JP2004014456A - カード用コネクタ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、大型化することなくコイル状に巻回した形状記憶合金を使って、大型化することなくカード部材を容易に排出できるカード用コネクタ装置を提供すること。
【解決手段】本発明のカード用コネクタ装置は、ハウジング1内部に装着したカード部材5を、ロック部材(図示せず)がスライド部材6を介してロックした状態において、形状記憶コイル9の巻き線部9aの長さ寸法が記憶寸法L1から変化して寸法L2になっており、
この状態から、形状記憶コイル9は、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する記憶寸法L1に戻ろうとする復元力で、ロック解除部材8がロック部材側に移動することにより、ロック部材によるロックが解除されて、ハウジング1内部に装着したカード部材5を外部に排出するするようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のカード用コネクタ装置は、ハウジング1内部に装着したカード部材5を、ロック部材(図示せず)がスライド部材6を介してロックした状態において、形状記憶コイル9の巻き線部9aの長さ寸法が記憶寸法L1から変化して寸法L2になっており、
この状態から、形状記憶コイル9は、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する記憶寸法L1に戻ろうとする復元力で、ロック解除部材8がロック部材側に移動することにより、ロック部材によるロックが解除されて、ハウジング1内部に装着したカード部材5を外部に排出するするようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカード用コネクタ装置に係わり、特にパーソナルコンピュータ等の記憶媒体に用いられるICカードや、デジタルカメラ等の電子機器に使用されるカード等に書き込み、読み出し可能なカード用コネクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ等の増設記録装置としてICカードに必要な情報を書き込み、あるいは読み出しを行うためにカード用コネクタ装置が一般的に用いられている。このような従来のカード用コネクタ装置として、図8に示すように、平面視の形状が略矩形状のコネクタ本体51が配設され、このコネクタ本体51の図示左側の2つのコーナ部近傍には、形状記憶ワイヤ52を巻き掛け可能な遊転ローラ53、53がそれぞれ配設されている。
前記形状記憶ワイヤ52は、通電状態と非通電状態との切り換えに伴う温度変化により収縮モードと伸長モードとが切り換わる形状記憶合金で形成されている。 そして、形状記憶ワイヤ52は、収縮モードではあらかじめ記憶させている長さまでその長さを短くし、伸長モードではあらかじめ記憶させている長さまでその長さを長くするという性質を有している。
【0003】
そして、遊転ローラ53、53に巻き掛けられた形状記憶ワイヤ52は、コネクタ本体51の図示上下の辺部に沿って平面止コ字状に引き回しされており、その一端部が第1リード線54に接続された第1端子55を介して図示下方のイジェクト釦56に連結されている。
また、形状記憶ワイヤ52の他端部は、第2リード線57に接続された第2端子58を介して図示上方の固定台59に固定されている。前記第1、第2リード線54、57は、バッテリー等の電源(図示せず)に接続されて、スイッチ部材(図示せず)で形状記憶ワイヤ52に通電状態と非通電状態とに切り換え可能になっている。
【0004】
そして、形状記憶ワイヤ52が非通電状態、即ち伸長モードにある時に、コネクタ本体51のハウジング60にカード部材61を挿入していくと、この挿入に伴ってスライダ62が2点鎖線で示す位置から実線で示す図示左方向に移動する。このことにより、カード部材61が2点鎖線で示す部分に位置してハウジング60への装着が完了する。
そして、コネクタ本体51側に形成した複数のコンタクト63がカード部材61の前端面に具備している複数の孔に差し込まれて、カード部材61の電極と電気的に接続される。
この時、スライダ62の後端部寄りに形成した幅狭の凸部62aには、揺動支点64に支持されたシャフト65が実線で示す位置に揺動して、イジェクト釦56は、ハウジング60から図示右側の外方に突出している。
【0005】
次に、カード部材61がコネクタ本体51に装着された状態において、第1、第2リード線54、57を経て形状記憶ワイヤ52に通電すると、形状記憶ワイヤ52が発熱して収縮モードに切り換わる。
このことにより形状記憶ワイヤ52は、あらかじめ記憶している収縮モードの長さまでその長さを短くする。この時の形状記憶ワイヤ52の収縮長さは、全長寸法の略5%収縮させることができるようになっている。
【0006】
前記形状記憶ワイヤ52が収縮することにより、イジェクト釦56が図示左方向に牽引され、同時にシャフト65が2点鎖線で示す位置まで揺動する。このシャフト65の揺動に伴ってスライダ62が、2点鎖線で示す右方向に後退すると共に、カード部材61も右方向に押されて、前端面の孔に差し込まれているコンタクト63が引き抜かれてイジェクトされる。
このような従来のカード用コネクタ装置は、形状記憶ワイヤ52をコネクタ本体51のコ字状の外辺部に沿って引き回ししているので、形状記憶ワイヤ52の収縮率が略5%と小さくても、スライダ62の後退距離を十分に確保できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のカード用コネクタ装置においては、形状記憶ワイヤ52の全長寸法における収縮率が略5%と小さいので、形状記憶ワイヤ52の全長を長くしなければならず、形状記憶ワイヤ52をコネクタ本体51のコ字状の外辺部に沿って引き回ししていたので、従来のカード用コネクタ装置が大型になる問題があった。
また、形状記憶ワイヤ52をコネクタ本体51の外辺部に沿って引き回しするために、コネクタ本体51のコーナ部近傍に遊転ローラ53を配設して、形状記憶ワイヤ52を略コ字状に引き回しするために、複数の遊転ローラ53等が必要となり、部品点数が多くなる問題があった。
【0008】
本発明は前述したような問題点に鑑みてなされたもので、コイル状に巻回した形状記憶合金を使って、大型化することなくカード部材を容易に排出できるカード用コネクタ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の解決手段として本発明の第1の実施の形態のカード用コネクタ装置は、カード部材と、このカード部材を内部に装着可能なハウジングと、このハウジング内部に装着する時の前記カード部材の動きに連動して移動可能なスライド部材と、前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を前記スライド部材を介してロック可能なロック部材と、前記スライド部材の前記ロックを解除して前記カード部材を前記ハウジング内部から排出可能なロック解除部材とを備え、
前記ロック解除部材には、線状の形状記憶合金をコイル状に巻回して所定長さの巻き線部を有する形状記憶コイルが係止され、この形状記憶コイルは、あらかじめ記憶させた前記巻き線部の所定長さを記憶寸法とし、
前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を、前記ロック部材が前記スライド部材を介して前記ロックした状態において、前記形状記憶コイルの前記巻き線部の長さ寸法が前記記憶寸法から変化しており、
この状態から、前記形状記憶コイルは、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する前記記憶寸法に戻ろうとする復元力で、前記ロック解除部材が前記ロック部材側に移動することにより、前記ロック部材による前記ロックが解除されて、前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を外部に排出するするようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するための第2の解決手段として、前記ロック解除部材は、前記ロック部材から離れる方向に弾性付勢する第1の弾性部材を有し、この第1の弾性部材の付勢力で前記記憶寸法から変化した前記形状記憶コイルを、前記通電状態において発生する前記復元力で前記第1の弾性部材に抗して前記ロック解除部材が前記ロック部材側に移動するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するための第3の解決手段として、前記形状記憶コイルは、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着して前記ロックした状態における前記巻き線部の長さ寸法が前記記憶寸法より伸長しており、前記通電状態における前記巻き線部の温度上昇で伸長状態の前記形状記憶コイルが収縮して前記記憶寸法に復元するようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するための第4の解決手段として、前記スライド部材は、回動可能に支持した係合部材を有し、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着して前記ロック時は、前記カード部材が前記係合部材に係合されると共に、前記スライド部材が前記ロック部材に係止されて前記カード部材の動きが規制されるようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決するための第5の解決手段として、前記カード部材は、前記係合部材が係合可能な係合凹部を有し、この係合凹部に係合させた前記係合部材と前記スライド部材との動きを規制することにより、前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を前記ロックするようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、上記課題を解決するための第6の解決手段として、前記スライド部材は、前記ロック部材から離れる方向に弾性付勢する第2の弾性部材を有し、この第2の弾性部材で前記ロック部材との前記係止が解除された前記スライド部材を弾性付勢して前記カード部材を前記排出するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5記載のいずれか1項記載のカード用コネクタ装置。
【0015】
また、上記課題を解決するための第7の解決手段として本発明の第2の実施の形態のカード用コネクタ装置は、カード部材と、このカード部材を着脱可能なハウジングとを備え、このハウジングは、内部に装着した前記カード部材の前端部を押圧して排出可能な排出機構を配設し、この排出機構は、線状の形状記憶合金をコイル状に巻回して所定長さの巻き線部を有する形状記憶コイルが連結され、この形状記憶コイルは、あらかじめ記憶させた前記巻き線部の所定長さを記憶寸法とし、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着した状態において、前記形状記憶コイルの前記巻き線部の長さ寸法が前記記憶寸法より変化しており、
この状態から、前記形状記憶コイルは、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する前記記憶寸法に戻ろうとする復元力で、前記排出機構が作動して前記ハウジングに装着した前記カード部材を前記排出するするようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、上記課題を解決するための第8の解決手段として、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着した状態における前記形状記憶コイルの前記巻き線部の長さ寸法は、前記記憶寸法より伸長しており、前記通電状態における前記巻き線部の温度上昇で前記形状記憶コイルが収縮して前記記憶寸法に復元するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、上記課題を解決するための第9の解決手段として、前記排出機構は、長尺状のレバー部材からなり、一端部側が前記形状記憶コイルに連結されて回動支点を支点として回動可能とし、前記回動支点と前記一端部側の前記形状記憶コイルを連結する連結部分との間に前記カード部材を押圧可能なカード押圧部を形成し、前記形状記憶コイルの前記収縮で前記ハウジングに装着した前記カード部材を前記カード押圧部で押圧するようにしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7に示す。図1〜図6は本発明の第1の実施の形態に関するカード用コネクタ装置の動作を説明する要部平面図であり、図7は本発明の第2の実施の形態を説明する要部平面図である。
まず、本発明のぢあ1の実施の形態のカード用コネクタ装置は、樹脂材料等の絶縁材で形成された、図1に示すような、外形が略矩形状のハウジング1が配設されている。
このハウジング1には、内部に略方形の収納部1aが形成され、この収納部1aに後述するICカード等からなるカード部材5が収納されて着脱可能になっている。
【0019】
前記収納部1aの図示左側の内縁部1bには導電性の金属材料からなる複数の接触端子2が所定の間隔で、インサート成型等によりハウジング1に埋設されている。
また、ハウジング1の図示下端部には、後述するスライド部材6をスライド可能に支持可能な支持部1cが形成され、この支持部1cの図示右側端部には、圧縮コイルバネからなる第1の弾性部材3が配設されている。
また、支持部1cの図示左側端部には、圧縮コイルバネからなる第2の弾性部材4が配設されている。
また、支持部1cには、第2の弾性部材4を支持する部分の図示下部に、後述するスライド部材6を係止して動きを規制するためのロック部材(図示せず)を収納するロック部材収納部1dが形成されている。
【0020】
また、図2に示す支持部1cの内底面からは所定の高さで垂直方向に突出する長方形状の第1カム部1eと、略菱形状の第2のカム部1fと、一端側の図示左側に傾斜面が形成された第3のカム部1gとが、それぞれ所定の間隔を設けて形成されている。
また、ハウジング1内部の収納部1aには、薄板状のICカード等からなるカード部材5が収納されて、着脱可能になっている。
【0021】
前記カード部材5は、内部にIC(集積回路)が収納されて、記録媒体として一般に使用されているものであり、その底面側で、一方側である前端部側には、複数の接点部5aが形成されており、この接点部5aがハウジング1に形成した複数の接触端子2と接触することにより、外部に接続されたパーソナルコンピュータ等の電子機器(図示せず)との種々の情報処理が行われるものになっている。 また、カード部材5には、接点部5aを形成した前端部側の図示下方側のコーナ部5cが円弧状に形成されている。
【0022】
前記ハウジング1の支持部1cには、図示左右方向にスライド可能なスライド部材6が配設されている。このスライド部材6は、樹脂材料からなり、平面視の形状が略矩形状に形成され、この矩形状の図示左側の一端面からは、左方向に向かって支持突起6aとロック部6bとが突出形成されている。
そして、支持突起6aは、第2の弾性部材4の内径部分に挿通されて、スライド部材6が第2の弾性部材4に支持されている。また、スライド部材6は、第2の弾性部材4により図示右方向に弾性付勢されて、支持部1c内を図示左右方向に移動可能になっている。
また、ロック部6bは、先端部が鈎状(図示せず)に形成されており、このロック部6bは、ロック部材収納部1dに収納しているロック部材(図示せず)に鈎状部分を引っ掛けて係止可能になっている。
前記ロック部6bをロック部材に係止することにより、スライド部材6の動きが規制されるようになっている。
【0023】
また、スライド部材6には、内部に形成した凹部(図示せず)の天井面に係合部材7が回動自在に係支されている。この係合部材7は、カード部材5の係合凹部5bに係合可能な係合凸部7aと、係合部材7を回動自在にスライド部材6に軸支する回動支点7bと、支持部1cの内底面方向に突出する位置決めピン7cとが形成されている。
そして、係合部材7は、位置決めピン7cが第1〜第3のカム部1e〜1gに案内されることにより、回動支点7bを支点として時計回り方向、あるいは反時計回り方向に回動可能になっている。
【0024】
また、ハウジング1の支持部1cを構成する側壁1hと、支持部1cに配設したスライド部材6との間には、スライド部材6を係止した状態のロック部材収納部1d内部のロック部材(図示せず)に当接して、このロック部材の係止を解除可能なロック解除部材8が配設されている。
このロック解除部材8は、金属板からなる平板状で図示横長に形成されて、側壁1hとスライド部材6との間に配置されて図示左右方向にスライドイド可能になっている。
【0025】
そして、ロック解除部材8は、バネ係支部8bが第1の弾性部材3に図示右方向に弾性付勢された状態で、図示右側の一端部側がハウジング1から外方に突出している。
このハウジング1から図示右側の外方に突出するロック解除部材8の一端部側に連結部8aが形成されている。
また、ロック解除部材8は、他端部側であるハウジング1内部に位置する先端部にロック解除部(図示せず)が形成され、第1の弾性部材4の付勢力で図示右側に位置した状態において、ロック解除部がロック部材収納部1d内のロック部材(図示せず)から離間しsた状態になっている。
【0026】
また、ロック解除部材8の連結部8aには、線状の形状記憶合金をコイル状に巻回して所定長さの巻き線部9aを有する形状記憶コイル9が係止されている。この形状記憶コイル9は、例えばNi−Ti合金からなり、あらかじめ記憶させた巻き線部9aの所定の長さ寸法を記憶寸法L1としている。
また、形状記憶コイル9は、巻線部9aの一端部9bと他端部9cとが円形状に形成されている。
【0027】
このような形状記憶コイル9は、他端部9c側を係止部材10に係支した状態で一端部9b側がロック解除部材8の連結部8aに係止されており、非通電状態においては、ロック解除部材8が第1の弾性部材3で図示右方向に弾性付勢されているので、伸長した巻き線部9aの長さ寸法L2が記憶寸法L1より長くなっている。
また、形状記憶コイル9には、バッテリー等の電源11がスイッチ部材12を介して接続されており、スイッチ部材12のON/OFF操作により形状記憶コイル9が非通電状態と通電状態とに切り換え可能になっている。
【0028】
そして、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う巻き線部9aの温度変化、例えば通電状態において巻き線部9aが略70℃以上になると、伸長した巻き線部9aの長さ寸法L2が、記憶寸法L1に収縮して戻ろうとする復元力が働くようになっている。
この形状記憶コイル9の復元力は、コイルの線径によって異なるが、本発明においては、第1の弾性部材3の付勢力より大きくなるように設定されている。
そのために、巻き線部9aの長さ寸法L2が記憶寸法L1に復元して、ロック解除部材8が図示左方向にスライド移動するようになっている。
【0029】
また、形状記憶コイル9のそれぞれの具体的な寸法は、例えば線径が0.5mm、巻き線部9aの外径が3.54mm、記憶寸法L1が10.2mmに設定されている。
また、巻き線部9aの長寸法L2は、自由に寸法を設定することができ、通電状態に切り換えて巻き線部9aを温度上昇させることにより、記憶寸法L1である10.2mmに収縮して復元できるようになっている。
例えば、巻き線部9aの長さ寸法L2を、コイル状が壊われるまで伸ばして線状にしたとしても、通電状態にすることにより、記憶寸法L1に復元することができるようになっている。
但し、ロック解除部材8の有効ストローク量は、略2mmあればよいので、非通電状態における巻き線部9aの長寸法L2は略12.2mmに設定していれば良い。このような形状記憶コイル9は、巻き線部9aの長寸法L2から記憶寸法L1に復元するときに発生する復元力が、実測で270gfとなった。
そのために、ロック部材は、270gf以下の操作力でスライド部材6の係止を解除可能になっていれば良い。
【0030】
このような構成の本発明のカード用コネクタ装置の動作を図1〜図6に基づいて説明すると、まず、図1に示すように、カード部材5を手作業で接点部5aが形成された前端部側をハウジング1の収納部1aに矢印A方向に所定量挿入する。 この時、スライド部材6に軸支されている係合部材7は、回動支点7bを支点として時計回り方向に回動して傾倒状態になっているので、挿入されてくるカード部材5のコーナ部5cが係合部材7の係合凸部7aに沿って収納部1aの奥側に移動する。
【0031】
そして、係合凸部7aがカード部材5の係合凹部5bに位置すると、係合凸部7aが係合凹部5bに入り込んで係合して、係合部材7が回動支点7bを支点として反時計回り方向に回動する。
このことにより、図2に示すように、係合凸部7aがハウジング1の側壁1hに対して直交する方向の直立状態となり、位置決めピン7cが第1のカム部1eと側壁1hとの間に位置する。
そのために、スライド部材6は、図示左右方向である前後方向へのスライド移動は可能となるが、係合部材7の回動は規制されて側壁1hに対する直立状態が維持される。
【0032】
この状態で、更にカード部材5を手作業で矢印A方向に押し込むと、図2に示すように、接触端子2が接点部5aに接触して通電すると共に、カード部材5の前端部がハウジング1の収納部1aの内縁部1bに当接して、カード部材5のハウジング1への装着が完了する。
また、カード部材5が矢印A方向に移動するのに連動して、スライド部材6も図示左方向に移動し、カード部材5のハウジング1内部への装着が完了すると、スライド部材6のロック部6dの先端部が、ロック部材収納部1d内のロック部材(図示せず)に係止されて、スライド部材6の動きが規制される。
【0033】
この時、カード部材5は、直立状態に維持された係合部材7でロックされて、矢印B方向の抜ける方向の動きが規制されて、収納部1aから抜け止めされている。即ち、ハウジング1内部に装着したカード部材5は、スライド部材6を介してロックされて、動きが規制されている。
そのために外部から振動等が加えられても、カード部材5が矢印A、Bの前後方向に動くことがなく、接触端子2と接点部5aとの接触が不安定になることがない。
また、この時のロック解除部材8は、第1の弾性部材3に弾性付勢されて図示右側に位置して、先端部のロック解除部(図示せず)が、ロック部材収納部1d内のロック部材(図示せず)から離間している。
【0034】
また、この時の形状記憶コイル9は、第1の弾性部材3の付勢力で図示右側に位置しているロック解除部材8により、巻き線部9aの長さ寸法L2が、あらかじめ記憶させている記憶寸法L1より伸長している。
即ち、ハウジング1内部に装着したカード部材5を、ロック部材がスライド部材6を介してロックした状態において、形状記憶コイル9の巻き線部9aの長さ寸法L2が、あらかじめ記憶させた記憶寸法L1から変化していると共に、ロック解除部材8がロック部材から離間した状態になっている。
【0035】
次に、ハウジング1内部にロックしたカード部材5を、ハウジング1外部に排出するには、図3に示すように、スイッチ部材12をONさせると、非通電状態の形状記憶コイル9に所定の電流が通電されて通電状態に切り換えられる。
このように形状記憶コイル9が通電状態に切り換えられることにより、巻き線部9aが略70℃に温度上昇して、あらかじめ記憶させていた巻き線部9aの長さ寸法である記憶寸法L1に戻ろうとする矢印C方向の復元力が働く。
この矢印C方向の復元力で、第1の弾性部材3の付勢力に抗してロック解除部材8が図示左方向にスライド移動する。
【0036】
そして、ロック解除部材8の図示左側の先端部に形成したロック解除部(図示せず)が、ロック部材収納部1b内部のロック部材(図示せず)に当接することにより、ロック部材とスライド部材6のロック部6bとの係止が解除される。
すると、スライド部材6に弾性付勢する第2の弾性部材4の付勢力で、スライド部材6が図示右方向に押されて移動する。
このスライド部材6の図示右方向への移動によって、図4に示すように、カード部材5もスライド部材6の係合部材7を介して同時に矢印B方向に自動的に排出される。
これにより、ハウジング1の内縁部1bに当接したカード部材5の前端部が、内縁部1bから離間する。
【0037】
同時に、ロック部材からの係止が解除されたスライド部材6は、第2の弾性部材4の付勢力で、更に図示右方向にスライド移動すると共に、カード部材5も矢印B方向に移動して所定量自動排出される。
そして、スライド部材6が、図5に示す位置まで移動すると、接触端子2とカード部材5の接点部5aとの接触が離れるが、係合部材7は、位置決めピン7cが第1のカム部1eから第2のカム部1fに移動して、回動が規制されているので、カード部材5は、ハーフロック状態になっている。
【0038】
この、図5に示すハーフロック状態のカード部材5を、矢印B方向に手作業で移動させることにより、スライド部材6も同方向に移動する。
このスライド部材6の図示右方向への移動で、これまで係合部材7の回動を規制していた位置決めめピン7cが、第2のカム部材1fと第3のカム部材1gとの間の隙間部分に位置して、係合部材7が回動支点7bを支点として時計回り方向に回動して、図6に示すように、係合部材7が傾倒し、カード部材5の係合凹部5bから係合凸部7aが抜け出て、カード部材5を収納部1aから排出することができる。
【0039】
また、の係合部材7によるカード部材5のハーフロック状態が解除されると、スイッチ部材12をOFFさせて、形状記憶コイル9を非通電状態とすることにより、巻き線部9aに加えられていた、記憶寸法L1に戻ろうとする復元力が解除される。これにより、ロック解除部材8は、第1の弾性部材3の付勢力で図示右方向に移動して、先端部に形成しているロック部がロック解除部材から離間する。
このことによって、形状記憶コイル9は、一端部9bが矢印D方向に引っ張られて、巻き線部9aが長さ寸法L2に伸長して変化する。
【0040】
このような本発明のカード用コネクタ装置は、形状記憶コイル9を形状記憶合金からなる線材をコイル状に巻回して形成しているので、巻き線部9aの長さを大きく変化させても、あらかじめ記憶させている巻き線部9aの記憶寸法L1に容易に復帰させることができる。
そのために、形状記憶コイル9は、ハウジング1の一方側である、図示下方側だけの一方に配設するだけで良く、本発明のカード用コネクタ装置の小型化が可能となる。また、従来より部品点数を削減できる。
【0041】
また、本発明の第2の実施の形態のカード用コネクタ装置を、図7に基づいて説明する。本発明の実施の形態と同じ部材は同じ番号を付して詳細な説明は省略する。まず、ハウジング21の後側板21aの図示左側には、カード部材5の前端部押圧して外部に排出可能な、排出機構である長尺状で縦長のレバー部材22が配設されている。
このレバー部材22は、回動支点22aを支点として回動可能になっており、一端部側である図示下方側に延びる腕部22bの端部に形状記憶コイル9の一端部9bを連結している。
また、レバー部材22は、回動支点22aと、形状記憶コイル9を連結する腕部22b端部との間を湾曲させて、カード部材5を矢印B方向に押圧するための押圧部22cが突出形成されている。
【0042】
このような本発明の第2の実施の形態のカード用コネクタ装置は、カード部材5を矢印A方向に挿入してハウジング21に装着するときに、カード部材5の前端部が押圧部22cを押圧することにより、レバー部材22が、回動支点22aを支点として時計回り方向に回動する。
このレバー部材22の時計回り方向への回動で、形状記憶コイル9の巻き線部9aが、あらかじめ記憶させた記憶寸法L1より伸長して長さ寸法L2に変化する。
【0043】
この状態から、形状記憶コイル9は、スイッチ部材12をON/OFFさせて、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で記憶寸法L1に収縮して戻ろうとする復元力が発生する。
この復元力で、レバー部材22の腕部22bが引っ張られて、レバー部材22が反時計回り方向に回動することにより、押圧部22cがハウジング21内部に装着しているカード部材5の前端部を直接押圧して、カード部材5を矢印B方向に排出するするようにしたものである。
このような本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態で説明したスライド部材6、係合部材7、第1、第2の弾性部材3、4等が不要になり、部品点数を削減してコストダウンが可能になる。
また、第2の実施の形態では、排出機構を1本の縦長状で長尺のレバー部材22で説明したが、排出機構は、2本のレバー部材を組み合わせたもの(図示せず)、あるいはレバー部材22に別部材からなるカード押圧部材(図示せず)を取り付けたものでも良い。
【0044】
本発明の第1、第2の実施の形態では、収縮状態を記憶寸法L1として記憶させ、寸法L2に伸長させた形状記憶コイル9を通電状態とすることで、伸長状態から収縮状態に変化させて、カード部材5のロックを解除することで説明したが、図示を省略するが、伸長状態の寸法L2を記憶寸法とし、寸法L1に収縮させた形状記憶コイル9を通電状態とすることで収縮状態から伸長状態に変化させてカード部材5のロックを解除するようにしたものでも良い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態は、形状記憶コイルが、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する記憶寸法に戻ろうとする復元力で、ロック解除部材がロック部材側に移動することにより、ロック部材によるロックが解除されて、ハウジング内部に装着したカード部材を外部に排出するするようにしたの、1つの形状記憶コイルでカード部材のロックを解除することができ、小型のカード用コネクタ装置を提供できる。
【0046】
また、第1の弾性部材の付勢力で記憶寸法から変化した形状記憶コイルを、通電状態において発生する復元力で第1の弾性部材に抗してロック解除部材がロック部材側に移動するようにしたので、形状記憶コイルに発生する復元力が小さくても容易にロック解除部材をスライドさせることができる。そのために電源容量を小さくできる。
【0047】
また、通電状態における巻き線部の温度上昇で、伸長状態の形状記憶コイルが収縮して記憶寸法に復元するようにしたので、通電状態における巻き線部のコイル間の接触を防止して、巻き線部が異常発熱することがない操作性の良いカード用コネクタ装置を提供できる。
【0048】
また、ハウジング内部にカード部材を装着してロック時は、カード部材が係合部材に係合されると共に、スライド部材がロック部材に係止されてカード部材の動きが規制されるようにしたので、カード部材を確実にロックして、動きを規制することができる高性能なカード用コネクタ装置を提供できる。
【0049】
また、係合凹部に係合させた係合部材とスライド部材との動きを規制することにより、ハウジング内部に装着したカード部材をロックするようにので、カード部材を確実にロックすることができる。
【0050】
また、第2の弾性部材でロック部材との係止が解除されてスライド部材を弾性付勢してカード部材を排出するようにしたので、第2の弾性部材でロック解除後のカード部材を所定寸法自動排出することができ、操作性の良いカード用コネクタ装置を提供できる。
【0051】
また本発明の第2の実施の形態は、形状記憶コイルが、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する前記記憶寸法に戻ろうとする復元力で、排出機構が作動してハウジングに装着したカード部材を排出するようにしたので、部品点数を少なくすることができコストダウンが可能なカード用コネクタ装置を提供できる。
【0052】
また、ハウジング内部に前記カード部材を装着した状態における形状記憶コイルの巻き線部の長さ寸法は、記憶寸法より伸長しており、通電状態における巻き線部の温度上昇で形状記憶コイルが収縮して記憶寸法に復元するようにしたので、
形状記憶コイルの巻き線部の収縮でカード部材をハウジングからように排出することができる操作性の良いカード用コネクタ装置を提供できる。
【0053】
また、排出機構は、長尺状のレバー部材からなり、回動支点と一端部側の形状記憶コイルを係止する係止部分との間にカード部材を押圧可能なカード押圧部を形成し、形状記憶コイルの収縮でハウジングに装着したカード部材をカード押圧部で押圧するようにしたのでカード部材を排出するときの操作性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図2】発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図3】発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図5】発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図6】発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を説明する要部平面図である。
【図8】従来のカード用コネクタ装置を説明する要部平面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 収納部
1d ロック部材収納部
2 接触端子
3 第の弾性部材
4 第2の弾性部材
5 カード部材
5a 接点部
5b 係合凹部
6 スライド部材
6a 支持突起
6b ロック部
7 係合部材
7a 係合凸部
7b 回動支点
7c 位置決めピン
8 ロック解除部材
9 形状記憶コイル
9a 巻き線部
10 係止部材
11 電源
12 スイッチ部材
【発明の属する技術分野】
本発明はカード用コネクタ装置に係わり、特にパーソナルコンピュータ等の記憶媒体に用いられるICカードや、デジタルカメラ等の電子機器に使用されるカード等に書き込み、読み出し可能なカード用コネクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ等の増設記録装置としてICカードに必要な情報を書き込み、あるいは読み出しを行うためにカード用コネクタ装置が一般的に用いられている。このような従来のカード用コネクタ装置として、図8に示すように、平面視の形状が略矩形状のコネクタ本体51が配設され、このコネクタ本体51の図示左側の2つのコーナ部近傍には、形状記憶ワイヤ52を巻き掛け可能な遊転ローラ53、53がそれぞれ配設されている。
前記形状記憶ワイヤ52は、通電状態と非通電状態との切り換えに伴う温度変化により収縮モードと伸長モードとが切り換わる形状記憶合金で形成されている。 そして、形状記憶ワイヤ52は、収縮モードではあらかじめ記憶させている長さまでその長さを短くし、伸長モードではあらかじめ記憶させている長さまでその長さを長くするという性質を有している。
【0003】
そして、遊転ローラ53、53に巻き掛けられた形状記憶ワイヤ52は、コネクタ本体51の図示上下の辺部に沿って平面止コ字状に引き回しされており、その一端部が第1リード線54に接続された第1端子55を介して図示下方のイジェクト釦56に連結されている。
また、形状記憶ワイヤ52の他端部は、第2リード線57に接続された第2端子58を介して図示上方の固定台59に固定されている。前記第1、第2リード線54、57は、バッテリー等の電源(図示せず)に接続されて、スイッチ部材(図示せず)で形状記憶ワイヤ52に通電状態と非通電状態とに切り換え可能になっている。
【0004】
そして、形状記憶ワイヤ52が非通電状態、即ち伸長モードにある時に、コネクタ本体51のハウジング60にカード部材61を挿入していくと、この挿入に伴ってスライダ62が2点鎖線で示す位置から実線で示す図示左方向に移動する。このことにより、カード部材61が2点鎖線で示す部分に位置してハウジング60への装着が完了する。
そして、コネクタ本体51側に形成した複数のコンタクト63がカード部材61の前端面に具備している複数の孔に差し込まれて、カード部材61の電極と電気的に接続される。
この時、スライダ62の後端部寄りに形成した幅狭の凸部62aには、揺動支点64に支持されたシャフト65が実線で示す位置に揺動して、イジェクト釦56は、ハウジング60から図示右側の外方に突出している。
【0005】
次に、カード部材61がコネクタ本体51に装着された状態において、第1、第2リード線54、57を経て形状記憶ワイヤ52に通電すると、形状記憶ワイヤ52が発熱して収縮モードに切り換わる。
このことにより形状記憶ワイヤ52は、あらかじめ記憶している収縮モードの長さまでその長さを短くする。この時の形状記憶ワイヤ52の収縮長さは、全長寸法の略5%収縮させることができるようになっている。
【0006】
前記形状記憶ワイヤ52が収縮することにより、イジェクト釦56が図示左方向に牽引され、同時にシャフト65が2点鎖線で示す位置まで揺動する。このシャフト65の揺動に伴ってスライダ62が、2点鎖線で示す右方向に後退すると共に、カード部材61も右方向に押されて、前端面の孔に差し込まれているコンタクト63が引き抜かれてイジェクトされる。
このような従来のカード用コネクタ装置は、形状記憶ワイヤ52をコネクタ本体51のコ字状の外辺部に沿って引き回ししているので、形状記憶ワイヤ52の収縮率が略5%と小さくても、スライダ62の後退距離を十分に確保できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のカード用コネクタ装置においては、形状記憶ワイヤ52の全長寸法における収縮率が略5%と小さいので、形状記憶ワイヤ52の全長を長くしなければならず、形状記憶ワイヤ52をコネクタ本体51のコ字状の外辺部に沿って引き回ししていたので、従来のカード用コネクタ装置が大型になる問題があった。
また、形状記憶ワイヤ52をコネクタ本体51の外辺部に沿って引き回しするために、コネクタ本体51のコーナ部近傍に遊転ローラ53を配設して、形状記憶ワイヤ52を略コ字状に引き回しするために、複数の遊転ローラ53等が必要となり、部品点数が多くなる問題があった。
【0008】
本発明は前述したような問題点に鑑みてなされたもので、コイル状に巻回した形状記憶合金を使って、大型化することなくカード部材を容易に排出できるカード用コネクタ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の解決手段として本発明の第1の実施の形態のカード用コネクタ装置は、カード部材と、このカード部材を内部に装着可能なハウジングと、このハウジング内部に装着する時の前記カード部材の動きに連動して移動可能なスライド部材と、前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を前記スライド部材を介してロック可能なロック部材と、前記スライド部材の前記ロックを解除して前記カード部材を前記ハウジング内部から排出可能なロック解除部材とを備え、
前記ロック解除部材には、線状の形状記憶合金をコイル状に巻回して所定長さの巻き線部を有する形状記憶コイルが係止され、この形状記憶コイルは、あらかじめ記憶させた前記巻き線部の所定長さを記憶寸法とし、
前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を、前記ロック部材が前記スライド部材を介して前記ロックした状態において、前記形状記憶コイルの前記巻き線部の長さ寸法が前記記憶寸法から変化しており、
この状態から、前記形状記憶コイルは、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する前記記憶寸法に戻ろうとする復元力で、前記ロック解除部材が前記ロック部材側に移動することにより、前記ロック部材による前記ロックが解除されて、前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を外部に排出するするようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、上記課題を解決するための第2の解決手段として、前記ロック解除部材は、前記ロック部材から離れる方向に弾性付勢する第1の弾性部材を有し、この第1の弾性部材の付勢力で前記記憶寸法から変化した前記形状記憶コイルを、前記通電状態において発生する前記復元力で前記第1の弾性部材に抗して前記ロック解除部材が前記ロック部材側に移動するようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、上記課題を解決するための第3の解決手段として、前記形状記憶コイルは、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着して前記ロックした状態における前記巻き線部の長さ寸法が前記記憶寸法より伸長しており、前記通電状態における前記巻き線部の温度上昇で伸長状態の前記形状記憶コイルが収縮して前記記憶寸法に復元するようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、上記課題を解決するための第4の解決手段として、前記スライド部材は、回動可能に支持した係合部材を有し、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着して前記ロック時は、前記カード部材が前記係合部材に係合されると共に、前記スライド部材が前記ロック部材に係止されて前記カード部材の動きが規制されるようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、上記課題を解決するための第5の解決手段として、前記カード部材は、前記係合部材が係合可能な係合凹部を有し、この係合凹部に係合させた前記係合部材と前記スライド部材との動きを規制することにより、前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を前記ロックするようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、上記課題を解決するための第6の解決手段として、前記スライド部材は、前記ロック部材から離れる方向に弾性付勢する第2の弾性部材を有し、この第2の弾性部材で前記ロック部材との前記係止が解除された前記スライド部材を弾性付勢して前記カード部材を前記排出するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5記載のいずれか1項記載のカード用コネクタ装置。
【0015】
また、上記課題を解決するための第7の解決手段として本発明の第2の実施の形態のカード用コネクタ装置は、カード部材と、このカード部材を着脱可能なハウジングとを備え、このハウジングは、内部に装着した前記カード部材の前端部を押圧して排出可能な排出機構を配設し、この排出機構は、線状の形状記憶合金をコイル状に巻回して所定長さの巻き線部を有する形状記憶コイルが連結され、この形状記憶コイルは、あらかじめ記憶させた前記巻き線部の所定長さを記憶寸法とし、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着した状態において、前記形状記憶コイルの前記巻き線部の長さ寸法が前記記憶寸法より変化しており、
この状態から、前記形状記憶コイルは、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する前記記憶寸法に戻ろうとする復元力で、前記排出機構が作動して前記ハウジングに装着した前記カード部材を前記排出するするようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、上記課題を解決するための第8の解決手段として、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着した状態における前記形状記憶コイルの前記巻き線部の長さ寸法は、前記記憶寸法より伸長しており、前記通電状態における前記巻き線部の温度上昇で前記形状記憶コイルが収縮して前記記憶寸法に復元するようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、上記課題を解決するための第9の解決手段として、前記排出機構は、長尺状のレバー部材からなり、一端部側が前記形状記憶コイルに連結されて回動支点を支点として回動可能とし、前記回動支点と前記一端部側の前記形状記憶コイルを連結する連結部分との間に前記カード部材を押圧可能なカード押圧部を形成し、前記形状記憶コイルの前記収縮で前記ハウジングに装着した前記カード部材を前記カード押圧部で押圧するようにしたことを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7に示す。図1〜図6は本発明の第1の実施の形態に関するカード用コネクタ装置の動作を説明する要部平面図であり、図7は本発明の第2の実施の形態を説明する要部平面図である。
まず、本発明のぢあ1の実施の形態のカード用コネクタ装置は、樹脂材料等の絶縁材で形成された、図1に示すような、外形が略矩形状のハウジング1が配設されている。
このハウジング1には、内部に略方形の収納部1aが形成され、この収納部1aに後述するICカード等からなるカード部材5が収納されて着脱可能になっている。
【0019】
前記収納部1aの図示左側の内縁部1bには導電性の金属材料からなる複数の接触端子2が所定の間隔で、インサート成型等によりハウジング1に埋設されている。
また、ハウジング1の図示下端部には、後述するスライド部材6をスライド可能に支持可能な支持部1cが形成され、この支持部1cの図示右側端部には、圧縮コイルバネからなる第1の弾性部材3が配設されている。
また、支持部1cの図示左側端部には、圧縮コイルバネからなる第2の弾性部材4が配設されている。
また、支持部1cには、第2の弾性部材4を支持する部分の図示下部に、後述するスライド部材6を係止して動きを規制するためのロック部材(図示せず)を収納するロック部材収納部1dが形成されている。
【0020】
また、図2に示す支持部1cの内底面からは所定の高さで垂直方向に突出する長方形状の第1カム部1eと、略菱形状の第2のカム部1fと、一端側の図示左側に傾斜面が形成された第3のカム部1gとが、それぞれ所定の間隔を設けて形成されている。
また、ハウジング1内部の収納部1aには、薄板状のICカード等からなるカード部材5が収納されて、着脱可能になっている。
【0021】
前記カード部材5は、内部にIC(集積回路)が収納されて、記録媒体として一般に使用されているものであり、その底面側で、一方側である前端部側には、複数の接点部5aが形成されており、この接点部5aがハウジング1に形成した複数の接触端子2と接触することにより、外部に接続されたパーソナルコンピュータ等の電子機器(図示せず)との種々の情報処理が行われるものになっている。 また、カード部材5には、接点部5aを形成した前端部側の図示下方側のコーナ部5cが円弧状に形成されている。
【0022】
前記ハウジング1の支持部1cには、図示左右方向にスライド可能なスライド部材6が配設されている。このスライド部材6は、樹脂材料からなり、平面視の形状が略矩形状に形成され、この矩形状の図示左側の一端面からは、左方向に向かって支持突起6aとロック部6bとが突出形成されている。
そして、支持突起6aは、第2の弾性部材4の内径部分に挿通されて、スライド部材6が第2の弾性部材4に支持されている。また、スライド部材6は、第2の弾性部材4により図示右方向に弾性付勢されて、支持部1c内を図示左右方向に移動可能になっている。
また、ロック部6bは、先端部が鈎状(図示せず)に形成されており、このロック部6bは、ロック部材収納部1dに収納しているロック部材(図示せず)に鈎状部分を引っ掛けて係止可能になっている。
前記ロック部6bをロック部材に係止することにより、スライド部材6の動きが規制されるようになっている。
【0023】
また、スライド部材6には、内部に形成した凹部(図示せず)の天井面に係合部材7が回動自在に係支されている。この係合部材7は、カード部材5の係合凹部5bに係合可能な係合凸部7aと、係合部材7を回動自在にスライド部材6に軸支する回動支点7bと、支持部1cの内底面方向に突出する位置決めピン7cとが形成されている。
そして、係合部材7は、位置決めピン7cが第1〜第3のカム部1e〜1gに案内されることにより、回動支点7bを支点として時計回り方向、あるいは反時計回り方向に回動可能になっている。
【0024】
また、ハウジング1の支持部1cを構成する側壁1hと、支持部1cに配設したスライド部材6との間には、スライド部材6を係止した状態のロック部材収納部1d内部のロック部材(図示せず)に当接して、このロック部材の係止を解除可能なロック解除部材8が配設されている。
このロック解除部材8は、金属板からなる平板状で図示横長に形成されて、側壁1hとスライド部材6との間に配置されて図示左右方向にスライドイド可能になっている。
【0025】
そして、ロック解除部材8は、バネ係支部8bが第1の弾性部材3に図示右方向に弾性付勢された状態で、図示右側の一端部側がハウジング1から外方に突出している。
このハウジング1から図示右側の外方に突出するロック解除部材8の一端部側に連結部8aが形成されている。
また、ロック解除部材8は、他端部側であるハウジング1内部に位置する先端部にロック解除部(図示せず)が形成され、第1の弾性部材4の付勢力で図示右側に位置した状態において、ロック解除部がロック部材収納部1d内のロック部材(図示せず)から離間しsた状態になっている。
【0026】
また、ロック解除部材8の連結部8aには、線状の形状記憶合金をコイル状に巻回して所定長さの巻き線部9aを有する形状記憶コイル9が係止されている。この形状記憶コイル9は、例えばNi−Ti合金からなり、あらかじめ記憶させた巻き線部9aの所定の長さ寸法を記憶寸法L1としている。
また、形状記憶コイル9は、巻線部9aの一端部9bと他端部9cとが円形状に形成されている。
【0027】
このような形状記憶コイル9は、他端部9c側を係止部材10に係支した状態で一端部9b側がロック解除部材8の連結部8aに係止されており、非通電状態においては、ロック解除部材8が第1の弾性部材3で図示右方向に弾性付勢されているので、伸長した巻き線部9aの長さ寸法L2が記憶寸法L1より長くなっている。
また、形状記憶コイル9には、バッテリー等の電源11がスイッチ部材12を介して接続されており、スイッチ部材12のON/OFF操作により形状記憶コイル9が非通電状態と通電状態とに切り換え可能になっている。
【0028】
そして、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う巻き線部9aの温度変化、例えば通電状態において巻き線部9aが略70℃以上になると、伸長した巻き線部9aの長さ寸法L2が、記憶寸法L1に収縮して戻ろうとする復元力が働くようになっている。
この形状記憶コイル9の復元力は、コイルの線径によって異なるが、本発明においては、第1の弾性部材3の付勢力より大きくなるように設定されている。
そのために、巻き線部9aの長さ寸法L2が記憶寸法L1に復元して、ロック解除部材8が図示左方向にスライド移動するようになっている。
【0029】
また、形状記憶コイル9のそれぞれの具体的な寸法は、例えば線径が0.5mm、巻き線部9aの外径が3.54mm、記憶寸法L1が10.2mmに設定されている。
また、巻き線部9aの長寸法L2は、自由に寸法を設定することができ、通電状態に切り換えて巻き線部9aを温度上昇させることにより、記憶寸法L1である10.2mmに収縮して復元できるようになっている。
例えば、巻き線部9aの長さ寸法L2を、コイル状が壊われるまで伸ばして線状にしたとしても、通電状態にすることにより、記憶寸法L1に復元することができるようになっている。
但し、ロック解除部材8の有効ストローク量は、略2mmあればよいので、非通電状態における巻き線部9aの長寸法L2は略12.2mmに設定していれば良い。このような形状記憶コイル9は、巻き線部9aの長寸法L2から記憶寸法L1に復元するときに発生する復元力が、実測で270gfとなった。
そのために、ロック部材は、270gf以下の操作力でスライド部材6の係止を解除可能になっていれば良い。
【0030】
このような構成の本発明のカード用コネクタ装置の動作を図1〜図6に基づいて説明すると、まず、図1に示すように、カード部材5を手作業で接点部5aが形成された前端部側をハウジング1の収納部1aに矢印A方向に所定量挿入する。 この時、スライド部材6に軸支されている係合部材7は、回動支点7bを支点として時計回り方向に回動して傾倒状態になっているので、挿入されてくるカード部材5のコーナ部5cが係合部材7の係合凸部7aに沿って収納部1aの奥側に移動する。
【0031】
そして、係合凸部7aがカード部材5の係合凹部5bに位置すると、係合凸部7aが係合凹部5bに入り込んで係合して、係合部材7が回動支点7bを支点として反時計回り方向に回動する。
このことにより、図2に示すように、係合凸部7aがハウジング1の側壁1hに対して直交する方向の直立状態となり、位置決めピン7cが第1のカム部1eと側壁1hとの間に位置する。
そのために、スライド部材6は、図示左右方向である前後方向へのスライド移動は可能となるが、係合部材7の回動は規制されて側壁1hに対する直立状態が維持される。
【0032】
この状態で、更にカード部材5を手作業で矢印A方向に押し込むと、図2に示すように、接触端子2が接点部5aに接触して通電すると共に、カード部材5の前端部がハウジング1の収納部1aの内縁部1bに当接して、カード部材5のハウジング1への装着が完了する。
また、カード部材5が矢印A方向に移動するのに連動して、スライド部材6も図示左方向に移動し、カード部材5のハウジング1内部への装着が完了すると、スライド部材6のロック部6dの先端部が、ロック部材収納部1d内のロック部材(図示せず)に係止されて、スライド部材6の動きが規制される。
【0033】
この時、カード部材5は、直立状態に維持された係合部材7でロックされて、矢印B方向の抜ける方向の動きが規制されて、収納部1aから抜け止めされている。即ち、ハウジング1内部に装着したカード部材5は、スライド部材6を介してロックされて、動きが規制されている。
そのために外部から振動等が加えられても、カード部材5が矢印A、Bの前後方向に動くことがなく、接触端子2と接点部5aとの接触が不安定になることがない。
また、この時のロック解除部材8は、第1の弾性部材3に弾性付勢されて図示右側に位置して、先端部のロック解除部(図示せず)が、ロック部材収納部1d内のロック部材(図示せず)から離間している。
【0034】
また、この時の形状記憶コイル9は、第1の弾性部材3の付勢力で図示右側に位置しているロック解除部材8により、巻き線部9aの長さ寸法L2が、あらかじめ記憶させている記憶寸法L1より伸長している。
即ち、ハウジング1内部に装着したカード部材5を、ロック部材がスライド部材6を介してロックした状態において、形状記憶コイル9の巻き線部9aの長さ寸法L2が、あらかじめ記憶させた記憶寸法L1から変化していると共に、ロック解除部材8がロック部材から離間した状態になっている。
【0035】
次に、ハウジング1内部にロックしたカード部材5を、ハウジング1外部に排出するには、図3に示すように、スイッチ部材12をONさせると、非通電状態の形状記憶コイル9に所定の電流が通電されて通電状態に切り換えられる。
このように形状記憶コイル9が通電状態に切り換えられることにより、巻き線部9aが略70℃に温度上昇して、あらかじめ記憶させていた巻き線部9aの長さ寸法である記憶寸法L1に戻ろうとする矢印C方向の復元力が働く。
この矢印C方向の復元力で、第1の弾性部材3の付勢力に抗してロック解除部材8が図示左方向にスライド移動する。
【0036】
そして、ロック解除部材8の図示左側の先端部に形成したロック解除部(図示せず)が、ロック部材収納部1b内部のロック部材(図示せず)に当接することにより、ロック部材とスライド部材6のロック部6bとの係止が解除される。
すると、スライド部材6に弾性付勢する第2の弾性部材4の付勢力で、スライド部材6が図示右方向に押されて移動する。
このスライド部材6の図示右方向への移動によって、図4に示すように、カード部材5もスライド部材6の係合部材7を介して同時に矢印B方向に自動的に排出される。
これにより、ハウジング1の内縁部1bに当接したカード部材5の前端部が、内縁部1bから離間する。
【0037】
同時に、ロック部材からの係止が解除されたスライド部材6は、第2の弾性部材4の付勢力で、更に図示右方向にスライド移動すると共に、カード部材5も矢印B方向に移動して所定量自動排出される。
そして、スライド部材6が、図5に示す位置まで移動すると、接触端子2とカード部材5の接点部5aとの接触が離れるが、係合部材7は、位置決めピン7cが第1のカム部1eから第2のカム部1fに移動して、回動が規制されているので、カード部材5は、ハーフロック状態になっている。
【0038】
この、図5に示すハーフロック状態のカード部材5を、矢印B方向に手作業で移動させることにより、スライド部材6も同方向に移動する。
このスライド部材6の図示右方向への移動で、これまで係合部材7の回動を規制していた位置決めめピン7cが、第2のカム部材1fと第3のカム部材1gとの間の隙間部分に位置して、係合部材7が回動支点7bを支点として時計回り方向に回動して、図6に示すように、係合部材7が傾倒し、カード部材5の係合凹部5bから係合凸部7aが抜け出て、カード部材5を収納部1aから排出することができる。
【0039】
また、の係合部材7によるカード部材5のハーフロック状態が解除されると、スイッチ部材12をOFFさせて、形状記憶コイル9を非通電状態とすることにより、巻き線部9aに加えられていた、記憶寸法L1に戻ろうとする復元力が解除される。これにより、ロック解除部材8は、第1の弾性部材3の付勢力で図示右方向に移動して、先端部に形成しているロック部がロック解除部材から離間する。
このことによって、形状記憶コイル9は、一端部9bが矢印D方向に引っ張られて、巻き線部9aが長さ寸法L2に伸長して変化する。
【0040】
このような本発明のカード用コネクタ装置は、形状記憶コイル9を形状記憶合金からなる線材をコイル状に巻回して形成しているので、巻き線部9aの長さを大きく変化させても、あらかじめ記憶させている巻き線部9aの記憶寸法L1に容易に復帰させることができる。
そのために、形状記憶コイル9は、ハウジング1の一方側である、図示下方側だけの一方に配設するだけで良く、本発明のカード用コネクタ装置の小型化が可能となる。また、従来より部品点数を削減できる。
【0041】
また、本発明の第2の実施の形態のカード用コネクタ装置を、図7に基づいて説明する。本発明の実施の形態と同じ部材は同じ番号を付して詳細な説明は省略する。まず、ハウジング21の後側板21aの図示左側には、カード部材5の前端部押圧して外部に排出可能な、排出機構である長尺状で縦長のレバー部材22が配設されている。
このレバー部材22は、回動支点22aを支点として回動可能になっており、一端部側である図示下方側に延びる腕部22bの端部に形状記憶コイル9の一端部9bを連結している。
また、レバー部材22は、回動支点22aと、形状記憶コイル9を連結する腕部22b端部との間を湾曲させて、カード部材5を矢印B方向に押圧するための押圧部22cが突出形成されている。
【0042】
このような本発明の第2の実施の形態のカード用コネクタ装置は、カード部材5を矢印A方向に挿入してハウジング21に装着するときに、カード部材5の前端部が押圧部22cを押圧することにより、レバー部材22が、回動支点22aを支点として時計回り方向に回動する。
このレバー部材22の時計回り方向への回動で、形状記憶コイル9の巻き線部9aが、あらかじめ記憶させた記憶寸法L1より伸長して長さ寸法L2に変化する。
【0043】
この状態から、形状記憶コイル9は、スイッチ部材12をON/OFFさせて、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で記憶寸法L1に収縮して戻ろうとする復元力が発生する。
この復元力で、レバー部材22の腕部22bが引っ張られて、レバー部材22が反時計回り方向に回動することにより、押圧部22cがハウジング21内部に装着しているカード部材5の前端部を直接押圧して、カード部材5を矢印B方向に排出するするようにしたものである。
このような本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態で説明したスライド部材6、係合部材7、第1、第2の弾性部材3、4等が不要になり、部品点数を削減してコストダウンが可能になる。
また、第2の実施の形態では、排出機構を1本の縦長状で長尺のレバー部材22で説明したが、排出機構は、2本のレバー部材を組み合わせたもの(図示せず)、あるいはレバー部材22に別部材からなるカード押圧部材(図示せず)を取り付けたものでも良い。
【0044】
本発明の第1、第2の実施の形態では、収縮状態を記憶寸法L1として記憶させ、寸法L2に伸長させた形状記憶コイル9を通電状態とすることで、伸長状態から収縮状態に変化させて、カード部材5のロックを解除することで説明したが、図示を省略するが、伸長状態の寸法L2を記憶寸法とし、寸法L1に収縮させた形状記憶コイル9を通電状態とすることで収縮状態から伸長状態に変化させてカード部材5のロックを解除するようにしたものでも良い。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態は、形状記憶コイルが、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する記憶寸法に戻ろうとする復元力で、ロック解除部材がロック部材側に移動することにより、ロック部材によるロックが解除されて、ハウジング内部に装着したカード部材を外部に排出するするようにしたの、1つの形状記憶コイルでカード部材のロックを解除することができ、小型のカード用コネクタ装置を提供できる。
【0046】
また、第1の弾性部材の付勢力で記憶寸法から変化した形状記憶コイルを、通電状態において発生する復元力で第1の弾性部材に抗してロック解除部材がロック部材側に移動するようにしたので、形状記憶コイルに発生する復元力が小さくても容易にロック解除部材をスライドさせることができる。そのために電源容量を小さくできる。
【0047】
また、通電状態における巻き線部の温度上昇で、伸長状態の形状記憶コイルが収縮して記憶寸法に復元するようにしたので、通電状態における巻き線部のコイル間の接触を防止して、巻き線部が異常発熱することがない操作性の良いカード用コネクタ装置を提供できる。
【0048】
また、ハウジング内部にカード部材を装着してロック時は、カード部材が係合部材に係合されると共に、スライド部材がロック部材に係止されてカード部材の動きが規制されるようにしたので、カード部材を確実にロックして、動きを規制することができる高性能なカード用コネクタ装置を提供できる。
【0049】
また、係合凹部に係合させた係合部材とスライド部材との動きを規制することにより、ハウジング内部に装着したカード部材をロックするようにので、カード部材を確実にロックすることができる。
【0050】
また、第2の弾性部材でロック部材との係止が解除されてスライド部材を弾性付勢してカード部材を排出するようにしたので、第2の弾性部材でロック解除後のカード部材を所定寸法自動排出することができ、操作性の良いカード用コネクタ装置を提供できる。
【0051】
また本発明の第2の実施の形態は、形状記憶コイルが、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する前記記憶寸法に戻ろうとする復元力で、排出機構が作動してハウジングに装着したカード部材を排出するようにしたので、部品点数を少なくすることができコストダウンが可能なカード用コネクタ装置を提供できる。
【0052】
また、ハウジング内部に前記カード部材を装着した状態における形状記憶コイルの巻き線部の長さ寸法は、記憶寸法より伸長しており、通電状態における巻き線部の温度上昇で形状記憶コイルが収縮して記憶寸法に復元するようにしたので、
形状記憶コイルの巻き線部の収縮でカード部材をハウジングからように排出することができる操作性の良いカード用コネクタ装置を提供できる。
【0053】
また、排出機構は、長尺状のレバー部材からなり、回動支点と一端部側の形状記憶コイルを係止する係止部分との間にカード部材を押圧可能なカード押圧部を形成し、形状記憶コイルの収縮でハウジングに装着したカード部材をカード押圧部で押圧するようにしたのでカード部材を排出するときの操作性が良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図2】発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図3】発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図5】発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図6】発明の第1の実施の形態の動作を説明する要部平面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を説明する要部平面図である。
【図8】従来のカード用コネクタ装置を説明する要部平面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a 収納部
1d ロック部材収納部
2 接触端子
3 第の弾性部材
4 第2の弾性部材
5 カード部材
5a 接点部
5b 係合凹部
6 スライド部材
6a 支持突起
6b ロック部
7 係合部材
7a 係合凸部
7b 回動支点
7c 位置決めピン
8 ロック解除部材
9 形状記憶コイル
9a 巻き線部
10 係止部材
11 電源
12 スイッチ部材
Claims (9)
- カード部材と、このカード部材を内部に装着可能なハウジングと、このハウジング内部に装着する時の前記カード部材の動きに連動して移動可能なスライド部材と、前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を前記スライド部材を介してロック可能なロック部材と、前記スライド部材の前記ロックを解除して前記カード部材を前記ハウジング内部から排出可能なロック解除部材とを備え、
前記ロック解除部材には、線状の形状記憶合金をコイル状に巻回して所定長さの巻き線部を有する形状記憶コイルが係止され、この形状記憶コイルは、あらかじめ記憶させた前記巻き線部の所定の長さ寸法を記憶寸法とし、
前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を、前記ロック部材が前記スライド部材を介して前記ロックした状態において、前記形状記憶コイルの前記巻き線部の長さ寸法が前記記憶寸法から変化しており、
この状態から、前記形状記憶コイルは、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する前記記憶寸法に戻ろうとする復元力で、前記ロック解除部材が前記ロック部材側に移動することにより、前記ロック部材による前記ロックが解除されて、前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を外部に排出するするようにしたことを特徴とするカード用コネクタ装置。 - 前記ロック解除部材は、前記ロック部材から離れる方向に弾性付勢する第1の弾性部材を有し、この第1の弾性部材の付勢力で前記記憶寸法から変化した前記形状記憶コイルを、前記通電状態において発生する前記復元力で前記第1の弾性部材に抗して前記ロック解除部材が前記ロック部材側に移動するようにしたことを特徴とする請求項1記載のカード用コネクタ装置。
- 前記形状記憶コイルは、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着して前記ロックした状態における前記巻き線部の長さ寸法が前記記憶寸法より伸長しており、前記通電状態における前記巻き線部の温度上昇で伸長状態の前記形状記憶コイルが収縮して前記記憶寸法に復元するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のカード用コネクタ装置。
- 前記スライド部材は、回動可能に支持した係合部材を有し、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着して前記ロック時は、前記カード部材が前記係合部材に係合されると共に、前記スライド部材が前記ロック部材に係止されて前記カード部材の動きが規制されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のカード用コネクタ装置。
- 前記カード部材は、前記係合部材が係合可能な係合凹部を有し、この係合凹部に係合させた前記係合部材と前記スライド部材との動きを規制することにより、前記ハウジング内部に装着した前記カード部材を前記ロックするようにしたことを特徴とする請求項4記載のカード用コネクタ装置。
- 前記スライド部材は、前記ロック部材から離れる方向に弾性付勢する第2の弾性部材を有し、この第2の弾性部材で前記ロック部材との前記係止が解除された前記スライド部材を弾性付勢して前記カード部材を前記排出するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5記載のいずれか1項記載のカード用コネクタ装置。
- カード部材と、このカード部材を着脱可能なハウジングとを備え、このハウジングは、内部に装着した前記カード部材の前端部を押圧して排出可能な排出機構を配設し、この排出機構は、線状の形状記憶合金をコイル状に巻回して所定長さの巻き線部を有する形状記憶コイルが連結され、
この形状記憶コイルは、あらかじめ記憶させた前記巻き線部の所定長さを記憶寸法とし、前記ハウジング内部に前記カード部材を装着した状態において、前記形状記憶コイルの前記巻き線部の長さ寸法が前記記憶寸法より変化しており、
この状態から、前記形状記憶コイルは、非通電状態と通電状態との切り換えに伴う温度変化で発生する前記記憶寸法に戻ろうとする復元力で、前記排出機構が作動して前記ハウジングに装着した前記カード部材を前記排出するするようにしたことを特徴とするカード用コネクタ装置。 - 前記ハウジング内部に前記カード部材を装着した状態における前記形状記憶コイルの前記巻き線部の長さ寸法は、前記記憶寸法より伸長しており、前記通電状態における前記巻き線部の温度上昇で前記形状記憶コイルが収縮して前記記憶寸法に復元するようにしたことを特徴とする請求項7記載のカード用コネクタ装置。
- 前記排出機構は、長尺状のレバー部材からなり、一端部側が前記形状記憶コイルに連結されて回動支点を支点として回動可能とし、前記回動支点と前記一端部側の前記形状記憶コイルを連結する連結部分との間に前記カード部材を押圧可能なカード押圧部を形成し、前記形状記憶コイルの前記収縮で前記ハウジングに装着した前記カード部材を前記カード押圧部で押圧するようにしたことを特徴とする請求項8記載のカード用コネクタ装置。
Priority Applications (1)
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Cited By (4)
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WO2018003499A1 (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-04 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 電磁シールド部品及び電磁シールド部品付電線 |
CN110690621A (zh) * | 2018-07-04 | 2020-01-14 | 日本航空电子工业株式会社 | 卡托盘 |
CN111566666A (zh) * | 2018-01-25 | 2020-08-21 | 艾斯科技公司 | 具有sma致动器的sim卡释放机构 |
US20230333610A1 (en) * | 2022-04-13 | 2023-10-19 | Dell Products L.P. | Secure hardware component retention assembly |
-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002170103A patent/JP2004014456A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
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