JP2004014591A - 露光装置および露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】同じパターンの描画に対して電子ビームを多重露光するにあたり、描画精度の向上とスループットの向上との両立を図ること。
【解決手段】本発明は、電子ビームを照射して基板上に所定のパターンを描画する露光装置において、描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンを抽出する抽出手段(演算回路71a)と、抽出手段で抽出されたパターンについて、抽出されなかったパターンより多くの回数の電子ビームを照射する多重描画を施す描画手段(ブランカー2、ビーム偏向器3、ステージ4)とを備える露光装置である。また、描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンを抽出する工程と、抽出されたパターンについて、抽出されなかったパターンより多くの回数の電子ビームを照射する多重描画を施す工程とを備える露光方法でもある。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明は、電子ビームを照射して基板上に所定のパターンを描画する露光装置において、描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンを抽出する抽出手段(演算回路71a)と、抽出手段で抽出されたパターンについて、抽出されなかったパターンより多くの回数の電子ビームを照射する多重描画を施す描画手段(ブランカー2、ビーム偏向器3、ステージ4)とを備える露光装置である。また、描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンを抽出する工程と、抽出されたパターンについて、抽出されなかったパターンより多くの回数の電子ビームを照射する多重描画を施す工程とを備える露光方法でもある。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビームを基板上に照射して所定のパターンを描画する露光装置および露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
可変成形型電子ビーム露光装置では、露光される図形は全て、矩形または三角形のショットに分割され、逐次基板上に露光される。この場合、電子ビーム露光装置で基板上に露光したパターンは、各ショットの組み合わせで決まるが、各々のショットには線幅や位置のバラツキがあり、このバラツキがマスク上のパターン成形精度に反映される。
【0003】
特に、半導体リソグラフィ工程で用いるマスクの作製を電子ビーム露光で行う場合、マスク上に形成されたパターンのバラツキは半導体リソグラフィ工程でウェハ基板上へそのまま転写され、悪影響を及ぼすことになる。例えば、ウェハで形成するデバイスの中で高精度な線幅精度や位置精度が求められる部分に上記のようなマスク上のバラツキが転写された場合、非常に大きな問題となってしまう。
【0004】
ここで、電子ビーム露光方法において、高精度な線幅を必要とする箇所についての露光方法として、次のような方法が開示されている。例えば、特開平9−293667号公報では、高精度な線幅を必要とする部分に露光ショットのつなぎ部が来ないようにして、線幅制御性を向上させる方法が提案されている。しかしながら、本方法は露光ショットつなぎに起因する線幅誤差要因を解消するものであり、ショットつなぎの有無にかかわらず発生する線幅バラツキ要因には対応していない。また、特開2001−35766号公報では、高精度な線幅を必要とする箇所を光リソ工程での限界解像度以下の細かい露光ショットに分割して、露光ショットで生じる線幅誤差が光リソ工程で解像しないようにする露光する方法が提案されている。しかしながら、本方法では光限界解像以下という非常に細かいショットに分割することによる膨大なショット数増加は容易に考えられ、描画スループットの悪化が避けられないという問題がある。
【0005】
さらに、電子ビーム露光での描画パターンのバラツキを低減する技術として、「多重露光方法」が一般的に知られている。多重露光方法は複数回のショットで露光することにより、1回あたりのショット線幅や位置誤差を平均化して、最終的にマスク上で形成される線幅や位置精度を向上することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような多重露光方法では一つのパターンの描画に対して複数回の露光を行うため、露光スループットの増大は避けられず、製品コストの上昇を招くという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、電子ビームを照射して基板上に所定のパターンを描画する露光装置において、描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンを抽出する抽出手段と、抽出手段で抽出されたパターンについて、抽出されなかったパターンより多くの回数の電子ビームを照射して多重描画を施す描画手段とを備える露光装置である。また、電子ビームを照射して基板上に所定のパターンを描画する露光方法において、描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンを抽出する工程と、抽出されたパターンについて、抽出されなかったパターンより多くの回数の電子ビームを照射して多重描画を施す工程とを備える露光方法でもある。
【0008】
このような本発明では、描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンに対して、他のパターンより多くの回数の電子ビームを照射して多重露光を施すため、必要なパターンに対する描画精度とスループット向上とを両立できるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。先ず、本実施形態に係る露光方法の概要を、図1のフローチャートおよび図2のパターン概略図に基づいて説明する。なお、本実施形態では、露光対象として半導体デバイスの中でのゲート層のマスクを作製する場合を例とする。
【0010】
図1において、層S1はゲート層、層S2はアクティブ層である。また、図2ではゲート層とアクティブ層との配置関係が示されている。半導体デバイスのゲート層G1では、アクティブ層G2との論理積で得られる領域(図2の濃いドット部分参照)がゲート素子GSとして動作する。
【0011】
ゲート素子GSでは、形成される線幅によって素子のスピードおよび消費電力が決定されるため、極めて厳しい線幅制御が要求される。そのため、リソグラフィ工程で使用されるマスク上のパターン形成においても、非常に厳しい線幅精度が求められることになる。したがって、本実施形態ではゲート層マスクの中でも、ゲート素子となる部分の線幅精度を向上させることを目的とする。
【0012】
本実施形態で用いる露光装置は、層S1および層S2のように、複数の露光データを入力できる。また、本実施形態では基本的にマスク全面描画は1回露光で行うことを前提としておく。以下、ステップに従って、露光方法の流れを説明する。
【0013】
[ステップ1]
電子ビーム露光装置に層S1と層S2の露光データを入力する。
[ステップ2]
入力された2つの層の露光データについて論理演算を行い、論理積で得られる部分の領域情報を抽出する。該当する領域を領域R1とし、その他の領域を領域R2とする。
[ステップ3]
領域R1の露光データのみ、電子線露光装置での2回多重露光方法に適するようにデータ処理を行い、その他の部分は1回露光対応のままにしておく。
[ステップ4]
領域R1は2回多重描画、領域R2は1回描画を用いて、マスク基板上に電子線でパターンを露光する。
【0014】
以上のステップ作業により、領域R1に該当するゲート層でのゲート素子となる部分は2回多重露光を行うことで、1回露光に比較して線幅精度および位置精度を向上させることができる。一方、領域R2に該当する部分、すなわちゲート素子部とは異なるいわばゲート層の中でもそれほど露光精度を要求されない部分については1回露光とすることで、描画スループットを向上できる。つまり、これらによって、必要な部分の露光精度は向上させつつ描画スループットの増大を最小限に留めることができるようになる。
【0015】
次に、本実施形態に係る露光装置を説明する。図3は、本実施形態に係る露光装置を説明する構成図である。すなわち、この露光装置は、電子銃1、ブランカー2、ビーム偏向器3、ステージ4から成る描画手段を備えており、ステージ4上に基板等の試料を載置した状態で電子銃1から電子ビームを照射してパターンを直接描画するものである。
【0016】
ブランカー2は電子銃1から出射される電子ビームを試料へ照射するか否かを制御する部分であり、ブランキング制御回路21によって制御される。ビーム偏向器3は偏光器制御回路31によって制御され、ブランカー2を通過した電子ビームのXY方向に対する偏向を行い、電子ビームの照射形状を制御する部分である。ステージ4はステージ制御回路41によって移動が制御され、ステージ4の移動によって試料に対する電子ビームの照射位置を設定できるようになっている。
【0017】
また、本実施形態の露光装置では、上記の基本構成に加え、露光パターンデータ準備装置61、図形演算装置71、パターンデータ転送回路81および制御コンピュータ51を備えている。
【0018】
露光パターンデータ準備装置61は、例えば外部のデータベースから露光パターンデータを読み込んでハードディスクH1、H2に格納し、所定の条件の適合するパターンとそれ以外のパターンとをパターン分類装置61aで分類してメモリA、Bに保存する処理を行う。
【0019】
図形演算装置71は、露光パターンデータ準備装置61のメモリA、Bから分類毎にパターンデータを読み込んで演算回路71aによって所定の論理演算を行う。演算回路71aは所定の条件に適合したパターンを抽出する抽出手段となる。パターンデータ転送回路81は演算回路71aの演算結果を格納するメモリC、Dからパターンデータを読み出して偏向器制御回路31等へ転送する処理を行う。
【0020】
制御コンピュータ51は、露光パターンデータ準備装置61、図形演算装置71、パターンデータ転送回路81を制御する処理を行う。
【0021】
次に、この露光装置によるデータの流れおよび露光方法を説明する。なお、ここでは、層S1と層S2のパターンデータを、図形演算によって高精度に露光する部分とそれ以外の部分に分け、高精度に露光する部分は2重露光、それ以外の部分は1重露光する場合を例とする。
【0022】
先ず、入力データとして、露光装置で露光できるフォーマットにデータ変換されたパターンデータを、露光パターンデータ準備装置に入力する。その際、層S1に該当するパターンデータをハードディスクH1に、層S2に該当するパターンデータをハードディスクH2に格納する。
【0023】
ハードディスクH1、H2に格納されたパターンデータは、パターン分類装置61aで処理され、露光される単位(フィールド:例えば1mm□)毎のデータに切り出されて、結果がそれぞれメモリA、Bに格納される。
【0024】
各メモリA、Bに格納された露光フィールド毎のパターンデータは、図形演算処理装置71に入力される。そして演算回路71aによって層S1と層S2とを元にした図形演算(ここでは「and」演算)が行なわれ2重露光すべき高精度が要求されるパターン部分はメモリCに、それ以外のパターン部分はメモリDにそれぞれ格納される。
【0025】
2重露光されるデータは、メモリCからパターンデータ転送装置81に転送され、2重露光に応じた制御信号が装置の各制御回路(ブランキング制御回路21、偏向器制御回路31、ステージ制御回路41)に送られ、試料上にパターン露光される。
【0026】
例えば、ブランカー2には2重露光に必要な露光時間(1回の露光あたり、通常露光の1/2の露光時間)で露光されるような制御信号が与えられる。偏向器制御回路31には露光ビームの位置、ステージ制御回路41には試料の位置を制御する信号が与えられる。
【0027】
一方、メモリDに格納された2重露光以外のパターンについても、同様にパターンデータ転送回路81を経て装置の各制御回路(ブランキング制御回路21、偏向器制御回路31、ステージ制御回路41)に所望の制御信号が与えられ、所望のパターンが1重露光により露光される。
【0028】
上記のデータ処理は、実際の露光作業とリアルタイムに、露光単位(例えば1mm□フィールド)毎に行なわれ、装置本体に送られる各制御信号とデータ処理のシーケンスは制御コンピュータ51により制御される。
【0029】
以上、実施形態に基づいて本発明の内容を説明したが、本発明の範囲は実施形態に限定されるものではない。実施形態ではマスク作製のゲート層を対象としたが、その他の層であっても、またマスク作製以外の加工で高精度な露光精度が要求される部分に本発明を適用してもよい。そのために、必要な領域を抽出するのに必要な露光対象以外の層の露光データも、必要数入力および論理演算ができるものとする。
【0030】
また、本実施形態では露光精度を向上させたい領域を2回多重露光する方法を用いたが、多重露光回数は限定されるものではなく、例えば4重露光などの違う露光回数を選択できるものとする。
【0031】
また、上記実施形態では、露光精度を向上させたい領域の抽出として、露光データの論理演算による結果を用いているが、論理演算以外でも例えば描画するパターンが所定の領域に含まれているか否かを条件として抽出を行うようにしてもよい。
【0032】
さらに、本実施形態で説明したリソグラフィ工程とは、光リソグラフィ工程はもちろんのこと、電子線を用いた電子線転写リソグラフィ工程などにも適用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。すなわち、リソグラフィ工程で使用するマスクの作製や、微細加工でのパターン描画において、高精度を要求される部分のみ、より多くの露光回数での多重露光を用いることで、露光スループットの増大を最小限に留めつつ、必要な部分のパターン形成精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る露光方法の概要を説明するフローチャートである。
【図2】露光パターンの概略図である。
【図3】本実施形態に係る露光装置を説明する構成図である。
【符号の説明】
1…電子銃、2…ブランカー、3…ビーム偏向器、4…ステージ、21…ブランキング制御回路、31…偏向器制御回路、41…ステージ制御回路、51…制御コンピュータ、61…露光パターンデータ準備装置、71…図形演算装置、71a…演算回路、81…パターンデータ転送回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビームを基板上に照射して所定のパターンを描画する露光装置および露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
可変成形型電子ビーム露光装置では、露光される図形は全て、矩形または三角形のショットに分割され、逐次基板上に露光される。この場合、電子ビーム露光装置で基板上に露光したパターンは、各ショットの組み合わせで決まるが、各々のショットには線幅や位置のバラツキがあり、このバラツキがマスク上のパターン成形精度に反映される。
【0003】
特に、半導体リソグラフィ工程で用いるマスクの作製を電子ビーム露光で行う場合、マスク上に形成されたパターンのバラツキは半導体リソグラフィ工程でウェハ基板上へそのまま転写され、悪影響を及ぼすことになる。例えば、ウェハで形成するデバイスの中で高精度な線幅精度や位置精度が求められる部分に上記のようなマスク上のバラツキが転写された場合、非常に大きな問題となってしまう。
【0004】
ここで、電子ビーム露光方法において、高精度な線幅を必要とする箇所についての露光方法として、次のような方法が開示されている。例えば、特開平9−293667号公報では、高精度な線幅を必要とする部分に露光ショットのつなぎ部が来ないようにして、線幅制御性を向上させる方法が提案されている。しかしながら、本方法は露光ショットつなぎに起因する線幅誤差要因を解消するものであり、ショットつなぎの有無にかかわらず発生する線幅バラツキ要因には対応していない。また、特開2001−35766号公報では、高精度な線幅を必要とする箇所を光リソ工程での限界解像度以下の細かい露光ショットに分割して、露光ショットで生じる線幅誤差が光リソ工程で解像しないようにする露光する方法が提案されている。しかしながら、本方法では光限界解像以下という非常に細かいショットに分割することによる膨大なショット数増加は容易に考えられ、描画スループットの悪化が避けられないという問題がある。
【0005】
さらに、電子ビーム露光での描画パターンのバラツキを低減する技術として、「多重露光方法」が一般的に知られている。多重露光方法は複数回のショットで露光することにより、1回あたりのショット線幅や位置誤差を平均化して、最終的にマスク上で形成される線幅や位置精度を向上することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような多重露光方法では一つのパターンの描画に対して複数回の露光を行うため、露光スループットの増大は避けられず、製品コストの上昇を招くという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものである。すなわち、本発明は、電子ビームを照射して基板上に所定のパターンを描画する露光装置において、描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンを抽出する抽出手段と、抽出手段で抽出されたパターンについて、抽出されなかったパターンより多くの回数の電子ビームを照射して多重描画を施す描画手段とを備える露光装置である。また、電子ビームを照射して基板上に所定のパターンを描画する露光方法において、描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンを抽出する工程と、抽出されたパターンについて、抽出されなかったパターンより多くの回数の電子ビームを照射して多重描画を施す工程とを備える露光方法でもある。
【0008】
このような本発明では、描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンに対して、他のパターンより多くの回数の電子ビームを照射して多重露光を施すため、必要なパターンに対する描画精度とスループット向上とを両立できるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。先ず、本実施形態に係る露光方法の概要を、図1のフローチャートおよび図2のパターン概略図に基づいて説明する。なお、本実施形態では、露光対象として半導体デバイスの中でのゲート層のマスクを作製する場合を例とする。
【0010】
図1において、層S1はゲート層、層S2はアクティブ層である。また、図2ではゲート層とアクティブ層との配置関係が示されている。半導体デバイスのゲート層G1では、アクティブ層G2との論理積で得られる領域(図2の濃いドット部分参照)がゲート素子GSとして動作する。
【0011】
ゲート素子GSでは、形成される線幅によって素子のスピードおよび消費電力が決定されるため、極めて厳しい線幅制御が要求される。そのため、リソグラフィ工程で使用されるマスク上のパターン形成においても、非常に厳しい線幅精度が求められることになる。したがって、本実施形態ではゲート層マスクの中でも、ゲート素子となる部分の線幅精度を向上させることを目的とする。
【0012】
本実施形態で用いる露光装置は、層S1および層S2のように、複数の露光データを入力できる。また、本実施形態では基本的にマスク全面描画は1回露光で行うことを前提としておく。以下、ステップに従って、露光方法の流れを説明する。
【0013】
[ステップ1]
電子ビーム露光装置に層S1と層S2の露光データを入力する。
[ステップ2]
入力された2つの層の露光データについて論理演算を行い、論理積で得られる部分の領域情報を抽出する。該当する領域を領域R1とし、その他の領域を領域R2とする。
[ステップ3]
領域R1の露光データのみ、電子線露光装置での2回多重露光方法に適するようにデータ処理を行い、その他の部分は1回露光対応のままにしておく。
[ステップ4]
領域R1は2回多重描画、領域R2は1回描画を用いて、マスク基板上に電子線でパターンを露光する。
【0014】
以上のステップ作業により、領域R1に該当するゲート層でのゲート素子となる部分は2回多重露光を行うことで、1回露光に比較して線幅精度および位置精度を向上させることができる。一方、領域R2に該当する部分、すなわちゲート素子部とは異なるいわばゲート層の中でもそれほど露光精度を要求されない部分については1回露光とすることで、描画スループットを向上できる。つまり、これらによって、必要な部分の露光精度は向上させつつ描画スループットの増大を最小限に留めることができるようになる。
【0015】
次に、本実施形態に係る露光装置を説明する。図3は、本実施形態に係る露光装置を説明する構成図である。すなわち、この露光装置は、電子銃1、ブランカー2、ビーム偏向器3、ステージ4から成る描画手段を備えており、ステージ4上に基板等の試料を載置した状態で電子銃1から電子ビームを照射してパターンを直接描画するものである。
【0016】
ブランカー2は電子銃1から出射される電子ビームを試料へ照射するか否かを制御する部分であり、ブランキング制御回路21によって制御される。ビーム偏向器3は偏光器制御回路31によって制御され、ブランカー2を通過した電子ビームのXY方向に対する偏向を行い、電子ビームの照射形状を制御する部分である。ステージ4はステージ制御回路41によって移動が制御され、ステージ4の移動によって試料に対する電子ビームの照射位置を設定できるようになっている。
【0017】
また、本実施形態の露光装置では、上記の基本構成に加え、露光パターンデータ準備装置61、図形演算装置71、パターンデータ転送回路81および制御コンピュータ51を備えている。
【0018】
露光パターンデータ準備装置61は、例えば外部のデータベースから露光パターンデータを読み込んでハードディスクH1、H2に格納し、所定の条件の適合するパターンとそれ以外のパターンとをパターン分類装置61aで分類してメモリA、Bに保存する処理を行う。
【0019】
図形演算装置71は、露光パターンデータ準備装置61のメモリA、Bから分類毎にパターンデータを読み込んで演算回路71aによって所定の論理演算を行う。演算回路71aは所定の条件に適合したパターンを抽出する抽出手段となる。パターンデータ転送回路81は演算回路71aの演算結果を格納するメモリC、Dからパターンデータを読み出して偏向器制御回路31等へ転送する処理を行う。
【0020】
制御コンピュータ51は、露光パターンデータ準備装置61、図形演算装置71、パターンデータ転送回路81を制御する処理を行う。
【0021】
次に、この露光装置によるデータの流れおよび露光方法を説明する。なお、ここでは、層S1と層S2のパターンデータを、図形演算によって高精度に露光する部分とそれ以外の部分に分け、高精度に露光する部分は2重露光、それ以外の部分は1重露光する場合を例とする。
【0022】
先ず、入力データとして、露光装置で露光できるフォーマットにデータ変換されたパターンデータを、露光パターンデータ準備装置に入力する。その際、層S1に該当するパターンデータをハードディスクH1に、層S2に該当するパターンデータをハードディスクH2に格納する。
【0023】
ハードディスクH1、H2に格納されたパターンデータは、パターン分類装置61aで処理され、露光される単位(フィールド:例えば1mm□)毎のデータに切り出されて、結果がそれぞれメモリA、Bに格納される。
【0024】
各メモリA、Bに格納された露光フィールド毎のパターンデータは、図形演算処理装置71に入力される。そして演算回路71aによって層S1と層S2とを元にした図形演算(ここでは「and」演算)が行なわれ2重露光すべき高精度が要求されるパターン部分はメモリCに、それ以外のパターン部分はメモリDにそれぞれ格納される。
【0025】
2重露光されるデータは、メモリCからパターンデータ転送装置81に転送され、2重露光に応じた制御信号が装置の各制御回路(ブランキング制御回路21、偏向器制御回路31、ステージ制御回路41)に送られ、試料上にパターン露光される。
【0026】
例えば、ブランカー2には2重露光に必要な露光時間(1回の露光あたり、通常露光の1/2の露光時間)で露光されるような制御信号が与えられる。偏向器制御回路31には露光ビームの位置、ステージ制御回路41には試料の位置を制御する信号が与えられる。
【0027】
一方、メモリDに格納された2重露光以外のパターンについても、同様にパターンデータ転送回路81を経て装置の各制御回路(ブランキング制御回路21、偏向器制御回路31、ステージ制御回路41)に所望の制御信号が与えられ、所望のパターンが1重露光により露光される。
【0028】
上記のデータ処理は、実際の露光作業とリアルタイムに、露光単位(例えば1mm□フィールド)毎に行なわれ、装置本体に送られる各制御信号とデータ処理のシーケンスは制御コンピュータ51により制御される。
【0029】
以上、実施形態に基づいて本発明の内容を説明したが、本発明の範囲は実施形態に限定されるものではない。実施形態ではマスク作製のゲート層を対象としたが、その他の層であっても、またマスク作製以外の加工で高精度な露光精度が要求される部分に本発明を適用してもよい。そのために、必要な領域を抽出するのに必要な露光対象以外の層の露光データも、必要数入力および論理演算ができるものとする。
【0030】
また、本実施形態では露光精度を向上させたい領域を2回多重露光する方法を用いたが、多重露光回数は限定されるものではなく、例えば4重露光などの違う露光回数を選択できるものとする。
【0031】
また、上記実施形態では、露光精度を向上させたい領域の抽出として、露光データの論理演算による結果を用いているが、論理演算以外でも例えば描画するパターンが所定の領域に含まれているか否かを条件として抽出を行うようにしてもよい。
【0032】
さらに、本実施形態で説明したリソグラフィ工程とは、光リソグラフィ工程はもちろんのこと、電子線を用いた電子線転写リソグラフィ工程などにも適用できる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。すなわち、リソグラフィ工程で使用するマスクの作製や、微細加工でのパターン描画において、高精度を要求される部分のみ、より多くの露光回数での多重露光を用いることで、露光スループットの増大を最小限に留めつつ、必要な部分のパターン形成精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る露光方法の概要を説明するフローチャートである。
【図2】露光パターンの概略図である。
【図3】本実施形態に係る露光装置を説明する構成図である。
【符号の説明】
1…電子銃、2…ブランカー、3…ビーム偏向器、4…ステージ、21…ブランキング制御回路、31…偏向器制御回路、41…ステージ制御回路、51…制御コンピュータ、61…露光パターンデータ準備装置、71…図形演算装置、71a…演算回路、81…パターンデータ転送回路
Claims (10)
- 電子ビームを照射して基板上に所定のパターンを描画する露光装置において、
描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出されたパターンについて、抽出されなかったパターンより多くの回数の電子ビームを照射して多重描画を施す描画手段と
を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記抽出手段は、描画するパターンの線幅精度を条件として前記パターンの抽出を行う
ことを特徴とする請求項1記載の露光装置。 - 前記抽出手段は、描画するパターンの位置精度を条件として前記パターンの抽出を行う
ことを特徴とする請求項1記載の露光装置。 - 前記抽出手段は、描画するパターンが所定の領域に含まれるか否かを条件として前記パターンの抽出を行う
ことを特徴とする請求項1記載の露光装置。 - 前記抽出手段は、前記描画手段による電子ビームの照射とともに前記パターンの抽出を逐次行う
ことを特徴とする請求項1記載の露光装置。 - 電子ビームを照射して基板上に所定のパターンを描画する露光方法において、
描画する複数のパターンのうち、予め設定された条件に適合したパターンを抽出する工程と、
抽出された前記パターンについて、抽出されなかったパターンより多くの回数の電子ビームを照射して多重描画を施す工程と
を備えることを特徴とする露光方法。 - 前記パターンの抽出では、描画するパターンの線幅精度を条件とする
ことを特徴とする請求項6記載の露光方法。 - 前記パターンの抽出では、描画するパターンの位置精度を条件とする
ことを特徴とする請求項6記載の露光方法。 - 前記パターンの抽出では、描画するパターンが所定の領域に含まれるか否かを条件とする
ことを特徴とする請求項6記載の露光方法。 - 前記電子ビームの照射とともに前記パターンの抽出を逐次行う
ことを特徴とする請求項6記載の露光方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002162409A JP2004014591A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 露光装置および露光方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002162409A JP2004014591A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 露光装置および露光方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004014591A true JP2004014591A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30431157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002162409A Pending JP2004014591A (ja) | 2002-06-04 | 2002-06-04 | 露光装置および露光方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004014591A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012015244A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Nuflare Technology Inc | 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 |
JP2013201239A (ja) * | 2012-03-23 | 2013-10-03 | Toshiba Corp | 描画パターン形成方法、描画データ生成方法および描画データ生成装置 |
-
2002
- 2002-06-04 JP JP2002162409A patent/JP2004014591A/ja active Pending
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JP2012015244A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Nuflare Technology Inc | 荷電粒子ビーム描画装置及び荷電粒子ビーム描画方法 |
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