JP2004014355A - 非水電解質電池 - Google Patents

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原 史子
Toru Mizutani
水谷 通
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Abstract

【課題】高温保存や落下による衝撃で起こる外部短絡を防止する。
【解決手段】帯状の正極4と負極5とがセパレータ7を介して積層され、正極4及び負極5の長手方向に捲回された電池素子2と、電池素子2が封入されるフィルム状の外装材3とを有し、外装材3に封入された電池素子3の捲回軸方向の端面において、負極5の幅方向の端部よりセパレータ7が1.5mm以上、2.5mm以下の範囲ではみ出しており、電池素子2の端面におけるセパレータ7のはみ出しが適切な寸法にされていることから、高温保存や落下による衝撃で正極4と負極5とが接触して起こる内部短絡が防止される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯状の正極と負極とが帯状のセパレータを介して積層されて捲回された電池素子を有し、電池特性が大幅に改良された非水電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年においては、例えばノート型携帯用コンピューター、情報端末装置(PDA:Personal Digital Assistants)、携帯型電話機、カメラ一体型VTR(Video Tape Recorder)等の携帯用電子機器の電源として、軽量で高エネルギー密度な二次電池の開発が進められている。この高いエネルギー密度を有する二次電池としては、例えば鉛電池やニッケルカドミウム電池等よりも大きなエネルギー密度を有し、電池の充放電反応がリチウムイオンを正極と負極との間で移動させることで行われるリチウムイオン二次電池が知られている。
【0003】
このリチウムイオン二次電池は、例えば帯状の正極と負極とが帯状有機樹脂膜等からなるセパレータを介して積層されて捲回された電池素子と、電解質塩を非水溶媒に溶解させた非水電解液とを外装材に一緒に封入させた構成となっている。このため、このリチウムイオン二次電池において、外装材には、非水電解液の漏液を防ぎ、気密性の高い金属製容器を用いている必要がある。このような外装材を用いた場合、リチウムイオン二次電池では、例えばシート型、カード型等の薄型形状に作製することや、可撓性を持たせること等が困難となる。
【0004】
このような問題の解決手段としては、例えば無機や有機物質からなる固体電解質、高分子物質を有するゲル状電解質等を用いた電池が提案されている。具体的には、例えば高分子材料と電解質塩とを有する高分子固体電解質や、マトリックス高分子に非水電解液を保持させたゲル状電解質等を用いた固体電解質電池が提案されている。
【0005】
この固体電解質電池は、電解質が固体やゲル状であることから、漏液を防止でき、電解質の厚みを制御することができる。また、この固体電解質電池は、電解質が電極に対して接着性を有することから、捲回体である電池素子において、電解質と電極との接触性や正極と負極との間隔を良好にすることができる。このため、この固体電解質電池では、例えば電解液の漏液防止や、電極を厚み方向に加圧するために金属製容器を用いる必要がないことから、フィルム状の外装材を用いて厚みを薄くすることができる。具体的に、固体電解質電池においては、フィルム状の外装材として、例えば熱融着が可能な高分子フィルムと金属箔等からなる防湿性ラミネートフィルムを用いる。
【0006】
これにより、固体電解質電池では、防湿性ラミネートフィルムをホットシール等で封止することにより気密性を高くし、全体の厚みを薄くすることが可能となる。また、この固体電解質電池では、防湿性ラミネートフィルムが金属製容器に比べて軽量で安価であることから、軽量化、低コスト化も図れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した固体電解質電池では、外装材が薄いフィルム状であり内部に封入された電池素子に外部からの応力を伝え易いことから、この外装材に封入された電池素子が例えば高所からの落下等、外部からの応力により変形して電池特性が低下してしまう。特に、電池素子における捲回軸方向の端面が変形した場合、セパレータが捲回軸方向に潰れることから、正極と負極とが接触して内部短絡を生じてしまう。
【0008】
このような問題を解決するために、固体電解質電池では、電池素子における捲回軸方向の端面全面に亘って絶縁材等からなる絶縁防止板等を配置することが提案されている。これにより、固体電解質電池では、絶縁防止板が落下等で電池素子の端面に応力が掛かってセパレータが捲回軸方向に潰れることを抑制して正極と負極との接触による内部短絡を防止することが可能となる。
【0009】
しかしながら、この固体電解質電池では、せっかく外装材にラミネートフィルム等を用いて軽量化、低コスト化が図られたにも係わらず、絶縁防止板等の短絡防止部品を用いることにより重量アップやコストアップといった問題が生じる。また、この固体電解質電池では、電池を製造する際に、絶縁防止板を配置する工程が追加されることによる歩留まりの向上といった問題も生じる。
【0010】
また、固体電解質電池では、高温保存された場合、有機樹脂等からなるセパレータが高温保存による熱で電池素子の捲回軸方向に収縮し、上述した絶縁防止板等の短絡防止部品に関係なく正極と負極とが接触して内部短絡を起こしてしまう。
【0011】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、外部からの応力や高温保存による電池特性の低下が防止されていると共に低コスト化が図られた非水電解質電池を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る非水電解質電池は、帯状の正極と、帯状の負極とがセパレータを介して長手方向に捲回された電池素子と、電池素子が封入されるフィルム状の外装材とを有し、外装材に封入された電池素子の捲回軸方向の端面において、正極又は負極のうち幅が大きい方の電極の幅方向の端部よりセパレータが1.5mm以上、2.5mm以下の範囲ではみ出している。
【0013】
これにより、この非水電解質電池では、外部からの応力を伝え易いフィルム状の外装材に封入された電池素子の捲回軸方向の端面において、セパレータが1.5mm〜2.5mmの範囲ではみ出しており、電池素子の捲回軸方向の端面に外部から応力が掛かってセパレータが電池素子の捲回軸方向に潰れても、セパレータのはみ出し部分が電池素子の捲回軸方向に十分な距離を保つことから、正極と負極とをセパレータが適切に遮蔽させて内部短絡を防止する。
【0014】
また、この非水電解質電池では、電池素子の捲回軸方向の端面において、セパレータが1.5mm〜2.5mmの範囲ではみ出しており、セパレータのはみ出し部分が熱による収縮も見越した寸法にされていることから、高温貯蔵による熱でセパレータが電池素子の捲回軸方向に収縮しても、セパレータのはみ出し部分が電池素子の捲回軸方向に十分な距離を保ち、正極と負極とをセパレータが適切に遮蔽させて内部短絡を防止する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した非水電解質電池について説明する。そして、この非水電解質電池としてリチウムイオン二次電池(以下、電池と記す。)の一構成例を図1に示す。この電池1は、発電要素となる電池素子2と、電池素子2を封入するフィルム状の外装材3とを有している。
【0016】
電池素子2は、図2に示すように、帯状の正極4と、帯状の負極5との間に有機高分子や電解質塩を含有させた固体電解質6とセパレータ7とを介在させた状態で、帯状の電極の長手方向に捲回することで発電素子として機能する。
【0017】
正極4は、正極活物質と結着剤とを含有する正極合剤塗液を正極集電体8上に塗布、乾燥、加圧することにより、正極集電体8上に正極合剤層9が圧縮形成された構造となっている。正極4には、正極端子10が正極集電体8の所定の位置に、正極集電体8の幅方向に突出するように接続されている。この正極端子10には、例えばアルミニウム等の導電性金属からなる短冊状金属片等を用いる。
【0018】
正極活物質には、比較的に電池容量を大きくできる例えばLiMO(式中MはCo、Ni、Mn、Fe、Al、V、Ti等による一種以上の遷移金属を表し、xは0.5以上、1.10以下の範囲である。)で示されるリチウム複合酸化物等を使用する。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、Co、Ni、Mn等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(式中、0<y<1である。)、LiMn等を挙げることができる。また、正極活物質としては、安価で結晶構造が安定している例えばLixMyPO4(式中MはFe、Mn、Cr、Co、Cu、Ni、V、Mo、Ti、Zn、Al、Ga、Mg、B、Nb、SnCa、Srのうち何れか一種以上であり、0.5≦x≦1.1であり、0.5≦y≦1である。)で示される化合物等が挙げられ、具体的にLiFePO等を用いる。さらに、正極活物質としては、例えばTiS、MoS、NbSe、V等の金属硫化物あるいは酸化物も使用することができる。
【0019】
正極4では、正極合剤層9の結着剤として、非水電解質電池の正極合剤に用いられる例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジンやポリテトラフルオロエチレン等といった結着剤を用いることができる他に、正極合剤層9に例えば導電材として炭素質材料等を添加したり、公知の添加剤等を添加したりすることができる。正極4では、正極集電体8に、例えばアルミニウム等の導電性金属からなる箔状金属や網状金属等を用いる。
【0020】
負極5は、負極活物質と結着剤とを含有する負極合剤塗液を負極集電体11上に塗布、乾燥、加圧することにより、負極集電体11上に負極合剤層12が圧縮形成された構造となっている。負極5には、負極端子13が負極集電体11の所定の位置に、負極集電体11の幅方向に突出するように接続されている。この負極端子13には、例えばニッケルや銅等の導電性金属からなる短冊状金属片等を用いる。
【0021】
負極活物質には、リチウム、リチウム合金、又はリチウムイオンをドープ・脱ドープできる炭素質材料等が用いられる。リチウムイオンをドープ・脱ドープできる炭素質材料としては、例えば2000℃以下の比較的低い温度で焼成して得られる低結晶性炭素材料、結晶化しやすい原材料を3000℃付近の高温で焼成した人造黒鉛等の高結晶性炭素材料等を用いることが可能である。具体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭等の炭素質材料を用いることが可能である。コークス類としては、例えばピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等がある。なお、有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し、炭素化したものである。
【0022】
また、負極活物質としては、上述した炭素質材料の他に、例えばリチウムと化合可能な元素又はこの元素の化合物等を用いることもできる。具体的には、例えば化学式DLi(Dはリチウムと化合可能な金属元素及び/又は半導体元素の一種以上であり、Eはリチウム及びD以外の金属元素及び/又は半導体元素の一種以上であり、sは0より大きく、t及びuは0以上である。)等化学式で示される化合物としてSiB、SiB、MgSi、MgSn、NiSi、TiSi、MoSi、CoSi、NiSi、CaSi、CrSi、CuSi、FeSi、MnSi、NbSi、TaSi、VSi、WSi、ZnSi等が挙げられ、これらのうち何れか一種以上を用いる。そして、これらの化合物は、上述した炭素質材料に一種以上を混合させて用いることもでき、この場合、炭素質材料が導電材として機能することになる。
【0023】
また、上述した炭素質材料や化合物の他に、負極活物質として、例えばポリアセチレン、ポリピロール等の高分子や酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸化スズ等の酸化物を使用することもできる。
【0024】
負極5では、負極合剤層11の結着剤として、非水電解質電池の負極合剤に用いられる例えばポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピリジンやポリテトラフルオロエチレン等といった結着剤を用いることができる。負極5では、負極集電体11に、例えば銅等の導電性金属からなる箔状金属や網状金属等を用いる。
【0025】
固体電解質6は、正極4と負極5との間で例えばリチウムイオン等の授受を行うものである。このため、この固体電解質6には、リチウムイオン導電性を有する有機固体電解質を用いる。この有機固体電解質としては、電解質塩とそれを含有させる有機高分子とによって構成される高分子固体電解質や、非水電解液を高分子マトリックスに含有させたゲル状電解質等を用いることができる。そして、固体電解質6は、正極4及び負極5の表面に、有機固体電解質を含有する電解質溶液を塗布し、固化することで電解質層として形成される。
【0026】
固体電解質6においては、通常、非水電解質電池に用いられる電解質塩を使用することができる。具体的には、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、LiB(C、CHSOLi、CFSOLi、LiCSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiC(SOCF、LiAlCl、LiSiF、LiCl、LiBr等が挙げられ、これらのうちの一種又は複数種を混合して用いる。特に、電解質塩としては、酸化安定性の点で優れているLiPF、LiBFを用いる。
【0027】
そして、固体電解質6では、高分子固体電解質の電解質塩を含有させる有機高分子として例えばポリ(エチレンオキサイト)や同架橋体等のエーテル系高分子、ポリ(メタクリレート)エステル系高分子、アクリレート系高分子等を単独又は分子中に供重合、混合して用いることができる。
【0028】
固体電解質6においては、ゲル状電解質の場合、上述した電解質塩を溶解させて非水電解液にさせる非水溶媒には比較的誘電率が高い溶媒を用いる。具体的には、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチルラクトン、γ−ヴァレロラクトン等の環状エステル化合物、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン等のエーテル化合物、酢酸メチル、プロピレン酸メチル等の鎖状エステル化合物、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート化合物、2,4−ジフルオロアニソール、2,6−ジフルオロアニソール、4−ブロモベラトロール等が挙げられ、これらのうちの一種又は複数種を混合して用いる。
【0029】
そして、固体電解質6では、ゲル状電解質の非水電解液を含有させる高分子マトリックスとしては非水電解液を吸収してゲル化するものであれば種々の高分子が利用できる。具体的には、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリメタクリルニトリル等が挙げられ、これらのうち何れか一種又は複数種を混合して用いる。
【0030】
セパレータ7は、正極4と負極5とを離間させるものであり、この種の非水電解質電池の絶縁性多孔質膜として通常用いられている公知の材料を用いることができる。具体的には、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の高分子フィルムが用いられる。また、リチウムイオン伝導度とエネルギー密度との関係から、セパレータ7の厚みはできるだけ薄い方が好ましく、その厚みを30μm以下、具体的には9μm程度の厚みにして用いる。これにより、電池1では、正極4と負極5との間のリチウムイオン電導度を良好にでき、高いエネルギー密度が得られる。
【0031】
また、セパレータ7は、電池素子2の捲回軸方向の端面において、正極4又は負極5のうち幅が大きい方の電極の幅方向の端部より1.5mm以上、2.5mm以下の範囲ではみ出すような寸法にされている。
【0032】
これにより、セパレータ7は、電池素子2の捲回軸方向の端面に外部から応力が掛かって電池素子2が捲回軸方向に潰れても、はみ出し部分が電池素子2の捲回軸方向に十分な距離を保ち、正極4と負極5とを適切に遮蔽することから、正極4と負極5とが接触して短絡することを防止させる。
【0033】
また、セパレータ7は、電池素子2の捲回軸方向の端面におけるはみ出し部分が高温保存による収縮も見越した寸法に制御されていることから、高温保存により電池素子2の捲回軸方向に収縮しても、はみ出し部分が電池素子2の捲回軸方向に十分な距離を保ち、正極4と負極5とを適切に遮蔽させる。
【0034】
電池素子2の捲回軸方向の端面において、電極の幅方向の端部からのセパレータ7のはみ出し寸法が1.5mmより少ない場合、電池1では、外部から応力によりセパレータ7が電池素子2の捲回軸方向に潰れたり、高温保存による熱でセパレータ7が電池素子2の捲回軸方向に収縮した際に、セパレータ7のはみ出し部分における電池素子2の捲回軸方向の寸法が短すぎることから、セパレータ7が正極4と負極5とを遮蔽することが困難となる。一方、電池素子2の捲回軸方向の端面において、電極の幅方向の端部からのセパレータ7のはみ出し寸法が2.5mmより多い場合、電池1では、リチウムイオンの授受が行われないセパレータ7のはみ出し部分、すなわちセパレータ7の電池素子2における捲回軸方向のはみ出し部分が長すぎて、電池体積に対してリチウムイオンの授受が行われない部分が増えることからエネルギー密度を低下させてしまう。
【0035】
したがって、電池1では、電池素子2の捲回軸方向の端面において、正極4又は負極5のうち幅が大きい方の電極の幅方向の端部よりセパレータが1.5mm以上、2.5mm以下の範囲ではみ出すようにされていることにより、外部からの応力や高温保存による内部短絡を防止しつつ、エネルギー密度の低下を抑制させることが可能となる。
【0036】
以上のような構成の電池素子2を封入する外装材3は、例えば樹脂層と金属層とがラミネート加工等で貼り合わされて二層以上に複合化されたラミネートフィルムであり、電池素子2と対向する面が樹脂層になるようにされている。樹脂層としては、正極端子9及び負極端子12に対して接着性を示すものであれば材料は特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン及びこれらの共重合体、ポリオレフィン樹脂等といった有機樹脂材料が透過性を低くできて気密に優れることから用いられる。金属層としては、例えば箔状、板状等に成形されているアルミニウム、ステンレス、ニッケル、鉄等が用いられる。また、外装材3においては、電池1の外周層となる層に例えばナイロン等からなる樹脂層を備えることにより、破れや突き刺し等に対する強度を向上させることができる。
【0037】
このような構成の電池1は次のようにして製造する。先ず、正極4を作製する。正極4を作製する際は、上述した正極活物質と導電材と結着剤とを含有する正極合剤塗液を調製し、この正極合剤塗液を例えばアルミニウム箔等からなる正極集電体8上に未塗工部を設けるように均一に塗布し、乾燥することで正極合剤層9を形成し、所定の寸法に裁断する。次に、正極集電体8が露出する未塗工部に正極端子10を例えば超音波溶接や、スポット溶接等により接続する。このようにして、帯状の正極4が作製される。
【0038】
次に、負極5を作製する。負極5を作製する際は、上述した負極活物質と結着剤とを含有する負極合剤塗液を調製し、この負極合剤塗液を例えば銅箔等からなる負極集電体11上に未塗工部を設けるように均一に塗布、乾燥することで負極合剤層12を形成し、所定の寸法に裁断する。次に、負極集電体11が露出する未塗工部に負極端子13を例えば超音波溶接や、スポット溶接等により接続する。このようにして、帯状の負極5が作製される。
【0039】
次に、以上のように作製された正極4の正極合剤層9の主面、及び負極5の負極合剤層12の主面に固体電解質6をそれぞれ層状に形成する。固体電解質6を形成する際は、電解質塩を非水溶媒に溶解させて非水電解液を調製する。次に、この非水電解液と、有機高分子又はマトリックス高分子と、必要に応じて希釈溶剤としての非水溶媒とを混合撹拌してゾル状態の電解質溶液を作製し、この電解質溶液を正極4の正極合剤層9の主面、及び負極5の負極合剤層12の主面にそれぞれ塗布して高分子固体電解質層を形成する。希釈溶剤を用いた場合は、その非水溶媒を揮発させてゲル電解質層を形成する。このようにして正極4上及び負極5上に固体電解質6を電解質層としてそれぞれ形成させる。
【0040】
次に、以上のように固体電解質6が主面上に形成された正極4及び負極5を電解質層が対向するように、セパレータ7を介して長尺方向に多数回、扁平状に捲回して電池素子2を作製する。この際には、電池素子2の捲回軸方向の端面において、正極4又は負極5のうち幅が大きい方の電極の幅方向の端部よりセパレータ7が1.5mm以上、2.5mm以下の範囲ではみ出るようにさせる。また、電池素子2においては、捲回軸方向の一方端面から正極端子10及び負極端子13を突出させる。
【0041】
次に、この電池素子2に備わる正極端子10と負極端子13とを外部に導出しつつ、外装材3の内部に収納した。このとき、電池素子2は、正極端子10及び負極端子13と、外装材3との間に接着性を示すプロピレン等からなる樹脂片14をあてがうようにして、外装材3に収納させる。これにより、電池1では、正極端子10及び負極端子13と外装材3における金属層とが短絡することや、気密性が低下すること等が防止される。
【0042】
次に、電池素子2を内部に収納した外装材3の周縁部を例えばヒートシール等で張り合わせることにより、電池素子2が外装材3に封入される。このようにして、電池1が製造される。
【0043】
以上のようにして製造される電池1では、外部からの応力を伝え易いフィルム状の外装材3に封入された電池素子2の捲回軸方向の端面において、セパレータ7が1.5mm〜2.5mmの範囲ではみ出した構造となっている。これにより、電池1では、落下した際の衝撃でセパレータ7が電池素子2の捲回軸方向に潰れたり、高温保存による熱でセパレータ7が電池素子2の捲回軸方向に収縮しても、セパレータ7のはみ出し部分が電池素子2の捲回軸方向に十分な距離を保ち、セパレータ7が正極4と負極5とを適切に遮蔽させる。したがって、この電池1では、落下による衝撃や高温保存等で正極4と負極5とがセパレータ7を越えて接触することが無く、落下による衝撃や高温保存で起こる内部短絡が防止される。
【0044】
また、この電池1では、従来のような内部短絡の際に正極と負極とが接触して起こる発熱が非水電解質を分解してガス化させることを防止させることから、電池内部にガスが貯留して外装材3を膨らませて厚みを厚くさせてしまうことを防ぐ。
【0045】
また、この電池1では、電池素子2の捲回軸方向の端面においてセパレータ7のはみ出し部分の寸法を制御することで、外部からの応力や高温保存による内部短絡を防止できることから、従来のような外部からの応力による電池素子の捲回軸方向に潰れることを抑制して内部短絡を防止する例えば上述した短絡防止板等の部品を電池素子に取り付ける必要が無く、軽量化、低コスト化が図れる。また、この電池1の製造工程においては、内部短絡を防止する部品を電池素子2に取り付ける工程を必要としないことから、歩留まりを向上できる。
【0046】
なお、以上の例では、非水電解質として高分子固体電解質層又はゲル電解質層からなる固体電解質6を用いているが、このことに限定されることはなく、例えば非水電解質として電解質塩を非水溶媒に溶解させた非水電解液を用いた場合も適用可能である。また、以上の例では、電池素子2を帯状の電極における長手方向に捲回しているが、このことに限定されることはなく、例えば帯状の電極を長手方向に折り畳んだ構造の電池素子にも適用可能である。
【0047】
【実施例】
以下、本発明を適用した非水電解質電池としてゲル状電解質と用いたリチウムイオン二次電池を実際に作製した実施例及び比較例について説明する。
【0048】
〈実施例1〉
実施例1では、先ず、正極を作製した。正極を作製する際は、正極活物質となるLiCoOを100重量部と、導電材としてECP(ケッチェンブラック)を5重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFと記す。)を10重量部と、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)とを加えて、プラネタリーミキサーによって混練して分散を行い、正極合剤塗液を作製した。次に、塗工装置としてダイコータを用いて正極集電体となる厚み15μmの帯状アルミニウム箔の両面に未塗工部を設けるように均一に塗布し、100℃、減圧状態で24時間乾燥させた後に、ロールプレス機で圧縮成形することで正極合剤層を形成し、所定の寸法に裁断した。次に、正極集電体が露出する未塗工部に正極端子を超音波溶接により接続した。このようにして、幅50mm、長さ350mm、厚み120μmの長尺状の正極を作製した。
【0049】
次に、負極を作製した。負極を作製する際は、負極活物質となるMCMB(メソフェーズカーボンマイクロビーズ)を100重量%と、結着剤としてPVdFを6重量%と、溶剤にNMPとを加えて、プラネタリーミキサーによって混練して分散を行い、負極合剤塗液を作製した。次に、この負極合剤塗液を塗工装置としてダイコータを用いて負極集電体となる厚み10μmの帯状銅箔の両面に未塗工部を設けるように均一に塗布し、120℃、減圧状態で24時間乾燥させた後に、ロールプレス機で圧縮成形することで負極合剤層を形成し、所定の寸法に裁断した。次に、負極集電体が露出する未塗工部に負極端子を超音波溶接により接続した。このようにして、幅51.5mm、長さ355mm、厚み100μmの長尺状の負極を作製した。
【0050】
次に、以上のように作製された正極及び負極の両主面にゲル状電解質を電解質層として形成した。ゲル状電解質からなる電解質層を形成する際は、エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とを同重量比で混合させた非水溶媒に対してLiPFを1mol/リットル溶解させた非水電解液を調製した。次に、この非水電解液とPVdFとジメチルカーボネートとを混合撹拌してゾル状態のゲル状電解質溶液を作製した。次に、このゲル状電解質溶液を正極及び負極の両主面上にそれぞれ塗布し、ジメチルカーボネートを揮発させた。このようにして正極及び負極の両主面上にゲル状電解質からなる電解質層を形成させた。
【0051】
次に、以上のように電解質層が主面上に形成された正極及び負極をゲル状電解質が対向するように多孔質ポリプロピレン膜からなる9μmのセパレータを介して貼り合わせ、正極の長尺方向に扁平捲回して電池素子を作製した。このとき、この電池素子の捲回軸方向の両端面においては、負極の幅方向の端部よりセパレータが1.5mmはみ出るようにさせた。また、電池素子においては、捲回軸方向の一方端面から正極端子及び負極端子を突出させた。
【0052】
次に、この電池素子に備わる正極端子と負極端子とを外部に導出しつつ、厚み50μmのアルミニウム箔を厚み30μmのポリオレフィンフィルムで挟んだ三層構造のラミネートフィルムからなる外装材の内部に収納した。このとき、電池素子を、正極端子及び負極端子と外装材との間に接着性を示すプロピレン樹脂片をあてがうようにして、外装材に収納させた。
【0053】
次に、電池素子を内部に収納した外装材の周縁部を貼り合わせることにより、電池素子を外装材に封入した。以上のようにして、幅35mm、高さ62mm、厚み3.7mmのリチウムイオン二次電池を製造した。なお、以下の説明では、便宜上、リチウムイオン二次電池のことを単に電池と称する。
【0054】
〈実施例2〉
実施例2では、正極及び負極を作製する際に、正極の幅を49.5mmに裁断し、負極の幅を51mmに裁断し、電池素子を作製する際に、捲回軸方向の両端面において、負極の幅方向の端部よりセパレータが2mmはみ出るように扁平捲回させたこと以外は、実施例1と同様にして正極、負極及び電池素子を作製した。そして、この電池素子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0055】
〈実施例3〉
実施例3では、正極及び負極を作製する際に、正極の幅を49mmに裁断し、負極の幅を50.5mmに裁断し、電池素子を作製する際に、捲回軸方向の両端面において、負極の幅方向の端部よりセパレータが2.5mmはみ出るように扁平捲回させたこと以外は、実施例1と同様にして正極、負極及び電池素子を作製した。そして、この電池素子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0056】
〈比較例1〉
比較例1では、正極及び負極を作製する際に、正極の幅を51mmに裁断し、負極の幅を52.5mmに裁断し、電池素子を作製する際に、捲回軸方向の両端面において、負極の幅方向の端部よりセパレータが0.5mmはみ出るように扁平捲回させたこと以外は、実施例1と同様にして正極、負極及び電池素子を作製した。そして、この電池素子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0057】
〈比較例2〉
比較例2では、正極及び負極を作製する際に、正極の幅を50.5mmに裁断し、負極の幅を52mmに裁断し、電池素子を作製する際に、捲回軸方向の両端面において、負極の幅方向の端部よりセパレータが1mmはみ出るように扁平捲回させたこと以外は、実施例1と同様にして正極、負極及び電池素子を作製した。そして、この電池素子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0058】
〈比較例3〉
比較例3では、正極及び負極を作製する際に、正極の幅を48.5mmに裁断し、負極の幅を50mmに裁断し、電池素子を作製する際に、捲回軸方向の両端面において、負極の幅方向の端部よりセパレータが3mmはみ出るように扁平捲回させたこと以外は、実施例1と同様にして正極、負極及び電池素子を作製した。そして、この電池素子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして電池を作製した。
【0059】
次に、以上のように作製した実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例3の電池について、充放電を行った。各実施例及び各比較例に対し、充放電を行う際は、23℃雰囲気中、電流値0.8A、上限電圧4.2V、充電時間2.5時間の定電流定電圧充電を行った後に、23℃雰囲気中、0.8Aの電流値で3Vまでの定電流放電を行った。
【0060】
そして、上述した各実施例及び各比較例について、高温保存後のOCV(OpenCircuit Voltage)低下率、高温保存後の厚み膨れ率、放電容量、高温保存後の放電容量維持率、落下試験後のOCV低下率を測定した。
【0061】
以下、各実施例及び各比較例における、高温保存後のOCV低下率、高温保存後の厚み膨れ率、放電容量、高温保存後の放電容量維持率、落下試験後のOCV低下率の評価結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 2004014355
【0063】
各実施例及び各比較例において、高温保存後のOCV低下率は、以下のようにして測定した。高温保存後のOCV低下率を測定する際は、上述した充電条件で充電して各実施例及び各比較例のOCVを測定した後に、各実施例及び各比較例を130℃の高温炉で1時間保存した。そして、保存後に、高温炉から取り出した各実施例及び各比較例に対し、室温で3時間放置して冷めた状態でOCVの測定を行った。なお、表1において、高温保存後のOCV低下率は、高温保存前のOCVに対する高温保存後に低下したOCVの変化率である。
【0064】
また、各実施例及び各比較例において、高温保存後の厚み膨れ率は、以下のようにして測定した。上述した高温保存条件で各実施例及び各比較例を高温保存した際に、高温保存前後の各実施例及び各比較例の電池厚みを測定した。なお、表1において、高温保存後の厚み膨れ率は、高温保存前の電池厚みに対する高温保存後に厚くなった電池厚みの変化率である。
【0065】
さらに、各実施例及び各比較例において、高温保存後の放電容量維持率は、以下のようにして測定した。高温保存後の放電容量維持率を測定する際は、各実施例及び各比較例に対し、上述した充放電条件で充放電を行い、放電容量を測定した。そして、各実施例及び各比較例に対し、上述した高温保存条件で高温保存を行い、保存後に、上述した充放電条件で充放電を5回繰り返して各回毎に放電容量を測定した。なお、表1において、高温保存後の放電容量維持率は、高温保存前の放電容量に対する高温保存後に充放電を5回繰り返した際の最も大きかった放電容量の比率である。また、表1において、放電容量は、高温保存前の放電容量である。
【0066】
さらにまた、各実施例及び各比較例において、落下試験後のOCV低下率は、以下のようにして測定した。落下試験後のCV低下率を測定する際は、上述した充電条件で充電して各実施例及び各比較例のOCVを測定した後に、各実施例及び各比較例を1.9m下のコンクリート床に落下させる落下試験を行った。そして、落下試験後に、各実施例及び各比較例のOCVを測定した。なお、表1において、落下試験後のOCV低下率は、落下試験前のOCVに対する落下試験後に低下したOCVの変化率である。
【0067】
表1に示す評価結果から、電池素子の捲回軸方向の両端面において負極の幅方向の端部よりセパレータが1.5mm以上、2.5mm以下の範囲ではみ出している実施例1〜実施例3では、電池素子の捲回軸方向の両端面において負極の幅方向の端部からのセパレータのはみ出しが1mmより少ない比較例1及び比較例2に比べ、高温保存後のOCV低下率、高温保存後の厚み膨れ率、高温保存後の放電容量維持率、落下試験後のOCV低下率が良好であることがわかる。
【0068】
比較例1及び比較例2では、電池素子の捲回軸方向の両端面における負極の幅方向の端部からのセパレータのはみ出しが少ないことから、高温保存によりセパレータが縮んで正極と負極とが接触して内部短絡を生じてしまう。これにより、比較例1及び比較例2では、高温保存後のOCVや放電容量が低下する。
【0069】
また、比較例1及び比較例2では、内部短絡した際に、短絡個所で起こる局部的な発熱で例えばゲル状電解質等が分解してガス化し、このガスが電池内に貯留して外装材を膨らませることから、高温保存後に厚みが厚くなる。
【0070】
さらに、比較例1及び比較例2では、落下試験による応力が電池素子の捲回軸方向の端面に掛かりセパレータが電池素子の捲回軸方向に潰れた際に、セパレータのはみ出しが少ないことから、セパレータが正極と負極とを適切に遮蔽することが困難であり、正極と負極とが接触して内部短絡を生じてしまう。
【0071】
これらに対し、実施例1〜実施例3では、電池素子の捲回軸方向の両端面における負極の幅方向の端部からのセパレータのはみ出しが1.5mm〜2.5mmの範囲であり、セパレータが適切な寸法ではみ出していることから、高温保存による熱でセパレータが電池素子の捲回軸方向に収縮しても、正極と負極とが接触することが無く、高温保存による内部短絡が防止される。これにより、実施例1〜実施例3おいては、高温保存されてもOCVの低下や放電容量の低下が抑制された優れた電池となる。
【0072】
また、実施例1〜実施例3では、電池素子の捲回軸方向の両端面における負極の幅方向の端部からセパレータが適切な寸法ではみ出していることから、落下試験による応力が電池素子の捲回軸方向の端面に掛かりセパレータが電池素子の捲回軸方向に潰れても、正極と負極が接触することが無く、落下試験による内部短絡が防止される。これにより、実施例1〜実施例3においては、落下試験されてもOCVの低下が抑制された優れた電池となる。
【0073】
表1に示す評価結果から、電池素子の捲回軸方向の両端面において負極の幅方向の端部よりセパレータが1.5mm以上、2.5mm以下の範囲ではみ出している実施例1〜実施例3では、電池素子の捲回軸方向の両端面において負極の幅方向の端部からのセパレータのはみ出しが3mmにされた比較例3に比べ、電池容量が830mAh以上と大幅に大きくなっていることがわかる。
【0074】
比較例3では、リチウムイオンの授受が行われないセパレータのはみ出し部分、すなわちセパレータの電池素子の捲回軸方向にはみ出す部分が多すぎて、電池内部のリチウムイオンの授受が行われない部分が増えることから電池容量が大幅に低下してしまう。
【0075】
これに対し、実施例1〜実施例3では、電池素子の捲回軸方向の両端面における負極の幅方向の端部からのセパレータのはみ出しが1.5mm〜2.5mmの範囲であり、セパレータが適切な寸法ではみ出していることから、電池内部のリチウムイオンの授受が行われない部分が極端に増えることが無く、電池容量の低下が抑制されて、830mAh以上を保持できる。
【0076】
以上のことから、電池素子の捲回軸方向の両端面において負極の幅方向の端部よりセパレータを1.5mm以上、2.5mm以下の範囲ではみ出させることは、電池容量の低下が抑制され、高温保存及び落下試験による電池特性の低下が防止された優れた電池を製造する上で大変有効である。
【0077】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電池素子の捲回軸方向の端面に外部から応力が掛かってセパレータが電池素子の捲回軸方向に潰れたり、高温保存による熱でセパレータが電池素子の捲回軸方向に収縮しても、セパレータのはみ出し部分が電池素子の捲回軸方向に十分な距離を保ち、セパレータが正極と負極とを適切に遮蔽させることから、正極と負極とがセパレータを越えて接触して起こる内部短絡が防止された非水電解質電池が得られる。
【0078】
したがって、本発明によれば、従来のような内部短絡した際に正極と負極とが接触して起こる発熱が非水電解質を分解してガス化させることを防ぐことから、電池内部にガスが貯留して外装材を膨らませて非水電解質電池の厚みが厚くなることを防止する。
【0079】
また、この本発明によれば、電池素子の捲回軸方向の端面におけるセパレータのはみ出し部分の寸法を制御することで、外部からの応力や高温保存による内部短絡を防止できることから、従来のような外部からの応力による電池素子における捲回軸方向の端面の潰れを抑制して内部短絡を防止する部品を電池素子に取り付ける必要が無く、軽量化、低コスト化が図られた非水電解質電池が得られる。また、非水電解質電池の製造工程においては、内部短絡を防止する部品を電池素子に取り付ける工程を必要としないことから、歩留まりを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリチウムイオン二次電池であり、内部の一部を透視している透視斜視図である。
【図2】同リチウムイオン二次電池の横断面図である。
【符号の説明】
1 リチウムイオン二次電池、2 電池素子、3 外装材、4 正極、5 負極、6 固体電解質、7 セパレータ、8 正極集電体、9 正極合剤層、10
正極端子、11 負極集電体、12 負極合剤層、13 負極端子

Claims (1)

  1. 帯状の正極と、帯状の負極とがセパレータを介して長手方向に捲回された電池素子と、
    上記電池素子が封入されるフィルム状の外装材とを有し、
    上記外装材に封入された上記電池素子の捲回軸方向の端面において、上記正極又は上記負極のうち幅が大きい方の電極の幅方向の端部より上記セパレータが1.5mm以上、2.5mm以下の範囲ではみ出している非水電解質電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008066020A (ja) * 2006-09-05 2008-03-21 Sony Corp 非水電解質二次電池
JP2015232966A (ja) * 2014-06-10 2015-12-24 株式会社Gsユアサ 蓄電素子
WO2022138243A1 (ja) * 2020-12-24 2022-06-30 株式会社村田製作所 電池

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