JP2004020142A - 液体燃料バーナ - Google Patents

液体燃料バーナ Download PDF

Info

Publication number
JP2004020142A
JP2004020142A JP2002179433A JP2002179433A JP2004020142A JP 2004020142 A JP2004020142 A JP 2004020142A JP 2002179433 A JP2002179433 A JP 2002179433A JP 2002179433 A JP2002179433 A JP 2002179433A JP 2004020142 A JP2004020142 A JP 2004020142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid fuel
burner
evaporating
fuel
vaporized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002179433A
Other languages
English (en)
Inventor
Naohiko Matsuda
松田 直彦
Shigenari Horie
堀江 茂斉
Yasuhiro Kubota
久保田 泰宏
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Eneos Corp
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Oil Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd, Nippon Oil Corp filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2002179433A priority Critical patent/JP2004020142A/ja
Publication of JP2004020142A publication Critical patent/JP2004020142A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Spray-Type Burners (AREA)

Abstract

【課題】常に安定した気化燃料の発生が可能な液体燃料バーナを提供する。
【解決手段】円筒状のバーナ本体部11を有する液体燃料バーナでは、電気ヒータ内蔵円板16をバーナ本体部11の予混合室13と蒸発管17との間に設け、蒸発管17は水平面内で同心円状に渦巻くように形成する。或いは、この蒸発管に代えて、仕切りにより水平面内で同心円状に渦巻くように形成した流路を内部に有する蒸発容器を用いる。また、箱形状のバーナ本体部を有する液体燃料バーナでは、電気ヒータ内蔵矩形板をバーナ本体部の予混合室と蒸発管との間に設け、蒸発管は水平面内で蛇行するように形成する。或いは、この蒸発管に代えて、仕切りにより水平面内で蛇行するように形成した流路を内部に有する蒸発容器を用いる。また、蒸発管又は流路の気化燃料排出部には絞りノズルを設ける。また、気化燃料の流路切換手段として3方弁、又は、逆止弁及び2方弁を設ける。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体燃料を気化し空気と予混合して燃焼する液体燃料バーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
液体燃料バーナは液体燃料を気化し空気と予混合して燃焼するものであり、液体燃料を気化するための燃料気化器を備えている。図8は従来の液体燃料バーナに備えた燃料気化器の概要図である。同図に示すように、従来の燃料気化器1は内筒2と外筒3とからなる2重円筒管4と、この2重円筒管4内に設けられた電気ヒータ8とを有し、この電気ヒータ8によって2重円筒管4を内面側から加熱するようになっている。2重円筒管4の内筒2と外筒3には隙間5を有しており、この隙間5の両端には液体燃料供給管6と気化燃料排出管7とがそれぞれ接続されている。
【0003】
この燃料気化器1では燃料供給管6を介して2重円筒管4の隙間5に液体燃料を流入し、この液体燃料を電気ヒータ8で加熱することによって気化する。燃料気化器1で気化された燃料は、燃料排出管7を介して2重円筒管4の隙間5から排出された後、空気と予混合され、燃料気化器1から離れた位置に配置された図示しないバーナ本体部に導入されて、このバーナ本体部の火口で燃焼される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の液体燃料バーナでは2重円筒管4の隙間5が狭く、この隙間5で気化して体積膨張した燃料が、まだ液体状態の燃料を押し出すため、蒸発振動して、液体燃料混じりの気化燃料が脈動して発生する。このため、バーナ火口で輝炎が発生してすすを発生しやすく、また、火炎が安定せずに失火することもある。なお、2重円筒管4を斜めにすることにより、隙間5に供給された液体燃料が、一旦、隙間5の下側に溜まるようにしたものも知られているが、やはり火力(発熱量)を上げるために液体燃料の供給量を増やした場合などには気化燃料が増加する際に蒸発振動が生じて気化燃料の発生が不安定になる。
【0005】
従って、本発明は上記の事情に鑑み、常に安定した気化燃料の発生が可能な液体燃料バーナを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する第1発明の液体燃料バーナは、液体燃料を燃料気化器で気化し、この気化燃料に空気を混合した混合気体をバーナ本体部に導入して同バーナ本体部に設けた火口で燃焼させる液体燃料バーナにおいて、
前記燃料気化器は、内部に供給された前記液体燃料が水平に広がって下側の液相と上側の気相とに分かれるような内部空間を有する蒸発部と、この蒸発部の上面又は下面に配置され同蒸発部を全体的に加熱して前記液体燃料を気化する発熱部とを有してなることを特徴とする。
【0007】
また、第2発明の液体燃料バーナは、第1発明の液体燃料バーナにおいて、
前記蒸発部は、水平面内で渦巻くように又は蛇行するように形成した蒸発管を有してなるものであり、前記蒸発管の一端側から前記液状燃料を供給し、前記蒸発管の他端から前記気化燃料を排出するように構成したことを特徴とする。
【0008】
また、第3発明の液体燃料バーナは、第1発明の液体燃料バーナにおいて、
前記蒸発部は、水平面内で渦巻くように又は蛇行するように形成した流路を内部空間に有し、前記流路の一端側から前記液状燃料を供給し、前記流路の他端から前記気化燃料を排出するように構成したことを特徴とする。
【0009】
また、第4発明の液体燃料バーナは、第2又は第3発明の液体燃料バーナにおいて、
前記発熱部は円板状であり、前記蒸発部は水平面内で同心円状に渦巻くように形成した流路又は蒸発管であることを特徴とする。
【0010】
また、第5発明の液体燃料バーナは、第2又は第3発明の液体燃料バーナにおいて、
前記発熱部は矩形板状であり、前記蒸発部は水平面内で蛇行するように形成した流路又は蒸発管であることを特徴とする。
【0011】
また、第6発明の液体燃料バーナは、第1発明〜第5発明の何れか1つに記載の液体燃料バーナにおいて、
前記発熱部は、前記気化燃料と空気の混合気体が導入される前記バーナ本体部の予混合室と前記蒸発部との間に設けることにより、前記蒸発部に供給された前記液体燃料を加熱するとともに前記バーナ本体部の予混合室に導入した前記混合気体も加熱するように構成したことを特徴とする。
【0012】
また、第7発明の液体燃料バーナは、第6発明の液体燃料バーナにおいて、
前記バーナ本体部は円筒状、前記発熱部は円板状であり、前記蒸発部は水平面内で同心円状に渦巻くよう形成された流路を内部空間に有する、又は、水平面内で同心円状に渦巻くよう形成された蒸発管を有してなるものであることを特徴とする。
【0013】
また、第8発明の液体燃料バーナは、第6発明の液体燃料バーナにおいて、
前記バーナ本体部は箱形状、前記発熱部は矩形板状であり、前記蒸発部は水平面内で蛇行するように形成された流路を内部空間に有する、又は、水平面内で蛇行するように形成された蒸発管を有してなるものであることを特徴とする。
【0014】
また、第9発明の液体燃料バーナは、第1発明〜第8発明の何れか1つに記載の液体燃料バーナにおいて、
前記蒸発部の気化燃料排出部には絞りノズルを設け、この絞りノズルによって下流の火炎側の圧力変動が上流の蒸発部へ伝播しないように構成したことを特徴とする。
【0015】
また、第10発明の液体燃料バーナは、第1発明〜第9発明の何れか1つに記載の液体燃料バーナにおいて、
前記蒸発部から排出された気化燃料の流れを、前記バーナ本体部への供給側と排気側とに切り換える気化燃料の流路切換手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、第11発明の液体燃料バーナは、第10発明の液体燃料バーナにおいて、前記気化燃料の流路切換手段は、前記供給側に設けて前記バーナ本体部側から前記蒸発部側への逆流を防止する逆止弁と、前記排気側に設けた2方弁とを有してなることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1(a)は本発明の実施の形態に係る円筒状の液体燃料バーナの構成図、図1(b)は前記液体燃料バーナにおけるバーナ本体部の斜視図、図2は前記液体燃料バーナにおける蒸発部の構成図(図1(a)のA方向矢視図)、図3は前記蒸発部における液体燃料の蒸発の様子(気液二相状態から蒸気単相状態になる部分の様子)を示す説明図である。
【0019】
図1に示す液体燃料バーナはバーナ本体部11が円筒状のものである。なお、図示例のバーナ本体部11は中央部が中空のドーナツ状となっている。バーナ本体部11の内部には整流多孔板12が設けられており、この整流多孔板12の下側の空間が予混合室13となっている。予混合室13では気化燃料と空気の混合が促進される。
【0020】
バーナ本体部11の上部(整流多孔板12の上側の空間の上部)には火口14が設けられており、整流多孔板12には火口14に対応した位置に複数の孔12aがあけられている。従って、予混合室13に導入された気化燃料と空気の混合気体は整流多孔板12の孔12aを通ることにより均一に分配され、且つ、更によく混合された状態で火口14へ導かれて燃焼されるため、火口14では安定した火炎28が得られる。なお、火口14としては適宜の間隔に穴があけられたものや金網状のものなどがある。
【0021】
バーナ本体部11の下面には、発熱部として、電気ヒータ15を内蔵した円板16が設けられている。なお、この電気ヒータ内蔵円板16はバーナ本体部11の形状に応じて中央部に穴があいた円環状となっている。電気ヒータ内蔵円板16の下面には、蒸発部として、内径10mmの蒸発管17が水平に設けられている。即ち、電気ヒータ内蔵矩形板16と蒸発管17とによって燃料気化器10が構成されている。
【0022】
電気ヒータ内蔵円板16は電気ヒータ15によって灯油などの液体燃料の蒸発温度(例えば灯油では約300℃)に保たれ、この電気ヒータ内蔵円板16に接している蒸発管17の温度も電気ヒータ内蔵円板16により全体的に加熱されて同じ蒸発温度に保たれる。また、電気ヒータ内蔵円板16によって予混合室13の壁面も液体燃料の蒸発温度に保たれることにより、予混合室13内に導入された気化燃料と空気の混合気体も加熱されるようになっている。このため、電気ヒータなどを別途設けることなく、気化燃料が空気との混合で温度低下して凝縮するのを防止することができ、また、凝縮した燃料は再蒸発させることができる。
【0023】
つまり、電気ヒータ内蔵円板16をバーナ本体部11の予混合室13と蒸発管17との間に設けることにより、1つの電気ヒータ内蔵円板16によって蒸発管17での液体燃料の蒸発と予混合室13における気化燃料の凝縮防止とを同時に行うことができるため、非常に効率的である。
【0024】
そして、図1及び図2に示すように、蒸発管17は電気ヒータ内蔵円板16の形状(円板状)に合わせて、水平面内で同心円状に渦巻くように形成されることにより全体が円形状となっている。このため、蒸発管17は電気ヒータ内蔵円板16によって全体的に効率よく加熱される。
【0025】
また、蒸発管17の一端17aには液体燃料供給管18が接続され、他端17bには気化燃料排出管19が接続されている。従って、図示しない燃料タンクに貯溜されている液体燃料が、図示しない燃料ポンプにより、液体燃料供給管18を介して、蒸発管17の一端17aから蒸発管17へ供給される。そして、この蒸発管17に供給された液体燃料が電気ヒータ内蔵円板17によって加熱されることにより蒸発(気化)し、この気化燃料が蒸発管17の他端17bから気化燃料排出管19を介して排出される。
【0026】
しかも、このとき蒸発管17は水平面内で渦巻くように形成されているため、蒸発管17に供給された液体燃料は蒸発管17の内部空間に瞬時に水平に広がり(蒸発管17の長手方向の下面部に行き渡り)、この水平に広がった液体燃料が電気ヒータ内蔵円板16で加熱されて蒸発(気化)するため、図3に示すように蒸発管17の内部では燃料が下側の液相25と上側の気相26とに分かれて二相状態となる。従って、液体燃料が蒸発管17を閉塞することはなく、従来のように気化して体積膨張した燃料が未気化の液体燃料を押し出すことがないため、安定した気化燃料の発生が可能となる。また、火力(発熱量)を上げるために蒸発管17に供給する液体燃料の量を増やした場合にも、図3に一点鎖線で示すように液体燃料が瞬時に水平に広がって液相25の存在する領域が長くなり(広がりが大きくなり)、安定した気化燃料の発生が維持される。
【0027】
なお、蒸発管17の内部空間の大きさは燃料が下側の液相25と上側の気相26とに分離する大きさである必要がある。例えば液体燃料が灯油の場合には蒸発管17の内径を10mm程度とすることが望ましい。蒸発管17内において燃料が液相25と気相26とに確実に分離して二相状態となるためには蒸発管17の内径をできるだけ大きくしたほがよいが、蒸発管17の内径が大き過ぎると渦巻き状に成形することが難しくなる。そこで、蒸発管17の内径は燃料を液相25と気相26とに確実に分離することができる大きさ(この大きさは液体燃料の粘度などによって異なる)であって、且つ、渦巻き状の成形も容易な大きさとすることが望ましく、灯油の場合には10mm程度とすることが望ましい。
【0028】
また、図1に示すように、気化燃料排出管19には絞りノズル20が設けられている。従って、この絞りノズル20により、絞りノズル20の上流側の圧力を下流側の圧力よりも高くすることができるため、下流の火炎側(火口側)の圧力変動などが上流の蒸発管17へ伝播して蒸発管17内の圧力が振動することにより蒸発管17での液体燃料の蒸発が不安定になる(蒸発管17からの気化燃料の流出が変動する)のを防止することができる。
【0029】
また、気化燃料排出管19は、気化燃料の流路切換手段としての3方弁21を介して、バーナ本体部11への供給側の配管である気化燃料供給管24と、燃料タンクへの排気側の配管である排気管22とに接続されている。
【0030】
気化燃料供給管24は空気供給管23に接続され、この空気供給管23とともにバーナ本体部11の予混合室13へ通じている。従って、3方弁21により流路を気化燃料供給管24側へ切り換えたときには、蒸発管17で発生した気化燃料が、3方弁21及び気化燃料供給管24を流れ、図示しない送風機により空気供給管23を介して送られてきた空気と合流したの後、この空気とともに予混合室13へ導入される。一方、排気管22は燃料タンクへ通じており、3方弁21によって流路を排気管22側へ切り換えた場合には、蒸発管17で気化した燃料が、3方弁21及び排気管22を流れて燃料タンクへ戻される。
【0031】
そして、かかる3方弁21を設けたことにより、液体燃料バーナの起動時や緊急停止を含む停止時には流路を排気管22側に切り換えて気化燃料を燃料タンクへ戻すことができるため、安定した燃焼や迅速な消火を行うことができる。
【0032】
詳述すると、バーナ起動時には蒸発管17への液体燃料の供給と電気ヒータ内蔵円板16による加熱とを開始して気化燃料を発生させるが、この気化燃料の発生が安定するまでには多少の時間がかかる。これに対して本実施の形態では、バーナ起動後気化燃料の発生が安定するまでの間(例えば予め設定したバーナ起動後の所定時間が経過するまで)、3方弁21によって流路を排気管22側へ切り換えることにより、気化燃料を燃料タンクに戻し、その後、気化燃料の発生が安定した時点(前記所定時間の経過時点)で3方弁21により流路を気化燃料供給管24側へ切り換えて気化燃料をバーナ本体部11へ供給することができる。このため、バーナ本体部11(火口14)での安定した燃焼が可能となる。なお、バーナ起動後(バーナ運転中)、火口14での燃焼の熱を蒸発管17へ導いて蒸発管17(液体燃料)を加熱するようにすれば、電気ヒータ15への通電量を低減又は電気ヒータ15を停止することもできる。
【0033】
また、バーナ停止時には蒸発管17への液体燃料の供給や電気ヒータ内蔵円板16による加熱を停止しても、蒸発管17には気化燃料が残留し、残留熱もあることから、少しの間は気化燃料が発生し続ける。このため、単にバーナ本体部11へ気化燃料を供給していたのではバーナ停止時に瞬時に火口14の火を消すことができない。これに対して本実施の形態では、バーナ停止時に3方弁21により流路を排気管22側に切り換えて気化燃料を燃料タンクへ戻す(バーナ本体部への気化燃料の供給を遮断する)ことにより、迅速に消火することができる。
【0034】
図4(a)は本発明の実施の形態に係る箱形状の液体燃料バーナの構成図、図4(b)は前記液体燃料バーナにおけるバーナ本体部の斜視図、図5は前記液体燃料バーナにおける蒸発部の構成図(図4(a)のB方向矢視図)である。
【0035】
図4に示す液体燃料バーナはバーナ本体部31が箱形状のものである。バーナ本体部31の内部には整流多孔板32が設けられており、この整流多孔板32の下側の空間が予混合室33となっている。予混合室13では気化燃料と空気の混合が促進される。
【0036】
バーナ本体部31の上部(整流多孔板32の上側の空間の上部)には火口34が設けられており、整流多孔板32には火口34に対応した位置に複数の孔32aがあけられている。従って、予混合室33に導入された気化燃料と空気の混合気体は整流多孔板32の孔32aを通ることにより均一に分配され、且つ、更によく混合された状態で火口34へ導かれて燃焼されるため、火口45では安定した火炎45が得られる。なお、火口34としては適宜の間隔に穴があけられたものや金網状のものなどがある。
【0037】
バーナ本体部31の下面には、発熱部として、電気ヒータ35を内蔵した矩形板36が設けられている。電気ヒータ内蔵矩形板36の下面には、蒸発部として、内径10mmの蒸発管37が水平に設けられている。即ち、電気ヒータ内蔵矩形板36と蒸発管37とによって燃料気化器30が構成されている。
【0038】
電気ヒータ内蔵矩形板36は電気ヒータ35によって灯油などの液体燃料の蒸発温度に保たれ、この電気ヒータ内蔵矩形板36に接している蒸発管37も電気ヒータ内蔵矩形板36により全体的に加熱されて同じ蒸発温度に保たれる。また、電気ヒータ内蔵矩形板36によって予混合室33の壁面も液体燃料の蒸発温度に保たれることにより、予混合室33内に導入された気化燃料と空気の混合気体も加熱される。このため、電気ヒータなどを別途設けることなく、気化燃料が空気との混合で温度低下して凝縮するのを防止することができ、また、凝縮した燃料は再蒸発させることができる。
【0039】
つまり、電気ヒータ内蔵矩形板36をバーナ本体部31の予混合室33と蒸発管37との間に設けることにより、1つの電気ヒータ内蔵矩形板36によって蒸発管37での液体燃料の蒸発と予混合室33における気化燃料の再凝縮の防止とを同時に行うことができるため、非常に効率的である。
【0040】
そして、図4及び図5に示すように、蒸発管37は電気ヒータ内蔵矩形板36の形状(矩形状)に合わせて、水平面内で一定の蛇行幅wで蛇行するように形成されることにより全体が矩形状となっている。このため、蒸発管37は電気ヒータ内蔵矩形板36によって全体的に効率よく加熱される。
【0041】
また、蒸発管37の一端37aには液体燃料供給管38が接続され、他端37bには気化燃料排出管39が接続されている。従って、図示しない燃料タンクに貯溜されている液体燃料が、図示しない燃料ポンプにより、液体燃料供給管38を介して、蒸発管37の一端37aから蒸発管37へ供給される。そして、この蒸発管37に供給された液体燃料が、電気ヒータ内蔵矩形板37によって加熱されることにより蒸発(気化)し、この気化燃料が蒸発管37の他端37bから気化燃料排出管39を介して排出される。
【0042】
しかも、このとき蒸発管37は水平面内で蛇行するように形成されているため、蒸発管37に供給された液体燃料は蒸発管37の内部空間に瞬時に水平に広がり(蒸発管37の長手方向の下面部に行き渡り)、この水平に広がった液体燃料が電気ヒータ内蔵円板36で加熱されてされて蒸発(気化)するため、図示は省略するが、蒸発管37の内部では燃料が下側の液相と上側の気相とに分かれて二相状態となる(図3参照)。従って、液体燃料が蒸発管37を閉塞することはなく、従来のように気化して体積膨張した燃料が未気化の液体燃料を押し出すことがないため、安定した気化燃料の発生が可能となる。また、火力(発熱量)を上げるために蒸発管37に供給する液体燃料の量を増やした場合にも、液体燃料が瞬時に水平に広がって液相の存在する領域が長くなり(広がりが大きくなり)、安定した気化燃料の発生が維持される(図3参照)。
【0043】
なお、蒸発管37の内部空間の大きさは燃料が下側の液相と上側の気相とに分離する大きさである必要がある。例えば液体燃料が灯油の場合には、上記の蒸発管17の場合と同様、燃料が液相と気相とに確実に分離することができ、且つ、蛇行状の成形も容易に行うことができるようにするため、蒸発管37の内径を10mm程度とすることが望ましい。
【0044】
また、図4に示すように、気化燃料排出管39には絞りノズル40が設けられている。従って、この絞りノズル40により、絞りノズル40の上流側の圧力を下流側の圧力よりも高くすることができるため、下流の火炎側(火口側)の圧力変動などが上流の蒸発管37へ伝播して蒸発管37内の圧力が振動することにより蒸発管37での液体燃料の蒸発が不安定になる(蒸発管37からの気化燃料の流出が変動する)のを防止することができる。
【0045】
また、気化燃料排出管39は、気化燃料の流路切換手段としての3方弁41を介して、バーナ本体部31への供給側の配管である気化燃料供給管44と、燃料タンクへの排気側の配管である排気管42とに接続されている。
【0046】
気化燃料供給管44は空気供給管43に接続され、この空気供給管43とともにバーナ本体部31の予混合室33へ通じている。従って、3方弁41により流路を気化燃料供給管44側へ切り換えたときには、蒸発管37で発生した気化燃料が、3方弁41及び気化燃料供給管44を流れ、図示しない送風機により空気供給管43を介して送られてきた空気と合流したの後、この空気とともに予混合室33へ導入される。一方、排気管42は燃料タンクへ通じており、3方弁41によって流路を排気管42側へ切り換えた場合には、蒸発管37で気化した燃料が、3方弁41及び排気管42を流れて燃料タンクへ戻される。
【0047】
そして、かかる3方弁41を設けたことにより、液体燃料バーナの起動時や緊急停止を含む停止時には流路を排気管42側に切り換えて気化燃料を燃料タンクへ戻すことができるため、安定した燃焼や迅速な消火を行うことができる。
【0048】
詳述すると、バーナ起動時には蒸発管37への液体燃料の供給と電気ヒータ内蔵円板36による加熱とを開始して気化燃料を発生させるが、この気化燃料の発生が安定するまでには多少の時間がかかる。これに対して本実施の形態では、バーナ起動後気化燃料の発生が安定するまでの間(例えば予め設定したバーナ起動後の所定時間が経過するまで)、3方弁41によって流路を排気管42側へ切り換えることにより、気化燃料を燃料タンクに戻し、その後、気化燃料の発生が安定した時点(前記所定時間の経過時点)で3方弁41により流路を気化燃料供給管44側へ切り換えて気化燃料をバーナ本体部31へ供給することができる。このため、バーナ本体部31(火口34)での安定した燃焼が可能となる。なお、バーナ起動後(バーナ運転中)、火口34での燃焼の熱を蒸発管37へ導いて蒸発管37(液体燃料)を加熱するようにすれば、電気ヒータ35への通電量の低減又は電気ヒータ35を停止することもできる。
【0049】
また、バーナ停止時には蒸発管37への液体燃料の供給や電気ヒータ内蔵円板36による加熱を停止しても、蒸発管37には気化燃料が残留し、残留熱もあることから、少しの間は気化燃料が発生し続ける。このため、単にバーナ本体部31へ気化燃料を供給していたのではバーナ停止時に瞬時に火口34の火を消すことができない。これに対して本実施の形態では、バーナ停止時に3方弁41により流路を排気管42側に切り換えて気化燃料を燃料タンクへ戻す(バーナ本体部への気化燃料の供給を遮断する)ことにより、迅速に消火することができる。
【0050】
図6は本発明の実施の形態に係る液体燃料バーナにおける気化燃料の流路切換手段の他の構成図である。
【0051】
上記では気化燃料の流路切換手段として3方弁21(41)を設けたが(図1,図4参照)、この3方弁21(41)に代えて、図6に示すような逆止弁51と2方弁52とを設けてもよい。詳述すると、気化燃料排出管19(39)は気化燃料供給管24(44)と排気管22(42)とに分岐されており、気化燃料供給管22(44)には逆止弁51が設けられ、排気管22(42)には2方弁52が設けられている。逆止弁51では矢印Cのように蒸発管側からバーナ本体部側へ向かう流れは許容し、バーナ本体部側から蒸発管側へ向かう流れは阻止する。
【0052】
このように逆止弁51と2方弁52とを設けた場合にも、3方弁21を設けた場合と同様、液体燃料バーナの起動時や停止時には流路を排気管22(42)側に切り換えて気化燃料を燃料タンクへ戻すことができるため、安定した燃焼や迅速な消火を行うことができる。
【0053】
即ち、バーナ起動時にはバーナ起動後気化燃料の発生が安定するまでの間、2方弁52を開くことにより流路を排気管22(42)側に切り換えて、蒸発管で発生した気化燃料を燃料タンクに戻す。その後、気化燃料の発生が安定した時点で2方弁52を閉じることにより流路を気化燃料供給管24(44)側へ切り換えて気化燃料をバーナ本体部へ供給することができる。このため、バーナ本体部(火口)での安定した燃焼が可能となる。また、逆止弁51によって、空気が蒸発管側に流入し、蒸発管側の燃料に引火して燃焼するのを防止することができる。バーナ停止時には、2方弁51を開いて流路を排気管22(42)側に切り換えることにより、蒸発管で発生した気化燃料を燃料タンクへ戻す(バーナ本体部への気化燃料の供給を遮断する)ことができるため、迅速に消火することができる。
【0054】
しかも、耐熱性の点では3方弁21(41)を用いるよりも逆止弁51と2方弁52とを用いるほうが有利である。つまり、3方弁21(41)を用いる場合、この3方弁21(41)を流れる高温(灯油の場合には約260℃)の気化燃料によって3方弁21(41)の温度も気化燃料と同程度の高温となる。ところが、電動の3方弁などは耐熱性が低い。即ち、3方弁21(41)を用いる場合には、耐熱性の点で材質や構造などの制約を受けるため、手動のものを用いたり、或いは、耐熱性の高いものを新たに開発する必要が生じたりすることも考えられる。
【0055】
これに対して逆止弁は、例えば図6(b)に例示すように球体51aによって矢印D方向の流れを阻止するような比較的簡易な機械的構造のものが一般的であるため、耐熱性が高く、3方弁程構造や材質の制約を受けない。このため、逆止弁51として従来の一般的な逆止弁を用いても容易に気化燃料の熱に耐えることができ、また、逆止弁51での気化燃料の凝縮を防止するために電気ヒータなどによって逆止弁51を保温することもできる。また、排気側に設けられた2方弁52は、この2方弁52を流れる燃料を気化状態に保つ必要がないため、保温などの措置も不用であり、燃料温度が下がった位置に配置することもできるため、3方弁21(51)程には構造や材質の制約を受けず、電動のものなどを用いることもできる。
【0056】
ところで、発熱部が円形状のもの(電気ヒータ内蔵円板16)である場合には、これに対応して蒸発管の全体的な形状も円形状とするため、蒸発部には渦巻き状の蒸発管(蒸発管17)を用いることが望ましいが、必ずしもこれに限定するものではなく、円形状の発熱部に対し、蒸発部として蛇行状の蒸発管を用いてもよい。この場合には蒸発管の蛇行幅を適宜調整して全体が円形状となるようにすればよい。また、発熱部が矩形状である場合(電気ヒータ内蔵矩形板36)には、これに対応して蒸発管の全体的な形状も矩形状とするため、蒸発部には蛇行状の蒸発管(蒸発管37)を用いることが望ましいが、必ずしもこれに限定するものではなく、矩形状の発熱部に対し、蒸発部として渦巻き状の蒸発管を用いてもよい。この場合には矩形状の渦巻きとすればよい。
【0057】
また、上記の蒸発管17,37は断面が円形のものであるが、これに限定するものではなく、例えば断面が矩形の蒸発管を用いてもよい。
【0058】
また、上記では液体燃料バーナの蒸発部として渦巻き状の蒸発管17(図1,図2参照)、又は、蛇行状の蒸発管37(図4,図5参照)を用いたが、これに限定するものではなく、内部空間を仕切り板で仕切ることによって渦巻き状又は蛇行状の流路を内部に形成してなる蒸発容器を、蒸発部として用いてもよい。図7には、かかる蒸発容器の例を示す。なお、説明の便宜上、図7には蒸発容器を半分に破断した斜視図を示しており、蒸発容器の残り半分に形成された流路部分は一点鎖線で示している。
【0059】
図7(a)には、円筒状のバーナ本体部11(図1参照)に好適な蒸発容器61を示す。この蒸発容器61は全体が円形状(中央部に穴があいた円環状)の容器であり、内部の空間を仕切り63で仕切ることによって、水平面内で同心円状に渦巻く流路64を内部に形成してなるものである。流路64の内部空間の大きさは燃料が下側の液相と上側の気相とに確実に分離する大きさとする。図示は省略するが、この蒸発容器61は、図1の液体燃料バーナにおいて、蒸発管17の代わりに電気ヒータ内蔵円板16の下面に水平に設置する。
【0060】
この場合、蒸発容器61の流路64の一端64aと他端64bとにそれぞれ液体燃料供給管18と気化燃料排出管19とが接続され、液体燃料供給管18を介して流路64の一端64aから流路64へ供給された液体燃料が、電気ヒータ内蔵円板17によって加熱されることにより蒸発(気化)し、この気化燃料が流路64の他端64bから気化燃料排出管19を介して排出される。
【0061】
そして、このとき、蒸発管17の場合と同様、流路64は水平面内で渦巻くように形成されているため、この流路64に供給された液体燃料は瞬時に水平に広がり(流路64の長手方向の下面部に行き渡り)、この水平に広がった液体燃料が電気ヒータ内蔵円板16で加熱されて蒸発(気化)するため、流路64の内部では燃料が下側の液相と上側の気相とに分かれて二相状態となる。従って、従来のように気化燃料とともにまだ液体状態の燃料も押し出されることがないため、安定した気化燃料の発生が可能となる。また、火力(発熱量)を上げるために流路64に供給する液体燃料の量を増やした場合にも、液体燃料が瞬時に水平に広がって液相の存在する領域が長くなり(広がりが大きくなり)、安定した気化燃料の発生が維持される。
【0062】
図7(b)には箱形状のバーナ本体部31(図4参照)に好適な蒸発容器71を示す。この蒸発容器71は全体が矩形状の容器であり、内部の空間を仕切り73で仕切ることによって、水平面内で蛇行する流路74を内部に形成してなるものである。流路74の内部空間の大きさは燃料が下側の液相と上側の気相とに確実に分離する大きさとする。図示は省略するが、この蒸発容器71は、図4の液体燃料バーナにおいて、蒸発管37の代わりに電気ヒータ内蔵矩形板36の下面に水平に設置する。
【0063】
この場合、蒸発容器71の流路74の一端74aと他端74bとにそれぞれ液体燃料供給管38と気化燃料排出管39とが接続され、液体燃料供給管38を介して流路74の一端74aから流路74へ供給された液体燃料が、電気ヒータ内蔵矩形板37によって加熱されることにより蒸発(気化)し、この気化燃料が流路74の他端74bから気化燃料排出管39を介して排出される。
【0064】
そして、このとき、蒸発管37の場合と同様、流路74は水平面内で蛇行するように形成されているため、この流路74に供給された液体燃料は瞬時に水平に広がり(流路74の長手方向の下面部に行き渡り)、この水平に広がった液体燃料が電気ヒータ内蔵矩形板36で加熱されて蒸発(気化)するため、流路74の内部では下側の液相と上側の気相とに分かれて二相状態となる。従って、従来のように気化燃料とともにまだ液体状態の燃料も押し出されることはなく、安定した気化燃料の発生が可能となる。また、火力(発熱量)を上げるために流路74に供給する液体燃料の量を増やした場合にも、液体燃料が瞬時に水平に広がって液相の存在する領域が長くなり(広がりが大きくなり)、安定した気化燃料の発生が維持される。
【0065】
また、蒸発部としては、内部に供給された液体燃料が水平に広がって下側の液相と上側の気相とに分かれるような内部空間を有していればよいため、例えば図7(a)の容器62において仕切り63を削除した構成や、図7(b)の容器72において仕切り73を削除した構成であってもよい。なお、この場合には液体燃料が固まって流れずに水平に広がるようにするために内部空間の水平面を高精度に形成する必要がある。換言すれば、渦巻き状の蒸発管17や流路64、或いは、蛇行状の蒸発管37や流路74の場合には、液体燃料の流れる方向が規制されるため、多少水平面の精度が悪くても、確実に液体燃料が水平に広がって上記のような効果を得ることができる。
【0066】
また、上記では電気ヒータ内蔵円板16や電気ヒータ内蔵矩形板36を、バーナ本体部11,31の予混合室13,33と蒸発管17,37との間に配置したため、蒸発管17,37の上面に電気ヒータ内蔵円板16や電気ヒータ内蔵矩形板36を設けているが、必ずしもこれに限定するもではなく、バーナ本体部11,31から離れた位置に燃料気化器10,30を配置するような場合には、蒸発管17,18の下面に電気ヒータ内蔵円板16や電気ヒータ内蔵矩形板36を配置してもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上、発明の実施の形態とともに具体的に説明したように、第1発明の液体燃料バーナは、液体燃料を燃料気化器で気化し、この気化燃料に空気を混合した混合気体をバーナ本体部に導入して同バーナ本体部に設けた火口で燃焼させる液体燃料バーナにおいて、前記燃料気化器は、内部に供給された前記液体燃料が水平に広がって下側の液相と上側の気相とに分かれるような内部空間を有する蒸発部と、この蒸発部の上面又は下面に配置され同蒸発部を全体的に加熱して前記液体燃料を気化する発熱部とを有してなることを特徴とする。
【0068】
従って、この第1発明の液体燃料バーナによれば、蒸発部の内部に供給された液体燃料は蒸発部の内部空間に瞬時に水平に広がり、この水平に広がった液体燃料が発熱部により加熱されて蒸発(気化)することにり、蒸発部の内部では燃料が下側の液相と上側の気相とに分かれて二相状態となるため、液体燃料が蒸発部の内部を閉塞することはなく、従来のように気化して体積膨張した燃料が未気化の液体燃料を押し出すことがないため、安定した気化燃料の発生が可能となる。また、火力(発熱量)を上げるために蒸発部に供給する液体燃料の量を増やした場合にも、液体燃料が瞬時に水平に広がって広がりが大きくなり、安定した気化燃料の発生が維持される。
【0069】
また、第2発明の液体燃料バーナは、第1発明の液体燃料バーナにおいて、前記蒸発部は、水平面内で渦巻くように又は蛇行するように形成した蒸発管を有してなるものであり、前記蒸発管の一端側から前記液状燃料を供給し、前記蒸発管の他端から前記気化燃料を排出するように構成したことを特徴とする。
【0070】
また、第3発明の液体燃料バーナは、第1発明の液体燃料バーナにおいて、前記蒸発部は、水平面内で渦巻くように又は蛇行するように形成した流路を内部空間に有し、前記流路の一端側から前記液状燃料を供給し、前記流路の他端から前記気化燃料を排出するように構成したことを特徴とする。
【0071】
従って、この第2又は第3発明の液体燃料バーナによれば、蒸発管又は流路は水平面内で渦巻くように形成されているため、蒸発管又は流路に供給された液体燃料は蒸発管又は流路の内部空間に瞬時に水平に広がり(蒸発管又は流路の長手方向の下面部に行き渡り)、この水平に広がった液体燃料が発熱部により加熱されて蒸発(気化)するため、蒸発管又は流路の内部では燃料が下側の液相と上側の気相とに分かれて二相状態となる。このため、液体燃料が蒸発管又は流路を閉塞することはなく、従来のように気化して体積膨張した燃料が未気化の液体燃料を押し出すことがないため、安定した気化燃料の発生が可能となる。また、火力(発熱量)を上げるために蒸発管又は流路に供給する液体燃料の量を増やした場合にも、液体燃料が瞬時に水平に広がって液相の存在する領域が長くなり(広がりが大きくなり)、安定した気化燃料の発生が維持される。
【0072】
しかも、渦巻き状の蒸発管又は流路、或いは、蛇行状の蒸発管又は流路とすることにより、液体燃料の流れる方向を規制することができるため、多少水平面の精度が悪くても、確実に液体燃料が水平に広がって上記のような効果を得ることができる。
【0073】
また、第4発明の液体燃料バーナは、第2又は第3発明の液体燃料バーナにおいて、前記発熱部は円板状であり、前記蒸発部は水平面内で同心円状に渦巻くように形成した流路又は蒸発管であることを特徴とする。
【0074】
また、第5発明の液体燃料バーナは、第2又は第3発明の液体燃料バーナにおいて、前記発熱部は矩形板状であり、前記蒸発部は水平面内で蛇行するように形成した流路又は蒸発管であることを特徴とする。
【0075】
従って、この第4又は第5発明の液体燃料バーナによれば、発熱部の形状(円板状又は矩形状)に合わせて、蒸発部は水平面内で同心円状に渦巻くように形成した流路又は蒸発管、或いは、水平面内で蛇行するように形成した流路又は蒸発管となっているため、蒸発部は発熱部によって全体的に効率よく加熱される。
【0076】
また、第6発明の液体燃料バーナは、第1発明〜第5発明の何れか1つに記載の液体燃料バーナにおいて、前記発熱部は、前記気化燃料と空気の混合気体が導入される前記バーナ本体部の予混合室と前記蒸発部との間に設けることにより、前記蒸発部に供給された前記液体燃料を加熱するとともに前記バーナ本体部の予混合室に導入した前記混合気体も加熱するように構成したことを特徴とする。
【0077】
従って、この第6発明の液体燃料バーナによれば、発熱部をバーナ本体部の予混合室と蒸発部との間に設けたことにより、1つの発熱部によって蒸発部での液体燃料の蒸発と予混合室における気化燃料の凝縮防止とを同時に行うことができるため、非常に効率的である。
【0078】
また、第7発明の液体燃料バーナは、第6発明の液体燃料バーナにおいて、前記バーナ本体部は円筒状、前記発熱部は円板状であり、前記蒸発部は水平面内で同心円状に渦巻くよう形成された流路を内部空間に有する、又は、水平面内で同心円状に渦巻くよう形成された蒸発管を有してなるものであることを特徴とする。
【0079】
また、第8発明の液体燃料バーナは、第6発明の液体燃料バーナにおいて、前記バーナ本体部は箱形状、前記発熱部は矩形板状であり、前記蒸発部は水平面内で蛇行するように形成された流路を内部空間に有する、又は、水平面内で蛇行するように形成された蒸発管を有してなるものであることを特徴とする。
【0080】
従って、この第7又は第8発明の液体燃料バーナによれば、バーナ本体部(予混合室)の形状(円筒状又は箱形状)に合わせて、発熱部の形状は円板状又は矩形状となっており、また、この発熱部の形状(円板状又は矩形状)に合わせて、蒸発部は水平面内で同心円状に渦巻くように形成した流路又は蒸発管、或いは、水平面内で蛇行するように形成した流路又は蒸発管となっているため、予混合室及び蒸発部は発熱部によって全体的に効率よく加熱される。
【0081】
また、第9発明の液体燃料バーナは、第1発明〜第8発明の何れか1つに記載の液体燃料バーナにおいて、前記蒸発部の気化燃料排出部には絞りノズルを設け、この絞りノズルによって下流の火炎側の圧力変動が上流の蒸発部へ伝播しないように構成したことを特徴とする。
【0082】
従って、この第9発明の液体燃料バーナによれば、絞りノズルの上流側の圧力を下流側の圧力よりも高くすることができるため、下流の火炎側(火口側)の圧力変動などが上流の蒸発部へ伝播して蒸発部内の圧力が振動することにより蒸発部での液体燃料の蒸発が不安定になる(蒸発部からの気化燃料の流出が変動する)のを防止することができる。
【0083】
また、第10発明の液体燃料バーナは、第1発明〜第9発明の何れか1つに記載の液体燃料バーナにおいて、前記蒸発部から排出された気化燃料の流れを、前記バーナ本体部への供給側と排気側とに切り換える気化燃料の流路切換手段を備えたことを特徴とする。
【0084】
従って、この第10発明の液体燃料バーナによれば、気化燃料の流路切換手段を設けたことによって、液体燃料バーナの起動時や緊急停止を含む停止時には、気化燃料の流路切換手段により流路を排気側に切り換えて気化燃料を排気(バーナ本体部への気化燃料の供給を遮断)することができるため、安定した燃焼や迅速な消火を行うことができる。
【0085】
また、第11発明の液体燃料バーナは、第10発明の液体燃料バーナにおいて、前記気化燃料の流路切換手段は、前記供給側に設けて前記バーナ本体部側から前記蒸発部側への逆流を防止する逆止弁と、前記排気側に設けた2方弁とを有してなることを特徴とする。
【0086】
従って、この第11発明の液体燃料バーナによれば、気化燃料の流路切換手段として逆止弁と2方弁を設けたことにより、液体燃料バーナの起動時や緊急停止を含む停止時には、2方弁を開けて流路を排気側に切り換えることにより気化燃料を排気(バーナ本体部への気化燃料の供給を遮断)することができるため、安定した燃焼や迅速な消火を行うことができる。
【0087】
しかも、耐熱性の点では気化燃料の流路切換手段として3方弁を用いるよりも逆止弁と2方弁とを用いるほうが有利である。即ち、耐熱性の点で3方弁は材質や構造などの制約を受けるのに対し、逆止弁は構造が比較的簡易であるため3方弁程には構造や材質の制約を受けない。このため、逆止弁として従来の一般的な逆止弁を用いても容易に気化燃料の熱に耐えることができ、また、逆止弁での気化燃料の凝縮を防止するために電気ヒータなどによって逆止弁を保温することもできる。また、排気側に設けられた2方弁は、この2方弁を流れる燃料を気化状態に保つ必要がないため、保温などの措置も不用であり、燃料温度が下がった位置に配置することもできるため、3方弁程の構造や材質の制約はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態に係る円筒状の液体燃料バーナの構成図、(b)は前記液体燃料バーナにおけるバーナ本体部の斜視図である。
【図2】前記液体燃料バーナにおける蒸発部の構成図(図1(a)のA方向矢視図)である。
【図3】前記蒸発部における液体燃料の蒸発の様子(気液二相状態から蒸気単相状態になる部分の様子)を示す説明図である。
【図4】(a)は本発明の実施の形態に係る箱形状の液体燃料バーナの構成図、(b)は前記液体燃料バーナにおけるバーナ本体部の斜視図である。
【図5】前記液体燃料バーナにおける蒸発部の構成図(図4(a)のB方向矢視図)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る液体燃料バーナにおける気化燃料の流路切換手段の他の構成図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る液体燃料バーナに備えた蒸発容器の構成を示す斜視図である。
【図8】従来の液体燃料バーナに備えた燃料気化器の概要図である。
【符号の説明】
10 燃料気化器
11 バーナ本体部
12 整流多孔板
12a 孔
13 予混合室
14 火口
15 電気ヒータ
16 電気ヒータ内蔵矩形板
17 蒸発管
17a 一端
17b 他端
18 液体燃料供給管
19 気化燃料排出管
20 絞りノズル
21 3方弁
22 排気管
23 空気供給管
24 気化燃料供給管
25 液相
26 気相
28 火炎
30 燃料気化器
31 バーナ本体部
32 整流多孔板
32a 孔
33 予混合室
34 火口
35 電気ヒータ
36 電気ヒータ内蔵矩形板
37 蒸発管
37a 一端
37b 他端
38 液体燃料供給管
39 気化燃料排出管
40 絞りノズル
41 3方弁
42 排気管
43 空気供給管
44 気化燃料供給管
45 火炎
51 逆止弁
51a 球体
52 2方弁
61 蒸発容器
63 仕切り
64 流路
64a 一端
64b 他端
71 蒸発容器
73 仕切り
74 流路
74a 一端
74b 他端

Claims (11)

  1. 液体燃料を燃料気化器で気化し、この気化燃料に空気を混合した混合気体をバーナ本体部に導入して同バーナ本体部に設けた火口で燃焼させる液体燃料バーナにおいて、
    前記燃料気化器は、内部に供給された前記液体燃料が水平に広がって下側の液相と上側の気相とに分かれるような内部空間を有する蒸発部と、この蒸発部の上面又は下面に配置され同蒸発部を全体的に加熱して前記液体燃料を気化する発熱部とを有してなることを特徴とする液体燃料バーナ。
  2. 請求項1に記載の液体燃料バーナにおいて、
    前記蒸発部は、水平面内で渦巻くように又は蛇行するように形成した蒸発管を有してなるものであり、前記蒸発管の一端側から前記液状燃料を供給し、前記蒸発管の他端から前記気化燃料を排出するように構成したことを特徴とする液体燃料バーナ。
  3. 請求項1に記載の液体燃料バーナにおいて、
    前記蒸発部は、水平面内で渦巻くように又は蛇行するように形成した流路を内部空間に有し、前記流路の一端側から前記液状燃料を供給し、前記流路の他端から前記気化燃料を排出するように構成したことを特徴とする液体燃料バーナ。
  4. 請求項2又は3に記載の液体燃料バーナにおいて、
    前記発熱部は円板状であり、前記蒸発部は水平面内で同心円状に渦巻くように形成した流路又は蒸発管であることを特徴とする液体燃料バーナ。
  5. 請求項2又は3に記載の液体燃料バーナにおいて、
    前記発熱部は矩形板状であり、前記蒸発部は水平面内で蛇行するように形成した流路又は蒸発管であることを特徴とする液体燃料バーナ。
  6. 請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の液体燃料バーナにおいて、
    前記発熱部は、前記気化燃料と空気の混合気体が導入される前記バーナ本体部の予混合室と前記蒸発部との間に設けることにより、前記蒸発部に供給された前記液体燃料を加熱するとともに前記バーナ本体部の予混合室に導入した前記混合気体も加熱するように構成したことを特徴とする液体燃料バーナ。
  7. 請求項6に記載の液体燃料バーナにおいて、
    前記バーナ本体部は円筒状、前記発熱部は円板状であり、前記蒸発部は水平面内で同心円状に渦巻くよう形成された流路を内部空間に有する、又は、水平面内で同心円状に渦巻くよう形成された蒸発管を有してなるものであることを特徴とする液体燃料バーナ。
  8. 請求項6に記載の液体燃料バーナにおいて、
    前記バーナ本体部は箱形状、前記発熱部は矩形板状であり、前記蒸発部は水平面内で蛇行するように形成された流路を内部空間に有する、又は、水平面内で蛇行するように形成された蒸発管を有してなるものであることを特徴とする液体燃料バーナ。
  9. 請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の液体燃料バーナにおいて、
    前記蒸発部の気化燃料排出部には絞りノズルを設け、この絞りノズルによって下流の火炎側の圧力変動が上流の蒸発部へ伝播しないように構成したことを特徴とする液体燃料バーナ。
  10. 請求項1〜請求項9の何れか1項に記載の液体燃料バーナにおいて、
    前記蒸発部から排出された気化燃料の流れを、前記バーナ本体部への供給側と排気側とに切り換える気化燃料の流路切換手段を備えたことを特徴とする液体燃料バーナ。
  11. 請求項10に記載の液体燃料バーナにおいて、
    前記気化燃料の流路切換手段は、前記供給側に設けて前記バーナ本体部側から前記蒸発部側への逆流を防止する逆止弁と、前記排気側に設けた2方弁とを有してなることを特徴とする液体燃料バーナ。
JP2002179433A 2002-06-20 2002-06-20 液体燃料バーナ Pending JP2004020142A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002179433A JP2004020142A (ja) 2002-06-20 2002-06-20 液体燃料バーナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002179433A JP2004020142A (ja) 2002-06-20 2002-06-20 液体燃料バーナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004020142A true JP2004020142A (ja) 2004-01-22

Family

ID=31176830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002179433A Pending JP2004020142A (ja) 2002-06-20 2002-06-20 液体燃料バーナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004020142A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101591317B1 (ko) 버너, 시스템 및 연소 방법
EA001328B1 (ru) Способ и устройство для сжигания жидкого топлива
US20060196968A1 (en) Controlled formation of vapor and liquid droplet jets from liquids
RU2571699C1 (ru) Испарительная горелка для мобильного отопительного устройства
RU2642909C1 (ru) Испарительная горелка для мобильного обогревательного устройства, работающего на жидком топливе
US4927353A (en) Catalytic combustion device
JP2010518353A (ja) 液体を蒸発させるための装置
JPWO2014024944A1 (ja) 排気浄化装置用バーナー
JPH0384303A (ja) 液体燃料気化装置
US8573966B2 (en) Combustion apparatus
US6520769B2 (en) Warm-up apparatus for fuel evaporator
JP2004020142A (ja) 液体燃料バーナ
JP3804436B2 (ja) 改質装置
JP2010266160A (ja) 燃焼装置
JPH0473503A (ja) 蒸発式バーナ
JP2002211905A (ja) 水素生成器
JPS5956011A (ja) 液体燃料燃焼装置
WO2010110147A1 (ja) 灯油気化器
JP2662978B2 (ja) 燃料燃焼装置
JP2001247301A (ja) 燃料改質器
JPS611908A (ja) 液体燃料燃焼装置
JPS6319700Y2 (ja)
JPH11211015A (ja) 冷媒加熱器、室外機ユニットおよび空気調和機
JP4292443B2 (ja) 燃焼装置
JPS6137524B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080304