JP2004016615A - 晶質浸透圧剤及び膠質浸透圧剤を含有する腹膜透析液 - Google Patents

晶質浸透圧剤及び膠質浸透圧剤を含有する腹膜透析液 Download PDF

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Akira Matsukawa
松川 晃
Tomokazu Segawa
瀬川 智一
Tomoshi Yamamoto
山本 知史
Hideko Maeda
前田 秀子
Yasuo Sakai
酒井 康夫
Masamichi Onuma
大沼 理通
Rumiko Yamato
大和 留美子
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Abstract

【課題】優れた除水効果を有し、かつ長時間除水効果を維持できる透析液を提供する。
【解決手段】晶質浸透圧剤及び膠質浸透圧剤を含有する腹膜透析液。前記晶質浸透圧剤として糖を含有するものが好ましく、前記膠質浸透圧剤として低抗原性ゼラチンを含有するものが好ましい。低抗原性ゼラチンは、アミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、のペプチドを含有するものが好ましい。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、晶質浸透圧剤及び膠質浸透圧剤を含有する腹膜透析液に関する。
【0002】
【従来の技術】
腹膜透析は、体液と、腹腔に注入された透析液との間で腹膜を隔てた浸透圧差を利用して体液中の余分な水分を除水すると共に、尿素、窒素、クレアチニン、尿酸等の身体に有害な老廃物を体液中から除去するものである。
【0003】
腹膜透析液には通常浸透圧剤としてグルコースが添加されており、透析液の浸透圧と、患者の血清浸透圧との差が大きければ除水効果が高くなるため、腹膜透析液中のグルコースは高濃度となっている。
【0004】
現在市販されている腹膜透析液としては、ダイアニール(バクスター製)、ペリセート(JMS製)、ペリトリック(テルモ製)などがある。これら市販の腹膜透析液は、ナトリウムイオンを132〜135mEq/L、カルシウムイオンを2.3〜4.0mEq/L、マグネシウムイオンを0.5〜1.5mEq/L、塩素イオンを95〜105.5mEq/L、乳酸を35〜40mEq/L、グルコースを1.35〜4.00g/dLを含み、浸透圧は344〜500Osm/Lとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、浸透圧成分としてグルコースを含有する腹膜透析液には、その使用において以下のような問題がある。グルコースは低分子であるため、腹膜を通して血中に急速に拡散し、腹腔内液の浸透圧は速やかに低下する。そのため、長時間除水効果を維持できず、透析液の早期、頻繁な交換が必要となったり、透析時間を長くすることが必要となったりする。透析液の頻繁な交換は、腹膜血管周囲の組織のAGEs(advanced glycation end products)化を引き起こす要因となる。AGEs化が起こると、腹膜の限外濾過能が低下し、除水効果が低下することになる。また、透析時間が長くなると、透析により患者に与える負担が大きくなる。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、長時間除水効果を維持できる透析液を提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、グルコースなどの晶質浸透圧成分を含有する腹膜透析液において、ゼラチンなどの膠質浸透圧成分を添加することにより、上記従来の腹膜透析液の問題点を解決することができ、完成されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願第一発明は、晶質浸透圧剤及び膠質浸透圧剤を含有する腹膜透析液である。晶質浸透圧剤と膠質浸透圧剤の双方を含有したことの相乗効果により、どちらかを単独で用いた場合と比較して、浸透圧剤の濃度を変えずに、より長い時間より高い除水効果を維持することが可能となる。
【0009】
本願第二発明は、本願第一発明の晶質浸透圧剤が糖を含有するものである腹膜透析液である。上記糖の濃度は、0.6〜2.5(質量/容量)%である腹膜透析液が好ましい(本願第三発明)。膠質浸透圧剤との併用による相乗効果が確認されている濃度であるからである。また、前記糖として、単糖を用いることができ(本願第四発明)、前記単糖としてグルコースを用いることができる(本願第五発明)。あるいは、前記糖として、糖アルコールを用いることができ(本願第六発明)、前記糖アルコールとしてキシリトールを用いることができる(本願第七発明)。
【0010】
本願第八発明は、本願第一〜第七いずれかの発明の膠質浸透圧剤がゼラチンを含有するものである腹膜透析液である。上記ゼラチンは低抗原性ゼラチンが好ましい(本願第九発明)。低抗原性とすることで、例えば従来のゼラチンに対するIgE抗体を保有していたヒトの血清の半分以上で抗原抗体反応が一切認められず、また認められた場合でも非常に低レベルなものとなる(特開平11−12196号公報)。
【0011】
本願第十発明は、第九発明の前記低抗原性ゼラチンが、平均分子量が約30,000以下であり、アミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、のペプチドを含有するものである腹膜透析液である。すなわち、前記ペプチドは、グリシンがアミノ酸配列上3個目ごとに存在し、アミノ酸配列のN末端がグリシンである。このような範囲の分子量を有し、またかかるアミノ酸配列を有するペプチドを含有する低抗原性ゼラチンを用いることにより、透析液に好ましい浸透圧効果をもたらしつつ、体内に長期間反復注入しても抗原抗体反応に基づきアレルギーやショック症状等を誘発しうる有害な生体反応を惹起することがなく、従って浸透圧剤として好適に利用することができる。
【0012】
本願第十発明の低抗原性ゼラチンは、平均分子量が約3,000または約8,000のものを使用することができる(本願第十一発明)。プロテアーゼを用いて、コラーゲンまたはゼラチンのペプチド結合の特定箇所を選択的に切断して低分子化することによって、さらに、反応時間、温度等を制御することによって、比較的均質な上記低分子量を有するペプチドに変換することが可能である。
【0013】
第十二発明は、第九発明の前記低抗原性ゼラチンが、平均分子量が30,000〜70,000であり、アミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、のペプチドを含有する腹膜透析液である。第十二発明の低抗原性ゼラチンは、平均分子量が約40,000または約50,000のものを使用することができる(本願第十三発明)。
【0014】
本願第十四発明は、本願第十乃至十三発明のゼラチンが、アミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、のペプチドを70(モル数/全モル数)%以上含有するものである腹膜透析液である。例えばコラゲナーゼを用いてコラーゲンまたはゼラチンを分解すると、そのアミノ酸配列中に含まれるグリシンのアミノ基側で選択的に切断され、従って、生じる低抗原性ゼラチンにはN末端にグリシンを有するものが多く含まれることになり、前記ペプチドを70(モル数/全モル数)%以上含有する低抗原性ゼラチンを調製することが可能となる。かかる低抗原性ゼラチンは、浸透圧剤としての効果と低抗原性の双方に優れ、本発明において好適に使用されうるのである。
【0015】
本願第八〜第十四発明において、前記ゼラチンの濃度は0.5〜5.0(質量/容量)%であることが好ましく(本願第十五発明)、さらには2.5(質量/容量)%であることが好ましい(本願第十六発明)。晶質浸透圧剤との併用による相乗効果が確認されている濃度であるからである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本明細書でいう晶質浸透圧とは、腹膜を透過できる低分子に起因する浸透圧をいい、かかる晶質浸透圧成分としては、糖、無機塩類および電解質(例えば、Na、K、Mg、Ca、Cl、重炭酸、リン酸、乳酸、酢酸、クエン酸等)等が該当する。晶質浸透圧剤は、晶質浸透圧成分を含有するものをいう。本明細書でいう膠質浸透圧とは、腹膜を透過できない高分子に起因する浸透圧をいい、かかる膠質浸透圧成分としては、ゼラチン、アルブミン、グロブリン、デキストラン、HES(ヒドロキシエチルスターチ)等の高分子物質が該当する。膠質浸透圧剤は、膠質浸透圧成分を含有するものをいう。腹膜透析液の浸透圧は、かかる晶質浸透圧と膠質浸透圧からなる。
【0017】
本発明の腹膜透析液に使用する晶質浸透圧成分としては糖が好ましい。本発明の腹膜透析液に使用できる糖としては、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類などが挙げられ、天然型および合成型、α型およびβ型、D体およびL体の何れでも良い。さらに、これらには置換体または誘導体(例えば、デオキシ糖、アミノ糖、硫黄糖、分枝糖、ウロン酸、糖酸、糖アルコールなど)も含まれる。デオキシ糖として2−デオキシグルコース、アベクオース、アミノ糖として2−(アセチルアミノ)−2−デオキシ−D−グルコース、2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコース、N−アセチル−D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、硫黄糖として4−チオ−D−ガラクトース、ウロン酸としてD−グルクロン酸、L−イズロン酸、糖アルコールとしてソルビトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、キシリトールなどが挙げられる。
【0018】
単糖類はその炭素数によりトリオース、テトロース(エリトロース、トレオース)、ペントース(リボース、アラビノース、キシロース、キシルロース、リキソース)、ヘキソース(アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、フルクトース)、ヘプトース、オクトースなどに分類される。さらに、カルボニル基によりアルドース、ケトースに、ヘミアセタール環によりフラノース、ピラノース、セプタノースに分類される。また、鎖状のものはオキソ型、アルデヒド型、ケト型に分類されるが、特にこれら構造に限定されない。単糖類には、例えばキシロース、グルコース、マンノース、ガラクトースなどが挙げられ、二糖類には、例えばトレハロース、スクロース、マルトースなどが挙げられ、三糖類には、例えばラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース、フコンルラクトース、シアリルラクトース、マルトトリオース、セロトリオースなどが挙げられ、四糖類には、例えばラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、グロボシドなどが挙げられる。
【0019】
本発明の腹膜透析液に添加する好ましい糖濃度は、少なくとも0.4(質量/容量)%以上、好ましくは0.6〜5(質量/容量)%、より好ましくは0.6〜2.5(質量/容量)%、さらに好ましくは0.8〜2.5(質量/容量)%である。糖濃度が5%を超えると生体に悪影響を及ぼし、本発明の効果が失われるおそれがある。また、糖は単糖または糖アルコールが好ましい。
【0020】
本発明の腹膜透析液の膠質浸透圧成分としては、ゼラチンを使用するのが好ましく、さらには、低抗原化されたゼラチンを使用するのが好ましい。抗原抗体反応に基づきアレルギーやショック症状等を誘発しうる有害な生体反応を惹起することがないからである。
【0021】
本発明の腹膜透析液を構成する低抗原性ゼラチンは、ゼラチンが本来有する抗原性(免疫原性)の1/10以下程度に、その抗原性が低減されているものを称する。低抗原性ゼラチンは、好ましくはタンパク質であるコラーゲンまたはゼラチン原料を酵素によって特異的な切断箇所で特定の分子量範囲を有するように分解したものであることから、そのアミノ酸組成は原料であるゼラチンとほぼ類似の基本組成となっている。また、低分子化されている事から、一般的に総称される低分子ゼラチンあるいはコラーゲンペプチドと同様のペプチド成分に属するともいえる。但し、低抗原性ゼラチンと、従来の一般的な低分子ゼラチンあるいはコラーゲンペプチドとの“N末端のアミノ酸”には大きな相違が認められることがすでに判明している(Bio. Pharm. Bull., 21, 330, 1998)ことから、アミノ酸配列としては両者に違いが存在していると推定される。
【0022】
また、物性の点で、本発明の腹膜透析液を構成する低抗原性ゼラチンは、粘度、旋光度、ゲル化能力などの物理化学的性質の面では原料であるゼラチンとは一部異なる点もあるが、保水性、保護コロイド性、起泡性、結着性、保湿性などの機能的性質の面では原料であるゼラチンと同等の性質を保持している。
【0023】
本発明の膠質浸透圧成分として、平均分子量が約30,000以下のものであって、コラーゲンまたはゼラチンを分解して得られる低抗原性のペプチドを含有する低抗原性のゼラチンを使用することができる。当該ペプチドは、アミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、を有するものとする。例えば、平均分子量が約3,000または約8,000の低抗原性ゼラチンを使用することができる。
【0024】
また、本発明の膠質浸透圧成分として、平均分子量が30,000〜70,000であって、コラーゲンまたはゼラチンを分解して得られる低抗原性のペプチドを含有する低抗原性のゼラチンを使用することができる。当該ペプチドは、Gly−X−Y−(Gly−X−Y)n(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)で表されるものとする。例えば、平均分子量が約40,000または約50,000の低抗原性ゼラチンを使用することができる。
【0025】
本明細書で言うペプチドとは、構成アミノ酸残基の数に限定されるものではなく、オリゴペプチド、ポリペプチドなど、ペプチド結合を含むものであればよい。
【0026】
コラーゲンまたはゼラチンは、牛、豚、鳥、鯨などの骨、皮、腱または鮫などの魚皮を原料として、既知の方法に従い調製する。遺伝子組換え法を利用して製造されたコラーゲンまたはゼラチンを使用してもよい。本発明の低抗原性ゼラチンを製造するために好ましい材料として、高純度ゼラチン(宮城化学工業社製)を挙げることができる。コラーゲンまたはゼラチンの分解は、酸、アルカリ等を利用した加水分解でもよいが、均質に所望の分解物を得ることができるという利点に鑑みれば、酵素を触媒として利用した加水分解を行うことが好ましい。酵素は、プロテアーゼ、特にアミノ酸配列の内部の特定の箇所を選択的に切断することができる、いわゆるエンドペプチダーゼ、例えばコラゲナーゼ、ペプシン、トリプシン、パパイン、キモトリプシン、パンクレアチン、アクチナーゼなどを単独または組み合わせて使用できる。
【0027】
この酵素のうち特に、コラーゲン特有のアミノ酸配列である(Gly−X−Y)n’(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、n’は自然数である)のグリシンのアミノ基側を特異的に切断することができるコラゲナーゼを用い、コラーゲンまたはゼラチンを特異的に分解して得られる、分子量が200〜20,000であり、かつアミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、のペプチド成分を70%以上含む低抗原性ゼラチンは、本発明の浸透圧剤として好ましい。コラゲナーゼは、Clostridium histlyticumStrepto myces parvulusなどの細菌、放線菌、真菌などに由来するものを用いることができる。これらの酵素遺伝子を遺伝子工学的に特定のベクターに組み込んで、大腸菌、乳酸菌、酵母などの他の動物に産生させて得られる遺伝子組換え酵素で、類似の基質特異性を有するものを用いてもよい。
【0028】
このようにして調製される膠質浸透圧成分を晶質浸透圧成分とともに腹膜透析液に配合すると、長時間にわたり高い除水効果を維持できるという特徴が見られる。
【0029】
このようにして調製される膠質浸透圧成分は、溶解性が高く粘稠度が低いので、透析液への使用に有効である。かかる浸透圧成分はやはり、原料であるゼラチンを酵素的に分解したものである為、そのアミノ酸組成は原料であるゼラチンとほぼ類似の組成となっている。一方で、低抗原性ゼラチンを調製する際に用いる分解酵素の作用部位の特異性を反映し、特にコラゲナーゼ酵素分解によって得られる低抗原性ゼラチンのN末端のアミノ酸の殆ど、即ち少なくとも50%以上がグリシンとなっている。
【0030】
また、低抗原性ゼラチンを所定の分子量範囲を有するものとなるように調製するには、例えば、反応時間、pH、基質に対する酵素量、反応温度等の諸条件により分解酵素の活性を制御するとよい。低抗原化のレベルとその用途に応じて、低抗原性ゼラチンの平均分子量を適宜選択できる。すなわち、平均分子量が30,000〜70,000の低抗原性ゼラチンを調製するためには、酵素処理は例えば、豚皮由来のゼラチン試料(高純度ゼラチン、宮城化学工業社製)2000gに対してGLD特異的プロテアーゼ(宮城化学工業社製)を用い、pH7.0〜7.8で緩衝液中、36〜39℃にて1〜8時間反応させることによって行われる。そして、平均分子量が30,000以下であり、かつアミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、のペプチド成分を70%以上含む低抗原性ゼラチンを調製するには、例えば、豚皮由来のゼラチン試料(高純度ゼラチン、宮城化学工業社製)4000gに対してコラゲナーゼを用い、pH7.0〜7.8で緩衝液中、36〜40℃にて1〜8時間反応させることによって行われる。酵素は、適切な担体、例えばトヨパール(東ソー社製)、キトパール(富士紡績社製)等に常法に従って共有結合させ、固定化酵素としたものを利用すると、反応後の低抗原性ゼラチンを酵素から容易に分離することができる。反応は、酵素分解反応を一定に保持するため、pHセンサー、温度センサー、圧力計などの複数の計測器が設置されたバイオリアクターにて行うとよい。この際、酵素反応前の試料は、水で膨潤、溶解して孔徑約0.22μmのメンブレン・フィルターをセットしたろ過器でろ過滅菌しておくとよい。滅菌後の試料溶液を、固定化酵素を充填したバイオリアクターに供給し、好ましくは毎時2〜50Lの運転流速で反応を進行させるとよい。
【0031】
このように酵素を用いて調製した低抗原性ゼラチンをそのまま膠質浸透圧剤として使用することができるが、製剤化時の配合処方および腹膜透析液の種類などに応じて、2種類〜数種類の成分に精製/分画して使用することも可能である。精製/分画は、例えば分配クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等のクロマトグラフィーにより行うとよい。このような後処理を行った後、凍結乾燥もしくはスプレードライ(噴霧乾燥器)で粉末化して製品化してもよい。
【0032】
本発明の、腹膜透析液を初めとする薬剤に配合するに適した高品質を有する低抗原性ゼラチンを調製するためには、原料となるコラーゲンまたはゼラチン自体の品質も優れている必要がある。すなわち、新鮮で不純物が少なく、比較的均質成分からなる原料を用いることが好ましい。一般に、比較的品質の高いゼラチンは、ゼリー強度が高い傾向にあるが、本発明における酵素等によって分解された低抗原性ゼラチンのゲル化力は大きく減少し、これに伴い粘度も低下する。上述の条件下に低抗原性化を行った場合の6.67%濃度におけるゼリー強度は、分解度が低めで分子量が大きい(平均分子量30,000〜70,000)低抗原性ゼラチンの場合では20〜150ブルーム、分解度が進んで分子量が小さい(平均分子量30,000以下)低抗原性ゼラチンの場合は、ゼリー強度が計測不能となるレベルまで低下することが判明している。浸透圧成分である低抗原性ゼラチンのゲル化力が低いということは、腹膜透析液などの製剤化を実施する上でメリットともなり、腹膜透析液の種類および用途に応じて適宜選択すればよい。
【0033】
本発明の腹膜透析液に添加するゼラチン濃度は、好ましくは0.5〜5.0(質量/容量)%であり、さらに好ましくは2.5(質量/容量)%である。
【0034】
本発明の腹膜透析液は、上記浸透圧剤の他に、無機塩類および水を必須成分とし、目的に応じてアルカリ化剤または有機酸、栄養成分などを配合できる。
【0035】
無機塩類は透析液中で電解質イオンとして存在するものであり、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、塩素などのイオンを生じる塩類でよい。アルカリ化剤または有機酸としては乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ピルビン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどがある。これらは透析液において緩衝剤としても機能する。
【0036】
腹膜透析液に配合される無機塩類の好ましいイオン濃度は、ナトリウムイオンが110〜250mEq/L、カリウムイオンが0〜5mEq/L、マグネシウムイオンが0〜4mEq/L、カルシウムイオンが0〜6mEq/L、塩素イオンが80から120mEq/Lである。アルカリ化剤または有機酸の濃度は100mEq/Lまでが好ましい。
【0037】
本発明の腹膜透析液のpHは、上記のように塩類に適当なアルカリ化剤または有機酸を添加することにより調整する。その範囲は6.5〜7.5が望ましいが、添加するアルカリ化剤または有機酸、栄養成分により、6〜8の範囲であれば問題ない。この範囲外であると、腹膜機能に対する障害や生体の酸塩基平衡に変化をきたすうえ、注入時に患者に対して痛み等の不快感をもたらす可能性がある。
【0038】
本発明の腹膜透析液の浸透圧は、配合される浸透圧成分の分子量等によって異なるが、250〜600mOsm/Lの範囲内であればよい。250mOsm/Lより低いと浸透圧効果が得られず、600mOsm/Lより高いと急激な除水が起こる。
【0039】
本発明の腹膜透析液は、晶質浸透圧剤、膠質浸透圧剤、上記の塩類、アルカリ化剤などを所定の濃度となるよう超限外濾過水、逆浸透水または蒸留水などに溶解し、滅菌することにより得られる。またこの溶液を凍結乾燥した製剤としてもよい。また、透析液をバイアルやポリエチレンバッグなどの容器に充填した製剤、使用時に滅菌水によって溶解する凍結乾燥製剤、2種類以上の溶液または溶液と凍結乾燥品を複室構造の容器に充填し使用時にこれらを無菌的に混合できる製剤などの形態にできる。
【0040】
本発明の腹膜透析液を投与するには、適当な腹腔カテーテルを通じて腹腔内に適量(通常、成人に対して0.3〜2L)を注入する。4〜24時間滞液後、同じカテーテルから排液を除去する。この操作を1日1〜5回繰り返し行う。本発明の腹膜透析液における晶質浸透圧剤、膠質浸透圧剤の濃度は、透析患者の過剰体液量に応じて適宜増減してよいものとする。
【0041】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はもとより、これら実施例によって限定的に解釈されるべきでない。尚、以下の実施例においては、晶質浸透圧剤としてグルコース等の糖を、膠質浸透圧剤として低抗原性ゼラチンを用いている。
【0042】
【実施例】
〈実施例1:透析膜を用いたin vitroでの透析効果の比較試験〉
1.透析液の調製
[1]マックスウェル液1S(扶桑薬品工業社製)の調製例
ナトリウムイオンが140.0mEq/L、カルシウムイオンが4.5mEq/L、マグネシウムイオンが1.5mEq/L、塩素イオンが101.0mEq/L、乳酸が45.0mEq/L、グルコースが1.3g/dLとなる溶液(マックスウェル液1S)を調製した。
【0043】
[2]マックスウェル液2S(扶桑薬品工業社製)の調製例
ナトリウムイオンが140.0mEq/L、カルシウムイオンが4.5mEq/L、マグネシウムイオンが1.5mEq/L、塩素イオンが101.0mEq/L、乳酸が45.0mEq/L、グルコースが7g/dLとなる溶液(マックスウェル液1S)を調製した。
【0044】
[3]グルコース非含有腹膜透析液の調製例
本明細書でいうグルコース非含有腹膜透析液とは、マックスウェル液からグルコースを除いた処方の溶液のことである。即ち、グルコース非含有腹膜透析液は、塩化ナトリウム5.55g、塩化カルシウム2水和物0.33g、塩化マグネシウム6水和物0.15g、乳酸ナトリウム(72.83%)6.92gを蒸留水1Lに溶解して調製した。
【0045】
[4]低抗原性ゼラチン腹膜透析液の調製例
本明細書でいう低抗原性ゼラチン腹膜透析液とは、低抗原性ゼラチンを含有する腹膜透析液をいう。ここでは低抗原性ゼラチンとしてフリアラジンM(平均分子量約3,000、宮城化学工業社製)、フリアラジンAD(平均分子量約8,000、宮城化学工業社製)、GLD2ゼラチン(平均分子量約50,000、宮城化学工業社製)及びGLD3ゼラチン(平均分子量約40,000、宮城化学工業社製)を用い、それぞれをグルコース非含有腹膜透析液に4(質量/容量)%の濃度となるように添加して低抗原性ゼラチン腹膜透析液を調製し、オートグレーブ(121℃、20分)により滅菌した。
【0046】
(1)フリアラジンMの調製例
高純度ゼラチン(豚皮由来、宮城化学工業社製)2000gを7Lの内毒素不含(ETフリー)の純水で膨潤した後、同様にETフリーの熱水を加えて溶解した。次いで、アルカリ溶液(4N水酸化ナトリウム水溶液)を用いてpHを7.4に調整し、40℃まで冷却後、保温した。一方、酵素分解に使用するための固定化酵素は、100mgの複数種のコラゲナーゼ(高純度品)を50gのトヨパール(東ソー社製)に常法に従って共有結合させて調製した。担体への結合量は結合前後の280nmにおける吸光度の変化を計測して算出したが、この結果99%以上の結合率が確認された。
【0047】
調製された固定化酵素は、酵素分解反応を一定に保持するため、pHセンサー、温度センサーおよび圧力計などの複数の計測器が設置されたバイオリアクター(宮城化学工業社製)に充填し、酵素分解用緩衝液(pH7.4)で十分に洗浄し、平衡化しておいた。
【0048】
膨潤・溶解した上記高純度ゼラチンの無菌化を図るため、孔徑0.22μmのメンブレン・フィルターをセットしたろ過器でろ過した後、固定化酵素を充填したバイオリアクターに供給し、酵素分解を行った。バイオリアクターの運転流速は毎時5Lに、またカラムの温度は39±1℃に制御した。バイオリアクターから出てきた酵素反応終了液を分取し、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を用いたイオン交換処理などの後処理を行った後、スプレードライ(噴霧乾燥器)で粉末化し、分子量200〜20,000、平均分子量約3,000の低抗原性ゼラチン(フリアラジンM)を製した。
【0049】
(2)フリアラジンADの調製例
上記フリアラジンMの調製例に準じて、分子量2,000〜20,000、平均分子量約8,000の低抗原性ゼラチン(フリアラジンAD)を製した。但し、フリアラジンMとはバイオリアクターにおける処理の程度が異なる。
【0050】
フリアラジンM及びフリアラジンADは、島津製作所社製、アミノ酸配列分析装置を用いた分析の結果から、N末端アミノ酸の92%がグリシンとなっているペプチド成分を含んでいることが明らかとなった。従って、コラーゲンに特有のアミノ酸配列である(Gly−X−Y)n’、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、n’は自然数である)、ならびに出発原料が高純度ゼラチンであることなどを考慮すれば、コラゲナーゼによって高純度ゼラチンを特異的部位で切断して得られた上記低抗原性ゼラチンは、アミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、のペプチド成分を90(モル数/全モル数)%以上、少なくとも70(モル数/全モル数)%以上含んでいるものと考えられた。従来のゼラチンの製法、すなわち酸処理による分解、加熱処理による分解、あるいは両者を組み合わせた分解などによって製せられたペプチド成分の場合、そのN末端アミノ酸がグリシンである割合は33(モル数/全モル数)%前後から、多くとも40(モル数/全モル数)%台である。これに比して、「上記低抗原性ゼラチン中に含まれるペプチド成分において、N末端アミノ酸の90%以上がグリシンである」ことは、本発明による処の低抗原性ゼラチンの特徴を示すものである。
【0051】
なお、長期保存をする必要がある低抗原性ゼラチンのロットについては、その粉末を再溶解後、凍結乾燥を行って低温室で保存した。
【0052】
(3)GLD2ゼラチンの調製例
フリアラジンMの調製例と同様に、高純度ゼラチン(宮城化学工業社製)2000gを7Lの内毒素不含(ETフリー)の純水で膨潤した後、同様にETフリーの熱水を加えて溶解した。次いで、アルカリ溶液を用いてpHを7.4に調整し、40℃まで冷却後、保温した。一方、酵素分解に使用する固定化酵素は、100mgのGLD特異的プロテアーゼ(宮城化学工業社製)を50gのキトパール(富士紡績社製)担体に常法に従って共有結合させて調製した。担体への結合量は結合前後の280nmにおける吸光度の変化を計測して算出したが、この結果99%以上の結合率であることが確認された。
【0053】
調製された固定化酵素は、酵素分解反応を一定に保持するため、pHセンサー、温度センサーおよび圧力計などの複数の計測器が設置されたバイオリアクター(宮城化学工業社製)に充填し、酵素分解用緩衝液(pH7.4)で充分に洗浄し、平衡化しておいた。
【0054】
膨潤・溶解した上記高純度ゼラチンの無菌化を図るため、孔徑0.22μmのメンブレン・フイルターをセットしたろ過器でろ過した後、固定化酵素を充填したバイオリアクターに供給し、酵素分解を行った。バイオリアクターの運転流速は毎時5Lに、またカラムの温度は39±1℃に制御した。バイオリアクターから出てきた酵素反応終了液を分取し、陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を用いたイオン交換処理などの後処理を行った後、スプレードライ(噴霧乾燥器)で粉末化し、平均分子量約50,000の低抗原性ゼラチン(GLD2ゼラチン)を製した。
【0055】
(4)GLD3ゼラチンの調製例
上記GLD2ゼラチンの調製例に準じて、平均分子量約40,000の低抗原性ゼラチン(GLD3ゼラチン)を製した。但し、GLD2ゼラチンとはバイオリアクターにおける処理の程度が異なる。
【0056】
[5]下記試験の試料となる腹膜透析液の調製例
マックスウェル液1S、マックスウェル液2S、低抗原性ゼラチン腹膜透析液、グルコース非含有腹膜透析液を適量混合して、グルコース濃度がそれぞれ0.4(質量/容量)%、0.8(質量/容量)%、1.3(質量/容量)%、2.5(質量/容量)% で、低抗原性ゼラチンが含有されていないグルコース含有腹膜透析液、グルコース濃度がそれぞれ0.4(質量/容量)%、0.8(質量/容量)%、1.3(質量/容量)%、2.5(質量/容量)% で、低抗原性ゼラチンの濃度が2.5(質量/容量)%のグルコース加2.5(質量/容量)%低抗原性ゼラチン腹膜透析液、グルコースを含有しない2.5(質量/容量)%低抗原性ゼラチン腹膜透析液を調製し下記の試験における試料とした。また、グルコース非含有腹膜透析液単独でも下記の試験における試料とした。尚、上記試料を調製する際に、グルコース濃度が0.4(質量/容量)%、0.8(質量/容量)%の溶液については、マックスウェル液1Sを用い、グルコース濃度が1.3(質量/容量)%、2.5(質量/容量)%の溶液については、マックスウェル液2Sを用いた。以下では、(質量/容量)%を%と称する。
2.試験方法
1.[5]で調製した透析液の効果を調べるため、透析膜としてディスポダイアライザー(セルロースエステル膜、φ10mm、5mL容量、分画分子量25,000、フナコシ製)を使用してin vitro 透析試験を実施した。上記において試料として調製した透析液の各1.5mLを各ダイアライザー内に添加し、電子天秤(AE240、Mettler製)を用いて重量を測定した(透析前重量)。この各ダイアライザを、予め37℃に加温した50mLのハンクス平衡塩溶液(フェノールレッド不含、GIBCO製、290mOSm/L)中に浸漬し、透析を開始した。透析開始後、各ダイアライザーは37℃に維持した恒温槽にて水平方向に振盪させながらインキュベートした。透析開始の6時間後に各ダイアライザーを取り出し、電子天秤を用いて重量を測定した(透析後重量)。透析後重量から、各透析前重量を減じ、1gを1mLに換算した各吸水量を算出した。さらに、この値より、1.5mLを100%として透析開始後の各吸水率を求めた。なお、グルコース非含有透析液を対照として用い、また、試験結果の比較にはステューデントのt−検定を用い、危険率p<0.05をもって有意とした。3.試験結果
[1]フリアラジンM腹膜透析液を用いて調製した試料に関する試験結果
グルコース非含有腹膜透析液、グルコース含有腹膜透析液、2.5%フリアラジンM腹膜透析液、グルコース加2.5%フリアラジンM腹膜透析液を試料として試験結果を図1に示した。
【0057】
対照としたグルコース非含有腹膜透析液の吸水率は7.4%であり、グルコース濃度が 0.4%、0.8%、1.3%及び 2.5%のグルコース含有腹膜透析液の吸水率はそれぞれ17.0%、16.7%、26.2%及び48.1%であった。また、2.5%フリアラジンM腹膜透析液の吸水率は50.9%であり、0.4%、0.8%、1.3%及び2.5%グルコース加2.5%フリアラジンM腹膜透析液の吸水率はそれぞれ60.8%、68.2%、81.8%及び101.7%であった。グルコース含有腹膜透析液の吸水率から対照の吸水率を減じた値をグルコース含有腹膜透析液の正味の吸水率とし、その値を2.5%フリアラジンM腹膜透析液の吸水率に加えたものをグルコース加2.5%フリアラジンM腹膜透析液の吸水率の理論値とすると、0.8%、1.3%及び2.5%グルコース加2.5%フリアラジンM腹膜透析液の吸水率の実測値は理論値に比較してそれぞれ8.1%、12.2%及び10.2%有意に増加していた。0.4%グルコース加2.5%フリアラジンM腹膜透析液の吸水率の実測値は理論値と比較して有意な差が認めらなかった。このことから、2.5%フリアラジンM腹膜透析液に0.8%以上のグルコースを添加することで吸水率が相乗的に増加することが示された。ゆえに、少なくとも0.6%以上のグルコースを添加するのが好ましい。
【0058】
[2]フリアラジンAD腹膜透析液を用いて調製した試料に関する試験結果
グルコース非含有腹膜透析液、グルコース含有腹膜透析液、2.5%フリアラジンAD腹膜透析液、グルコース加2.5%フリアラジンAD腹膜透析液を試料とした試験結果を図2に示した。グルコース非含有腹膜透析液、グルコース含有腹膜透析液の試験結果は、上記[1]で示した通りである。
【0059】
2.5%フリアラジンAD腹膜透析液の吸水率は43.7%であり、また、0.4%、0.8%、1.3%及び2.5%グルコース加2.5%フリアラジンAD腹膜透析液の吸水率はそれぞれ56.7%、64.0%、75.0%及び101.3%であった。フリアラジンMの場合と同様にして吸水率の理論値と実測値を比較すると、0.8%、1.3%及び2.5%グルコース加2.5%フリアラジンAD腹膜透析液の吸水率の実測値は理論値に比較してそれぞれ11.1%、12.6%及び16.9%有意に増加していたが、0.4%グルコース加2.5%フリアラジンAD腹膜透析液の吸水率の実測値は理論値と比較して有意な差が認めらなかった。このように、2.5%フリアラジンAD腹膜透析液においても0.8%以上のグルコースを添加することで吸水率が相乗的に増加することが明らかとなった。ゆえに、少なくとも0.6%以上のグルコースを添加するのが好ましい。
【0060】
[3]GLD2ゼラチン腹膜透析液を用いて調製した試料に関する試験結果
グルコース非含有腹膜透析液、グルコース含有腹膜透析液、2.5%GLD2ゼラチン腹膜透析液、グルコース加2.5%GLD2ゼラチン腹膜透析液を試料とした試験結果を図3に示した。グルコース非含有腹膜透析液、グルコース含有腹膜透析液の試験結果は、上記[1]で示した通りである。
【0061】
2.5%GLD2ゼラチン腹膜透析液の吸水率は21.1%、また、0.4%、0.8%、1.3%及び2.5%グルコース加2.5%GLD2ゼラチン腹膜透析液の吸水率はそれぞれ33.2%、37.8%、56.6%及び73.8%であった。フリアラジンM及びフリアラジンADの場合と同様にして吸水率の理論値と実測値を比較すると、0.8%、1.3%及び 2.5%グルコース加2.5%GLD2ゼラチン腹膜透析液の吸水率の実測値は理論値に比較してそれぞれ7.5%、16.8%及び12.0%有意に増加していたが、0.4%グルコース加2.5%GLD2ゼラチン腹膜透析液の吸水率の実測値は理論値と比較して有意な差が認めらなかった。このように、2.5%GLD2ゼラチン腹膜透析液においても 0.8%以上のグルコースを添加することで吸水率が相乗的に増加することが明らかとなった。ゆえに、少なくとも0.6%以上のグルコースを添加するのが好ましい。
【0062】
[4]GLD3ゼラチン腹膜透析液を用いて調製した試料に関する試験結果
グルコース非含有腹膜透析液、グルコース含有腹膜透析液、2.5%GLD3ゼラチン腹膜透析液、グルコース加2.5%GLD3ゼラチン腹膜透析液を試料とした試験結果を図4に示した。グルコース非含有腹膜透析液、グルコース含有腹膜透析液の試験結果は、上記[1]で示した通りである。
【0063】
2.5%GLD3ゼラチン腹膜透析液の吸水率は30.6%、また、0.4%、0.8%、1.3%及び2.5%グルコース加2.5%GLD3ゼラチン腹膜透析液の吸水率はそれぞれ38.0%、45.8%、66.4%及び80.6%であった。同様にして吸水率の理論値と実測値を比較すると、0.8%、1.3%及び2.5%グルコース加2.5%GLD3ゼラチン腹膜透析液の吸水率の実測値は理論値に比較してそれぞれ6.0%、17.1%及び9.3%有意に増加していたが、0.4%グルコース加2.5%GLD3ゼラチン腹膜透析液の吸水率の実測値は理論値と比較して有意な差が認めらなかった。このように、2.5%GLD3ゼラチン腹膜透析液においても0.8%以上のグルコースを添加することで吸水率が相乗的に増加することが明らかとなった。ゆえに、少なくとも0.6%以上のグルコースを添加するのが好ましい。
【0064】
〈実施例2:ラットを用いた in vivo 透析効果比較試験〉
1.透析液の調製
実施例1と同様の方法により、マックスウェル液1S、マックスウェル液2S、4%フリアラジンM腹膜透析液、グルコース非含有腹膜透析液を調製した。そして、これらの透析液を適量混合して、グルコースの濃度が0.1%、0.2%、0.4%、0.8%、1.3%、2.5%で、フリアラジンMを含有しないグルコース含有腹膜透析液、1.3%及び2.5%フリアラジンM腹膜透析液、グルコース濃度が0.1%、0.2%、0.4%、0.8%で、フリアラジンMの濃度が1.3%及び2.5%のグルコース加フリアラジンM腹膜透析液を調製した。尚、上記試料を調製する際に、グルコース濃度が0.1%、0.2%、0.4%、0.8%の溶液については、マックスウェル液1Sを用い、グルコース濃度が1.3%、2.5%の溶液については、マックスウェル液2Sを用いた。
2.正常ラットを用いた in vivo 透析試験の方法
1.で調製した透析液の効果をin vivo 透析試験で調べるため、7〜8週齡のSD系雄性ラット(日本クレア社製)を1週間程度、通常条件で予備飼育した後、8〜10週齡(体重:356〜413g)にて使用した。
【0065】
ラットをペントバルビタールナトリウム(大日本製薬社製)40mg/kgの腹腔内投与により麻酔し、37℃に維持した保温パッド上で背位に固定した。シリンジポンプに接続したポリエチレンカニューレを大腿静脈に留置し、インフュージョンポンプ(STC−521、テルモ社製)を用いて0.1%のグルコースを含むリンゲル液を5mL/時間の流速で持続注入した。次いで腹部皮膚を切開し、剣状突起より尾側方向に1〜2cmの腹壁に小孔を開けた。腹腔内にシリコンチューブを介してシリンジポンプに接続したらせん状の腹腔カテーテル(プライムテック社製)を留置し、外科用接着剤(アロンアルファA、三共社製)にて固定した。シリンジポンプにて、腹腔カテーテルを介して、腹腔内に20mLの各透析液(上記1.で調製した試料)を1mL/秒の速度で注入した。注入後、直ちにシリンジポンプにて腹腔内液を回収し、液量を測定し(0時間)、腹腔内液を再び腹腔内に注入した。その後、透析液を腹腔内に滞留させた状態で、1、2、4、6および8時間後に腹腔内液の回収、液量測定と再注入を繰り返し行った。透析中、グルコース加リンゲル液の持続注入を継続し、1時間毎にペントバルビタールナトリウム10〜20mg/kgを静脈内に投与することにより麻酔を維持した。試験結果の比較にはスチューデントのt−検定を用い、2.5%フリアラジンMに対して危険率p<0.05をもって有意とした。
3.シスプラン誘発腎不全ラットを用いた in vivo 透析試験の方法
ラットにシスプラチン(ブリストルマイヤーズスクイプ社製)を投与して腎不全を誘発させた。7〜8週齢のSD系雄性ラット(日本クレア社製)を1週間程度予備飼育した後、シスプラチンを5mg/10mL/kg の用量で静脈内投与し、さらに4日間飼育し、使用した。測定操作は正常ラットの場合と同様の方法で行った。
4.結果
結果の一例として、腎不全ラットにおける2.5%フリアラジンM腹膜透析液及び0.8%グルコース加2.5%フリアラジンM腹膜透析液での除水パターンを0.8%グルコース含有腹膜透析液での結果と合わせて図5に示した。0.8%グルコース含有腹膜透析液では、透析開始2時間後に除水量が最大となったが、その量は2mL程度と少量で、2時間以降は減少した。2.5%フリアラジンM腹膜透析液では透析開始4時間まで除水量は緩やかに増加し、それ以後ほぼ一定(5mL程度)で推移した。0.8%グルコース加2.5%フリアラジンM腹膜透析液では透析開始8時間まで増加が続き、除水量は9mL以上となった。各測定時点における0.8%グルコース加2.5%フリアラジンM腹膜透析液での除水量は2.5%フリアラジンM腹膜透析液に比較して有意に増加しおり、フリアラジンMとグルコースの相乗効果が示された。正常ラットにおいてもほぼ同様の除水パターンが得られたが、腎不全ラットの方が除水量が多く、また、除水効果がより持続する傾向が見られた。0.1%、0.2%及び0.4%グルコース加2.5%フリアラジンM腹膜透析液の場合も2.5%フリアラジンM腹膜透析液に比較して除水量の増加傾向が見られたが、グルコース濃度の低下に伴い、除水効果は減弱した。フリアラジンMの濃度を1.3%にして検討した結果、0.8%グルコース加1.3%フリアラジンM腹膜透析液での除水量は1.3%フリアラジンM腹膜透析液に比較して有意に増加しており、フリアラジンMとグルコースの相乗効果が示された。0.4%グルコース添加でも除水量に増加傾向が見られたが、0.1%及び0.2%のグルコース添加では明確な除水量の増加は見られなかった。以上のことから、経時的除水量の減少改善が示された。ゆえに、少なくとも0.4%、好ましくは0.6%、より好ましくは0.8%以上のグルコースを添加するのが好ましい。
5.総除水量の比較
上記試験結果から、種々の濃度のフリアラジンM(0%、1.3%、2.5%)とグルコース(0%、0.1%、0.2%、0.4%、0.8%、1.3%、2.5%)の組み合わせとして各試料を表し、各試料の総除水量の比較を図6、図7に示した。図6には、正常ラットについての結果を、図7には腎不全ラットについての結果を示した。正常ラット、腎不全ラットともに1.3%フリアラジンM腹膜透析液は1.3%グルコース腹膜透析液と、また、2.5%フリアラジンM腹膜透析液は2.5%グルコース腹膜透析液とほぼ同等の除水量を示した。0.4%あるいは0.8%グルコースを添加した1.3%及び2.5%フリアラジンM腹膜透析液ではグルコース無添加フリアラジンM腹膜透析液に比較して除水量が増加した。特に、0.8%グルコースを添加した場合、1.3%フリアラジンM腹膜透析液ではグルコース無添加のフリアラジンM腹膜透析液に比較して、96〜120%、2.5%フリアラジンM腹膜透析液では 53〜68%除水量が有意に増加し(危険率p<0.05)、グルコース添加による相乗効果が示された。ゆえに、少なくとも0.4%、好ましくは0.6%、より好ましくは0.8%以上のグルコースを添加するのが好ましい。
【0066】
〈実施例3:各種糖の検討〉
添加する糖の種類と除水量の関係を検討するため、腎不全ラットを用いて0.8%のグルコース及びキシリトールを添加した2.5%フリアラジンM腹膜透析液で除水量を比較した。試験方法は、実施例2に示すものと同様である。その結果を図8に示した。キシリトールを添加した場合、グルコース添加の場合と同様に糖無添加の2.5%フリアラジンM腹膜透析液に比較して危険率p<0.05で除水量の有意な増加が見られ、その増加量は50%程度であった。0.8%キシリトール単独の場合の除水量は、0.8%グルコース単独と同程度の除水量を示した。一方、0.8%キシリトールを2.5%フリアラジンMに添加することでグルコースの場合と同様に除水量が相乗的に増加した。グルコース以外の糖であっても、フリアラジンMと組み合わせることで除水量の相乗的な増加が生じることが示された。
【0067】
【発明の効果】
本発明によると、時間が経っても高い除水効果が維持される腹膜透析液が提供される。このような、透析液によると、頻繁な交換が不要となり、頻繁な交換により患者に与える弊害を小さくすることができる。また、除水時間に対する除水効果が高いため、十分な除水効果を得るための透析時間を従来より短くすることができ、かかる点からも透析により患者に与える負担を小さくすることができる。
【0068】
さらに、晶質浸透圧剤と膠質浸透圧剤を併用することにより、除水効果が相乗的に増加する濃度を提供することができるので、浸透圧剤の総添加量を減ずることが可能となり、浸透圧剤により患者にもたらされる副作用を減ずることができる。
【0069】
また、晶質浸透圧剤と膠質浸透圧剤を併用することにより、それぞれを単独で使用した場合と比較して、同じ除水力を確保するための各浸透圧剤の配合量を少なくすることができるので、各浸透圧剤により引き起こされる副作用等を考慮して、各浸透圧剤の配合量を決定することができる。すなわち、本発明によると、副作用の小さい腹膜透析液を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フリアラジンM及びグルコースを含有する透析液について、透析膜を用いた  n vitro 透析試験における、6時間後の吸水率を示すグラフである。
【図2】フリアラジンAD及びグルコースを含有する透析液について、透析膜を用いたin vitro 透析試験における、6時間後の吸水率を示すグラフである。
【図3】GLD2ゼラチン及びグルコースを含有する透析液について、透析膜を用いたin vitro 透析試験における、6時間後の吸水率を示すグラフである。
【図4】GLD3ゼラチン及びグルコースを含有する透析液について、透析膜を用いたin vitro 透析試験における、6時間後の吸水率を示すグラフである。
【図5】腎不全ラットを用いた in vivo 透析試験における、除水量の経時変化を示すグラフである。
【図6】正常ラットを用いた in vivo 透析試験における総除水量を示すグラフである。
【図7】腎不全ラットを用いた in vivo 透析試験における総除水量を示すグラフである。
【図8】添加する糖の種類が異なる透析液について、腎不全ラットを用いた in vivo 透析試験における総除水量を示すグラフである。

Claims (16)

  1. 晶質浸透圧剤及び膠質浸透圧剤を含有する腹膜透析液。
  2. 前記晶質浸透圧剤は糖を含有する請求項1に記載の腹膜透析液。
  3. 前記糖の濃度が0.6〜2.5(質量/容量)%である請求項2に記載の腹膜透析液。
  4. 前記糖が単糖である請求項2または3に記載の腹膜透析液。
  5. 前記単糖がグルコースである請求項4に記載の腹膜透析液。
  6. 前記糖が糖アルコールである請求項2または3に記載の腹膜透析液。
  7. 前記糖アルコールがキシリトールである請求項6に記載の腹膜透析液。
  8. 前記膠質浸透圧剤はゼラチンを含有する請求項1乃至7いずれかに記載の腹膜透析液。
  9. 前記ゼラチンは低抗原性ゼラチンである請求項8に記載の腹膜透析液。
  10. 前記低抗原性ゼラチンは、平均分子量が30,000以下であり、アミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、のペプチドを含有する請求項9に記載の腹膜透析液。
  11. 前記平均分子量が約3,000または約8,000である請求項10に記載の腹膜透析液。
  12. 前記低抗原性ゼラチンは、平均分子量が30,000〜70,000であり、アミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、のペプチドを含有する請求項9に記載の腹膜透析液。
  13. 前記平均分子量が約40,000または約50,000である請求項12に記載の腹膜透析液。
  14. 前記ゼラチンは、アミノ酸配列がGly−X−Y−(Gly−X−Y)n、(Glyはグリシンを、XおよびYは任意のアミノ酸を表し、nは0以上である)、のペプチドを70(モル数/全モル数)%以上含有する請求項10乃至13いずれかに記載の腹膜透析液。
  15. 前記ゼラチンの濃度が0.5〜5.0(質量/容量)%である請求項8乃至14いずれかに記載の腹膜透析液。
  16. 前記ゼラチンの濃度が2.5(質量/容量)%である請求項15に記載の腹膜透析液。
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