JP2004019525A - 車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置 - Google Patents

車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加速運転移行直後の一瞬の空気量不足、スモーク悪化等を防止する。
【解決手段】車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気通路に設けられた吸気絞り弁を制御する装置であって、エンジン及び車両の運転状態を検出する手段と、上記運転状態に基づき目標空燃比及び実際の空燃比を決定する手段と、上記目標空燃比及び実際の空燃比の偏差に基づき吸気絞り弁をフィードバック制御する手段と、上記運転状態に基づき実際のエンジン運転状態が加速事前段階であるか否かを判定する判定手段と、加速事前段階であると判定されたとき、加速事前段階でないと判定された場合に比べて、制御される吸気絞り弁の開度を開き側に変更する手段とを備える。加速事前段階であるときに吸気絞り弁の開度が予め開き側とされるので、加速状態に移行した瞬間既に吸気絞り弁が通常より大きく開かれ、加速運転移行直後の一瞬の空気量不足を防止できる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置に係り、特に、シリンダ内の空気量不足に起因して加速運転移行直後に発生するスモーク悪化等を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の典型的なディーゼルエンジンでは吸気絞りが行われず、シリンダ内に投入される吸入空気量(新気量)は専らピストンの下降によって生じる負圧の大きさに依存していた。このため、燃料噴射量が少ない低負荷側では空燃比(空気過剰率)が大きくなり、燃料噴射量が多い高負荷側では空燃比が小さくなる傾向にあった。
【0003】
これに対し、近年では、排ガス規制の強化と後処理上の要求とから吸気絞りが採用されつつある。吸気絞りは、エンジンの吸気通路に設けられた吸気絞り弁(インテークスロットルバルブ)を適宜閉弁することで達成される。
【0004】
近年のディーゼルエンジンでは、EGR装置(排気ガス環流装置)によるEGRが一般化してきている。EGR装置は主に、エンジンの吸気通路と排気通路とを結ぶEGR通路と、EGR通路に設けられたEGR弁とからなる。
【0005】
EGR率(吸入空気量(新気量)に対する排ガス環流量の比率)が高いほど、シリンダ内の燃焼が緩慢になりNOxを低減できる。しかし、エンジンがターボ過給式の場合、吸気通路における排ガス導入口がコンプレッサより下流側となる。上流側とすると排ガスによるコンプレッサの腐食が生じ、また吸気温度が高くなり吸気効率が低下するからである。このため、排気圧力と吸気圧力との差が少なくなり、EGR率を大きくすることができない。また、圧力差が少ないことから、EGR弁の開度制御によるEGR率制御にも限界がある。
【0006】
そこで、吸気通路の排ガス導入口の上流側に吸気絞り弁を設け、吸気絞りを実行することにより、吸気絞り弁の下流側に負圧を生じさせ、上記圧力差を増大してEGR率を高めることができる。また、目標とするEGR率に向けて、吸気絞り弁とEGR弁とを制御することにより、実際のEGR率を目標EGR率付近に制御することが可能になる。
【0007】
一方、ディーゼルエンジンでは一般的に、シリンダ内における空燃比(A/F)が理論空燃比(14.3)より高く、燃料量に対し常に空気が過剰な状態となっている。しかし、近年のディーゼルエンジンでは排気通路に触媒を設置する例も見られ、この場合余剰の酸素が多すぎると触媒としての機能が低下するものもあり、排ガス中の酸素量が少なくなるよう調整してやるのが好ましい場合がある。
【0008】
従って、吸気通路に、吸入空気量を検出する手段、例えばエアマスセンサを設け、検出された吸入空気量と実際の燃料噴射量とにより実際の空燃比を計算し、実際の空燃比が目標となる空燃比に一致するよう、吸気絞り弁をフィードバック制御する技術が開発されている。
【0009】
なお、吸気絞り弁の開度とEGR弁の開度とを制御して所望の空燃比とEGR率とを得るようにするものもある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジン運転状態が定常から加速運転に移行した場合、燃料噴射量は直ちに増量され、この増量に合わせて吸気絞り弁も開放されて吸入空気量の増加が図られる。しかし、吸気絞り弁の開作動にある程度の時間を要するため、実際にシリンダ内の空気が増量されるまでにタイムラグが生じる。従って加速運転に移行した直後、一瞬シリンダ内が空気不足となり、スモークの悪化、未燃燃料(HC)の排出、及び不完全燃焼に伴うCO悪化が生じる。
【0011】
この対策として、シリンダ内の空気が増量されるのを待ってから燃料を増量する方法もあるが、これだとドライバビリティが悪化し、ドライバに不快感を与えてしまう。特にターボ過給機付きエンジンでは、燃料の増量から、過給圧が上昇して吸入空気量が増加するまでの間にタイムラグ(ターボラグと称される)があるので、吸入空気の増量が遅れがちである。
【0012】
以上の問題を解決するため、特開平62−240436号公報の技術では、アクセル操作量の変化率により加速状態を検出し、且つ過給状態である場合には、吸気絞り弁を通常より開き側に補正している。これにより加速状態のときには通常より吸気絞り弁が大きく開かれるのでシリンダ内に導入される吸入空気量は増量される。
【0013】
しかしながら、この技術においても、吸気絞り弁の開度増加補正は加速状態が検出されたと同時に開始されるため、加速運転移行直後は補正されない場合と同様の比較的小さい開度であり、上述した加速運転移行直後の一瞬の空気量不足の問題は解決しない。
【0014】
そこで、以上の問題に鑑みて本発明は創案され、その目的は、加速運転に移行した直後の一瞬の空気量不足及びこれに起因するスモーク悪化等を防止することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気通路に設けられた吸気絞り弁を制御する装置であって、エンジン及び車両の運転状態を検出する検出手段と、上記運転状態に基づき目標空燃比を決定する目標空燃比決定手段と、上記運転状態に基づき実際の空燃比を決定する実空燃比決定手段と、上記目標空燃比及び上記実際の空燃比の偏差に基づき上記吸気絞り弁をフィードバック制御する制御手段と、上記運転状態に基づき実際のエンジン運転状態が加速事前段階であるか否かを判定する判定手段と、この判定手段により加速事前段階であると判定されたとき、加速事前段階でないと判定された場合に比べて、上記制御手段により制御される吸気絞り弁の開度を開き側に変更する弁開度変更手段とを備えたものを提供する。
【0016】
本発明によれば、加速事前段階であるときに吸気絞り弁の開度が予め通常より開き側とされるので、加速状態に移行した瞬間は既に吸気絞り弁が通常より大きく開かれており、これにより吸気絞り弁の開作動遅れが実質的に防止され、加速直後の一瞬の空気量不足を未然に防止できる。
【0017】
好ましくは、上記判定手段は、上記検出手段により得られた信号により加速事前段階でないことを判定すると共に、上記検出手段による信号が、加速事前段階にない状態を脱した場合に加速事前段階であると判定する。
【0018】
好ましくは、上記検出手段は、変速機のギヤポジションを検出するギヤポジション検出手段と、車速を検出する車速検出手段とを含み、上記判定手段は、上記ギヤポジションがニュートラルであり且つ上記車速が所定値より小さいとき、加速事前段階でないと判定する。
【0019】
好ましくは、上記検出手段は、ブレーキ操作の有無を検出するブレーキ検出手段を含み、上記判定手段は、上記ブレーキ操作があるとき、加速事前段階でないと判定する。
【0020】
好ましくは、上記検出手段は、変速機のギヤポジションを検出するギヤポジション検出手段を含み、上記加速事前段階判定手段は、上記ギヤポジションが所定段以上であるとき、加速事前段階でないと判定する。
【0021】
好ましくは、上記検出手段は、変速機のギヤポジションを検出するギヤポジション検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、ブレーキ操作の有無を検出するブレーキ検出手段とを含み、上記判定手段は、上記ギヤポジションがニュートラルでないか若しくは上記車速が所定値以上のときであって、上記ブレーキ操作が無いときであり、且つ、上記ギヤポジションが所定段より小さいとき、加速事前段階であると判定する。
【0022】
好ましくは、上記検出手段は、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段とを含み、上記吸気絞り弁制御装置は、上記エンジン回転速度及び上記アクセル開度に基づいて目標燃料噴射量を決定する目標燃料噴射量決定手段を備え、上記目標空燃比決定手段は、上記エンジン回転速度と上記目標燃料噴射量とに基づき、予め定められたマップに従って上記目標空燃比を決定し、上記マップは、加速事前段階でないときに用いられる第一のマップと、加速事前段階のときに用いられる第二のマップとを含み、上記第二のマップは上記第一のマップに比べ所定領域における目標空燃比の値が高く設定され、上記弁開度変更手段は、上記判定手段による判定が加速事前段階であるか否かによって上記第一のマップと上記第二のマップとを切り換え、加速事前段階のときは上記第二のマップに切り換えることにより、加速事前段階でないときに比べて上記所定領域における上記吸気絞り弁の開度を開き側に変更する。
【0023】
好ましくは、上記所定領域は、上記エンジン回転速度が低速側且つ上記目標燃料噴射量が少量側となる領域である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0025】
図1に本実施形態に係るエンジンの全体を示す。このエンジンは車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンであり、特に本実施形態の場合多気筒コモンレール式直噴ディーゼルエンジンである。
【0026】
1がエンジン本体で、これはシリンダ2、シリンダヘッド3、ピストン4、吸気ポート5、排気ポート6、吸気弁7、排気弁8、インジェクタ9等から構成される。シリンダ2内に燃焼室10が形成され、燃焼室10内にインジェクタ9から燃料が直接噴射される。ピストン4の頂部にキャビティ11が形成され、キャビティ11は燃焼室10の一部をなす。インジェクタ9はシリンダ2と略同軸に位置され、複数の噴孔から同時に放射状に燃料を噴射する。吸気ポート5は吸気通路12の一部をなし、排気ポート6は排気通路13の一部をなす。
【0027】
このエンジンにはターボチャージャ(ターボ過給機)14が設けられる。ターボチャージャ14は、排気通路13に設けられたタービン15とこれに同軸に連結されたコンプレッサ16とを含み、排気エネルギを利用してタービン15を回転駆動すると共に、これによってコンプレッサ16を回転駆動し、吸気通路12内の吸気を過給するようになっている。コンプレッサ16の上流側に、吸入空気量(新気量)を検出するための手段、例えばエアマスセンサ17が設けられ、コンプレッサ16の下流側に、吸入空気を冷却するためのインタクーラ18が設けられる。なお、ターボチャージャは例えばタービン入口に可動ベーン等を備えた可変容量型であってもよい。
【0028】
さらにこのエンジンはEGR装置19も具備している。EGR装置19は、吸気通路12と排気通路13とを結ぶEGR通路20と、EGR量を調節するためEGR通路20に設けられたEGR弁21とを備える。そして吸気通路12には、その通路面積を絞って、吸気通路12を通過する吸入空気量を適宜制限するための吸気絞り弁23が設けられる。吸気絞り弁23は、EGR通路20と吸気通路12との接続位置よりも上流側となる吸気通路12に位置される。
【0029】
EGR弁21及び吸気絞り弁23はそれぞれの弁体を作動させるためのアクチュエータを備え、本実施形態のアクチュエータは電気的なもの、EGR弁21については例えば電磁ソレノイド、吸気絞り弁23については例えばステップモータが用いられる。但しアクチュエータの種類は特に限定されず、例えば負圧アクチュエータ等であってもよい。
【0030】
インジェクタ9はコモンレール24に接続され、そのコモンレール24に貯留ないし蓄圧された噴射圧力相当の高圧燃料(20〜200MPa)がインジェクタ9に常時供給されている。コモンレール24への燃料圧送は高圧サプライポンプポンプ25により行われる。
【0031】
このエンジンには、エンジン又は車両の実際の運転状態を検出するための検出手段が設けられる。この検出手段には、図示されるように、エンジン回転センサ、アクセル開度センサ、ギヤポジションセンサ、ブレーキペダルセンサ、車速センサ、コモンレール圧センサ30が含まれる。これらセンサは電子制御ユニット(以下ECUという)26に接続され、ECU26はこれらセンサの出力信号に基づき実際の運転状態を把握する。
【0032】
エンジン回転センサによりエンジン回転速度(又は回転数(rpm))が検出され、アクセル開度センサによりアクセル開度ないしアクセル操作量が検出され、ギヤポジションセンサにより変速機のギヤポジションが検出され、ブレーキペダルセンサによりドライバによるブレーキの操作状態が検出され、車速センサにより車速が検出され、コモンレール圧センサ30によりコモンレール内燃料圧力(コモンレール圧)が検出される。
【0033】
ECU26は検出された運転状態に基づき、インジェクタ9、EGR弁21、吸気絞り弁23、及び高圧サプライポンプ25からの燃料圧送量を調節する調量弁(図示せず)等を制御する。
【0034】
ところで、ECU26は、目標空燃比(目標A/F)と実際の空燃比(実A/F)との偏差に基づき吸気絞り弁23をフィードバック制御する。そして目標空燃比は、図2に示されるような、予め定められた目標A/Fマップ1,2に従って決定される。
【0035】
後に明らかとなるが、目標A/Fマップが二つ用意されているのは、現在又は実際のエンジン運転状態が加速事前段階であるか否か、言い換えれば、今後エンジンの加速が行われる可能性が高い運転状態であるか否かによって、マップを切り換え、これにより目標空燃比を切り換えるためである。
【0036】
目標A/Fマップ1は、運転状態が加速事前段階でないとき(これを通常状態という)に用いられる基本マップで、図示されるように全運転領域で一定の目標空燃比B1(例えばB1=22)が予め設定されている。一方、目標A/Fマップ2は、運転状態が加速事前段階であるときに用いられるマップで、図示されるように、エンジン回転速度Neが低速側且つ目標燃料噴射量Qbaseが少量側となる運転領域で通常値B1より高い目標空燃比B2(例えばB2=35)が設定され、それ以外の運転領域では通常値B1が設定されている。
【0037】
以下、このエンジンにおける吸気絞り弁の制御方法を図2のフローチャートに基づいて説明する。なおこの制御フローはECU26により実行される。
【0038】
ECU26はまずステップ101で現在のエンジン回転速度Ne、アクセル開度Acc、吸入空気量M、ギヤポジションGr、及び車速Vの値をそれぞれ読み込む。
【0039】
次に、ステップ102において目標燃料噴射量Qbaseを決定する。この決定は、エンジン回転速度Neとアクセル開度Accとの値に基づき、図示されるような目標燃料噴射量算出マップに従って行う。
【0040】
この後、ステップ103〜105で、現在のエンジン運転状態が加速事前段階であるか否かを判定する。
【0041】
ステップ103では、ギヤポジションGrがN(ニュートラル)で且つ車速Vが所定値V1(例えば20km/h)より小さい状態であるか否かを判定する。イエス(Y)の場合、加速事前段階でないと判定して、ステップ109に進み目標A/Fマップ1に従い目標空燃比を決定する。ノー(N)の場合はステップ104に進む。
【0042】
ステップ104では、ブレーキペダルセンサの出力信号に基づき、ドライバによるブレーキ操作があるか否かを判定する。イエス(Y)の場合、加速事前段階でないと判定して、前記同様、ステップ109に進み目標A/Fマップ1に従い目標空燃比を決定する。ノー(N)の場合はステップ105に進む。
【0043】
ステップ105では、ギヤポジションGrが所定段(本実施形態では3速(3rd))以上であるか否かを判定する。イエス(Y)の場合、加速事前段階でないと判定して、前記同様、ステップ109に進み目標A/Fマップ1に従い目標空燃比を決定する。ノー(N)の場合はステップ106に進む。
【0044】
このようにステップ103〜105が全てノー(N)の場合、即ち、加速事前段階にない状態から脱していると判定される場合、或いは加速事前段階でないことが判定されない場合には、加速事前段階であると判定してステップ106において目標A/Fマップ2に従い目標空燃比を決定する。
【0045】
図示されるように、目標A/Fマップ1,2はエンジン回転速度Neと目標燃料噴射量Qbaseとの値がパラメータとなっている。従って、ステップ106,109で目標空燃比を決定する際には、ステップ101で読み込まれた現在のエンジン回転速度Neの値と、ステップ102で決定された目標燃料噴射量Qbaseとの値を目標A/Fマップ1,2と比較して目標空燃比の値を決定することになる。
【0046】
こうして目標空燃比の値が決定されたならば、ステップ107に進み、吸入空気量Mに基づく気筒当たりの吸入空気量(M/cyl)と、目標燃料噴射量Qbaseとによる演算を行い、その演算結果である実際の空燃比(実A/F)を決定する。
【0047】
この後、ステップ108に進み、目標空燃比と実際の空燃比との偏差に基づき吸気絞り弁をフィードバック制御する。これにより実際の空燃比が目標空燃比に近づくよう吸気絞り弁が制御されることとなる。
【0048】
このように、上記制御によれば、運転状態が加速事前段階である場合目標A/Fマップ2が選択され、この目標A/Fマップ2では、エンジン回転速度Neが低速側且つ目標燃料噴射量Qが少量側となる領域で(これはエンジンが低回転・低負荷側である場合に相当)、目標空燃比が通常値B1より高い値B2となっているので、運転状態が加速事前段階である場合であって且つ上記領域にある場合には、吸気絞り弁の開度が予め通常状態より開き側に制御され、実際の空燃比も通常値B1より高い値B2に制御される。この結果、加速運転に移行した瞬間には既に吸気絞り弁が通常状態より大きく開かれており、吸気絞り弁の開作動の時間遅れは解消され、加速運転移行直後直ちに燃料を増量しても、シリンダ内が一瞬空気不足となるのを防止できる。よって加速運転移行直後の一瞬のスモーク悪化、未燃燃料(HC)排出、及びCO悪化を防止できる。
【0049】
特に本実施形態のようなターボ過給機付きエンジンでは、加速運転移行時に吸気絞り弁の作動遅れと相俟って、ターボラグも存在するので、上記空気不足の問題が顕著であるが、上記制御によればその問題が解消される。従って上記制御はターボ過給機付きエンジンに特に有効である。
【0050】
一方、運転状態が加速事前段階でない場合又は上記領域にない場合には、通常通り吸気絞り弁が制御されるため、ターボラグや排ガス悪化が問題とならない運転領域では通常通り、上述した吸気絞りによる効果を享受できる。
【0051】
なお、本発明の実施の形態は他にも様々なものが考えられる。例えば、上記実施形態では運転状態が加速事前段階であるとき、高い目標空燃比が設定されたマップ(マップ2)に切り換えるようにしたが、これに代わって、運転状態が加速事前段階であるとき、基本マップ(マップ1)の値に所定の補正量を加え、より高い目標空燃比を得るようにすることも可能である。具体的には、マップ1の目標空燃比の値B1に、開き側の補正量ΔBを加えて新たな目標空燃比の値とする。
【0052】
また、本実施形態では、目標A/Fマップ2から理解されるように、エンジン回転速度Neが低速側で且つ目標燃料噴射量Qが少量側であるエンジン運転領域のみ、吸気絞り弁開度を開き側に変更するようにしたが、そのエンジン運転領域は場合に応じて適宜変更することが可能で、例えば全領域などとすることも可能である。
【0053】
また、加速事前段階であるか否かを判定する方法は上記以外にも様々考えられ、上記実施形態においては、上記ステップ103〜105のうちいずれかを省略することも可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、加速運転に移行した直後の一瞬の空気量不足及びこれに起因するスモーク悪化等を防止することができるという、優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るエンジンを示す構成図である。
【図2】本実施形態に係る吸気絞り弁制御の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン本体
14 ターボチャージャ
17 エアマスセンサ
23 吸気絞り弁
26 電子制御ユニット
Gr 変速機のギヤポジション
V  車速
V1 車速の所定値
Ne エンジン回転速度
Acc アクセル開度
Qbase 目標燃料噴射量

Claims (8)

  1. 車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気通路に設けられた吸気絞り弁を制御する装置であって、
    エンジン及び車両の運転状態を検出する検出手段と、
    上記運転状態に基づき目標空燃比を決定する目標空燃比決定手段と、
    上記運転状態に基づき実際の空燃比を決定する実空燃比決定手段と、
    上記目標空燃比及び上記実際の空燃比の偏差に基づき上記吸気絞り弁をフィードバック制御する制御手段と、
    上記運転状態に基づき実際のエンジン運転状態が加速事前段階であるか否かを判定する判定手段と、
    該判定手段により加速事前段階であると判定されたとき、加速事前段階でないと判定された場合に比べて、上記制御手段により制御される吸気絞り弁の開度を開き側に変更する弁開度変更手段と
    を備えたことを特徴とする車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置。
  2. 上記判定手段は、上記検出手段により得られた信号により加速事前段階でないことを判定すると共に、上記検出手段による信号が、加速事前段階にない状態を脱した場合に加速事前段階であると判定する
    請求項1記載の車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置。
  3. 上記検出手段は、変速機のギヤポジションを検出するギヤポジション検出手段と、車速を検出する車速検出手段とを含み、
    上記判定手段は、上記ギヤポジションがニュートラルであり且つ上記車速が所定値より小さいとき、加速事前段階でないと判定する
    請求項1記載の車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置。
  4. 上記検出手段は、ブレーキ操作の有無を検出するブレーキ検出手段を含み、
    上記判定手段は、上記ブレーキ操作があるとき、加速事前段階でないと判定する
    請求項1記載の車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置。
  5. 上記検出手段は、変速機のギヤポジションを検出するギヤポジション検出手段を含み、
    上記加速事前段階判定手段は、上記ギヤポジションが所定段以上であるとき、加速事前段階でないと判定する
    請求項1記載の車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置。
  6. 上記検出手段は、変速機のギヤポジションを検出するギヤポジション検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、ブレーキ操作の有無を検出するブレーキ検出手段とを含み、
    上記判定手段は、上記ギヤポジションがニュートラルでないか若しくは上記車速が所定値以上のときであって、上記ブレーキ操作が無いときであり、且つ、上記ギヤポジションが所定段より小さいとき、加速事前段階であると判定する
    請求項1記載の車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置。
  7. 上記検出手段は、エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段とを含み、
    上記エンジン回転速度及び上記アクセル開度に基づいて目標燃料噴射量を決定する目標燃料噴射量決定手段を備え、
    上記目標空燃比決定手段は、上記エンジン回転速度と上記目標燃料噴射量とに基づき、予め定められたマップに従って上記目標空燃比を決定し、上記マップは、加速事前段階でないときに用いられる第一のマップと、加速事前段階のときに用いられる第二のマップとを含み、上記第二のマップは上記第一のマップに比べ所定領域における目標空燃比の値が高く設定され、
    上記弁開度変更手段は、上記判定手段による判定が加速事前段階であるか否かによって上記第一のマップと上記第二のマップとを切り換え、加速事前段階のときは上記第二のマップに切り換えることにより、加速事前段階でないときに比べて上記所定領域における上記吸気絞り弁の開度を開き側に変更する
    請求項1乃至6いずれかに記載の車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置。
  8. 上記所定領域は、上記エンジン回転速度が低速側且つ上記目標燃料噴射量が少量側となる領域である
    請求項7記載の車両用ターボ過給式ディーゼルエンジンの吸気絞り弁制御装置。
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