JP2004019227A - 法枠用型枠 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】縦線3と横線4が交差する一対の網状側枠2をスペーサ5で連結し、横線を長手方向とする法枠用型枠1において、前記縦線3の端部は、前記網状側枠2の上辺及び下辺に位置する横線4を越えて突出しない。好ましくは、横線4の端部も左右両端の縦線3を越えて突出しない。これにより、所定の型枠断面積を確保し、保管時や持ち運び中の取扱性がよく、梱包も容易となる。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、斜面安定化用の法枠を形成するための法枠用型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
斜面を安定化するための法枠用型枠が、▲1▼実用新案登録第2549174号公報、▲2▼特許第3010245号公報及び▲3▼特開平8−218382号公報に記載されている。
【0003】
上記▲1▼の公報では、相対向する2枚の枠材と、これらの枠材間に折り畳み自在に連結する連結材とよりなる法枠用型枠において、前記枠材は複数の縦線と横線とを縦横方向に向けて編成した金網からなり、各枠材を構成する最上位の横線から上方に突出する縦線の突出部が1本おきに相対向する枠材の内側に折曲して最上位の横線に巻き付いていると共に、前記折曲加工した縦線の間に位置する各線材の上部を最上位の横線の下方で切断して短寸部を形成している。
【0004】
これにより、コテによる法枠の仕上げ作業を円滑に行なうとともに、取扱性と防錆効果の向上を図っている。
【0005】
上記▲2▼の公報では、金属製の縦線と横線とを格子状に編み組して形成した横長い金網製側板を向い合わせて配置し、その金網製側板間へ適宜間隔でフープ筋とサポート筋とを配置して連結した折り畳み可能な法枠用金網において、前記金網製側板の上端縁のみを予め合成樹脂製材料で密着被覆している。
【0006】
これにより、法面における作業の安全性を確保すると共に、耐久性の向上を図っている。
【0007】
上記▲3▼の公報では、長さ方向にほぼ平行に配置された鋼線にほぼ垂直に交差して重ね合わされ、形成された交点を固着した幅方向の鋼線とからなる型枠用網板であって、該幅方向の鋼線は、一端側で屈曲部を形成され、該屈曲部又は該屈曲部付近において上縁となる最外の該長さ方向の鋼線に固着されており、他端側で下縁となる最外の該長さ方向の鋼線に固着されて形成されている型枠用網板を開示する。
【0008】
これにより、網板の上縁にホースや衣類などが引っ掛らず、作業者が作業中に網板の上縁に触れても負傷しない安全性を考慮した型枠用網板を得ることを図っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報記載の型枠は、いずれも対向する一対の金網状側枠の上辺側に突出する線材のみを折曲げあるいは被覆処理している。
【0010】
すなわち、上記▲1▼の公報の法枠用型枠は、型枠上辺を構成する最上位の横線に対し縦線の上端部を折り曲げて巻付けているが、下辺側の縦線については、端部が横線から下に突出したまま切りっぱなしの状態である。
【0011】
上記▲2▼の公報の法枠用金網は、金網上辺側の上端縁のみに対し縦線及び横線を合成樹脂材料で被覆しているが、下辺側の下端縁は縦線が下に突出したまま切りっぱなしの状態である。また、被覆された上辺についても下辺と同様に縦線は横線から突出している。
【0012】
上記▲3▼の型枠は、縦方向の鋼線の上縁を折り曲げて横方向の鋼線に固着しているが、下縁については上記▲1▼、▲2▼の公報と同様に縦方向の鋼線が突出して切りっぱなしのままである。
【0013】
このように型枠の下辺側に縦線端部が突出していると、以下のような不具合を生じる。
(1)型枠を地山法面に設置したときに、特に柔らかい地盤ではこの縦線端部が地山に食込み、型枠の高さが低くなって設計上の法枠高さが得られず所定の安定化が達成されないおそれを生じる。これに対処するためには、縦線の食込み量に応じて型枠より高く余分にコンクリートを吹付けたり、あるいは予め現場に応じた縦線の食込み量を想定してその分の高さを継ぎ足して型枠を製作する必要がある。このような現場での余分なコンクリート打ちや型枠の継ぎ足しは面倒であり作業性が低下する。
(2)型枠の保管時や搬送時あるいは現場で設置場所への持ち運び中に、突出した下辺側の縦線に衣服等が触れて破れたり、他の部材に触れて傷付けるおそれがあり、取扱いに注意を要する。このため、搬送のための梱包も厳重にしなければならない。
(3)型枠を設置場所に一旦置いた後、位置を修正しようとする場合に、型枠を持ち上げて、食込んだ縦線を地山から抜いてから、型枠全体を持ち上げた状態で位置をずらせなければならず、大きな労力を要し作業性が悪い。例えば、植栽用の土壌安定化のために地盤面に菱金網を敷く場合があるが、この場合、型枠を仮置きした後に、所定の位置にずらそうとしても型枠下辺に突出する縦線が菱金網に引っ掛って位置修正が非常にやりにくい。
【0014】
本発明は上記従来技術を考慮したものであって、法面に設置したときの地山への食込みを防止して所定の型枠断面積を確保し、保管時や持ち運び中の取扱性がよく、梱包も容易で、現場での設置時に容易に位置調整や修正が可能で作業性を向上させた法枠用型枠の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明においては、縦線と横線が交差する一対の網状側枠をスペーサで連結し、横線を長手方向とする法枠用型枠において、前記縦線は、長手方向の少なくとも中間部分では実質的に前記網状側枠の上辺及び下辺に位置する横線を越えて突出しないことを特徴とする法枠用型枠を提供する。
【0016】
この構成によれば、少なくとも長手方向の中間部分では網状側枠の縦線の両端部が上辺及び下辺に対して折曲げ等の加工が施されるため、上辺だけでなく下辺からも縦線が突出することはなく、型枠の下辺が上辺とともに実質上平坦(直線状)に揃えられる。これにより、所定の型枠断面積を確保し、保管時や持ち運び中の取扱性がよく、梱包も容易である。さらに、長手方向の全長において網状側枠の縦腺が突出しないようにした場合には、現場での設置時に容易に位置調整や修正が可能で作業性を向上させることができる。また、上辺及び下辺が同じ形状になるため、現場で上下を確認する必要がなく作業性がさらに向上する。
【0017】
好ましい構成例では、前記縦線の上端部と下端部を交互に折曲げて上辺及び下辺の横線にそれぞれ巻付けるとともに、他端側の端部を上辺あるいは下辺よりも内側に位置させたことを特徴としている。
【0018】
この構成によれば、縦線の端部を折り返して横線に巻付けることにより、上辺及び下辺で縦線と横線とを確実に結合して型枠の形状を保持するとともに、縦線が型枠の上辺及び下辺から突出することを防止できる。
【0019】
別の好ましい構成例では、前記縦線の両端部を上辺及び下辺の横線と揃う位置で切断し、この縦線端部を当該横線に溶接したことを特徴としている。
【0020】
この構成によれば、型枠上辺及び下辺の横線と交差する縦線端部を当該横線に合わせて切断し、この部分を横線に溶接することにより、上辺及び下辺で縦線と横線とを確実に結合して型枠の形状を保持するとともに、縦線が型枠の上辺及び下辺から突出することを防止できる。
【0021】
さらに別の好ましい構成例では、前記縦線の両端部を上辺及び下辺の横線と揃う位置で切断し、この縦線端部を当該横線とともに合成樹脂で被覆して結合したことを特徴としている。
【0022】
この構成によれば、型枠上辺及び下辺の横線と交差する縦線端部を当該横線に合わせて切断し、この部分を横線とともに合成樹脂で一体的に被覆することにより、上辺及び下辺で縦線と横線とを確実に結合して型枠の形状を保持するとともに、縦線が型枠の上辺及び下辺から突出することを防止でき、さらに型枠の上辺及び下辺を合成樹脂により保護することができる
【0023】
他の好ましい構成例では、前記縦線の両端部を上辺及び下辺の横線に対して、1本おきに折曲げてそれぞれ巻付けるとともに、その間の縦線を横線と揃う位置で切断したことを特徴としている。
【0024】
この構成においても前記各構成例と同様に、少なくとも長手方向の中間部分において実質的に縦線が型枠の上辺及び下辺から突出することはなくなる。
【0025】
本発明ではさらに、縦線と横線が交差する一対の網状側枠をスペーサで連結し、該スペーサは、上下の横棒とこれらを連結する縦棒とからなる法枠用型枠において、前記スペーサの横棒を前記側枠の縦線に対し、上下にスライド可能に装着して該スペーサを網状側枠に対し上下移動可能とし、該スペーサの上限位置では縦棒の上下両端が前記網状側枠の上下両縁の間に収まり、該スペーサの下限位置では縦棒が前記網状側枠の下縁より下側に突出する構成としたことを特徴とする法枠用型枠を提供する。
【0026】
この構成によれば、スペーサを網状側枠に対し固定せずに上下方向に遊びをもたせる(スライド可能とする)ことにより、型枠運搬時にはスペーサを遊びの上限位置に移動させてスペーサ全体を網状側枠の上下幅内に収め、縦棒の下端を網状側枠の下縁より上に引込ませることができ、型枠使用時にはスペーサを遊びの下限位置に引き下げて縦棒の下端を網状側枠の下縁より下に突出させることができる。これにより、運搬時に縦棒の引っ掛かりがなくなり取扱い性がよくなるとともに梱包が簡素化でき、使用時には地山にラス金網(菱金網)等の金網を敷いた場合等に型枠が滑らず施工作業が円滑にできる。スペーサの遊びは自由落下により移動可能としてもよいし、または軽いスライド抵抗を与えて手で移動させるようにしてもよい。自由落下可能とすれば、型枠を上下反転するだけでスペーサが下側に移動する。型枠設置後に位置変更する場合には、スペーサを持ち上げて位置調整できるため、従来のようにスペーサが突出して固定された場合に比べ容易に位置変更ができる。
【0027】
さらに好ましい構成例では、前記網状側枠の横線は、横方向両端部の縦線を越えて突出しないことを特徴としている。
【0028】
この構成によれば、網状側枠の各横線の切りっぱなしの端部が縦線を越えて突出しないため、横線端部が作業者やものを引っ掛けたり傷付けることがなくなって取扱い性がよくなる。また、輸送時や持ち運ぶときに、型枠を折畳んで梱包する際、網状側枠の両端部を段ボール等で覆って保護する必要がなくなり単に紐やベルト等で結束するだけですみ、梱包材料が削減されるとともに梱包作業が簡単になる。
【0029】
好ましい構成例では、横線の端部を折り曲げて縦線側に巻付けたことを特徴としている。
【0030】
この構成によれば、横線の端部が折り曲げて縦線側に巻き付けられるため、網状側枠の横方向の両端部に横線が切りっぱなしで突出することがなくなる。
【0031】
さらに本発明では、縦線と横線が交差する一対の網状側枠をスペーサで連結した法枠用型枠において、前記縦線は、前記網状側枠の上辺及び下辺に位置する横線を越えて突出しないように形成され、且つ、前記横線は、前記網状側枠の横方向両端部の縦線を越えて突出しないように形成されたことを特徴とする法枠用型枠を提供する。
【0032】
この構成によれば、縦線及び横線ともに網状側枠の上下左右の縁から突出しないため、型枠の取扱い性が向上し、梱包時に段ボール等で覆って保護する必要がなくなり、梱包材料が削減され且つ梱包作業が簡単になる。このように周縁が平滑化された網状側枠からなる型枠を現場で設置する場合、型枠の滑り止め対策として、スペーサを上下スライド式にしてスペーサ下端部を地山に食い込ませることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る法枠用型枠の概略全体図であり、図2はそのA部及びB部の詳細図である。
【0034】
この法枠用型枠1は、左右一対の網状側枠2と、これらを連結するスペーサ5から構成される。各網状側枠2は、この例では、縦線3及び横線4を格子状に織り込んだクリンプ金網からなる。スペーサ5は、上下の横棒6及び左右の縦棒7を井桁状に結合したものであり、網状側枠2の長手方向に沿って所定間隔ごとに複数個設けられる(図では1個のみ示す)。上下の各横棒6の両端は網状側枠2の縦線3に対し回動可能に取付けられる。これにより、網状側枠2を重ねて折り畳み可能となる。
【0035】
網状側枠2の縦線3は、例えば1本おきに、その上端が最上位の横線4a(網状側枠2の上辺の横線)に対し、図2(A)に示すように、外側から内側に巻付くように折り曲げられ、下端が最下位の横線4b(網状側枠2の下辺の横線)より上の位置で切断されている。また、この上端が折り曲げられた縦線3aの間に交互に配列する縦線3bは、逆に下端が下辺の横線4bに対し、図2(B)に示すように、外側から内側に巻付くように折り曲げられ、上端が上辺の横線4aより下の位置で切断されている。これにより、各縦線3の長さは網状側枠2の上辺及び下辺間の長さより短くなり、各縦線3の上下端部が網状側枠2から上下に突出することはなく、網状側枠の上辺及び下辺は実質上平坦(直線状)に揃えられる。このとき、縦線端部を内側に折り返すことにより、折り返された端部が網状型枠の外面に露出することがなく、作業中の引っ掛りが防止されるとともに、外面の仕上げ作業が円滑にできる。
【0036】
なお、上辺4aあるいは下辺4bで折り曲げる縦線3a,3bの位置は、波状の横線4の波の位置により縦線3が外側から内側に折り返される位置であれば、いずれの位置の縦線3であってもよい。また、1本おきに縦線の上下両端を折り返すとともに、その間の縦線は上辺4aおよび下辺4bの横線と揃えた位置で上下両端を切断してよい。
【0037】
このような上辺及び下辺がともに平坦に揃った法枠用型枠を作製する場合、最初は縦線端部が上辺及び下辺から突出した網状側枠を用い、その突出した縦線を折曲げ又は切断して長さを短くすることにより形成する。
【0038】
なお、網目については、上下方向の中間部より端部側の網目を大きくしてもよい。これにより、リバウンドロスを少なくして安定したコンクリート強度の法枠が得られる。
【0039】
網状側枠の上辺及び下辺から突出する縦線端部をなくす方法として、前述のように端部を折り曲げる方法に代えて、上辺及び下辺の横線の位置に合わせて縦線を切断し、この切断部分で交差する縦線と横線を溶接により固定してもよい。
【0040】
また、上辺及び下辺の横線の位置で切断した縦線端部を、これと交差する横線とともに合成樹脂で一体的に被覆してもよい。
【0041】
また、網状側枠2は、クリンプ金網に限らず縦線が型枠の上辺及び下辺から突出せず上辺及び下辺が実質状平坦な形状であればどのようなものでもよく、例えば縦線と横線の交点を部分的又は全て溶接した金網等を用いることができる。
【0042】
図3(A)(B)は、本発明の別の実施形態を示す。これらの実施形態は、長手方向における中間部分は前記実施形態と同様で型枠端部に滑り止め用の突出部を設けたものである。
(A)の例は、網状側枠2の両端部(又は一方のみの端部)に、下辺から下側に突出する少数本の縦線3cを設けたものである。突出長さLは、例えば地山に敷いた植生用金網に引っ掛る程度の適当な長さとする。
(B)の例は、図1の実施形態の変形例であり、型枠の端部近傍に、縦棒7aが縦線3より下側に適当な長さLだけ突出するスペーサ5aを設けたものである。
このような縦線3cあるいはスペーサ5aによる滑り止め用の突出部を設けることにより、特に地山に植生用金網を敷いた場合等に型枠が滑らず施工作業が円滑にできる。
【0043】
図4は本発明の別の実施形態を示す。この実施形態は図3と同様に型枠に滑り止め用の突出部を設けたものである。
網状側枠2は全長にわたってその上下縁から縦線3が突出しない形状である。このような網状側枠2からなる型枠1において、本実施例は、一部のスペーサ5の横棒6を網状側枠2の縦線3にスライド可能に取り付けたものである。この横棒6のスライド幅Z(遊び)は1対の上下の横線4間となる。横棒6が上側の横線4d側(スペーサ5の上限位置)にあるときは(図の点線位置)、スペーサ5全体が網状側枠2の上下幅の範囲内に収まり、縦棒7の上端は側枠上縁(最上位の横線4f)より下で、かつ下端は側枠下縁(最下位の横線4g)の上であって、縦棒7の下端は縦線3の下端(最下位の横線4g)から下にはみ出さない。横棒6が下側の横線4e側(スペーサ5の下限位置)にあるとき(図の実線位置)縦棒7の下端は縦線3の下端(最下位置の横線4g)から下に突出する。この突出長さは例えば地山に敷いた植生用金網に引っ掛る程度の適当な長さとする。
【0044】
型枠1の全てのスペーサをこのようなスライド可能なスペーサ5としてもよい。あるいは一部のスペーサ(例えば両端または一方の端部のスペーサ)のみをスライド可能としてもよい。この場合、他のスペーサは網状型枠2の上下幅の範囲内に収まるように形成される。
【0045】
法枠用型枠1を折り畳んで運搬するときはスペーサ5を上限位置に移動させる。この場合、型枠1を上下反転させてスペーサ5を自重で落下させることにより上限位置に移動させることができる。自重では落下しない程度の多少のスライド抵抗を持たせ、手で持上げるようにしてもよい。これにより持ち運びの際に型枠上下への突出部分がなくなり取扱い性が向上するとともに梱包が簡素化され、ダンボールなどの梱包材を大幅に削減できる。
【0046】
法枠施工時には上下を適正に配置して型枠1を開くことにより自重で(または手で)スペーサを下限位置に移動させる。これにより、スペーサの縦棒7の下端が網状側枠2の下縁から突出するので地山に植生用金網を敷いた場合等に縦棒7がこれらに引っ掛かり、型枠が滑らず施工作業が円滑にできる。
【0047】
スペーサ5の下限位置で法枠内に設置する鉄筋のかぶりを適正に確保できるように遊びの範囲を定める。このためスペーサ5の下側の横棒の高さを調整したり、網状側枠2の横線4の間隔を変えて遊びの長さを変えてもよい。スペーサ5の形状は縦棒が2本の井桁形状に限らず、縦棒7が1本でキ字状としてもよい。また、上側の横棒6の中央部を開口させ左右の横棒の自由端側を縦棒に連結したスペーサとし、その開口から下側鉄筋を配設できる型枠としてもよい。
【0048】
図5は、本発明の別の実施形態の形状説明図である。図中、符号は図1と同様に付してある。
この法枠用型枠1は、一対の網状側枠2,2を複数のスペーサ5(図は1個のみ示す)を介して相互に重ね合わせて折畳み可能に連結したものである。各網状側枠2は、縦線3と横線4を格子状に織り込んだクリンプ金網である。各縦線3は、前述の図1の例と同様に、その上下端部が折り曲げられたり又は短く切断されて、網状側枠2の上辺及び下辺より上下外側に突出しない。
【0049】
図5の実施形態ではさらに、各横線4の端部が縦線3と同様に折り曲げられたり(C部詳細参照)又は短く切断されて、横方向両端部の縦線3より外側に突出しない。したがって、網状側枠2の外周は上下左右全周が実質上平滑な直線状となって、切りっぱなしの縦線や横線の端部が外側に突出しない。
【0050】
スペーサ5は、前述の図4の例と同様に、上下にスライド可能な構成としてもよい。これにより、梱包時にはスペーサ5を両方の網状側枠2,2間に上下端部が突出しない状態で挟んで型枠を折畳んで簡易な梱包とすることができ、現場では、型枠を広げてスペーサ5を網状側枠2の下縁より下に突出するようにスライドさせて地山斜面に滑ることなく設置することができる。この場合、スペーサ形状を上下対称として、上下いずれの方向にもスライドして網状側枠から突出可能な形状とすれば、型枠の上下の方向性がなくなり、取扱い性がさらに向上する。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、長手方向の少なくとも中間部分において、網状側枠の縦線が上辺及び下辺の横線よりも実質的に突出しないように加工されるため、上辺だけでなく下辺からも縦線が突出することはなく、型枠の下辺が上辺とともに実質上平坦(直線状)に揃えられる。
【0052】
これにより、型枠はその長手方向の大半部分において、
(1)上辺及び下辺が実質的に平坦であるため、保管時や持ち運び中の取扱性がよくなって、少ない梱包材でよいので梱包も容易にできる。
(2)上辺が平坦であるため、施工時にコンクリートホースや作業服等に引っ掛ることがなく、作業性が向上する。
(3)さらに、端部も含めて長手方向の全長にわたり平坦状とすることも可能であり、この場合には、下辺が平坦であるため、法面に設置したときに地山への食込みが防止され必要な高さが保たれて所定の型枠断面積を確保できる。これにより、余分のコンクリートを付加したり型枠を継ぎ足して高くする必要がなくなって、無駄がなくなり作業性が向上する。
(4)下辺が平坦であるため地山に食込まず、したがって現場での設置時に、一旦仮置きした後、容易に位置調整や修正が可能となり作業性を向上させることができる。
(5)上辺及び下辺が同じ形状になるため、現場で上下を確認する必要がなく作業性がさらに向上する。
【0053】
また、図3及び図4の実施形態の発明によれば、スペーサの縦棒または網状側枠の縦線の一部が型枠の下辺より突出するため、これが地盤やラス金網に引っ掛かって滑りが防止され、特にラス金網を敷いた斜面での施工性が向上する。特に図4の実施形態の発明によれば、スペーサをスライド可能とすることにより、運搬時の取扱い性の向上とともに施工性の向上が図られる。
【0054】
また、網状側枠の縦線とともに各横線の端部が網状側枠の上下左右の全外周縁から突出しない構成とすれば、縦線及び横線の切りっぱなし端部が作業者やものを引っ掛けたり傷付けることがなくなって取扱い性がよくなる。また、輸送時や持ち運ぶときに、型枠を折畳んで梱包する際、網状側枠の両端部を段ボール等で覆って保護する必要がなくなり単に紐やベルト等で結束するだけですみ、梱包材料が削減されるとともに梱包作業が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る法枠用型枠の概略全体構成図。
【図2】図1のA部及びB部の詳細図。
【図3】本発明の別の実施形態の構成説明図。
【図4】本発明の別の実施形態の構成説明図。
【図5】本発明のさらに別の実施形態の構成説明図。
【符号の説明】
1:法枠用型枠、2:網状側枠、3:縦線、4:横線、5:スペーサ、6:横棒、7:縦棒。
Claims (9)
- 縦線と横線が交差する一対の網状側枠をスペーサで連結し、横線を長手方向とする法枠用型枠において、前記縦線は、長手方向の少なくとも中間部分では実質的に前記網状側枠の上辺及び下辺に位置する横線を越えて突出しないことを特徴とする法枠用型枠。
- 前記縦線の上端部と下端部を交互に折曲げて上辺及び下辺の横線にそれぞれ巻付けるとともに、他端側の端部を上辺あるいは下辺よりも内側に位置させたことを特徴とする請求項1に記載の法枠用型枠。
- 前記縦線の両端部を上辺及び下辺の横線と揃う位置で切断し、この縦線端部を当該横線に溶接したことを特徴とする請求項1に記載の法枠用型枠。
- 前記縦線の両端部を上辺及び下辺の横線と揃う位置で切断し、この縦線端部を当該横線とともに合成樹脂で被覆して結合したことを特徴とする請求項1に記載の法枠用型枠。
- 前記縦線の両端部を上辺及び下辺の横線に対して、1本おきに折曲げてそれぞれ巻付けるとともに、その間の縦線を横線と揃う位置で切断したことを特徴とする請求項1に記載の法枠用型枠。
- 縦線と横線が交差する一対の網状側枠をスペーサで連結し、該スペーサは、上下の横棒とこれらを連結する縦棒とからなる法枠用型枠において、
前記スペーサの横棒を前記側枠の縦線に対し、上下にスライド可能に装着して該スペーサを網状側枠に対し上下移動可能とし、該スペーサの上限位置では縦棒の上下両端が前記網状側枠の上下両縁の間に収まり、該スペーサの下限位置では縦棒が前記網状側枠の下縁より下側に突出する構成としたことを特徴とする法枠用型枠。 - 前記網状側枠の横線は、横方向両端部の縦線を越えて突出しないことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の法枠用型枠。
- 横線の端部を折り曲げて縦線側に巻付けたことを特徴とする請求項7に記載の法枠用型枠。
- 縦線と横線が交差する一対の網状側枠をスペーサで連結した法枠用型枠において、
前記縦線は、前記網状側枠の上辺及び下辺に位置する横線を越えて突出しないように形成され、且つ、
前記横線は、前記網状側枠の横方向両端部の縦線を越えて突出しないように形成されたことを特徴とする法枠用型枠。
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