JP2004015603A - 物体検知システム - Google Patents

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Abstract

【課題】車両等の不法投棄物などの物体を広域にわたって検知することが可能であるとともに、不法投棄物などの物体を高感度で撮像できるようにする。さらに低消費電力化を達成する。
【解決手段】検知領域内の画像を撮像する広角の監視用カメラ1と、その監視用カメラ1にて撮像された画像データに基づいて検知領域内に停止した物体を検知する制御部3と、検知領域内に停止した物体の画像を撮像する画像収録用カメラ2を設け、通常は、監視用カメラ1にて検知領域内の画像を撮像し、その検知領域内において停止物体が検知されたときに、はじめて画像収録用カメラ2を駆動して停止物体の画像データを採取してPCカード7等に記録する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不法投棄物などの物体(人を含む)を検知する物体検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車検切れ等により不要となった車両を道路・山林・河川敷などに不法投棄する件数が多くなってきている。不法投棄された車両は所有者を特定することが困難であり、所有者に廃棄処分をさせるまでに長期間を要する。さらに、所有者を特定できない場合は、自治体等において廃棄処分が行われることもあるが、多くの経費を要するという問題がある。このようなことから、不法投棄車両の撤去が効率よく進まず、長期間にわって放置されているのが現状である。
【0003】
また、2001年4月から施行された家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)により、一般家庭から排出される特定家庭用機器(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機が対象)の不法投棄が増加すると考えられる。
【0004】
このような不法投棄を防止するシステムとして、従来、不法投棄場所等の監視エリアの映像を監視カメラにて撮影し、その画像データをビデオデッキ(ビデオテープ)などの画像記録部に記録する監視システムがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、不法投棄車両の監視をカメラで行う場合、不法投棄者を特定するには、投棄車両のナンバープレートや投棄者の姿をとらえたカメラ画像が必要となる。また、通常の映像信号(NTSC)にて、車両のナンバープレートを特定するには、カメラ画像の横幅の2/3程度に車両が映っている必要がある。従ってナンバープレートや投棄者をとらえるには、カメラのレンズ倍率を望遠側にセットして使用する必要がある。しかしながら、そのような使用条件では、小規模の不法投棄現場(狭い管理エリア)であっても、車両の停止位置によって、車両のナンバープレートを確実にとらえることができず、確実な監視を行うことが難しい。
【0006】
一方、不法投棄監視システムとしては、固定設置タイプと可搬タイプの2つのタイプが考えられる。しかし、いずれのタイプであっても、設置環境における電源供給は商用電源を利用できないことが多く、従ってバッテリ駆動とする必要があることから、監視システムの低消費電力化も大きな課題となる。
【0007】
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、車両等の不法投棄物などの物体を広域にわたって検知することが可能であるとともに、不法投棄物などの物体を高感度でとらえることができ、しかも消費電力が少なくて済む物体検知システムの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の物体検知システムは、検知領域内の画像を撮像する監視用カメラと、その監視用カメラにて撮像された画像データに基づいて検知領域内に停止した物体を検知する制御部と、検知領域内に停止した物体の画像を撮像する画像収録用カメラを備え、前記検知領域内において停止物体が検知されたときに、前記画像収録用カメラが撮像を開始して、停止物体の画像データを採取するように構成されていることによって特徴づけられる。
【0009】
本発明の物体検知システムによれば、監視用と物体撮像用の2種類のカメラを設けているので、監視用カメラとして広角カメラ(例えばCMOSカメラ)を使用することができ、広域の監視が可能になる。また、停止車両を撮像する画像収録用カメラとして高感度でレンズ倍率の高いカメラ(例えばCCDカメラ)を使用することができるので、例えば停止車両のナンバープレートや不法投棄者を特定することが可能な高感度の画像データを採取することができる。
【0010】
しかも、監視用カメラとして消費電力が小さいCMOSカメラを使用して停止車両の検知を行い、停止車両を検知したときに、はじめて画像収録用カメラを駆動して停止車両の画像データを採取するという方式を採ることができるので、監視時における消費電力を少なくすることができる。
【0011】
本発明の物体検知システムにおいて、画像収録用カメラにて撮像された停止物体の画像データを画像記録媒体に記録しておくことが好ましい。この場合、画像記録媒体としてはPCカードを挙げることができる。
【0012】
本発明の物体検知システムにおいて、検知領域内に複数の画像処理検知枠を設定するとともに、それら画像処理検知枠のそれぞれについて前記検知処理を行うようにすることで、広域の監視を行うことが可能になる。
【0013】
本発明の物体検知システムにおいて、画像収録用カメラにパン角度及びチルト角度を制御する機能を付加し、それらパン角度及びチルト角度の制御により、画像収録用カメラの撮像範囲を、検知領域内の停止車両検知部位に合わせるという制御方法を採用してもよい。
【0014】
本発明の物体検知システムにおいて、制御部を遠隔制御機器に電話回線等の通信回線で接続しておいてもよい。この場合、例えば画像処理検知枠の設定及び停止車両検知条件などの画像処理設定パラメータ、画像収録用カメラのパン・チルト・移動速度及びレンズ倍率(レンズズーム)に関するカメラ制御データなどの各種情報を、携帯電話機等を介して制御部に送信することが可能になる。また、遠隔制御機器側において、例えばバッテリ残量やPCカード残量などを確認することも可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明の物体検知システムの実施形態の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1の物体検知システムは、車両の不法投棄監視に適用されるシステムであって、監視用カメラ1、画像収録用カメラ2、制御部3、バッテリ4、携帯電話機5及び遠隔制御用パソコン6などによって構成されている。
【0018】
監視用カメラ1及び画像収録用カメラ2は制御部3にケーブル等を介して接続されている。携帯電話機5は、遠隔制御用パソコン6との通信に用いられるもので、制御部3の通信アダプタ3nに接続されている。
【0019】
監視用カメラ1及び画像収録用カメラ2は同一のケース(図示せず)内に収容されている。また、制御部3の全体が制御ケース(図示せず)内に収容されており、その制御ケース内には携帯電話機5も収容される。
【0020】
監視用カメラ1は、検知領域A(図3参照)の全体画像を撮像する広角カメラであって、例えば消費電力が数十mWのCMOSカメラが用いられている。CMOSカメラは小型(例えば16.0mm×25.0mm×17.7mm)であり、画像収録用カメラ2と同一の小型ケース内にする収容することが可能である。
【0021】
画像収録用カメラ2は、検知領域A内に停止した車両(ナンバープレート等)を撮像するためのカメラであって、遠隔制御ができる高感度のCCDカメラが用いられている。
【0022】
画像収録用カメラ2は、パン角度とチルト角度及びその各移動速度を制御するためのパン・チルト機能、レンズ倍率の調整にてレンズズームを制御するズーム機能、及び、ワンショットフォーカスにてカメラピントを調整するピント調整機能を備えている。
【0023】
制御部3は、マイコン3a、ROM3b、ビデオデコーダ3c、フレームメモリ3d、フレームメモリコントローラ3e、JPEGメモリ(SRAM)3f、JPEGメモリコントローラ3g、JPEG圧縮LSI3h、画像記録側のSRAM3i、PCカードコントローラ3j、通信側のSRAM3k、シリアル通信用LSI3m、通信アダプタ3n、ビデオエンコーダ3P及びモニタ3Qを備えている。
【0024】
マイコン3aは、ROM3bに書き込まれたプログラムに従って、制御部3の各機能部を制御して、後述する背景データ採取処理、停止車両検知処理、カメラ制御、バッテリ制御、バッテリ・PCカードの監視、並びに通信制御などの各種処理を行う。
【0025】
ビデオデコーダ3cは、マイコン3aからの指令によって、通常は監視用カメラ1からの画像データ(ビデオ入力)を取り込んでフレームメモリコントローラ3eに送る。また、停止車両が検知(詳細は後述)されたときには、ビデオ入力を切り替えて画像収録用カメラ2からの画像データをフレームメモリコントローラ3eに送る。
【0026】
フレームメモリ3dは車両検知に使用するメモリであって、複数枚のフレーム分のデータ格納エリアが設定されている。フレームメモリコントローラ3eは、監視用カメラ1からの画像データをビデオデコーダ3cを介して取り込んで、フレームメモリ3dのデータ格納エリアに順次格納してゆく。
【0027】
また、フレームメモリコントローラ3eは、ビデオ入力の切り替えにより、画像収録用カメラ2からの画像データが送られてきたときには、その画像データをJPEGメモリコントローラ3gに転送する。JPEGメモリコントローラ3gは、フレームメモリコントローラ3eからの画像データ(画像収録用カメラ2の画像データ)をJPEGメモリ3fに格納する。
【0028】
JPEG圧縮LSI3hは、JPEGメモリ3fから画像データを読み出して圧縮する。その圧縮後の画像データは画像記録側のSRAM3iに格納される。また、JPEG圧縮LSI3hにて圧縮された画像データのうち、1フレーム分の画像データが通信側のSRAM3kに格納される。
【0029】
画像記録側のSRAM3iに格納された画像データ(圧縮データ)は、PCカードコントローラ3jにて読み出されてPCカード7に記録される。また、通信側のSRAM3kに格納された画像データ(圧縮データ)はシリアル通信用LSI3m及び通信アダプタ3nを介して携帯電話機5に送られる。
【0030】
遠隔制御用パソコン6は、後述する検知枠(画像処理検知枠)の設定及び停止車両検知条件(停止車両判定時間)などの画像処理設定パラメータ、画像収録用カメラ2のパン・チルト・移動速度及びレンズ倍率(レンズズーム)に関するカメラ制御データなどを携帯電話機5を介して制御部3に送信することができる。それら画像処理設定パラメータ及びカメラ制御データなどはマイコン3a内のメモリ(図示せず)に記憶される。
【0031】
また、遠隔制御用パソコン6は、制御部3から携帯電話機5を介して送信されてくる、バッテリ残量及びPCカード残量の各データをモニタ(図示せず)の画面上に表示する。
【0032】
さらに、遠隔制御用パソコン6は、制御部3から車両検知信号が送信されてきたときには、その旨を知らせる通報を画面表示や音声にて発する。また、制御部3から画像データが送信されてきたときには、その画像データをモニタ(図示せず)の画面上に表示する。
【0033】
なお、制御部3は、カメラ画像を直接表示できるモニタ3Qを有している。
【0034】
バッテリ4は、制御部3の各機能部と監視用カメラ1及び画像収録用カメラ2に電源供給を行う。
【0035】
次に、制御部3のマイコン3aが実行する、「背景データ採取処理」、「停止車両検知処理」、「カメラ制御」、「バッテリ制御」及び「バッテリ・PCカードの監視」の各処理について説明する。
【0036】
<背景データ採取処理>
マイコン3aは、次の▲1▼及び▲2▼の処理にて背景データを採取する。
【0037】
▲1▼監視用カメラ1の画像データを一定の間隔(約60msec)で採取してフレームメモリ3dに格納し、その画像データの明るさ(輝度)を求める。
【0038】
▲2▼画像データの明るさ(輝度)の時間平均(例えば約30sec)ごとの明るさの平均値)を求める。この平均輝度つまり背景データは平均化演算が行われるごとに順次記録・更新されてゆく。
【0039】
<停止車両検知処理>
マイコン3aは、前記した背景データ(平均輝度)と、現在の画像データ(監視用カメラ1から一定時間ごとに取り込まれる画像データ)の輝度との差分を求め、その画像データの輝度差分が、予め設定された閾値以上であり、かつその閾値を超えている状態が所定時間(停止車両検知時間:例えば5sec)連続したときに停止車両有りと判断して、車両検知信号をシリアル通信用LSI3m及び通信アダプタ3nを介して携帯電話機5に送る。
【0040】
ここで、車両の検知は、監視用カメラ1にて撮像された画像データ内(検知領域内)に設定する検知枠(画像処理検知枠)に、車両が停止するか否かで検知するという手法を採用する。
【0041】
この実施形態では、遠隔制御用パソコン6からの画像処理設定パラメータに基づいて、例えば図3に示すように、検知領域A内に複数の検知枠F1〜F5を設定しており、その各検知枠F1〜F5について上記した背景データ採取処理及び停止車両判定処理を実施する。そして、それら検知枠F1〜F5のうち、いずれかの検知枠の画像データの輝度差分が、閾値以上である状態が一定時間(停止車両検知時間)連続的したときに、車両検知信号を送信する。ただし、複数の検知枠F1〜F5を設定しているので、実際には、2つもしくはそれ以上の検知枠の画像データの輝度差分が同時に閾値以上になることがある。このような場合、画像データの輝度差分が一番大きくなった検知枠を車両検知エリアと判断する。
【0042】
なお、上記した停止車両検知の判断において、「閾値を超えている状態が所定時間連続したとき」という条件を加えているのは、誤検出を防止するためである。すなわち、「画像データの輝度差分が前記した閾値以上である」という条件のみで判断した場合、例えば、風の影響により監視用カメラ1が揺れたり、検知領域A内の木の枝や葉の揺れたりすると、検知領域A内に車両が存在していないにも関わらず、画像データの変化有りと判断してしまい、無駄な画像データを記録媒体5に記録してしまう可能性があるが、上記した条件を加えておくことにより、そのような風による影響を回避することができる。
【0043】
<カメラ制御>
マイコン3aは、停止車両を検知した時点でビデオ入力を行う画像収録用カメラ2に切り替え、次いで遠隔制御用パソコン6からのカメラ制御データに基づいて、複数の検知枠F1〜F5のうち、車両検知エリアと判断した検知枠(例えば検知枠F4)に、画像収録用カメラ2の撮像範囲を一致させるべく、カメラのパン角度及びチルト角度(移動速度も含む)を制御するとともに、その車両検知エリア(例えば検知枠F4)に対応したレンズ倍率でレンズズームを制御する。さらに、ワンショットフォーカスにて画像収録用カメラ2のカメラピントを調整する。
【0044】
なお、カメラ制御データのパン角度及びチルト角度とレンズ倍率の各制御データは、検知枠F1〜F5の各位置情報と画像収録用カメラ2の位置情報に基づいて、予め計算された制御データである。
【0045】
<バッテリ制御>
マイコン3aは、監視状態のときには、バッテリ4からの電源を監視用カメラ1のみに供給し、停止車両を検知した時点で電源供給を切り替えて、画像収録用カメラ2にバッテリ4からの電源を供給する。
【0046】
<バッテリ・PCカードの監視>
マイコン3aは、バッテリ4及びPCカード7の各残量を監視しており、それらバッテリ残量及びPCカード残量の各データを、シリアル通信用LSI3m及び通信アダプタ3nを介して携帯電話機5に送る。なお、バッテリ残量及びPCカード残量の各データの送信は、遠隔制御用パソコン6から送信指令があったとき、あるいは定期的に行うようにする。
【0047】
次に、図1の物体検知システムの動作を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0048】
まず、同一ケース内に収容された監視用カメラ1及び画像収録用カメラ2を不法投棄現場の木や電柱などに設置し、監視用カメラ1及び画像収録用カメラ2の視野を検知領域Aに向けておく。また、カメラ設置場所の近くに制御部3(携帯電話機5を含む)を設置しておく。
【0049】
以上の設置が完了した後、遠隔制御用パソコン6を操作して携帯電話機5との通信を行い、検知枠の設定及び停止車両検知条件(停止車両判定時間)などの画像処理設定パラメータ、画像収録用カメラ2のパン・チルト及び移動速度とレンズ倍率に関するカメラ制御データなどを送信して制御部3に設定する(ステップS1)。この設定を終えた後に、遠隔制御用パソコン6から動作開始指令を送信することにより監視を開始する(ステップS2)。
【0050】
監視中においては、監視用カメラ1からの画像データを取り込み(ステップS3)、その採取した画像データの明るさと背景データとの比較から、検知領域A内での停止車両の有無を判断する(ステップS4)。具体的には、検知領域A内の複数の検知枠F1〜F5のうち、いずれかの検知枠の画像データの輝度差分(背景データとの差分)が閾値以上である状態が所定時間(停止車両検知時間:例えば5sec)連続的したときに「停止車両有り」と判断してステップS5に進み、停止車両が検知されない場合にはステップS3に戻る。
【0051】
ステップS5においては、ステップS4での判断が「停止車両有り」となった時点つまり停止車両を検知した時点で、ビデオ入力を監視用カメラ1から画像収録用カメラ2に切り替える。また、カメラ制御データに基づいて画像収録用カメラ2のパン・チルト機能及びズーム機能を制御して、画像収録用カメラ2の撮像範囲を、検知領域A内の車両検知エリア(例えば検知枠F4)に合わせるとともに、画像収録用カメラ2のレンズズーム制御及びピント調整を行う。次いで画像収録用カメラ2の画像データをPCカード7に記録するとともに、制御部3から遠隔制御用パソコン6に向けて停止車両検知信号を送信して通報を発する(ステップS6)。さらに、遠隔制御用パソコン6に制御部3から画像データ(1フレーム分の圧縮データ)を伝送する(ステップS8)。
【0052】
ここで、画像収録用カメラ2にて撮像される画像は、カメラレンズの倍率が高くて、しかもカメラピントが合った高感度な画像であるので、その画像データから停止車両のナンバープレートや不法投棄者を特定することが可能になる。
【0053】
そして、以上の画像データの記録は、あらかじめ設定しておいた画像ファイル(JPEG)記録枚数分をPCカード7に格納する(ステップS7)。
【0054】
以上の実施形態によれば、各検知枠内における画像データの明るさの変化で停止車両を検知する方式を採用しているので、監視用カメラ1として広角カメラ(CMOSカメラ)を使用することができ、広域の監視が可能になる。また、停止車両を撮像する画像収録用カメラ2として高感度でレンズ倍率の高いCCDカメラを使用することができるので、不法投棄車両のナンバープレートや不法投棄者を特定することが可能な高感度の画像データを記録することができる。
【0055】
しかも、監視時において監視用カメラ1つまり消費電力が小さいCMOSカメラのみを駆動して停止車両の監視を行い、停止車両を検知したときに、はじめて画像収録用カメラ2を駆動して停止車両の画像を記録するので、監視時における消費電力が少なくて済み、バッテリ駆動であっても、長期間にわたって監視を行うことができる。
【0056】
また、本実施形態においては、バッテリ残量及びPCカード残量を遠隔制御用パソコン6にて確認することができるので、バッテリ切れや画像データ不記録などの不都合を防止することができ、監視の信頼性を高めることができる。
【0057】
ここで、マイコン3aによるカメラ制御の他の例を、図4を参照しながら説明する。この例のカメラ制御では、以下の▲1▼〜▲3▼の処理にて画像収録用カメラ2の撮像範囲を検知領域A内の車両検知エリアに合わせる。
【0058】
▲1▼まず、図4に示すように、検知領域Aの4角にそれぞれカメラの基準設定位置P1〜P4を設定しておく。
【0059】
▲2▼検知領域Aを撮像した画像データ(監視用カメラ1の画像データ)の全体の明るさの変化(背景データに対する変化)を計測し、その明るさ変化が設定感度レベル以上である場合、検知領域A内のどの位置で変化があったかを、変化値の重心計算によって求める。
【0060】
▲3▼上記処理にて求めた変化位置Xに、画像収録用カメラ2の撮像範囲の中心が一致するようにカメラ制御を行う。具体的には、変化位置Xに最も近い基準設定位置(図4の場合、基準設定位置P3)と変化位置Xとの位置情報から、画像収録用カメラ2のパン方向及びチルト方向の各移動量を計算し、その計算結果に基づいて画像収録用カメラ2のパン角度及びチルト角度を制御することによって、画像収録用カメラ2の撮像範囲の中心を変化位置Xに合わせる。
【0061】
なお、検知領域A内の検知枠F1〜F5の位置と画像収録用カメラ2の位置を予め合わせておき、車両を検知した場合、その車両検知と判断した検知枠にカメラを移動するシステムもある。
【0062】
以上の実施形態では、不法投棄車両の監視に本発明の物体検知システムを適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、例えば、家電リサイクル法に規定された特定家庭用機器(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機が対象)の不法投棄監視、あるいは車両の盗難監視、秘匿捜査の自動監視、重要文化財の監視(壁の落書き防止や器物損壊の防止)などにも適用できる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の物体検知システムによれば、検知領域内に停止した物体を検知する監視用カメラと、停止物体の画像を撮像する画像収録用カメラとの2種類のカメラを備えているので、車両等の不法投棄物などの物体を広域にわたって検知することが可能である。しかも、不法投棄物などの物体を高感度でレンズ倍率の高い画像収録用カメラで撮像することができるので、例えば不法投棄車両のナンバープレートや不法投棄者を特定することが可能な高感度の画像データを採取することできる。また、監視用カメラとして消費電力が小さいCMOSカメラを適用することができるので、監視時における消費電力が少なくて済み、バッテリ駆動であっても、長期間にわたって監視を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態の動作内容を示すフローチャートである。
【図3】検知領域に設定する複数の検知枠の例を示す図である。
【図4】カメラ制御の他の例の説明図である。
【符号の説明】
1 監視用カメラ(CMOSカメラ)
2 画像収録用カメラ(CCDカメラ)
3 制御部
3a マイコン
3b ROM
3c ビデオデコーダ
3d フレームメモリ
3e フレームメモリコントローラ
3f JPEGメモリ
3g JPEGメモリコントローラ
3h JPEG圧縮LSI
3i SRAM(画像記録側)
3j PCカードコントローラ
3k SRAM(通信側)
3m シリアル通信用LSI
3n 通信アダプタ
3P ビデオエンコーダ
3Q モニタ
4 バッテリ
5 携帯電話機
6 遠隔制御用パソコン
7 PCカード
A 検知領域
F1〜F5 検知枠(画像処理検知枠)

Claims (5)

  1. 検知領域内の画像を撮像する監視用カメラと、その監視用カメラにて撮像された画像データに基づいて検知領域内に停止した物体を検知する制御部と、検知領域内に停止した物体の画像を撮像する画像収録用カメラを備え、前記検知領域内において停止物体が検知されたときに、前記画像収録用カメラが撮像を開始して、停止物体の画像データを採取するように構成されていることを特徴とする物体検知システム。
  2. 前記画像収録用カメラにて撮像された停止物体の画像データを画像記録媒体に記録することを特徴とする請求項1記載の物体検知システム。
  3. 前記検知領域内に複数の画像処理検知枠が設定されているとともに、前記制御部は、それら画像処理検知枠のそれぞれについて前記検知処理を行うように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の物体検知システム。
  4. 前記画像収録用カメラは、パン角度及びチルト角度を制御する機能を備えており、それらパン角度及びチルト角度の制御により、画像収録用カメラの撮像範囲を、検知領域内の停止車両検知部位に合わせるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の物体検知システム。
  5. 前記制御部は、遠隔制御機器に電話回線等の通信回線で接続されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の物体検知システム。
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