JP2004018516A - インジケータ機能を有する気化・消色性・防菌防黴剤 - Google Patents

インジケータ機能を有する気化・消色性・防菌防黴剤 Download PDF

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植田 憲夫
Shozo Sawada
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Abstract

【課題】除放的に揮散する気化ガスによって、菌・黴等の増加を抑制・防止する事ができ、防菌防黴剤の1部が電子供与性呈色性有機化合(ロイコ染料等)と反応顕色して着色し、ガス化による消失に連動して退色・消色する事で、薬効が無くなった事を視覚的に示唆してくれるインジケータ機能及び長期間の薬効を維持する除放期間を認知し、更に確保する事が出来る方法、及びインジケータ機能を有する気化・消色性・防菌防黴剤を提供する。
【解決手段】気化性防菌防黴剤、電子供与性呈色性有機化合物、固形樹脂、及びその他の水溶解性付与・防菌剤の溶解・結晶化阻害・発色補助等の性能を得る為の補助的添加剤、あるいは界面活性剤、更に必要により酸化防止剤、発色安定剤等を低・中沸点溶剤単独及び2以上の溶剤に溶解した溶液を多孔質担持体に担持させ、その後溶剤を蒸発・揮散させる事によつて得られた気化・消色性防菌防黴剤。
【選択図】なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は常温揮散性・気化性防菌防黴剤を必須成分として、多孔質担持体に含有させ、この気化性防菌防黴剤の1部(電子受容性有機顕色剤)と電子供与性呈色性有機化合物(ロイコ染料等)と直接カップリング反応により、着色し、更に、溶剤乾燥後に、この防菌防黴剤が除放的に気化、揮散する間、着色し、薬効を保持し、薬効成分の減少・消失する事に連動して、色が退色(色調変化)・消色し、薬効の効力が弱く、又は無くなったことを示唆、あるいは明瞭に認知可能にしてくれるインジケーター機能を有する消色・気化性防菌防黴剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、防菌・防黴・防虫剤としては、単独または2以上の右の性能を有する液・固形物・多孔質担持体に含浸した物等の色々な製品形態で市販されている。又、気化・昇華・蒸発性の揮散ガスを利用した防菌防黴剤・防虫剤も一般に多く市販されている。更にこれ等の性能を有する多孔質含有体も一般化している。一方、この多孔質含有体における有効成分の揮散経過、又は薬効の失効を認知する有効な方法が切望されている。これ等の解決手段として目視にて認知出来るインジケータ機能の発現方法が多数提案され、開示されており、次の様なものが挙げられる。
【0003】
▲1▼気化性・昇華性染料を添加し、その揮散による消色を利用したもの
▲2▼大気中の炭酸ガスや水分との接触により色調変化を生じる指示薬を利用したもの
▲3▼電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性有機顕色剤と揮散性減感成分とを組み合わせ、減感成分を必須成分としたもの。
【0004】
しかしながら、方法▲1▼では、揮散経過及び終点が表面的な変化になりやすく、不明瞭となりがちで、薬効成分が既に消失していても続けて使用したり、逆に薬効がかなり残存していても使用不可と見なされ、廃棄されるといった問題がある。方法▲2▼では、色調変化が使用場所の温度・湿度・空気中の炭酸ガスの酸性度等の環境条件に大きく作用され、薬効成分の揮散との連動、相関性が無く、インジケータ機能と薬効とがうまく対応していない。
【0005】
方法▲3▼では、本発明及び特開平11−164875、平11−139903等と似ているが、気化、揮散しやすいフェノール類等、例えばフェノール及びクレゾール等を有機顕色剤として使用した場合、化合物によつてはその変質または揮散等によつて一度発色した色素が短時間で消色してしまうのが一般的であり、ビスフェノールA、フェノールホルマリン縮合体等の大きい分子量では適当な時間で消色せず長時間を要する場合もあり調整が困難であった。更に、高濃度に添加した場合でも短期間で消色するか、適当な期間で色変化が無かったり、あるいは結晶性の化合物の場合、多孔質含有体にした場合には表面及び内面に結晶性の粉、又は結晶性の微粒子が付着し均一な高濃度の安定した含浸体を得る事が困難であった。又これらの有機顕色剤自体の安全性も危惧されている。
【0006】
平11−164875、平7−324003等に掲示されているのは、少量の揮散性減感性薬剤・電子供与性呈色性有機化合物・無機顕色性化合物の3成分を必須成分とし無機呈色成分が無ければインジケータ機能を発現することができない。又防虫剤の1部の薬液(ピレスロイド類)を揮散性減感薬剤として必須成分と置付けており、減感性の揮散薬剤が消失する事で本発明とは逆に発色、着色する事でインジケータ機能を付与している。
【0007】
又、特開平11−164875に掲示されている場合は揮散性薬剤とその揮散消失により、揮散成分に溶解着色していた染料が変色して、担持体表面で不溶性微析出体となり、着色面積が減少して、あたかも染料の色が見えなくなり消色したように見える色変化によるインジケーター機能を付与したものであり、完全に消色するインジケーターとしての問題を残す。又、本発明の必須成分であるp−クロロm−キシレノール等の気化性防菌性薬剤を薬剤保持材料等、例えば基材シート、多孔質無機担持体等に含浸させた気化ガスを利用する事が特開平11−91829、特開平9−20603等に記載されているが、気化性を抑制するために、片面ラミネートする等の煩雑な工程を要したり、含有量が少ない(5%以内)為除放期間が短く、あるいは防菌剤の残量を明確に確認する方法の記載が無く、薬効の判断にも問題を残している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
気化性防菌防黴剤を必須成分として、高濃度に多孔質担持体に含浸・担持させ、室温にて、長期間の除放的に揮散する気化ガスによって、一定容量空間内での菌・黴等のバクテリア微生物の増加を一定期間内(3〜6ヶ月)抑制・防止するための方法、及び防菌防黴剤である上記必須成分の1部が有機顕色化合物となり電子供与性呈色性有機化合物(ロイコ染料等)と直接反応顕色し、上記必須成分の気化ガスによる消失に連動して色が退色・消色する事により、薬効が無くなった事を示唆し、認知させてくれるインジケイター機能を付与することができ、更に高濃度(10〜60wt%好適には15〜55w%)に含有させることにより長時間の安定的除放性と少量の担持体で広い空間に有効に作用させる事ができる方法、及びインジケーター機能を有する気化・消色性・防菌防黴剤を提供する事である
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決する為に,鋭意検討した結果、適当な蒸発・昇華性を有する有機顕色化合物となる気化性防菌防黴剤とその添加量に関係なく、着色に必要な濃度(全固形分に対して0.001〜3%、好適には0.002〜2.5%)の電子供与性呈色性有機化合物(ロイコ染料等)とを多孔質担持体中に含浸させ、溶剤を蒸発乾燥する事により着色し、長期間の除放性を有し、しかも、気化性防菌防黴剤が 蒸発・昇華し、気化ガスとして揮散して担持体より減少・消失する事により、着色した電子供与性呈色性有機化合物(ロイコ染料等)が顕色性化合物である気化性防菌防黴剤と好便に多孔質担持体内で解離し、退色・消色することによりインジケイター機能を発現することを見い出した。
【0010】
しかも、気化ガス化した防菌防黴剤が優れた抗菌抗黴効果を有し、ガス体が空間内の浮遊菌・黴に対して効率よく作用し落下菌培養試験で半減し、しかも密閉ガス空間内の腐敗性水溶液表面、及び液中内の菌・黴の増殖による水溶液中のコロニー発生(白濁、増粘化)を効率よく抑制し、腐敗が進行しない事を見い出した(参考:
【00042】)。更に多孔質担持体に高濃度で気化性防菌防黴剤とこれらの化合物に固形の親和性・相溶性を有する固定化樹脂(5〜40、好適には7〜30%/気化・消色性・防菌防黴剤重量比)を含有させることにより、結晶性の粉吹きが無く安定的に、長時間徐放性を保持出来る事を見出した。しかも効率的、安定的に製造でき、経時的に安定で均一な多孔質含浸体にする事で、課題を満足するインジケータ機能を有する気化・消色性・防菌防黴剤を完成するに至った。
【0011】
【更に詳細なる説明】
すなわち請求項1に記載の発明は気化性防菌防黴剤を必須成分とし、無機・有機多孔質体に含浸し、気化性防菌防黴剤と電子供与性呈色性有機化合物(ロイコ染料等)とが直接着色し、溶剤を蒸発・揮散する事で高濃度の必須成分を含む着色した固形・半固形の多孔質含有体とする事である。
【0012】
更に、この多孔質含有体が必要な期間(1ヶ月〜1年間、好適には2〜6ヶ月)に気化性防菌防黴剤を気化・揮散により除放し、連続的に一定容量空間内の薬効を保持し、気化性防菌防黴剤の減少・消失によりインジケータである着色した色の退色、消色により視覚的に薬効が無くなったことを明確に認知でき、結晶化(粉吹き)が起こらず、必須成分の減少以外による品質変化をもたらさない安定したインジケーター機能を有する気化・消色性・防菌防黴剤に関するものである。
【0013】
本発明に必須成分として使用する気化性防菌防黴剤は請求項2に記載のp−クロロm−クレゾール、p−クロロm−キシレノール、チモール、イソプロピルメチルフェノール、カテキン、ヒノキチオール、キノン誘導体(キシレノール、クレゾール、フエノール、メトキシフェノール及びこれ等の誘導体類等を含む)である。
【0014】
上記気化性防菌防黴剤の内、1又2以上の化合物を性能付与・向上のために敵宜配合する事が出来るが、これらに限定されるものでは無い。 尚、これらの化学構造中の異性体の単独並びに任意の混合物が本発明に包含されるのはもちろんである。
【0015】
前記気化性防菌防黴剤の中では気化ガスの防菌防黴効果・ガス化効率・臭気・ロイコ染料との顕色・消色安定性・人体、環境への安全性・入手性等の点からp−クロロm−キシレノール(別名:PCMX、p−クロロジメチルフェノール)が好適であるが、p−クロロクレゾール(PCMC)、P−アルキルフェノール(ヒノキチオール、チモール、フェニールフェノール等)、キノン誘導体等については臭気・ガス化効率・除放性に難点があり配慮を必要とする。
【0016】
本発明の請求項3に記載の担持体への含有量であるが、薬効の有効期間を出来るだけ長く(1ヶ月〜1年間以上、好適には2ヶ月〜6ヶ月)、つまり除放期間を長くするためには高濃度に含浸させる必要がある、なぜならば蒸気圧は温度に比例した値を有しており、個々の防菌防黴剤固有の性質である。
【0017】
除放期間は一定形態の含有容量の時、蒸気圧値が小さい場合には長く、又大きい場合には早く、更に薬効はある程度の薬剤の気化濃度以上でないと有効に発揮し得ない。又、固定化樹脂、他の添加剤等との総合的な溶解、親和性及び多孔質担持体の有孔面積比や開口占有面積比等の影響を受ける。
【0018】
しかしながら、温度が一定(室温)であれば同一担持体と同一の気化性防菌防黴剤を使用した場合には形態と含有容量により薬効期間が決まるのが一般的に良く知られている。故に高濃度(10%〜60%、好適には20〜55%)に含浸する事で希望の除放期間が得られる。
【0019】
本発明の請求項4に記載の他の防菌防黴化合物としてはイソチオシオン酸アリル(ワサビやカラシの製油成分)、ジフェニールエーテル(トリクロサン)、2,4,5,6テトラクロロイソフタロニルニトリル(クロロタロニル)等及び気化性防虫化合物としては樟脳(ボルネオール)、ナフタレン、メントール、常温揮酸性ピレスロイド類(特開平11−139903、記載)等の1及び2以上の中から選択された化合物(記載化合物に限定されるものではない)を着色、担持体の結晶・固形性に影響の無い範囲(2〜10、好適には重量に対して3〜7%)で適時添加して多機能性を持たせてた防菌防黴剤とする事も出来る。
【0020】
あるいは一般によく知られているアレスリン、フラメトリン、エムペントリン、ディート、フタール酸ジメチル等の害虫忌避化合物、リナロール、シトロネロール、オイゲノール等の抗菌性香料、その他の消臭剤、芳香剤、安定剤、着色剤等を、これらに限定するものではないが、補助的に添加する事により臭気改良・防虫性能付与・視覚的色彩等の性能向上を行った多目的インジケータ機能を有する気化・消色性・防菌防黴剤とすることも可能である。
【0021】
本発明の請求項5に記載の多孔質担持体としてはケイ酸塩、シリカ、ゼオライト、アルミナ等の無機質担持体及び紙、パルプ、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニールアルコール、エチレン−酢酸ビニール共重体等の有機質担持体等が挙げられ、これらの1又は2以上を組み合わせて使用でき、粒状、紛状、打錠状、マット状、シート状等の剤型でも使用できる。
【0022】
多孔質担持体のなかで、製造性、含有効率、担持性、外観の見栄え、使用後の消却、廃棄、回収、自然分解性等の環境への影響が少ない紙、パルプのシート・マット、セルロース系担持体が好ましく、最も好ましいのは、揮散、均一な含有性、除放性、並びに前述のインジケーター機能を好適に付与できるセルロス多孔質担持体粒剤である。
【0023】
セルロース多孔質粒剤については特開昭48−60753号公報、特開昭57−7162号公報、特開昭60−155245号公報、特開昭64−43530号公報、特開平3−231942号公報、特開平3−231942号公報等に開示されている。又大口径セルロース構造体としてセルローススポンジから選択されたものが知られている。
【0024】
なかでも特開平3−231942号公報その他に開示された粒径2〜8mmのセルロース粒子、つまり現在、レンゴー(株)より発泡セルローズビーズ、ビスコバールAZ−4300L、AH2050L、AH4050Lシリーズの商品群で市販されている製品が作業、不染色性、インジケータの発色性、担持の容易さ、安定性の点で好適に推奨され、あるいは同等の性能を有する他社の同等品も好適に推奨され、最も好ましい。
【0025】
本発明の多孔質担持体の気化・昇華期間(薬効期間)を更に調整するため、総有孔面積/フイルム面積の比率が0.005〜0.6割合で孔を開けた、多孔質担持体となじまない包材として有孔フイルム、不織布、織布、布、紙等で封入して使用する事が出来る、又多孔質担持体の担持成分を水溶液に溶解して水溶性防菌防黴液として使用したり、あるいは一定空間容量内でそのまま投入して使用する場合には、プラスチック、硝子、発生する気化成分ガスを透過しない袋、例えば、OPPフイルム、袋等の容器に入れ、必要によりこれ等の容器より多孔質担持体の適当量を取り出しそのまま使用する事も出来る。
【0026】
本発明の請求項6に記載の一定容量空間とは0.5〜40L/5〜10g、好適には1〜20L/5〜8gの空間内にある衣類、寝具類、カーペツト、靴、鞄、毛皮、書籍、木工製品、竹製品、貴重な文献類、書画、骨董品、金属製品、硝子製品、ゴミ箱、その他あらゆる物品を入れた空間内の表面及び内部に発生・増殖する菌・黴等の微生物の増加を抑制防止し、結果として、物品の劣化あるいは臭気の発生を防止し、更にこれ等に必要において防虫剤を添加する事により虫、ダニ等の増殖・抑制・忌避する事が出来る。
【0027】
本発明の請求項7に記載の電子供与性呈色性有機化合物とは感圧紙、複写紙等に良く使用されている電子供与性呈色性有機化合物(通常ロイコ染料と呼ばれている等)を差し、例えばトリフェニールメタン類、フルオラン類、フェノチアジン類、インドールフタリド類、スピロピラン類、オーラミン、ローダミンラクタム類、インドールアザフタリド類等の染料ロイコ体等をいい、例えば、特開平07−109423に記載の電子供与呈色性有機化合物等を差す。有機顕色化合物とはビスフェノールAその他の多数の誘導体が一般に良く使用されている。本発明ではビスフェノール等を使用しても差し支えは無いがこれ等に代わり高濃度に含浸させてその一部が顕色化合物として適当な期間着色し、この気化性防菌剤の減少に連動して消色する性能を有する気化性防菌防黴剤を有機顕色化合物として応用したものである。
【0028】
したがつて、過剰な気化性防菌防黴剤、例えばp−クロロm−キシレノールが含浸している間は、ある程度の徐放期間、着色を維持し、過剰分が気化・揮散して残量が少なくなると徐々に可逆的性質により顕色剤のみが解離・揮散し、電子供与性呈色性色素が自然に元のロイコ体に還元されて無色の色に戻ることによって消色する機能、つまり、防菌防黴剤の効能が無くなるのと直接連動して薬効が無くなった事を視覚的に示唆してくれるインジケータ機能を応用したものである。
【0029】
更に、ある空間を有する担持体に適当な蒸気圧を有する気化性化合物を高濃度に担持・含浸させる事で適当な除放期間を得る事が出来、更に密閉空間の広範囲の空間での防菌剤の薬効を維持する濃度を得る事が出来、更に長時間経過後のインジケーター機能である退色・消色機能を有する性能を得ることが可能となった。
【0030】
本発明の請求項8に記載の気化性防菌防黴剤以外の担持体に含有させる固定化、相互溶解、結晶化防止、着色した呈色色素の固定と発色維持等の機能を有する樹脂(これらに、限定されるものではない)、スチレン、塩酢ビ共重合体、アクリルあるいはこれ等の共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレンあるいはこれ等の共重合体、キシレンホルマリン縮合体、キシレンマレイン酸及びそのハーフエステル共重合体、ポリウレタン、ナイロン、固形パラフィン等の炭化水素樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、あるいはこれ等の共重合体とこれらの変性体の中から上記機能を有する1又は2以上の選択された樹脂を30w%以下(好適には25%以下)の濃度で添加使用する事が出来る。
【0031】
更に水溶性付与・発色補助の為にポリエチレン、ポリプロピレン構造を有するノニオン活性剤、例えばノニルフェニル、アルキル及び炭化水素構造等のエーテル、エステルが挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0032】
更に酸化防止・経時安定剤、例えばハイドロキノン、メトキシフェノール、ジアルキルフェノール(BHT等)を3w%以内で添加することが出来、更に、発色助剤、例えばクエン酸、酒石酸、安息香酸、サリチル酸、ジフェニルカルボン酸等の有機カルボン酸化合物の水素補助供給剤等、更に必要量の有機染料、有機顔料等、これらに限定されないが、添加使用する事が出来る。
【0033】
本発明の請求項9に記載の気化性防菌防黴剤及びその他の添加剤を溶解し、乾燥する事により多孔質担持体に安定的に担持させることが出来る低沸点溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等の低級ケトン類、パラフイン、ヘキサン等の低級炭化水素累及び、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類及びエチル、メチル、ブチル等のエステル類、及びエーテル類等を挙げる事が出来るがこれに限定されるものではない。
【0034】
単独に、低沸点溶剤を用いてもよいが溶解性向上及び作業性改善の為に一部30w%以内でメチグリ、エチセロ、セロアセ、ブチセロ、メトキシベンゼン、ジオキサン、エステル類、エーテル類等の適当な中沸点溶剤を任意に混合して全ての有効成分である添加剤を均一に溶解してなる溶液に多孔質担持体を塗布、あるいは充分に含浸あるいは混合して後溶剤を蒸発し、固形あるいは半固形状乾燥体にすることにより品質の向上した本発明体が得られる。
【0035】
こうして得られた本発明のインジケイター機能を有する消色・気化性防菌防黴剤は家庭用の引き出し、タンス、衣装箱、押入、物入れ、箱、ケース、壁、下駄箱、ゴミ箱、その他及び、配送用梱包品小荷物、金属製品、精密機器、その他の工業製品ケース内での菌黴等の増加を防止・抑制する事が出来る。結果として、腐敗防止による製品劣化防止、悪臭の発生防止等に使用される。
【0036】
インジケータ機能を有する気化・消色性防菌防黴剤の施容量は特に限定されるないが50L容量の密閉空間あたり5〜30(好適には7〜30)gを適用するのが適当であり、薬効は1ヶ月〜1年間(好適には1ヶ月〜6ヶ月)有効である事が好ましい。
【0037】
【実施例】次に本発明の具体的な実施例並びに試験例に基付いて子細に説明する。
【0038】
実施例1:球径2mmのセルロース質多孔質担持体粒子(レンゴー(株)製、ビスコバールAH−2050L−WF)約100mgにp−クロロm−キシレノール、160mg、固定化樹脂(スチレンジカルボン酸共重体20mg)、ノニオン活性剤(ノニオンk220、日本油脂(株)製)2mg、クエン酸2mg、ハイドロキノン2mgをメタノール80部とジオキサン20部の混合溶剤にて溶解し、ついで1%ロイコ染料(山田化学製、レッド500)セロアセ溶液15mgを添加した溶液を加えて良く攪拌し溶剤を蒸発して、p−クロロm−キシレノール55w%含有のピンクに着色した多孔質担持粒剤を得た。
【0039】
得られた粒剤の性能評価を行った結果、以下の性能を有していた。
1:常温開放放置条件下で徐々にp−クロロm−キシレノールを0.02〜6g/5g/10日(p−クロロm−キシレノール約2.5g含有品)の割合で徐々に放出量を(初期放出量が比較的高く)比例的に減少しながら約3ヶ月間、ピンク色に着色を維持し、3ヶ月を経過する頃に徐徐に退色してきて4〜5ヶ月経過後には完全に消色した。
2:密閉した、気化ガス非透過性のプラスチック、硝子、金属等の容器に保管したところ、結晶様粉状体も出ず安定した粒剤のままで約6ヶ月、安定的に変化無く推移した。
【0040】
更に性能を調べる為に、一般に揮散、ガス化する担持体を揮散量を調整するための特定の径孔を有する多数の孔を開けたプラスチックフイルム袋に分包して使用する事が知られており、常用されているポリエチレン(有孔率40%)、自動分包用ラミネート有孔フイルム(ポリエステルフイルムにポリエチレンフイルムをラミネートした、孔径、2mm、総有孔面積/フイルム袋面積比率30%の物)に5gを分包封入して得た分包品を作成して、以下の性能評価をおこなつた。
【0041】
1:落下菌の増加抑制効果;菌黴の増加数がブランクより半数以下であつた。
2:ガス殺菌殺黴効果  ;密閉硝子容器内での気化ガスによる菌黴生育抑制試験にて、代表的な6菌種(バクテリア)及び6黴種             のすべてにおいて生育阻止・抑制効果が認められた。
3:消臭効果      ;代表的なアンモニア、有機アミンの気化ガスによる中和消失反応でいずれも95%以上の効率で消臭した。
4:アセの悪臭防止効果 ;作業を終えてアセが染み込んだ衣類を詰めたケース(空間容量、20L)にこの分包品、1個を入れて保管したところ、インジケータの表示期間中(着色している間)衣類はアセ臭さ(アセの腐敗臭)が無く、又6ヶ月後にはピンク色〜白色に近いピンク色に退色していた。
5:コロニー抑制効果  ;20L空間の天部に上記分包品を貼り、密閉空間内に5%デキストリン溶液(10ml)を入れたシャーレにて培養したところ、ガス化したp−クロロm−キシレノールが水溶液に吸収、溶解し、水溶液が抗菌性となる事でコロニーの増殖(白濁)が確認出来なかった。
【0042】
【参考】
Figure 2004018516
【0043】
実施例2:球径4mmのセルロース質多孔質担持体粒子(レンゴー(株)製、ビスコバールAH−4050L−WF)約100mgにp−クロロm−キシレノール、160mg、固定化樹脂(キシレンホルマリン縮合樹脂20mg)、ノニオン活性剤(ノニポール400、三洋化成(株)製)2mg、クエン酸2mg、ハイドロキノン2mgをメタノール80部とジオキサン20部の混合溶剤にて溶解し、ついで1%ロイコ染料(山田化学製、CVL)のセロアセ溶液15mgを添加した溶液を加えて良く攪拌し溶剤を蒸発して、p−クロロm−キシレノール55w%含有のブルーに着色した多孔質担持粒剤を得た。
【0044】
実施例1と同様の性能評価試験を行った結果、除放期間が1ヶ月程度長くなった(粒径が大きい為)以外は同様の性能であった。
【0045】
実施例3:厚手の不織布シート及び紙等の多孔質担持体約300mgにp−クロロm−キシレノール、120mg、ボルネオール、40mg、固定化樹脂(混合高級アルコール、30mg)、ノニオン活性剤(ノニオンk220、日本油脂(株)製)2mg、混合高級脂肪酸2mg、ハイドロキノン2mgをメタノール100部とジオキサン20部の混合溶剤にて溶解し、ついで1%ロイコ染料(山田化学製、レッド520)セロアセ溶液15mgを添加した溶液に浸して余分な溶液を切り、ついで溶剤を蒸発し赤色の着色シート及び紙シート(含有率約約25w%)を得た。
【0046】
実施例1と同様の性能評価試験を行った結果、除放表面面積が広くなったため除放期間が約10〜50日と比較的短い期間で消色した以外は同様の性能であった。
【0047】
実施例4:シリカビーズ等の多孔質担持体約300mgにp−クロロm−キシレノール、140mg、オイゲノール2mg、固定化樹脂(混合高級アルコール、50mg)、ノニオン活性剤(ノニオンk220、日本油脂(株)製)2mg、混合高級脂肪酸2mg、ハイドロキノン2mgをメタノール100部とジオキサン20部の混合溶剤にて溶解し、ついで1%ロイコ染料(山田化学製、オレンジ100)セロアセ溶液15mgを添加した溶液に浸して余分な溶液を切り、ついで溶剤を蒸発しオレンジ色の着色したビーズ(含有量20w%)を得た。
【0048】
実施例1と同様の性能評価試験を行った結果、含有比が低い為、除放期間が30日〜60日と比較的短い期間で消色した以外は同様の性能であった。
【0049】
比較例:低含有量の気化性ガスを利用した商品(香料等で調合した防菌、防黴剤、消臭効果に主眼を置いた多孔質担持体等)は市販されているが徐放期間、インジケータ機能等が異なるので適当な比較対象品が無く。又防虫剤に主眼を置いた多孔質担持体では防菌防黴効果が不明であり、気化性の高含有率の防菌防黴剤の比較品が手元に入手できなかったので比較例として採用できなかった。
【0050】
試験の結果、本発明の気化・消色性防菌防黴剤は一定空間容量内及び準一定空間容量内(空気流出性のあまり無い空間)での高い菌黴等の微生物の抑制、腐敗防止効果、並びに長期間の除放(薬効の持続)を示し、使用性の点でも非常に優れた物である事が確認できた。更に付随的に気化、揮散するガスが空間内の悪臭の基であるアンモニア有機アミン化合物と反応、吸着し消臭効果も有する事が判明した。これにより、本発明のインジケータ機能を有する消色・気化性防菌防黴剤の有用性が明らかとなった。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、インジケータ機能を有する気化・消色性防菌防黴剤は常温気化性フェノール系防菌防黴剤、特にp−クロロm−キシレノール等の優れた防菌防黴活性を保持・薬剤の接触・粉塵の吸飲による薬害等の影響を受けることなく、又薬効がなくなつた事を目視にて示差する事によって効率よく薬効の管理が容易にでき、更にバクテリア等の微生物による腐敗防止(物品の劣化)ができ、結果として悪臭の発生を抑え抑臭する事が出来る生活環境の改善及び生活用品、工業品の品質保持に寄与する極めて実用性の高い有用な効果が得られる。

Claims (9)

  1. 気化性防菌防黴剤を必須成分として、多孔質担持体に含有させ、気化・揮散するガスにより、菌・黴等を阻止・抑制する事を特徴とするインジケータ機能を有する気化・消色性防菌防黴剤。
  2. 気化性防菌防黴剤がフェノール系気化性防菌防黴剤、例えば、p−クロロm−クレゾール、p−クロロm−キシレノール、チモール、イソプロピルメチルフェノール、カテキン、ヒノキチオール、キノン誘導体(キシレノール、クレゾール、アルキルフェノール類含)等である請求項1に記載のインジケータ機能を有する気化・消色性防菌防黴剤。
  3. 気化性防菌防黴剤を高濃度(15〜60、好適には30〜50%の含有体総重量比)に多孔質担持体に含有してなる請求項1に記載のインジケータ機能を有する気化・消色性防菌防黴剤。
  4. 他の防菌防黴化合物及び気化性防虫化合物を添加する事により性能向上及び臭気改良、防虫性付与等をする事ができる請求項1に記載のインジケータ機能を有する気化・消色性防菌防黴剤。
  5. 多孔質担持体が有機及び無機担持体であり、少なくとも1方を含有担持体としてなる請求項1に記載のインジケータ機能を有する気化・消色性防菌防黴剤。
  6. 気化ガスによつて一定容量空間内に入れられた物品の菌黴等の増加を阻止・抑制する防菌・防黴方法を提供する請求項1に記載のインジケータ機能を有する気化・消色性防菌防黴剤。
  7. 気化性防菌防黴剤自体の1部が有機顕色化合物として作用し、電子供与性呈色性有機化合物(ロイコ染料等)と直接反応(可逆性)して発色・着色し、この気化性防菌剤が時間的経過によって除放し、最終段階(過剰な気化性防菌防黴剤が消失した時点)で結合した着色体の色素から気化性防菌防黴剤が気化・消失することにより元の無色の電子供与性呈色性有機化合物に戻ることによりインジケータ機能を発現する事を特徴とする請求項1に記載のインジケイター機能を有する気化・消色性防菌防黴剤。
  8. 気化性防菌防黴剤、その固定化剤、相互溶解剤、結晶化防止剤、水溶性付与剤、発色補助剤、及び臭気改善剤、安定剤等を溶剤成分に溶解した溶液を多孔質担持体に塗布、混合含浸し、溶剤成分を蒸発乾燥して、常温にて固体あるいは半固体である請求項1に記載のインジケータ機能を有する気化・消色性防菌防黴剤。
  9. 請求項8に記載の溶剤成分が低沸点溶剤単独あるいは中沸点溶剤の1又は1以上とを混合してなる請求項1に記載のインジケータ機能を有する気化・消色性防菌防黴剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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