JP2004014537A - 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラマン増幅器などの励起用光源に適し、所望の発振波長のレーザ光を安定かつ高効率に出力すること。
【解決手段】レーザ光の出射端面に設けた出射側反射膜15と該レーザ光の反射端面に設けた反射膜14との間に形成された活性層から、少なくとも複数の発振縦モードをもつレーザ光を出力するファブリペロ型の半導体レーザ装置であって、活性層に注入されるバイアス電流を変調する変調信号を生成し、該変調信号を前記バイアス電流に重畳する変調信号印加部22を備える。これによって、光ファイバ伝送中におけるRINを低減し、前方励起方式を採用した光ファイバ増幅器を実現できる。
【選択図】 図2
【解決手段】レーザ光の出射端面に設けた出射側反射膜15と該レーザ光の反射端面に設けた反射膜14との間に形成された活性層から、少なくとも複数の発振縦モードをもつレーザ光を出力するファブリペロ型の半導体レーザ装置であって、活性層に注入されるバイアス電流を変調する変調信号を生成し、該変調信号を前記バイアス電流に重畳する変調信号印加部22を備える。これによって、光ファイバ伝送中におけるRINを低減し、前方励起方式を採用した光ファイバ増幅器を実現できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ラマン増幅器などの励起用光源に適した半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットをはじめとする様々なマルチメディアの普及に伴って、光通信に対する大容量化の要求が大きくなっている。従来、光通信では、光ファイバによる光の吸収が少ない波長である1310nmもしくは1550nmの帯域において、それぞれ単一の波長による伝送が一般的であった。この方式では、多くの情報を伝達するためには伝送経路に敷設する光ファイバの芯数を増やす必要があり、伝送容量の増加に伴ってコストが増加するという問題点があった。
【0003】
そこで、高密度波長分割多重(DWDM:Dense−Wavelength Division Multiplexing)通信方式が用いられるようになった。このDWDM通信方式は、主にエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)を用い、この動作帯域である1550nm帯において、複数の波長を使用して伝送を行う方式である。このDWDM通信方式あるいはWDM通信方式では、1本の光ファイバを用いて複数の異なる波長の光信号を同時に伝送することから、新たな線路を敷設する必要がなく、ネットワークの伝送容量の飛躍的な増加をもたらすことを可能としている。
【0004】
このEDFAを用いた一般的なWDM通信方式では、利得平坦化の容易な1550nmから実用化され、最近では、利得係数が小さいために利用されていなかった1580nm帯にまで拡大している。しかしながら、EDFAで増幅可能な帯域に比して光ファイバの低損失帯域の方が広いことから、EDFAの帯域外で動作する光増幅器、すなわちラマン増幅器への関心が高まっている。
【0005】
ラマン増幅器は、エルビウムのような希土類イオンを媒体とした光増幅器がイオンのエネルギー準位によって利得波長帯が決まるのに対し、励起光の波長によって利得波長帯が決まるという特徴を持ち、励起光波長を選択することによって任意の波長帯を増幅することができる。
【0006】
ラマン増幅では、光ファイバに強い励起光を入射すると、誘導ラマン散乱によって、励起光波長から約100nm程度、長波長側に利得が現れ、この励起された状態の光ファイバに、この利得を有する波長帯域の信号光を入射すると、この信号光が増幅されるというものである。したがって、ラマン増幅器を用いたWDM通信方式では、EDFAを用いた通信方式に比して、信号光のチャネル数をさらに増加させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ラマン増幅器などに用いることが可能なファブリペロ型の半導体レーザ装置のようなマルチモードレーザが出力する各モード成分には、誘導放出された光子が各縦モードにランダムに分配されることに起因する雑音であるモード分配雑音(Mode Partition Noise)が存在する。図18に示すように、各モード成分の光強度は、このモード分配雑音によって揺らぐことになる。
【0008】
ここで、各モード成分の光強度は、モード分配雑音によってランダムに揺らいでも、各モード成分の和は、半導体レーザ装置に注入された電流、換言すれば注入されたエネルギーに対応した値になる。すなわち、注入されたエネルギーが一定である場合、各モード成分の和は常に一定となり、半導体レーザ装置からは揺らぎのない一定の出力が得られる。
【0009】
たとえば、図19は、波長λa,λb,λcの3つのモード成分と各モード成分の和の時間的な揺らぎの一例を示している。時間t1において、各波長λa,λb,λcの3つのモード成分の平均出力に対してそれぞれ揺らぎΔa1,Δb1,Δc1を有し、これらの和(Δa1+Δb1+Δc1)は相殺されて零となる。時間t2においても、各波長λa,λb,λcの3つのモード成分の揺らぎの和(Δa2+Δb2+Δc2)は相殺されて零となる。
【0010】
したがって、半導体レーザ装置から出力されるレーザ光の相対強度雑音(RIN:Relative Intensity Noise)は、各モード成分の和が一定であることから、各モード成分の雑音成分は相殺されて、低い値となる。
【0011】
しかしながら、半導体レーザ装置から出力されたレーザ光は、たとえば励起光として光ファイバ内を伝送し、信号光を増幅する。この場合、各モード成分は、それぞれ異なる波長であるため、分散特性の波長依存性によって、異なる遅延が生じる。たとえば、図20は、図19に示した各モード成分が光ファイバ上を伝送した結果を示している。図20に示すように、波長λbのモード成分は波長λaのモード成分に比して遅れ、波長λcのモード成分は波長λbのモード成分に比して遅れる。この結果、時間t1’における波長λa,λb,λcの各モード成分の和(Δa1+Δb1’+Δc1’)は零とはならず、揺らぎΔe1の値をもつことなる。同様にして、時間t2’における波長λa,λb,λcの各モード成分の和(Δa2+Δb2’+Δc2’)は零とはならず、揺らぎΔe2の値をもつことなる。
【0012】
この結果、半導体レーザ装置から出力され、さらに光ファイバ上を伝送したレーザ光の相対強度雑音は、分散特性によって各モード成分の和が一定とならず、大きな値となってしまう。特に、低周波領域において大きな相対強度雑音が生じる。
【0013】
ここで、ラマン増幅では、増幅の生じる過程が早く起こるため、励起光強度が揺らいでいると、ラマン利得も揺らぐことになり、このラマン利得の揺らぎがそのまま増幅された信号強度の揺らぎとして出力されてしまい、安定したラマン増幅を行わせることができないという問題点があった。
【0014】
ここで、ラマン増幅器としては、信号光に対して後方から励起する後方励起方式のほかに、信号光に対して前方から励起する前方励起方式および双方向から励起する双方向励起方式がある。現在、ラマン増幅器として多用されているのは、後方励起方式である。その理由は、弱い信号光が強い励起光とともに同方向に進行する前方励起方式が、上述した励起強度の揺らぎ発生により雑音を増幅してしまうからである。
【0015】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、ラマン増幅器などの励起用光源に適し、所望の発振波長のレーザ光を安定かつ高効率に出力することができる半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる半導体レーザ装置は、レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成された活性層から、少なくとも複数の発振縦モードをもつレーザ光を出力する半導体レーザ装置において、前記活性層に注入されるバイアス電流を変調する変調信号を生成し、該変調信号を前記バイアス電流に重畳する変調手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
この請求項1の発明によれば、ファブリペロ型共振器を含むマルチモードレーザであって、変調手段が、活性層に注入されるバイアス電流を変調する変調信号を生成し、該変調信号を前記バイアス電流に重畳するようにし、光ファイバ伝送後中におけるRINの発生を抑制するようにしている。
【0018】
また、請求項2にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記変調信号は、正弦波信号であることを特徴とする。
【0019】
また、請求項3にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記変調信号の電流振幅は、前記バイアス電流の電流値の5%以下であることを特徴とする。
【0020】
また、請求項4にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記変調信号の光振幅は、前記レーザ光の光出力の5%以下であることを特徴とする。
【0021】
また、請求項5にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記変調信号の周波数は、10〜100kHz近傍であることを特徴とする。
【0022】
また、請求項6にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記第1反射膜と前記第2反射膜との間に形成された活性層によって形成された共振器の長さは、800μm以上であることを特徴とする。
【0023】
また、請求項7にかかる半導体レーザモジュールは、請求項1〜6に記載の半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとの光結合を行う光結合レンズ系とを備えたことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザ装置に比較し、RINの発生をさらに抑制し、半導体レーザ装置を含む半導体レーザモジュールから出力されるRINを低減し、光ファイバ伝送中のRINの発生をさらに抑えるようにしている。
【0025】
また、請求項8にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装置の温度を制御する温度制御装置と、前記光結合レンズ系内に配置され、光ファイバ側からの反射戻り光の入射を抑制するアイソレータとをさらに備えたことを特徴とする。
【0026】
また、請求項9にかかる光ファイバ増幅器は、請求項1〜6に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項7または8に記載の半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用いたことを特徴とする。
【0027】
また、請求項10にかかる光ファイバ増幅器は、上記の発明において、請求項1〜6に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項7または8に記載の半導体レーザモジュールは、広帯域ラマン増幅用の励起光源であって、前方励起用光源あるいは双方向励起方式における前方励起用光源として用いられることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器の好適な実施の形態について説明する。
【0029】
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1である半導体レーザ装置を斜めからみた破断図である。図2は、図1に示した半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図である。また、図3は、図2に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。図1〜図3において、この半導体レーザ装置20は、n−InP基板1の(100)面上に、順次、n−InPによるバッファ層と下部クラッド層とを兼ねたn−InPバッファ層2、圧縮歪みをもつGRIN−SCH−MQW(Graded Index−Separate Confinement Heterostructure Multi Quantum Well)活性層3、p−InPスペーサ層4、p−InPクラッド層6、およびp−InGaAsPコンタクト層7が積層された構造を有する。
【0030】
p−InPスペーサ層4、GRIN−SCH−MQW活性層3、およびn−InPバッファ層2の上部は、メサストライプ状に加工され、メサストライプの長手方向の両側には、電流ブロッキング層として形成されたp−InPブロッキング層8とn−InPブロッキング層9とによって埋め込まれている。また、p−InGaAsPコンタクト層7の上面には、p側電極10が形成される。一方、n−InP基板1の裏面には、n側電極11が形成される。なお、この半導体レーザ装置20から出力されたレーザ光は、単一横モード発振していればよく、活性層あるいは光導波路の構造はストライプ構造に限られない。
【0031】
半導体レーザ装置20の長手方向の一端面である光反射端面には、反射率80%以上、好ましくは98%以上の高光反射率をもつ反射膜14が形成され、他端面である光出射端面には、反射率が10%以下、好ましくは5%、1%、0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下の低光反射率をもつ出射側反射膜15が形成される。反射膜14と出射側反射膜15とによって形成された光共振器のGRIN−SCH−MQW活性層3内に発生した光は、反射膜14によって反射し、出射側反射膜15を介し、共振器長Lに対応し、中心波長1.48μmのレーザ光として出射される。
【0032】
また、この半導体レーザ装置20は、バイアス電流をp側電極10に印加する電流駆動部21と、このバイアス電流を変調する変調周波数信号を印加する変調信号印加部22とを有する。変調信号印加部22から出力された変調周波数信号は、接続点23においてバイアス電流に重畳され、この変調周波数信号が重畳された重畳信号はp側電極10に印加されることになる。
【0033】
この変調周波数信号は、5〜1000kHzの正弦波信号であり、バイアス電流の値の0.1〜10%程度の振幅値を有する。すなわち、この変調周波数信号はバイアス電流の値の±10%まで変調される。なお、レーザ光の変調は、バイアス電流の値の1〜10%程度の振幅値に限らず、光出力の値の1〜10%程度の振幅値で変調するように定義してもよい。さらに、変調周波数信号は、正弦波信号に限らず、三角波信号などの周期信号であってもよい。この場合、三角波信号などの他の周期信号は複数の正弦波成分を含むため、正弦波信号を変調周波数信号とするのが好ましい。
【0034】
この実施の形態1における半導体レーザ装置20は、ラマン増幅器の励起用光源として用いられることを前提とし、その発振波長λ0は、1100nm〜1550nmであり、共振器長Lは、800μm以上3200μm以下としている。ところで、一般に、半導体レーザ装置の共振器によって発生する縦モードのモード間隔Δλは、実効屈折率を「n」とすると、次式で表すことができる。すなわち、
Δλ=λ0 2/(2・n・L)
である。ここで、発振波長λ0を1480μmとし、実効屈折率を3.5とすると、共振器長Lが800μmのとき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.39nmとなり、共振器長が3200μmのとき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.1nmとなる。すなわち、共振器長Lを長くすればするほど、縦モードのモード間隔Δλは狭くなり、単一縦モードのレーザ光を発振するための選択条件が厳しくなる。
【0035】
ファブリペロ型半導体レーザでは、注入電流の増大によって中心波長縦モード近傍の縦モードの光強度が他の縦モードに比して大きくなるので、注入電流を増大することによって、全体の発振波長スペクトルの半値幅内に所望数の縦モードを有した多モード発振とすることができる。
【0036】
図4は、バイアス電流に変調周波数信号が重畳された重畳信号によって駆動された場合における光出力の時間変化を示す図である。図4において、変調周波数信号は、バイアス電流の値の1%の振幅値を有する正弦波信号であり、バイアス電流のみによって駆動された場合の光出力の振幅を、正弦的に1%変化させている。この動作は、図5に示すように、半導体レーザ装置の電流−光出力(I−L)特性に変調をかけた場合に相当する。
【0037】
図5に示した変調領域では、I−L特性がリニアであるため、変調周波数信号によって変調された駆動電流の変調度がそのまま光出力の変調度となる。したがって、この変調領域においては、図6に示すように、変調周波数の振幅を1%に維持した駆動電流を印加するのみで、常に光出力の変調度は1%に維持され、光出力の変調度の制御が容易になる。一方、さらに光出力が増大する領域では、変調周波数信号によって変調された駆動電流の変調度と光出力の変調度とが一致しなくなる。この場合、変調周波数信号の振幅値を調整し、図4に示すように、常に光出力の変調度が1%になるように制御する。
【0038】
このようにして、半導体レーザ装置に印加される駆動電流の値が変化すると、GRIN−SCH−MQW活性層3などのレーザ光の発光領域の実効屈折率nが変化する。この実効屈折率nが変化すると、光学的な共振器長Lopも変化する。すなわち、物理的な共振器長を「L」とすると、光学的な共振器長Lopは、
Lop=n・L
で表され、実効屈折率nの変化に追随して、光学的な共振器長Lopが変化する。この光学的な共振器長Lopが変化すれば、ファブリペローモードでは、その共振器波長も変化する。すなわち、その共振器波長も正弦的に変化することになる。
【0039】
図7は、半導体レーザ装置での電流変化に対する波長変化を示す図である。図7に示すように、発振縦モードの波長は、上述したように電流変化に対応した実効屈折率nが変化し、この屈折率変化によって発振縦モードの波長が微少に変化する。なお、電流変化が大きい場合には、隣接する発振縦モードにホップすることになり、発振縦モードの波長は急激に変化する。したがって、微少な波長変化となる範囲において微少な電流変化を生じさせる変調周波数信号とする必要がある。この変調周波数信号は、ノイズ成分となる。なお、低い周波数の変調周波数信号成分は、大きなRINの値を呈するが、この周波数領域は、既知であり、信号増幅領域として使用しなければよい。
【0040】
図8は、半導体レーザ装置20から出力されるレーザ光の雑音特性を示す図である。すなわち、半導体レーザ装置20から出力されたレーザ光であって光ファイバ上に伝送する前の雑音特性である。図8において、この半導体レーザ装置20は、駆動電流900mAであり、変調もかけておらず、RINは、ほぼ全周波数帯域で、−150dB/Hzという低い値を呈している。
【0041】
これに対し、図9は、半導体レーザ装置20から出力されたレーザ光を光ファイバ上に伝送し、その終端における雑音特性を測定した結果を示す図である。なお、光ファイバ長は約30Kmである。また、半導体レーザ装置20の駆動電流は900mAである。図9では、無変調時と、変調周波数10kHzで5%変調した時の測定結果を示しており、変調することによって、500kHzから500MHz近傍の間で、無変調時に比べ、RINが約5dB/Hz低くなっている。すなわち、変調することによって、低周波数帯のRINを低減することができた。
【0042】
なお、光ファイバ中において生じた分散は、補償すればよいとも考えられる。しかし、分散補償を施して受信端において揺らぎをなくした場合、信号光に対しては意味あるが、励起光である場合には意味がない。これは、受信端において遅延が補償されても、光ファイバ伝送中において各縦モード光の位相ずれが生じているため、光ファイバ内においてノイズが発生し、このノイズが増幅されてしまうからである。
【0043】
ところで、ラマン増幅では、増幅利得に偏波依存性があるため、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とのずれによる影響を小さくする必要がある。このための方法として、励起光を無偏光化(デポラライズ)する方法があり、具体的には、2台の半導体レーザ装置20からの出力光を偏波合成カプラを用いて偏波合成する方法のほか、デポラライザとして所定長の偏波面保持ファイバを用いて、1台の半導体レーザ装置20から出射されたレーザ光を、この偏波面保持ファイバに伝搬させる方法がある。無偏光化の方法として、後者の方法を使用する場合には、発振縦モードの本数の増大および発振縦モードのスペクトル幅の拡大に従ってレーザ光のコヒーレンシーが低くなるので、無偏光化に必要な偏波面保持ファイバの長さを短くすることができる。特に、発振縦モードが4,5本となると、急激に、必要な偏波面保持ファイバの長さが短くなる。従って、ラマン増幅器に使用するために半導体レーザ装置20から出射されるレーザ光を無偏光化する場合に、2台の半導体レーザ装置の出射光を偏波合成して利用しなくても、1台の半導体レーザ装置20の出射レーザ光を無偏光化して利用することが容易となるので、ラマン増幅器に使用される部品数の削減、小型化を促進することができる。
【0044】
この実施の形態1では、ファブリペロ型共振器を形成して複数の発振縦モードを形成するとともに、変調周波数信号をバイアス電流に重畳することによって、各縦モード光の揺らぎを低減し、光ファイバ伝送中における上述したモード分配雑音と光ファイバの分散に起因したRINの増大を小さく抑えるようにしている。
【0045】
なお、上述した実施の形態1では、半導体レーザ装置20をファブリペロ型の半導体レーザ素子で説明したが、これに限らず、複数の縦モード光を出力するマルチモードレーザ素子であればよい。
【0046】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2では、上述した実施の形態1に示した半導体レーザ装置をモジュール化したものである。
【0047】
図10は、この発明の実施の形態2である半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図である。図10において、この半導体レーザモジュール50は、上述した実施の形態1で示した半導体レーザ装置に対応する半導体レーザ装置51を有する。なお、この半導体レーザ装置51は、p側電極がヒートシンク57aに接合されるジャンクションダウン構成としている。半導体レーザモジュール50の筐体として、セラミックなどによって形成されたパッケージ59の内部底面上に、温度制御装置としてのペルチェ素子58が配置される。ペルチェ素子58上にはベース57が配置され、このベース57上にはヒートシンク57aが配置される。ペルチェ素子58には、図示しない電流が与えられ、その極性によって冷却および加熱を行うが、半導体レーザ装置51の温度上昇による発振波長ずれを防止するため、主として冷却器として機能する。すなわち、ペルチェ素子58は、レーザ光が所望の波長に比して長い波長である場合には、冷却して低い温度に制御し、レーザ光が所望の波長に比して短い波長である場合には、加熱して高い温度に制御する。この温度制御は、具体的に、ヒートシンク57a上であって、半導体レーザ装置51の近傍に配置されたサーミスタ58aの検出値をもとに制御され、図示しない制御装置は、通常、ヒートシンク57aの温度が一定に保たれるようにペルチェ素子58を制御する。また、図示しない制御装置は、半導体レーザ装置51の駆動電流を上昇させるに従って、ヒートシンク57aの温度が下がるようにペルチェ素子58を制御する。このような温度制御を行うことによって、半導体レーザ装置51の波長安定性を向上させることができ、歩留まりの向上にも有効となる。なお、ヒートシンク57aは、たとえばダイヤモンドなどの高熱伝導率をもつ材質によって形成することが望ましい。これは、ヒートシンク57aがダイヤモンドで形成されると、高電流印加時の発熱が抑制されるからである。
【0048】
ベース57上には、半導体レーザ装置51およびサーミスタ58aを配置したヒートシンク57a、第1レンズ52、および電流モニタ56が配置される。半導体レーザ装置51から出射されたレーザ光は、第1レンズ52、アイソレータ53、および第2レンズ54を介し、光ファイバ55上に導波される。第2レンズ54は、レーザ光の光軸上であって、パッケージ59上に設けられ、外部接続される光ファイバ55に光結合される。なお、電流モニタ56は、半導体レーザ装置51の反射膜側から漏れた光をモニタ検出する。
【0049】
ここで、この半導体レーザモジュール50では、他の光学部品などによる反射戻り光が共振器内に戻らないように、半導体レーザ装置51と光ファイバ55との間にアイソレータ53を介在させている。このアイソレータ53には、ファイバグレーティングを用いた従来の半導体レーザモジュールと異なり、インライン式のファイバ型でなく、半導体レーザモジュール50内に内蔵できる偏波依存型のアイソレータを用いることができるため、アイソレータによる挿入損失を小さく、さらに低い相対強度雑音(RIN)を達成することができ、部品点数も減らすことができる。
【0050】
この実施の形態2では、実施の形態1で示した半導体レーザ装置をモジュール化しているため、偏波依存型のアイソレータを用いることができ、挿入損失を小さくすることができ、低雑音化および部品点数の減少を促進することができる。
【0051】
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3では、上述した実施の形態2に示した半導体レーザモジュールをラマン増幅器に適用したものである。
【0052】
図11は、この発明の実施の形態3であるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。このラマン増幅器は、WDM通信システムに用いられる。図11において、このラマン増幅器は、上述した実施の形態2に示した半導体レーザモジュールと同一構成の半導体レーザモジュール60a〜60dを用いている。
【0053】
各半導体レーザモジュール60a,60bは、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61aに出力し、各半導体レーザモジュール60c,60dは、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61bに出力する。ここで、半導体レーザモジュール60a,60bが発振するレーザ光は、同一波長である、また、半導体レーザモジュール60c,60dが発振するレーザ光は、同一波長であるが半導体レーザモジュール60a,60bが発振するレーザ光の波長とは異なる。これは、ラマン増幅が偏波依存性を有するためであり、偏波合成カプラ61a,61bによって偏波依存性が解消されたレーザ光として出力するようにしている。
【0054】
各偏波合成カプラ61a,61bから出力された異なる波長をもったレーザ光は、WDMカプラ62によって合成され、合成されたレーザ光は、WDMカプラ65を介してラマン増幅用の励起光として増幅用ファイバ64に出力される。この励起光が入力された増幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が入力され、ラマン増幅される。
【0055】
増幅用ファイバ64内においてラマン増幅された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およびアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を出力レーザ光として信号光出力ファイバ70に出力する。
【0056】
制御回路68は、入力された一部の増幅信号光をもとに各半導体レーザモジュール60a〜60dのレーザ出力状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
【0057】
この実施の形態3に示したラマン増幅器では、実施の形態1で示した半導体レーザ装置が内蔵された半導体レーザモジュール60aを用いるようにしているので、偏波面保持ファイバ71の使用を削減することができるとともに、ラマン増幅器の小型軽量化とコスト低減を実現することができる。
【0058】
なお、図11に示したラマン増幅器では、偏波合成カプラ61a,61bを用いているが、図12に示すように半導体レーザモジュール60a,60cから、それぞれ偏波面保持ファイバ71を介して直接WDMカプラ62に光出力するようにしてもよい。この場合、半導体レーザモジュール60a,60cの偏波面は、偏波面保持ファイバ71に対して45度となるように入射する。ここで、上述したように、各半導体レーザモジュール60a,60cは、複数の発振縦モードを有しているため、偏波面保持ファイバ長71を短くすることができる。これによって、偏波面保持ファイバ71から出力される光出力の偏波依存性をなくすことができ、一層、小型かつ部品点数の少ないラマン増幅器を実現することができる。
【0059】
また、半導体レーザモジュール60a〜60d内に内蔵される半導体レーザ装置として発振縦モード数が多い半導体レーザ装置を用いると、必要な偏波面保持ファイバ71の長さを短くすることができる。特に、発振縦モードが4,5本になると、急激に、必要な偏波面保持ファイバ71の長さが短くなるため、ラマン増幅器の簡素化と小型化を促進することができる。さらに、発振縦モードの本数が増大すると、コヒーレント長が短くなり、デポラライズによって偏光度(DOP:Degree Of Polarization)が小さくなり、偏波依存性をなくすことが可能となり、これによっても、ラマン増幅器の簡素化と小型化とを一層促進することができる。
【0060】
さらに、上述した実施の形態1の半導体レーザ装置では、複数の発振モードを有し、かつ変調周波数信号の印加によって発振縦モードのスペクトル幅が広くなっているため、誘導ブリルアン散乱を発生させずに、高出力の励起光を発生することができるので、安定し、かつ高いラマン利得を得ることができる。
【0061】
また、図11および図12に示したラマン増幅器は、後方励起方式であるが、上述したように、半導体レーザモジュール60a〜60dが安定した励起光を出力するため、前方励起方式であっても、双方向励起方式であっても、安定したラマン増幅を行うことができる。
【0062】
たとえば、図13は、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図13に示したラマン増幅器は、図11に示したラマン増幅器にWDMカプラ65´をアイソレータ63の近傍に設けている。このWDMカプラ65´には、半導体レーザモジュール60a〜60d、偏波合成カプラ61a,61bおよびWDMカプラ62にそれぞれ対応した半導体レーザモジュール60a´〜60d´、偏波合成カプラ61a´,61b´およびWDMカプラ62´を有した回路が接続され、WDMカプラ62´から出力される励起光を信号光と同じ方向に出力する前方励起を行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´〜60d´は、上述した実施の形態1で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0063】
同様に、図14は、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図14に示したラマン増幅器は、図12に示したラマン増幅器にWDMカプラ65´をアイソレータ63の近傍に設けている。このWDMカプラ65´には、半導体レーザモジュール60a,60cおよびWDMカプラ62にそれぞれ対応した半導体レーザモジュール60a´,60c´およびWDMカプラ62´を有した回路が接続され、WDMカプラ62´から出力される励起光を信号光と同じ方向に出力する前方励起を行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´,60c´は、上述した実施の形態1で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0064】
また、図15は、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図15に示したラマン増幅器は、図11に示したラマン増幅器の構成に、図13に示したWDMカプラ65´、半導体レーザモジュール60a´〜60d´、偏波合成カプラ61a´,61b´およびWDMカプラ62´をさらに設け、後方励起と前方励起とを行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´〜60d´は、上述した実施の形態1で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0065】
同様に、図16は、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図15に示したラマン増幅器は、図12に示したラマン増幅器の構成に、図14に示したWDMカプラ65´、半導体レーザモジュール60a´,60c´およびWDMカプラ62´をさらに設け、後方励起と前方励起とを行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´,60c´は、上述した実施の形態1で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0066】
上述した図13〜図16に示したラマン増幅器は、上述したようにWDM通信システムに適用することができる。図17は、図11〜図16に示したラマン増幅器を適用したWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【0067】
図17において、複数の送信機Tx1〜Txnから送出された波長λ1〜λnの光信号は、光合波器80によって合波され、1つの光ファイバ85に集約される。この光ファイバ85の伝送路上には、図13〜図16に示したラマン増幅器に対応した複数のラマン増幅器81,83が距離に応じて配置され、減衰した光信号を増幅する。この光ファイバ85上を伝送した信号は、光分波器84によって、複数の波長λ1〜λnの光信号に分波され、複数の受信機Rx1〜Rxnに受信される。なお、光ファイバ85上には、任意の波長の光信号を付加し、取り出したりするADM(Add/Drop Multiplexer)が挿入される場合もある。
【0068】
なお、上述した実施の形態3では、実施の形態1に示した半導体レーザ装置あるいは実施の形態4に示した半導体レーザモジュールを、ラマン増幅用の励起光源に用いる場合を示したが、これに限らず、たとえば、980nm,1480nmなどのEDFA励起用光源として用いることができるのは明らかである。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜6の発明によれば、ファブリペロ型共振器を含むマルチモードレーザであって、変調手段が、活性層に注入されるバイアス電流を変調する変調信号を生成し、該変調信号を前記バイアス電流に重畳するようにし、光ファイバ伝送後中におけるRINの発生を抑制するようにしているので、特にラマン増幅器における前方励起用光源に用いて高効率の増幅が可能になるという効果を奏する。
【0070】
また、請求項2の発明によれば、請求項変調信号を正弦波信号とすることによって、変調信号自体による雑音発生を極力抑え、結果的に光ファイバ伝送中におけるRINの低減を図ることができるという効果を奏する。
【0071】
また、請求項7,8の発明によれば、外部共振器を用いていないので、さらにRINの発生自体を抑えることができ、高効率の増幅を実現することができるという効果を奏する。
【0072】
また、請求項9,10の発明によれば、請求項1〜6の半導体レーザ装置あるいは請求項7,8の半導体レーザモジュールを用いているので、光ファイバ伝送中のRINの発生を抑えることができ、高効率の増幅が可能となり、特に前方励起方式を採用することができ、一層高効率の増幅が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である半導体レーザ装置を斜めからみた破断図である。
【図2】この発明の実施の形態1である半導体レーザ装置の構成を示す長手方向の縦断面図である。
【図3】図2に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。
【図4】バイアス電流に変調周波数信号を重畳した場合における光出力の時間変化を示す図である。
【図5】電流−光出力特性を用いて重畳信号が印加された場合における光出力変化を示す図である。
【図6】バイアス電流に変調周波数信号を重畳した場合における駆動電流の時間変化を示す図である。
【図7】重畳信号が印加された場合における波長変化を示す図である。
【図8】無変調時に半導体レーザ装置から出力されるRINの周波数特性を示す図である。
【図9】無変調の場合と重畳信号が印加された場合とにおける光ファイバ伝送後のRINの周波数特性を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態2である半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図である。
【図11】この発明の実施の形態2であるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示したラマン増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図13】図11に示したラマン増幅器の変形例であって、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示したラマン増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図15】図11に示したラマン増幅器の変形例であって、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図16】図15に示したラマン増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図17】図11〜図316に示したラマン増幅器を用いたWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【図18】ファブリペロ型共振器の半導体レーザ装置から出力されるスペクトルの一例を示す図である。
【図19】半導体レーザ装置から出力される各モード成分の揺らぎと各モード成分の和の時間変化を示す図である。
【図20】光ファイバ伝送中における各モード成分の揺らぎと各モード成分の和の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板
2 n−Inpバッファ層
3 GRIN−SCH−MQW活性層
4 p−InPスペーサ層
6 p−InPクラッド層
7 p−InGaAsPコンタクト層
8 p−InPブロッキング層
9 n−InPブロッキング層
10 p側電極
11 n側電極
14 反射膜
15 出射側反射膜
20 半導体レーザ装置
21 電流駆動部
22 変調信号印加部
23 接続点
47 カプラ
48,53,63,66 アイソレータ
50,60a〜60d,60a´〜60d´ 半導体レーザモジュール
52 第1レンズ
54 第2レンズ
55 光ファイバ
56 電流モニタ
57 ベース
57a ヒートシンク
58 ペルチェ素子
58a サーミスタ
59 パッケージ
61a,61b,61a´,61b´ 偏波合成カプラ
62,65,62´,65´ WDMカプラ
64 増幅用ファイバ
67 モニタ用光分配カプラ
68 制御回路
69 信号光入力ファイバ
70 信号光出力ファイバ
71 偏波面保存ファイバ
81,83 ラマン増幅器
【発明の属する技術分野】
この発明は、ラマン増幅器などの励起用光源に適した半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットをはじめとする様々なマルチメディアの普及に伴って、光通信に対する大容量化の要求が大きくなっている。従来、光通信では、光ファイバによる光の吸収が少ない波長である1310nmもしくは1550nmの帯域において、それぞれ単一の波長による伝送が一般的であった。この方式では、多くの情報を伝達するためには伝送経路に敷設する光ファイバの芯数を増やす必要があり、伝送容量の増加に伴ってコストが増加するという問題点があった。
【0003】
そこで、高密度波長分割多重(DWDM:Dense−Wavelength Division Multiplexing)通信方式が用いられるようになった。このDWDM通信方式は、主にエルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)を用い、この動作帯域である1550nm帯において、複数の波長を使用して伝送を行う方式である。このDWDM通信方式あるいはWDM通信方式では、1本の光ファイバを用いて複数の異なる波長の光信号を同時に伝送することから、新たな線路を敷設する必要がなく、ネットワークの伝送容量の飛躍的な増加をもたらすことを可能としている。
【0004】
このEDFAを用いた一般的なWDM通信方式では、利得平坦化の容易な1550nmから実用化され、最近では、利得係数が小さいために利用されていなかった1580nm帯にまで拡大している。しかしながら、EDFAで増幅可能な帯域に比して光ファイバの低損失帯域の方が広いことから、EDFAの帯域外で動作する光増幅器、すなわちラマン増幅器への関心が高まっている。
【0005】
ラマン増幅器は、エルビウムのような希土類イオンを媒体とした光増幅器がイオンのエネルギー準位によって利得波長帯が決まるのに対し、励起光の波長によって利得波長帯が決まるという特徴を持ち、励起光波長を選択することによって任意の波長帯を増幅することができる。
【0006】
ラマン増幅では、光ファイバに強い励起光を入射すると、誘導ラマン散乱によって、励起光波長から約100nm程度、長波長側に利得が現れ、この励起された状態の光ファイバに、この利得を有する波長帯域の信号光を入射すると、この信号光が増幅されるというものである。したがって、ラマン増幅器を用いたWDM通信方式では、EDFAを用いた通信方式に比して、信号光のチャネル数をさらに増加させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ラマン増幅器などに用いることが可能なファブリペロ型の半導体レーザ装置のようなマルチモードレーザが出力する各モード成分には、誘導放出された光子が各縦モードにランダムに分配されることに起因する雑音であるモード分配雑音(Mode Partition Noise)が存在する。図18に示すように、各モード成分の光強度は、このモード分配雑音によって揺らぐことになる。
【0008】
ここで、各モード成分の光強度は、モード分配雑音によってランダムに揺らいでも、各モード成分の和は、半導体レーザ装置に注入された電流、換言すれば注入されたエネルギーに対応した値になる。すなわち、注入されたエネルギーが一定である場合、各モード成分の和は常に一定となり、半導体レーザ装置からは揺らぎのない一定の出力が得られる。
【0009】
たとえば、図19は、波長λa,λb,λcの3つのモード成分と各モード成分の和の時間的な揺らぎの一例を示している。時間t1において、各波長λa,λb,λcの3つのモード成分の平均出力に対してそれぞれ揺らぎΔa1,Δb1,Δc1を有し、これらの和(Δa1+Δb1+Δc1)は相殺されて零となる。時間t2においても、各波長λa,λb,λcの3つのモード成分の揺らぎの和(Δa2+Δb2+Δc2)は相殺されて零となる。
【0010】
したがって、半導体レーザ装置から出力されるレーザ光の相対強度雑音(RIN:Relative Intensity Noise)は、各モード成分の和が一定であることから、各モード成分の雑音成分は相殺されて、低い値となる。
【0011】
しかしながら、半導体レーザ装置から出力されたレーザ光は、たとえば励起光として光ファイバ内を伝送し、信号光を増幅する。この場合、各モード成分は、それぞれ異なる波長であるため、分散特性の波長依存性によって、異なる遅延が生じる。たとえば、図20は、図19に示した各モード成分が光ファイバ上を伝送した結果を示している。図20に示すように、波長λbのモード成分は波長λaのモード成分に比して遅れ、波長λcのモード成分は波長λbのモード成分に比して遅れる。この結果、時間t1’における波長λa,λb,λcの各モード成分の和(Δa1+Δb1’+Δc1’)は零とはならず、揺らぎΔe1の値をもつことなる。同様にして、時間t2’における波長λa,λb,λcの各モード成分の和(Δa2+Δb2’+Δc2’)は零とはならず、揺らぎΔe2の値をもつことなる。
【0012】
この結果、半導体レーザ装置から出力され、さらに光ファイバ上を伝送したレーザ光の相対強度雑音は、分散特性によって各モード成分の和が一定とならず、大きな値となってしまう。特に、低周波領域において大きな相対強度雑音が生じる。
【0013】
ここで、ラマン増幅では、増幅の生じる過程が早く起こるため、励起光強度が揺らいでいると、ラマン利得も揺らぐことになり、このラマン利得の揺らぎがそのまま増幅された信号強度の揺らぎとして出力されてしまい、安定したラマン増幅を行わせることができないという問題点があった。
【0014】
ここで、ラマン増幅器としては、信号光に対して後方から励起する後方励起方式のほかに、信号光に対して前方から励起する前方励起方式および双方向から励起する双方向励起方式がある。現在、ラマン増幅器として多用されているのは、後方励起方式である。その理由は、弱い信号光が強い励起光とともに同方向に進行する前方励起方式が、上述した励起強度の揺らぎ発生により雑音を増幅してしまうからである。
【0015】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、ラマン増幅器などの励起用光源に適し、所望の発振波長のレーザ光を安定かつ高効率に出力することができる半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる半導体レーザ装置は、レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成された活性層から、少なくとも複数の発振縦モードをもつレーザ光を出力する半導体レーザ装置において、前記活性層に注入されるバイアス電流を変調する変調信号を生成し、該変調信号を前記バイアス電流に重畳する変調手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
この請求項1の発明によれば、ファブリペロ型共振器を含むマルチモードレーザであって、変調手段が、活性層に注入されるバイアス電流を変調する変調信号を生成し、該変調信号を前記バイアス電流に重畳するようにし、光ファイバ伝送後中におけるRINの発生を抑制するようにしている。
【0018】
また、請求項2にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記変調信号は、正弦波信号であることを特徴とする。
【0019】
また、請求項3にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記変調信号の電流振幅は、前記バイアス電流の電流値の5%以下であることを特徴とする。
【0020】
また、請求項4にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記変調信号の光振幅は、前記レーザ光の光出力の5%以下であることを特徴とする。
【0021】
また、請求項5にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記変調信号の周波数は、10〜100kHz近傍であることを特徴とする。
【0022】
また、請求項6にかかる半導体レーザ装置は、上記の発明において、前記第1反射膜と前記第2反射膜との間に形成された活性層によって形成された共振器の長さは、800μm以上であることを特徴とする。
【0023】
また、請求項7にかかる半導体レーザモジュールは、請求項1〜6に記載の半導体レーザ装置と、前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとの光結合を行う光結合レンズ系とを備えたことを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、ファイバグレーティングを用いた半導体レーザ装置に比較し、RINの発生をさらに抑制し、半導体レーザ装置を含む半導体レーザモジュールから出力されるRINを低減し、光ファイバ伝送中のRINの発生をさらに抑えるようにしている。
【0025】
また、請求項8にかかる半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記半導体レーザ装置の温度を制御する温度制御装置と、前記光結合レンズ系内に配置され、光ファイバ側からの反射戻り光の入射を抑制するアイソレータとをさらに備えたことを特徴とする。
【0026】
また、請求項9にかかる光ファイバ増幅器は、請求項1〜6に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項7または8に記載の半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用いたことを特徴とする。
【0027】
また、請求項10にかかる光ファイバ増幅器は、上記の発明において、請求項1〜6に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項7または8に記載の半導体レーザモジュールは、広帯域ラマン増幅用の励起光源であって、前方励起用光源あるいは双方向励起方式における前方励起用光源として用いられることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いた光ファイバ増幅器の好適な実施の形態について説明する。
【0029】
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1である半導体レーザ装置を斜めからみた破断図である。図2は、図1に示した半導体レーザ装置の長手方向の縦断面図である。また、図3は、図2に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。図1〜図3において、この半導体レーザ装置20は、n−InP基板1の(100)面上に、順次、n−InPによるバッファ層と下部クラッド層とを兼ねたn−InPバッファ層2、圧縮歪みをもつGRIN−SCH−MQW(Graded Index−Separate Confinement Heterostructure Multi Quantum Well)活性層3、p−InPスペーサ層4、p−InPクラッド層6、およびp−InGaAsPコンタクト層7が積層された構造を有する。
【0030】
p−InPスペーサ層4、GRIN−SCH−MQW活性層3、およびn−InPバッファ層2の上部は、メサストライプ状に加工され、メサストライプの長手方向の両側には、電流ブロッキング層として形成されたp−InPブロッキング層8とn−InPブロッキング層9とによって埋め込まれている。また、p−InGaAsPコンタクト層7の上面には、p側電極10が形成される。一方、n−InP基板1の裏面には、n側電極11が形成される。なお、この半導体レーザ装置20から出力されたレーザ光は、単一横モード発振していればよく、活性層あるいは光導波路の構造はストライプ構造に限られない。
【0031】
半導体レーザ装置20の長手方向の一端面である光反射端面には、反射率80%以上、好ましくは98%以上の高光反射率をもつ反射膜14が形成され、他端面である光出射端面には、反射率が10%以下、好ましくは5%、1%、0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下の低光反射率をもつ出射側反射膜15が形成される。反射膜14と出射側反射膜15とによって形成された光共振器のGRIN−SCH−MQW活性層3内に発生した光は、反射膜14によって反射し、出射側反射膜15を介し、共振器長Lに対応し、中心波長1.48μmのレーザ光として出射される。
【0032】
また、この半導体レーザ装置20は、バイアス電流をp側電極10に印加する電流駆動部21と、このバイアス電流を変調する変調周波数信号を印加する変調信号印加部22とを有する。変調信号印加部22から出力された変調周波数信号は、接続点23においてバイアス電流に重畳され、この変調周波数信号が重畳された重畳信号はp側電極10に印加されることになる。
【0033】
この変調周波数信号は、5〜1000kHzの正弦波信号であり、バイアス電流の値の0.1〜10%程度の振幅値を有する。すなわち、この変調周波数信号はバイアス電流の値の±10%まで変調される。なお、レーザ光の変調は、バイアス電流の値の1〜10%程度の振幅値に限らず、光出力の値の1〜10%程度の振幅値で変調するように定義してもよい。さらに、変調周波数信号は、正弦波信号に限らず、三角波信号などの周期信号であってもよい。この場合、三角波信号などの他の周期信号は複数の正弦波成分を含むため、正弦波信号を変調周波数信号とするのが好ましい。
【0034】
この実施の形態1における半導体レーザ装置20は、ラマン増幅器の励起用光源として用いられることを前提とし、その発振波長λ0は、1100nm〜1550nmであり、共振器長Lは、800μm以上3200μm以下としている。ところで、一般に、半導体レーザ装置の共振器によって発生する縦モードのモード間隔Δλは、実効屈折率を「n」とすると、次式で表すことができる。すなわち、
Δλ=λ0 2/(2・n・L)
である。ここで、発振波長λ0を1480μmとし、実効屈折率を3.5とすると、共振器長Lが800μmのとき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.39nmとなり、共振器長が3200μmのとき、縦モードのモード間隔Δλは、約0.1nmとなる。すなわち、共振器長Lを長くすればするほど、縦モードのモード間隔Δλは狭くなり、単一縦モードのレーザ光を発振するための選択条件が厳しくなる。
【0035】
ファブリペロ型半導体レーザでは、注入電流の増大によって中心波長縦モード近傍の縦モードの光強度が他の縦モードに比して大きくなるので、注入電流を増大することによって、全体の発振波長スペクトルの半値幅内に所望数の縦モードを有した多モード発振とすることができる。
【0036】
図4は、バイアス電流に変調周波数信号が重畳された重畳信号によって駆動された場合における光出力の時間変化を示す図である。図4において、変調周波数信号は、バイアス電流の値の1%の振幅値を有する正弦波信号であり、バイアス電流のみによって駆動された場合の光出力の振幅を、正弦的に1%変化させている。この動作は、図5に示すように、半導体レーザ装置の電流−光出力(I−L)特性に変調をかけた場合に相当する。
【0037】
図5に示した変調領域では、I−L特性がリニアであるため、変調周波数信号によって変調された駆動電流の変調度がそのまま光出力の変調度となる。したがって、この変調領域においては、図6に示すように、変調周波数の振幅を1%に維持した駆動電流を印加するのみで、常に光出力の変調度は1%に維持され、光出力の変調度の制御が容易になる。一方、さらに光出力が増大する領域では、変調周波数信号によって変調された駆動電流の変調度と光出力の変調度とが一致しなくなる。この場合、変調周波数信号の振幅値を調整し、図4に示すように、常に光出力の変調度が1%になるように制御する。
【0038】
このようにして、半導体レーザ装置に印加される駆動電流の値が変化すると、GRIN−SCH−MQW活性層3などのレーザ光の発光領域の実効屈折率nが変化する。この実効屈折率nが変化すると、光学的な共振器長Lopも変化する。すなわち、物理的な共振器長を「L」とすると、光学的な共振器長Lopは、
Lop=n・L
で表され、実効屈折率nの変化に追随して、光学的な共振器長Lopが変化する。この光学的な共振器長Lopが変化すれば、ファブリペローモードでは、その共振器波長も変化する。すなわち、その共振器波長も正弦的に変化することになる。
【0039】
図7は、半導体レーザ装置での電流変化に対する波長変化を示す図である。図7に示すように、発振縦モードの波長は、上述したように電流変化に対応した実効屈折率nが変化し、この屈折率変化によって発振縦モードの波長が微少に変化する。なお、電流変化が大きい場合には、隣接する発振縦モードにホップすることになり、発振縦モードの波長は急激に変化する。したがって、微少な波長変化となる範囲において微少な電流変化を生じさせる変調周波数信号とする必要がある。この変調周波数信号は、ノイズ成分となる。なお、低い周波数の変調周波数信号成分は、大きなRINの値を呈するが、この周波数領域は、既知であり、信号増幅領域として使用しなければよい。
【0040】
図8は、半導体レーザ装置20から出力されるレーザ光の雑音特性を示す図である。すなわち、半導体レーザ装置20から出力されたレーザ光であって光ファイバ上に伝送する前の雑音特性である。図8において、この半導体レーザ装置20は、駆動電流900mAであり、変調もかけておらず、RINは、ほぼ全周波数帯域で、−150dB/Hzという低い値を呈している。
【0041】
これに対し、図9は、半導体レーザ装置20から出力されたレーザ光を光ファイバ上に伝送し、その終端における雑音特性を測定した結果を示す図である。なお、光ファイバ長は約30Kmである。また、半導体レーザ装置20の駆動電流は900mAである。図9では、無変調時と、変調周波数10kHzで5%変調した時の測定結果を示しており、変調することによって、500kHzから500MHz近傍の間で、無変調時に比べ、RINが約5dB/Hz低くなっている。すなわち、変調することによって、低周波数帯のRINを低減することができた。
【0042】
なお、光ファイバ中において生じた分散は、補償すればよいとも考えられる。しかし、分散補償を施して受信端において揺らぎをなくした場合、信号光に対しては意味あるが、励起光である場合には意味がない。これは、受信端において遅延が補償されても、光ファイバ伝送中において各縦モード光の位相ずれが生じているため、光ファイバ内においてノイズが発生し、このノイズが増幅されてしまうからである。
【0043】
ところで、ラマン増幅では、増幅利得に偏波依存性があるため、信号光の偏波方向と励起光の偏波方向とのずれによる影響を小さくする必要がある。このための方法として、励起光を無偏光化(デポラライズ)する方法があり、具体的には、2台の半導体レーザ装置20からの出力光を偏波合成カプラを用いて偏波合成する方法のほか、デポラライザとして所定長の偏波面保持ファイバを用いて、1台の半導体レーザ装置20から出射されたレーザ光を、この偏波面保持ファイバに伝搬させる方法がある。無偏光化の方法として、後者の方法を使用する場合には、発振縦モードの本数の増大および発振縦モードのスペクトル幅の拡大に従ってレーザ光のコヒーレンシーが低くなるので、無偏光化に必要な偏波面保持ファイバの長さを短くすることができる。特に、発振縦モードが4,5本となると、急激に、必要な偏波面保持ファイバの長さが短くなる。従って、ラマン増幅器に使用するために半導体レーザ装置20から出射されるレーザ光を無偏光化する場合に、2台の半導体レーザ装置の出射光を偏波合成して利用しなくても、1台の半導体レーザ装置20の出射レーザ光を無偏光化して利用することが容易となるので、ラマン増幅器に使用される部品数の削減、小型化を促進することができる。
【0044】
この実施の形態1では、ファブリペロ型共振器を形成して複数の発振縦モードを形成するとともに、変調周波数信号をバイアス電流に重畳することによって、各縦モード光の揺らぎを低減し、光ファイバ伝送中における上述したモード分配雑音と光ファイバの分散に起因したRINの増大を小さく抑えるようにしている。
【0045】
なお、上述した実施の形態1では、半導体レーザ装置20をファブリペロ型の半導体レーザ素子で説明したが、これに限らず、複数の縦モード光を出力するマルチモードレーザ素子であればよい。
【0046】
(実施の形態2)
つぎに、この発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2では、上述した実施の形態1に示した半導体レーザ装置をモジュール化したものである。
【0047】
図10は、この発明の実施の形態2である半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図である。図10において、この半導体レーザモジュール50は、上述した実施の形態1で示した半導体レーザ装置に対応する半導体レーザ装置51を有する。なお、この半導体レーザ装置51は、p側電極がヒートシンク57aに接合されるジャンクションダウン構成としている。半導体レーザモジュール50の筐体として、セラミックなどによって形成されたパッケージ59の内部底面上に、温度制御装置としてのペルチェ素子58が配置される。ペルチェ素子58上にはベース57が配置され、このベース57上にはヒートシンク57aが配置される。ペルチェ素子58には、図示しない電流が与えられ、その極性によって冷却および加熱を行うが、半導体レーザ装置51の温度上昇による発振波長ずれを防止するため、主として冷却器として機能する。すなわち、ペルチェ素子58は、レーザ光が所望の波長に比して長い波長である場合には、冷却して低い温度に制御し、レーザ光が所望の波長に比して短い波長である場合には、加熱して高い温度に制御する。この温度制御は、具体的に、ヒートシンク57a上であって、半導体レーザ装置51の近傍に配置されたサーミスタ58aの検出値をもとに制御され、図示しない制御装置は、通常、ヒートシンク57aの温度が一定に保たれるようにペルチェ素子58を制御する。また、図示しない制御装置は、半導体レーザ装置51の駆動電流を上昇させるに従って、ヒートシンク57aの温度が下がるようにペルチェ素子58を制御する。このような温度制御を行うことによって、半導体レーザ装置51の波長安定性を向上させることができ、歩留まりの向上にも有効となる。なお、ヒートシンク57aは、たとえばダイヤモンドなどの高熱伝導率をもつ材質によって形成することが望ましい。これは、ヒートシンク57aがダイヤモンドで形成されると、高電流印加時の発熱が抑制されるからである。
【0048】
ベース57上には、半導体レーザ装置51およびサーミスタ58aを配置したヒートシンク57a、第1レンズ52、および電流モニタ56が配置される。半導体レーザ装置51から出射されたレーザ光は、第1レンズ52、アイソレータ53、および第2レンズ54を介し、光ファイバ55上に導波される。第2レンズ54は、レーザ光の光軸上であって、パッケージ59上に設けられ、外部接続される光ファイバ55に光結合される。なお、電流モニタ56は、半導体レーザ装置51の反射膜側から漏れた光をモニタ検出する。
【0049】
ここで、この半導体レーザモジュール50では、他の光学部品などによる反射戻り光が共振器内に戻らないように、半導体レーザ装置51と光ファイバ55との間にアイソレータ53を介在させている。このアイソレータ53には、ファイバグレーティングを用いた従来の半導体レーザモジュールと異なり、インライン式のファイバ型でなく、半導体レーザモジュール50内に内蔵できる偏波依存型のアイソレータを用いることができるため、アイソレータによる挿入損失を小さく、さらに低い相対強度雑音(RIN)を達成することができ、部品点数も減らすことができる。
【0050】
この実施の形態2では、実施の形態1で示した半導体レーザ装置をモジュール化しているため、偏波依存型のアイソレータを用いることができ、挿入損失を小さくすることができ、低雑音化および部品点数の減少を促進することができる。
【0051】
(実施の形態3)
つぎに、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3では、上述した実施の形態2に示した半導体レーザモジュールをラマン増幅器に適用したものである。
【0052】
図11は、この発明の実施の形態3であるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。このラマン増幅器は、WDM通信システムに用いられる。図11において、このラマン増幅器は、上述した実施の形態2に示した半導体レーザモジュールと同一構成の半導体レーザモジュール60a〜60dを用いている。
【0053】
各半導体レーザモジュール60a,60bは、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61aに出力し、各半導体レーザモジュール60c,60dは、偏波面保持ファイバ71を介して、複数の発振縦モードを有するレーザ光を偏波合成カプラ61bに出力する。ここで、半導体レーザモジュール60a,60bが発振するレーザ光は、同一波長である、また、半導体レーザモジュール60c,60dが発振するレーザ光は、同一波長であるが半導体レーザモジュール60a,60bが発振するレーザ光の波長とは異なる。これは、ラマン増幅が偏波依存性を有するためであり、偏波合成カプラ61a,61bによって偏波依存性が解消されたレーザ光として出力するようにしている。
【0054】
各偏波合成カプラ61a,61bから出力された異なる波長をもったレーザ光は、WDMカプラ62によって合成され、合成されたレーザ光は、WDMカプラ65を介してラマン増幅用の励起光として増幅用ファイバ64に出力される。この励起光が入力された増幅用ファイバ64には、増幅対象の信号光が入力され、ラマン増幅される。
【0055】
増幅用ファイバ64内においてラマン増幅された信号光(増幅信号光)は、WDMカプラ65およびアイソレータ66を介してモニタ光分配用カプラ67に入力される。モニタ光分配用カプラ67は、増幅信号光の一部を制御回路68に出力し、残りの増幅信号光を出力レーザ光として信号光出力ファイバ70に出力する。
【0056】
制御回路68は、入力された一部の増幅信号光をもとに各半導体レーザモジュール60a〜60dのレーザ出力状態、たとえば光強度を制御し、ラマン増幅の利得帯域が平坦な特性となるようにフィードバック制御する。
【0057】
この実施の形態3に示したラマン増幅器では、実施の形態1で示した半導体レーザ装置が内蔵された半導体レーザモジュール60aを用いるようにしているので、偏波面保持ファイバ71の使用を削減することができるとともに、ラマン増幅器の小型軽量化とコスト低減を実現することができる。
【0058】
なお、図11に示したラマン増幅器では、偏波合成カプラ61a,61bを用いているが、図12に示すように半導体レーザモジュール60a,60cから、それぞれ偏波面保持ファイバ71を介して直接WDMカプラ62に光出力するようにしてもよい。この場合、半導体レーザモジュール60a,60cの偏波面は、偏波面保持ファイバ71に対して45度となるように入射する。ここで、上述したように、各半導体レーザモジュール60a,60cは、複数の発振縦モードを有しているため、偏波面保持ファイバ長71を短くすることができる。これによって、偏波面保持ファイバ71から出力される光出力の偏波依存性をなくすことができ、一層、小型かつ部品点数の少ないラマン増幅器を実現することができる。
【0059】
また、半導体レーザモジュール60a〜60d内に内蔵される半導体レーザ装置として発振縦モード数が多い半導体レーザ装置を用いると、必要な偏波面保持ファイバ71の長さを短くすることができる。特に、発振縦モードが4,5本になると、急激に、必要な偏波面保持ファイバ71の長さが短くなるため、ラマン増幅器の簡素化と小型化を促進することができる。さらに、発振縦モードの本数が増大すると、コヒーレント長が短くなり、デポラライズによって偏光度(DOP:Degree Of Polarization)が小さくなり、偏波依存性をなくすことが可能となり、これによっても、ラマン増幅器の簡素化と小型化とを一層促進することができる。
【0060】
さらに、上述した実施の形態1の半導体レーザ装置では、複数の発振モードを有し、かつ変調周波数信号の印加によって発振縦モードのスペクトル幅が広くなっているため、誘導ブリルアン散乱を発生させずに、高出力の励起光を発生することができるので、安定し、かつ高いラマン利得を得ることができる。
【0061】
また、図11および図12に示したラマン増幅器は、後方励起方式であるが、上述したように、半導体レーザモジュール60a〜60dが安定した励起光を出力するため、前方励起方式であっても、双方向励起方式であっても、安定したラマン増幅を行うことができる。
【0062】
たとえば、図13は、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図13に示したラマン増幅器は、図11に示したラマン増幅器にWDMカプラ65´をアイソレータ63の近傍に設けている。このWDMカプラ65´には、半導体レーザモジュール60a〜60d、偏波合成カプラ61a,61bおよびWDMカプラ62にそれぞれ対応した半導体レーザモジュール60a´〜60d´、偏波合成カプラ61a´,61b´およびWDMカプラ62´を有した回路が接続され、WDMカプラ62´から出力される励起光を信号光と同じ方向に出力する前方励起を行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´〜60d´は、上述した実施の形態1で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0063】
同様に、図14は、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図14に示したラマン増幅器は、図12に示したラマン増幅器にWDMカプラ65´をアイソレータ63の近傍に設けている。このWDMカプラ65´には、半導体レーザモジュール60a,60cおよびWDMカプラ62にそれぞれ対応した半導体レーザモジュール60a´,60c´およびWDMカプラ62´を有した回路が接続され、WDMカプラ62´から出力される励起光を信号光と同じ方向に出力する前方励起を行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´,60c´は、上述した実施の形態1で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0064】
また、図15は、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図15に示したラマン増幅器は、図11に示したラマン増幅器の構成に、図13に示したWDMカプラ65´、半導体レーザモジュール60a´〜60d´、偏波合成カプラ61a´,61b´およびWDMカプラ62´をさらに設け、後方励起と前方励起とを行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´〜60d´は、上述した実施の形態1で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0065】
同様に、図16は、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。図15に示したラマン増幅器は、図12に示したラマン増幅器の構成に、図14に示したWDMカプラ65´、半導体レーザモジュール60a´,60c´およびWDMカプラ62´をさらに設け、後方励起と前方励起とを行う。この場合、半導体レーザモジュール60a´,60c´は、上述した実施の形態1で用いられる半導体レーザ装置を用いているため、RINが小さく、前方励起を効果的に行うことができる。
【0066】
上述した図13〜図16に示したラマン増幅器は、上述したようにWDM通信システムに適用することができる。図17は、図11〜図16に示したラマン増幅器を適用したWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【0067】
図17において、複数の送信機Tx1〜Txnから送出された波長λ1〜λnの光信号は、光合波器80によって合波され、1つの光ファイバ85に集約される。この光ファイバ85の伝送路上には、図13〜図16に示したラマン増幅器に対応した複数のラマン増幅器81,83が距離に応じて配置され、減衰した光信号を増幅する。この光ファイバ85上を伝送した信号は、光分波器84によって、複数の波長λ1〜λnの光信号に分波され、複数の受信機Rx1〜Rxnに受信される。なお、光ファイバ85上には、任意の波長の光信号を付加し、取り出したりするADM(Add/Drop Multiplexer)が挿入される場合もある。
【0068】
なお、上述した実施の形態3では、実施の形態1に示した半導体レーザ装置あるいは実施の形態4に示した半導体レーザモジュールを、ラマン増幅用の励起光源に用いる場合を示したが、これに限らず、たとえば、980nm,1480nmなどのEDFA励起用光源として用いることができるのは明らかである。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜6の発明によれば、ファブリペロ型共振器を含むマルチモードレーザであって、変調手段が、活性層に注入されるバイアス電流を変調する変調信号を生成し、該変調信号を前記バイアス電流に重畳するようにし、光ファイバ伝送後中におけるRINの発生を抑制するようにしているので、特にラマン増幅器における前方励起用光源に用いて高効率の増幅が可能になるという効果を奏する。
【0070】
また、請求項2の発明によれば、請求項変調信号を正弦波信号とすることによって、変調信号自体による雑音発生を極力抑え、結果的に光ファイバ伝送中におけるRINの低減を図ることができるという効果を奏する。
【0071】
また、請求項7,8の発明によれば、外部共振器を用いていないので、さらにRINの発生自体を抑えることができ、高効率の増幅を実現することができるという効果を奏する。
【0072】
また、請求項9,10の発明によれば、請求項1〜6の半導体レーザ装置あるいは請求項7,8の半導体レーザモジュールを用いているので、光ファイバ伝送中のRINの発生を抑えることができ、高効率の増幅が可能となり、特に前方励起方式を採用することができ、一層高効率の増幅が可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1である半導体レーザ装置を斜めからみた破断図である。
【図2】この発明の実施の形態1である半導体レーザ装置の構成を示す長手方向の縦断面図である。
【図3】図2に示した半導体レーザ装置のA−A線断面図である。
【図4】バイアス電流に変調周波数信号を重畳した場合における光出力の時間変化を示す図である。
【図5】電流−光出力特性を用いて重畳信号が印加された場合における光出力変化を示す図である。
【図6】バイアス電流に変調周波数信号を重畳した場合における駆動電流の時間変化を示す図である。
【図7】重畳信号が印加された場合における波長変化を示す図である。
【図8】無変調時に半導体レーザ装置から出力されるRINの周波数特性を示す図である。
【図9】無変調の場合と重畳信号が印加された場合とにおける光ファイバ伝送後のRINの周波数特性を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態2である半導体レーザモジュールの構成を示す縦断面図である。
【図11】この発明の実施の形態2であるラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示したラマン増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図13】図11に示したラマン増幅器の変形例であって、前方励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示したラマン増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図15】図11に示したラマン増幅器の変形例であって、双方向励起方式を採用したラマン増幅器の構成を示すブロック図である。
【図16】図15に示したラマン増幅器の応用例を示すブロック図である。
【図17】図11〜図316に示したラマン増幅器を用いたWDM通信システムの概要構成を示すブロック図である。
【図18】ファブリペロ型共振器の半導体レーザ装置から出力されるスペクトルの一例を示す図である。
【図19】半導体レーザ装置から出力される各モード成分の揺らぎと各モード成分の和の時間変化を示す図である。
【図20】光ファイバ伝送中における各モード成分の揺らぎと各モード成分の和の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
1 n−InP基板
2 n−Inpバッファ層
3 GRIN−SCH−MQW活性層
4 p−InPスペーサ層
6 p−InPクラッド層
7 p−InGaAsPコンタクト層
8 p−InPブロッキング層
9 n−InPブロッキング層
10 p側電極
11 n側電極
14 反射膜
15 出射側反射膜
20 半導体レーザ装置
21 電流駆動部
22 変調信号印加部
23 接続点
47 カプラ
48,53,63,66 アイソレータ
50,60a〜60d,60a´〜60d´ 半導体レーザモジュール
52 第1レンズ
54 第2レンズ
55 光ファイバ
56 電流モニタ
57 ベース
57a ヒートシンク
58 ペルチェ素子
58a サーミスタ
59 パッケージ
61a,61b,61a´,61b´ 偏波合成カプラ
62,65,62´,65´ WDMカプラ
64 増幅用ファイバ
67 モニタ用光分配カプラ
68 制御回路
69 信号光入力ファイバ
70 信号光出力ファイバ
71 偏波面保存ファイバ
81,83 ラマン増幅器
Claims (10)
- レーザ光の出射端面に設けた第1反射膜と該レーザ光の反射端面に設けた第2反射膜との間に形成された活性層から、少なくとも複数の発振縦モードをもつレーザ光を出力する励起光源用の半導体レーザ装置において、
前記活性層に注入されるバイアス電流を変調する変調信号を生成し、該変調信号を前記バイアス電流に重畳する変調手段を備えたことを特徴とする半導体レーザ装置。 - 前記変調信号は、正弦波信号であることを特徴とする請求項2に記載の半導体レーザ装置。
- 前記変調信号の電流振幅は、前記バイアス電流の電流値の5%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
- 前記変調信号の光振幅は、前記レーザ光の光出力の5%以下程度であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
- 前記変調信号の周波数は、10〜100kHzであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
- 前記第1反射膜と前記第2反射膜との間に形成された活性層によって形成された共振器の長さは、800μm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の半導体レーザ装置。
- 請求項1〜6に記載の半導体レーザ装置と、
前記半導体レーザ装置から出射されたレーザ光を外部に導波する光ファイバと、
前記半導体レーザ装置と前記光ファイバとの光結合を行う光結合レンズ系と、
を備えたことを特徴とする半導体レーザモジュール。 - 前記半導体レーザ装置の温度を制御する温度制御装置と、
前記光結合レンズ系内に配置され、光ファイバ側からの反射戻り光の入射を抑制するアイソレータと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の半導体レーザモジュール。 - 請求項1〜6に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項7または8に記載の半導体レーザモジュールを広帯域ラマン増幅用の励起光源として用いたことを特徴とする光ファイバ増幅器。
- 請求項1〜6に記載の半導体レーザ装置、あるいは請求項7または8に記載の半導体レーザモジュールは、広帯域ラマン増幅用の励起光源であって、前方励起用光源あるいは双方向励起方式における前方励起用光源として用いられることを特徴とする光ファイバ増幅器。
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US7768698B2 (en) | 2004-08-30 | 2010-08-03 | Independent Administrative Institution, Japan Agency For Marine-Earth Science And Technology | Raman amplifier and optical communication system |
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