JP2004018487A - 有害生物防除剤組成物及び有害生物防除方法 - Google Patents
有害生物防除剤組成物及び有害生物防除方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004018487A JP2004018487A JP2002178160A JP2002178160A JP2004018487A JP 2004018487 A JP2004018487 A JP 2004018487A JP 2002178160 A JP2002178160 A JP 2002178160A JP 2002178160 A JP2002178160 A JP 2002178160A JP 2004018487 A JP2004018487 A JP 2004018487A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- formula
- compound
- parts
- noxious organism
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- FNELVJVBIYMIMC-UHFFFAOYSA-N CCS(c1c(N)[n](-c(c(Cl)cc(C(F)(F)F)c2)c2Cl)nc1C#N)=O Chemical compound CCS(c1c(N)[n](-c(c(Cl)cc(C(F)(F)F)c2)c2Cl)nc1C#N)=O FNELVJVBIYMIMC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は有害生物防除剤組成物及び有害生物の防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
式(A)
で示される4−フェネチルアミノピリミジン化合物が有害生物防除活性を有することが知られている(特開平7−258223号公報)。
また、式(B)
で示される3−シアノ−1−フェニルピラゾール化合物が殺虫活性を有すること(特表2000−502095公報)及び式(C)
3−アセチル−1−フェニルピラゾール化合物が殺虫活性を有すること(特表2001−506664公報)も知られている。
しかしながら、これらの化合物の有害生物防除活性は必ずしも十分でない場合があることから、より優れた有害生物防除剤の開発が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる状況下に鋭意検討した結果、後記第1成分と後記第2成分とを有効成分として含有する有害生物防除剤組成物が、各々の化合物を単独で用いた場合には防除効果が不十分な有害生物種をも効果的に防除でき、しかも相乗的な協力作用を発揮することにより各々の処理薬量を低減できることを見出し、本発明を完成した。
【0004】
即ち、本発明は下記第1成分と下記第2成分とを有効成分として含有することを特徴とする有害生物防除剤組成物(以下、本発明組成物と記す。)及び下記第1成分と下記第2成分との有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物の防除方法を提供する。
【0005】
第1成分 式(A)
で示される5−クロロ−6−(1−フルオロエチル)−N−[2−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル]ピリミジン−4−イルアミン(以下、化合物(A)と記す。);
第2成分 式(B)
で示される5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−エチルスルフィニルピラゾール−3−カルボニトリル(一般名 エチプロール;以下、化合物(B)と記す。)及び/又は式(C)
で示される1−[5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−メチルスルフィニルピラゾール−3−イル]エタノン(一般名 アセトプロール;以下、化合物(C)と記す。)
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明組成物は第1成分として化合物(A)を、第2成分として化合物(B)及び/又は化合物(C)を、有効成分として含有することを特徴とする。
【0007】
本発明組成物を構成する化合物(A)は、特開平7−258223号公報に記載された化合物であり、該公報の記載にしたがって製造することができる。
【0008】
本発明組成物を構成する化合物(B)は、特表2000−502095公報に記載された化合物であり、該公報の記載したがって製造することができ、また、化合物(C)は特表2001−506664公報に記載された化合物であり、該公報の記載にしたがって製造することができる。
【0009】
本発明組成物が防除効力を示す有害生物としては、例えば以下に示す昆虫、ダニ等の節足動物や、線虫等の線形動物があげられる。
【0010】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ミカンミドリアブラムシ(Aphis citricola)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis pserudobrassicae)、ナシミドリオオアブラムシ(Nippolachnus piri)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera ciidius)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavetus)、チャバネアオカメムシ(Plautia stali)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)、オリーブカタカイガラムシ(Saissetia oleae)、ミカンノカキカイガラムシ(Lepidosaphes beckii)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等。
【0011】
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、ハイマダラノメイガ(Hellulla undalis)、シバツトガ(Parapediasia teterrella)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属(オオタバコガ(Helicoverpa armigera)等)等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類等。
【0012】
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)等のイエカ類、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)等のエーデス属、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ類、タネバエ(Delia platura)、タマネギバエ(Delia antiqua)等のハナバエ類、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)等のハモグリバエ類、ミバエ類、ノミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ブユ類、アブ類、サシバエ類等。
【0013】
膜翅目害虫:カブラハバチ(Athalia rosae)等のハバチ類、チュウレンジハバチ(Arge pagana)等のミフシハバチ類、キイロスズメバチ(Vespa simillima)、フタモンアシナガバチ(Polites chinensis)等のスズメバチ類、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)等のアリ類、アリガタバチ類等。
【0014】
鞘翅目害虫:ウエスタンコーンルームワーム(Diabrotica virgifera virgifera)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata howardi)等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)等のコガネムシ類、メイズウィービル(Sitophilus zeamais)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera pastica)、アズキゾウムシ(Callosobruchuys chienensis)等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)等のハムシ類、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)等のエピラクナ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ(Paederus fuscipes)等。
【0015】
ゴキブリ目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等。
アザミウマ目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ハナアザミウマ(Thrips hawaiiensis)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、カキクダアザミウマ(Ponticulothrips diospyrosi)等。
【0016】
直翅目害虫:ケラ類、バッタ類等。
隠翅目害虫:ネコノミ(Ctenocephalides felis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ヒトノミ(Pulex irritans)等。
シラミ目害虫:アタマジラミ(Pediculus humanus humanus)、コロモジラミ(Pediculus humanus corporis)、ケジラミ (Phthirus pubis)等。
【0017】
ワラジムシ類:ワラジムシ(Porcellio scaber)、ホソワラジムシ(Porcellionides pruinosus)、オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)等。ムカデ類:トビズムカデ(Scolopendra subspinipes mutilans)、アオズムカデ(Scolopendra subspinipes japonica)、アカズムカデ(Scolopendra subspinipes multidens)、ゲジ(Thereuopoda hilgendorfi)等。ヤスデ類:ヤケヤスデ(Oxidus gracilis)、オビババヤスデ(Parafontaria laminata laminata)等。
【0018】
ダニ目害虫:ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、オリゴニカス属等のハダニ類、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)等のフシダニ類、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)等のホコリダニ類、ヒメハダニ類、ケナガハダニ類、イエダニ類、マダニ類、コナダニ類、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)等のヒョウヒダニ類、ミナミツメダニ(Chelacaropsis moorei)等のツメダニ類、ワクモ類等。
【0019】
線虫類:ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus fallax)、チャネグサレセンチュウ(Pratylenchus loosi)、クルミネグサレセンチュウ(Pratylenchus vulnus)等のネグサレセンチュウ類、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)等のシストセンチュウ類、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)等のネコブセンチュウ類、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、イチゴセンチュウ(Aphelenchoides fragarieae)等のアフェレンコイデス類、イシュクセンチュウ類、ワセンチュウ類、ピンセンチュウ類、ロンギドルス類、トリコドルス類等。
【0020】
本発明組成物において、第1成分と第2成分との混合割合は重量比で通常80:1〜1:20の割合、好ましくは40:1〜1:10の割合、さらに好ましくは20:1〜1:5の割合である。
【0021】
本発明組成物は第1成分と第2成分との混合物そのものであってもよいが、通常はさらに固体担体、液体担体、ガス状担体及び/又は餌(毒餌基材)等を混合し、必要により界面活性剤その他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤、粒剤、粉剤、顆粒水和剤、エアゾール、煙霧剤、燻煙剤、毒餌、マイクロカプセル剤、ULV剤、シート製剤、樹脂製剤等に製剤化されている。
【0022】
これらの製剤は、第1成分と第2成分とを合計量にして、通常0.01〜90重量%含有する。
【0023】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末及び粒状物等があげられる。
液体担体としては、例えば水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド及び植物油(大豆油、綿実油等)があげられる。
ガス状担体としては、例えばフルオロカーボン、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテル及び炭酸ガスがあげられる。
【0024】
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類並びに糖アルコール誘導体があげられる。
【0025】
その他の製剤用補助剤としては、固着剤、分散剤及び安定剤等、具体的には例えばカゼイン、ゼラチン、糖類(でんぷん、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、PAP(酸性りん酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、脂肪酸及び脂肪酸エステルがあげられる。
【0026】
毒餌の基材としては、例えば穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ粉末等の子どもやペットによる誤食防止剤及びチーズ香料、タマネギ香料、ピーナッツオイル等の害虫誘引性香料があげられる。
【0027】
本発明組成物はその製剤形態によって、第1成分を製剤化したものと第2成分を製剤化したものとを混合することによっても調製することができ、また、施用時に混用することもできる。
【0028】
本発明の有害生物防除方法は、通常、本発明組成物を有害生物又は有害生物の生息場所に施用することにより行われるが、第1成分又はその製剤と第2成分又はその製剤とを予め混用することなく、同時期に有害生物又は有害生物の生息場所に施用することも可能である。その場合、第1成分と第2成分との使用割合は、重量比で通常80:1〜1:20の割合、好ましくは40:1〜1:10の割合、さらに好ましくは20:1〜1:5の割合である。
【0029】
本発明組成物を農林業分野の有害生物の防除に用いる場合、その施用量は10000m2あたり第1成分と第2成分との合計量で通常1〜10000gである。乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等は通常有効成分濃度が0.01〜10000ppmとなるように水で希釈して施用し、粒剤、粉剤等は通常そのまま施用する。
これらの製剤は、有害生物又は有害生物から保護すべき作物等の植物に直接散布したり、有害生物から保護すべき作物等の植物の株元に施用してもよく、また土壌に施用することにより、土壌に生息する有害生物を防除することもできる。
【0030】
本発明組成物を防疫分野の有害生物の防除に用いる場合、その施用量は、面上に施用する場合は処理面積1m2あたり第1成分と第2成分との合計量で通常1〜10000mg、空間に処理する場合は適用空間1m3あたり第1成分と第2成分との合計量で通常0.1〜5000mgである。乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常有効成分濃度が0.01〜10000ppmとなるように水で希釈して施用し、油剤、エアゾール、煙霧剤、燻煙剤、毒餌等はそのまま施用する。
【0031】
これらの施用量、施用濃度はいずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、有害生物の種類、被害程度によって異なり、上記の範囲に関わることなく増減することもできる。
【0032】
本発明組成物は他の殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤等と共に用いることもできる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を製剤例及び試験例により、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0034】
まず、製剤例を示す。なお、部は重量部を表す。
【0035】
製剤例1
化合物(A)5部;化合物(B)又は化合物(C)5部;ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル8部;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム2部及びキシレン80部を均一に混合して乳剤を得る。
【0036】
製剤例2
化合物(A)20部;化合物(B)又は化合物(C)4部;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部;リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土70部をジェットエアーミルで均一に混合粉砕して水和剤を得る。
【0037】
製剤例3
化合物(A)1部;化合物(B)又は化合物(C)0.5部;タルク48.5部及びクレー50部を均一に混合攪拌して粉剤を得る。
【0038】
製剤例4
化合物(A)10部と化合物(B)又は化合物(C)5部とにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部及びクレー50部を加え、充分攪拌混合する。次いで、この混合物に適量の水を加え、さらに攪拌し、造粒機で製粒し、通風乾燥して粒剤を得る。
【0039】
製剤例5
ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート5部、1%ザンサンガム水溶液20部、スメクタイト系鉱物3部及び水57部を均一に混合し、ここに化合物(A)10部と化合物(B)又は化合物(C)5部とを加えてよく攪拌した後、サンドミルにて湿式粉砕してフロアブル剤を得る。
【0040】
製剤例6
化合物(A)0.1部と化合物(B)又は化合物(C)0.02部とをアセトン10部に溶解し、この溶液を動物用固形飼料粉末(飼育繁殖用固形飼料粉末CE−2:日本クレア株式会社製)99.88部に均一に混合した後、アセトンを風乾し毒餌を得る。
【0041】
次に、本発明組成物の有害生物防除活性を試験例により示す。
【0042】
試験例1
化合物(A)及び化合物(B)各々10部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部;及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより化合物(A)の製剤及び化合物(B)の製剤を得た。化合物(A)の製剤の所定濃度の水希釈液と化合物(B)の製剤の所定濃度の水希釈液とを混合した。
この溶液に展着剤(新リノー:日本農薬株式会社製)を該展着剤の添加量が容量にして1/5000となるように加えて、試験用散布液を調製した。
ポットに栽培したキュウリ(第1葉期)にワタアブラムシ30頭を放し、上記試験用散布液を30ml/ポットの割合で散布した。その後、キュウリを風乾し、これをキュウリを栽培したポットより一回り大きいプラスチックカップ内に入れ、蓋をして温室(25℃)で6日間放置した。
処理前のキュウリ上のワタアブラムシの数と処理6日後のキュウリ上のワタアブラムシの数とから下式により補正密度指数を求めた。
結果を表1に示す。
【0043】
補正密度指数=100×(T6DAT/TPRE)/(C6DAT/CPRE)
T6DAT:処理区植物における処理6日後のワタアブラムシの数
TPRE:処理区植物における処理前のワタアブラムシの数
C6DAT:無処理区植物における処理6日後のワタアブラムシの数
CPRE:無処理区植物における処理前のワタアブラムシの数
【0044】
【表1】
【0045】
試験例2
化合物(A)及び化合物(C)各々10部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部;及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより化合物(A)の製剤及び化合物(C)の製剤を得た。
試験例1とは別の試験区で、試験例1と同様に試験を行い、補正密度指数を求めた。
結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】
本発明組成物は優れた有害生物防除効力を有することから、有害生物の防除に有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は有害生物防除剤組成物及び有害生物の防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
式(A)
で示される4−フェネチルアミノピリミジン化合物が有害生物防除活性を有することが知られている(特開平7−258223号公報)。
また、式(B)
で示される3−シアノ−1−フェニルピラゾール化合物が殺虫活性を有すること(特表2000−502095公報)及び式(C)
3−アセチル−1−フェニルピラゾール化合物が殺虫活性を有すること(特表2001−506664公報)も知られている。
しかしながら、これらの化合物の有害生物防除活性は必ずしも十分でない場合があることから、より優れた有害生物防除剤の開発が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者はかかる状況下に鋭意検討した結果、後記第1成分と後記第2成分とを有効成分として含有する有害生物防除剤組成物が、各々の化合物を単独で用いた場合には防除効果が不十分な有害生物種をも効果的に防除でき、しかも相乗的な協力作用を発揮することにより各々の処理薬量を低減できることを見出し、本発明を完成した。
【0004】
即ち、本発明は下記第1成分と下記第2成分とを有効成分として含有することを特徴とする有害生物防除剤組成物(以下、本発明組成物と記す。)及び下記第1成分と下記第2成分との有効量を有害生物又は有害生物の生息場所に施用することを特徴とする有害生物の防除方法を提供する。
【0005】
第1成分 式(A)
で示される5−クロロ−6−(1−フルオロエチル)−N−[2−[4−(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル]ピリミジン−4−イルアミン(以下、化合物(A)と記す。);
第2成分 式(B)
で示される5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−エチルスルフィニルピラゾール−3−カルボニトリル(一般名 エチプロール;以下、化合物(B)と記す。)及び/又は式(C)
で示される1−[5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−4−メチルスルフィニルピラゾール−3−イル]エタノン(一般名 アセトプロール;以下、化合物(C)と記す。)
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明組成物は第1成分として化合物(A)を、第2成分として化合物(B)及び/又は化合物(C)を、有効成分として含有することを特徴とする。
【0007】
本発明組成物を構成する化合物(A)は、特開平7−258223号公報に記載された化合物であり、該公報の記載にしたがって製造することができる。
【0008】
本発明組成物を構成する化合物(B)は、特表2000−502095公報に記載された化合物であり、該公報の記載したがって製造することができ、また、化合物(C)は特表2001−506664公報に記載された化合物であり、該公報の記載にしたがって製造することができる。
【0009】
本発明組成物が防除効力を示す有害生物としては、例えば以下に示す昆虫、ダニ等の節足動物や、線虫等の線形動物があげられる。
【0010】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ミカンミドリアブラムシ(Aphis citricola)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis pserudobrassicae)、ナシミドリオオアブラムシ(Nippolachnus piri)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera ciidius)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavetus)、チャバネアオカメムシ(Plautia stali)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)、オリーブカタカイガラムシ(Saissetia oleae)、ミカンノカキカイガラムシ(Lepidosaphes beckii)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類等。
【0011】
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、ハイマダラノメイガ(Hellulla undalis)、シバツトガ(Parapediasia teterrella)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属(オオタバコガ(Helicoverpa armigera)等)等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類等。
【0012】
双翅目害虫:アカイエカ(Culex pipiens pallens)、コガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus)等のイエカ類、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)等のエーデス属、シナハマダラカ(Anopheles sinensis)等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ(Musca domestica)、オオイエバエ(Muscina stabulans)等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、ヒメイエバエ類、タネバエ(Delia platura)、タマネギバエ(Delia antiqua)等のハナバエ類、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)等のハモグリバエ類、ミバエ類、ノミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ブユ類、アブ類、サシバエ類等。
【0013】
膜翅目害虫:カブラハバチ(Athalia rosae)等のハバチ類、チュウレンジハバチ(Arge pagana)等のミフシハバチ類、キイロスズメバチ(Vespa simillima)、フタモンアシナガバチ(Polites chinensis)等のスズメバチ類、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)等のアリ類、アリガタバチ類等。
【0014】
鞘翅目害虫:ウエスタンコーンルームワーム(Diabrotica virgifera virgifera)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata howardi)等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea)等のコガネムシ類、メイズウィービル(Sitophilus zeamais)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera pastica)、アズキゾウムシ(Callosobruchuys chienensis)等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)等のゴミムシダマシ類、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)等のハムシ類、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)等のエピラクナ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ(Paederus fuscipes)等。
【0015】
ゴキブリ目害虫:チャバネゴキブリ(Blattella germanica)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)等。
アザミウマ目害虫:ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ハナアザミウマ(Thrips hawaiiensis)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、カキクダアザミウマ(Ponticulothrips diospyrosi)等。
【0016】
直翅目害虫:ケラ類、バッタ類等。
隠翅目害虫:ネコノミ(Ctenocephalides felis)、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ヒトノミ(Pulex irritans)等。
シラミ目害虫:アタマジラミ(Pediculus humanus humanus)、コロモジラミ(Pediculus humanus corporis)、ケジラミ (Phthirus pubis)等。
【0017】
ワラジムシ類:ワラジムシ(Porcellio scaber)、ホソワラジムシ(Porcellionides pruinosus)、オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)等。ムカデ類:トビズムカデ(Scolopendra subspinipes mutilans)、アオズムカデ(Scolopendra subspinipes japonica)、アカズムカデ(Scolopendra subspinipes multidens)、ゲジ(Thereuopoda hilgendorfi)等。ヤスデ類:ヤケヤスデ(Oxidus gracilis)、オビババヤスデ(Parafontaria laminata laminata)等。
【0018】
ダニ目害虫:ナミハダニ(Tetranychus urticae)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、ミカンハダニ(Panonychus citri)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi)、オリゴニカス属等のハダニ類、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)等のフシダニ類、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)等のホコリダニ類、ヒメハダニ類、ケナガハダニ類、イエダニ類、マダニ類、コナダニ類、コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)等のヒョウヒダニ類、ミナミツメダニ(Chelacaropsis moorei)等のツメダニ類、ワクモ類等。
【0019】
線虫類:ミナミネグサレセンチュウ(Pratylenchus coffeae)、キタネグサレセンチュウ(Pratylenchus fallax)、チャネグサレセンチュウ(Pratylenchus loosi)、クルミネグサレセンチュウ(Pratylenchus vulnus)等のネグサレセンチュウ類、ダイズシストセンチュウ(Heterodera glycines)、ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)等のシストセンチュウ類、キタネコブセンチュウ(Meloidogyne hapla)、サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne incognita)等のネコブセンチュウ類、イネシンガレセンチュウ(Aphelenchoides besseyi)、イチゴセンチュウ(Aphelenchoides fragarieae)等のアフェレンコイデス類、イシュクセンチュウ類、ワセンチュウ類、ピンセンチュウ類、ロンギドルス類、トリコドルス類等。
【0020】
本発明組成物において、第1成分と第2成分との混合割合は重量比で通常80:1〜1:20の割合、好ましくは40:1〜1:10の割合、さらに好ましくは20:1〜1:5の割合である。
【0021】
本発明組成物は第1成分と第2成分との混合物そのものであってもよいが、通常はさらに固体担体、液体担体、ガス状担体及び/又は餌(毒餌基材)等を混合し、必要により界面活性剤その他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、水和剤、フロアブル剤、粒剤、粉剤、顆粒水和剤、エアゾール、煙霧剤、燻煙剤、毒餌、マイクロカプセル剤、ULV剤、シート製剤、樹脂製剤等に製剤化されている。
【0022】
これらの製剤は、第1成分と第2成分とを合計量にして、通常0.01〜90重量%含有する。
【0023】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば粘土類(カオリンクレー、珪藻土、ベントナイト、フバサミクレー、酸性白土等)、合成含水酸化珪素、タルク、セラミック、その他の無機鉱物(セリサイト、石英、硫黄、活性炭、炭酸カルシウム、水和シリカ等)、化学肥料(硫安、燐安、硝安、尿素、塩安等)等の微粉末及び粒状物等があげられる。
液体担体としては、例えば水、アルコール類(メタノール、エタノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、灯油、軽油等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ニトリル類(アセトニトリル、イソブチロニトリル等)、エーテル類(ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等)、酸アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、ジメチルスルホキシド及び植物油(大豆油、綿実油等)があげられる。
ガス状担体としては、例えばフルオロカーボン、ブタンガス、LPG(液化石油ガス)、ジメチルエーテル及び炭酸ガスがあげられる。
【0024】
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルアリールエーテル類及びそのポリオキシエチレン化物、ポリエチレングリコールエーテル類、多価アルコールエステル類並びに糖アルコール誘導体があげられる。
【0025】
その他の製剤用補助剤としては、固着剤、分散剤及び安定剤等、具体的には例えばカゼイン、ゼラチン、糖類(でんぷん、アラビアガム、セルロース誘導体、アルギン酸等)、リグニン誘導体、ベントナイト、合成水溶性高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸類等)、PAP(酸性りん酸イソプロピル)、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、BHA(2−tert−ブチル−4−メトキシフェノールと3−tert−ブチル−4−メトキシフェノールとの混合物)、植物油、鉱物油、脂肪酸及び脂肪酸エステルがあげられる。
【0026】
毒餌の基材としては、例えば穀物粉、植物油、糖、結晶セルロース等の餌成分、ジブチルヒドロキシトルエン、ノルジヒドログアイアレチン酸等の酸化防止剤、デヒドロ酢酸等の保存料、トウガラシ粉末等の子どもやペットによる誤食防止剤及びチーズ香料、タマネギ香料、ピーナッツオイル等の害虫誘引性香料があげられる。
【0027】
本発明組成物はその製剤形態によって、第1成分を製剤化したものと第2成分を製剤化したものとを混合することによっても調製することができ、また、施用時に混用することもできる。
【0028】
本発明の有害生物防除方法は、通常、本発明組成物を有害生物又は有害生物の生息場所に施用することにより行われるが、第1成分又はその製剤と第2成分又はその製剤とを予め混用することなく、同時期に有害生物又は有害生物の生息場所に施用することも可能である。その場合、第1成分と第2成分との使用割合は、重量比で通常80:1〜1:20の割合、好ましくは40:1〜1:10の割合、さらに好ましくは20:1〜1:5の割合である。
【0029】
本発明組成物を農林業分野の有害生物の防除に用いる場合、その施用量は10000m2あたり第1成分と第2成分との合計量で通常1〜10000gである。乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等は通常有効成分濃度が0.01〜10000ppmとなるように水で希釈して施用し、粒剤、粉剤等は通常そのまま施用する。
これらの製剤は、有害生物又は有害生物から保護すべき作物等の植物に直接散布したり、有害生物から保護すべき作物等の植物の株元に施用してもよく、また土壌に施用することにより、土壌に生息する有害生物を防除することもできる。
【0030】
本発明組成物を防疫分野の有害生物の防除に用いる場合、その施用量は、面上に施用する場合は処理面積1m2あたり第1成分と第2成分との合計量で通常1〜10000mg、空間に処理する場合は適用空間1m3あたり第1成分と第2成分との合計量で通常0.1〜5000mgである。乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常有効成分濃度が0.01〜10000ppmとなるように水で希釈して施用し、油剤、エアゾール、煙霧剤、燻煙剤、毒餌等はそのまま施用する。
【0031】
これらの施用量、施用濃度はいずれも製剤の種類、施用時期、施用場所、施用方法、有害生物の種類、被害程度によって異なり、上記の範囲に関わることなく増減することもできる。
【0032】
本発明組成物は他の殺虫剤、殺線虫剤、殺ダニ剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤等と共に用いることもできる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を製剤例及び試験例により、さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0034】
まず、製剤例を示す。なお、部は重量部を表す。
【0035】
製剤例1
化合物(A)5部;化合物(B)又は化合物(C)5部;ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル8部;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム2部及びキシレン80部を均一に混合して乳剤を得る。
【0036】
製剤例2
化合物(A)20部;化合物(B)又は化合物(C)4部;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3部;リグニンスルホン酸ナトリウム3部及び珪藻土70部をジェットエアーミルで均一に混合粉砕して水和剤を得る。
【0037】
製剤例3
化合物(A)1部;化合物(B)又は化合物(C)0.5部;タルク48.5部及びクレー50部を均一に混合攪拌して粉剤を得る。
【0038】
製剤例4
化合物(A)10部と化合物(B)又は化合物(C)5部とにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、ベントナイト30部及びクレー50部を加え、充分攪拌混合する。次いで、この混合物に適量の水を加え、さらに攪拌し、造粒機で製粒し、通風乾燥して粒剤を得る。
【0039】
製剤例5
ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート5部、1%ザンサンガム水溶液20部、スメクタイト系鉱物3部及び水57部を均一に混合し、ここに化合物(A)10部と化合物(B)又は化合物(C)5部とを加えてよく攪拌した後、サンドミルにて湿式粉砕してフロアブル剤を得る。
【0040】
製剤例6
化合物(A)0.1部と化合物(B)又は化合物(C)0.02部とをアセトン10部に溶解し、この溶液を動物用固形飼料粉末(飼育繁殖用固形飼料粉末CE−2:日本クレア株式会社製)99.88部に均一に混合した後、アセトンを風乾し毒餌を得る。
【0041】
次に、本発明組成物の有害生物防除活性を試験例により示す。
【0042】
試験例1
化合物(A)及び化合物(B)各々10部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部;及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより化合物(A)の製剤及び化合物(B)の製剤を得た。化合物(A)の製剤の所定濃度の水希釈液と化合物(B)の製剤の所定濃度の水希釈液とを混合した。
この溶液に展着剤(新リノー:日本農薬株式会社製)を該展着剤の添加量が容量にして1/5000となるように加えて、試験用散布液を調製した。
ポットに栽培したキュウリ(第1葉期)にワタアブラムシ30頭を放し、上記試験用散布液を30ml/ポットの割合で散布した。その後、キュウリを風乾し、これをキュウリを栽培したポットより一回り大きいプラスチックカップ内に入れ、蓋をして温室(25℃)で6日間放置した。
処理前のキュウリ上のワタアブラムシの数と処理6日後のキュウリ上のワタアブラムシの数とから下式により補正密度指数を求めた。
結果を表1に示す。
【0043】
補正密度指数=100×(T6DAT/TPRE)/(C6DAT/CPRE)
T6DAT:処理区植物における処理6日後のワタアブラムシの数
TPRE:処理区植物における処理前のワタアブラムシの数
C6DAT:無処理区植物における処理6日後のワタアブラムシの数
CPRE:無処理区植物における処理前のワタアブラムシの数
【0044】
【表1】
【0045】
試験例2
化合物(A)及び化合物(C)各々10部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部;及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより化合物(A)の製剤及び化合物(C)の製剤を得た。
試験例1とは別の試験区で、試験例1と同様に試験を行い、補正密度指数を求めた。
結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】
本発明組成物は優れた有害生物防除効力を有することから、有害生物の防除に有用である。
Claims (4)
- 第1成分と第2成分との重量比が80:1〜1:20の範囲内である請求項1記載の有害生物防除剤組成物。
- 第1成分と第2成分との重量比が80:1〜1:20の範囲内であることを特徴とする請求項3記載の有害生物の防除方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002178160A JP2004018487A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 有害生物防除剤組成物及び有害生物防除方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002178160A JP2004018487A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 有害生物防除剤組成物及び有害生物防除方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004018487A true JP2004018487A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31175975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002178160A Pending JP2004018487A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 有害生物防除剤組成物及び有害生物防除方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004018487A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008084550A1 (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-17 | Nihon Nohyaku Co., Ltd. | 農園芸用殺ダニ剤組成物 |
WO2008092851A2 (en) * | 2007-01-30 | 2008-08-07 | Basf Se | Pesticidal compositions comprising 3 -acetyl-i- phenylpyrazole compounds |
CN106993622A (zh) * | 2017-03-31 | 2017-08-01 | 青岛瀚生生物科技股份有限公司 | 一种含有乙酰虫腈与嘧虫胺的杀虫组合物及其应用 |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178160A patent/JP2004018487A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008084550A1 (ja) * | 2007-01-12 | 2008-07-17 | Nihon Nohyaku Co., Ltd. | 農園芸用殺ダニ剤組成物 |
WO2008092851A2 (en) * | 2007-01-30 | 2008-08-07 | Basf Se | Pesticidal compositions comprising 3 -acetyl-i- phenylpyrazole compounds |
WO2008092851A3 (en) * | 2007-01-30 | 2009-08-06 | Basf Se | Pesticidal compositions comprising 3 -acetyl-i- phenylpyrazole compounds |
CN106993622A (zh) * | 2017-03-31 | 2017-08-01 | 青岛瀚生生物科技股份有限公司 | 一种含有乙酰虫腈与嘧虫胺的杀虫组合物及其应用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6150796B2 (ja) | 殺害虫性組成物及び害虫の防除方法 | |
JP2003026521A (ja) | 殺虫・殺線虫剤組成物 | |
JP2003026520A (ja) | 殺虫・殺線虫剤組成物 | |
ES2217736T3 (es) | Composiciones insecticidas y procedimientos de lucha contra los insectos. | |
KR100620301B1 (ko) | 살충 조성물 | |
JP5185547B2 (ja) | 殺虫・殺線虫剤組成物及び害虫の防除方法 | |
JP2007077106A (ja) | N−ピリジルアミド化合物とその用途 | |
ES2277923T3 (es) | Insecticidas. | |
JP4288794B2 (ja) | 殺虫・殺ダニ組成物 | |
WO2001000027A1 (fr) | Composition insecticide et procede visant a detruire les insectes | |
JP2004018487A (ja) | 有害生物防除剤組成物及び有害生物防除方法 | |
JP4350266B2 (ja) | 殺虫・殺ダニ剤組成物 | |
JP2000095612A (ja) | 殺虫、殺ダニ剤組成物 | |
JP4806878B2 (ja) | 有害生物防除剤組成物 | |
KR102563632B1 (ko) | 살해충성 조성물 및 해충의 방제 방법 | |
JP2004067574A (ja) | 有害生物防除剤組成物及び有害生物防除方法 | |
JPWO2009069676A1 (ja) | 農園芸用殺虫剤組成物 | |
JP2007326825A (ja) | 有害生物防除組成物 | |
JP2003155203A (ja) | 有害生物防除剤組成物及び有害生物の防除方法 | |
JP4696639B2 (ja) | 有害生物防除組成物 | |
JP2000169305A (ja) | 殺虫、殺ダニ剤組成物 | |
JP4604391B2 (ja) | 害虫防除剤組成物 | |
JP2008013545A (ja) | 有害生物防除組成物 | |
JP2003055113A (ja) | 有害生物防除剤組成物 | |
JP2003063910A (ja) | 有害生物防除剤組成物 |