JP2004015997A - 電磁制御型リニアアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ストロークの全域において、その推力及び変位を安定に保持でき、十分な推力を持ちながらも小型で高応答性であり、外部の制御回路により精度や動作及び推力を任意に設定できるリニアアクチュエータを得る。
【解決手段】第1ヨークと第2ヨークを組み合わせた内側に、互いに対向して設けられた第1センターヨークと第2センターヨークと、第1センターヨークに巻線し、固定された第1コイルと、第2センターヨークに巻線し、固定された第2コイルと、第2センターヨークの先端に固定された第1永久磁石と、この第1永久磁石と第1センターヨークの間に変位可能、かつ第1永久磁石と磁気的に同極が向き合うように設けられた第2永久磁石と、第1永久磁石と第2永久磁石の間及び第2永久磁石と第1センターヨークの間に発生する磁力の相互作用により、第2永久磁石に発生する変位及び推力を伝達する出力軸から成る電磁制御型リニアアクチュエータ。
【選択図】 図1
【解決手段】第1ヨークと第2ヨークを組み合わせた内側に、互いに対向して設けられた第1センターヨークと第2センターヨークと、第1センターヨークに巻線し、固定された第1コイルと、第2センターヨークに巻線し、固定された第2コイルと、第2センターヨークの先端に固定された第1永久磁石と、この第1永久磁石と第1センターヨークの間に変位可能、かつ第1永久磁石と磁気的に同極が向き合うように設けられた第2永久磁石と、第1永久磁石と第2永久磁石の間及び第2永久磁石と第1センターヨークの間に発生する磁力の相互作用により、第2永久磁石に発生する変位及び推力を伝達する出力軸から成る電磁制御型リニアアクチュエータ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を有する気体,液体などの流体の量を制御する直動式バルブにおいて、安定かつ正確に、高い応答性でアナログ的にリニアな制御ができるようにするための、電磁制御型リニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁力を利用したアクチュエータとしては、直線的変位と推力を得る、電磁ソレノイドやリニアモーター、角度変位と回転力を得る、ステッピングモーターやサーボモーターなどがあるが、本発明である電磁制御型リニアアクチュエータに分類されるものは電磁ソレノイドとリニアモーターが該当する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁力を利用したアクチュエータの課題として、一般の電磁ソレノイドではONかOFFかのふたつの状態にしか制御できない。
言い換えれば、その構造においては、ONもしくはOFFのときがもっとも安定した状態になる構造であることにほかならないため、動作の途中で外乱要素が加わった時には、目的の制御が阻害されることになる。
【0004】
よって、流体の量を制御するとき、アナログ的に滑らかな制御を行うことは構造的に不可能であるので、単位時間におけるONとOFFの時間を、任意に設定してやらなければならない。
【0005】
また、このような構造においては、流量が多く、かつ圧力が高い場合や逆流の恐れがある場合には、ONに必要な推力とOFFに必要な強いレートのスプリングを使用しなければならないので、その分、可動鉄心及びそれらを引き上げるための電磁石を大きくしなければならない。
【0006】
よって、可動鉄心の慣性力を考えた場合、ソレノイドの可動部分が大きくなるに従いONからOFF、もしくはOFFからONへの時間は長くなるので、ソレノイドが制御できる最大流量と最小流量は構造により限定されてしまうことになる。
【0007】
変わって、リニアモーターの場合は、推力や変位量は安定しているので外乱要素が加わっても制御が阻害されることは極めて少ないが、電磁力を発生する部位のピッチによって変位量における制御の最小単位が決ってしまう。
一方で推力は、ピッチ毎の電磁力により決定されることから、大きな推力を得るにはあまりピッチを細かく設定できない。
よって、電磁ソレノイド同様に、推力の強さと変位の細かさは両立しないことになる。
【0008】
本発明では、電磁ソレノイドの様な形状をとりながらも、ONとOFFの制御にとどまらずストロークの全域において、その推力及び変位を安定に保持でき、しかもリニアモーターのように、構造により精度や推力が限定されることなく、外部の制御回路により精度や動作及び推力を、任意に設定できる電磁制御型リニアアクチュエータの提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電磁制御型リニアアクチュエータは、第1ヨークと第2ヨークを組み合わせた内側に、互いに対向して設けられた第1センターヨークと第2センターヨークと、第1センターヨークに巻線し、固定された第1コイルと、第2センターヨークに巻線し、固定された第2コイルと、第2センターヨークの先端に固定された第1永久磁石と、この第1永久磁石と第1センターヨークの間に変位可能、かつ第1永久磁石と磁気的に同極が向き合うように設けられた第2永久磁石と、この第2永久磁石に片端が固定され、他端が第1センターヨークもしくは第2センターヨーク内を貫通し、かつ第1コイル及び第2コイルに流す電流を制御することにより、第1永久磁石と第2永久磁石の間及び第2永久磁石と第1センターヨークの間に発生する磁力の相互作用により、第2永久磁石に発生する変位及び推力を伝達する出力軸から成る。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて、詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の電磁制御型リニアアクチュエータの実施例の概略構造図を示す。
図において、電磁制御型リニアアクチュエータは、主として電磁石ユニット1と電磁石ユニット2と可動ユニット3から構成されている。
【0012】
電磁石ユニット1は、第1ヨーク4aと、この内部に設けられた第1センターヨーク5aと、この第1センターヨーク5aに巻線し固定された第1コイル6aと、第1コイル6aへの第1通電用配線7aにより構成される。
【0013】
電磁石ユニット2は、第2ヨーク4bと、この内部に設けられた筒形の第2センターヨーク5bと、この第2センターヨーク5bに巻線し固定された第2コイル6bと、第2コイル6bへの第2通電用配線7bと、非磁性体スペーサー9を介して、第2センターヨーク5bの先端、かつ第2ヨーク4bの内側に固定される筒形の第1永久磁石8aと、この第1永久磁石8aに貼付けられた保護プレート10により構成される。
【0014】
可動ユニット3は、片端に第2永久磁石8bが固定され、前記電磁石ユニット2の第2センターヨーク5bを貫通し、変位可能に設けられた出力軸11により構成される。
【0015】
全体の構造として、電磁石ユニット2と、可動ユニット3は、可動ユニット3の出力軸11が電磁石ユニット2の第2センターヨーク5bを貫通し、可動ユニット3の第2永久磁石8bと電磁石ユニット2の第1永久磁石8aが対向するように組み合わせる。この時、対向する第2永久磁石8b、第1永久磁石8aは磁気的に同極が向き合うものとする。
また、電磁石ユニット1、2同士は、第1センターヨーク5a、第2センターヨーク5bが、可動ユニット3の第2永久磁石8bを挟んで対向するように組み合わせ、非磁性体スペーサー9を介して結合することで、本発明の電磁制御型リニアアクチュエータが形成される。
【0016】
このような構造により、第1コイル6a、第2コイル6bに電流が流れていない時は、第2永久磁石8bと第1永久磁石8aが磁気的に同極で向き合っているので、反発力が発生すると共に、第2永久磁石8bは、第1ヨーク4aと第1センターヨーク5aで形成される磁気回路を通して、安定するように第1センターヨーク5a側に吸引力が発生するので、可動ユニット3は引く方向に推力を得ることになる。
【0017】
この時、第2コイル6bに、第1永久磁石8aの第2センターヨーク5b側と、そこに接する第2センターヨーク5bの先端が、磁気的に異極となるように電流を流すことで、第1永久磁石8aの磁力が強化されることになり、結果として第2永久磁石8bと第1永久磁石8a間の反発力が増加するので、可動ユニット3は引く方向により強い推力を得ることになる。加えて、第1コイル6aに、第2永久磁石8bとそれに向き合う第1センターヨーク5aの先端が磁気的に異極となるように、電流を流すことで、この間の吸引力が増加することになり、可動ユニット3は引く方向にさらに強い推力を得ることになる。
【0018】
また、可動ユニット3が押す方向に推力を得るには、第1コイル6aに、第2永久磁石8bとそれに向き合う第1センターヨーク5aの先端が磁気的に同極となるように、電流を流すことで反発力を発生させる必要がある。しかし、第2コイル6bに電流が流れていない時でも、第2永久磁石8bと第1永久磁石8aが磁気的に同極で向き合っていることにより反発力が発生しているので、この反発力を第2永久磁石8bと第1センターヨーク5a間の反発力の増加に応じて減少させなければならない。
このためには、第2コイル6bに、第1永久磁石8aの第2センターヨーク5b側と、そこに接する第2センターヨーク5bの先端が磁気的に同極となるように、電流を流す必要がある。これにより、第1永久磁石8aと第2センターヨーク5bは固定されているので、この間には反発力を生じる代わりに磁力を打ち消しあう作用が生じる。よって、第1コイル6aに流す電流の増加に比例して、第1センターヨーク5aと第2永久磁石8b間の反発力も増加するので、この反発力の増加に比例して第2コイル6bに流す電流を増加させ、第2永久磁石8bと第1永久磁石8a間の反発力を減少させることにより、可動ユニット3は押す方向に推力を得ることができる。
【0019】
可動ユニット3の変位に関しては、第1コイル6aと第2コイル6bに流す電流を適切に制御することにより、可動ユニット3のストロークの全域において安定した変位を確保することができるうえ、推力においては引く方向と押す方向で均衡した状態で変位しているので、動作の途中で外乱要素が加わったとしても、目的の制御が阻害されることはなくなる。また、前記のような制御ができることにより、アナログ的に滑らかな制御を行うことが可能となるので、構造的に制御の最小単位が限定されてしまうことはなくなる。
【0020】
なお本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、可動ユニット3の出力軸11が電磁石ユニット1の第1センターヨークを貫通するように変更し、電磁石ユニット2の第1永久磁石8aと可動ユニット3の第2永久磁石8bが磁気的に同極で向き合うようにすることで、第1コイル6a、第2コイル6bに電流を流さない状態での推力の方向を変更することができる。
【0021】
【発明の効果】
電磁ソレノイドのような、比較的簡単な構造をとりながらも、リニアアクチュエータとして要求されるON及びOFF状態の安定性は当然ながら、ストロークの全域においても安定した変位と推力が確保されるので、アナログ的でリニアな制御が可能となる。しかも、リニアモーターのように構造によって精度や推力が限定されることはなく、外部の制御回路により精度や動作及び推力を任意に設定できる。
【0022】
また、コイルにより発生する電磁力が出力軸等における永久磁石の磁力と有効に作用する構造であるため、可動部重量に比して推力を大きくすることができ、高い応答性と強い推力が両立できるので、出力軸に大きな外乱要素が加わった場合でも、目的の制御が阻害されることはない。また、小型であっても必要な推力と保持力が得られるので、一般の電磁ソレノイドのように、制御できる流量や圧力が構造により限定されてしまうことはなくなる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における概略構成図で、コイルに電流が流されて制御がなされている状態を示す。
【図2】本発明の一実施例における概略構成図で、コイルに電流が流されず制御がなされていない状態を示す。
【符号の説明】
4a 第1ヨーク
4b 第2ヨーク
5a 第1センターヨーク
5b 第2センターヨーク
6a 第1コイル
6b 第2コイル
7a 第1通電用配線
7b 第2通電用配線
9 非磁性体スペーサー
10 保護プレート
11 出力軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力を有する気体,液体などの流体の量を制御する直動式バルブにおいて、安定かつ正確に、高い応答性でアナログ的にリニアな制御ができるようにするための、電磁制御型リニアアクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁力を利用したアクチュエータとしては、直線的変位と推力を得る、電磁ソレノイドやリニアモーター、角度変位と回転力を得る、ステッピングモーターやサーボモーターなどがあるが、本発明である電磁制御型リニアアクチュエータに分類されるものは電磁ソレノイドとリニアモーターが該当する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁力を利用したアクチュエータの課題として、一般の電磁ソレノイドではONかOFFかのふたつの状態にしか制御できない。
言い換えれば、その構造においては、ONもしくはOFFのときがもっとも安定した状態になる構造であることにほかならないため、動作の途中で外乱要素が加わった時には、目的の制御が阻害されることになる。
【0004】
よって、流体の量を制御するとき、アナログ的に滑らかな制御を行うことは構造的に不可能であるので、単位時間におけるONとOFFの時間を、任意に設定してやらなければならない。
【0005】
また、このような構造においては、流量が多く、かつ圧力が高い場合や逆流の恐れがある場合には、ONに必要な推力とOFFに必要な強いレートのスプリングを使用しなければならないので、その分、可動鉄心及びそれらを引き上げるための電磁石を大きくしなければならない。
【0006】
よって、可動鉄心の慣性力を考えた場合、ソレノイドの可動部分が大きくなるに従いONからOFF、もしくはOFFからONへの時間は長くなるので、ソレノイドが制御できる最大流量と最小流量は構造により限定されてしまうことになる。
【0007】
変わって、リニアモーターの場合は、推力や変位量は安定しているので外乱要素が加わっても制御が阻害されることは極めて少ないが、電磁力を発生する部位のピッチによって変位量における制御の最小単位が決ってしまう。
一方で推力は、ピッチ毎の電磁力により決定されることから、大きな推力を得るにはあまりピッチを細かく設定できない。
よって、電磁ソレノイド同様に、推力の強さと変位の細かさは両立しないことになる。
【0008】
本発明では、電磁ソレノイドの様な形状をとりながらも、ONとOFFの制御にとどまらずストロークの全域において、その推力及び変位を安定に保持でき、しかもリニアモーターのように、構造により精度や推力が限定されることなく、外部の制御回路により精度や動作及び推力を、任意に設定できる電磁制御型リニアアクチュエータの提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電磁制御型リニアアクチュエータは、第1ヨークと第2ヨークを組み合わせた内側に、互いに対向して設けられた第1センターヨークと第2センターヨークと、第1センターヨークに巻線し、固定された第1コイルと、第2センターヨークに巻線し、固定された第2コイルと、第2センターヨークの先端に固定された第1永久磁石と、この第1永久磁石と第1センターヨークの間に変位可能、かつ第1永久磁石と磁気的に同極が向き合うように設けられた第2永久磁石と、この第2永久磁石に片端が固定され、他端が第1センターヨークもしくは第2センターヨーク内を貫通し、かつ第1コイル及び第2コイルに流す電流を制御することにより、第1永久磁石と第2永久磁石の間及び第2永久磁石と第1センターヨークの間に発生する磁力の相互作用により、第2永久磁石に発生する変位及び推力を伝達する出力軸から成る。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて、詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の電磁制御型リニアアクチュエータの実施例の概略構造図を示す。
図において、電磁制御型リニアアクチュエータは、主として電磁石ユニット1と電磁石ユニット2と可動ユニット3から構成されている。
【0012】
電磁石ユニット1は、第1ヨーク4aと、この内部に設けられた第1センターヨーク5aと、この第1センターヨーク5aに巻線し固定された第1コイル6aと、第1コイル6aへの第1通電用配線7aにより構成される。
【0013】
電磁石ユニット2は、第2ヨーク4bと、この内部に設けられた筒形の第2センターヨーク5bと、この第2センターヨーク5bに巻線し固定された第2コイル6bと、第2コイル6bへの第2通電用配線7bと、非磁性体スペーサー9を介して、第2センターヨーク5bの先端、かつ第2ヨーク4bの内側に固定される筒形の第1永久磁石8aと、この第1永久磁石8aに貼付けられた保護プレート10により構成される。
【0014】
可動ユニット3は、片端に第2永久磁石8bが固定され、前記電磁石ユニット2の第2センターヨーク5bを貫通し、変位可能に設けられた出力軸11により構成される。
【0015】
全体の構造として、電磁石ユニット2と、可動ユニット3は、可動ユニット3の出力軸11が電磁石ユニット2の第2センターヨーク5bを貫通し、可動ユニット3の第2永久磁石8bと電磁石ユニット2の第1永久磁石8aが対向するように組み合わせる。この時、対向する第2永久磁石8b、第1永久磁石8aは磁気的に同極が向き合うものとする。
また、電磁石ユニット1、2同士は、第1センターヨーク5a、第2センターヨーク5bが、可動ユニット3の第2永久磁石8bを挟んで対向するように組み合わせ、非磁性体スペーサー9を介して結合することで、本発明の電磁制御型リニアアクチュエータが形成される。
【0016】
このような構造により、第1コイル6a、第2コイル6bに電流が流れていない時は、第2永久磁石8bと第1永久磁石8aが磁気的に同極で向き合っているので、反発力が発生すると共に、第2永久磁石8bは、第1ヨーク4aと第1センターヨーク5aで形成される磁気回路を通して、安定するように第1センターヨーク5a側に吸引力が発生するので、可動ユニット3は引く方向に推力を得ることになる。
【0017】
この時、第2コイル6bに、第1永久磁石8aの第2センターヨーク5b側と、そこに接する第2センターヨーク5bの先端が、磁気的に異極となるように電流を流すことで、第1永久磁石8aの磁力が強化されることになり、結果として第2永久磁石8bと第1永久磁石8a間の反発力が増加するので、可動ユニット3は引く方向により強い推力を得ることになる。加えて、第1コイル6aに、第2永久磁石8bとそれに向き合う第1センターヨーク5aの先端が磁気的に異極となるように、電流を流すことで、この間の吸引力が増加することになり、可動ユニット3は引く方向にさらに強い推力を得ることになる。
【0018】
また、可動ユニット3が押す方向に推力を得るには、第1コイル6aに、第2永久磁石8bとそれに向き合う第1センターヨーク5aの先端が磁気的に同極となるように、電流を流すことで反発力を発生させる必要がある。しかし、第2コイル6bに電流が流れていない時でも、第2永久磁石8bと第1永久磁石8aが磁気的に同極で向き合っていることにより反発力が発生しているので、この反発力を第2永久磁石8bと第1センターヨーク5a間の反発力の増加に応じて減少させなければならない。
このためには、第2コイル6bに、第1永久磁石8aの第2センターヨーク5b側と、そこに接する第2センターヨーク5bの先端が磁気的に同極となるように、電流を流す必要がある。これにより、第1永久磁石8aと第2センターヨーク5bは固定されているので、この間には反発力を生じる代わりに磁力を打ち消しあう作用が生じる。よって、第1コイル6aに流す電流の増加に比例して、第1センターヨーク5aと第2永久磁石8b間の反発力も増加するので、この反発力の増加に比例して第2コイル6bに流す電流を増加させ、第2永久磁石8bと第1永久磁石8a間の反発力を減少させることにより、可動ユニット3は押す方向に推力を得ることができる。
【0019】
可動ユニット3の変位に関しては、第1コイル6aと第2コイル6bに流す電流を適切に制御することにより、可動ユニット3のストロークの全域において安定した変位を確保することができるうえ、推力においては引く方向と押す方向で均衡した状態で変位しているので、動作の途中で外乱要素が加わったとしても、目的の制御が阻害されることはなくなる。また、前記のような制御ができることにより、アナログ的に滑らかな制御を行うことが可能となるので、構造的に制御の最小単位が限定されてしまうことはなくなる。
【0020】
なお本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、可動ユニット3の出力軸11が電磁石ユニット1の第1センターヨークを貫通するように変更し、電磁石ユニット2の第1永久磁石8aと可動ユニット3の第2永久磁石8bが磁気的に同極で向き合うようにすることで、第1コイル6a、第2コイル6bに電流を流さない状態での推力の方向を変更することができる。
【0021】
【発明の効果】
電磁ソレノイドのような、比較的簡単な構造をとりながらも、リニアアクチュエータとして要求されるON及びOFF状態の安定性は当然ながら、ストロークの全域においても安定した変位と推力が確保されるので、アナログ的でリニアな制御が可能となる。しかも、リニアモーターのように構造によって精度や推力が限定されることはなく、外部の制御回路により精度や動作及び推力を任意に設定できる。
【0022】
また、コイルにより発生する電磁力が出力軸等における永久磁石の磁力と有効に作用する構造であるため、可動部重量に比して推力を大きくすることができ、高い応答性と強い推力が両立できるので、出力軸に大きな外乱要素が加わった場合でも、目的の制御が阻害されることはない。また、小型であっても必要な推力と保持力が得られるので、一般の電磁ソレノイドのように、制御できる流量や圧力が構造により限定されてしまうことはなくなる。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における概略構成図で、コイルに電流が流されて制御がなされている状態を示す。
【図2】本発明の一実施例における概略構成図で、コイルに電流が流されず制御がなされていない状態を示す。
【符号の説明】
4a 第1ヨーク
4b 第2ヨーク
5a 第1センターヨーク
5b 第2センターヨーク
6a 第1コイル
6b 第2コイル
7a 第1通電用配線
7b 第2通電用配線
9 非磁性体スペーサー
10 保護プレート
11 出力軸
Claims (1)
- 第1ヨークと第2ヨークを組み合わせた内側に、互いに対向して設けられた第1センターヨークと第2センターヨークと、第1センターヨークに巻線し、固定された第1コイルと、第2センターヨークに巻線し、固定された第2コイルと、第2センターヨークの先端に固定された第1永久磁石と、この第1永久磁石と第1センターヨークの間に変位可能、かつ第1永久磁石と磁気的に同極が向き合うように設けられた第2永久磁石と、この第2永久磁石に片端が固定され、他端が第1センターヨークもしくは第2センターヨーク内を貫通し、かつ第1コイル及び第2コイルに流す電流を制御することにより、第1永久磁石と第2永久磁石の間及び第2永久磁石と第1センターヨークの間に発生する磁力の相互作用により、第2永久磁石に発生する変位及び推力を伝達する出力軸から成る電磁制御型リニアアクチュエータ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002201949A JP2004015997A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 電磁制御型リニアアクチュエータ |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004015997A true JP2004015997A (ja) | 2004-01-15 |
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ID=30437310
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2004015997A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110071616A (zh) * | 2019-05-28 | 2019-07-30 | 北京理工大学 | 一种直线式磁通量压缩发电机构及包括其的发电机 |
WO2021225516A1 (en) * | 2020-05-04 | 2021-11-11 | Soon Seng Sin | Rapid action enabled and high driving force electromagnet moving magnet linear actuator |
-
2002
- 2002-06-06 JP JP2002201949A patent/JP2004015997A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110071616A (zh) * | 2019-05-28 | 2019-07-30 | 北京理工大学 | 一种直线式磁通量压缩发电机构及包括其的发电机 |
CN110071616B (zh) * | 2019-05-28 | 2020-07-28 | 北京理工大学 | 一种直线式磁通量压缩发电机构及包括其的发电机 |
WO2021225516A1 (en) * | 2020-05-04 | 2021-11-11 | Soon Seng Sin | Rapid action enabled and high driving force electromagnet moving magnet linear actuator |
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