JP2004017295A - セラミックグリーンシートの製造方法 - Google Patents

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Toru Okauchi
岡内 亨
Koichi Shigeno
茂野 交市
Hiroshi Kagata
加賀田 博司
Noboru Masuda
枡田 昇
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Abstract

【課題】所定の単位面積当たりのセラミック粉含有量でもって均一に形成されたセラミックグリーンシートの製造を可能にする。
【解決手段】セラミックスラリー106を基材フィルム100表面に塗布することでセラミックグリーンシート113が形成されたうえで、形成されたセラミックグリーンシート113の単位面積当たりのセラミック粉含有量を測定し、測定した単位面積当たりのセラミック粉含有量に基づいて基材フィルム100に対するセラミックスラリー106の塗布量を調整する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックグリーンシートの製造方法に関するもので、特に積層セラミックコンデンサやセラミック積層基板など、セラミック積層技術による電子部品を高清度に製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミック積層技術を応用した電子部品の代表的なものである積層セラミックコンデンサは、一般に次のように製造される。先ず、基材フィルム上にスラリーを均一塗布されたうえで乾燥されてセラミックグリーンシートが作成される。次に、得られたセラミックグリーンシート上に、導電ペーストで内部電極が形成される。内部電極の形成には一般的にスクリーン印刷法が用いられる。更に、内部電極が形成されたセラミックグリーンシートが、コンデンサ容量や外形寸法等から求められる所要の枚数だけ積み重ねてられて積層体が形成される。その際、層間を密着させるため、厚み方向に加圧される。最後に、得られた積層体が焼成されて、焼結体端面に外部電極が形成される。このような工程を経て得られた積層セラミックコンデンサの断面図が図2に示される。
【0003】
セラミック焼結体220の内部は、左右から内部電極222,223が交互に積層されることでコンデンサが形成される。内部電極222,223の間には厚みΔzのセラミック層221が形成される。内部電極222,223は、左右別々の外部電極224に接続される。
【0004】
平行平板コンデンサの容量Cは、対向する電極面積A、電極間距離tにより、C=εA/tで規定される。ここで、εはセラミック焼結体の誘電率である。図2における積層セラミックコンデンサでは、上記の式におけるtはΔzに、AはΔx・Δy・nである。ただし、Δxは図2の断面方向の内部電極222,223の重なり幅である。Δyは図示断面と垂直方向の内部電極222,223の重なり幅である。nは内部電極222,223が重なることで形成される単層コンデンサの積層数である。
【0005】
従って、積層セラミックコンデンサの容量Cは、C=ε(Δx・Δy・n)/Δzにより求められる。この式から明らかなように、積層セラミックコンデンサの高精度化には、Δx,Δy,Δzを高精度に制御する必要がある。また、これらの電子部品には、高密度化と同時に小型化の要求もあり、小型化のためにはセラミック層221の薄層化によるΔzの短縮が有効である。
【0006】
しかしながら、Δzの短縮は、更なるΔzの高精度制御が必要となる。そこで、Δzを高精度に制御するため、従来から、特許第3214408号に見られるように、セラミックグリーンシートの厚みが所定の値になるように、セラミックグリーンシートの厚みのモニタリングに基づいてスラリー塗布部に対するスラリー供給量を制御し、これによってセラミックグリーンシートの厚みの高精度管理を行うことが実施されている。
【0007】
また、アイデア的にではあるが、特許第3064756号に見られるように、前もって作成したグリーンシートを秤量し、その測定値に基づいてグリーンシートの平均的な厚みを管理することも検討されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
積層セラミックコンデンサに代表される積層セラミック部品の製造工程では、前述のようにセラミックグリーンシートの積み重ね工程と圧縮密着工程とがある。セラミックグリーンシートの積み重ねる工程においては、シート間に残った空気を逃がすため、セラミックグリーンシートには適度な通気性を付与することが必要となる。通気性が乏しい場合には、空気の残った部分はセラミックグリーンシート間の密着が阻害され、デラミネーションが発生して焼結欠陥となる。
【0009】
そのため、セラミックグリーンシートは気孔を多く含むポーラスな構造を有している。ここで、セラミックグリーンシートを積層した積層体の焼結過程の概略を考察すると、先ずセラミックグリーンシートに柔軟性を与えていた可塑剤が熱分解し、続いて有機バインダが熱分解する。その後、セラミックグリーンシート内のセラミック粉・ガラス粉などの無機粉体が空気を追い出しながら、溶けたり粒成長を続けることで、緻密な焼結体を作る。
【0010】
このように、セラミックグリーンシートの焼結においては、焼結途中において可塑剤や有機バインダが熱分解することでその厚みが薄くなる。これに対して積層セラミックコンデンサの容量に大きく影響を及ぼす電極間距離Δzは焼結後の電極間距離である。焼結後の電極間距離を規定する焼結後のセラミックグリーンシートの厚みは、未焼結状態における積層体の厚みから算定することは不可能である。
【0011】
これに対して、スラリーの作成工程において、前述の特許第3214408号でも述べられているように、粘度・比重・固形分濃度などによりスラリーの流動特性は影響を受ける。そのため、そのセラミックスラリーから作成されるセラミックグリーンシートのポーラス構造も粘度・比重・固形分濃度などにより影響を受けてその気孔率が変動する。気孔率は焼結後の厚みに影響を与え、気孔率が高い程、焼結後の厚みは薄くなる。そのため、未焼成状態での厚みが同一のセラミックグリーンシートどうしであっても、気孔率の違い等によって収縮率が互いに異なり焼結後の厚みは一定にならない。
【0012】
このような理由により、同一厚みのセラミックグリーンシート(未焼成)から焼成処理を経て作成される積層セラミックコンデンサどうしであっても、シートの気孔率の相違等によって内部電極間距離が同一とはならず、このことがコンデンサ各個で容量の変動する要因となっている。
【0013】
更に、昨今は電子部品の小型・軽量化の要求が厳しく、コンデンサの小型化は内部電極間隔の狭小化を意味する。そのため、コンデンサの特性にとって、焼結後の内部電極間距離はさらに大きな影響を与える要因となる。
【0014】
この電子部品の高精度化に伴い、グリーンシートとロッド間のバラツキのみでなく、1ロッド内の面内のバラツキが大きな問題となっている。このような状態の下では、特許第3064756号で述べられている先行試作的、平均値的な管理手法では、十分な対応は難しい。
【0015】
また、積層セラミック部品では素子の複合化も進んでいる。即ち、従来は積層セラミックコンデンサなら1素子1チップであったものが、1チップ内にコンデンサ部・コイル部・抵抗部というような異種・複数の素子が形成され、さらにはμmオーダの寸法精度が要求トされるストリップラインフィルタなども含めた形での積層セラミックモジュ−ルも実用化されている。
【0016】
このような積層セラミックモジュールでは、焼結後の内部電極パターンに非常に高い成形精度が要求され、焼結時の僅かな収縮斑も問題となる。これに対して、上記収縮班を防ぐために、無収縮焼結法(セラミックグリーンシート面方向の収縮を規制しながら焼結する方法)が一部では採用されている。さらには、モジュールの小型化・高精度化に伴って、無収縮焼結法の採用範囲はますます拡大するものと予測される。
【0017】
しかしながら、無収縮焼成法では、従来焼成で発生していた3次元状の収縮容積が全て厚み方向の収縮に取って代わるため、気孔率の違い等に起因する焼結時の収縮率の変動(厚みの変動)はより大きなものとなる。
【0018】
上記の様な課題を鑑み、本発明の目的は、焼結後の厚みが全面に渡って均−であるセラミックグリーンシートを製造できる、セラミックグリーンシートの製造方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手投】
上記の目的を達成するため、本発明は、セラミック粉を含むセラミックスラリーを基材フィルム表面に塗布してなるセラミックグリーンシートの製造方法であって、前記セラミックスラリーを基材フィルム表面に塗布することでセラミックグリーンシートを形成するシート形成工程と、形成された前記セラミックグリーンシートの実質的に単位面積当たりのセラミック粉含有量を測定し、測定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量に基づいて前記基材フィルムに対する前記セラミックスラリーの塗布量を調整する塗布量調整工程とを含むことに特徴を有している。これにより本発明は、単位面積当たりのセラミック粉含有量が任意に調整されたセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0020】
なお、本発明においては、前記塗布量調整工程は、測定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量が所定の値になるように、前記基材フィルムに対する前記セラミックスラリーの塗布量を調整する工程であるのが好ましい。そうすれば、単位面積当たりのセラミック粉含有量が所定の値に揃った状態となったセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0021】
なお、本発明においては、前記シート形成工程は、前記基材フィルムを搬送するとともに搬送中の前記基材フィルムに対してフィルム幅方向に沿った規制部材を対向配置させこの規制部材と前記基材フィルムとの間の隙間から前記セラミックスラリーを前記基材フィルムに塗布する工程であり、前記塗布量調整工程は、測定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量に基づいて前記セラミックグリーンシートのシート幅方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布を算定したうえで、算定した単位面積当たりのセラミック粉含有量分布の近似直線の傾きがなくなるように、前記基材フィルムに対する前記規制部材の配置角度を調整する工程であるのが好ましい。そうすれば、シート幅方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布が揃った状態となったセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0022】
なお、本発明においては、前記シート形成工程は、前記基材フィルムを搬送するとともに、搬送中の前記基材フィルムに対してフィルム幅方向に沿ったスラリー吐出口を対向配置し、このスラリー吐出口から前記セラミックスラリーを前記基材フィルムに塗布する工程であり、前記塗布量調整工程は、測定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量に基づいて前記セラミックグリーンシートのシート搬送方向各点における前記単位面積当たりのセラミック粉含有量のシート幅平均値をそれぞれ算定し、算定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量のシート幅平均値がシート搬送方向各点で所要の値に揃うように、前記スラリー吐出口に対するセラミックスラリーの供給量を制御する工程であるのが好ましい。そうすれば、単位面積当たりのセラミック粉含有量のシート幅平均値がシート搬送方向各点で所要の値に揃ったセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0023】
なお、本発明においては、前記シート形成工程は、前記基材フィルムを搬送するとともに、搬送中の前記基材フィルムに対してフィルム幅方向に沿ったスラリー吐出口を対向配置し、このスラリー吐出口から前記セラミックスラリーを前記基材フィルムに塗布する工程であり、前記塗布量調整工程は、前記セラミックグリーンシートのシート幅方向の前記単位面積当たりのセラミック粉含有量分布の変動が最小化するように、前記スラリー吐出口の幅方向各点の開口寸法を部分的に調整する工程であるのが好ましい。そうすれば、シート幅方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布の変動が最小化した状態となったセラミックグリーンシートを作製することができる。
【0024】
なお、本発明においては、前記スラリー吐出口に対して、可変則モータで駆動された定容積型ポンプにより前記セラミックスラリーを供給するのが好ましい。そうすれば、セラミックスラリーの供給量を検出するための流量計が不要となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1のセラミックグリーンシート製造方法について、図1を参照して説明する。図1は本発明のセラミックグリーンシートの製造方法を具現化したセラミックグリーンシート製造装置である。この装置は、巻き出し部101から巻き出された基材フィルム100がコーティングロール102を通り、巻き取り部103へ搬送されて巻き取られるようになっている。
【0026】
このような基本構成を有するセラミックグリーンシート製造装置において、コーティングロール102上には規制部材であるコンマロール104がシート幅方向に沿って設置されている。コンマロール104の両端は、図示しない昇降機構により独立に昇降されるようになっている。
【0027】
コーティングロール102とコンマロール104とに隣接して、スラリー溜め105が設けられている。スラリー溜め105にセラミックスラリー106が貯蔵されている。スラリー溜め105は次のように機能する。すなわち、コーティングロール102上の基材フィルム100とコンマロール104との間に形成された隙間に応じた量のセラミックスラリー106が基材フィルム100表面に塗布されるようにスラリー溜め105は機能する。これにより、基材フィルム100上にセラミックグリーンシート113が形成される。
【0028】
コンマロール104と巻き取り部103との間には下側レール107と上側108とが設けられている。両レール107,108は、搬送される基材フィルム100(セラミックグリーンシート113形成済み)上下それぞれに設けられており、基材フィルム100の幅方向に沿って配置されている。
【0029】
下側レール107には、セラミックグリーンシート113に対してX線を照射するX線照射器109が取り付けられている。X線照射器109は下側レール107上をスライド搬送される。
【0030】
上側レール108には、セラミックグリーンシート113からのX線を検出するX線検出器114が取り付けられている。X線検出器114は上側レール108上をスライド搬送される。X線照射器109とX線検出器114とは互いに同期して搬送される。
【0031】
X線検出器114が検出したX線量はセラミック粉含有量算出器110に送られる。セラミック粉含有量算出器110では、入力されたX線量により単位面積当たりのセラミック粉含有量が算出され、その情報は測定値としてセラミック粉含有量制御器111に伝達される。セラミック粉含有量制御器111には単位面積当たりのセラミック粉含有量の目標値が入力されており、セラミック粉含有量制御器111では、単位面積当たりのセラミック粉含有量の測定値と単位面積当たりのセラミック粉含有量の目標値との間の偏差からコンマロール104と基材フィルム100との間の隙間の制御量が算出される。算出された制御量は隙間制御器112に伝達される。隙間制御器112は伝達された隙間制御量に応じて、コンマロール104の両端を昇降させて隙間を変化させる。
【0032】
上述した単位面積当たりのセラミック粉含有量の算出方法は例えば、次のようにして実施される。すなわち、セラミック粉含有量算出器110は、X線検出器114から入力されるX線検出データを、較正された基準物質(例えば、Al箔)の厚みに変換する基本変換式を記憶している。さらに、セラミック粉含有量算出器110は、単位面積当たりのセラミック粉含有量が既知でありしかも互いに単位面積当たりのセラミック粉含有量が異なる複数のセラミックグリーンシート試料の透過X線量を予め測定したうえで、測定した透過X線量に基づいて、前記基本変換式により算定された基準物質の厚みデータをセラミックグリーンシートの単位面積当たりのセラミック粉含有量に換算する換算式を予め作成して記憶している。
【0033】
ここで、上述した基本変換式により基準物質の厚みとして算定されたセラミックグリーンシートの厚みをxとし、セラミックグリーンシートの単位面積当たりのセラミック粉含有量をyとすると、換算式は、y=Ax+Bとなる。この換算式(y=Ax+B)によりセラミックグリーンシートの単位面積当たりのセラミック粉含有量が算定される。
【0034】
次に、図1に示したセラミックグリーンシート製造装置における単位面積当たりのセラミック粉含有量の制御方法が説明される。
【0035】
コンマロール104とコーティングロール102との間の隙間で形成されたセラミックグリーンシート113は搬送されて両レール107,108の配置位置に達する。ここで、X線照射器109はシート幅方向に沿ってX線を照射している。照射されたX線はセラミックグリーンシート113を透過したのちX線検出器114により検出される。X線検出器114とX線照射器109とは、互い同期してセラミックグリーンシート113の幅方向に移動しながら、X線の照射と検出とを行っている。そのため、X線照射器109とX線検出器114とによりX線の照射・検出操作を実施することにより、セラミックグリーンシート113の幅方向におけるX線の透過光の分布が検出される。
【0036】
X線は原子番号の大きい元素(重い元素)によく吸収され、H,C,Oのような原子番号の小さい軽い元素にはほとんど吸収されない性質がある。一般に、セラミックグリーンシートを製造する際に使用される基材フィルム100には、樹脂フィルムが使用されている。そのため、基材フィルム100の部分で吸収されるX線は非常に少ない。また、セラミックグリーンシート113には、セラミック粉、有機バインダ、可塑剤などの有機添加剤が含まれるが、有機バインダ及び有機添加剤はほとんど全てが軽い元素で構成されている。そのため、これら有機添加剤で吸収されるX線は殆ど無い。しかしながら、仮に、有機添加剤中に重い元素が含まれていたとしても、添加量が微量であるため、この部分でのX線吸収は無視できる。したがって、X線の吸収は、セラミック粉により発生すると考えられる。
【0037】
これにより、X線の吸収率は吸収体(ここではセラミック粉)の材質が一定であれば、X線の透過方向に存在する質量(ここではセラミックグリーンシート113中のセラミック粉の単位面積当たりの含有量)により決まることになる。そのため、X線照射光強度を一定にした場合には、X線の透過光強度を検出することにより、セラミックグリーンシート113に含まれるセラミック粉の単位面積当たりの含有量を検出することができる。
【0038】
このような測定原理に基づいて、本実施形態では、X線照射器109とX線検出器114とがセラミックグリーンシート113のシート幅方向に沿ってスキャンニング操作されるように構成されており、これにより、セラミックグリーンシート113の幅方向のセラミック粉の単位面積当たりの含有量分布が検出される。
【0039】
このようにして測定した単位面積当たりのセラミック粉含有量分布(図1のA方向に沿った単位面積当たりのセラミック粉含有量分布)が、図3(a),(b)に示されている。図3(a),(b)において、縦軸は単位面積当たりのセラミック粉含有量を示し、横軸はB−C間の各位置を示している。これらの図において、αは図1のセラミック粉含有量制御器111に与えられる単位面積当たりのセラミック粉含有量の目標値を示している。また、実線はセラミック粉含有量制御器111による制御操作を実施する前における単位面積当たりのセラミック粉含有量の測定値を示しており、破線はセラミック粉含有量制御器111による制御操作を実施した後における単位面積当たりのセラミック粉含有量の測定値を示している。また、各単位面積当たりのセラミック粉含有量の測定値は、実測値(折れ線)と近似直線(直線)とをそれぞれ示している。
【0040】
図3(a)の例では、幅方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量の平均値は目標値と一致するものの、B側の単位面積当たりのセラミック粉含有量が小さく、C側の単位面積当たりのセラミック粉含有量が大きい状態を示している。このような状態では、単位面積当たりのセラミック粉含有量の近似直線は図に示すように傾いている。この場合、セラミック粉含有量制御器111では次の制御量が算出されて隙間制御器112に伝達される。
【0041】
すなわち、コンマロール104のB側端が上昇し、C側端が下降するようにコンマロール104の傾きを補正する制御量がセラミック粉含有量制御器111で算出されて隙間制御器112に伝達される。
【0042】
このような制御量が伝達された隙間制御器112は、コンマロール104の傾きをその制御量に基づいて制御する。具体的には、図3(a)における近似直線の傾きが0になるようにコンマロール104の傾きは制御される。これにより、セラミックグリーンシート113の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布は、シート幅方向に沿って均一でしかも目標値(α)と同等となる。
【0043】
図3(b)の例では、幅方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布はほぼ一定(近似直線の傾きが0)である状態を示している。しかしながら、この場合、全体的に目標値αよりも大きい値βを示している。この場合、セラミック粉含有量制御器111では次の制御量が算出されて隙間制御器112に伝達される。
【0044】
すなわち、コンマロール104のB,C両端が同量だけ降下するようにコンマロール104の位置を下降補正する制御量がセラミック粉含有量制御器111で算出されて隙間制御器112に伝達される。
【0045】
このような制御量が与えられた隙間制御器112は、コンマロール104の位置をその制御量に基づいて制御する。具体的には、図3(b)における近似直線の値(β)が目標値(α)となるように制御される。これにより、セラミックグリーンシート113の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布は、目標値(α)と同等となる。
【0046】
セラミックグリーンシート113におけるセラミック粉の単位面積当たりの含有量は、焼結後のセラミックシートの厚みに最も大きな影響を及ぼす要因である。そのため、セラミックグリーンシート113に含まれるセラミック粉の単位面積当たりの含有量がシート面において均一でかつ一定となるように制御されることにより、焼結後のセラミックシートの厚みが高精度に管理される。したがって、このようして形成されたセラミックグリーンシート113を用いて作製された積層セラミック部品の性能は高精度化なものとなる。
【0047】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2のセラミックグリーンシート製造方法について、図4を参照して説明する。図4は実施の形態2のセラミックグリーンシート製造方法を具現化したセラミックグリーンシート製造装置の別の例である。基材フィルム100に関して、巻き出し部101から巻き取り部103へ至る装置構成は、実施の形態1(図1参照)とほぼ同様の構成を有している。そのため、実施の形態1と異なる部分のみを説明する。
【0048】
本実施形態で特徴となるのは、セラミックスラリー106の供給構成と基材フィルム100への塗布構成である。本実施形態では、別置きのスラリータンク401内に蓄えられたセラミックスラリー106が定容積型ポンプ402によって配管405を介してノズル403に送液される。定容積型ポンプ402は、高精度に回転数制御が可能な可変則モータ404により駆動される。送液されたセラミックスラリー106は、ノズル403により基材フィルム100の幅方向に均−に塗布される。これより、基材フィルム100上にセラミックグリーンシート113が形成される。
【0049】
ノズル403には幅方向のセラミックスラリー塗布量分布調整のため、複数のアクチュエータ406が設けられている。セラミックグリーンシート113の単位面積当たりのセラミック粉含有量は、X線照射器109とX線検出器114とセラミック粉含有量算出器110により算出され、セラミック粉含有量制御器111により単位面積当たりのセラミック粉含有量の目標値と比較される。その偏差により後述の制御方法に基づいて、セラミック粉含有量制御器111においてセラミックスラリー106の供給制御量及びノズルの隙間制御量が算定される。セラミック粉含有量制御器111で算定された隙間制御量はポンプ制御器408及びアクチュエータ制御器407に与えられる。ポンプ制御器408とアクチュエータ制御器407とは、与えられた隙間制御量に基づいてセラミックスラリー106の供給量とノズル403の吐出隙間とを次のように制御する。すなわち、セラミックグリーンシート113の単位面積当たりのセラミック粉含有量が面内で均一でかつ目標値となるように、セラミックスラリー106の供給量とノズル403の吐出隙間が制御される。
【0050】
次に、セラミックスラリー106を塗布するノズル403の構造を説明する。図5はノズル403の横板を取り去った図である。ノズル403は上ブロック410と下ブロック411から構成されている。下ブロック411にはスラリー室412が形成されている。供給されたセラミックスラリー106はスラリー室412に充填される。
【0051】
スラリー室412には、塗布の幅方向(シート幅方向)に沿ってスリットギャップ413が形成されている。スラリー室412に充填されたセラミックスラリー106は、スリットギャップ413を通って、ギャップ先端から幅方向に均一に吐出される。スリットギャップ413の先端部分には突出縁414が設けられている。突出縁414はスリットギャップ413の上下それぞれにおいて口唇状に突出しており、突出縁414の先端にはスラリー吐出口414aが設けられている。突出縁414は表面粗さやエッジの実直度が高精度に仕上げられている。上ブロック410には、上ブロック410の突出縁414を変形させるアクチュエータ406が設けられている。アクチュエータ406はスリットギャップ414の幅方向に沿って複数(図5では5個)設けられており、これらアクチュエータ406が並列配置されている。スリットギャップ414の幅方向に沿った上ブロック410の突出縁414の各部位は、これらのアクチュエータ406によって個別に変形されるようになっている。このような突出縁414の変形制御により、スリットギャップ414の幅方向各部位の間隔(スラリー吐出口414aの幅方向各点の開口寸法)は個別に制御されるようになっている。
【0052】
次に、本実施形態のセラミックグリーンシート製造装置による単位面積当たりのセラミック粉含有量の制御方法について説明する。
【0053】
X線照射器109とX線検出器114とを用いて実施されるセラミックグリーンシート113におけるセラミック粉の単位面積当たりのセラミック粉含有量の検出原理は、実施の形態1で述べたものと同様である。
【0054】
図6(a)には、セラミックグリーンシート113に含まれるセラミック粉の単位面積当たりの含有量の検出操作を実施する部分が示されている。セラミックグリーンシート113がY方向に沿って搬送される期間において、X線照射器109とX線検出器114とがX方向に沿ってスキャンニング操作を繰り返す。これにより、X線検出器114は、セラミックグリーンシート113の単位面積当たりのセラミック粉含有量をXYの2次元情報として検出する。
【0055】
次に、2次元情報として検出された単位面積当たりのセラミック粉含有量に基づいた単位面積当たりのセラミック粉含有量の制御(安定化操作)を説明する。まず、セラミックグリーンシート113の搬送方向(Y方向)に沿った単位面積当たりのセラミック粉含有量の制御操作を説明する。
【0056】
図6(b)には次の情報が示されている。すなわち、XYの2次元情報として得られるセラミックグリーンシート113の単位面積当たりのセラミック粉含有量情報に基づいてシート幅方向の各部位における単位面積当たりのセラミック粉含有量分布の平均値を算出したうえで、その単位面積当たりのセラミック粉含有量分布の平均値がシート搬送方向(Y方向)に沿ってどのように変化するかが図6(b)に示されている。
【0057】
シート幅方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布の平均値がシート搬送方向に沿って均一化すれば、作製されるセラミックグリーンシート113の単位面積当たりのセラミック粉含有量がその成形方向に沿って安定することになる。
【0058】
シート幅方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布の平均値は、単位時間当たりにノズル403(スラリー吐出口414a)から吐出されるセラミックスラリー106の質量変化を示している。そのため、シート幅方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布の平均値は、ノズル403に対するセラミックスラリー106の単位時間当たりの供給量を調整することで制御される。
【0059】
例えば、セラミックスラリー106の内部で沈降が発生し、図6(b)のP点(シート搬送方向に沿ったある箇所)において単位面積当たりのセラミック粉含有量が低下した場合を想定する。この場合、P点における単位面積当たりのセラミック粉含有量の変化をセラミック粉含有量制御器111が検出すると、セラミック粉含有量制御器111は、単位面積当たりのセラミック粉含有量の目標値との偏差を算出したうえで算出した偏差に応じた制御量信号をポンプ制御器408に伝達する。ここでは、スラリー供給量の増加を示す制御量信号がポンプ制御器408に伝達される。
【0060】
ポンプ制御器408は、伝達された制御量に基づいてポンプ402の送液量を増加させる操作を実施する。これにより、単位面積当たりのセラミック粉含有量の平均値は図6(b)における破線のよう目標値付近まで上昇して安定化する。
【0061】
そのため、セラミックスラリー106の内部に多少の斑があったとしても、成形方向に単位面積当たりのセラミック粉含有量の安定したセラミックグリーンシートが製造されることになる。
【0062】
次に、セラミックグリーンシート113のシート幅方向(X方向)の単位面積当たりのセラミック粉含有量の安定化について説明する。単位面積当たりのセラミック粉含有量の情報のうち、図6(c)に示すようにX方向(シート幅方向)の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布が幅方向の中央部分が高くなっていることをX線検出器114から伝達されたセラミック粉含有量制御器111は、アクチュエータ制御器407に対して、次の制御量信号を送信する。すなわち、セラミック粉含有量制御器111はシート幅方向の中央部分に位置するスリットギャップ413を狭めるようなギャップ制御量信号をアクチュエータ制御器407に伝達する。
【0063】
アクチュエータ制御器407は伝達されたギャップ制御量信号に応じて、アクチュエータ406を制御することで、シート幅方向の中央部分に位置するスリットギャップ413(スラリー吐出口414a)を狭小化する。
【0064】
図6(c)に示す状態となっている場合、図5に示すように、中央部のアクチュエータ406を矢印の方向に僅かに伸ばして、上ブロック410の突出縁414の幅方向中央部付近を破線のように変形させる。これにより、スリットギャップ413(スラリー吐出口414a)の幅方向中央部付近からのスラリー吐出量を減少させる。したがって、図6(c)において破線で示すように、シート幅方向(X方向)における単位面積当たりのセラミック粉含有量は、均一化した状態で目標値と同等となる。
【0065】
ここで注目すべきは、スリットギャップ413(スラリー吐出口414a)の幅方向中央部における吐出量が減少したことに伴って、幅方向両端の各部における吐出量が増加し、しかもその増加量は、幅方向両端の各部において均等となることである。これにより、図6(c)の制御後の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布において、単位面積当たりのセラミック粉含有量の幅方向平均値は全く変化しない。
【0066】
このように、容積型ポンプ402による送液量制御とアクチュエータ406による幅方向分布の均一化制御との併用により、セラミックグリーンシート113単位面積当たりのセラミック粉含有量をシート全面に渡ってほぼ均等とした状態で目標値と同等の値とすることができる。
【0067】
このようにして作製したセラミックグリーンシート113を用いて積層セラミックコンデンサを作製することで、高精度化と歩留まり向上とを達成することができ、より高精度な積層セラミックモジュールの実現が可能となる。具体的には、図7に示すように、単位面積当たりのセラミック粉含有量の制御を実施しない従来例のセラミックグリーンシートを用いて作成した積層セラミックモジュールにおいては、減衰−損失特性がばらついていたが、単位面積当たりのセラミック粉含有量の制御を実施した本発明のセラミックグリーンシートを用いて作成した積層セラミックモジュールにおいては、減衰−損失特性のばらつきが小さくなった。
【0068】
以上説明した実施の形態1,2では単位面積当たりのセラミック粉含有量の測定装置として、透過X線式の装置を用いて説明したが、インラインタイブの単位面積当たりのセラミック粉含有量の測定装置であれば、他の方式のものでも適用できる。例えば、透過β線方式や透過γ線方式,赤外線透過式などがある。但し、透過β線方式や透過γ線方式では、材質による吸収率の変化が乏しいため、セラミックスラリー106を塗布する前の基材フィルムの検出値を測定し、塗布後の検出値から基材フィルム分を減じる必要がある。この場合、基材フィルムの膜厚変動の影響を受けるが、基材フィルムが樹脂フィルムの場合、フィルムのX線吸収率自体が低いため、膜厚変動による透過X線量の変動は実質的に0と考えられる。
【0069】
また、透過X線方式でも基材フィルム100の吸収が無視できない場合、一般には基材フィルム100の平均検出値を塗布後の検出値から減算すればよい。更に精度を必要とする場合、塗布前の基材フィルム100の透過光量を測定し、塗布後の値から減算すればよく、そうすれば、さらに高精度な測定精度が確保される。
【0070】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、目標とするセラミック原料紛の単位面積当たりの含有量が、均一に塗布されたセラミックグリーンシートを製造することができ、積層セラミック部品の機能・清度の向上や歩留まりの向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるセラミックグリーンシート製造方法を具現化した製造装置である。
【図2】積層セラミックコンデンサの断面図の例である。
【図3】実施の形態1におけるセラミックグリーンシートの幅方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布図である。
【図4】本発明の実施の形態2におけるセラミックグリーンシート製造方法を具現化した製造装置である。
【図5】本発明の実施の形態2におけるセラミックグリーンシート製造装置のノズルの詳細図である。
【図6】本発明の実施の形態2におけるセラミックグリーンシートの幅方向及び長さ方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布図である。
【図7】本発明の製造方法で作製したセラミックグリーンシートを用いた積層セラミックモジュールの減衰−損失特性と、従来例の製造方法で作成したセラミックグリーンシートを用いた積層セラミックモジュールの減衰−損失特性とを示す図である。
【符号の説明】
100 基材フィルム   101 巻き出し部
102 コーティングロール  103 巻き取り部
104 コンマロール   105 スラリー溜め
106 セラミックスラリー  107 下側レール
108 上側レール   109 X線照射器
110 セラミック粉含有量算出器 111 セラミック粉含有量制御器
112 隙間制御器   113 セラミックグリーンシート
114 X線検出器   220 セラミック焼結体
221 セラミック層   222 内部電極
223 内部電極   224 外部電極
401 スラリータンク  402 容積型ポンプ
403 ノズル    405 配管
406 アクチュエータ  407 アクチュエータ制御器
408 ポンプ制御器   410 上ブロック
411 下ブロック   412 スラリ一室
413 スリットギャップ  414 突出縁

Claims (6)

  1. セラミック粉を含むセラミックスラリーを基材フィルム表面に塗布してなるセラミックグリーンシートの製造方法であって、
    前記セラミックスラリーを基材フィルム表面に塗布することでセラミックグリーンシートを形成するシート形成工程と、
    形成された前記セラミックグリーンシートの実質的に単位面積当たりのセラミック粉含有量を測定し、測定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量に基づいて前記基材フィルムに対する前記セラミックスラリーの塗布量を調整する塗布量調整工程と、
    を含むことを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
  2. 請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法において、
    前記塗布量調整工程は、測定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量が所定の値になるように、前記基材フィルムに対する前記セラミックスラリーの塗布量を調整する工程である、
    ことを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
  3. 請求項1に記載のセラミックグリーンシートの製造方法において、
    前記シート形成工程は、前記基材フィルムを搬送するとともに搬送中の前記基材フィルムに対してフィルム幅方向に沿った規制部材を対向配置させこの規制部材と前記基材フィルムとの間の隙間から前記セラミックスラリーを前記基材フィルムに塗布する工程であり、
    前記塗布量調整工程は、測定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量に基づいて前記セラミックグリーンシートのシート幅方向の単位面積当たりのセラミック粉含有量分布を算定したうえで、算定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量分布の近似直線の傾きがなくなるように、前記基材フィルムに対する前記規制部材の配置角度を調整する工程である、
    ことを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
  4. 請求項1または2に記載のセラミックグリーンシートの製造方法において、
    前記シート形成工程は、前記基材フィルムを搬送するとともに、搬送中の前記基材フィルムに対してフィルム幅方向に沿ったスラリー吐出口を対向配置し、このスラリー吐出口から前記セラミックスラリーを前記基材フィルムに塗布する工程であり、
    前記塗布量調整工程は、測定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量に基づいて前記セラミックグリーンシートのシート搬送方向各点における前記単位面積当たりのセラミック粉含有量のシート幅平均値をそれぞれ算定し、算定した前記単位面積当たりのセラミック粉含有量のシート幅平均値がシート搬送方向各点で所要の値に揃うように、前記スラリー吐出口に対するセラミックスラリーの供給量を制御する工程である、
    ことを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
  5. 請求項1または2に記載のセラミックグリーンシート製造方法において、
    前記シート形成工程は、前記基材フィルムを搬送するとともに、搬送中の前記基材フィルムに対してフィルム幅方向に沿ったスラリー吐出口を対向配置し、このスラリー吐出口から前記セラミックスラリーを前記基材フィルムに塗布する工程であり、
    前記塗布量調整工程は、前記セラミックグリーンシートのシート幅方向の前記単位面積当たりのセラミック粉含有量分布の変動が最小化するように、前記スラリー吐出口の幅方向各点の開口寸法を部分的に調整する工程である、
    ことを特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
  6. 請求項4または5に記載のセラミックグリーンシート製造方法において、
    前記スラリー吐出口に対して、可変則モータで駆動された定容積型ポンプにより前記セラミックスラリーを供給する、
    ことを特徴とするセラミックグリーンシート製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008516820A (ja) * 2004-10-19 2008-05-22 ロールス−ロイス・コーポレーション 焼結セラミック物品の異方性収縮と関連づけられた方法及び装置

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