JP2004018963A - 金属皮膜の剥離方法及び剥離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】応力腐食割れの発生を抑制した剥離方法及び剥離装置を提供する。
【解決手段】剥離液32中のタービン翼33の電位を照合電極(飽和塩化カリウム溶液中の銀−塩化銀電極)34の基準に対して約−200mVになるように、外部電源36により制御しながら、タービン翼33の金属皮膜の剥離作業を行う。
【選択図】 図3
【解決手段】剥離液32中のタービン翼33の電位を照合電極(飽和塩化カリウム溶液中の銀−塩化銀電極)34の基準に対して約−200mVになるように、外部電源36により制御しながら、タービン翼33の金属皮膜の剥離作業を行う。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属皮膜の剥離方法及び剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービン翼のような合金部品は、例えば使用環境等から受ける悪影響を防止するため、部品の基材金属(以下、「母合金」という)の表面に金属皮膜による表面処理が施される。金属皮膜は通常約5〜500μmの厚さであり、例えばニッケルアルミニド(NiAl)、MCrAlY(式中、Mはコバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)及びこれらの組み合わせである)等の金属皮膜が形成される。また、皮膜の形成にはプラズマ溶射が広く用いられている。
【0003】
ガスタービン翼等の合金部品は、厳しい高温ガス環境下で使用することにより酸化減肉や熱疲労亀裂などの損傷、コーティングの劣化が生じるため、定期的にこれらを補修する必要がある。この補修に際しては、まず母合金表面の金属皮膜の剥離を行う。この金属皮膜の剥離は例えば、塩酸などの溶解力のある剥離液中において金属皮膜のみをうまく溶解させることにより行う。
【0004】
この化学的方法では金属皮膜が優先的に腐食されるため、うまく溶解させることができる。しかし、金属皮膜の溶解が進むと母合金にまで剥離液による腐食が及ぶおそれがある。これに対し、インヒビターと呼ばれる添加剤を加えることにより、母合金の腐食を防止することができる。インヒビターとは、主成分として有機物を主体としたアミン類やカチオン系界面活性剤を有する酸食抑制剤である。酸性の剥離液に添加されたインヒビターは、酸腐食により金属皮膜が不均一に剥離され部分的に母合金が露出する際、露出した母合金の表面に吸着することにより、母合金が過剰に腐食されるのを防止する。
【0005】
しかしながら上記のように、母合金の腐食に注意しつつ金属皮膜の剥離作業を行っても、剥離プロセス中、母合金に応力腐食割れが発生することがある。応力腐食割れとは、合金系金属が許容応力内の静的な引張応力を受けた状態で特定の腐食環境中にさらされるとき、腐食を伴って合金に割れを生ずる現象をいう。すなわち、インヒビター等の酸食抑制剤を使用しながら剥離作業を行っても、インヒビターが完全に酸性の剥離液から母合金を保護することができないため、僅かながら腐食がおこり応力腐食割れを引き起こすと考えられる。
【0006】
このように、剥離プロセス中に母合金に応力腐食割れが発生すると、その後金属皮膜による再処理を施しても補修前に合金部品が有していた種々の材料物性を維持することが難しくなる。合金部品がガスタービン翼であれば、性能と信頼性とが損なわれたガスタービン翼となり、最悪の場合、ガスタービン翼は使い物にならず廃棄せざるを得なくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、母合金表面の金属皮膜を剥離する際に、応力腐食割れの発生を抑制した剥離方法及び剥離装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する第1の発明は、剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離方法であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVに制御したことを特徴とする剥離方法である。また、第2の発明は前記電位を照合電極の基準に対して−150mV〜−250mV、第3の発明は約−200mVに制御したことを特徴とする剥離方法である。
【0009】
ここで前記照合電極とは「飽和塩化カリウム溶液中の銀−塩化銀電極」からなる電極であり、1気圧の水素で飽和した白金黒(Pt板にPtメッキを施したもの。表面の微細な凹凸のため黒く見える。)を用いて作製したいわゆる標準水素電極と比較して、25℃で197mVの電位を示す。すなわち、例えば「照合電極の基準に対して、−200mVに制御する」とは、「標準水素電極に対して、−3mVに制御する」ことと同意である。
【0010】
また、特開2001−172799号公報には、塩化ナトリウム水溶液などの電解液中で合金部品に積極的に直流電流を印加することで、金属皮膜を電解により剥離させる方法が記載されている。この公報に記載の技術はあくまで電解により金属皮膜を剥離する方法であり、本発明に係る剥離方法とは異なる。すなわち、本発明に係る剥離方法は、酸性溶液などの剥離液中において金属皮膜を溶解させ剥離することを主としており、この際に合金部品に発生する起電力の電位を所定の電位に調整することで、母合金の腐食による応力腐食割れを抑制しつつ金属皮膜を剥離させる方法である。
【0011】
剥離液中において金属皮膜を溶解させ剥離する際に、母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVに制御することで、剥離作業中の応力腐食割れを抑制することができる。また、前記電位を照合電極の基準に対して−150mV〜−250mVにすることで、より高い確率で応力腐食割れの発生を抑制することができ、更に約−200mVに制御すれば、応力腐食割れを防止することができる。
【0012】
前述した課題を解決する第4の発明は、剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離装置であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を検出する電位検出手段を有し、前記電位検出手段により検出された電位値が所定の範囲の電位値から外れたときに警報を発することを特徴とする剥離装置である。
【0013】
従来、剥離プロセス中の応力腐食割れの発生を抑制するための指針及び応力腐食割れを管理する手段がなかった。そこで本発明では、前述した応力腐食割れの発生と剥離液中の合金部品に発生する起電力との関係に鑑みて、剥離プロセス中に合金部品の電位を電位検出手段により監視し、一定の電位範囲から外れた場合に警報を発するようにした。この結果、あらかじめ警報により応力腐食割れの発生を知ることができる剥離装置とするとができる。ここで、電位検出手段とは、例えば電位差計、電圧計などを用いることができる。
【0014】
前述した課題を解決する第5の発明は、剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離装置であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVまたは−150mV〜−250mVまたは約−200mVに制御するにあたり、外部電源を用いて前記母合金の電位を制御することを特徴とする剥離装置である。当該剥離装置によれば、母合金の電位が応力腐食割れのおそれがない所定の電位範囲から外れた場合でも、外部電源から電流を印加することにより母合金の電位調整をすることができるようになる。
【0015】
前述した課題を解決する第6の発明は、剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離装置であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVまたは−150mV〜−250mVまたは約−200mVに制御する際に、前記剥離液中に不活性ガスを供給することにより前記母合金の電位を制御することを特徴とする剥離装置である。
【0016】
剥離液には溶存酸素などの強い酸化剤が含まれることがある。母合金は強い酸化剤との電気化学反応で電位上昇が引き起こされることがある。この電位上昇により母合金の電位が応力腐食割れのおそれがない所定の電位範囲から外れることを防ぐため、剥離液中に不活性ガスを供給し酸素による影響を防ぐようにした。ここで、不活性ガスとしては、例えばアルゴンガスや窒素ガス等を用いることができる。また、第5の発明で説明した外部電源を併用し、不活性ガスと外部電源とによる電位制御を行ってもよく、これにより更に的確な電位制御が可能となる。
【0017】
前述した課題を解決する第7の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかに記載の剥離方法において、前記母合金がガスタービン翼であることを特徴とする剥離方法である。また第8の発明は、第4ないし第6の発明のいずれかに記載の剥離装置において、前記母合金がガスタービン翼であることを特徴とする剥離装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、実施形態に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
【0019】
まず、剥離プロセスにおける応力腐食割れと母合金の電位との関係を検証した。実験は以下のようにして行った。濃度27%の塩酸にインヒビターを添加し調製した剥離液に、ガスタービン翼と同じ材料で作製した引張試験片を浸し、試験片に一定の応力をかけた。ここで、前記照合電極(飽和塩化カリウム溶液中の銀−塩化銀電極)を剥離液に入れ、当該電極を基準とした試験片の電位を外部電源により調整し、試験片が破断する時間を調べた。
【0020】
図1は、前記実験の結果を示したグラフであり、応力腐食割れによる破断に至るまでの時間とガスタービン翼の電位との関係を示したグラフである。同図から分かるように、ガスタービン翼の電位が−400mV、0mV、100mVのときはいずれも5時間以内でガスタービン翼が応力腐食割れにより破断している。一方、ガスタービン翼の電位を−200mVとして応力をかけた場合は、約10時間経っても破断せず、応力腐食割れの発生が抑制されていることが分かる。剥離プロセスは約5時間の剥離作業により行われることに鑑みれば、ガスタービン翼の電位を−100mV〜−300mVに調整することにより、応力腐食割れの発生を伴うことなく金属皮膜の剥離を行うことができる。
【0021】
ガスタービン翼の電位については、−100mV〜−300mVとすれば上記効果を得ることができるが、好ましくは−150mV〜−250mV、より好ましくは約−200mVである。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態に係る剥離装置の構成図である。同図に示すように、剥離装置20は浴槽21と、浴槽21に満たされた剥離液22と、剥離液22に入れられた照合電極24と、照合電極24とガスタービン翼23と間の電位差を測定する電位検出手段である電位差計25と、前記測定値が出力される記録計26と、前記測定値が一定の電位範囲を外れた場合に警報を発する警報器27とからなる。同図には、クリスマスツリー型の植込部23aと翼部23bとからなるガスタービン翼23において、翼部23bを剥離液22に浸し翼部23bの金属皮膜を剥離するように、ガスタービン翼23を剥離装置20に設置した状態を示している。
【0023】
従来、ガスタービン翼の金属皮膜の剥離プロセスにおいて、応力腐食割れの発生を抑えるための指針と共にその管理手段がなかった。しかしながら、本発明に係る剥離装置20を用いることにより、ガスタービン翼23の電位を監視しながら剥離作業を行うことができる結果、応力腐食割れの発生を抑制しつつ金属皮膜を剥離することができる。
【0024】
なお、前述した実験で得られたデータを参考にして、ガスタービン翼23の電位が−100mV〜−300mVの範囲から外れた場合、警報器27を作動させるようにする。また、電位の管理範囲を−150mV〜−250mVまたは−200mV近傍の範囲にした場合には、それぞれ前記範囲から外れた場合に警報器27が警報を発するようにする。
【0025】
図3は、本発明の他の実施形態に係る剥離装置の構成図である。同図に示すように、剥離装置30は浴槽31と、浴槽31に満たされた剥離液32と、剥離液32に入れられた照合電極34及び対極35と、ガスタービン翼33の電位を調整する外部電源36とからなる。外部電源36は、照合電極34とガスタービン翼33との間の電位差に基づいて、対極35とガスタービン翼33とを分極させることによりガスタービン翼33を一定の電位に調整する。同図には、クリスマスツリー型の植込部33aと翼部33bとからなるガスタービン翼33において、翼部33bを剥離液32に浸し翼部33bの金属皮膜を剥離するように、ガスタービン翼33を剥離装置30に設置した状態を示している。
【0026】
剥離装置30には、前述するようにガスタービン翼33の電位を調整する外部電源36が設けられている。これにより、応力腐食割れが発生しやすい電位となった場合に、所望の電位に調整することができるため、応力腐食割れの発生を抑制しつつ金属皮膜の剥離を行うことができる。
【0027】
図4は、本発明の他の実施形態に係る剥離装置の構成図である。同図に示すように、剥離装置40は浴槽41と、浴槽41に満たされた剥離液42と、剥離液42に入れられた照合電極44と、照合電極44とガスタービン翼43との間の電位差を測定する電位検出手段である電位差計45と、前記測定値が出力される記録計46と、剥離液42に不活性ガスを供給するチューブ47とからなる。同図には、クリスマスツリー型の植込部43aと翼部43bとからなるガスタービン翼43において、翼部43bを剥離液42に浸し翼部43bの金属皮膜を剥離するように、ガスタービン翼43を剥離装置40に設置した状態を示している。
【0028】
剥離液42には溶存酸素などの強い酸化剤が含まれることがある。ガスタービン翼43は強い酸化剤との電気化学反応で電位上昇が引き起こされることがある。剥離装置40では、ガスタービン翼43の電位が前記電位上昇により応力腐食割れのおそれのない電位範囲から外れることを防ぐため、チューブ47により剥離液42に不活性ガスを供給し酸素による影響を防ぐようにした。ここで、不活性ガスとは、例えばアルゴンガスや窒素ガス等を用いることができる。
【0029】
また、剥離装置40には警報器を備えていないが、図2に示したように警報器を設置し、ガスタービン翼43の電位が所望の電位範囲から外れた場合に警報を発するようにしてもよい。更に、図3に示した剥離装置30で説明した外部電源36を併用し、不活性ガスと外部電源とによる電位制御を行ってもよく、これにより更に的確な電位制御が可能となる。
【0030】
なお、本発明に係る金属皮膜の剥離方法及び剥離装置は、ガスタービン翼に施された金属皮膜の剥離のみに使用が限定されるわけではなく、ガスタービン翼と同じ種類の合金表面に施された金属皮膜及び無機系皮膜の剥離にも使用することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る金属皮膜の剥離方法及び剥離装置は、剥離プロセス中の母合金の電位と応力腐食割れとの関係に着目し、母合金に発生する起電力の電位を監視または積極的に調整することにより、応力腐食割れが発生しにくい電位範囲に制御しながら金属皮膜を剥離するものである。
【0032】
すなわち、本発明に係る剥離方法によれば、剥離液中において金属皮膜を剥離する際に、母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVに制御することで、剥離作業中の応力腐食割れを抑制することができる。また、前記電位を照合電極の基準に対して−150mV〜−250mVにすることで、より高い確率で応力腐食割れの発生を抑制することができ、更に約−200mVに制御すれば、応力腐食割れを防止することができる。
【0033】
また、従来、応力腐食割れの発生を抑制するための指針及び管理手段がなかったのに対し、本発明に係る剥離装置によれば、応力腐食割れが発生する頻度が高い電位となった場合に警報を発するようにしたため、応力腐食割れの発生に注意しつつ金属皮膜の剥離作業を行うことができる。この結果、合金部品の補修を効率よく行うことができ、再利用率を向上させることができる。
【0034】
また、本発明に係る他の剥離装置によれば、外部電源または不活性ガスにより母合金の電位を積極的に制御することようにしたため、電位が応力腐食割れの発生しにくい電位範囲から外れた場合でも、外部電源からの電流の印加または不活性ガスの供給による電位上昇の原因である酸素除去を行うことにより、母合金の電位調整をすることができ、応力腐食割れの発生を抑制しつつ金属皮膜の剥離作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】応力腐食割れによる破断時間とガスタービン翼の電位との関係図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る剥離装置の構成図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る剥離装置の構成図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る剥離装置の構成図である。
【符号の説明】
20 剥離装置
21 浴槽
22 剥離液
23 ガスタービン翼
24 照合電極
25 電位差計
26 記録計
27 警報器
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属皮膜の剥離方法及び剥離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスタービン翼のような合金部品は、例えば使用環境等から受ける悪影響を防止するため、部品の基材金属(以下、「母合金」という)の表面に金属皮膜による表面処理が施される。金属皮膜は通常約5〜500μmの厚さであり、例えばニッケルアルミニド(NiAl)、MCrAlY(式中、Mはコバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)及びこれらの組み合わせである)等の金属皮膜が形成される。また、皮膜の形成にはプラズマ溶射が広く用いられている。
【0003】
ガスタービン翼等の合金部品は、厳しい高温ガス環境下で使用することにより酸化減肉や熱疲労亀裂などの損傷、コーティングの劣化が生じるため、定期的にこれらを補修する必要がある。この補修に際しては、まず母合金表面の金属皮膜の剥離を行う。この金属皮膜の剥離は例えば、塩酸などの溶解力のある剥離液中において金属皮膜のみをうまく溶解させることにより行う。
【0004】
この化学的方法では金属皮膜が優先的に腐食されるため、うまく溶解させることができる。しかし、金属皮膜の溶解が進むと母合金にまで剥離液による腐食が及ぶおそれがある。これに対し、インヒビターと呼ばれる添加剤を加えることにより、母合金の腐食を防止することができる。インヒビターとは、主成分として有機物を主体としたアミン類やカチオン系界面活性剤を有する酸食抑制剤である。酸性の剥離液に添加されたインヒビターは、酸腐食により金属皮膜が不均一に剥離され部分的に母合金が露出する際、露出した母合金の表面に吸着することにより、母合金が過剰に腐食されるのを防止する。
【0005】
しかしながら上記のように、母合金の腐食に注意しつつ金属皮膜の剥離作業を行っても、剥離プロセス中、母合金に応力腐食割れが発生することがある。応力腐食割れとは、合金系金属が許容応力内の静的な引張応力を受けた状態で特定の腐食環境中にさらされるとき、腐食を伴って合金に割れを生ずる現象をいう。すなわち、インヒビター等の酸食抑制剤を使用しながら剥離作業を行っても、インヒビターが完全に酸性の剥離液から母合金を保護することができないため、僅かながら腐食がおこり応力腐食割れを引き起こすと考えられる。
【0006】
このように、剥離プロセス中に母合金に応力腐食割れが発生すると、その後金属皮膜による再処理を施しても補修前に合金部品が有していた種々の材料物性を維持することが難しくなる。合金部品がガスタービン翼であれば、性能と信頼性とが損なわれたガスタービン翼となり、最悪の場合、ガスタービン翼は使い物にならず廃棄せざるを得なくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、母合金表面の金属皮膜を剥離する際に、応力腐食割れの発生を抑制した剥離方法及び剥離装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する第1の発明は、剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離方法であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVに制御したことを特徴とする剥離方法である。また、第2の発明は前記電位を照合電極の基準に対して−150mV〜−250mV、第3の発明は約−200mVに制御したことを特徴とする剥離方法である。
【0009】
ここで前記照合電極とは「飽和塩化カリウム溶液中の銀−塩化銀電極」からなる電極であり、1気圧の水素で飽和した白金黒(Pt板にPtメッキを施したもの。表面の微細な凹凸のため黒く見える。)を用いて作製したいわゆる標準水素電極と比較して、25℃で197mVの電位を示す。すなわち、例えば「照合電極の基準に対して、−200mVに制御する」とは、「標準水素電極に対して、−3mVに制御する」ことと同意である。
【0010】
また、特開2001−172799号公報には、塩化ナトリウム水溶液などの電解液中で合金部品に積極的に直流電流を印加することで、金属皮膜を電解により剥離させる方法が記載されている。この公報に記載の技術はあくまで電解により金属皮膜を剥離する方法であり、本発明に係る剥離方法とは異なる。すなわち、本発明に係る剥離方法は、酸性溶液などの剥離液中において金属皮膜を溶解させ剥離することを主としており、この際に合金部品に発生する起電力の電位を所定の電位に調整することで、母合金の腐食による応力腐食割れを抑制しつつ金属皮膜を剥離させる方法である。
【0011】
剥離液中において金属皮膜を溶解させ剥離する際に、母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVに制御することで、剥離作業中の応力腐食割れを抑制することができる。また、前記電位を照合電極の基準に対して−150mV〜−250mVにすることで、より高い確率で応力腐食割れの発生を抑制することができ、更に約−200mVに制御すれば、応力腐食割れを防止することができる。
【0012】
前述した課題を解決する第4の発明は、剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離装置であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を検出する電位検出手段を有し、前記電位検出手段により検出された電位値が所定の範囲の電位値から外れたときに警報を発することを特徴とする剥離装置である。
【0013】
従来、剥離プロセス中の応力腐食割れの発生を抑制するための指針及び応力腐食割れを管理する手段がなかった。そこで本発明では、前述した応力腐食割れの発生と剥離液中の合金部品に発生する起電力との関係に鑑みて、剥離プロセス中に合金部品の電位を電位検出手段により監視し、一定の電位範囲から外れた場合に警報を発するようにした。この結果、あらかじめ警報により応力腐食割れの発生を知ることができる剥離装置とするとができる。ここで、電位検出手段とは、例えば電位差計、電圧計などを用いることができる。
【0014】
前述した課題を解決する第5の発明は、剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離装置であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVまたは−150mV〜−250mVまたは約−200mVに制御するにあたり、外部電源を用いて前記母合金の電位を制御することを特徴とする剥離装置である。当該剥離装置によれば、母合金の電位が応力腐食割れのおそれがない所定の電位範囲から外れた場合でも、外部電源から電流を印加することにより母合金の電位調整をすることができるようになる。
【0015】
前述した課題を解決する第6の発明は、剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離装置であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVまたは−150mV〜−250mVまたは約−200mVに制御する際に、前記剥離液中に不活性ガスを供給することにより前記母合金の電位を制御することを特徴とする剥離装置である。
【0016】
剥離液には溶存酸素などの強い酸化剤が含まれることがある。母合金は強い酸化剤との電気化学反応で電位上昇が引き起こされることがある。この電位上昇により母合金の電位が応力腐食割れのおそれがない所定の電位範囲から外れることを防ぐため、剥離液中に不活性ガスを供給し酸素による影響を防ぐようにした。ここで、不活性ガスとしては、例えばアルゴンガスや窒素ガス等を用いることができる。また、第5の発明で説明した外部電源を併用し、不活性ガスと外部電源とによる電位制御を行ってもよく、これにより更に的確な電位制御が可能となる。
【0017】
前述した課題を解決する第7の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかに記載の剥離方法において、前記母合金がガスタービン翼であることを特徴とする剥離方法である。また第8の発明は、第4ないし第6の発明のいずれかに記載の剥離装置において、前記母合金がガスタービン翼であることを特徴とする剥離装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、実施形態に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
【0019】
まず、剥離プロセスにおける応力腐食割れと母合金の電位との関係を検証した。実験は以下のようにして行った。濃度27%の塩酸にインヒビターを添加し調製した剥離液に、ガスタービン翼と同じ材料で作製した引張試験片を浸し、試験片に一定の応力をかけた。ここで、前記照合電極(飽和塩化カリウム溶液中の銀−塩化銀電極)を剥離液に入れ、当該電極を基準とした試験片の電位を外部電源により調整し、試験片が破断する時間を調べた。
【0020】
図1は、前記実験の結果を示したグラフであり、応力腐食割れによる破断に至るまでの時間とガスタービン翼の電位との関係を示したグラフである。同図から分かるように、ガスタービン翼の電位が−400mV、0mV、100mVのときはいずれも5時間以内でガスタービン翼が応力腐食割れにより破断している。一方、ガスタービン翼の電位を−200mVとして応力をかけた場合は、約10時間経っても破断せず、応力腐食割れの発生が抑制されていることが分かる。剥離プロセスは約5時間の剥離作業により行われることに鑑みれば、ガスタービン翼の電位を−100mV〜−300mVに調整することにより、応力腐食割れの発生を伴うことなく金属皮膜の剥離を行うことができる。
【0021】
ガスタービン翼の電位については、−100mV〜−300mVとすれば上記効果を得ることができるが、好ましくは−150mV〜−250mV、より好ましくは約−200mVである。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態に係る剥離装置の構成図である。同図に示すように、剥離装置20は浴槽21と、浴槽21に満たされた剥離液22と、剥離液22に入れられた照合電極24と、照合電極24とガスタービン翼23と間の電位差を測定する電位検出手段である電位差計25と、前記測定値が出力される記録計26と、前記測定値が一定の電位範囲を外れた場合に警報を発する警報器27とからなる。同図には、クリスマスツリー型の植込部23aと翼部23bとからなるガスタービン翼23において、翼部23bを剥離液22に浸し翼部23bの金属皮膜を剥離するように、ガスタービン翼23を剥離装置20に設置した状態を示している。
【0023】
従来、ガスタービン翼の金属皮膜の剥離プロセスにおいて、応力腐食割れの発生を抑えるための指針と共にその管理手段がなかった。しかしながら、本発明に係る剥離装置20を用いることにより、ガスタービン翼23の電位を監視しながら剥離作業を行うことができる結果、応力腐食割れの発生を抑制しつつ金属皮膜を剥離することができる。
【0024】
なお、前述した実験で得られたデータを参考にして、ガスタービン翼23の電位が−100mV〜−300mVの範囲から外れた場合、警報器27を作動させるようにする。また、電位の管理範囲を−150mV〜−250mVまたは−200mV近傍の範囲にした場合には、それぞれ前記範囲から外れた場合に警報器27が警報を発するようにする。
【0025】
図3は、本発明の他の実施形態に係る剥離装置の構成図である。同図に示すように、剥離装置30は浴槽31と、浴槽31に満たされた剥離液32と、剥離液32に入れられた照合電極34及び対極35と、ガスタービン翼33の電位を調整する外部電源36とからなる。外部電源36は、照合電極34とガスタービン翼33との間の電位差に基づいて、対極35とガスタービン翼33とを分極させることによりガスタービン翼33を一定の電位に調整する。同図には、クリスマスツリー型の植込部33aと翼部33bとからなるガスタービン翼33において、翼部33bを剥離液32に浸し翼部33bの金属皮膜を剥離するように、ガスタービン翼33を剥離装置30に設置した状態を示している。
【0026】
剥離装置30には、前述するようにガスタービン翼33の電位を調整する外部電源36が設けられている。これにより、応力腐食割れが発生しやすい電位となった場合に、所望の電位に調整することができるため、応力腐食割れの発生を抑制しつつ金属皮膜の剥離を行うことができる。
【0027】
図4は、本発明の他の実施形態に係る剥離装置の構成図である。同図に示すように、剥離装置40は浴槽41と、浴槽41に満たされた剥離液42と、剥離液42に入れられた照合電極44と、照合電極44とガスタービン翼43との間の電位差を測定する電位検出手段である電位差計45と、前記測定値が出力される記録計46と、剥離液42に不活性ガスを供給するチューブ47とからなる。同図には、クリスマスツリー型の植込部43aと翼部43bとからなるガスタービン翼43において、翼部43bを剥離液42に浸し翼部43bの金属皮膜を剥離するように、ガスタービン翼43を剥離装置40に設置した状態を示している。
【0028】
剥離液42には溶存酸素などの強い酸化剤が含まれることがある。ガスタービン翼43は強い酸化剤との電気化学反応で電位上昇が引き起こされることがある。剥離装置40では、ガスタービン翼43の電位が前記電位上昇により応力腐食割れのおそれのない電位範囲から外れることを防ぐため、チューブ47により剥離液42に不活性ガスを供給し酸素による影響を防ぐようにした。ここで、不活性ガスとは、例えばアルゴンガスや窒素ガス等を用いることができる。
【0029】
また、剥離装置40には警報器を備えていないが、図2に示したように警報器を設置し、ガスタービン翼43の電位が所望の電位範囲から外れた場合に警報を発するようにしてもよい。更に、図3に示した剥離装置30で説明した外部電源36を併用し、不活性ガスと外部電源とによる電位制御を行ってもよく、これにより更に的確な電位制御が可能となる。
【0030】
なお、本発明に係る金属皮膜の剥離方法及び剥離装置は、ガスタービン翼に施された金属皮膜の剥離のみに使用が限定されるわけではなく、ガスタービン翼と同じ種類の合金表面に施された金属皮膜及び無機系皮膜の剥離にも使用することができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る金属皮膜の剥離方法及び剥離装置は、剥離プロセス中の母合金の電位と応力腐食割れとの関係に着目し、母合金に発生する起電力の電位を監視または積極的に調整することにより、応力腐食割れが発生しにくい電位範囲に制御しながら金属皮膜を剥離するものである。
【0032】
すなわち、本発明に係る剥離方法によれば、剥離液中において金属皮膜を剥離する際に、母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVに制御することで、剥離作業中の応力腐食割れを抑制することができる。また、前記電位を照合電極の基準に対して−150mV〜−250mVにすることで、より高い確率で応力腐食割れの発生を抑制することができ、更に約−200mVに制御すれば、応力腐食割れを防止することができる。
【0033】
また、従来、応力腐食割れの発生を抑制するための指針及び管理手段がなかったのに対し、本発明に係る剥離装置によれば、応力腐食割れが発生する頻度が高い電位となった場合に警報を発するようにしたため、応力腐食割れの発生に注意しつつ金属皮膜の剥離作業を行うことができる。この結果、合金部品の補修を効率よく行うことができ、再利用率を向上させることができる。
【0034】
また、本発明に係る他の剥離装置によれば、外部電源または不活性ガスにより母合金の電位を積極的に制御することようにしたため、電位が応力腐食割れの発生しにくい電位範囲から外れた場合でも、外部電源からの電流の印加または不活性ガスの供給による電位上昇の原因である酸素除去を行うことにより、母合金の電位調整をすることができ、応力腐食割れの発生を抑制しつつ金属皮膜の剥離作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】応力腐食割れによる破断時間とガスタービン翼の電位との関係図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る剥離装置の構成図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る剥離装置の構成図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る剥離装置の構成図である。
【符号の説明】
20 剥離装置
21 浴槽
22 剥離液
23 ガスタービン翼
24 照合電極
25 電位差計
26 記録計
27 警報器
Claims (8)
- 剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離方法であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVに制御したことを特徴とする剥離方法。
- 請求項1に記載の剥離方法において、前記電位を照合電極の基準に対して−150mV〜−250mVに制御したことを特徴とする剥離方法。
- 請求項1に記載の剥離方法において、前記電位を照合電極の基準に対して約−200mVに制御したことを特徴とする剥離方法。
- 剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離装置であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を検出する電位検出手段を有し、前記電位検出手段により検出された電位値が所定の範囲の電位値から外れたときに警報を発することを特徴とする剥離装置。
- 剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離装置であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVまたは−150mV〜−250mVまたは約−200mVに制御する際に、外部電源を用いて前記母合金の電位を制御することを特徴とする剥離装置。
- 剥離液中において母合金の表面の金属皮膜を剥離する剥離装置であって、前記母合金を前記剥離液に入れた際に前記母合金に発生する起電力の電位を照合電極の基準に対して−100mV〜−300mVまたは−150mV〜−250mVまたは約−200mVに制御する際に、前記剥離液中に不活性ガスを供給することにより前記母合金の電位を制御することを特徴とする剥離装置。
- 前記母合金がガスタービン翼であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の剥離方法。
- 前記母合金がガスタービン翼であることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の剥離装置。
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JP2008150708A (ja) * | 2006-12-07 | 2008-07-03 | General Electric Co <Ge> | 金属基材から皮膜を選択的に除去する方法 |
JP2012180548A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 酸洗処理方法及び酸洗処理装置 |
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-
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- 2002-06-18 JP JP2002176665A patent/JP2004018963A/ja not_active Withdrawn
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