JP2004018717A - 反応性組成物 - Google Patents

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JP2004018717A
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Wakana Aizawa
相澤 和佳奈
Masakazu Takada
高田 昌和
Kazuchiyo Takaoka
高岡 和千代
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Abstract

【課題】触媒を被毒するアミンを分子内に含有する化合物を反応させる場合でも、安定してヒドロシリル化反応を進行させることができる反応性組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】(A)ヒドロシリル基を有する化合物、(B)不飽和有機化合物、(C)白金触媒を含有し、(A)および/または(B)が分子内にアミンを有する反応性組成物において、該反応性組成物が(D)ホウ素化合物を含有していることを特徴とする反応性組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドロシリル化反応を利用した反応性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
多重結合へのSi−H基の付加反応であるヒドロシリル化反応は、遷移金属化合物、特に白金化合物を触媒として用いるのが一般的である。
【0003】
この反応系に、アミン、リン、硫黄等の白金化合物に対する配位力が強い成分が存在すると触媒が被毒されて、反応が進まなくなるという問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、分子内にアミンを含有する化合物を反応させる場合でも、触媒が被毒されずに、安定してヒドロシリル化反応を進行させることができる反応性組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、(A)ヒドロシリル基を有する化合物、(B)不飽和有機化合物、(C)白金触媒を含有し、(A)および/または(B)が分子内にアミンを有する反応性組成物において、該反応性組成物が(D)ホウ素化合物を含有していれば良いことを見出した。
【0006】
アミンによるヒドロシリル化反応の阻害は、N原子の白金触媒に対する配位力が強いことが原因である。本発明では、ホウ素化合物をN原子に優先的に配位させることで、N原子が白金触媒に配位するのを抑制することができる。
【0007】
また、ホウ素化合物としては、式(1)
【0008】
【化2】
Figure 2004018717
【0009】
[式中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基である。]
で表される化合物や、そのルイス塩基との錯体を優位に用いることができることを見出した。
【0010】
さらに、アミンのN原子1molに対して、B原子が0.0001〜1000molになるようにホウ素化合物が添加されていれば良いことを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳説する。本発明の反応性組成物に係わるホウ素化合物において、B原子は3価の原子価状態のホウ素原子であり、式(1)で表されるホウ素化合物を優位に用いることができる。式(1)において、Rは、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基である。
【0012】
式(1)において、Rにより示される炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等を挙げることができる。また、ハロゲン化炭化水素基としては、塩素化、臭素化、フッ素化された上述の炭化水素基を挙げることができる。Rにより示されるヘテロ原子含有炭化水素基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基、アリルオキシ基等を挙げることができる。
【0013】
本発明の反応性組成物に係わるルイス塩基としては、エチルエーテル、ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド等のスルフィド化合物、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリメチルフェニルホスフィン、トリジメチルフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を挙げることができる。
【0014】
本発明の反応性組成物に係わる(A)ヒドロシリル基を有する化合物としては、分子内に1以上のヒドロシリル基を有する化合物であれば、特に限定はない。トリメチルシラン、ジメチルシラン、トリエチルシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、エチルジクロロシラン、シクロペンチルジクロロシラン、メチルフェニルトリクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)−ジクロロシラン、メチルクロロシラン、式(2)で表されるポリシロキサン、式(3)で表される化合物等を挙げることができる。
【0015】
【化3】
Figure 2004018717
【0016】
【化4】
Figure 2004018717
【0017】
[式中、Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、Rは、炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、または直接結合を示し、Zは、nと同じ価数を持つ連結基であり、nは1以上の整数である。]
【0018】
本発明の反応性組成物に係わる(B)不飽和有機化合物としては、分子内に1以上の不飽和結合を有する化合物であれば、特に制限はない。不飽和結合は、分子末端にあっても、内部にあってもどちらでも良い。
【0019】
本発明の反応性組成物に係わる(A)ヒドロシリル基を有する化合物、および/または(B)不飽和有機化合物において、分子内に含まれるアミンは、第一アミン、第二アミン、第三アミンのいずれでもよく、また、脂肪族アミン、芳香族アミンのいずれでもよい。
【0020】
本発明の反応性組成物において、(C)白金触媒としては、白金化合物の例としては、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の坦体に固体白金を坦持させたもの、白金−ビニルシロキサン錯体、白金−ホスフィン錯体、白金−ホスファイト錯体、白金アルコラート触媒等が使用できる。ヒドロシリル化反応の際、白金触媒は白金として0. 0001質量%から0. 1質量%程度添加される。ヒドロシリル化反応は、室温から150℃程度、好ましくは40℃から120℃程度の温度で行うことができる。
【0021】
本発明の反応性組成物において、(D)ホウ素化合物は、反応性組成物中のN原子1molに対して、ホウ素化合物のB原子が0.0001〜1000molの範囲となるであることが好ましい。ホウ素化合物の量が、この範囲より少ないと、アミンによる白金触媒の被毒を抑制することができない。また、この範囲より多いと、ホウ素化合物がヒドロシリル化反応を阻害する場合がある。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
【0023】
実施例1
トリアリルアミン23gと、1,1,4,4−テトラメチルジシルエチレン 37gとを、トルエン100gに溶解した。次にトリエチルアミンのN原子量と当量のB原子量となるように、トリエチルボレート24gを添加した。続いて、白金原子が50ppmとなるように、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を添加し、窒素雰囲気下50℃で6時間反応させた。赤外吸収スペクトルにより、1640cm−1付近のオレフィン結合のピークが消失していることを確認した。
【0024】
実施例2
式(4)のヒドロシリル化合物130gと、テトラアリルシラン23gとを、トルエン300gに溶解した。次に式(4)のヒドロシリル化合物のN原子1molに対して、B原子が0.1molとなるように、ボロントリフルオロブチルエーテルコンプレックス15gを添加した。続いて、白金原子が50ppmとなるように、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を添加し、窒素雰囲気下60℃で8時間反応させた。赤外吸収スペクトルにより、1640cm−1付近のオレフィン結合のピークが消失していることを確認した。
【0025】
【化5】
Figure 2004018717
【0026】
比較例1
トリアリルアミン23gと、1,1,4,4−テトラメチルジシルエチレン 37gとを、トルエン100gに溶解した。次に、白金原子が50ppmとなるように、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を添加し、窒素雰囲気下50℃で6時間反応させたが、赤外吸収スペクトルにより、1640cm−1付近のオレフィン結合のピークは消失しておらず、ヒドロシリル化反応が進行していないことを確認した。
【0027】
比較例2
式(4)のヒドロシリル化合物130gと、テトラアリルシラン23gとを、トルエン300gに溶解した。次に、白金原子が50ppmとなるように、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を添加し、窒素雰囲気下60℃で8時間反応させたが、赤外吸収スペクトルにより、1640cm−1付近のオレフィン結合のピークは消失しておらず、ヒドロシリル化反応が進行していないことを確認した。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明の反応性組成物は、分子内にアミンを含有する化合物を反応させる場合でも、触媒が被毒されることがなく、安定してヒドロシリル化反応を進行させることができるという秀逸な効果をもたらす。

Claims (4)

  1. (A)ヒドロシリル基を有する化合物、(B)不飽和有機化合物、(C)白金触媒を含有し、(A)および/または(B)が分子内にアミンを有する反応性組成物において、該反応性組成物が(D)ホウ素化合物を含有していることを特徴とする反応性組成物。
  2. ホウ素化合物が、式(1)
    Figure 2004018717
    [式中、Rは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、ヘテロ原子含有炭化水素基である。]
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載の反応性組成物。
  3. ホウ素化合物がルイス塩基との錯体であることを特徴とする請求項1または2記載の反応性組成物。
  4. アミンのN原子1molに対して、B原子が0.0001〜1000molになるようにホウ素化合物が添加されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の反応性組成物。
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