子に帰還されると共に、キャパシタCmをチャージする。スイッチS1、S2が前述のような駆動周波数でオンオフを繰り返し定常状態となると、キャパシタCmの充電が飽和し、ΔV=Vosとなる。
(9)式に、式(6)乃至式(8)を代入して、整理すると、Vosの項はキャンセルされ、
Figure 2008116416
の関係を得る。前述のように定常状態ではVm=Voutであるので、前記の式(4)を得ることができる。なお、本回路においては電圧Vmを出力とすることでクロック動作に伴う電圧変動の少ない安定した出力が得られる。
なお、本実施形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路によれば、Vosの項はキャンセルされるようになっている。理想的なオペアンプOPであればVosは0となるが、通常オペアンプOPはオフセット電圧Vosを有しているが、上述のようにVosの項はキャンセルされるので、前記回路では、オペアンプOPのオフセット電圧の影響を受けない。
本実施形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路では、 上述のように、スイッチS1がオンで、スイッチS2がオフの状態であるとき、キャパシタCx+及びキャパシタCx-は電源電圧Vddとグランド間に直列接続された状態となり、各キャパシタが充電され、スイッチS2がオンで、スイッチS1がオフの状態であるときに、キャパシタCx+及びキャパシタCx-は並列接続された状態となり電荷が移動する。
キャパシタCx+及びキャパシタCx-に係る電荷の移動によって、電荷がオペアンプOPの反転入力端子に入力されたり、電荷がオペアンプOPの反転入力端子から出力されたりする。キャパシタCx+及びキャパシタCx-から反転入力端子に電荷が入力されると、オペアンプOPの出力電圧Voutは下降し、逆に、反転入力端子からキャパシタCx+及びキャパシタCx-に電荷が出力されると、オペアンプOPの出力電圧Voutは上昇する。出力電圧Vout(Vm)のこのような増減は、キャパシタCmにチャージされていき、スイッチS1、S2が前述のような駆動周波数でオンオフを繰り返し、定常状態でVout(Vm)は安定し、収束する。この収束の条件は、オペアンプOPの反転入力端子に入力される電荷と、オペアンプOPの反転入力端子から出力される電荷がちょうどバランスする点であり、オペアンプOPの反転入力端子と、Cx+及びCx-からなるキャパシタ群との間で電荷の移動がなくなる点である。すなわち、本実施形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路では、定常状態では、
Figure 2008116416
が成立する。この式(11)と、式(6)及び式(7)の関係からも、式(4)を得ることができる。
以上のように構成した本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10による計測結果を図10に示す。図10において、横軸は傾斜センサ10の傾斜角を示しており、縦軸はオペアンプOPからの出力電圧を示している。本発明によれば、このように良好なリニア特性が得られる傾斜センサ10を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る傾斜スイッチは、基本的に傾斜センサ10と構造を同じくするものである。傾斜スイッチにおいては、検出用共通電極20、第1駆動用電極21、第2駆動用電極22の配置や、キャップ13の形状、検出用液体14の種類や量を、傾斜センサとは異なるように構成する。図11は、本発明の実施の形態に係る傾斜センサの出力特性と、本発明の実施の形態に係る傾斜スイッチと出力特性を示す図である。本発明の実施の形態に係る傾斜スイッチでは、前述のように構成することによって、図11の(B)に示すようなヒステリシスを有する出力特性を得るものである。このような本発明の実施の形態に係る傾斜スイッチは、例えば、ストーブに搭載されるような、転倒するとオンオフするスイッチとして用いることができる。
リニアな出力特性を有する傾斜センサをスイッチとして利用しようとすると、傾斜角0°付近でわずかな変化に対して、出力特性がばたつくこととなるが、ヒステリシスを有する出力特性をもつ本実施形態の傾斜スイッチを用いることにより、0°付近での出力のばたつきを防止することができる。
次に、本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサについて説明する。図12は本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサの基板上の電極パターンを示す図であり、図13は本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサの使用状況を示す図であり、図14は本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路を示す図である。
本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサは、二軸傾斜センサである。本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサは、基本的な構造は先の実施形態の傾斜センサ10と構造を同じくするものであり、基板11上の電極パターン及びチャージバランス型静電容量―電圧変換回路を異にするものである。図12乃至図14において、30は傾斜センサ、31−1は第1検出用共通電極、31−2は第2検出用共通電極、32は第1駆動用電極、33は第2駆動用電極、34は第3駆動用電極、35は第4駆動用電極をそれぞれ示している。このような傾斜センサは、図13に示すような状態として用い、当該傾斜センサ30の傾きθx及びθyの検出を行うものである。
二軸の傾斜センサ30の基板11上には、第1検出用共通電極31−1、第2検出用共通電極31−2、第1駆動用電極32、第2駆動用電極33、第3駆動用電極34、第4駆動用電極35が図示するような電極パターンにて形成されている。第1駆動用電極32、第2駆動用電極33、第3駆動用電極34、第4駆動用電極35は、面積がほぼ等しい略1/4円形状のパターンであり、それぞれ引き出し用端子b、e、c、fが接続される構成となっている。第1検出用共通電極31−1は第1駆動用電極32、第4駆動用電極35のパターンを、第2検出用共通電極31−2は第2駆動用電極33、第3駆動用電極34のパターンを囲むように形成され、それぞれに引き出し用端子a、dが接続される構成となっている。第1検出用共通電極31−1の終端と第4駆動用電極35の引き出し用端子fとの間、及び、第2検出用共通電極31−2の終端と第3駆動用電極34の引き出し用端子cとの間には、十分な絶縁性ができるような距離の間隙g2、g1が形成される。引き出し用端子a乃至fにはリード線25が接続され、各電極からの信号が傾斜センサ30外に取り出せるようになっている。
以上のように構成される二軸の傾斜センサ30において、例えば、第1検出用共通電極31−1と検出用液体14との間の絶縁膜12が形成するキャパシタをCo1、第2検出用共通電極31−2と検出用液体14との間の絶縁膜12が形成するキャパシタをCo2、第1駆動用電極32と検出用液体14との間の絶縁膜12が形成するキャパシタをCx+、第2駆動用電極33と検出用液体14との間の絶縁膜12が形成するキャパシタをCx−、第3駆動用電極34と検出用液体14との間の絶縁膜12が形成するキャパシタをCy+、第4駆動用電極35と検出用液体14との間の絶縁膜12が形成するキャパシタをCy−として用いる。
以上のように構成される本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサ30のためのチャージバランス型静電容量―電圧変換回路が図14である。この回路において、不図示の4相クロック回路によってスイッチS1乃至S4で時分割を行う。図15は、本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサ30に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路のスイッチS1乃至スイッチS4のオンオフタイミングを示す図である。これによって、二軸分の出力電圧Vxout、Vyoutを得ることができる。なお、本回路においては、電圧Vm1、Vm2は他方の回路動作時には回路からを切り離され電圧を保持するため、これらを出力とすることでクロック動作に伴う電圧変動の少ない安定した出力が得られる。
以上、本発明の傾斜センサ、傾斜スイッチによれば、電極が片側のみに存在する構造になるため、露光技術などを用いた電極形成(プリント基板のパタニング、リソグラフィ技術)が可能となり傾斜センサの製造工程の簡易化と傾斜センサの小型化・低コスト化を可能とする。
本発明の実施の形態の傾斜センサの断面を示す図である。 本発明の実施の形態の傾斜センサの基板上の電極パターンを示す図である。 本発明の実施の形態の傾斜センサの使用状況を示す図である。 本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10の等価回路を示す図である。 発明の実施の形態に係る傾斜センサ10の計測状態における内部状態を示す図である。 本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路を示す図である。 図7は本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路においてスイッチS1がオンの状態を示す図である。 本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路においてスイッチS2がオンの状態を示す図である。 本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路のスイッチS1及びスイッチS2のオンオフタイミングを示す図である。 本発明の実施の形態に係る傾斜センサ10による計測結果を示す図である。 本発明の実施の形態に係る傾斜センサの出力特性と、本発明の実施の形態に係る傾斜スイッチと出力特性を示す図である。 本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサの基板上の電極パターンを示す図である。 本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサの使用状況を示す図である。 本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサ30に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路を示す図である。 本発明の他の実施の形態に係る傾斜センサ30に用いるチャージバランス型静電容量―電圧変換回路のスイッチS1乃至スイッチS4のオンオフタイミングを示す図である。
符号の説明
10・・・傾斜センサ(又は傾斜スイッチ)、11・・・基板、12・・・絶縁膜、13・・・キャップ、14・・・検出用液体、15・・・気体部、20・・・検出用共通電極、21・・・第1駆動用電極、22・・・第2駆動用電極、25・・・リード線、30・・・傾斜センサ、31−1・・・第1検出用共通電極、31−2・・・第2検出用共通電極、32・・・第1駆動用電極、33・・・第2駆動用電極、34・・・第3駆動用電極、35・・・第4駆動用電極

Claims (5)

  1. 基板と、
    該基板上に設けられた駆動用電極及び検出用共通電極と、
    該基板上の該駆動用電極及び該検出用共通電極を覆うように設けられた絶縁膜と、
    該絶縁膜との間に内部空間を形成し、かつこの内部空間を密閉するキャップと、
    該内部空間に封入された検出用液体とからなることを特徴とする傾斜センサ。
  2. 該検出用液体は比誘電率が大きい液体又は導電性液体であることを特徴とする請求項1に記載の傾斜センサ。
  3. 該検出用液体はメタノール等の動粘度の低い液体であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の傾斜センサ。
  4. 該基板上の該検出用共通電極は該駆動用電極の周囲を囲むように形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の傾斜センサ。
  5. 基板と、
    該基板上に設けられた駆動用電極及び検出用共通電極と、
    該基板上の該駆動用電極及び該検出用共通電極を覆うように設けられた絶縁膜と、
    該絶縁膜との間に内部空間を形成し、かつこの内部空間を密閉するキャップと、
    該内部空間に封入された検出用液体とからなることを特徴とする傾斜スイッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010096725A (ja) * 2008-10-20 2010-04-30 Keio Gijuku 傾斜センサ
CN104058366A (zh) * 2013-03-19 2014-09-24 硕英股份有限公司 微机电结构制作方法

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