JP2004019599A - 多段圧縮式ロータリコンプレッサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動要素14の下側に第1及び第2の回転圧縮要素32、34を配置し、当該第2の回転圧縮要素34の下側に第1の回転圧縮要素32を配置して、第1の回転圧縮要素32から吐出された冷媒ガスを、密閉容器12外に設けた冷媒導入管92を経て第2の回転圧縮要素34に導入し、第2の回転圧縮要素34で圧縮された冷媒ガスを密閉容器12内に吐出し、当該密閉容器12内の高圧の冷媒ガスを電動要素14の上側から外部に吐出する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段圧縮式ロータリコンプレッサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種多段圧縮式ロータリコンプレッサは、第1の回転圧縮要素の吸入ポートから冷媒ガスがシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により圧縮されて中間圧となり、シリンダの高圧室側の吐出ポート、吐出消音室を経て密閉容器内に吐出される。そして、密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスは第2の回転圧縮要素の吸入ポートからシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側の吐出ポート、吐出消音室を経て冷媒吐出管から外部に吐出される構成とされていた。
【0003】
また、前記ロータリコンプレッサの密閉容器内の底部はオイル溜めとされ、回転軸の下端に取り付けられたオイルポンプ(給油手段)によりオイル溜めからオイルが吸い上げられ、回転軸や回転圧縮要素内の摺動部に供給されて潤滑とシールを行っていた。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】
このような多段圧縮式ロータリコンプレッサでは、第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒ガスはそのまま外部に吐出されることになるが、この冷媒ガス中には、第2の回転圧縮要素内の摺動部に供給された前記オイルが混入しており、冷媒ガスと共にこのオイルも吐出されることとなる。そのため、冷凍サイクルの冷媒回路中に当該オイルが多量に流出して冷凍サイクルの性能を悪化させると云う問題が生じていた。
【0005】
また、係る内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサでは、底部がオイル溜めとなる密閉容器内の圧力(中間圧)よりも第2の回転圧縮要素のシリンダ内の圧力(高圧)の方が高くなるため、圧力差を利用して第2の回転圧縮要素にオイルを供給することが困難であった。
【0006】
本発明は、係る技術的課題を解決するために成されたものであり、多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、コンプレッサ外部に吐出されるオイル量を低減させると共に、第2の回転圧縮要素への給油を円滑、且つ、確実に行うことを目的とする。
【0007】
【発明を解決するための手段】
即ち、本発明の多段圧縮式ロータリコンプレッサでは、第1の回転圧縮要素の圧力より高圧となる第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒ガスを密閉容器内に吐出し、当該密閉容器内の高圧の冷媒ガスを外部に吐出するので、第2の回転圧縮要素から吐出された冷媒ガスに含まれるオイルを密閉容器内で分離させることができるようになる。これにより、オイル分離性能が向上し、コンプレッサ外部へのオイルの流出量が低減されるので、外部の冷凍サイクルに与える悪影響も抑制できるようになる。
【0008】
請求項2の発明では上記に加えて、第1の回転圧縮要素から吐出された冷媒ガスを、密閉容器外を経て第2の回転圧縮要素に導入するための冷媒導入管を設けたので、第2の回転圧縮要素に吸い込まれる冷媒ガスの温度を下げることができるようになる。
【0009】
請求項3の発明では上記各発明に加えて、電動要素の下側に第1及び第2の回転圧縮要素を配置し、当該第2の回転圧縮要素の下側に第1の回転圧縮要素を配置すると共に、電動要素の上側から密閉容器内の冷媒ガスを外部に吐出するようにしたので、密閉容器内における高圧ガス冷媒のオイル分離性能をより一層向上させることができるようになる。
【0010】
そして、請求項4の発明では高低圧差が大きくなる二酸化炭素を冷媒として使用する。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の多段圧縮式ロータリコンプレッサの実施例として、第1及び第2の回転圧縮要素32、34を備えた縦型の多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサ10の縦断面図である。尚、本発明のロータリコンプレッサ10は後述する如く内部高圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサである。
【0012】
図1において、この多段圧縮式ロータリコンプレッサ10は、鋼板からなる円筒状の密閉容器12A、及び、この密閉容器12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bとで形成される密閉容器12と、この密閉容器12の容器本体12Aの内部空間における上側に配置収納された電動要素14と、この電動要素14の下側に配置され、電動要素14の回転軸16により駆動される第1の回転圧縮要素32及び第2の回転圧縮要素34からなる回転圧縮機構部18とにより構成されている。
【0013】
尚、密閉容器12は底部をオイル溜めとする。また、前記エンドキャップ12Bの上面中心には円形状の取付孔12Dが形成され、この取付孔12Dには電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。ここで、密閉容器12内は後述するように高圧となるため、このターミナル20は内部高圧対応型となり、中央のパイプ溶接などは行われていないものとする。
【0014】
前記電動要素14は、密閉容器12内の上部空間内で、容器本体12Aの内面に沿って環状に取り付けられたステータ(固定子)22と、このステータ22の内側に若干の隙間を存して挿入設置されたロータ(回転子)24とからなる。そして、このロータ24には鉛直方向に延在する回転軸16が固定されている。
【0015】
ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26の歯部に例えば直巻き(集中巻き)方式によって巻装されたステータコイル28を有している。また、ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成され、この積層体30内に永久磁石MGを挿入して構成されている。
【0016】
また、回転軸16の電動要素14側の端部(上端部)にはロータ24の上側に位置してオイル分離板101が取り付けられている。一方、回転軸16の回転圧縮要素32側の端部(下端部)には給油手段としてのオイルポンプ102が形成されている。このオイルポンプ102は、密閉容器12内の底部に構成されたオイル溜めから潤滑用のオイルを吸い上げて回転圧縮機構部18の摺動部等に供給し、摩耗を防止し、且つ、シールを行うために設けられたものであり、このオイルポンプ102の下端103はオイル溜め内に位置している。
【0017】
他方、前記第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34との間には中間仕切板36が狭持され、この中間仕切板36の下側に第1の回転圧縮要素32が、また、中間仕切板36の上側(即ち、第1の回転圧縮要素32の上側)に第2の回転圧縮要素34が位置している。即ち、第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34は、中間仕切板36と、この中間仕切板36の上下に配置されたシリンダ38、40と、シリンダ38、40内を180度の位相差を有して回転軸16に設けられた上下偏心部42、44に嵌合されて偏心回転する上下ローラ46、48と、この上下ローラ46、48に当接して上下シリンダ38、40内をそれぞれ低圧室側と高圧室側に区画する図示されないベーンと、上シリンダ38の上側の開口面及び下シリンダ40の下側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する支持部材としての上部支持部材54及び下部支持部材56にて構成される。
【0018】
また、上部支持部材54及び下部支持部材56には、吸込ポート161、162にて上下シリンダ38、40の内部とそれぞれ連通する吸込通路58、60と、上部支持部材54及び下部支持部材56の凹陥部を壁としてのカバーによって閉塞することにより形成された吐出消音室62、64とが設けられている。即ち、吐出消音室62は当該吐出消音室62を画成する壁としての上部カバー66にて閉塞され、吐出消音室64は下部カバー68にて閉塞される。
【0019】
そして、下部カバー68はドーナッツ状の円形鋼板から構成されており、周辺部の4カ所を主ボルト129・・・によって下から下部支持部材56に固定されている。この主ボルト129・・・の先端は上部支持部材54に螺合する。
【0020】
ここで、第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64と第2の回転圧縮要素34の吸込通路58とは冷媒導入管92にて連通されている。この冷媒導入管92は、密閉容器12の外側に位置しており、吐出消音室64に吐出された冷媒ガスは、この冷媒導入管92により密閉容器12外を経て第2の回転圧縮要素34に導入されることになる。
【0021】
このとき、第2の回転圧縮要素34に供給される冷媒ガス中には、第1の回転圧縮要素32内に供給されたオイルが混入しており、このオイルを多量に含んだ冷媒ガスが第2の回転圧縮要素34に直接吸い込まれることになる。これにより、第2の回転圧縮要素34には十分なオイルが支障無く供給されることになる。
【0022】
このように、第1の回転圧縮要素32で圧縮された冷媒ガスを密閉容器12内に吐出させずに、冷媒導入管92を介してそのまま第2の回転圧縮要素34に吸入させることにより、第1の回転圧縮要素32に供給されたオイルを含んだオイルリッチな冷媒ガスをそのまま第2の回転圧縮要素34に導入することができるようになる。
【0023】
従って、第2の回転圧縮要素34の摺動部に給油を行うための特別な装置を用いることなく第2の回転圧縮要素34にオイルを供給することができるようになり、第2の回転圧縮要素34のオイル不足を解消することができるようになる。
【0024】
更に、第2の回転圧縮要素34の給油機構が簡素化できるので、給油機構の生産コストの削減を図ることができるようになる。
【0025】
また、第1の回転圧縮要素32で圧縮された冷媒ガスを密閉容器12の外側に設けられた冷媒導入管92を介して第2の回転圧縮要素34に導入することで、第1の回転圧縮要素32で圧縮された冷媒ガスは、外部を通過する過程で冷却される。これにより、第2の回転圧縮要素34に吸い込まれる冷媒ガスの温度を下げて圧縮効率の向上を図ることができるようになる。
【0026】
他方、上部カバー66の上側には、上部カバー66と所定間隔を存して、電動要素14が設けられている。この上部カバー66は周辺部が4本の主ボルト78・・・により、上から上部支持部材54に固定されている。この主ボルト78・・・の先端は下部支持部材56に螺合する。
【0027】
第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62と密閉容器12内は、上部カバー66を貫通して密閉容器12内の電動要素14側に開口する吐出孔120にて連通されており、この吐出孔120から第2の回転圧縮要素34で圧縮された高圧の冷媒ガスが密閉容器12内に吐出される。このとき、冷媒ガス中には第1及び第2の回転圧縮要素32、34に供給されたオイルが混入しているが、このオイルも密閉容器12内に吐出されることとなる。そして、当該オイルは密閉容器12内空間を通過する過程で冷媒ガスから分離し、密閉容器12内底部のオイル溜めに流下して溜まる。
【0028】
そして、この場合の冷媒としては、地球環境にやさしく可燃性及び毒性等を考慮して自然冷媒である二酸化炭素(CO2)を使用し、密閉容器12内に封入される潤滑油としてのオイルとしては、例えば鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油、PAG(ポリアルキルグリコール)等既存のオイルが使用される。
【0029】
また、密閉容器12の容器本体12Aの側面には、上部支持部材54と下部支持部材56の吸込通路58、60、吐出消音室64、ロータ24の上側(電動要素14の直上)に対応する位置に、スリーブ141、142、143及び144がそれぞれ溶接固定されている。スリーブ141と142は上下に隣接すると共に、スリーブ143はスリーブ142の略対角線上にある。また、スリーブ144はスリーブ141の上方に位置する。そして、スリーブ141内には上シリンダ38に冷媒ガスを導入するための前記冷媒導入管92の一端が挿入接続されている。
【0030】
この冷媒導入管92は前述する如く第1の回転圧縮要素32で圧縮された冷媒ガスを第2の回転圧縮要素34に供給するためのものであり、この冷媒導入管92の一端は上シリンダ38の吸込通路58と連通する。そして、冷媒導入管92は密閉容器12の外側を通過してスリーブ143に至り、他端はスリーブ143内に挿入接続されて第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64と連通する。
【0031】
そして、スリーブ142内には下シリンダ40に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管94の一端が挿入接続され、この冷媒導入管94の一端は下シリンダ40の吸込通路60と連通する。この冷媒導入管94の他端は冷凍サイクルの冷媒回路を構成する図示しないアキュムレータに接続されている。
【0032】
また、スリーブ144内には冷媒吐出管96が挿入接続され、この冷媒吐出管96の一端は電動要素14上方の密閉容器12内に連通する。このように、冷媒吐出管96は電動要素14の上側に設けられているので、第2の回転圧縮要素34で圧縮された冷媒ガスと共に密閉容器12内の電動要素14の下側に吐出されたオイルは、電動要素14を通過して上側に至り、冷媒吐出管96から外部に吐出されるようになる。このように第2の回転圧縮要素34から吐出された冷媒ガスが密閉容器12内空間を移動することで、それに溶け込んだオイルは円滑に分離することになる。更に、冷媒ガスは電動要素14の上側(回転軸16の上端)に設けられたオイル分離板101を通過するので、より一層オイル分離が促進される。これにより、冷媒ガスと共にロータリコンプレッサ10の外部(冷凍サイクルの冷媒回路内)に吐出されるオイルの量を効果的に減らすことができるようになる。
【0033】
更に、第2の回転圧縮要素34には前述の如くオイルリッチな冷媒ガスが吸い込まれることになるので、高圧縮運転時にも第2の回転圧縮要素34の温度上昇を軽減することができるようになる。これに伴い、電動要素14部分の温度上昇も抑制され、結果としてロータリコンプレッサ10の性能と信頼性の改善が図られるようになる。
【0034】
以上の構成で次にロータリコンプレッサ10の動作を説明する。ターミナル20及び図示されない配線を介して電動要素14のステータコイル28に通電されると、電動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けられた上下偏心部42、44に嵌合されて上下ローラ46、48が上下シリンダ38、40内を偏心回転する。
【0035】
これにより、下部支持部材56に形成された吸込通路60を経由して吸込ポート162から下シリンダ40の低圧室側に吸入された低圧(4MPaG程)の冷媒ガスは、下ローラ48と図示しないベーンの動作により圧縮されて中間圧(8MPaG程)となり、シリンダ40の高圧室側より図示しない吐出ポートを介して吐出消音室64に吐出される。吐出消音室64に吐出された中間圧の冷媒は、冷媒導入管92に入り、密閉容器12外を経て第2の回転圧縮要素34の吸込通路58を経由し、吸込ポート161から上シリンダ38の低圧室側に吸入される。このとき、冷媒ガスは密閉容器12の外側に設けられた冷媒導入管92を通過際に冷却される。
【0036】
そして、上シリンダ38の低圧室側に吸入された冷媒ガスは、上ローラ46と図示しないベーンの動作により圧縮されて高圧(10〜12MPaG程)の冷媒ガスとなり、シリンダ38の高圧室側より図示しない吐出ポートを介して吐出消音室62に吐出される。吐出消音室62に吐出された冷媒ガスは、吐出孔120から密閉容器12内の電動要素14下側に吐出され、電動要素14のステータ22及びロータ24内やそれらの間隔、及び、ステータ22と密閉容器12間を通過して上昇し、電動要素14の上側に至る。このとき、冷媒ガス中に混入した殆どのオイルは密閉容器12内で冷媒ガスから分離され、密閉容器12の内面を流下して当該密閉容器12内底部に設けられたオイル溜めに溜まる。一方、冷媒ガスは電動要素14の上側に開口する冷媒吐出管96からロータリコンプレッサ10外部の冷媒回路に吐出される。
【0037】
このように、第2の回転圧縮要素34で圧縮された冷媒ガスを密閉容器12内に吐出し、当該密閉容器12内の高圧の冷媒ガスを外部に吐出するので、第2の回転圧縮要素34から吐出された冷媒ガスに含まれるオイルを密閉容器12内で分離させることができるようになる。これにより、オイル分離性能が向上し、ロータリコンプレッサ10の外部の冷媒回路へのオイルの流出量が低減されるので、外部の冷凍サイクルに与える悪影響も抑制できるようになる。これは特に高圧が低くなる冷却システム(カーエアコン等)を対象とした場合に効果大成るものとなる。
【0038】
また、密閉容器12内が高圧となるため、第1の回転圧縮要素32への給油は圧力差で行うことができるようになると共に、第2の回転圧縮要素34には第1の回転圧縮要素32から冷媒ガスと共に吐出されたオイルが直接供給されることになるので、第2の回転圧縮要素34への給油も支障無く行えるようになる。
【0039】
更に、第2の回転圧縮要素34に吸い込まれる冷媒ガスにはオイルが十分に含まれているので、第2の回転圧縮要素34の温度上昇も軽減できるようになる。従って、高圧縮運転における電動要素14の温度上昇等も防ぐことが可能となる。以上により、高性能で信頼性の高い多段圧縮式ロータリコンプレッサ10を提供することができるようになる。
【0040】
特に、第1の回転圧縮要素32から吐出された冷媒ガスを、密閉容器12外を経て第2の回転圧縮要素34に導入するための冷媒導入管92を設けたので、第2の回転圧縮要素34に吸い込まれる冷媒ガスの温度を下げることができるようになり、ロータリコンプレッサ10の圧縮効率の改善と信頼性の向上を図ることができるようになる。
【0041】
また、電動要素14の下側に第1及び第2の回転圧縮要素32、34を配置し、当該第2の回転圧縮要素34の下側に第1の回転圧縮要素32を配置すると共に、電動要素14の上側から密閉容器12内の冷媒ガスを外部に吐出するようにしたので、密閉容器12内における高圧ガス冷媒のオイル分離性能をより一層向上させることができるようになる。そして、上述の如く高低圧差が大きくなる二酸化炭素を冷媒として使用する場合に本発明の構造は極めて有効となる。
【0042】
尚、実施例では縦型のロータリコンプレッサに本発明を適用したが、請求項1及び請求項2ではそれに限らず、横長の密閉容器12内に電動要素14と回転圧縮機構部18を左右に並設した所謂横型の多段圧縮式ロータリコンプレッサにも本発明は有効である。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、第2の回転圧縮要素から吐出された冷媒ガスに含まれるオイルを密閉容器内で分離させることができるようになり、オイル分離性能が向上し、コンプレッサ外部へのオイルの流出量が低減されるので、外部の冷凍サイクルに与える悪影響も抑制できるようになる。
【0044】
また、密閉容器内が高圧となるため、第1の回転圧縮要素への給油は圧力差で行うことができるようになると共に、第2の回転圧縮要素には第1の回転圧縮要素から冷媒ガスと共に吐出されたオイルが直接供給されることになるので、第2の回転圧縮要素への給油も支障無く行えるようになる。
【0045】
更に、第2の回転圧縮要素に吸い込まれる冷媒ガスにはオイルが十分に含まれているので、第2の回転圧縮要素の温度上昇も軽減できるようになる。従って、高圧縮運転における電動要素の温度上昇等も防ぐことが可能となる。
【0046】
以上により、高性能で信頼性の高い多段圧縮式ロータリコンプレッサを提供することができるようになるものである。
【0047】
請求項2の発明によれば上記に加えて、第2の回転圧縮要素に吸い込まれる冷媒ガスの温度を下げることができるようになり、コンプレッサの圧縮効率の改善と信頼性の向上を図ることができるようになる。
【0048】
請求項3の発明によれば上記各発明に加えて、密閉容器内における高圧ガス冷媒のオイル分離性能をより一層向上させることができるようになる。
【0049】
そして、請求項4の発明の如く、高低圧差が大きくなる二酸化炭素を冷媒として使用する場合に、本発明の多段圧縮式ロータリコンプレッサは極めて好適なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の縦型ロータリコンプレッサの縦断側面図である。
【符号の説明】
10 ロータリコンプレッサ
12 密閉容器
14 電動要素
16 回転軸
18 回転圧縮機構部
32 第1の回転圧縮要素
34 第2の回転圧縮要素
38、40 シリンダ
92 冷媒導入管
96 冷媒吐出管
102 オイルポンプ
120 吐出孔
Claims (4)
- 密閉容器内に電動要素と、該電動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、前記第1の回転圧縮要素で圧縮された冷媒ガスを前記第2の回転圧縮要素で圧縮するロータリコンプレッサにおいて、
前記第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒ガスを前記密閉容器内に吐出し、当該密閉容器内の高圧の冷媒ガスを外部に吐出することを特徴とする多段圧縮式ロータリコンプレッサ。 - 前記第1の回転圧縮要素から吐出された冷媒ガスを、前記密閉容器外を経て前記第2の回転圧縮要素に導入するための冷媒導入管を設けたことを特徴とする請求項1の多段圧縮式ロータリコンプレッサ。
- 前記電動要素の下側に前記第1及び第2の回転圧縮要素を配置し、当該第2の回転圧縮要素の下側に前記第1の回転圧縮要素を配置すると共に、前記電動要素の上側から前記密閉容器内の冷媒ガスを外部に吐出することを特徴とする請求項1又は請求項2の多段圧縮式ロータリコンプレッサ。
- 二酸化炭素を冷媒として使用することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の多段圧縮式ロータリコンプレッサ。
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