JP2004019631A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】三次元カム18を有するカムシャフト17は、その回転により内燃機関の燃焼室に連通するポートを開閉するバルブ12の往復動を駆動する。電動アクチュエータ20は、軸方向に変位する出力軸27を有し、軸受28を介して連結されたカムシャフト17をその軸方向に変位させてバルブ12の動弁特性を可変とする。電動アクチュエータ20は、フレーム21内に装着された励磁コイル22とその内周側に回転自在に支持された回転子24を有する。回転子24は、励磁コイル22への通電に応じて回動してボールねじ26を軸方向に変位させるとともに、ボールねじ26のボールの移動を拘束する拘束機構29を備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関バルブの動弁特性を可変とする内燃機関の可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の動弁装置として、該機関の機関バルブ(吸排気バルブ)のリフト量や作用角等、その動弁特性を変化させることのできる可変動弁装置が知られている。こうした可変動弁装置は、たとえばカムシャフトが軸方向に変位するとバルブを開閉駆動するカムのプロフィールが変化する三次元カムを用いることにより実現される。また、たとえば、カムシャフトとともに回転するカムの回転運動を揺動カムを介して機関バルブに伝達するとともに、それらカムおよび機関バルブと揺動カムとの相互の作動態様をコントロールシャフトの軸方向の変位によって変更する構成の可変動弁装置も知られている(たとえば、特開2001−263015号公報参照)。そして、上記各構成の可変動弁装置を備えた内燃機関では、機関バルブの動弁特性を変更することができるため、機関燃焼室に送り込む空気量等をきめ細かく調整して、機関の稼働状態を自由度高く制御することが可能になる。
【0003】
なお従来、上記動弁特性を変化させるためのシャフトの軸方向への変位機構としては、油圧装置を用いたものが知られているが、電気モータ等を用いて構成された電動アクチュエータによるものも提案されている(たとえば特開平7−269319号公報参照)。こうした電動アクチュエータを利用してシャフトを軸方向に変位させる機構は、該電動アクチュエータへの給電態様を通じて上記カムシャフトやコントロールシャフトの軸方向の位置を制御できるため、油圧装置を利用したものと比較して制御性や応答性に優れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記シャフトを軸方向に変位させる機構を有して構成された可変動弁装置にあって、機関バルブの動弁特性を所望に維持すべく同シャフトの軸方向における位置を保持するためには、電動アクチュエータに対する持続的な通電が必要となる。
【0005】
ところが、こうした電動アクチュエータに対して持続的な通電を行うと、その通電を行っている期間にわたって、所定量の電力消費が余儀なくされることにもなる。この電力は通常、バッテリや発電機などから供給されるため、上記電動アクチュエータに対する持続的な通電はバッテリの蓄電量を消耗させたり、発電機に負荷をかけたりする。したがって、発電機の駆動(バッテリの充電)のための動力源として内燃機関が用いられる場合には、該内燃機関の燃費の悪化を招いてしまうことになる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動アクチュエータによるシャフトの軸方向への変位に基づいて機関バルブの動弁特性を変更せしめる機構を採用しつつも、同機構における電力消費の好適な抑制を図ることのできる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段およびその作用効果について記載する。請求項1に記載の発明は、内燃機関の吸、排気ポートを開閉する機関バルブのうちの少なくとも一方の動弁特性を、電動アクチュエータによってシャフトをその軸方向に変位させることで可変とする内燃機関の可変動弁装置として、前記シャフトの軸方向への変位を任意の位置で機械的に保持する保持機構を備えることをその要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、上記機関バルブの動弁特性を可変とするシャフトの軸方向の位置を機械的に保持することができるため、上記保持機構によってシャフトの保持が行われている期間には、上記電動アクチュエータによる保持が不要となる。このため、この期間にわたっての電動アクチュエータに対する給電の停止が可能になる。これにより、上記保持機構による保持期間には、電力を消費することなく上記機関バルブの動弁特性を所望に維持することができるようになる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記電動アクチュエータは、ボールねじに螺合される回転子を有し、該回転子の電磁的な回転に基づいて前記シャフトを軸方向に変位せしめるものであり、前記保持機構は、前記ボールねじに対する前記回転子の回転を選択的に拘束する拘束機構として構成されてなることをその要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、上記ボールねじとこれに螺合される回転子との相対回転に基づいて上記シャフトが軸方向に変位されるとともに、そのボールねじに対する回転子の回転が上記拘束機構によって選択的に拘束される。このため、シャフトの軸方向の位置が、より小さな保持力によって選択的に保持される。これにより、上記保持機構が、寸法的により小さく具現化されるようになる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記拘束機構が、前記回転子側から前記ボールねじに設けられたボール溝に突出して該ボール溝内でのボールの移動を阻止するストッパを備えて構成されることをその要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、上記拘束機構として上記ボールねじに対する回転子の回転を確実に拘束することができるようになる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記電動アクチュエータは、ジャーナル軸受に軸支された出力軸の軸方向への駆動にともなって前記シャフトをその軸方向に変位せしめるものであり、前記保持機構は、前記ジャーナル軸受に配されて前記出力軸の軸方向への駆動を拘束する拘束機構として構成されてなることをその要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、上記保持機構が、上記電動アクチュエータの出力軸を軸支するジャーナル軸受に配されて該出力軸の軸方向への変位を拘束する拘束機構として構成される。このため、上記保持機構が、簡素な構成により実現されるようになる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記拘束機構は、前記ジャーナル軸受にあって前記出力軸との対向面に埋設されたストッパと、該ストッパによる前記出力軸の拘束および解放を切り替える切替手段とを備えて構成されることをその要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、上記拘束機構として上記出力軸の拘束および開放を的確に切り替えることができるようになる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記切替手段はピエゾ素子を有して構成され、該ピエゾ素子への印加電圧に応じたピエゾ素子の伸張と縮退とによって前記ストッパによる前記出力軸の拘束および解放を切り替えることをその要旨とする。
【0016】
上記構成によれば、上記ストッパによる出力軸の拘束および開放の切り替えが応答性よくかつ制御性よく行われるようになる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記保持機構によって前記シャフトの保持が行われている期間は、前記電動アクチュエータに対する給電を停止するようにしたことをその要旨とする。
【0017】
上記構成によれば、上記保持機構による保持が必要最小限の電力消費にて実現されるようになる。
そして、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記保持機構による保持の解除に際し、該保持の解除に先だって前記電動アクチュエータに対する前記シャフトの変位指令が出力されることをその要旨とする。
【0018】
上記構成によれば、上記保持機構による保持の解除に際し、シャフトの変位が機関バルブのストロークに及ぼす影響を軽減することができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置を車載内燃機関の可変動弁装置に具体化した第1の実施の形態について図1〜図4を使って説明する。
【0020】
上記内燃機関は、シリンダヘッドに燃焼室へと連通する吸気用および排気用のポートを備えている。そして、それら吸排気の各ポートに対応して上下方向に往復動可能にバルブが支持されている。これら各バルブの動弁特性は各々に対応したカムの形状により決定されそのカムの取り付けられているカムシャフトの回転にともなって上記ポートの開閉が行われる。本実施の形態に例示する可変動弁装置はそのカムシャフトに連結されて、上記動弁特性を可変とするものである。
【0021】
図1は、上記可変動弁装置を上記バルブ周辺の駆動機構とともに例示する部分断面図である。図1に示されるように、シリンダヘッド11にはバルブ12が上下方向へ往復動可能に支持されている。バルブ12の上端部にはリテーナ13が装着されており、このリテーナ13をバルブスプリング14が図1における上方に付勢している。そして、バルブ12の上部には直打式のバルブリフタ15が配設されて、そのバルブリフタ15の頂部に形成された隆起部15aには、半割り円柱状をなすカムフォロア16が揺動可能に嵌合されている。
【0022】
さらに、シリンダヘッド11において、バルブ12の上方には、カムを有するカムシャフト17が、回転可能かつ軸方向(図1の左右方向)へ往復動可能に支持されている。ここで、このカムの少なくとも一部は、カムシャフト17の軸方向にカムプロフィールが変化する三次元カム18として構成されている。この三次元カム18は、カム軸方向についての一端(図1の左端)から他端(図1の右端)にかけて最大バルブリフト量を順次増加させるカムプロフィールを有して、上述したカムフォロア16に当接している。
【0023】
上記バルブ12の往復動を駆動するために、カムシャフト17の一方の端部(図示しない左端)には、タイミングベルト(図示略)により内燃機関のクランク軸に駆動連結されたタイミングプーリ(図示略)が設けられてカムシャフト17を駆動している。この駆動力によりカムシャフト17が回転すると、カムによる押圧力がバルブスプリング14の付勢力に抗してカムフォロア16を押し下げ、バルブ12が開弁されてポートが開く。このときのバルブの押し下げ量は、三次元カム18において、カムフォロア16が当接する箇所のカムプロフィールに応じて変化する。このため、バルブ12の動弁特性を可変とすることができる。
【0024】
上記三次元カム18を用いたバルブ12の動弁特性を可変とするために、カムシャフト17の他方の端部(右端)にはカムシャフト17を軸方向に変位させる電動アクチュエータ20が設けられている。そして、図示しない電子制御装置が内燃機関の回転速度等の稼働状態に応じた変位指令をこの電動アクチュエータ20に対して出力することにより、上記動弁特性が所望に制御される。
【0025】
上記電動アクチュエータ20にあっては、フレーム21がシリンダヘッド11に固定され、そのフレーム21の内壁に励磁コイル22が装着されている。それに対応して励磁コイル22の内周部には、永久磁石23を備えた回転子24が軸受25によって回動可能に支持されている。この回転子24はその中心軸部分にボールねじ26および該ボールねじ26と螺合してこれを支持するナット31を有している。そして、そのボールねじ26の一方の端部(右端)が軸受部33を介してフレーム21に固定されて、他方の端部(左端)が電動アクチュエータ20としての出力軸27を構成している。
【0026】
上記構成の電動アクチュエータ20にあって、励磁コイル22に流れる励磁電流の変化に応じて回転子24が回動すると、その回転子24の回動がボールねじ26の軸方向の変位として出力軸27を駆動する。そして、出力軸27の端部が軸受28を介してカムシャフト17に連結されてカムシャフト17の自由回転が許可されるとともに、同出力軸27の軸方向への変位を可能としている。
【0027】
ところで、本実施の形態において、上記電動アクチュエータ20の回転子24には、ボールねじ26を拘束する拘束機構29が埋設されている。この拘束機構29は、ボールねじ26に設けられたボール溝26a内でのボールの移動を阻止する。そして、この拘束機構29によってボールの移動が阻止されている場合にはボールねじ26が回動することができず、したがって出力軸27の軸方向の位置も固定される。以下、上記動作について、拘束機構29とその周辺部の構成を拡大して例示する図2および図3を使って説明する。
【0028】
図2は、ボールねじ26が拘束機構29に拘束されることなく自由に回動して軸方向に変位できる状態を示している。図2に示されるように、拘束機構29は、ボールねじ26およびこれと螺合されるナット31の間のボール30の移動を阻止するストッパ41と、そのストッパ41の突出動作に対応して動作するストッパ掛止部42とを有して構成されている。これらストッパ41およびストッパ掛止部42は、回転子24のボールねじ26側に形成された溝43aおよび溝43bにそれぞれ埋設されている。また、ボールねじ26に設けられたボール溝26aとともにボール30の移動を案内するナット31には、ボール30を隣接するピッチ間で移動させる案内通路34が設けられている。これにより、ボール30は、ボールねじ26の外周に沿った終端のないボール溝26aおよび案内通路34に留まってナット31から脱落することなく移動可能になるとともに、ボールねじ26が軸方向に移動する。
【0029】
上記ストッパ41は、電磁石51、スプリング52、および突出部材53が、溝43aの深さ方向にこの順に収容されて構成される。ここで、突出部材53は磁性体により構成されており、溝43aおよびスプリング52の形状に対応して形成された部材がボールねじ26と対向する部分に、板状の部材(じゃま板)やピン状の部材が突出部53aとして設けられてなる。上記突出部材53は、ボール30の移動を阻止すべく、ナット31のボール溝26aに対応する部分に設けられた孔32に突出部53aが挿入されるようにしている。そして、この突出部材53によるボール30の移動の阻止動作を切り替えるために、スプリング52がこの突出部材53をボールねじ26側に常時付勢する一方、電磁石51はそのコイル(図示略)への励磁電流に応じて突出部材53を吸引してこれをボール溝26aから引き抜く。なお、突出部材53の上端部53bはその上端部に向けて末広がりの形状を有し、電磁石51による吸引力が突出部材53に対して十分作用するようにしている。
【0030】
上記構成において、電磁石51のコイルに対する通電がなされると、突出部材53が電磁石51に吸引されて突出部53aが引き上げられ、ボールねじ26のボール30がボール溝26aに沿って移動できるようになる。このため、励磁コイル22の励磁状態に対応して回転子24が回転可能となり、ボールねじ26の軸方向の変位が許可される。また、電磁石51のコイルに対する通電が遮断されると、突出部材53の突出部53aがボール溝26aに突出してボール30の移動を阻止する。このため、回転子24が拘束されて回転不能になり、ボールねじ26の軸方向の位置が保持される。
【0031】
また、上記ストッパ41による突出動作に対応して動作するストッパ掛止部42は、電磁石61、スプリング62、および磁性体からなる爪状部材63が、溝43bの水平方向に収容されて構成される。そして、スプリング62が爪状部材63を突出部材53側に常時付勢する一方、電磁石61のコイル(図示略)に対して励磁電流が通電されると、爪状部材63が電磁石61に吸引されてその先端部63aが溝43aから引き抜かれ、突出部材53の突出動作を許可する。また、電磁石61のコイルに対する通電が遮断されると、爪状部材63がその先端部63aを溝43aに突き出す。このとき、突出部材53が電磁石51に吸引された状態にあると、爪状部材63の先端部63aが突出部53aのつけ根部分53cを掛止して突出部材53によるボール溝26aに対する突出動作が禁止される。
【0032】
図2においては、爪状部材63の先端部63aが突出部材53を掛止してボール30の移動の阻止を禁止し、回転子24の回転すなわちボールねじ26の軸方向の移動を許可している状態を例示している。この状態において、突出部材53と爪状部材63とは互いに掛止し合った態様となるため、電磁石51のコイルおよび電磁石61のコイルのいずれに対しても通電する必要はない。
【0033】
一方、図3においては、爪状部材63の先端部63aが突出部材53を掛止しておらず、突出部53aがボール溝26aに突き出してボール30の移動を阻止するため、回転子24が回動することができない。したがってボールねじ26が拘束されて出力軸27の位置が保持される(図1参照)。この状態においても、上記図2に例示した状態と同様、電磁石51および電磁石61はそれぞれ突出部材53および爪状部材63を吸引しなくてもよいためそれらに対応するコイルのいずれに対しても通電する必要はない。
【0034】
このようなストッパ41とストッパ掛止部42とを有して構成される拘束機構29が、図4に例示するタイミングチャートにしたがって動作されて、カムシャフト17の軸方向への変位、ひいてはバルブ12の動弁特性の変更が行われる。なお、以下に示す処理は内燃機関の稼働状態等を制御する上述の電子制御装置およびその指令を受けた駆動回路によってなされる(いずれも図示略)。
【0035】
図4に示されるように、まず、拘束機構29は初期状態として図3に示した状態にあり、拘束機構29による拘束動作によって保持されたカムシャフト17の位置に対応した動弁特性にてバルブ12がポートの開閉動作を行っている。この状態においては、上述したように励磁コイル22、電磁石51のコイル、および電磁石61のコイルのいずれに対しても通電されていない(図4(b)〜(d)の時刻t10以前)。ここで、時刻t10において、バルブ12の動弁特性の変更を指示する作動指令が出される(図4(a))。これに応じてボールねじ26の位置を決定する励磁電流が励磁コイル22に対して出力される(図4(b))。さらに、電磁石61のコイルおよび電磁石51のコイルに対してこの順に励磁電流が出力される(順に図4(c)、(d))。これにより、爪状部材63の先端部63aが突出部材53から離隔するとともに、突出部材53がボール溝26aから引き抜かれ、ボールねじ26の軸方向の移動が許可された状態となる。こうして、軸方向に移動の許可されたボールねじ26は、上記励磁コイル22への励磁電流に応じた回転子24の回動にともなって移動し、カムシャフト17が所望の位置に変位する(図4(e))。そののち、時刻t10から所定時間が経過した時刻t11に、電磁石61のコイルおよび電磁石51のコイルへの励磁電流がこの順に遮断される(順に図4(c)、(d))。これにより、突出部材53が、爪状部材63の先端部63aによって掛止されてボールねじ26から離隔した態様に維持されて、図2に示した状態となる。なお、この期間T12にもカムシャフト17の所望の位置への変位は行われている(図4(e))。
【0036】
つぎに、上記カムシャフト17の所望の位置への変位が完了するに十分な時間が経過した時刻t12において、上記バルブ12の動弁特性の変更を指示する作動指令がクリアされる(図4(a))。これに応じて、電磁石51のコイルおよび電磁石61のコイルへの励磁電流がこの順に遮断される(順に図4(d)、(c))。そののち、時刻t12から所定時間が経過した時刻t13において、電磁石51のコイルおよび電磁石61のコイルへの励磁電流がこの順に遮断される(順に図4(d)、(c))。これにより、突出部材53の突出部53aがボール溝に突き出してボール30の移動を阻止する。したがって、回転子24が回転できず、ボールねじ26が拘束される(図3参照)。すなわちカムシャフト17は所望された新たな位置に変位してその位置が機械的に保持される。また一方で、励磁コイル22への励磁電流も遮断される(図4(b))。
【0037】
以上説明したように、この第1の実施の形態にかかる内燃機関の可変動弁装置によれば、以下のような効果を得ることができるようになる。
(1)カムシャフト17の軸方向における位置を保持する保持手段を設けている。このため、カムシャフト17の位置を変位させる電動アクチュエータ20について、同カムシャフト17の位置を保持するために必要な励磁コイル22への通電を遮断することができる(図4(b)の期間T10およびT14)。これにより、可変動弁装置として動作するために必要となる電力を抑制することができるようになる。
【0038】
(2)カムシャフト17の軸方向における位置を保持する保持手段を、電動アクチュエータ20が備えるボールねじ26のボール30の移動を阻止するストッパ41を有する拘束機構29として構成している。このため、カムシャフト17の位置を比較的小さい力にて確実に保持することができるようになる。また、拘束機構29がより小さな寸法にて具現化されるようになる。
【0039】
(3)ストッパ41を構成する突出部材53は、ボールねじ26のボール溝26aに突出部53aを突出してボール30の移動を阻止する。このため、ボールねじ26を確実に拘束することができる。
【0040】
(4)上記拘束機構29は、ストッパ41を構成する突出部材53のボール溝26aへの突出動作を禁止するストッパ掛止部42を有する。これにより、ボールねじ26を拘束する期間T10および期間T14(図4参照)にくわえて、解放すべき期間T12にあってもその期間に突出部材53を電磁石51側に吸引するための励磁電流を遮断することができる(図4(c)および(d)の期間T12)。したがって、可変動弁装置を動作するために必要となる電力消費をいっそう抑制することができるようになる。
【0041】
(5)カムシャフト17をその軸方向に変位させる指令、すなわち回転子24を回転させる励磁コイル22への励磁電流が、拘束機構29によるボールねじ26の解放に先だって出力される。このため、カムシャフト17の変位動作がより円滑に行われ、同変位動作に起因するバルブ12のストローク(往復動)の妨げが低減される。
【0042】
(6)可変動弁装置を駆動する電動アクチュエータ20における電力消費が抑制されるため、車両としての燃費の向上が図られる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置を同じく車載内燃機関の可変動弁装置に具体化した第2の実施の形態について、上述の第1の実施の形態と相違する部分を中心に図5〜図7を使って説明する。
【0043】
この第2の実施の形態においても、内燃機関の燃焼室に連通する吸排気ポートがシリンダヘッドに設けられ、それら吸排気の各ポートに対応して上下方向に往復動可能にバルブが支持されている。そして、これら各バルブに付与される動弁特性に対応した形状のカムがカムシャフトに設けられ、そのカムシャフトの回転によりバルブの往復動が駆動されて上記ポートの開閉が行われる。本実施の形態に例示する可変動弁装置についても、上記カムシャフトに連結されて動弁特性を可変とすることは、先の第1の実施の形態と同様である。また、カムシャフトの回転にともない3次元カムが回転してバルブが往復動する機構、およびカムシャフトが電動アクチュエータによりその軸方向に変位せしめられてバルブの動弁特性が変更される機構についても第1の実施の形態と同様であるため、ここではそれら動作についての説明を割愛する。
【0044】
図5は、本実施の形態の可変動弁装置を上記バルブ周辺の駆動機構とともに部分的に例示する断面図である。この図5に示される電動アクチュエータ70も、フレーム21に励磁コイル22が装着されるとともに、軸受25を介してフレーム21に支持される回転子35の中心軸にボールねじ26を有している。そしてこれらが、基本的には第1の実施の形態にて例示した電動アクチュエータ20と同様に動作して、出力軸71に軸受28を介して連結されたカムシャフト17を軸方向に変位させる。ただし、この電動アクチュエータ70の回転子35には上述した拘束機構29が埋設されていない。それに代わって、この電動アクチュエータ70には、出力軸71がその軸方向の位置を保持できるように、出力軸71を直接拘束する拘束機構72が設けられている。
【0045】
本実施の形態においては、拘束機構72がジャーナル軸受73に埋設されて構成されている。このジャーナル軸受73の上記出力軸71との対向面には溝74が形成され、この溝74にピエゾ素子75およびストッパ76がこの順に埋設されて構成されている。図6は、図5のA−A’線を通り出力軸71の軸方向に垂直な断面を示しており、ストッパ76の出力軸71との対向面は同出力軸71表面の曲率に対応した形状を有している。また、ピエゾ素子75は、図示しない電子制御装置からの指令に応じて同素子75に電圧を印加する駆動電源が接続されており(図示略)、所定電圧の印加により溝74の深さ方向に縮退するとともにその電圧の印加を遮断すると同方向に伸張する。
【0046】
上記構成にあって、ピエゾ素子75に所定電圧が印加されていない状態においては、ピエゾ素子75が伸張してストッパ76を出力軸71に押圧して、出力軸71を拘束する。また、ピエゾ素子75に所定電圧を印加すると、ピエゾ素子75が縮退して出力軸71が解放されて軸方向への変位が可能となる。このとき、電動アクチュエータ70が動作するとそれに応じて出力軸71に連結されたカムシャフト17が軸方向に変位する。
【0047】
このようなピエゾ素子75とストッパ76とを有して構成される拘束機構72が、図7に例示するタイミングチャートにしたがって動作されてカムシャフト17の軸方向への変位、ひいてはバルブ12の動弁特性の変更が行われる。なお、以下に示す処理が内燃機関の稼働状態等を制御する上述の電子制御装置およびその指令を受けた駆動回路によってなされる(いずれも図示略)ことは、先の第1の実施の形態と同じである。
【0048】
図7に示されるように、まず、拘束機構72は初期状態として出力軸71を拘束した状態にあり、拘束機構72の拘束動作により軸方向の位置が保持されたカムシャフト17の位置に対応して、バルブ12が所定の動弁特性にて動作している。この状態においては、ピエゾ素子75に対する電圧印加はなされておらず、同素子75が伸張してストッパ76がカムシャフト17に押圧されている(時刻t20以前)。ここで、時刻t20において、バルブ12の開閉特性の変更を指示する作動指令が出される(図7(a))。これに応じてボールねじ26の位置を決定する励磁コイル22に対して励磁電流が出力される(図7(b))。ひきつづき、ピエゾ素子75に所定電圧が印加される(図7(c))。これにより、ピエゾ素子75が縮退してカムシャフト17に対するストッパ76の押圧が解除されて、ボールねじ26の軸方向の移動が許可された状態となる。こうして、軸方向に移動の許可されたボールねじ26は、上記励磁コイル22への励磁電流に応じた回転子35の回動にともなって変位し、これによりカムシャフト17が所望の位置に変位する(図7(d))。
【0049】
つぎに、上記カムシャフト17の所望の位置への変位が完了するに十分な時間が経過した時刻t21において、上記バルブ12の開閉特性の変更を指示する作動指令がクリアされる(図7(a))。これに応じて、ピエゾ素子75に印加されている電圧が遮断される(図7(c))。これにより、ピエゾ素子75が伸張してストッパ76がカムシャフト17を押圧して、ボールねじ26が拘束される。すなわちカムシャフト17は所望された新たな位置に変位したまま保持される。そして、励磁コイル22への励磁電流が遮断される(図7(b))。
【0050】
以上説明したように、この第2の実施の形態にかかる内燃機関の可変動弁装置によれば、以下のような効果を得ることができるようになる。
(7)カムシャフト17の軸方向における位置を保持する保持手段を設けている。このため、カムシャフト17の位置を変位させる電動アクチュエータ70について、同カムシャフト17の位置を保持するために必要な励磁コイル22への通電を遮断することができる(図7(b)の期間T20およびT22)。これにより、可変動弁装置として動作するために必要となる電力消費を抑制することができるようになる。
【0051】
(8)電動アクチュエータ70の出力軸71を直接拘束するために、出力軸71を軸支するジャーナル軸受73に、ピエゾ素子75を用いて出力軸71に対する押圧態様を変化させるストッパが設けられている。このため、電動アクチュエータ70の出力軸71に対する拘束機構72を簡素な構成にて実現することができる。また、カムシャフト17の軸方向における変位の禁止と許可とがピエゾ素子75を用いて応答性よく切り替えられるため、カムシャフト17の変位動作がより円滑に行われてバルブ12のストローク(往復動)の妨げとなる要因が低減される。
【0052】
(9)カムシャフト17をその軸方向に変位させる指令、すなわち回転子35を回転させる励磁コイル22への励磁電流が、拘束機構72による出力軸71の解放に先だって出力される。このため、出力軸71に連結されたカムシャフト17の変位動作がより円滑に行われ、バルブ12のストローク(往復動)の妨げとなる要因が低減される。
【0053】
(10)可変動弁装置を駆動する電動アクチュエータ70における電力消費が抑制されるため、車両としての燃費の向上が図られる。
(その他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は以下のように変更して実施してもよい。
【0054】
・上記第1の実施の形態においては、拘束機構29が、ストッパ41のボール溝26aに対する突出を掛止するストッパ掛止部42を備える場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。ストッパ掛止部42は必ずしも必要ではなく、拘束機構29がストッパ掛止部42を備えない構成にあっても第1の実施の形態に準じた電力消費の抑制効果を得ることができる。この場合、電磁石51のコイルに対する励磁電流の通電タイミングは、たとえば第2の実施の形態の図7において例示したピエゾ素子75に対する電圧印加タイミングに準じたものとすればよい。
【0055】
・上記第2の実施の形態においては、ストッパ76と電動アクチュエータ70の出力軸71との接触面の少なくとも一方に適宜、凹凸を設けてもよい。これにより、拘束機構72として出力軸71に対する拘束力が増大し、カムシャフト17の位置をより確実に保持することできるようになる。
【0056】
・上記第2の実施の形態においては、電動アクチュエータ70がボールねじ26を有して構成されたものである場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。同電動アクチュエータ70がカムシャフト17を軸方向に変位させる機構は他の構成により具現化されていてもよい。
【0057】
・上記各実施の形態においては、各出力軸を拘束する拘束機構が一箇所に設けられる場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、適宜、任意数の拘束機構がそれぞれ適切な箇所に設られる構成であってもよい。
【0058】
・上記各実施の形態においては、カムシャフト17をその軸方向に変位させる指令が、カムシャフト位置の保持の解除に先だって出力される場合について説明したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。カムシャフト17の位置の変位に際して、バルブ12のストロークの妨げが問題とならない場合等にあっては、必ずしも上記手順によらなくともよい。
【0059】
・上記各実施の形態においては、カムシャフト17の軸方向の保持位置が連続的に変更可能な場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、カムシャフト17の保持位置が段階的に変更可能な構成であってもよい。
【0060】
・上記各実施の形態においては、バルブ12の動弁特性を変更する機構として三次元カム18を利用する場合について例示したが、本発明は必ずしもこの構成に限定されるものではない。三次元カム18に限らず、たとえば揺動カムを有して構成される可変動弁装置によって機関バルブの動弁特性が変更される機構であってもよい。
【0061】
図8は、上記揺動カムを有して構成される可変動弁装置の概略構成を部分的に例示する断面図である。図8に示されるように、この可変動弁装置は、内燃機関102のシリンダヘッド108に配設されて、吸気ポート114aを開閉する吸気バルブ112aを駆動する。この吸気バルブ112aを駆動するために、内燃機関から動力を受けるカムシャフト145には所定形状のカム145aが取り付けられて、その回転により支持パイプ130に軸支された仲介駆動機構120の揺動運動が駆動される。この揺動運動がロッカアーム113を介してバルブ112aの往復運動として伝達される。仲介駆動機構120は、カム145aにその周面が着接されつつ回転するローラ122fを軸支して揺動するローラ部122と、これと所定の相対角度を保ちながら連動して揺動する揺動カム126とが、各々後述のスライダギアを介してシリンダヘッド108に固定された支持パイプ130に支持されている。バルブ112aの動弁特性は、これらローラ部122と揺動カム126とがなす相対角度を変更することによって可変とされる。
【0062】
図9は、上記ローラ部122と揺動カム126との相対角度を変更する機構を拡大して例示する斜視図である。図9に示されるように、ローラ部122および揺動カム126は、その内周に各々ヘリカルスプライン122bおよび126bが互いに逆向きとなるように形成されている。そしてそれらが、それら各々に対応して配設されたスライダギア128と咬合する。これらは互いに咬合された態様にて支持パイプ130に回動自在に軸支されている。また、支持パイプ130には、コントロールシャフト132が貫通する。コントロールシャフト132は係止ピン132aを有し、その係止ピン132aが支持パイプ130に軸方向に形成された長孔130aとスライダギア128に周方向に形成された長孔128gとに掛合するように組み立てられている。すなわち、コントロールシャフト132が長孔130aに沿って軸方向に摺動すると、スライダギア128が長孔128gに沿って回動する。これにより、ローラ部122およびこれと逆向きのヘリカルスプラインに咬合された揺動カム126が互いに逆向きに回動して、ローラ部122と揺動カム126との相対角度が変更される。こうして、コントロールシャフト132が、支持パイプ130に対して回動も回転もすることなく軸方向に摺動することによって、ローラ部122と揺動カム126との相対角度が変更され、ひいてはバルブ112aの動弁特性が可変とされる。
【0063】
なお、このようなコントロールシャフトの軸方向の摺動動作に基づき揺動カムの揺動量を変更することによって機能する可変動弁装置については、上述した特開2001−263015号公報において詳しい。
【0064】
上述した説明から明らかなように、上記コントロールシャフトは回動をともなうことなく動作する。このため、このコントロールシャフトを有して構成される可変動弁装置にあっては、シャフトの自由回転を許可する連結機構を介することなく上記各実施の形態に例示した保持機構を連結することができる。
【0065】
さらに、上述の三次元カムや揺動カムを有して構成された可変動弁装置に限らず、内燃機関の吸排気ポートを開閉する機関バルブのうちの少なくとも一方の動弁特性が、電動アクチュエータによってシャフトをその軸方向に変位させることで可変とされる他の可変動弁装置に対しても、本発明を広く適用することができる。
【0066】
・上記各実施の形態においては、本発明を車載内燃機関の可変動弁装置に具体化する場合について例示したが、必ずしもこの構成に限定されるものではない。上記(6)や(10)に記載の効果を特に必要としない場合にあっては、車載内燃機関に限らず他の内燃機関についても本発明を広く適用することができる。
【0067】
このほか、上記第1および第2の実施の形態およびその変形例から把握することができる技術思想を、その技術思想から得られる作用効果とともに以下に記載する。
【0068】
(1)前記シャフトが同シャフトの軸線方向にカムプロフィールの変化する三次元カムが組み付けられたカムシャフトであり、前記電動アクチュエータは、ボールねじに螺合される回転子を有し、該回転子の電磁的な回転に基づいて前記カムシャフトを軸方向に変位せしめるようにカムシャフトの自由回転を許容する連結機構を介して同カムシャフトに連結されており、前記保持機構は、前記ボールねじに対する前記回転子の回転を選択的に拘束する拘束機構として構成されてなる請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0069】
前記(1)の構成によれば、上記ボールねじとこれに螺合される回転子との相対回転に基づいて、カムシャフトの自由回転が許容されつつ同カムシャフトが軸方向に変位されるとともに、そのボールねじに対する回転子の回転が上記拘束機構によって選択的に拘束される。このため、カムシャフトの軸方向の位置が、より小さな保持力によって選択的に保持される。これにより、上記保持機構が、寸法的により小さく具現化されるようになる。
【0070】
(2)前記シャフトが、前記機関バルブを駆動する揺動カムの揺動量をその軸線方向の変位量に応じて変更するコントロールシャフトであり、前記電動アクチュエータは、ボールねじに螺合される回転子を有し、該回転子の電磁的な回転に基づいて前記コントロールシャフトを軸方向に変位せしめるように同コントロールシャフトに連結されており、前記保持機構は、前記ボールねじに対する前記回転子の回転を選択的に拘束する拘束機構として構成されてなる請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0071】
前記(2)の構成によれば、上記ボールねじとこれに螺合される回転子との相対回転に基づいてコントロールシャフトが軸方向に変位されるとともに、そのボールねじに対する回転子の回転が上記拘束機構によって選択的に拘束される。このため、コントロールシャフトの軸方向の位置が、より小さな保持力によって選択的に保持される。これにより、上記保持機構が、寸法的により小さく具現化されるようになる。
【0072】
(3)前記拘束機構が、前記回転子側から前記ボールねじに設けられたボール溝に突出して該ボール溝内でのボールの移動を阻止するストッパを備えて構成される前記(1)または(2)に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0073】
前記(3)の構成によれば、上記拘束機構として上記ボールねじに対する回転子の回転を確実に拘束することができるようになる。
(4)前記シャフトが同シャフトの軸線方向にカムプロフィールの変化する三次元カムが組み付けられたカムシャフトであり、前記電動アクチュエータは、ジャーナル軸受に軸支された出力軸がカムシャフトの自由回転を許容する連結機構を介して同カムシャフトに連結されるとともに、前記出力軸の軸方向への駆動にともなって前記カムシャフトをその軸方向に変位せしめるものであり、前記保持機構は、前記ジャーナル軸受に配されて前記出力軸の軸方向への駆動を拘束する拘束機構として構成されてなる請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0074】
前記(4)の構成によれば、上記保持機構が、カムシャフトの自由回転が許容される電動アクチュエータの出力軸を軸支するジャーナル軸受に配されて、該出力軸の軸方向への変位を拘束する拘束機構として構成される。このため、上記保持機構が、簡素な構成により実現されるようになる。
【0075】
(5)前記シャフトが、前記機関バルブを駆動する揺動カムの揺動量をその軸線方向の変位量に応じて変更するコントロールシャフトであり、前記電動アクチュエータは、ジャーナル軸受に軸支された出力軸が前記コントロールシャフトに連結されるとともに、前記出力軸の軸方向への駆動にともなって前記コントロールシャフトをその軸方向に変位せしめるものであり、前記保持機構は、前記ジャーナル軸受に配されて前記出力軸の軸方向への駆動を拘束する拘束機構として構成されてなる請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0076】
前記(5)の構成によれば、上記保持機構が、電動アクチュエータの出力軸を軸支するジャーナル軸受に配されて、該出力軸の軸方向への変位を拘束する拘束機構として構成される。このため、上記保持機構が、簡素な構成により実現されるようになる。
【0077】
(6)前記拘束機構は、前記ジャーナル軸受にあって前記出力軸との対向面に埋設されたストッパと、該ストッパによる前記出力軸の拘束および解放を切り替える切替手段とを備えて構成される前記(4)または(5)に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0078】
前記(6)の構成によれば、上記拘束機構として上記出力軸の拘束および開放を的確に切り替えることができるようになる。
(7)前記切替手段はピエゾ素子を有して構成され、該ピエゾ素子への印加電圧に応じたピエゾ素子の伸張と縮退とによって前記ストッパによる前記出力軸の拘束および解放を切り替える前記(6)に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0079】
前記(7)の構成によれば、上記ストッパによる出力軸の拘束および開放の切り替えが応答性よくかつ制御性よく行われるようになる。
(8)前記保持機構によって前記シャフトの保持が行われている期間は、前記電動アクチュエータに対する給電を停止するようにした請求項1、または前記(1)〜(7)のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0080】
前記(8)の構成によれば、上記保持機構による保持が必要最小限の電力消費にて実現されるようになる。
(9)前記保持機構による保持の解除に際し、該保持の解除に先だって前記電動アクチュエータに対する前記シャフトの変位指令が出力される請求項1、または前記(1)〜(8)のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0081】
前記(9)の構成によれば、上記保持機構による保持の解除に際し、シャフトの変位が機関バルブのストロークに及ぼす影響を軽減することができるようになる。
【0082】
(10)前記拘束機構は、前記ストッパの突出動作を行わないように掛止するストッパ掛止機構を有し、前記ストッパの突出動作を制御する第1の電磁石と前記ストッパ掛止機構の掛止動作を制御する第2の電磁石とを備えて構成される請求項3または前記(3)に記載の内燃機関の可変動弁装置。
【0083】
前記(10)の構成によれば、ボール溝に対するストッパの突出動作を行わないように掛止することがストッパ掛止機構により可能となる。このため、ストッパがボール溝から引き抜かれている期間、ストッパ掛止機構がストッパの突出動作を行わないようにすることで、ボール溝にストッパが突出されている期間のみならず、ストッパが引き抜かれている期間にも上記第1および第2の電磁石に対する給電が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置の第1の実施の形態について、これをバルブ周辺の駆動機構とともに例示する部分断面図。
【図2】上記第1の実施の形態について、可変動弁装置に設けられる拘束機構をその周辺部とともに拡大して例示する断面図。
【図3】上記可変動弁装置に設けられる拘束機構をその周辺部とともに拡大して例示する断面図。
【図4】上記可変動弁装置を動作させる手順を例示するタイミングチャート。
【図5】本発明にかかる内燃機関の可変動弁装置の第2の実施の形態について、これをバルブ周辺の駆動機構とともに例示する部分断面図。
【図6】上記第2の実施の形態について、拘束機構を拡大して例示する断面図。
【図7】上記可変動弁装置を動作させる手順を例示するタイミングチャート。
【図8】揺動カムを用いて構成される可変動弁装置について、その概略構成を部分的に例示する断面図。
【図9】上記可変動弁装置に用いられるコントロールシャフトとその周辺部について、その構成を部分的に破断して例示する斜視図。
【符号の説明】
11…シリンダヘッド、12…バルブ、13…リテーナ、14…バルブスプリング、15…バルブリフタ、16…カムフォロア、17…カムシャフト、18…三次元カム、20…電動アクチュエータ、21…フレーム、22…励磁コイル、23…永久磁石、24…回転子、25…軸受、26…ボールねじ、26a…ボール溝、27…出力軸、28…軸受、29…拘束機構、30…ボール、31…ナット、32…孔、33…軸受部、34…案内通路、35…回転子、41…ストッパ、42…ストッパ掛止部、43a、43b…溝、51…電磁石、52…スプリング、53…突出部材、61…電磁石、62…スプリング、63…爪状部材、70…電動アクチュエータ、71…出力軸、72…拘束機構、73…ジャーナル軸受、74…溝、75…ピエゾ素子、76…ストッパ。
Claims (8)
- 内燃機関の吸、排気ポートを開閉する機関バルブのうちの少なくとも一方の動弁特性を、電動アクチュエータによってシャフトをその軸方向に変位させることで可変とする内燃機関の可変動弁装置において、
前記シャフトの軸方向への変位を任意の位置で機械的に保持する保持機構を備える
ことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記電動アクチュエータは、ボールねじに螺合される回転子を有し、該回転子の電磁的な回転に基づいて前記シャフトを軸方向に変位せしめるものであり、前記保持機構は、前記ボールねじに対する前記回転子の回転を選択的に拘束する拘束機構として構成されてなる
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記拘束機構が、前記回転子側から前記ボールねじに設けられたボール溝に突出して該ボール溝内でのボールの移動を阻止するストッパを備えて構成される
請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記電動アクチュエータは、ジャーナル軸受に軸支された出力軸の軸方向への駆動にともなって前記シャフトをその軸方向に変位せしめるものであり、前記保持機構は、前記ジャーナル軸受に配されて前記出力軸の軸方向への駆動を拘束する拘束機構として構成されてなる
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記拘束機構は、前記ジャーナル軸受にあって前記出力軸との対向面に埋設されたストッパと、該ストッパによる前記出力軸の拘束および解放を切り替える切替手段とを備えて構成される
請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記切替手段はピエゾ素子を有して構成され、該ピエゾ素子への印加電圧に応じたピエゾ素子の伸張と縮退とによって前記ストッパによる前記出力軸の拘束および解放を切り替える
請求項5に記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記保持機構によって前記シャフトの保持が行われている期間は、前記電動アクチュエータに対する給電を停止するようにした
請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。 - 前記保持機構による保持の解除に際し、該保持の解除に先だって前記電動アクチュエータに対する前記シャフトの変位指令が出力される
請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
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