JP2004013825A - ジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断方法および物流ネック診断装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の加工工程からなるジョブショップ型製造ラインにおいて、前記ジョブショップを構成する各装置の過去一定期間における処理数推移とライン全体総処理数推移とから各装置の処理数とライン全体総処理数との相関度合いを導き出し(ステップS1)、前記相関度合いとこの期間における各装置のライン全体総処理数に占める割合との関係をグラフ化することにより各装置毎の物流特性を求め(ステップS2)、その物流特性から物流ネック装置を特定する(ステップS3)。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多数の加工工程からなるジョブショップ型製造ラインにおける物流ネック診断方法および物流ネック診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体ウエハ、液晶ディスプレイパネル、プラズマCRT等の多品種被製造物を製造するラインなどにおいては、加工工程数が数百工程にも及ぶ場合もあり、また各工程の製造装置は非常に高価であるために加工手順通りに製造装置を一列に並べるようなことはしないで、ジョブショップ方式にすることによって同じ製造装置を異なる工程で繰り返し使用し、加工進行させていく方式が採用されていることが多い。図6はジョブショップ型製造ラインにおける同一製造装置を繰り返し使用する例を示している。図6において、311は設備aの成膜装置、312は設備bの写真装置、313は設備cの注入装置である。図6の製造ラインにおいては、被製造物の製造工程において用いられる装置は、順に、設備a、設備b、設備c、設備aとなっており、設備aの成膜装置311は繰り返し使用されている。
【0003】
従って、このようなジョブショップ型製造ラインの各製造装置には、ライン投入日の早い遅いに関係なく複数のワークが仕掛る。図7は、同一製造装置に投入順序に関係のない複数のワークが仕掛かることを説明する図である。図7において、321,322、323は、製造工程における所定の工程であり、311,312,313は、図6で示した各装置と同一の装置である。324は各工程における処理の内容を示したものであり、各□の中の文字(例えば、成:成膜、写:写真、注:注入)がその内容を示している。図7に示すように、321、322、323の各工程1,4,7のように、投入直後のワーク(工程1)と入庫直前のワーク(工程7)が同一の製造装置311に仕掛る場合がある。
【0004】
このため投入数量の変動の影響を受けて、図8のように各製造装置への仕掛の流れ込み量も毎日変動している。図8において、331は各被製造物の品種毎の製造工程で用いられる使用装置群名を示した表であり、332は各被製造物の品種毎の各日の生産要求数量を示した表であり、333は各装置群毎の日々の要求処理数量の変化を示した表である。図8の例においては、品種1と品種2の生産要求数量が変動するため、それぞれが使用する製造装置の負荷も変動している。
【0005】
一方で、各装置の製造能力も、突発的な故障トラブルや日々の保守作業による停止なども影響し日々変動している。そのために、各装置における1日あたりの流れ込み量が処理能力よりも少なければ、1日あたりの処理量は減少し、流れ込み量が処理能力を上回れば、装置前に仕掛が滞留するといった状況が頻発する。仕掛が滞留すれば、それより以降の工程でのワークの流れ込みが減少するため、ライン全体の処理工数は低下する危険性がある。
【0006】
このように製造ライン内の至る所で、ライン全体の効率に影響を及ぼす物流上のネックポイント(以下、物流ネックと呼ぶ。)が存在していて、物流ネックとなっている製造装置は、ライン全体の処理数量(出来高)を不安定にさせるだけでなく、各ワークの工期も阻害する要因となっている。そして、このような物流ネック装置は、常に同一装置という保証もなく、日々移り変わりながら存在するという特徴がある。
【0007】
従来、多くの製造ラインでは、各装置における日々の処理数量を監視し、その処理数量の変動が大きい装置や、仕掛が多く滞留している装置に注意を促すように生産管理が行われてきた。図9は、仕掛の停滞時間に着目して物流ネックを診断する例である。図9の例においては、各装置のワークの平均停滞時間は、装置Aが0.5時間、装置Bが13.5時間、装置Cが0.8時間となっており、これらのデータから、物流ネック装置が装置Bであることがわかる。
【0008】
さらに、特許第2793442号公報で開示されている技術では、過去の一定期間における処理数と仕掛数との関係から仕掛数によって処理数が変化する工程と変化しない工程とに分類し、仕掛り数が変化すると処理数が変化する工程の中から重要管理工程を選定し、その工程への送り込みを制御する技術などがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来技術は、ライン全体の稼動状態を最も適切に維持できる仕掛数量を各装置や工程毎に求めておいて、その値を維持できるように、その前工程から物流を制御しようとするものであるが、「仕掛が少なくなる<原因>」ことによって「装置における処理数量が低下する<結果>」という相関関係に着目しているわけであるが、しかしながら、処理数が変化する工程が必ずしも物流ネックと一致するわけではない。例えば常にトラブルが多い装置では、「トラブルが発生することにより処理数量が低下する<原因>」ことによって「仕掛が多くなる<結果>」といった因果関係が逆転する場合も多い。つまり仕掛数と処理数との相関関係だけでは物流ネックを特定できないという問題点がある。
【0010】
さらに、品種の多様化、製品の短命化にともない、製造ラインに投入される製品種類の構成やその生産数量も変化に富み、各製造装置で行うべき必要な処理数量も毎日一定ではなくなってきている。そのため、装置または工程における仕掛量や各ワークの停滞時間に、ある一定数量の基準値を設けることが困難となっており、物流ネック状態となっている装置を特定するための判断基準が明確には与えられず、これらの判断は、もっぱら人の経験に委ねられているという問題点があった。
【0011】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、製造ラインの物流ネック状態を定量的に評価して、どの装置が物流ネックであるかを特定することができる物流ネック診断方法および物流ネック診断装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、被製造物の加工を行うための複数の装置からなるジョブショップ型製造ラインにおいてライン全体の効率に影響を及ぼす物流ネックとなる装置を特定するためのジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断方法であって、前記ジョブショップ型製造ラインを構成する各装置の過去の所定の一定期間における処理数推移と、当該一定期間のライン全体の総処理数推移とが入力されるステップと、入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから各装置の処理数とライン全体総処理数との相関度合いを算出するステップと、入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから、前記各装置の処理数の前記ライン全体の総処理数に占める割合を算出するステップと、算出された前記相関度合いと前記割合との関係をグラフ化することにより各装置毎の物流特性を表示するステップと、前記グラフを用いて、予め設定された所定の条件から、物流ネックとなっている装置を特定するステップとを備えたジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断方法である。
【0013】
また、前記各装置毎の物流特性は、前記ジョブショップ型製造ラインを構成する各装置の処理数量バラツキ特性と、前記相関度合いと、各装置がライン全体の総処理数に占める割合とによって演算されて数値化される。
【0014】
また、この発明は、被製造物の加工を行うための複数の装置からなるジョブショップ型製造ラインにおいてライン全体の効率に影響を及ぼす物流ネックとなる装置を特定するためのジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断装置であって、前記ジョブショップ型製造ラインを構成する各装置の過去の所定の一定期間における処理数推移と、当該一定期間のライン全体の総処理数推移とが入力される入力手段と、入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから各装置の処理数とライン全体総処理数との相関度合いを算出する相関度合い算出手段と、入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから、前記各装置の処理数の前記ライン全体の総処理数に占める割合を算出する割合算出手段と、算出された前記相関度合いと前記割合との関係をグラフ化することにより各装置毎の物流特性を表示するグラフ化手段と、前記グラフを用いて、予め設定された所定の条件から、物流ネックとなっている装置を特定して出力する物流ネック特定手段とを備えたことを特徴とするジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明のジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断方法について具体的な実施の形態に基づいて説明する。いま、多品種の被製造物を製造するためのジョブショップ型製造ラインに、複数の装置A,B,C,…,X,…が設置されているとする。当該装置A,B,C,…,X,…の所定の一定期間における日別(i=1,2,3,…,n)の処理数をコンピュータなどに集計記録しておくものとする。なお、本発明のジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断装置は、当該コンピュータから構成してもよく、あるいは、他の計算機から構成して、集計記録はネットワーク等の通信網を経由して送信してもよく、あるいは、CD−ROM等の記憶媒体により読み出すようにしてもよい。
【0016】
以下、これらの装置A,B,C,…,X,…毎の日別処理数の値をそれぞれ、ai,bi,ci,…,xi,…で表し、ライン全体総処理数をZi(=ai+bi+ci+…+xi+…)で表し、装置A,B,C,…,X,…の処理数が、上記の所定の一定期間におけるライン全体総処理数に占める割合をそれぞれpa,pb,…,px,…で表す。
【0017】
任意の装置(X)の処理数(xi)がライン全体総処理数(Zi)に与える影響を考える場合、装置(X)の自分自身との相関性の影響を排除するために、装置(X)以外の装置の処理数合計Yi(=Zi−xi)とxiの相関値を用いる。これは、装置(X)の処理数がライン全体総処理数に占める割合が比較的大きい場合に、過剰に相関が強くなることを防ぐためである。
xi,Yi,Ziのこの期間における平均値をそれぞれ
【数1】
とする。
【0018】
Yiとxiの相関係数rxは次式(1)で与える。
【0019】
【数2】
【0020】
この計算は、市販されている表計算ソフト(例えば、Microsoft社のMicrosoft Excel)などを用いて簡単に計算することもできる。
【0021】
図2は、上式(1)で計算される相関係数を縦軸に、この期間におけるライン全体総処理数に該装置の処理数の割合を横軸にとり、それぞれの装置についてこれらの関係をグラフ上にプロットしたグラフの一例である。
【0022】
次に、このグラフから各装置における物流上の流れ易さや流れ難さの特性(以下、物流特性とする)の求め方を説明する。
【0023】
ライン全体総処理数との相関が弱い装置の場合、該装置の前後いずれかのポイントで、ワークの動きが阻害されている可能性が高い。つまり、そのポイントより後の工程に対してワークの供給が行われにくく、特性として物流ネックである可能性がある。
【0024】
例えば、相関係数が0.5未満であれば、物流ネックであると見なしたり、各装置の相関係数の下位10位までを物流ネックとしてもよい。物流ネックと見なすための条件や、当該条件における数値的な限定はここでは指定しない。
【0025】
図3に、各装置の物流特性を求める方法の例を示す。この図では、図2で示したグラフに対して、相関度合いのしきい値を適当に定め、当該しきい値以上または未満から、ライン全体総処理数との相関度合いの大きい部分(3−1)と小さい部分(3−2)とに分割して、部分(3−2)を物流ネックと診断する例を示している。
【0026】
図1は、上述してきた本発明の物流ネック診断方法の処理の流れを示した流れ図である。上述したように、本発明においては、まず、ジョブショップ型製造ラインを構成する各装置の過去の所定の一定期間における処理数推移と、当該一定期間のライン全体の総処理数推移とを入力し、入力された各装置の処理数推移とライン全体の総処理数推移とから各装置の処理数とライン全体総処理数との相関度合いを算出する(ステップS1)。次に、入力された各装置の処理数推移とライン全体の総処理数推移とから、各装置の処理数のライン全体の総処理数に占める割合を算出して、ステップS1で得られた相関度合いと当該割合との関係をグラフ化することにより各装置毎の物流特性を表示する(ステップS2)。ステップS2で得られたグラフを用いて、予め設定された所定の条件から、物流ネックとなっている装置を特定する(ステップS3)。
【0027】
以上のように、本実施の形態によれば、各装置毎の処理数を日別に集計しておき、各装置の処理数とライン全体の総処理数との相関度合いを上式(1)等を用いて求め、それを図2のようにグラフ上にプロットすることにより物流特性を求め、当該物流特性から図3のように物流ネックを特定するようにしたので、製造ラインの物流ネック状態を定量的に評価し、ダイナミックに変動する物流ネックを特定することができる。この結果、どの装置に焦点を絞り対処すべきかがわかり、装置の性能向上や生産能力向上のための対策立案に寄与することができる。
【0028】
実施の形態2.
前記の実施の形態1の方法でも、物流ネックの大まかな診断は可能であるが、物流ネック度合いの比較は困難である。例えば、図3における「装置A」と「装置B」を比較した場合、「装置B」の方が物流ネックであることは直感的に把握できるが、どの程度ネックなのかまではわからない。そこで、以下に示す方法などにより、物流特性を数値化することもできる。
【0029】
多数の加工工程からなるジョブショップ型製造ラインにおいて、ライン全体総処理数に占める割合が大きい装置というのは、一般的に製造工程手順上での使用回数が多い装置である。このような装置では、ライン全体の総処理数が増加するに伴い、当該装置への流れ込みも増加するため処理数は増加する傾向がある。または、このような装置における処理数の増加は、ライン全体へワークの供給を活発にさせ、ライン全体の総処理工数を増加させる傾向が強くなる。いずれにしても、ライン全体総処理数に占める割合が大きい装置では、一般的にライン全体総処理数との相関度合いが強く出る傾向がある。
【0030】
そのため、ライン全体総処理数に占める割合によって相関度がどのように影響を受けるかを考慮した物流特性の数値化を行う。
【0031】
まず、ライン全体総処理数の内訳を、
(1)「装置(X)の処理数に関与したワーク(すなわち装置(X)で処理を受けたワーク)によるもの」
(2)「装置(X)の処理数に関与しなかったワーク(すなわち装置(X)で処理を受けなかったワーク)によるもの」
に分類する。Yiには(1)と(2)の両方のワークの処理数量が含まれていて、Yiに含まれる(1)の比率が、XIとライン全体総処理数(Zi)の間の相関強さを決定する成分である。
【0032】
そこで、装置(X)で処理を受けたワークが装置(X)で処理を受ける前後で何工程の進捗があったかを示す数量をMxとする。このMxの値は、小さければ小さいほど、装置(X)の周辺でワークが流れにくい状態(すなわち物流ネック状態)を示しており、このMxの値によって物流特性を数値化する。
【0033】
今、Zi=Yi+xi、すなわち、Zi=yi+Mxxiであるから、
Yi=yi+(Mx−1)xi、さらに、
【数3】
と表すことができる。
【0034】
上式(1)を変形して、
【0035】
【数4】
【0036】
を得る。
【0037】
さて、yiは装置群(X)で処理を受けないワーク達が他の装置で受けた処理数の合計であること、つまり、「yiは xiとは独立した(無相関な)系列である」とから、yiとxiの相関係数が0であり、
【0038】
【数5】
【0039】
となっている。よって、
【0040】
【数6】
【0041】
が得られる。
【0042】
X,Yの処理数の偏差平方和
【0043】
【数7】
【0044】
を用いて、上式(4)は
【0045】
【数8】
【0046】
と表すことができる。
【0047】
式(6)は、VxとVyが定まれば、x,yの相関係数すなわち物流特性が数値的に求めることができ、その大小関係で物流ネックの重大さを判定することができることを示している。なお、以下の実施の形態において、VxとVyの定め方の例を幾つか示す。
【0048】
以上のように、本実施の形態においては、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、x,yの相関係数および物流特性を数値的に求めることができるので、物流ネックのネックがどの程度であるかを数値的に把握することが可能になる。
【0049】
実施の形態3.
本実施の形態においては、上述の実施の形態2で示したX,Yの処理数の偏差平方和Vx,Vyの定め方について説明する。
【0050】
yi,xi2系列のバラツキの分布がどちらも全体に対して平均的(相似的)であり、変動係数(coefficient of variation:変化係数、変異係数ともいう)は一定であるという仮定下では、
【0051】
【数9】
【0052】
であり、
【0053】
【数10】
【0054】
であるから
【0055】
【数11】
【0056】
と表すことができる。
【0057】
この場合では、
【0058】
【数12】
【0059】
のように与えられ、この式により、ライン全体総工数に占める割合と相関係数の関係について、Mxという数値を用いて表すことができる。
【0060】
図4は、図2のグラフに対して、式(8)にそれぞれMx=3.5、7.5、10を代入した場合の曲線を付加したものである。
【0061】
この図4から、装置Aの物流特性値(Mx)=約7.5、装置Bの物流特性値(Mx)=約3.5ということが判り、この特性値の大小により物流ネックを診断することができる。
【0062】
以上のように、本実施の形態においては、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、実施の形態2と同様に、x,yの相関係数および物流特性を数値的に求めることができるので、物流ネックのネックがどの程度であるかを数値的に把握することが可能になる。
【0063】
実施の形態4.
各装置での処理数は単位時間あたり、ランダムである(ポアソン)分布関数であるという仮定下では、
【0064】
【数13】
【0065】
であるから、
【0066】
【数14】
【0067】
と表すことができる。
【0068】
この場合では、
【0069】
【数15】
【0070】
のように与えられ、この式により、ライン全体総工数に占める割合と相関係数の関係について、Mxという数値を用いて表すことができる。
【0071】
図5は、図2のグラフに対して、式(8)にそれぞれMx=2、3、5を代入した場合の曲線を付加したものである。
【0072】
この図から、装置Aの物流特性値(Mx)=約5、装置Bの物流特性値(Mx)=約2ということが判り、この特性値の大小により物流ネックを診断することができる。
【0073】
以上のように、本実施の形態においては、上述の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、実施の形態2と同様に、x,yの相関係数および物流特性を数値的に求めることができるので、物流ネックのネックがどの程度であるかを数値的に把握することが可能になる。
【0074】
【発明の効果】
この発明は、被製造物の加工を行うための複数の装置からなるジョブショップ型製造ラインにおいてライン全体の効率に影響を及ぼす物流ネックとなる装置を特定するためのジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断方法であって、前記ジョブショップ型製造ラインを構成する各装置の過去の所定の一定期間における処理数推移と、当該一定期間のライン全体の総処理数推移とが入力されるステップと、入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから各装置の処理数とライン全体総処理数との相関度合いを算出するステップと、入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから、前記各装置の処理数の前記ライン全体の総処理数に占める割合を算出するステップと、算出された前記相関度合いと前記割合との関係をグラフ化することにより各装置毎の物流特性を表示するステップと、前記グラフを用いて、予め設定された所定の条件から、物流ネックとなっている装置を特定するステップとを備えたジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断方法であるので、製造ラインの物流ネック状態を定量的に評価して、どの装置が物流ネックであるかを特定することができる。
【0075】
また、前記各装置毎の物流特性は、前記ジョブショップ型製造ラインを構成する各装置の処理数量バラツキ特性と、前記相関度合いと、各装置がライン全体の総処理数に占める割合とによって演算されて数値化されるので、物流ネックがどの程度ネックであるかを数値で知ることができる。
【0076】
また、この発明は、被製造物の加工を行うための複数の装置からなるジョブショップ型製造ラインにおいてライン全体の効率に影響を及ぼす物流ネックとなる装置を特定するためのジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断装置であって、前記ジョブショップ型製造ラインを構成する各装置の過去の所定の一定期間における処理数推移と、当該一定期間のライン全体の総処理数推移とが入力される入力手段と、入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから各装置の処理数とライン全体総処理数との相関度合いを算出する相関度合い算出手段と、入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから、前記各装置の処理数の前記ライン全体の総処理数に占める割合を算出する割合算出手段と、算出された前記相関度合いと前記割合との関係をグラフ化することにより各装置毎の物流特性を表示するグラフ化手段と、前記グラフを用いて、予め設定された所定の条件から、物流ネックとなっている装置を特定して出力する物流ネック特定手段とを備えたことを特徴とするジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断装置であるので、製造ラインの物流ネック状態を定量的に評価して、どの装置が物流ネックであるかを特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1〜4における物流ネック診断方法の処理の流れを示した流れ図である。
【図2】この発明の実施の形態1における物流特性の例を説明する説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1における物流ネック診断の例を説明する説明図である。
【図4】この発明の実施の形態3における物流ネック診断の例を説明する説明図である。
【図5】この発明の実施の形態4における物流ネック診断の例を説明する説明図である。
【図6】従来の製造フローの形態を示すブロック図である。
【図7】従来技術において、同一製造装置に投入順序に関係のない複数のワークが仕掛ることを説明する説明図である。
【図8】従来技術において、装置の負荷が変動することを説明する説明図である。
【図9】従来の物流ネック診断方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
3−1 ライン全体総処理数との相関度合いの大きい部分、3−2 ライン全体総処理数との相関度合いの小さい部分、311 成膜装置、312 写真装置、313 注入装置、331 使用装置群名を示した表、332 各被製造物の品種毎の各日の生産要求数量を示した表、333 各装置群毎の日々の要求処理数量の変化を示した表。
Claims (3)
- 被製造物の加工を行うための複数の装置からなるジョブショップ型製造ラインにおいてライン全体の効率に影響を及ぼす物流ネックとなる装置を特定するためのジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断方法であって、
前記ジョブショップ型製造ラインを構成する各装置の過去の所定の一定期間における処理数推移と、当該一定期間のライン全体の総処理数推移とが入力されるステップと、
入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから各装置の処理数とライン全体総処理数との相関度合いを算出するステップと、
入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから、前記各装置の処理数の前記ライン全体の総処理数に占める割合を算出するステップと、
算出された前記相関度合いと前記割合との関係をグラフ化することにより各装置毎の物流特性を表示するステップと、
前記グラフを用いて、予め設定された所定の条件から、物流ネックとなっている装置を特定するステップと
を備えたことを特徴とするジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断方法。 - 前記各装置毎の物流特性は、前記ジョブショップ型製造ラインを構成する各装置の処理数量バラツキ特性と、前記相関度合いと、各装置がライン全体の総処理数に占める割合とによって演算されて数値化されることを特徴とする請求項1記載のジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断方法。
- 被製造物の加工を行うための複数の装置からなるジョブショップ型製造ラインにおいてライン全体の効率に影響を及ぼす物流ネックとなる装置を特定するためのジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断装置であって、
前記ジョブショップ型製造ラインを構成する各装置の過去の所定の一定期間における処理数推移と、当該一定期間のライン全体の総処理数推移とが入力される入力手段と、
入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから各装置の処理数とライン全体総処理数との相関度合いを算出する相関度合い算出手段と、
入力された前記各装置の処理数推移と前記ライン全体の総処理数推移とから、前記各装置の処理数の前記ライン全体の総処理数に占める割合を算出する割合算出手段と、
算出された前記相関度合いと前記割合との関係をグラフ化することにより各装置毎の物流特性を表示するグラフ化手段と、
前記グラフを用いて、予め設定された所定の条件から、物流ネックとなっている装置を特定して出力する物流ネック特定手段と
を備えたことを特徴とするジョブショップ型製造ラインの物流ネック診断装置。
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