JP2004017231A - 原点検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】テーブル3の水平度を保つような位置(原点)を検出することである。また、テーブル3の重心位置とボールネジ1、2間の中間位置が一致しない場合でも、中心位置を原点として、水平が保てるようにすることにある。
【解決手段】重力軸に取付けられたテーブル3を2つのボールネジとサーボモータを使って、駆動する機械で該テーブルの上をテーブル4が移動する構成の工作機械において、2軸のボールネジの傍で垂直方向の同高さに取付けられた原点センサを持ち、該原点センサの信号をサーボアンプ3に入力し、該原点センサ信号に応じた位置指令としてサーボモータ3に出力するものである。
【選択図】 図4
【解決手段】重力軸に取付けられたテーブル3を2つのボールネジとサーボモータを使って、駆動する機械で該テーブルの上をテーブル4が移動する構成の工作機械において、2軸のボールネジの傍で垂直方向の同高さに取付けられた原点センサを持ち、該原点センサの信号をサーボアンプ3に入力し、該原点センサ信号に応じた位置指令としてサーボモータ3に出力するものである。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に門形マシニングセンタなどの工作機械において、クロスレールに沿って主軸頭が移動する時に生じる主軸頭の左右運動真直度の変動を調整するバランス調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の クロスレールのバランス調整装置では、クロスレール上のラム(主軸)が移動した際に、クロスレールを駆動するツインボールネジ各々に外力が発生する(特開平9−94735)。外力を求める計算を図1で説明する。図1は、門形マシニングセンタの概略図である。1、2はサーボモータ1、2であり、3、4はボールネジ1、2である。5、6はボールネジ1、2に取り付けられたテーブル1、2であり、7は上下方向に移動するテーブル3であり、8は、テーブル3上を左右方向に移動するテーブル4である。テーブル4を駆動するサーボモータ3が9であり、該サーボモータ3と結合されているボールネジ3が10である。さらにテーブル4の上に取り付けられた主軸が11である。図1において、主軸が左に移動するとサーボモータ1,2のトルクが変動し、左のテーブル端が右のテーブル端に比べて下がる。テーブル4の移動距離をx(テーブル4がサーボモータ3に一番近い時を原点とし、一番遠い時が、xとなる。)とし、テーブル3の重心位置をL(=テーブル3の駆動距離/2)とする。また、テーブル3の重量をWt*gとし、テーブル4と主軸を合わせた重量をWm*gとする。テーブル3の移動距離により、サーボモータ1とサーボモータ2にかかる外乱トルクは、以下の2式を使って得られる。
【0003】
垂直方向の力
Dis1+Dis2=(Wm+Wt) *g
(1)
Dis1、Dis2は、テーブル1、2にかかる外力を表す。
テーブル1周りの回転モーメントは、0より
Wm*gx+Wt*g*L=Dis2*2L (2)
(1)、(2)式より、
Dis1=(Wt*g/2)+(1−X/2L)Wm*g
(3)
Dis2=(Wt/2+WmX/2L)g
(4)
【0004】
本発明では、重心位置がテーブル3の中央にない場合についての改善を主眼に置いている。サーボモータ1、2にテーブル3の重量分(Wt*g/2)の位置指令が与えられ、補正されているとすると、(3)、(4)式の外力は、以下の式となる。
Dis1=(1−X/2L)Wm*g (5)
Dis2=WmgX/2L
(6)
【0005】
しかし、(5)、(6)式では、でサーボモータ1にかかる外力がWm*gのステップ状外乱となる為、サーボモータ1とボールネジ1からなる機械は、単振動を起す。
ここで、テーブル4の移動開始点をテーブル3の中央からとし、移動距離dの変数を使って式の変形をする。
X=L−d (7)
(5)、(6)、(7)式から(8)、(9)式となる。
Dis1=(1/2+d/2L)Wm*g
(8)
Dis2=(1/2−d/2L)Wm*g
(9)
【0006】
(8)、(9)式は、テーブル4が重心位置Lにある時に、サーボモータ1、2にそれぞれWm*g/2分の位置の補正をすると実際に、テーブル4の移動による外力の変動は、
Dis1=(d/2L)Wm*g
(10)
Dis2=−(d/2L)Wm*g (11)
の式に簡単化される。
【0007】
これは、テーブル4が重心位置を原点とした式に変換したことで(5)、(6)式が、(10)、(11)式の様に簡単にできた。しかし、重心位置が分からない場合が存在する。わからない場合について主張したものが本発明の請求する部分である。また、主軸頭が傾くことによる問題点について説明する。一般的な構成の門型マシニングセンタ(図3)をつかって、重心位置を計算する。
テーブル3の長さ:500mm
テーブル3の重心位置(ボールネジ1からの距離):250mm
テーブル3の質量:50kg
サーボモータ3の重心位置(ボールネジ1からの距離):450mm
サーボモータ3の質量:20kg
とする。
この時、重心位置の計算式は、
250*50+450*20=X(重心位置)*70
より、X=307mmが得られる。
よって、テーブル3の中心(500/2=250mm)から57mmずれていることがわかる。
【0008】
次に、ボールネジ1、2にかかる外力の計算を行った後、テーブル1、2の変位量を計算し、テーブル1,2の偏差を調べることにより、主軸頭がどれだけ傾くかがわかる。
テーブル4の質量は、50kgとする。
(i)テーブル4がボールネジ1に近い位置にある場合
(テーブル4がボールネジ1から100mm右側にあった場合)
(3)式よりボールネジ1にかかる外力:294N
(4)式よりボールネジ2にかかる外力:784N
となり、テーブル3は、右肩上がりとなる。
(ii)テーブル4がボールネジ1から200mm右側にあった場合
(中央付近)
(3)式よりボールネジ1にかかる外力:326N
(4)式よりボールネジ2にかかる外力:849N
となり、テーブル3は左肩あがりとなる。
ボールネジのばね定数が100*106N/mとすると、
F=Kx
F:外力、K:ばね定数、x:変位量
より変位量が計算される。
【0009】
(i)の場合
ボールネジ1側の伸び:6μm
ボールネジ2側の伸び:5μm
変位差:1μm
(ii)の場合
ボールネジ1側の伸び:3μm
ボールネジ2側の伸び:8μm
変位差:5μm
【0010】
駆動範囲の中央部(ii)で、変位差が等しくなることを予想していたが、5μmの差が発生した。それに対して、(i)では、1μmとなり、左端に近い方が、変位差が小さい。主軸の長さが200mm程度とした時、5μmの変位差があると、加工すべき場所から2μmずれて加工されることになる。この変位差は、主軸の位置によって変動する為、加工物の形状が崩れてしまうことになる。
一般的な門型マシニングセンタでは、テーブル4がボールネジに近い場所に合った時にテーブル3は、左右のバランスが取れる。100mm付近を原点とすると原点を中心として左側は、100mm、右側は300mmの駆動範囲となる。その為、駆動範囲の制約を受けてしまう。
【0011】
この制約を受けないようにするには、やはり重心位置を無視して、テーブル4の駆動範囲の中央に持ってくる必要がある。その時には、位置の補正をする以外にない。予め、どれだけのボールネジが伸びているのかを調べておく必要がある。その為には、リニアスケールが必ず必要になるが、2本のリニアスケールを寸分違わず、並行に置くことは、困難である。リニアスケールをつければ位置の補正には特別な処理を必要としないが、機械を組み立てて、リニアスケールを付ける際に、組み立て精度が必要となる。リニアスケールを利用した従来技術に特開昭63−200980「はり状構造物の送り駆動装置」がある。傾きを補正する為には、ツインボールネジで駆動するテーブル1,2の位置を検出するリニアスケールが必要になり、コストがかかる。また、特開平11−99422の従来技術では、全ての軸において、2本のボールネジとサーボモータを配置している。この場合、主軸頭は、Y軸のボールネジの中心に置かれ、X方向は、機械の台上に置かれている為、バランスが良く、全体の重心を考えられている。しかし、やはり、ボールネジの本数が多くなる為、コストがかかり、また大掛かりなシステムとなってしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
バランス調整装置におけるクロスレールの傾き補正は、(10)、(11)を演算して得るものである。この(10)、(11)式は、重心位置が分かった状態での展開式である。しかし、重心位置は、容易には求められない。
リニアスケールをつけてサーボシステムがフルクローズド制御を構成しておけば、重心位置を求める必要がない。しかし、高価なリニアスケールを2つ付けることは、製品コストが高くなる。また、2本のリニアスケールを寸分違わず、並行に置くことは、困難である。リニアスケールをつければ位置の補正には特別な処理を必要としないが、機械を組み立てて、リニアスケールを付ける際に、組み立て精度が必要となる。
【0013】
本発明の目的は、このような問題点であるテーブル3の水平度を保つような位置(原点)を検出する装置を提供することにある。また、テーブル3の重心位置とボールネジ1、2間の中間位置が一致しない場合でも、中心位置を原点として、水平を保てるようにすることにある。
また、リニアスケールを用いなくともテーブル4が駆動する時に、テーブル3が傾くことのないようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明では、重力軸に取付けられたテーブル3を2つのボールネジとサーボモータを使って、駆動する機械で該テーブルの上をテーブル4が移動する構成の工作機械において、該テーブル4を水平方向に移動させ、2軸のボールネジの傍で垂直方向の同高さに取付けられた原点センサを持ち、原点センサの信号をサーボアンプ3に取り込んで、モータ3指令パルスを与えて、テーブル4を駆動することにより、上記課題を解決できる。また、重心位置をテーブル3の中央であるとした時には、サーボモータ1、2を駆動して水平方向に移動させ、2軸のボールネジの傍で垂直方向の同高さに取付けられた原点センサを持ち、原点センサの信号をサーボアンプ1、もしくは2に取り込んで、モータ1、もしくは2に指令パルスを与えて、テーブル3の水平を維持させることを特徴とする原点検出装置
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。第1実施例を図4に示す。図中1、2は重力軸に配置されたサーボモータ1、2であり、3、4は該サーボモータによって駆動されるボールネジ1、2である。5、6は、ボールネジ1、2によって駆動されるテーブル1、2である。7はテーブル3であり、8はテーブル4である。9はサーボモータ3であり、このサーボモータに直結されているのが10のボールネジ3である。11は、主軸であり、12、13がボールネジ1、2の傍で同高さに配置された原点センサ1、2である。ここであげる原点センサとは、光学式のセンサであり、センサから発生する光の信号が、テーブルで遮られたら、オン信号を発生し、遮る物がない場合には、オフ信号を発生する物である。14が本発明に使われる原点検出装置である。原点検出装置のオン信号を受け付けて、モータ3を動かす為のサーボアンプ3を15、同様にモータ1を動かす為のサーボアンプ1を16、モータ2を動かす為のサーボアンプ2が17である。
【0016】
第1実施例では、テーブル3が水平を保つような位置を原点とする原点検出装置の説明をする。サーボモータ1、2は、セミクローズド制御により、停止状態にあり、テーブル3の水平度は原点センサで検出する。▲1▼サーボモータ1、2に同じ指令を与えて、テーブル3が原点センサにかかるまで下げる。▲2▼テーブル3が原点センサを横切るとセンサオン信号を発生させる。▲3▼発生したセンサオン信号は、原点検出装置に入力される。▲4▼その後に、テーブル3を原点センサから外れるように上げる。▲5▼そして、原点センサ信号のクリアをする。▲6▼原点検出装置内では、センサオン信号が原点センサ1もしくは、2のいずれで発生したのかを検出する。▲7▼センサ1がセンサオン信号を出した場合、テーブル4がモータ3に近づく方向に動くようにモータ3にサーボアンプ3から数パルスの指令を与える。▲7▼’センサ2がセンサ信号を出した場合、テーブル4がモータ3から遠ざかる方向に動くようにサーボモータ3にサーボアンプ3から数パルスの指令を与える。▲1▼〜▲7▼のプロセスを繰り返し、テーブル3が原点センサ1、2に同時にかかってセンサ信号を発生するテーブル4の場所を調べる。
【0017】
第2実施例を図5で説明する。第2実施例では、テーブル4の駆動範囲の中央部を原点として、テーブル3が水平に保てるような位置にテーブル1、2を調整する為の原点検出装置である。▲1▼テーブル4を駆動範囲の中央に移動させる。▲2▼モータ1、2に同じ指令パルスを与えて、テーブル3の下端が、原点センサにかかるまで下げる。▲3▼原点センサにかかった時、センサオン信号が原点検出装置に入力される。▲4▼原点検出装置内でセンサオン信号を発生したのが5側もしくは6側かを調べる。▲5▼5がオン信号を出した時、サーボモータ1にテーブル1を上に移動するようにサーボアンプ1から数パルスの指令を与える。▲5▼’6がオン信号を出した時、サーボモータ2にテーブル2を上に移動するようにサーボアンプ2から数パルスの指令を与える。▲6▼サーボモータ1、2に同じ指令パルスを与えて、テーブル3を上げる。その後、原点センサ信号をクリアする。▲7▼▲2▼〜▲6▼を繰り返して、5と6が同時にセンサオン信号を出すような位置にテーブル1、2を補正する。▲8▼5と6が同時にセンサオン信号が出ればプロセス終了である。
【0018】
【発明の効果】
重力軸に取付けられたテーブル3を2つのボールネジとサーボモータを使って、駆動する機械で該テーブルの上をテーブル4が移動する構成の工作機械において、2軸のボールネジの傍で垂直方向の同高さに取付けられた原点センサを持ち、該原点センサの信号を入力し、該原点センサ信号に応じた位置指令としてサーボモータ3に出力するようにしたので、サーボモータ3がテーブル3上の左右端に乗っている状態では、重心位置がテーブル3の中央にはならない。この時にテーブル3が水平に保つような位置を容易に検出することができ、特別な計算も不要である。また、リニアスケールなど高価な装置を利用することがないので、製品コストが少なくなる。また、工作機を組み立てる時に、リニアスケールを2本貼る時に、並行を保ち、位置ズレが無いように組み立てることは、容易ではない。位置ズレが発生しないように貼ったとしても、工作機械を稼動し、機械の温度上昇と共に、スケールが延びるなどの問題が有る為、再度調整が必要となる。
本発明では原点センサが2個であり、温度状況などにより、再調整することは、リニアスケールを調整することに比べたら容易である。
リニアスケールは、多点で支持し、スケールの延びを考慮する必要が有るし、スケールヘッドとのギャップも考慮する必要がある。原点センサは、1点もしくは2点支持であり、スケールの延びは関係ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】門形マシニングセンタを示す図
【図2】門形マシニングセンタにおいて、テーブル4移動した場合の図
【図3】一般的な門形マシニングセンタにおけるテーブル3の重心位置
【図4】本発明の実施例1
【図5】本発明の実施例2
【符号の説明】
1 サーボモータ1
2 サーボモータ2
3 ボールネジ1
4 ボールネジ2
5 テーブル1
6 テーブル2
7 テーブル3
8 テーブル4
9 サーボモータ3
10 ボールネジ3
11 主軸
12 原点センサ1
13 原点センサ2
14 原点検出装置
15 サーボアンプ3
16 サーボアンプ1
17 サーボアンプ2
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に門形マシニングセンタなどの工作機械において、クロスレールに沿って主軸頭が移動する時に生じる主軸頭の左右運動真直度の変動を調整するバランス調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の クロスレールのバランス調整装置では、クロスレール上のラム(主軸)が移動した際に、クロスレールを駆動するツインボールネジ各々に外力が発生する(特開平9−94735)。外力を求める計算を図1で説明する。図1は、門形マシニングセンタの概略図である。1、2はサーボモータ1、2であり、3、4はボールネジ1、2である。5、6はボールネジ1、2に取り付けられたテーブル1、2であり、7は上下方向に移動するテーブル3であり、8は、テーブル3上を左右方向に移動するテーブル4である。テーブル4を駆動するサーボモータ3が9であり、該サーボモータ3と結合されているボールネジ3が10である。さらにテーブル4の上に取り付けられた主軸が11である。図1において、主軸が左に移動するとサーボモータ1,2のトルクが変動し、左のテーブル端が右のテーブル端に比べて下がる。テーブル4の移動距離をx(テーブル4がサーボモータ3に一番近い時を原点とし、一番遠い時が、xとなる。)とし、テーブル3の重心位置をL(=テーブル3の駆動距離/2)とする。また、テーブル3の重量をWt*gとし、テーブル4と主軸を合わせた重量をWm*gとする。テーブル3の移動距離により、サーボモータ1とサーボモータ2にかかる外乱トルクは、以下の2式を使って得られる。
【0003】
垂直方向の力
Dis1+Dis2=(Wm+Wt) *g
(1)
Dis1、Dis2は、テーブル1、2にかかる外力を表す。
テーブル1周りの回転モーメントは、0より
Wm*gx+Wt*g*L=Dis2*2L (2)
(1)、(2)式より、
Dis1=(Wt*g/2)+(1−X/2L)Wm*g
(3)
Dis2=(Wt/2+WmX/2L)g
(4)
【0004】
本発明では、重心位置がテーブル3の中央にない場合についての改善を主眼に置いている。サーボモータ1、2にテーブル3の重量分(Wt*g/2)の位置指令が与えられ、補正されているとすると、(3)、(4)式の外力は、以下の式となる。
Dis1=(1−X/2L)Wm*g (5)
Dis2=WmgX/2L
(6)
【0005】
しかし、(5)、(6)式では、でサーボモータ1にかかる外力がWm*gのステップ状外乱となる為、サーボモータ1とボールネジ1からなる機械は、単振動を起す。
ここで、テーブル4の移動開始点をテーブル3の中央からとし、移動距離dの変数を使って式の変形をする。
X=L−d (7)
(5)、(6)、(7)式から(8)、(9)式となる。
Dis1=(1/2+d/2L)Wm*g
(8)
Dis2=(1/2−d/2L)Wm*g
(9)
【0006】
(8)、(9)式は、テーブル4が重心位置Lにある時に、サーボモータ1、2にそれぞれWm*g/2分の位置の補正をすると実際に、テーブル4の移動による外力の変動は、
Dis1=(d/2L)Wm*g
(10)
Dis2=−(d/2L)Wm*g (11)
の式に簡単化される。
【0007】
これは、テーブル4が重心位置を原点とした式に変換したことで(5)、(6)式が、(10)、(11)式の様に簡単にできた。しかし、重心位置が分からない場合が存在する。わからない場合について主張したものが本発明の請求する部分である。また、主軸頭が傾くことによる問題点について説明する。一般的な構成の門型マシニングセンタ(図3)をつかって、重心位置を計算する。
テーブル3の長さ:500mm
テーブル3の重心位置(ボールネジ1からの距離):250mm
テーブル3の質量:50kg
サーボモータ3の重心位置(ボールネジ1からの距離):450mm
サーボモータ3の質量:20kg
とする。
この時、重心位置の計算式は、
250*50+450*20=X(重心位置)*70
より、X=307mmが得られる。
よって、テーブル3の中心(500/2=250mm)から57mmずれていることがわかる。
【0008】
次に、ボールネジ1、2にかかる外力の計算を行った後、テーブル1、2の変位量を計算し、テーブル1,2の偏差を調べることにより、主軸頭がどれだけ傾くかがわかる。
テーブル4の質量は、50kgとする。
(i)テーブル4がボールネジ1に近い位置にある場合
(テーブル4がボールネジ1から100mm右側にあった場合)
(3)式よりボールネジ1にかかる外力:294N
(4)式よりボールネジ2にかかる外力:784N
となり、テーブル3は、右肩上がりとなる。
(ii)テーブル4がボールネジ1から200mm右側にあった場合
(中央付近)
(3)式よりボールネジ1にかかる外力:326N
(4)式よりボールネジ2にかかる外力:849N
となり、テーブル3は左肩あがりとなる。
ボールネジのばね定数が100*106N/mとすると、
F=Kx
F:外力、K:ばね定数、x:変位量
より変位量が計算される。
【0009】
(i)の場合
ボールネジ1側の伸び:6μm
ボールネジ2側の伸び:5μm
変位差:1μm
(ii)の場合
ボールネジ1側の伸び:3μm
ボールネジ2側の伸び:8μm
変位差:5μm
【0010】
駆動範囲の中央部(ii)で、変位差が等しくなることを予想していたが、5μmの差が発生した。それに対して、(i)では、1μmとなり、左端に近い方が、変位差が小さい。主軸の長さが200mm程度とした時、5μmの変位差があると、加工すべき場所から2μmずれて加工されることになる。この変位差は、主軸の位置によって変動する為、加工物の形状が崩れてしまうことになる。
一般的な門型マシニングセンタでは、テーブル4がボールネジに近い場所に合った時にテーブル3は、左右のバランスが取れる。100mm付近を原点とすると原点を中心として左側は、100mm、右側は300mmの駆動範囲となる。その為、駆動範囲の制約を受けてしまう。
【0011】
この制約を受けないようにするには、やはり重心位置を無視して、テーブル4の駆動範囲の中央に持ってくる必要がある。その時には、位置の補正をする以外にない。予め、どれだけのボールネジが伸びているのかを調べておく必要がある。その為には、リニアスケールが必ず必要になるが、2本のリニアスケールを寸分違わず、並行に置くことは、困難である。リニアスケールをつければ位置の補正には特別な処理を必要としないが、機械を組み立てて、リニアスケールを付ける際に、組み立て精度が必要となる。リニアスケールを利用した従来技術に特開昭63−200980「はり状構造物の送り駆動装置」がある。傾きを補正する為には、ツインボールネジで駆動するテーブル1,2の位置を検出するリニアスケールが必要になり、コストがかかる。また、特開平11−99422の従来技術では、全ての軸において、2本のボールネジとサーボモータを配置している。この場合、主軸頭は、Y軸のボールネジの中心に置かれ、X方向は、機械の台上に置かれている為、バランスが良く、全体の重心を考えられている。しかし、やはり、ボールネジの本数が多くなる為、コストがかかり、また大掛かりなシステムとなってしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
バランス調整装置におけるクロスレールの傾き補正は、(10)、(11)を演算して得るものである。この(10)、(11)式は、重心位置が分かった状態での展開式である。しかし、重心位置は、容易には求められない。
リニアスケールをつけてサーボシステムがフルクローズド制御を構成しておけば、重心位置を求める必要がない。しかし、高価なリニアスケールを2つ付けることは、製品コストが高くなる。また、2本のリニアスケールを寸分違わず、並行に置くことは、困難である。リニアスケールをつければ位置の補正には特別な処理を必要としないが、機械を組み立てて、リニアスケールを付ける際に、組み立て精度が必要となる。
【0013】
本発明の目的は、このような問題点であるテーブル3の水平度を保つような位置(原点)を検出する装置を提供することにある。また、テーブル3の重心位置とボールネジ1、2間の中間位置が一致しない場合でも、中心位置を原点として、水平を保てるようにすることにある。
また、リニアスケールを用いなくともテーブル4が駆動する時に、テーブル3が傾くことのないようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明では、重力軸に取付けられたテーブル3を2つのボールネジとサーボモータを使って、駆動する機械で該テーブルの上をテーブル4が移動する構成の工作機械において、該テーブル4を水平方向に移動させ、2軸のボールネジの傍で垂直方向の同高さに取付けられた原点センサを持ち、原点センサの信号をサーボアンプ3に取り込んで、モータ3指令パルスを与えて、テーブル4を駆動することにより、上記課題を解決できる。また、重心位置をテーブル3の中央であるとした時には、サーボモータ1、2を駆動して水平方向に移動させ、2軸のボールネジの傍で垂直方向の同高さに取付けられた原点センサを持ち、原点センサの信号をサーボアンプ1、もしくは2に取り込んで、モータ1、もしくは2に指令パルスを与えて、テーブル3の水平を維持させることを特徴とする原点検出装置
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。第1実施例を図4に示す。図中1、2は重力軸に配置されたサーボモータ1、2であり、3、4は該サーボモータによって駆動されるボールネジ1、2である。5、6は、ボールネジ1、2によって駆動されるテーブル1、2である。7はテーブル3であり、8はテーブル4である。9はサーボモータ3であり、このサーボモータに直結されているのが10のボールネジ3である。11は、主軸であり、12、13がボールネジ1、2の傍で同高さに配置された原点センサ1、2である。ここであげる原点センサとは、光学式のセンサであり、センサから発生する光の信号が、テーブルで遮られたら、オン信号を発生し、遮る物がない場合には、オフ信号を発生する物である。14が本発明に使われる原点検出装置である。原点検出装置のオン信号を受け付けて、モータ3を動かす為のサーボアンプ3を15、同様にモータ1を動かす為のサーボアンプ1を16、モータ2を動かす為のサーボアンプ2が17である。
【0016】
第1実施例では、テーブル3が水平を保つような位置を原点とする原点検出装置の説明をする。サーボモータ1、2は、セミクローズド制御により、停止状態にあり、テーブル3の水平度は原点センサで検出する。▲1▼サーボモータ1、2に同じ指令を与えて、テーブル3が原点センサにかかるまで下げる。▲2▼テーブル3が原点センサを横切るとセンサオン信号を発生させる。▲3▼発生したセンサオン信号は、原点検出装置に入力される。▲4▼その後に、テーブル3を原点センサから外れるように上げる。▲5▼そして、原点センサ信号のクリアをする。▲6▼原点検出装置内では、センサオン信号が原点センサ1もしくは、2のいずれで発生したのかを検出する。▲7▼センサ1がセンサオン信号を出した場合、テーブル4がモータ3に近づく方向に動くようにモータ3にサーボアンプ3から数パルスの指令を与える。▲7▼’センサ2がセンサ信号を出した場合、テーブル4がモータ3から遠ざかる方向に動くようにサーボモータ3にサーボアンプ3から数パルスの指令を与える。▲1▼〜▲7▼のプロセスを繰り返し、テーブル3が原点センサ1、2に同時にかかってセンサ信号を発生するテーブル4の場所を調べる。
【0017】
第2実施例を図5で説明する。第2実施例では、テーブル4の駆動範囲の中央部を原点として、テーブル3が水平に保てるような位置にテーブル1、2を調整する為の原点検出装置である。▲1▼テーブル4を駆動範囲の中央に移動させる。▲2▼モータ1、2に同じ指令パルスを与えて、テーブル3の下端が、原点センサにかかるまで下げる。▲3▼原点センサにかかった時、センサオン信号が原点検出装置に入力される。▲4▼原点検出装置内でセンサオン信号を発生したのが5側もしくは6側かを調べる。▲5▼5がオン信号を出した時、サーボモータ1にテーブル1を上に移動するようにサーボアンプ1から数パルスの指令を与える。▲5▼’6がオン信号を出した時、サーボモータ2にテーブル2を上に移動するようにサーボアンプ2から数パルスの指令を与える。▲6▼サーボモータ1、2に同じ指令パルスを与えて、テーブル3を上げる。その後、原点センサ信号をクリアする。▲7▼▲2▼〜▲6▼を繰り返して、5と6が同時にセンサオン信号を出すような位置にテーブル1、2を補正する。▲8▼5と6が同時にセンサオン信号が出ればプロセス終了である。
【0018】
【発明の効果】
重力軸に取付けられたテーブル3を2つのボールネジとサーボモータを使って、駆動する機械で該テーブルの上をテーブル4が移動する構成の工作機械において、2軸のボールネジの傍で垂直方向の同高さに取付けられた原点センサを持ち、該原点センサの信号を入力し、該原点センサ信号に応じた位置指令としてサーボモータ3に出力するようにしたので、サーボモータ3がテーブル3上の左右端に乗っている状態では、重心位置がテーブル3の中央にはならない。この時にテーブル3が水平に保つような位置を容易に検出することができ、特別な計算も不要である。また、リニアスケールなど高価な装置を利用することがないので、製品コストが少なくなる。また、工作機を組み立てる時に、リニアスケールを2本貼る時に、並行を保ち、位置ズレが無いように組み立てることは、容易ではない。位置ズレが発生しないように貼ったとしても、工作機械を稼動し、機械の温度上昇と共に、スケールが延びるなどの問題が有る為、再度調整が必要となる。
本発明では原点センサが2個であり、温度状況などにより、再調整することは、リニアスケールを調整することに比べたら容易である。
リニアスケールは、多点で支持し、スケールの延びを考慮する必要が有るし、スケールヘッドとのギャップも考慮する必要がある。原点センサは、1点もしくは2点支持であり、スケールの延びは関係ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】門形マシニングセンタを示す図
【図2】門形マシニングセンタにおいて、テーブル4移動した場合の図
【図3】一般的な門形マシニングセンタにおけるテーブル3の重心位置
【図4】本発明の実施例1
【図5】本発明の実施例2
【符号の説明】
1 サーボモータ1
2 サーボモータ2
3 ボールネジ1
4 ボールネジ2
5 テーブル1
6 テーブル2
7 テーブル3
8 テーブル4
9 サーボモータ3
10 ボールネジ3
11 主軸
12 原点センサ1
13 原点センサ2
14 原点検出装置
15 サーボアンプ3
16 サーボアンプ1
17 サーボアンプ2
Claims (2)
- 重力軸に取付けられたテーブル3を2つのボールネジとサーボモータを使って、駆動する機械で該テーブルの上をテーブル4が移動する構成の工作機械において、2軸のボールネジの傍で垂直方向の同高さに取付けられた原点センサを持ち、該原点センサの信号をサーボアンプ3に入力し、該原点センサ信号に応じた位置指令としてサーボモータ3に出力することを特徴とする原点検出装置。
- 重力軸に取付けられたテーブル3を2つのボールネジとサーボモータを使って、駆動する機械で該テーブルの上をテーブル4が移動する構成の工作機械において、2軸のボールネジの傍で垂直方向の同高さに取付けられた原点センサを持ち、該原点センサの信号をサーボアンプ1、2に入力し、該原点センサ信号に応じた位置指令としてサーボモータ1、2に出力することを特徴とする原点検出装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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DE102018002835A1 (de) | 2017-05-17 | 2018-11-22 | Fanuc Corporation | Spritzgiessmaschine |
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-
2002
- 2002-06-18 JP JP2002176994A patent/JP2004017231A/ja active Pending
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