JP2004017901A - 車輌事故状況自動収集システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】A車輌及びB車輌とも、CCDカメラ5を動作させて車輌前方を撮影させ、この映像データと各種センサ情報(タコメータ、速度、操作履歴等)と、GPSデータと、衝撃度・方向検知データとをフラッシュメモリに保存する。そして、車輌A、Bが衝撃を受けたとき、予め記憶されている証券番号と車番と車種等を組み合わせて映像付き車輌状況情報としてネットワーク(ADSL)を介して事故受付サイト3に送信する。事故受付サイト3は、車輌A、Bの車輌事故映像格納・送信装置1からの映像付き車輌状況情報を受信して保存し、事故の通報があったときに、通報された車番、証券番号に対応する映像付き車輌状況情報を引き当て、この両方の情報に基づいた映像付きの車輌事故受付表を自動作成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の外部の映像を逐次撮影して保存し、これを保険会社のサイトに送信する車輌事故状況自動収集システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌の交通事故発生時の直前、直後の映像を記録して、事故発生時の状況を把握できるようにした装置がある。
【0003】
例えば、特開平9−39739号公報の車載型事故映像及び音声記録装置は、図15に示すように、監視カメラ及びマイク1を映像伝送ケーブル8で記憶装置2に接続し、この記憶装置2とデータケーブル9で記録開始及び停止装置3に接続している。また、電源ケーブル10で電源装置4と接続している。
【0004】
すなわち、車輌の内部又は外部に監視カメラ及びマイク1を設置して、接近してくる車輌の映像、音声を取得させ、これお記憶装置2に記録する。
【0005】
そして、交通事故発生時には、記憶装置2を取り外して、事故の直前、直後の事故発生時の状況を把握できるようにしていた。
【0006】
一方、事故が発生した場合は、自動車保険契約者が電話で「事故受付サービス」へ連絡し、後日、保険会社の事故受付表に発生時の状況を詳細に記述していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記の特開平9−39739号公報の車載型事故映像及び音声記録装置は、記憶装置に映像、音声を登録するだけであるから、記憶装置の記録データを解析して状況が分かることになる。
【0008】
すなわち、記録データの解析のための作業が発生し、結果としてコストがかかるという課題があった。
【0009】
また、保険会社は自動車事故の保険金の支払いは、ドライバが作成した事故受付表が届いてから、内容をチェックして必要な書類を作成して支払うことになる。このとき、上記のような従来の装置を用いていた場合は、記録データを保険会社が解析して、事故受付表の内容が記録データの内容と相違ないことを確認することになる。
【0010】
従って、保険会社では、記録データの内容を解析して画像化する人と、この画像と事故受付表の内容とを比較チェックする人が必要になるので、コストと時間がかかるという課題があった。
【0011】
さらに、車輌事故があったときは、ドライバーは電話連絡で関係機関に通報することになるが、事故の発生直後はパニック状態にあるのがほとんどであり、相手に正確な状況を伝えることができないのがほとんどであり、例えば保険会社側で通報を受けても直ぐに対処の方法、保険手続きの方法を確定させることができないという課題があった。
【0012】
また、ドライバにとっても、事故受付表を作成したときは既に時間が経過しているので、正確に状況を事故受付表に反映させることができないという課題があった。
【0013】
本発明は以上の課題を解決するためになされたもので、車輌事故時の状況を直ちに保険会社のサイトが得ることができると共に、事故時に必要な書類をドライバによらないで自動作成できる車輌事故状況自動収集システムを得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、自車輌、相手車輌に設けられたそれぞれの端末が車輌外の映像を撮影させて蓄積し、該蓄積した映像の内で衝突時付近の映像部分を含んだ映像付き情報をネットワークを介してサーバに収集させる車輌事故状況自動収集システムである。
【0015】
前記サーバは、前記自車輌、相手車輌の端末が定期的に保存している前記映像付き情報を衝撃時に一定数個送信させて、保存する手段と、入力された車番、時刻を有する前記自車輌、相手車輌の映像付き情報を、画面に表示して、前記自車輌が撮影した相手車輌の事故時の最適な映像及び前記相手車輌が撮影した前記自車輌の映像付き情報を選択させる手段と、前記映像付き情報が選択される毎に、この映像付き情報に含まれている衝撃度と衝撃方向を角度で示した衝撃度・衝撃方向スケールを用いて前記車輌の衝撃方向を示した前記自車輌、相手車輌の事故時画像を生成する手段と、前記車番を有する一定数個の映像付き情報に含まれる一定数個の緯度経度を用いて、自車輌、相手車輌の移動軌跡を求める手段と、
前記選択された映像付き情報に含まれる緯度経度を中心とする一定範囲の地図上に前記自車輌の移動軌跡、相手車輌の移動軌跡を定義する手段と、前記自車輌、相手車輌の事故時画像を前記地図の縮尺に合わせ、自車輌、相手車輌の事故時画像を該当の移動軌跡上に定義する手段と、前記定義された自車輌、相手車輌の事故時画像と前記選択された自車輌、相手車輌の映像と、前記入力された車番と、該車番に対応する証券番号と、前記地図付近の住所とを印字した事故受付票を得る手段とを備えたことを要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本実施の形態の車輌事故状況自動収集システムの概略構成図である。この車輌事故状況自動収集システムは、車輌事故映像格納・送信装置1とネットワーク2(携帯電話網、インターネット)と事故受付サイト3とで構成するシステムである。図2は車輌事故映像格納ボックス4の概略構成図である。
【0017】
図1、図2に示すように、車輌事故映像格納・送信装置1は、車輌映像格納ボックス4に小型CCDカメラ5をケーブル9で接続し、携帯電話用アンテナ7をケーブル10で接続し、衝撃度検知センサー8をケーブル11で接続している。また、GPS付きのカーナビ6とケーブル12で接続している。さらに、速度メータ、タコメータ、操作ボックス、アクセル状況等の各種センサーとケーブル13で接続している。
【0018】
また、図1には、A車輌(自車輌)及びB車輌(相手側)に、前述の車輌事故映像格納・送信装置1を搭載しているとする。
【0019】
前述の車輌事故映像格納・送信装置1のCCDカメラ5は、バックミラーの横又は上若しくは下に設け、ボックス4は座席の下又はフロントパネル内に設けられている。さらに、衝撃度検知センサー8は、車輌の中央例えば後部座席と前部座席の間の中央部に固定されている。このセンサー8は、水平周囲360度を検知可能であり、10度間隔に内部に衝撃センサを設けている。
【0020】
すなわち、A車輌及びB車輌とも、イグニッションONに伴って車輌映像格納ボックス4がCCDカメラ5を動作させて車輌前方を定期的に撮影させ、この映像データAiと各種センサ情報Ci(タコメータ、速度、操作履歴等)と、GPSデータBiと、後述する衝撃度・方向検知データDiとをフラッシュメモリに保存する。そして、車輌A、Bが衝撃を受けたとき、予め記憶されている証券番号と車番と車種等を組み合わせて映像付き車輌状況情報Riとしてネットワーク(ADSL)を介して事故受付サイト3に送信する。
【0021】
一方、事故受付サイト3は、webサーバ15と事故表自動作成装置16とDBサーバ17とプリンタ18等から構成され、車輌A、Bの車輌事故映像格納・送信装置1からの映像付き車輌状況情報Riを受信して保存し、事故の通報があったときに、通報された車番、証券番号に対応する映像付き車輌状況情報Ria、Ribを引き当て、この両方の情報に基づいた映像付きの車輌事故受付表を自動作成する。
【0022】
(各装置の詳細)
車輌事故映像格納ボックス4は、CCDカメラ5とMPU28(ROM、RAM、CPU等からなるマイクロコンピュータ)とを接続させるためのインターフェース21と、映像データをコンピュータに取り込むためのビデオキャプチャー22と、フラッシュメモリ23と、携帯電話用通信IC24と、衝撃度検知センサ8と、各種センサからのデータを取り込むためのインターフェース25と、車番号、証券番号、氏名、証券会社名等を予め入力するための入力器26(キーボード)と、表示器27と、車番号、証券番号、氏名、証券会社名等が記憶されるメモリ29と、衝撃方向算出部30等が基板に固着されており、これらは非加熱モールド材によってボックス内がモールドされている。
【0023】
さらに、車輌事故映像格納ボックス4は、例えば5mm程度のアルミ板で形成され(10cm〜20cm)、内部は支柱等を数本たて強度を持たせている。また、図3に示すように、表示器27及び入力器26が箱枠の側面に設けられ、この側面4bをカバー板4aで覆うようにしている。また、カバー板4bと側面4bとはネジによって固着される。
【0024】
前述のフラッシュメモリ23は、20フレーム分(20秒分に相当)のメモリ領域を備え、一秒間隔にCCDカメラ5の画像A1と、GPSデータBiと、衝撃度・方向検知データDiとを順次保存する。
【0025】
また、衝撃度方向算出部30は、衝撃検知センサー8からの10度毎の検知データを離散化平均する。そして、衝撃方向と衝撃度と衝撃範囲等を求め、これらを一組にした衝撃度・方向検知データDiを生成する。
【0026】
この衝撃度・方向検知データDiについて、図4を用いて説明する。図4の(a)に示すように、衝撃検知センサー8は、車輌の中央部に設けられ、例えば0度検知用のセンサが前方中心に、180度検知用のセンサが後方中心に割り当てられるように車輌中央に設けるのが好ましい。
【0027】
すなわち、衝撃検知センサー8には、例えば左前方から衝突を受けた場合は、図4(b)に示すよう検知データが入力する。
【0028】
そして、これらの検知データを離散化平均し、平均衝撃度を求め、この平均衝撃度が基準を越えているときに(衝撃度が50kg重(車輌が受ける荷重)以上の衝撃)図4(c)に示すように、平均衝撃度を求めたときの平均化の範囲θi〜θpと、範囲θi〜θpの内でピークが集中している方向θkと、平均衝撃度とを衝撃度・方向検知データDiとして送出する。基準の衝撃度は衝撃30kg重から70kg重の範囲でもよい。
【0029】
MPU28は、イグニッションONに伴って、CCDカメラ5を動作させて、一秒間隔で映像データをビデオキャプチャー22によって取り込み、フラッシュメモリ23に保存(年月日時刻付き)する。
【0030】
このとき、各種センサ情報(タコメータ、速度等)と、カーナビ6で得られたGPS情報Biとを一組にしてフラッシュメモリ23に記憶する。つまり、各センサからのデータ、GPSデータの取得は、CCDカメラ5の映像の取得に同期させている。
【0031】
また、MPU28は、衝撃度方向算出部30から衝撃度・方向検知データDiを受け取ったとき、フラッシュメモリ23に記憶されている10秒間前分までの(フレーム10個)データ(映像、GPSデータ)と、メモリ29に保存されている車番号と車種と証券番号と衝撃度・方向検知データDiとを映像付き車輌状況情報Riを携帯電話用通信IC24を用いてネットワークを介して事故受付サイト3に送信する。
【0032】
一方、事故受付サイト3の事故票自動作成装置16は、事故位置地図作成部30、事故時画像引当部31と、交通事故票作成部32と、衝撃箇所図作成部33と、両車輌事故図作成部34等を備えている。
【0033】
事故時画像引当部31は、オペレータが入力した車番を有する全ての映像付き事故状況情報Riを引き当て、これらの中かからオペレータが入力した時間帯(通報を受けた時刻付近)の映像付き事故状況情報Rim〜Risを纏め、これをリストにして画面に表示する。
【0034】
そして、事故時画像引当部31は、画面に表示したリストの中の映像ファイル番号が選択される毎に、DBサーバ17の中から選択された映像ファイル番号にリンク付けされている事故状況の画像を表示させる。
【0035】
そして、画面に表示した画像が事故状況を確定させるための最適画像としてオペレータが決定したとき、その最適画像の映像ファイル番号を有する映像付き事故状況情報Rpを事故位置地図作成部30に渡す。
【0036】
事故位置地図作成部30は、事故位置地図作成部30から渡された映像付き事故状況情報RpのGPSデータBip(緯度、経度)を中心とする地図GbをGIS19(地理情報システム)から引き当てる。
【0037】
また、事故位置地図作成部30は、映像付き状況情報RpのGPSデータBipを基準とし、これから例えば10個前まで(10秒間に相当)の各フレームに書き込まれているGPSデータの各緯度、経度に基づいて、映像付き事故状況情報Riを送信した車輌の移動軌跡を求める。そして、この移動軌跡と移動方向を示した矢印付き軌跡kfを、地図Gb上に書き込む。
【0038】
交通事故票作成処理部32は、DBサーバ17から事故受付票のフォームを引き当て、このフォームに、CCDカメラ5の画像を組み込むと共に、衝撃箇所図作成部33が事故位置地図作成部30に定義した車輌衝突状況図付き地図Gp1又は両車輌事故図作成部34が事故位置地図作成部30に定義した車輌衝突状況図付き地図Gpを組み込む。
【0039】
また、選択された映像付き事故状況情報RpのGPSデータBipの年月日、時刻を所定の欄に組み込む。さらに、車番、証券番号等を所定の欄に組み込む。
【0040】
衝撃箇所図作成部33は、図5(a)に示すように、衝撃度検知センサー8の一周分を角度で定義した角度スケールθkを備え、かつこの角度スケールθkと同様な長さの衝撃方向決定スケール(図5(b))を備えている。衝撃方向決定スケールは、図4(a)の車輌の枠を伸ばして一直線で示したもので、その長さは角度スケールθkに一致させている。また、各タイヤの位置と車輌の前方中央、後方中央を衝撃方向決定スケールに定義している。
【0041】
この衝撃方向決定スケールに、受信した衝撃度の平均化範囲θi〜θpと、平均ピーク値の角度θkとを割り当てる。
【0042】
そして、この衝撃方向決定スケールを図4(a)に合わせて閉じた車輌事故画像Qiを生成し、この車輌事故画像Qiの中央を地図Gbの中心に合わせると共に、矢印付き軌跡kfが車輌事故画像Qiの中央ラインとなるように画像Qiを調整して地図Gbに定義する(この地図Gbを車輌衝突状況図付き地図Gp1(A車輌)、Gp2(B車輌)と称する)。
【0043】
両車輌事故図作成部34は、車輌衝突状況図付き地図Gp1が生成される毎に、相手側車輌の車輌番号又は証券番号が入力されたかどうかを判断し、入力されたときは、この番号に一致する相手側の車輌衝突状況図付き地図Gp2が生成されているかを判断する。Gp2が生成されている場合は、Gp2の地物の枠にGp1の枠を合わせた両車輌事故図付き地図Gpを生成する。
【0044】
DBサーバ17は、顧客情報、車輌事故地図Gp(Gp1、Gp2)等を保存する。前述の顧客情報は、証券番号と氏名と住所と電話番号と車番と車種等からなる。また、事故受付票のフォームを保存している。さらに、証券番号に対応する保険証書を記憶している。
【0045】
GIS19(地理情報システム)は、緯度経度が割り当てられた地図を備えている。この地図は、道路界、建物界、河川界等を組み合わせられ、点、線は緯度経度座標が割り振られたベクトルデータである。
【0046】
(動作説明)
上記のように構成された車輌事故状況自動収集システムの動作を図6、図7、図8のシーケンス図を用いて以下に説明する。本実施の形態では車輌Aのドライバーから通報を受けたとして説明する。また、車輌Aのデータには「a」を付加し、車輌Bのデータには「b」を付加する。
【0047】
図6に示すように、車輌に搭載された車輌事故映像格納・送信装置1は、イグニッションONによって起動する(d1)。すなわち、イグニッションONによって本装置の車輌事故映像格納ボックス4に電源が供給され、MPU28が各器機を起動状態にする初期設定を行う(d2)。
【0048】
MPU28は、起動に伴って各部をチェックすると共に、事故受付サイト3との回線を確立(携帯電話網へWAPプロトコルにて接続)する(d3)。
【0049】
そして、バックミラーの上部又は下部に取り付けられたCCDカメラ5からの画像Aia(ビデオキャプチャー22を用いる)と、カーナビ6からのGPSデータBia(緯度、経度、年月日、時刻)と、各種センサーデータCia(速度、タコメータ、ハンドル角度等)と、衝撃度・方向検知データDiaとを取り込み(d4、d5、d6、d7)、フラッシュメモリ23に記憶する(d8)。
【0050】
前述の衝撃度・方向検知データDiaは、衝撃方向算出部30によって得られている。つまり、所定レベルの衝撃を検知したときには、平均衝撃度を求めたときの平均化の範囲θi〜θpと、範囲θi〜θpの内でピークが集中している方向θkと、平均衝撃度とからなる。
【0051】
次に、MPU28は、1秒経過したかどうかを判断し(d9)、一秒経過したときは、衝撃度・方向検知データDiaがフラッシュメモリ23に保存されているかどうかを判定する(d10)。
【0052】
d10において、衝撃度・方向検知データDiaが保存されていないと判定したときは、再びCCDカメラ5からの画像Aia、カーナビ6からのGPSデータBia(緯度、経度、年月日、時刻)、各種センサーデータCia(速度、タコメータ、ハンドル角度等)を取り込み、フラッシュメモリ23に記憶する。
【0053】
また、d10において、衝撃度・方向検知データDiaが存在する(車輌が何かに衝突した)と判定したときは、フラッシュメモリ23の10フレーム分(10秒間前)を引き当て(d11)、衝突度・方向検知データDiaと共に、映像付き事故状況情報Riaとして携帯電話用通信IC24を用いて事故受付サイト3に送信させる(d12)。つまり、衝突を検知したときから10秒前分のGPSデータBia、CCDカメラ5の画像Aia、各種センサデータCiaと、予め記憶されている顧客情報(車番、証券番号、氏名、携帯電話番号)等が送信される。
【0054】
一方、事故受付サイト3のwebサーバ15は、httpプロトコルで通信を行い、図7に示すように、車輌事故映像格納・送信装置1からの映像付き事故状況情報RiaをDBサーバ17に保存する(d13)。この保存データは、事故通報が無い場合は、30分後にDBサーバ17が削除する。
【0055】
すなわち、事故受付サイト3のDBサーバ17には、車輌が何らかに当たって衝撃を受けたときの映像付き事故状況情報Riaのみが保存される。
【0056】
そして、実際に事故であった場合は、車輌Aのドライバーは事故受付サイト3に電話をかけて、車番又は証券番号、氏名、事故状況、相手側の車輌Bの車番等を知らせる。
【0057】
オペレータは、パソコンを操作して通報を受けた車番、証券番号又は携帯番号をキーとしてDBサーバ17の映像付き事故状況情報Riaを表示させる。
【0058】
このとき、同じ日に多数の映像付き事故状況リスト(10秒間分)がDBに存在する場合は、事故時画像引当処理部31が通報を受けた車番を有する全ての映像付き事故状況情報Riaを引き当て、これらの中かから通報を受けた時刻付近の映像付き事故状況情報を纏め(Rim〜Ris)、これをリストにして画面に表示する(図9(a)を参照)。
【0059】
そして、オペレータは、引き当てたリストの中の映像ファイル番号をクリックすると、事故時画像引当処理部31がDBサーバ17の中から映像ファイル番号にリンク付けされている事故状況の画像を、事故状況を確定させるための最適画像Apaを決定する。本実施の形態では図9(b)に示す映像付き事故状況情報Rpaの最適画像Apaが決定されたとする。
【0060】
この最適画像Apaの決定に伴って、事故位置地図作成部30は、映像付き事故状況情報Rpaを事故状況を示す最適なデータと決定する(d14)。
【0061】
この決定された映像付き事故状況情報RpaのGPSデータBipaの緯度、経度を中心とする半径20mの地図データGba(点、線には緯度経度座標が割り振られたベクトル)をGIS(地理情報システム)から読み込む(d15、d16)。
【0062】
次に、事故位置地図作成部30は、映像付き事故状況情報RpaのGPSデータ及びDBサーバ17の映像付き事故状況情報(Rim〜Ris)の各GPSデータの各緯度経度から車輌Aの移動軌跡を求め、この移動軌跡と移動方向とを示した矢印付き軌跡kfa(緯度経度が割り振られたベクトル)を地図データGba上に書き込む。
【0063】
次に、衝撃箇所図作成部33は、決定された映像付き事故状況情報Rpaの衝撃度、衝撃度の平均化範囲θi〜θp、平均ピーク値の角度θkを読み、サイト3側で備えている図5(b)の衝撃方向決定スケール上にこれらを定義する(図10を参照)。そして、この衝撃方向決定スケールのJ1、J2、…前方向中央印、後方向中央印が図4(a)のJ1、J2、…前方向中央印、後方向中央印に合うようにして閉じた車輌事故画像Qiaを生成する(d17:図11参照)。この車輌事故画像Qiaの中央を地図Gbaの中心に合わせると共に、矢印付き軌跡kfaが車輌事故画像Qiaの中央ラインとなるように画像Qiaを調整して地図Gbaに定義する。すなわち、車輌衝突状況図付き地図Gp1を求める(d18:図12(a)を参照)。
【0064】
次に、両車輌事故図作成部34は、車輌衝突状況図付き地図Gp1が生成される毎に、DBサーバ17にB車輌の車輌衝突状況図付き地図Gp2が存在しているかどうかを判断する(d19)。
【0065】
B車輌の車輌衝突状況図付き地図Gp2が存在しない場合(つまり、相手側が何らかの理由で事故を通報できない場合)は、相手側の車輌衝突状況図付き地図Gp2が存在しないことを画面(例えばワークステーションの画面)に表示する(d20)。
【0066】
オペレータは、この表示によって、相手側の車番(ナンバープレートの番号)を入力して、事故位置地図作成部30、事故時画像引当部31、衝撃箇所図作成部33等を起動させる。
【0067】
つまり、オペレータが入力した相手側の車輌Bの車番を有する全ての映像付き事故状況情報Ribを引き当て、これらの中かからオペレータが入力した時間帯(通報を受けた時刻付近)の映像付き事故状況情報Rim〜Risを纏め、これをリストにして画面に表示する。
【0068】
そして、画面に表示したリストの中の映像ファイル番号が選択される毎に、DBサーバ17の中から選択された映像ファイル番号にリンク付けされている事故状況の画像を表示させ、画面に表示した画像が事故状況を確定させるための最適画像としてオペレータが決定したとき、その最適画像Apbの映像ファイル番号を有する映像付き事故状況情報RpbのGPSデータBipb(緯度、経度)を中心とする地図GbbをGIS19(地理情報システム)から引き当てる。
【0069】
また、映像付き状況情報RpbのGPSデータBipbを基準とし、これから例えば10個前まで(10秒間に相当)の各フレームに書き込まれているGPSデータの各緯度、経度に基づいて、映像付き事故状況情報Ribを送信した車輌の移動軌跡を求める。そして、この移動軌跡と移動方向を示した矢印付き軌跡kfbを、地図Gb2上に書き込む(図12(b))。
【0070】
車輌Bから受信した映像付き事故状況情報Ribの衝撃度の平均化範囲θi〜θpと、平均ピーク値の角度θkとを衝突方向決定スケールに割り当て、この衝撃方向決定スケールを図4(a)に合わせて閉じた車輌事故画像Qibを生成し、この車輌事故画像Qibの中央を地図Gbbの中心に合わせると共に、矢印付き軌跡kfbが車輌事故画像Qibの中央ラインとなるように画像Qibを調整して地図Gbbに定義して車輌衝突状況図付き地図Gp2を得る。
【0071】
また、d19において、B車輌の車輌衝突状況図付き地図Gp2がDBサーバ17に存在すると判定したときは、図8に示すように、両車輌事故図作成部34がGp2の地物の枠にGp1の枠を合わせた両車輌事故図付き地図Gpを生成する(d21)。つまり、図12に示すように、A車輌の車輌状況図付き地図Gp1と、B車輌の車輌状況図付き地図Gp2とが生成されている場合は、例えば道路界の線は緯度経度座標が割り振られたベクトルであるので、両方の地図Gp1、Gp2との合成は、同じ緯度経度座標の線同士を一致させて合成する。従って、図12の(c)に示すように、車輌A、Bが衝突したときの状況を示す画像(衝突方向、移動方向が示されている)が地図上に書き込まれることになる。
【0072】
そして、交通事故票作成部32は、A車輌の映像付き事故状況情報Rpaの最適画像Apaと、GPSデータBipaに基づく番地情報Paと、両車輌事故付き地図Gpとを事故受付票のフォームに組み込み(d22)、これを印刷させることによって図13に示す事故受付票を得る(d23)。
【0073】
すなわち、事故受付サイトでは、車輌A、Bとが衝突した場合は、自動的に車輌Aから見たときの事故時の車輌Bの映像Apbと、車輌Bから車輌Aを見たときの事故時の車輌Aの映像Apaと、衝突方向及び移動方向付き車輌Aの図と衝突方向及び移動方向付き車輌Bの図とを合成させた衝突現場の地図とが得られる。このため、後日現場検証しなくとも、ドライバ同士の報告と、事故受付票との内容の比較だけで立証が可能である。従って、保険会社では短時間で最適な保険金額を割り出すことが可能である。
【0074】
前述のボックス4のMPUの動作を図14のフローチャートを用いて補充する。MPU28はイグニッションONかどうかを判断する(S1)。
【0075】
ステップS1において、イグニッションONと判断したときは、事故受付サイトのURLコードを用いて回線を接続させる(S2)。
【0076】
次に、CCDカメラ5をON状態にする(S3)。そして、フラッシュメモリ23のフレーム番号を先頭番号にする(S4)。次に、一秒経過かどうかを判断する(S4)。ステップS4において、一秒経過と判断したときは、CCDカメラが撮影した画像を内部に取り込ませ、フレーム番号fiのフレームにその画像Aiを保存する(S5)。次に、カーナビ6のGPSデータBi、各種センサデータCiと、衝撃度・方向検知データDiとをフレーム番号fiのフレームに保存する(S6)。
【0077】
そして、このフレームへのデータの保存に伴って、衝撃度・方向検知データDiが保存されたかどうかを判断する(S7)。
【0078】
ステップS7において、衝撃度・方向検知データDi(衝撃を受けた)が存在するときは、現時点から10秒前までのf1、f2、…f10に保存されているデータと、メモリ29の証券番号、車番、携帯電話番号とを組み合わせた映像付き事故状況情報Riを送信させる(S8)。次に、イグニッションオフかどうかを判定する(S9)。イグニッションオフと判定したときは、f1、f2、…f10のフレームをクリアし(S10)、イグニションオフをサイト3に送信する(S11)。このとき、車番を送信する。
【0079】
一方、受付サイトは、映像付き事故状況情報Riを受信して記憶し、衝撃の値が大きな値を示しているときは、直ちに受信した映像付き事故状況情報Riを画面に表示してアラーム音を発生させる。
【0080】
これによって、サイトのオペレータは事故があったことが直ぐに分かり、また情報Riには携帯電話番号が含まれているからサイト側からドライバに電話をかけることが可能となる。
【0081】
なお、上記実施の形態では、イグニッションONした後は、CCDカメラをON状態にして1秒毎に画像を内部に取り込むとしたが、カーナビが危険エリア(交差点、カーブ)を通行中又は危険エリアに到達することが知らせられたときに、CCDカメラを動作させるようにしてもよい。
【0082】
さらに、上記実施の形態では、CCDカメラ5は前方を撮影するようにしたが、車輌の後部を撮影する後部用CCDカメラ、車輌の左右方向を撮影する左用CCDカメラ、右用CCDカメラを備え、これらの画像をフラッシュメモリに保存して、衝撃又は危険エリアに到達したときのみ送信してもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、衝突が発生したときは、自車輌からの相手車輌の映像、相手車輌からの自車輌の映像と、衝突方向を示したデータ、車番とが保険サイトに送信される。
【0084】
これらの映像付き情報の中から通報のあった車番の最適な事故映像(相手車輌、自車輌)とを選択さえて、映像付き情報に含まれる緯度経度から事故位置付近の一定範囲の地図を引き当て、この地図上に相手車輌、自車輌の衝突方向を示した車輌画像を定義し、これらを事故受付票に印刷する。
【0085】
このため、保険会社では双方の車輌事故時の状況を示す画像が印刷された事故受付票を直ちに得ることができるので、この画像から最適な保険金額の支払い額を容易に算定できるという効果が得られている。
【0086】
また、双方の映像、事故時の状況図が得られるので、支払い保険金額を正確に割り出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の車輌事故状況自動収集システムの概略構成図である。
【図2】車輌事故映像格納ボックス4の概略構成図である。
【図3】車輌事故映像格納ボックス4の外観図である。
【図4】本実施の形態の衝撃度検知センサーの検知データを説明する説明図である。
【図5】本実施の形態の衝撃方向決定スケールを説明する説明図である。
【図6】本実施の形態の動作を説明するシーケンス図である。
【図7】本実施の形態の動作を説明するシーケンス図である。
【図8】本実施の形態の動作を説明するシーケンス図である。
【図9】本実施の形態のサイト側で表示される映像付き事故状況情報の説明図である。
【図10】本実施の形態の動作説明に用いる衝撃方向決定スケールの説明図である。
【図11】本実施の形態の衝撃方向を示した車輌画像の説明図である。
【図12】本実施の形態の車輌画像の合成を説明する説明図である。
【図13】本実施の形態で得られる事故受付票の説明図である。
【図14】本実施の形態の車輌事故映像格納・送信装置の動作を説明する説明図である。
【図15】従来の車載型事故映像及び音声記録装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 車輌事故映像格納・送信装置
2 ネットワーク
3 事故受付サイト
4 車輌事故映像格納ボックス
5 小型CCDカメラ
16 事故表自動作成装置
30 事故位置地図作成部
31 事故時画像引当部
32 交通事故票作成部
33 衝撃箇所図作成部
34 両車輌事故図作成部
Claims (3)
- 自車輌、相手車輌に設けられたそれぞれの端末が車輌外の映像を撮影させて蓄積し、該蓄積した映像の内で衝突時付近の映像部分を含んだ映像付き情報をネットワークを介してサーバに収集させる車輌事故状況自動収集システムであって、
前記サーバは、
前記自車輌、相手車輌の端末が定期的に保存している前記映像付き情報を衝撃時に一定数個送信させて、保存する手段と、
入力された車番、時刻を有する前記自車輌、相手車輌の映像付き情報を、画面に表示して、前記自車輌が撮影した相手車輌の事故時の最適な映像及び前記相手車輌が撮影した前記自車輌の映像付き情報を選択させる手段と、
前記映像付き情報が選択される毎に、この映像付き情報に含まれている衝撃度と衝撃方向を角度で示した衝撃度・衝撃方向スケールを用いて前記車輌の衝撃方向を示した前記自車輌、相手車輌の事故時画像を生成する手段と、
前記車番を有する一定数個の映像付き情報に含まれる一定数個の緯度経度を用いて、自車輌、相手車輌の移動軌跡を求める手段と、
前記選択された映像付き情報に含まれる緯度経度を中心とする一定範囲の地図上に前記自車輌の移動軌跡、相手車輌の移動軌跡を定義する手段と、
前記自車輌、相手車輌の事故時画像を前記地図の縮尺に合わせ、自車輌、相手車輌の事故時画像を該当の移動軌跡上に定義する手段と、
前記定義された自車輌、相手車輌の事故時画像と前記選択された自車輌、相手車輌の映像と、前記入力された車番と、該車番に対応する証券番号と、前記地図付近の住所とを印字した事故受付票を得る手段と
を有することを特徴とする車輌事故状況自動収集システム。 - 前記自車輌及び相手車輌に設けられた端末は、
前記車輌の外部を視野とする撮像手段と、携帯電話網用のアンテナと、前記車輌の中央部に設けられ当該車輌の水平周囲の衝撃度を衝撃方向に対応させて検知する衝撃方向検知センサとに接続して、高強度構造の筐体で全体を覆い、
前記撮像手段が撮影した映像を一定間隔で内部に取込んで記憶すると共に、前記衝撃方向検知センサからの検知データを、前記水平周囲を前記衝撃方向検知センサの検知角度で示した角度スケールに割り当てた衝撃度・衝撃方向スケールを生成する手段と、
前記衝撃度・衝撃方向スケールの検知データが一定レベルを超えているとき、前記記憶した映像の中から所定個の映像と予め記憶されている前記車輌の車番と前記衝撃度・衝撃方向スケールと組み合わせた映像付き情報を前記サーバに送信する手段を
前記筐体で内に組み込んでいることを特徴とする請求項1記載の車輌事故状況自動収集システム。 - 前記端末は、
前記筐体内のメモリに、運転者の携帯電話番号、保険の証券番号を記憶し、前記衝突が一定レベルを超えたとき、携帯電話番号と証券番号とを前記映像付き情報に組み込んで送信させる手段と
を有することを特徴とする請求項1又は2記載の事故状況情報自動収集システム。
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