JP2004015199A - 撮像方法および撮像装置および画像情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】色分解用のカラーフィルタを有する撮像素子1に、結像手段により結像された像に応じて蓄積された全画素の電荷を転送する際に、電荷のデータ転送をM(≧3)フィールドに分割して行い、全てのカラー信号と必要な画素数が揃うm(<M)フィールド分の転送データを用いて、少なくともYUV変換を含む画像処理を行う。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、撮像方法および撮像装置および画像情報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
色分解用のカラーフィルタを有する撮像素子に、結像手段により結像された像に応じて蓄積された全画素の電荷を転送し、所定の画像処理を行って画像を作成する撮像装置は、電子スティルカメラ等として知られ、また、携帯電話等の携帯情報端末やコンピュータ装置の機能の一部として組み込まれるようになってきている。
【0003】
また、撮像素子は、画素数の増大とコンパクト化の要請に応ずるべく「蓄積された全画素の電荷を転送する際に、電荷のデータ転送を複数フィールドに分割して行うインタレース転送方式の撮像素子」が一般化しつつある。
【0004】
例えば、このようなインタレース転送方式の撮像素子を用いるカラー電子スティルカメラで、色分解用のカラーフィルタが赤(R)・緑(G)・青(B)の原色系のものである場合、1フィールドに含まれる情報は赤(R)・緑(G)情報であるか、青(B)・緑(G)情報であり、カラー画像を作成するのに必要な情報は、1フィールドでは得られない。
【0005】
従来、この種の電子スティルカメラでは、全てのフィールドの転送が終了するまで、換言すれば、撮像素子に蓄積された全電荷の転送が終了するまで、一切の画像処理を行っておらず、例えば「撮影確認画像を表示するのに要する時間」が長くなる問題があった。
【0006】
また、上記のような電子スティルカメラでは、全電荷情報が画像処理の対象となるため、画像処理時間は、設定された解像度や圧縮率に拘わらず一定の時間を必要とすることになり、「低解像度用や高圧縮率用の画像」のように、本来少ない画像情報で足りるものを撮影した場合でも、次の撮影が可能になるまでに時間が掛かり「使い勝手が良くない」という問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は上述した事情に照らし、低解像度画像や高圧縮率画像の撮影の際、画像作成に必要な画像処理の時間を短縮でき、低解像度や高圧縮率の画像を撮影する場合に、次の撮影が可能になるまでの時間を短縮化できる撮像方法の実現を課題とする。
【0008】
この発明はまた、上記撮像方法を実施するための撮像装置、この撮像装置を少なくとも一部として有する画像情報処理装置の実現を別の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の撮像方法は以下の如き特徴を有する(請求項1)。
即ち、第1に、色分解用のカラーフィルタを有する撮像素子に、結像手段により結像された像に応じて蓄積された全画素の電荷を転送する際に、電荷のデータ転送をM(≧3)フィールドに分割して行う。
【0010】
第2に、全てのカラー信号と必要な画素数が揃うm(<M)フィールド分の転送データを用いて、少なくともYUV変換を含む画像処理を行う。
「YUV変換」は、転送された電荷のデータをYUV信号(輝度色差信号)に変換する画像処理である。
【0011】
請求項1記載の撮像方法において、フィールド数:Mを3以上の奇数とし、m=1とすることもできるし(請求項2)、フィールド数:Mを4以上の偶数とし、m=2とすることもできる(請求項3)。Mの上限は、撮像素子の製造条件にもよるが、10程度であると考えられ、実用上は、M=3、4、5、6程度が考えられる。
【0012】
上記請求項1または2または3記載の撮像方法において「mフィールド分の転送データが揃った時点(全てのカラー信号と必要な画素数が揃った時点)」で直ちに、少なくともYUV変換を含む画像処理を行うことができる(請求項4)。
【0013】
例えば、電子スティルカメラにこの発明の撮像方法を適用する場合、電子スティルカメラでは「連写」が行われることがあり、このような場合には、連写による情報のデータを取り合えず生データとして記憶させた後に、全てのカラー信号と必要な画素数(全画素数より少ない)を用いて「少なくともYUV変換を含む画像処理」を行うようにすることができる。
【0014】
上記請求項1〜4の任意の1に記載の撮像方法において、YUV変換を含む画像処理により「撮影確認画像」を作成することもできる(請求項5)。また、請求項1〜5の任意の1に記載の撮像方法において、YUV変換を含む画像処理により「サムネイル画像」を作成することもできる(請求項6)。
【0015】
即ち、請求項6記載の撮像方法では、撮影確認画像とともにサムネイル画像を作成することもできるし、サムネイル画像のみを作成することもできる。
【0016】
上記請求項1〜6の任意の1に記載の撮像方法においては「作成すべき画像の条件」を設定し、n(m≦n≦M)フィールド分の転送データを用いて画像処理を行って作成すべき画像を作成することができる(請求項7)。
【0017】
この請求項7記載の撮像方法における「作成すべき画像の条件」を「画像の解像度」とし、nを「設定された解像度の画像の作成に必要な画素数が揃うフィールド数」とすることができる(請求項8)。
【0018】
この場合、M=3とし、フィールド数:n=1に対して低解像度の画像を作成し、フィールド数:n=2に対して中解像度の画像を作成し、フィールド数:n=Mに対して高解像度の画像を作成する(請求項9)ことができ、M=4とし、フィールド数:n=2に対して低解像度の画像を作成し、フィールド数:n=Mに対して中解像度および/または高解像度の画像を作成する(請求項10)こともでき、さらには、M=6とし、フィールド数:n=Mに対して高解像度の画像を作成し、フィールド数:n=2に対して低解像度の画像を作成するか、またはフィールド数:n=4に対して中解像度もしくは低解像度の画像を作成する(請求項11)こともできる。
【0019】
上記請求項7記載の撮像方法における「作成すべき画像の条件」を「画像の圧縮率」とし、nを「設定された圧縮率の画像の作成に必要な画素数が揃うフィールド数」とすることができる(請求項12)。
【0020】
この場合、M=3として、フィールド数:n=1に対してJPEGフォーマットに画像圧縮処理を行う(請求項13)こともできるし、M=4または6とし、フィールド数:n=2に対してJPEGフォーマットに画像圧縮処理を行う(請求項14)こともできる。
【0021】
この発明の撮像装置は、上記請求項1〜14の任意の1に記載の撮像方法を実施する撮像装置であって、撮像素子と、結像手段と、撮像処理部と、画像処理手段とを有する(請求項15)。
【0022】
「撮像素子」は、色分解用のカラーフィルタを有する。
「結像手段」は、撮像素子に、撮像すべき像を結像させる手段である。結像手段は一般に、結像光学系(レンズ系や結像ミラー系、あるいはレンズ系とミラー系の複合系等)と、結像光束を撮像素子に対して通過・遮断するシャッタ、このシャッタの開閉を駆動する駆動部を有する。
【0023】
「撮像処理部」は、撮像素子に蓄積されて転送される電荷をデジタル信号化する撮像処理を行う。
「画像処理手段」は、撮像処理部を介して転送される転送データを用いて、少なくともYUV変換を含む画像処理を行う。
【0024】
そして、上記撮像素子は「インタレース転送方式の撮像素子」であって、蓄積された全画素の電荷を転送する際に、電荷のデータ転送をM(≧3)フィールドに分割して行う。
【0025】
請求項15記載の撮像装置の撮像素子が有するカラーフィルタは、赤(R)・緑(G)・青(B)の原色系のものとすることもできるし(請求項16)、イエロー(Y)・シアン(C)・マゼンタ(M)・緑(G)の補色系のものとすることもできる(請求項17)。
【0026】
上記請求項15または16または17記載の撮像装置において、インタレース転送方式の撮像素子におけるMを3とし、請求項9または13記載の撮像方法を実施することができ(請求項18)、また、インタレース転送方式の撮像素子におけるMを4もしくは6として、請求項10または11または14記載の撮像方法を実施することができる(請求項19)。
【0027】
請求項15〜19の任意の1に記載の撮像装置が請求項5または6の撮像方法を実施するものである場合、撮像確認画像及び/またはサムネイル画像を表示する表示部を有することができる(請求項20)。表示部は、これを撮像装置に設けず、外部の適宜の表示手段(コンピュータのディスプレイ等)を利用することもできる。
【0028】
請求項15〜20の任意の1に記載の撮像装置はまた「作成された画像を記憶させる外部記憶部」を着脱可能とすることもでき(請求項21)、撮像装置の一部として「作成された画像を記憶する画像保持領域」を有することもできる(請求項22)。画像保持領域は「外部記憶部を着脱できる撮像装置」にも設けることができる。
【0029】
この発明の画像情報処理装置は上記請求項15〜21の撮像装置を「少なくとも一部」として有する(請求項23)。即ち、画像情報処理装置は上記撮像装置自体であることも、これを一部に組み込んだより一般的な装置であることもできる。撮像素子自体である画像情報処理装置としては「電子スティルカメラ」を挙げることができる。
【0030】
撮像装置を装置の一部に組み込んだ画像情報処理装置としては、例えば、撮像装置を組み込んだ「携帯用のコンピュータや、携帯電話等の携帯用情報機器」、さらには監視用カメラ等を挙げることができる。撮像素子による画像処理で作成された画像は、これを画像情報として伝送することもできる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を説明する。
図1は、撮像装置の実施の1形態としての「電子スティルカメラ(通常デジタルカメラと呼ばれている)」のシステムの概略を示すブロック図である。
【0032】
符号1で示す「撮像素子」は色分解用のカラーフィルタを有する。具体的には、色分解用のカラーフィルタを用いたCCD等である。
【0033】
符号01で示す撮像レンズ群とシャッタ02と駆動部03とは、撮像素子1に「撮像すべき像」を結像させる「結像手段」を構成する。駆動部03はシャッタ02の開閉駆動を行うほか、オートフォーカス(AF)制御や、手ブレ補正制御に応じて撮像レンズ群のレンズ態位を変位駆動させるべく制御部5により制御される。
【0034】
符号2で示す「撮像処理部」は、撮像素子1に蓄積されて転送される電荷をデジタル信号化する撮像処理を行う。撮像処理部2は、CDS(相関2重サンプリング回路)2aやAGC(自動利得制御回路)2b、A/D(アナログ/デジタル変換回路)2c、TG(タイミング発生回路)等を有する。
【0035】
符号3で示す「画像処理部」は、CCD−I/F(CCDインタフェイス)3a、メモリコントローラ3b、YUV変換部3c、圧縮処理部3d、表示部I/F(表示部インタフェイス)3eを有する。
【0036】
符号4で示す「記憶部」は、画像処理を行うのに必要な「生データ」や、画像処理されたデータを格納するものであり、生データを格納するRAW−RGB領域4a、YUV領域4b、JPEG領域4cを有する。記憶部4の記憶は「揮発性」である。
【0037】
この実施の形態においては、撮像素子本体に外部から外部記憶部4’(具体的にはメモリカード)を着脱することができるようになっている。外部記憶部4’には「画像処理により作成された各種の画像」が記憶される。このように外部記憶部4’を着脱可能とするのに代えて、あるいは外部記憶部4’を着脱可能とするのとともに、撮像装置内部に画像保持領域4’’を設けて、この部分に上記各種画像を記憶させるようにしても良い。外部記憶部や画像保持領域の記憶は「不揮発性」である。
【0038】
符号5で示す「制御部(CPU)」は、画像処理部3におけるメモリコントローラ3bを介して画像処理部3の各部や記憶部4とのデータのやりとりを制御する他、撮像装置の全体を制御する。符号6で示す「表示部」は、サムネイル画像や撮影確認画像等を表示する部分である。符号7で示す「操作部」は、撮影条件や作成画像の条件等の設定を行う。
【0039】
撮像処理部2を介して転送される(デジタル信号化された)転送データを用いて、少なくとも「YUV変換」を含む画像処理を行う画像処理手段は、画像処理部3と記憶部4と制御部5とにより構成される。
【0040】
因みに、図1にシステムを示す「電子スティルカメラ」は、図2に示す如き形態を有している。図2において(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図である。符号20は「カメラ本体」を示し、符号21はカメラ本体20に対しヒンジ22により開閉自在に取り付けられた「上蓋」を示しており、図2は上蓋21を開いた状態を示している。正面図における符号01は図1において説明した「撮像レンズ群」、符号23は「ストロボ」、符号24は「ファインダ」を示す。
【0041】
図2(c)において、符号21Aは「液晶モニタ」、符号Swは「上蓋開閉検知スイッチ」を示す。即ち、上蓋開閉検知スイッチSwは上蓋21が開いているか閉じているかを検知するためのスイッチである。また符号B0は「バリア開放摘み」を示す。
【0042】
符号SDで示す「デートスイッチ」は電子スティルカメラへの日時の設定を行う。符号SFで示す「コマ送りスイッチ」は、例えば液晶モニタ21Aに表示されるサムネイル画像のコマ送り等を行うスイッチである。また、符号SM1で示す「記録モード切り換えスイッチ」は、カラー撮影モードやモノクロ撮影モード、あるいは単写モード、連写モードといった「記録モード」を切り換えるためのスイッチである。
【0043】
符号SM2で示す「画像モードスイッチ」は撮影画像サイズの設定等を行うスイッチである。符号SPは液晶モニタ21Aへの表示の有無を指定する「ディスプレイスイッチ」、符号SEは実行スイッチ(エンタースイッチ)を示す。符号SMは「メニュースイッチ」を示す。
【0044】
また、符号RLは撮影のシャッタ操作を行うための「レリーズスイッチ」を示している。これら各種スイッチは、図1の操作部7を構成するものである。
【0045】
図1において、撮像素子1は「蓄積された全画素の電荷を転送する際に、電荷のデータ転送をM(≧3)フィールドに分割して行うインタレース転送方式の撮像素子」である。撮像素子1は前述の如く「色分解のためのカラーフィルタ」を有する。カラーフィルタは、前述の原色系のものを用いることもできるし、補色系のものを用いることもできる。
【0046】
図3(a)は原色系のカラーフィルタの一部を示し、(b)は補色系のカラーフィルタの一部を示す。原色系のフィルタでは、Rは「赤フィルタ」、Gは「緑色フィルタ」、Bは「青色フィルタ」を表し、これら3種のフィルタR、G、Bが図の如く2次元に配列されている。横方向のフィルタの並びをみると、ある列ではフィルタRとフィルタGとが交互に並び、別の列ではフィルタBとフィルタGが交互に並ぶ。従って、カラーフィルタ全体においてフィルタGが全フィルタ数の1/2を占め、フィルタRとフィルタBとが1/4づつを占める。
【0047】
補色系のフィルタでは、Yは「イエローフィルタ」、Cは「シアンフィルタ」、Mは「マゼンタフィルタ」、Gは「緑色フィルタ」を表し、これら4種のフィルタY、C、M、Gが図の如く2次元に配列されている。横方向のフィルタの並びをみると、ある列ではフィルタMとフィルタGとが交互に並び、別の列ではフィルタYとフィルタCが交互に並ぶ。従って、各フィルタは全フィルタ数の1/4づつを占める。
【0048】
上述のように、カラーフィルタとしては原色系のものも補色系のものも用いることができるが、以下では説明の具体性のため、図3(a)に示す如き「原色系のカラーフィルタ」を用いる場合を説明する。
【0049】
先に述べたように、撮像素子1は「蓄積された全画素の電荷を転送する際に、電荷のデータ転送をM(≧3)フィールドに分割して行うインタレース転送方式の撮像素子」である。以下に先ず、M=3の場合を説明する。
【0050】
図4(a)、(b)、(c)は、M=3のインタレース転送方式の撮像素子における垂直方向(図の上下方向)における「2列分の画素(受光素子)」の配列を示している。R、Gr、Gb、Bは各画素に対応して配列したフィルタを示している。図の左右方向である水平方向には、ある列では、フィルタRの画素とフィルタGrの画素とが交互に配列し、別の列では、フィルタBの画素とフィルタGbの画素とが交互に配列している。フィルタGrは「フィルタRの配列ライン上にある緑フィルタ」であり、フィルタGbは「フィルタBの配列ライン上にある緑フィルタ」である。
【0051】
例えば、図4(a)において図の上下方向(垂直方向)における画素の配列は3つづつのグループに分けられている。即ち、垂直方向の画素配列の左側に、1、2、3の数字が繰り返し記されているが、この数字の1つは、水平方向における画素配列の1列を表している。このような水平方向における画素配列の1列が「フィールド」である。これらのフィールドを画素の左側に記された数字で表し、第1フィールド、第2フィールド、第3フィールドと呼ぶ。
【0052】
図4(a)に示されたように、撮像素子の垂直方向の画素配列は、第1フィールド、第2フィールド、第3フィールドの繰り返しとなっている。そこで、フィールドの繰り返しの1周期を構成する第1、第2及び第3フィールドをまとめて「フィールド群」と呼ぶことにする。
【0053】
図4において、撮像素子の全画素に蓄積された電荷の転送は以下のように行われる。即ち、転送が開始されると、先ず、各フィールド群における第1フィールドに属する画素の電荷が転送される。図4(a)はこの状態を説明図として示している。この転送を便宜上「1次転送(各フィールド群の第1フィールドにおける画素の電荷が転送される)」と呼ぶ。
【0054】
1次転送が終了したら、次には、各フィールド群における第2フィールドに属する画素の電荷が転送される。図4(b)はこの状態を示し、この転送を「2次転送」と呼ぶ。2次転送が終了すると、各フィールド群における第3フィールドに属する画素の電荷が転送される「3次転送」が実行される(図4(c))。
【0055】
従って、3次転送が終了した時点において「全電荷の転送」が終了することになる。なお、上記1次、2次、3次の転送の際「同じ次数の転送」で転送されるデータを「同次の転送データ」と呼ぶ。
【0056】
以下、撮像素子1がこのような「蓄積された全画素の電荷を転送する際に、電荷のデータ転送を3つのフィールド(第1〜第3フィールド)に分割して行うインタレース転送方式の撮像素子」である場合における画像処理と画像の作成を、図6のフロー図を参照して説明する。
【0057】
この実施の形態においては、撮影の条件として撮影画像の解像度を「低・中・高」の3段階に設定することができ、さらに、サムネイル画像を必ず作成し、撮影確認画像の作成の有無は選択的に設定できるものとする。
【0058】
するとまず「撮影の条件の設定」が行われることになるが、この設定は図1における操作部7の操作により行われる。若干具体的に説明すると、図2に示すように電子スティルカメラ本体21に対し上蓋21Aを開き、ディスプレイスイッチSPにより液晶モニタ21Aを表示状態とする。
【0059】
メニュースイッチSMにより液晶モニタ21Aに、図5に示すような設定画面を表示し、記録設定を行う。図5の例では、フォーカス制御として「AF(オートフォーカス)」が設定され、撮影確認画像の液晶モニタ21Aへの表示は「オフ」あるいは表示時間「1秒」、「3秒」のうちから、例えば図のように「1秒」が設定され、記録画像の解像度は「高」、「中」、「低」のうちから例えば「中」が設定された状態を示している。このようにして設定がすんだら、実行スイッチSEにより設定内容を確定する。解像度を設定するのに代えて、画像圧縮率に対しても同様な表示をしてユーザの選択により設定を行うことができる。
【0060】
この状態で撮影が行われる。図6のフロー図におけるスタートの状態では「撮影により撮像素子の全画素に電化が蓄積」されている。
【0061】
転送が開始されると、撮影対象の画像に応じ撮像素子1に蓄積された電荷のデータが3つのフィールドに分割され、1次転送〜3次転送が順次行われる。転送されるデータは、撮像処理部2においてCDS2aで「相関2重サンプリング」され、AGC2bで自動利得制御されたのちA/D2cによりデジタル信号(デジタルデータ)に変換され、信号処理部3のCCD−I/F3a、メモリコントローラ3bをへて記憶部4に格納される(S1)。
【0062】
その際、制御部5が「第1フィールドのデータ転送の完了」を確認(S2)すると、その時点(S2の「Yes」)で「撮影確認画像表示の設定」の有無を確認する(S3)。撮影条件の設定が図5の如くであれば、撮影確認画像が1秒間表示される。
【0063】
ここで、1次転送が完了した状態を見ると、相続くフィールド群における第1フィールドにはカラー情報としてR情報(赤成分情報)、G情報(緑成分情報)、B情報(青成分情報)が含まれているから、1次転送が完了したとき、1次転送で「同次に転送されたデータ」には、カラー画像を作成するのに必要な情報が全て含まれており、また、低解像度のカラー画像を作成するのに必要な画素数も含まれている。
【0064】
従って、この段階において画像処理を行うことができる。
【0065】
処理S3において「撮影確認画像を表示する設定」が確認されたとき(S3の「Yes」)は、同次に転送された第1フィールドの転送データを基に「撮影確認画像」を作成する画像処理を行う(S4)。このように作成された撮影確認画像は、表示部I/F3eを介して表示部6に表示される。
【0066】
続いて、サムネイル画像を作成する画像処理(S5)が行われる。なお、処理S3において「撮影確認画像を表示する設定でない」ことが確認された場合(S3の「No」)は、「撮影確認画像の作成」を略してサムネイル画像を作成する画像処理を行う。
【0067】
次ぎに、作成する画像の解像度が「低」に設定されているか否かを確認し(S6)、「低解像度」が設定されている場合(S6の「Yes」)には、第1フィールドの転送データ(1次転送による同次の転送データ)による画像処理を行って(S7)、「低解像度の画像」を作成する。
【0068】
設定された解像度が「低」でないとき(S6の「No」)には、第2フィールドのデータ転送(2次転送)の完了を確認し(S8)、さらに、作成する画像の解像度が「中」に設定されているか否かを確認する(S9)。
【0069】
「中解像度」が設定されている場合(図5は、この場合に該当する)(S9の「Yes」)は、第1、第2フィールドの転送データ(1次転送及び2次転送のデータ)を用いて「中解像度の画像」を作成する画像処理を行う(S10)。
【0070】
処理S9において、設定されている解像度が「中」でない(S9の「No」)場合は、第3フィールドのデータ転送(3次転送)の完了を確認し(S11)、第1、第2、第3フィールドの転送データ(全画素のデータ)を用いた「高解像度の画像」を作成する画像処理を行う(S12)。
【0071】
図1を参照すると、撮像素子1からの転送データは、第1、第2、第3フィールドの順に、撮像処理部2を介して信号処理部3のCCD−I/F3a,メモリコントローラ3bを経て記憶部4のRAW−RGB領域4aに「生データ」として格納される。
【0072】
記憶部4のRAW−RGB領域4aに格納されたR・G・B情報のデータは、上に説明したように、撮影確認画像の表示の有無、解像度「低」、「中」、「高」等の「ユーザの設定」に応じ、各フィールドの転送完了の検出後、メモリコントローラ3bを介してYUV変換部3cに送られ、YUV変換によりYUV信号のデータに変換され、記憶部4のYUV領域4bに格納される。
【0073】
上記のように、第1フィールドの転送データ(1次転送の同次の転送データ)により作成される撮影確認画像、サムネイル画像は、表示部I/F3eを介して表示部6に表示される。また、設定された解像度が「低」である場合には、メモリコントローラ3bを介して、YUV信号のデータが再度、記憶部4のYUV領域4bから読み出されて圧縮処理部3dへ送られ、圧縮処理部3dによるJPEGフォーマットへの圧縮処理が行われ、圧縮されたデータは記憶部4のJPEG領域4cに格納される。
【0074】
記憶部4のJPEG領域4cへの格納が行われる際、JPEG圧縮されたデータにヘッダデータ等が付加され「JPEG画像データ」として、制御部5による制御により外部記憶部4’に保存される。画像保存領域4’’がある場合には、画像保存領域4’’に保存しても良い。
【0075】
設定された解像度が「中」の場合は第2フィールドのデータ転送(2次転送)の完了を検出し、第1、第2フィールドの転送データを用いて画像処理を行い、同様に、設定された解像度が「高」である場合には第3フィールドのデータ転送の完了を検出して、第1〜第3フィールドの転送データ(全画素のデータ)を用いた画像処理を行う。
【0076】
具体例として、水平:2048画素、垂直:1536画素の300万画素の撮像素子(CCD)を用いる場合、3回の分割転送(1次〜3次転送)を行うインタレース転送方式では、1回の転送により水平2048:画素、垂直:512画素のデータ(同次の転送データ)が転送される。
【0077】
従って、水平:640画素、垂直:480画素(VGA)サイズを記録する場合であれば、第1フィールドの転送画素数は画像を作成するのに十分である。さらに、第1、第2フィールドの転送画素数(1次転送の同次の転送データと、2次転送の同次の転送データとの和)は、水平:2048画素、垂直:1024画素となり、水平:1024画素、垂直:768画素(XGA)サイズや、水平:1280画素、垂直:1024画素サイズの画像を生成できる。
【0078】
なお、第1フィールドあるいは「第1及び第2フィールド」の転送データを用いる場合、水平画素と垂直画素のアスペクト比が異なるため「水平方向に長い画像」となるが、YUV変換部3cにおいて変換処理する際に、記憶部4のRAW−RGB領域4aから「水平方向を間引きした読み出し」等の処理でアスペクト比の調整をすればよい。
【0079】
撮影確認画像やサムネイル画像と同様の「VGAサイズの画像記録」を目的とする場合は、撮影した画像処理は第1フィールドの転送データ(1次転送の同次の転送データ)で十分であるから、第2、第3フィールドのデータ転送の処理を中止して次の撮影に移ることで、処理を速くすることができる。
【0080】
即ち、設定された解像度(低・中・高)に応じた画像処理に必要なフィールド数の転送データを用い、不要なフィールドのデータ転送を行わずに、次の撮影を開始して処理の高速化を図ることができる。
【0081】
また、撮像素子1から転送される第1〜第3フィールドの転送データを選択して行う画像処理を、圧縮率の設定に対応させて上記の選択を行うようにすることもできる。
【0082】
例えば「早く記録して、早く送信したい」ような場合は、高い圧縮率を選ぶ場合が多い。そこで、高圧縮率が設定された場合には第1フィールドの転送データを用いて画像処理し、中圧縮率では第1、第2フィールド、低圧縮率では第1〜第3フィールドの転送データを用いるといった選択を行うことができる。
【0083】
上には、撮像素子におけるフィールドの分割数(1つのフィールド群を構成するフィールドの数):Mが3である場合を説明したが、今後、撮像素子の画素数が増えて全画素数の転送時間が増加することが考えられる。このような場合、分割した1フィールドの転送画素数(1次転送の同次の転送データ)からVGAサイズの画像を得られる場合には、5つのフィールドに分割してデータ転送を行う場合(M=5)のように、Mが3より大きい奇数である場合にも、上記と同様の画像処理を行うことができる。
【0084】
以下には、インタレース転送方式の撮像素子1におけるフィールドの分割数:Mが4である場合につき図7を参照して説明する。
【0085】
図7(a)、(b)、(c)は、M=4のインタレース転送方式の撮像素子における垂直方向(図の上下方向)における「2列分の画素(受光素子)」の配列を、図4に倣って示している。繁雑を避けるため、混同の虞が無いとおもわれるものについては図4におけると同一の符号を付した。従って、図4におけると同一の符号を付した部分は、図4に即して説明したのと同様のものである。
【0086】
図の左右方向である水平方向には、ある列では「フィルタRの画素とフィルタGrの画素とが交互」に配列し、別の列では「フィルタBの画素とフィルタGbの画素とが交互」に配列している。
【0087】
例えば、図7(a)において図の上下方向(垂直方向)における画素の配列は4つづつのグループに分けられている。即ち、垂直方向の画素配列の左側に、1、2、3、4の数字が繰り返し記されており、これらの数字の一々がフィールドを表す。即ち図7においては、第1フィールド、第2フィールド、第3フィールド、第4フィールドが1つの「フィールド群」を構成する。
【0088】
図7において、撮像素子の全画素に蓄積された電荷の転送は以下のように行われる。即ち、転送が開始されると先ず、各フィールド群における第1フィールドに属する画素の電荷の転送(1次転送)が行われ(図7(a))、1次転送が終了したら各フィールド群における第2フィールドに属する画素の電荷の転送(2次転送)が行われる(図7(b))。2次転送が終了すると、各フィールド群における第3フィールドに属する画素の電荷の転送(3次転送)が行われ(図7(c))、最後に各フィールド群における第4フィールドに属する画素の電荷の転送(4次転送)が行われる(図7(d))。
【0089】
従って、4次転送が終了した時点において「全電荷の転送」が終了することになる。
【0090】
以下、このような撮像素子を用いる画像処理と画像の作成を、図8のフロー図を参照して説明する。
【0091】
この実施の形態においては、撮影の条件として撮影画像の解像度を「低・中・高」の3段階に設定することができ、さらに、サムネイル画像を必ず作成し、撮影確認画像の作成の有無は選択的に設定できるものとする。
【0092】
まず、撮影の条件の設定が行われることになるが、この設定は、先に説明したM=3の場合と同様であり、設定状態は、例えば、図5に示す如きものとなる。
【0093】
この状態で撮影が行われる。図8のフロー図における「スタート」の状態では、撮影により撮像素子の全画素に電化が蓄積されている。
【0094】
転送が開始されると、撮影対象の画像に応じ撮像素子1に蓄積された電荷のデータが4つのフィールドに分割され、1次転送〜4次転送が順次行われる。転送されるデータは、図1の撮像処理部2においてCDS2aで「相関2重サンプリング」され、AGC2bで自動利得制御されて、A/D2cによりデジタル信号(デジタルデータ)に変換され、信号処理部3のCCD−I/F3a、メモリコントローラ3bをへて記憶部4に格納される(S21)。
【0095】
その際、制御部5が「第1、第2フィールドのデータ転送の完了」を確認(S22)すると、その時点(S22の「Yes」)で「撮影確認画像表示の設定」の有無を確認する(S23)。撮影条件の設定が図5の如くであれば、撮影確認画像が1秒間表示される。
【0096】
ここで、1次転送が完了した状態を見ると、第1フィールドにはカラー情報としてR情報(赤成分情報)、G情報(緑成分情報)のみが含まれ、B情報(青成分情報)が含まれていない。このため、1次転送が完了した状態では「同次に転送されたデータ」には、カラー画像を作成するのに必要な情報が全ては含まれていない。
【0097】
しかし、2次転送が完了すると、1次転送で同次に転送されたデータと2次転送で同次に転送されたデータには、カラー情報としてR情報(赤成分情報)、G情報(緑成分情報)、B情報(青成分情報)の全てが含まれており、従って2次転送が完了したとき、転送されたデータには「カラー画像を作成するのに必要な情報」が全て含まれており、また、低解像度のカラー画像を作成するのに必要な画素数も含まれている。
【0098】
従って、この段階において画像処理を行うことができる。
【0099】
処理S23において「撮影確認画像を表示する設定」が確認されたとき(S23の「Yes」)は、第1フィールドと第2フィールドの転送データを基に「撮影確認画像」を作成する画像処理を行う(S24)。このように作成された撮影確認画像は、表示部I/F3eを介して表示部6に表示される。
【0100】
続いて、サムネイル画像を作成する画像処理(S25)が行われる。処理S23において「撮影確認画像を表示する設定でない」ことが確認された場合(S23の「No」)には、「撮影確認画像の作成」を略してサムネイル画像を作成する画像処理を行う。
【0101】
次ぎに、作成する画像の解像度が「低」に設定されているか否かを確認し(S26)、「低解像度」が設定されている場合(S26の「No」)には、第1、第2フィールドの転送データ(1次、2次転送による同次の転送データの和)による画像処理を行って(S27)、「低解像度の画像」を作成する。
【0102】
設定された解像度が「低」でないとき(S26の「Yes」)には、第3、第4フィールドのデータ転送(3次、4次転送)の完了を確認し(S28)、完了が確認されたとき(S28の「Yes」)は、第3、第4フィールドの転送データ(3次転送及び4次転送のデータ)を用いて画像処理を行う。
【0103】
設定されている解像度が「中」であるときも「高」であるときも、4次転送後の転送データを用いて、画像処理を行う。高解像度の画像を作成するときには4次転送後の全ての画素データ(全データ)を用いて画像処理を行い、中解像度の画像を作成する場合には、全データからデータの間引きを行って必要画素数のデータを得、これに対して画像処理を行う(S29)。
【0104】
図1を参照すると、撮像素子1からの転送データは、第1、第2、第3、第4フィールドの順に、撮像処理部2を介して信号処理部3のCCD−I/F3a,メモリコントローラ3bをへて、記憶部4のRAW−RGB領域4aに「生データ」として格納される。
【0105】
記憶部4のRAW−RGB領域4aに格納されたR・G・B情報のデータは、上に説明したように、撮影確認画像の表示の有無、解像度「低」、「中」、「高」と言った「ユーザの設定」に応じ、各フィールドの転送完了の検出後、メモリコントローラ3bを介してYUV変換部3cに送られ、YUV変換によりYUV信号のデータに変換され、記憶部4のYUV領域4bに格納される。
【0106】
上記のように、第1、第2フィールドの転送データ(1次転送及び2次転送における各同次の転送データ)により作成される撮影確認画像、サムネイル画像は、表示部I/F3eを介して表示部6に表示される。また、設定された解像度が「低」である場合には、メモリコントローラ3bを介して、YUV信号のデータが再度、記憶部4のYUV領域4bから読み出され、圧縮処理部3dへ送られ、圧縮処理部3dによるJPEGフォーマットへの圧縮処理が行われ、圧縮されたデータは記憶部4のJPEG領域4cに格納される。
【0107】
記憶部4のJPEG領域4cへの格納が行われる際、JPEG圧縮されたデータにヘッダデータ等が付加され「JPEG画像データ」として、制御部5による制御により外部記憶部4’に保存される。画像保存領域4’’がある場合には、画像保存領域4’’に保存しても良い。
【0108】
設定された解像度が「中」、「高」の場合は第3、第4フィールドのデータ転送(3次、4次転送)の完了を検出し、第1〜第4フィールドの転送データを用いて画像処理を行う。
【0109】
具体例として、水平:2048画素、垂直:1536画素の300万画素の撮像素子(CCD)を用いる場合、4回の分割転送(1次〜4次転送)を行うインタレース転送方式では、1回の転送により水平2048:画素、垂直:384画素のデータ(同次の転送データ)が転送される。
【0110】
従って、水平:640画素、垂直:480画素(VGA)サイズを記録する場合であれば、第1および第2フィールドの転送画素数(水平:2048画素、垂直:768画素)は「画像を作成するのに十分」であり、水平:1024画素、垂直:768画素(XGA)サイズの画像を生成できる。
【0111】
「第1及び第2フィールド」の転送データを用いる場合、水平画素と垂直画素のアスペクト比が異なるため「水平方向に長い画像」となるが、YUV変換部3cにおいて変換処理する際に、記憶部4のRAW−RGB領域4aから「水平方向を間引きした読み出し」等の処理でアスペクト比の調整をすればよい。
【0112】
撮影確認画像やサムネイル画像と同様の「VGAサイズの画像記録」を目的とする場合は、撮影した画像処理は第1及び第2フィールドの転送データで十分であるから、第3、第4フィールドのデータ転送の処理を中止して次の撮影に移ることで、処理を速くすることができる。
【0113】
即ち、設定された解像度(低・中・高)に応じた画像処理に必要なフィールド数の転送データを用い、不要なフィールドのデータ転送を行わずに、次の撮影を開始して処理の高速化を図ることができる。
【0114】
また、撮像素子1から転送される第1〜第4フィールドの転送データを選択して行う画像処理を、圧縮率の設定に対応させて上記の選択を行うようにすることもできる。
【0115】
例えば「早く記録して、早く送信したい」ような場合は、高い圧縮率を選ぶ場合が多い。そこで、高圧縮率が設定された場合には第1および第2フィールドの転送データを用いて画像処理し、中圧縮率あるいは低圧縮率では第1〜第4フィールドの転送データを用いるといった選択を行うことができる。
【0116】
上には、撮像素子におけるフィールドの分割数(1つのフィールド群を構成するフィールドの数):Mが4である場合を説明したが、今後、撮像素子の画素数が増えて全画素数の転送時間が増加する事が予想される。
【0117】
その場合、Mとして4より大きい偶数、例えば、M=6とし、6つのフィールドに分割してデータ転送する場合、撮影確認画像やサムネイル画像、低解像度や高圧縮率の記録画像を作成する場合は、第1および第2フィールドの転送で得られた転送データを用いて画像作成を行い、中解像度や中圧縮率の記録画像を作成する場合は、第1〜第4フィールドの転送で得られた転送データを用いて画像を作成い、高解像度または低圧縮率の記録画像を作成する場合は第1〜第6フィールドの転送で得られる転送データを用いて画像を作成することができる。
【0118】
上に図1〜図7に即して説明した実施の形態では、色分解用のカラーフィルタを有する撮像素子1に、結像手段により結像された像に応じて蓄積された全画素の電荷を転送する際に、電荷のデータ転送をM(≧3)フィールドに分割して行い、全てのカラー信号と必要な画素数が揃うm(<M)フィールド分の転送データを用いて、少なくともYUV変換を含む画像処理を行う撮像方法(請求項1)が実施される。
【0119】
図4、図6に即して説明した実施の形態では、フィールド数:Mが3以上の奇数で、m=1である撮像方法が実施され(請求項2)、図7、図8に即して説明した実施の形態では、フィールド数:Mが4以上の偶数であり、m=2である撮像方法(請求項3)が実施される。
【0120】
また、上に説明した実施の各形態では、mフィールド分の転送データが揃った時点で直ちに、少なくともYUV変換を含む画像処理が行われ(請求項4)、YUV変換を含む画像処理により、撮影確認画像が作成され(請求項5)、サムネイル画像が作成される(請求項6)。
【0121】
また上記実施の各形態では、作成すべき画像の条件が設定され、n(m≦n≦M)フィールド分の転送データを用いて画像処理を行い、作成すべき画像を作成し(請求項7)、作成すべき画像の条件が「画像の解像度」で、nが、設定された解像度の画像の作成に必要な画素数が揃うフィールド数である(請求項8)。
【0122】
図4、図5、図6に即して説明した実施の形態では、M=3で、フィールド数:n=1に対して低解像度の画像が作成され、フィールド数:n=2に対して中解像度の画像が作成され、フィールド数:n=Mに対して高解像度の画像が作成される(請求項9)。
【0123】
また、図5、図7、図8に即して説明した実施の形態では、M=4で、フィールド数:n=2に対して低解像度の画像が作成され、フィールド数:n=Mに対して中解像度の画像および/または高解像度の画像が作成される(請求項10)が、上述したように、M=6とし、フィールド数:n=Mに対して高解像度の画像を作成し、フィールド数:n=2に対して低解像度の画像を作成するか、または、フィールド数:n=4に対して中解像度もしくは低解像度の画像を作成することができる(請求項11)。
【0124】
また、上に説明したように、各実施の形態において、作成すべき画像の条件として「画像の圧縮率」を用い、nを「設定された圧縮率の画像の作成に必要な画素数が揃うフィールド数」とすることができ(請求項12)、図4、図5、図6に即して説明した実施の形態では、M=3、フィールド数:n=1に対してJPEGフォーマットに画像圧縮処理が行われ(請求項13)、図5、図7、図8に即して説明した実施の形態では、M=4または6で、フィールド数:n=2に対してJPEGフォーマットに画像圧縮処理を行うことができる(請求項14)。
【0125】
図1に実施の形態を示した撮像装置は、色分解用のカラーフィルタを有する撮像素子1と、この撮像素子1に、撮像すべき像を結像させる結像手段01、02、03と、撮像素子1に蓄積されて転送される電荷をデジタル信号化する撮像処理する撮像処理部2と、この撮像処理部を介して転送される転送データを用いて、少なくともYUV変換を含む画像処理を行う画像処理手段3、4、5とを有し、撮像素子1が、蓄積された全画素の電荷を転送する際に、電荷のデータ転送をM(≧3)フィールドに分割して行うインタレース転送方式のものである(請求項15)。
【0126】
撮像素子の有するカラーフィルタは赤(R)・緑(G)・青(B)の原色系のものである(請求項16)が、上述の如く、これに代えてイエロー(Y)・シアン(C)・マゼンタ(M)・緑(G)の補色系のものでもよい(請求項17)。
【0127】
図1および図4、図5、図6に即して実施の形態を説明した撮像装置は、インタレース転送方式の撮像素子1におけるMが3で、上記請求項9または13記載の撮像方法を実施するものであり(請求項18)、図1、図5、図7、図8に即して実施の形態を説明した撮像装置で、インタレース転送方式の撮像素子1におけるMが4もしくは6で、請求項10または11または14記載の撮像方法を実施するものである(請求項19)。
【0128】
さらに、上に実施の形態を説明した撮像装置は、請求項5または6の撮像方法を実施するものであって撮像確認画像及び/またはサムネイル画像を表示する表示部6を有し(請求項20)、作成された画像を記憶させる外部記憶部4’を着脱可能である(請求項21)。そして、作成された画像を記憶する画像保持領域4’’を有することができる(請求項22)。
【0129】
即ち、上に実施の形態を説明した電子スティルカメラは、請求項15〜21の撮像装置を、少なくとも一部として有する画像情報処理装置(請求項23)の1例である。
【0130】
例えば、撮影確認画像を表示する場合、撮像素子における全画素のデータを転送してから画像処理を行う場合、撮影確認画像が表示されるまでに、従来の300万画素のもので0.3秒ほどの時間が必要であったが、M=3、m=1とする場合であると、その1/3の0.1秒程度、M=4、m=2とする場合であると、1/2の0.15秒程度で撮影確認画像を表示することができ、使い勝手が向上する。
【0131】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明の撮像方法によれば、撮像素子に蓄積された電荷を転送する際に、全画素のデータの転送を待たずに画像データの作成ができるので、撮影画像の確認や、次の撮影を開始するまでの処理時間を短縮することができる。従って、この発明の撮像方法を実施する撮像装置や画像情報処理装置はユーザの使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】撮像装置もしくは画像情報処理装置の実施の1形態である電子スティルカメラのシステム構成を示す図である。
【図2】上記電子スティルカメラの形態の1例を示す図である。
【図3】撮像素子が有する色分解用のカラーフィルタを説明するための図で、(a)は原色系のもの、(b)は補色系のものを示す。
【図4】M=3の場合のインタレース転送方式を説明するための図である。
【図5】撮影条件の設定の1例を説明するための図である。
【図6】図4のインタレース方式の撮像素子を用いる撮像方法の実施の1形態を説明するためのフロー図である。
【図7】M=4の場合のインタレース転送方式を説明するための図である。
【図8】図7のインタレース方式の撮像素子を用いる撮像方法の実施の1形態を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
1 撮像素子(CCD)
2 撮像処理部
3 信号処理部
4 記憶部(SDRAM)
4’ 外部記憶部(メモリカード)
5 制御部(CPU)
6 表示部
7 操作部
Claims (23)
- 色分解用のカラーフィルタを有する撮像素子に、結像手段により結像された像に応じて蓄積された全画素の電荷を転送する際に、上記電荷のデータ転送をM(≧3)フィールドに分割して行い、
全てのカラー信号と必要な画素数が揃うm(<M)フィールド分の転送データを用いて、少なくともYUV変換を含む画像処理を行うことを特徴とする撮像方法。 - 請求項1記載の撮像方法において、
フィールド数:Mが3以上の奇数であり、m=1であることを特徴とする撮像方法。 - 請求項1記載の撮像方法において、
フィールド数:Mが4以上の偶数であり、m=2であることを特徴とする撮像方法。 - 請求項1または2または3記載の撮像方法において、
mフィールド分の転送データが揃った時点で直ちに、少なくともYUV変換を含む画像処理を行うことを特徴とする撮像方法。 - 請求項1〜4の任意の1に記載の撮像方法において、
YUV変換を含む画像処理により、撮影確認画像を作成することを特徴とする撮像方法。 - 請求項1〜5の任意の1に記載の撮像方法において、
YUV変換を含む画像処理により、サムネイル画像を作成することを特徴とする撮像方法。 - 請求項1〜6の任意の1に記載の撮像方法において、
作成すべき画像の条件を設定し、
n(m≦n≦M)フィールド分の転送データを用いて画像処理を行い、上記作成すべき画像を作成することを特徴とする撮像方法。 - 請求項7記載の撮像方法において、
作成すべき画像の条件が、画像の解像度であり、
nが、設定された解像度の画像の作成に必要な画素数が揃うフィールド数であることを特徴とする撮像方法。 - 請求項8記載の撮像方法において、
M=3であり、フィールド数:n=1に対して低解像度の画像を作成し、フィールド数:n=2に対して中解像度の画像を作成し、フィールド数:n=Mに対して高解像度の画像を作成することを特徴とする撮像方法。 - 請求項8記載の撮像方法において、
M=4であり、
フィールド数:n=2に対して低解像度の画像を作成し、フィールド数:n=Mに対して中解像度の画像および/または高解像度の画像を作成することを特徴とする撮像方法。 - 請求項8記載の撮像方法において、
M=6であり、
フィールド数:n=Mに対して高解像度の画像を作成し、フィールド数:n=2に対して低解像度の画像を作成するか、またはフィールド数:n=4に対して中解像度もしくは低解像度の画像を作成することを特徴とする撮像方法。 - 請求項7記載の撮像方法において、
作成すべき画像の条件が、画像の圧縮率であり、
nが、設定された圧縮率の画像の作成に必要な画素数が揃うフィールド数であることを特徴とする撮像方法。 - 請求項12記載の撮像方法において、
M=3であり、フィールド数:n=1に対してJPEGフォーマットに画像圧縮処理を行うことを特徴とする撮像方法。 - M=4または6であり、フィールド数:n=2に対してJPEGフォーマットに画像圧縮処理を行うことを特徴とする撮像方法。
- 請求項1〜14の任意の1に記載の撮像方法を実施する撮像装置であって、
色分解用のカラーフィルタを有する撮像素子と、
この撮像素子に、撮像すべき像を結像させる結像手段と、
上記撮像素子に蓄積されて転送される電荷をデジタル信号化する撮像処理を行う撮像処理部と、
この撮像処理部を介して転送される転送データを用いて、少なくともYUV変換を含む画像処理を行う画像処理手段とを有し、
上記撮像素子が、蓄積された全画素の電荷を転送する際に、上記電荷のデータ転送をM(≧3)フィールドに分割して行うインタレース転送方式の撮像素子であることを特徴とする撮像装置。 - 請求項15記載の撮像装置において、
撮像素子の有するカラーフィルタが、赤(R)・緑(G)・青(B)の原色系のものであることを特徴とする撮像装置。 - 請求項15記載の撮像装置において、
撮像素子の有するカラーフィルタが、イエロー(Y)・シアン(C)・マゼンタ(M)・緑(G)の補色系のものであることを特徴とする撮像装置。 - 請求項15または16または17記載の撮像装置において、
インタレース転送方式の撮像素子におけるMが3であり、請求項9または13記載の撮像方法を実施するものであることを特徴とする撮像装置。 - 請求項15または16または17記載の撮像装置において、
インタレース転送方式の撮像素子におけるMが4もしくは6であり、請求項10または11または14記載の撮像方法を実施するものであることを特徴とする撮像装置。 - 請求項15〜19の任意の1に記載の撮像装置において、
請求項5または6の撮像方法を実施するものであり、撮像確認画像及び/またはサムネイル画像を表示する表示部を有することを特徴とする撮像装置。 - 請求項15〜20の任意の1に記載の撮像装置において、
作成された画像を記憶させる外部記憶部を着脱可能であることを特徴とする撮像装置。 - 請求項15〜21の任意の1に記載の撮像装置において、
作成された画像を記憶する画像保持領域を有することを特徴とする撮像装置。 - 請求項15〜21の撮像装置を、少なくとも一部として有する画像情報処理装置。
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