JP2004012444A - ハプテンの免疫測定法及び免疫測定用試薬 - Google Patents

ハプテンの免疫測定法及び免疫測定用試薬 Download PDF

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Abstract

【課題】測定感度を飛躍的に向上することができるハプテンの免疫測定法及び免疫測定試薬を提供すること。
【解決手段】検体中のハプテン(A)とハプテンを認識する抗体(B)との免疫反応を、アニオン界面活性剤(C)の存在下で行うことを特徴とするハプテンの免疫測定法である。また、少なくともハプテンを認識する抗体(B)及びアニオン界面活性剤(C)を構成試薬として含み、かつアニオン界面活性剤(C)中のアニオンの含有量(ミリモル/リットル)が反応溶液の単位容積当たり0.3以上30以下であることを特徴とするハプテンの免疫測定用試薬である。
アニオン界面活性剤(C)としては、硫酸エステルイオン(a)、スルホン酸イオン(b)、カルボン酸イオン(c)、カルボキシメチル化物イオン(d)及びリン酸エステルイオン(e)からなる群より選ばれるアニオンを有してなることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハプテンの免疫測定法及び免疫測定用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のハプテン及びハプテンに対する抗体を免疫反応させるハプテンの免疫測定法では、ウシ血清アルブミンやゼラチン等の蛋白質の存在下で免疫反応を行うことが知られている[「エンザイムイムノアッセイ,石川栄治監訳,(株)東京化学同人,1989年」、特公昭60−501674号公報、特開昭62−180296号公報、「ホルモンと臨床,32巻,p.1221,1984年」、「医学と薬学,21巻2号,P.343,1989年」。また、低分子蛋白質とポリエチレングリコールの存在下で免疫反応を行う方法(特開平11−248703)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の免疫測定法では、非特異的反応の防止や検体中のアルブミン濃度等による測定値変動を防ぐ目的で蛋白質等を使用しているが、測定感度を向上することはできなかった。
すなわち、本発明は、測定感度を飛躍的に向上することができるハプテンの免疫測定法及び免疫測定試薬を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決するため鋭意検討した結果、ハプテンを高感度に測定することができる免疫定法及び免疫測定用試薬を見出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、検体中のハプテン(A)とハプテンを認識する抗体(B)との免疫反応を、アニオン界面活性剤(C)の存在下で行うことを特徴とするハプテンの免疫測定法である。また、少なくともハプテンを認識する抗体(B)及びアニオン界面活性剤(C)を構成試薬として含み、かつアニオン界面活性剤(C)中のアニオンの含有量(ミリモル/リットル)が反応溶液の単位容積当たり0.3以上30以下であることを特徴とするハプテンの免疫測定用試薬である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明において測定されるハプテン(A)としては、検体中に遊離して存在するハプテン(遊離ハプテン)及びキャリアー物質から解離させたハプテン等である。血中のハプテンは、通常その大部分がキャリアー物質と結合しており、一部が遊離した状態で存在している。キャリアー物質からハプテンを解離した場合、測定されるハプテンは遊離ハプテンと解離したハプテンの総和となるため総ハプテンと言われる。例えば、血中のトリヨードサイロニン(T3)は、TBG及びTBP等の結合蛋白質に結合した状態と遊離した状態とで存在しており、遊離状態のT3は遊離T3(FT3)、ハプテン解離剤を用いてキャリアー物質を解離させ遊離ハプテンとの総和が総T3(TT3)である。本発明は、遊離ハプテン及び総ハプテンの測定に適用できるが、遊離ハプテンの測定に好適である。
【0006】
本発明で測定されるハプテンとしては、例えば、甲状腺ホルモン[ジヨードサイロニン(T2)、T3、T4、リバースT3(rT3)]、ステロイドホルモン(コーチゾール、エストラジオール、テストステロン、アルドステロン、プロゲステロン及びこれらの誘導体等)、及び治療等で投与される薬剤(ジゴキシン、ジギトキシン、ジフェニルヒダントイン、テオフィリン、モルフィン及びペニシリン等)等が挙げられる。これらのうち、遊離甲状腺ホルモンが好ましく、さらに好ましくはT3及びT4であり、最も好ましくは遊離T3(FT3)及び遊離T4(FT4)である。
【0007】
本発明で使用されるハプテンを認識する抗体(B)は、従来公知の方法で作成されたもの等が使用できる。すなわち、ハプテン又はハプテンとBSA等との結合体をマウス又はウサギ等に免疫して得られた抗体が挙げられる。抗体(B)はポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体のいずれでもよいが、好ましくはモノクローナル抗体である。また、抗体(B)は、Fab’等の免疫反応性を有する断片化した抗体でもよい。
【0008】
抗体(B)は、不溶性坦体に結合した状態でも使用できるが、遊離の状態又は低分子抗原を結合した状態で使用することが好ましく、より好ましくは遊離の状態で使用することである。
【0009】
抗体(B)を遊離の状態又は低分子抗原を結合した状態で使用する場合、通常、抗体(B)を間接的に不溶性坦体に結合させて用いられる。そして、遊離状態の抗体(B1)を使用する場合、抗体(B)を認識する抗体(BB)を不溶性坦体に結合したものが使用される。例えば抗体(B)がマウスのモノクローナル抗体の場合、マウス以外の動物で作られた抗マウス抗体を不溶性坦体に結合したものが使用される。また、低分子抗原を結合した状態の抗体(B2)を使用する場合、低分子抗原に対する抗体(BB2)を不溶性坦体に結合したものが使用される。例えば低分子抗原がビオチンの場合、アビジンを不溶性坦体に結合したものが使用される。これらのうち、遊離状態の抗体(B1)が好ましく、さらに好ましくは、抗体(B)がマウスのモノクローナル抗体であり、マウス以外の動物で作られた抗マウス抗体を不溶性坦体に結合したものを使用することである。
【0010】
抗体(B)がB1又はB2の場合、BB又はBB2を結合した不溶性担体とあらかじめ反応した後、検体中のハプテンとの反応に用いることもできるが、反応性の観点から、検体中のハプテンと抗体(B)との反応後又は反応と同時にBB又はBB2を結合した不溶性担体を反応させることが好ましい。
【0011】
不溶性担体の材質としては、ケイ酸質無機担体[ガラス(ポ−ラスガラス及びツヤ消しガラス等)、シリカゲル及びベンナイト等]、磁性体、有機担体(プラスチック、デキストラン及びロ紙等)等の公知のもの等が使用できる。また、これらの不溶性担体は微粒子(粒子径:0.1〜50μm程度)にされ懸濁の状態で使用される場合もある。
【0012】
不溶性担体の形状としては、B/F分離が可能である形状であれば特に限定されないが、B/F効率の観点から、球体(ビーズ、パーティクル)、試験管、チューブ及びウエルが好ましく、さらに好ましくは球体、特に好ましくはビーズである。
【0013】
抗体(B)、抗体(BB)又はアビジン等を不溶性担体に結合する方法としては、抗体を不溶性担体(ガラス等)に化学的に結合させる方法(例えば、米国特許第4280992号明細書及び同第3652761号明細書)や、不溶性担体(プラスチック等)に物理吸着させる方法(例えば、イ−・エングバル等;バイオシム・バイオフィズ・アクタ、251巻、427貢、1971年)等がある。
【0014】
アニオン界面活性剤(C)としては公知のものが使用できるが、硫酸エステルイオン(a)、スルホン酸イオン(b)、カルボン酸イオン(c)、カルボキシメチル化物イオン(d)及びリン酸エステルイオン(e)からなる群より選ばれるアニオンを有するアニオン界面活性剤が好ましい。
【0015】
硫酸エステルイオン(a)としては、高級アルコール硫酸エステルイオン(a1)、高級アルキルエーテル硫酸エステルイオン(a2)、硫酸化油のアニオン(a3)、硫酸化脂肪酸エステルイオン(a4)及び硫酸化オレフィンのアニオン(a5)等が用いられる。
【0016】
高級アルコール硫酸エステルイオン(a1)としては、炭素数8〜18の脂肪族アルコールの硫酸エステルイオン等が用いられ、例えば、オクチルアルコール硫酸エステルイオン、デシルアルコール硫酸エステルイオン、ラウリルアルコール硫酸エステルイオン、ステアリルアルコール硫酸エステルイオン、チーグラー触媒を用いて合成されたアルコール(例えば、商品名:ALFOL 1214、CONDEA社製)の硫酸エステルイオン及びオキソ法で合成されたアルコール(例えば、商品名;ドバノール23,25,45、ダイヤドール115−L,115H,135、三菱化学製、商品名:トリデカノール、協和発酵製、商品名:オキソコール1213,1215,1415、日産化学製)の硫酸エステルイオン等が挙げられる。
【0017】
高級アルキルエーテル硫酸エステルイオン(a2)としては、脂肪族アルコール(炭素数8〜18)のアルキレンオキサイド(炭素数2〜8)1〜20モル(好ましくは3〜10モル)付加物の硫酸エステルイオン等が用いられ、例えば、オクチルアルコールプロピレンオキサイド10モル・エチレンオキサイド3モルブロック付加物硫酸エステルイオン、オクチルアルコールプロピレンオキサイド7モル・エチレンオキサイド3モル付加物硫酸エステルイオン、ラウリルアルコールエチレンオキサイド2モル付加物硫酸エステルイオン及びステアリルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物硫酸エステルイオン等が挙げられる。
なお、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド以外にもブチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド及びスチレンオキサイド等も用いられ、これらの2種以上を用いる場合はブロック状でもランダム状でもよい。これらのうち、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドが好ましく、さらに好ましくはエチレンオキサイドである。
【0018】
硫酸化油のアニオン(a3)としては、天然の不飽和油脂及び/又は不飽和のロウを硫酸化して得られるアニオン等が用いられ、天然の不飽和油脂及び不飽和のロウとしては、例えば、ヒマシ油、落花生油、オリーブ油、ナタネ油、牛脂、豚脂及び羊脂等が挙げられる。
【0019】
硫酸化脂肪酸エステルイオン(a4)としては、不飽和脂肪酸(炭素数8〜20)の低級アルコール(炭素数1〜6)エステルを硫酸化して得られるアニオン等が用いられ、不飽和脂肪酸エステルとしては、例えば、アクリル酸ヘキシル、オレイン酸メチル、オレイン酸ブチル、リシノレイン酸エチル、リシノレイン酸ブチル及びエイコセン酸メチル等が挙げられる。
硫酸化オレフィンのアニオン(a5)としては、炭素数8〜20のオレフィンを硫酸化して得られるアニオンが用いられ、例えば、炭素数8〜12のα−オレフィン硫酸化物イオン及び炭素数12〜18のα−オレフィン硫酸化物イオン(商品名;ティーポール、シェル社製)等が挙げられる。
【0020】
スルホン酸イオン(b)としては、アルキルベンゼンスルホン酸イオン(b1)、アルキルナフタレンスルホン酸イオン(b2)、スルホコハク酸ジエステル型のアニオン(b3)、α−オレフィンスルホン酸イオン(b4)及びイゲポンT型のアニオン(b5)等が用いられる。
【0021】
アルキルベンゼンスルホン酸イオン(b1)としては、炭素数7〜24のアルキルベンゼンスルホン酸イオン等が用いられ、例えば、トルエンスルホン酸イオン、オクチルベンゼンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ジノニルベンゼンスルホン酸イオン及びジドデシルベンゼンスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0022】
アルキルナフタレンスルホン酸イオン(b2)としては、炭素数11〜34のアルキルナフタレンスルホン酸イオン等が用いられ、例えば、メチルナフタレンスルホン酸イオン、オクチルナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン及びジドデシルナフタレンスルホン酸イオン等が挙げられる。スルホコハク酸ジエステル型のアニオン(b3)としては、炭素数6〜40のスルホコハク酸ジエステル型アニオンが用いられ、例えば、スルホコハク酸ジメチルエステルイオン、スルホコハク酸ジエチルエステルイオン、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルイオン及びスルホコハク酸ジステアリルエステルイオン等が挙げられる。
【0023】
α−オレフィンスルホン酸イオン(b4)としては、α−オレフィンに無水硫酸を反応させて得られる炭素数12〜18のα−オレフィンスルホン酸イオン等が挙げられる。
イゲポンT型のアニオン(b5)としては、N−メチルタウリンオレイルアミドのアニオン(イゲポンT)等が挙げられる。
【0024】
カルボン酸イオン(c)としては、炭素数8〜22の飽和若しくは不飽和脂肪酸のイオンが用いられ、脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸並びにヤシ油、パーム核油、米ぬか油及び/又は牛脂等をケン化して得られる高級脂肪酸等が挙げられる。
【0025】
カルボキシメチル化物イオン(d)としては、脂肪族アルコール(炭素数8〜18)のカルボキシメチル化物のアニオン(d1)及び脂肪族アルコール(炭素数8〜18)のアルキレンオキサイド(炭素数2〜8)1〜20モル(好ましくは3〜10モル)付加物のカルボキシメチル化物のアニオン(d2)等が用いられる。
アルキレンオキサイドとしては、上記と同じであり、好ましい範囲も同じである。
【0026】
脂肪族アルコールのカルボキシメチル化物のアニオン(d1)としては、例えば、オクチルアルコールカルボキシメチル化物イオン、デシルアルコールカルボキシメチル化物イオン、ラウリルアルコールカルボキシメチル化物イオン、ドバノール23(三菱化学製)のカルボキシメチル化物イオン、トリデカノールカルボキシメチル化物イオン及びステアリルアルコールカルボキシメチル化物イオン等が挙げられる。
脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物のカルボキシルメチル化物のアニオン(d2)としては、例えば、オクチルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物カルボキシメチル化物イオン、ラウリルアルコールエチレンオキサイド4モル付加物カルボキシメチル化物イオン、ドバノール23(三菱化学製)のエチレンオキサイド3モル付加物カルボキシメチル化物イオン、トリデカノールエチレンオキサイド5モル付加物カルボキシメチル化物イオン及びステアリルアルコールエチレンオキサイド20モル付加物カルボキシメチル化物イオン等が挙げられる。
【0027】
リン酸エステルイオン(e)としては、高級アルコール(炭素数8〜18)リン酸エステルイオン(e1)及び高級アルコール(炭素数8〜18)アルキレンオキサイド(炭素数2〜8)1〜20(好ましくは3〜10)付加物リン酸エステルイオン(e2)等が用いられる。
【0028】
高級アルコールリン酸エステルイオン(e1)としては、例えば、オクチルアルコールリン酸ジエステルイオン、ラウリルアルコールリン酸モノエステルイオン、ラウリルアルコールリン酸ジエステルイオン及びステアリルアルコールリン酸モノエステルイオン等が挙げられる。
高級アルコールアルキレンオキサイド付加物リン酸エステルイオン(e2)としては、例えば、オクチルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物リン酸モノエステルイオン、ラウリルアルコールプロピレンオキサイド5モルエチレンオキサイド3モルブロック付加物リン酸モノエステルイオン及びオレイルアルコールエチレンオキサイド5モル付加物リン酸モノエステルイオン等が挙げられる。
【0029】
これらのうち、硫酸エステルイオン(a)及びスルホン酸イオン(b)が好ましく、さらに好ましくは高級アルコール硫酸エステルイオン(a1)及び高級アルキルエーテル硫酸エステルイオン(a2)である。
【0030】
アニオン界面活性剤(C)は、通常カチオンと対をなしており、アニオン界面活性剤(C)が緩衝水溶液に混合された後は、対を形成したままでもよく、また、緩衝水溶液中のイオンと交換されそのイオンと対を形成してもよく、一部又は完全にアニオンとカチオンに解離していてもよい。
アニオン界面活性剤(C)中のカチオンとしては、水素イオン、金属イオン及びアンモニウムイオン等が用いられる。
金属イオンとしては、アルカリ金属イオン(例えば、リチウムイオン、カリウムイオン及びナトリウムイオン等)及びアルカリ土類金属イオン(マグネシウムイオン及びカルシウムイオン等)等が挙げられる。
【0031】
アンモニウムイオンとしては、炭素数1〜18の第一級アミンからなるアンモニウムイオン、炭素数2〜36の第二級アミンからなるアンモニウムイオン、炭素数3〜36の第三級アミンからなるアンモニウムイオン及び炭素数4〜36の第四級アンモニウムイオン等が用いられ、これらの他にアンモニアからなるアンモニウムイオン及び炭素数2〜12のアルカノールアミンからなるアンモニウムイオン等も使用できる。
【0032】
第一級アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、テトラデシルアミン、オクタデシルアミン、ベンジルアミン、アニリン及びシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
第一級アミンからなるアンモニウムイオンとしては、例えば、メチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、プロピルアンモニウムイオン、ブチルアンモニウムイオン、イソブチルアンモニウムイオン、2−エチルヘキシルアンモニウムイオン、デシルアンモニウムイオン、テトラデシルアンモニウムイオン、オクタデシルアンモニウムイオン、ベンジルアンモニウムイオン、フェニルアンモニウムイオン及びシクロヘキシルアンモニウムイオン等が挙げられる。
【0033】
第二級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、メチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルプロピルアミン、メチルヘキシルアミン、エチルデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、メチルオクタデセニルアミン、ジオクタデシルアミン、メチルベンジルアミン、N−メチルアニリン及びメチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
第二級アミンからなるアンモニウムイオンとしては、例えば、ジメチルアンモニウムイオン、メチルエチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、メチルプロピルアンモニウムイオン、メチルヘキシルアンモニウムイオン、エチルデシルアンモニウムイオン、メチルオクタデシルアンモニウムイオン、メチルオクタデセニルアンモニウムイオン、ジオクタデシルアンモニウムイオン、メチルベンジルアンモニウムイオン、メチルフェニルアンモニウムイオン及びメチルシクロヘキシルアンモニウムイオン等が挙げられる。
【0034】
第三級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルブチルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、ジプロピルデシルアミン、ジデシルヘプタデシルアミン、ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン及びジメチルシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
第三級アミンからなるアンモニウムイオンとしては、例えば、トリメチルアンモニウムイオン、ジメチルエチルアンモニウムイオン、ジメチルブチルアンモニウムイオン、ジメチルオクタデシルアンモニウムイオン、ジプロピルデシルアンモニウムイオン、ジデシルヘプタデシルアンモニウムイオン、ジメチルベンジルアンモニウムイオン、ジメチルフェニルアンモニウムイオン及びジメチルシクロヘキシルアンモニウムイオン等が挙げられる。
【0035】
第四級アンモニウムイオンとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムイオン、トリメチルエチルアンモニウムイオン、ジメチルジエチルアンモニウムイオン、メチルトリエチルアンモニウムイオン、トリメチルブチルアンモニウムイオン、トリメチルデシルアンモニウムイオン、トリメチルオクタデシルアンモニウムイオン、トリメチルベンジルアンモニウムイオン及びトリメチルシクロヘキシルアンモニウムイオン等が挙げられる。
【0036】
アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン及びヒドロキシエチルヒドロキシプロピルアミン等が挙げられる。
アルカノールアミンからなるアンモニウムイオンとしては、例えば、ヒドロキシエチルアンモニウムイオン、ジ(ヒドロキシエチル)アンモニウムイオン、トリ(ヒドロキシエチル)アンモニウムイオン、テトラ(ヒドロキシエチル)アンモニウムイオン、ヒドロキシプロピルアンモニウムイオン、ジ(ヒドロキシプロピル)アンモニウムイオン、トリ(ヒドロキシプロピル)アンモニウムイオン、テトラ(ヒドロキシプロピル)アンモニウムイオン及びヒドロキシエチルヒドロキシプロピルアンモニウムイオン等が挙げられる。
これらのうち、水素イオン及び金属イオンが好ましく、さらに好ましくは水素イオン及びアルカリ金属イオン、特に好ましくはナトリウムイオンである。
【0037】
界面活性能を有するアニオンの使用量(ミリモル/リットル)は、反応溶液の単位容積当たり、100以下が好ましく、さらに好ましくは50以下、特に好ましくは30以下であり、また0.01以上が好ましく、さらに好ましくは0.1以上、特に好ましくは0.3以上である。
なお、アニオンの含有量は、JIS K0400−30−10(1999年)又はJIS K3362(1998年)7.3項に準拠して測定することができる。
【0038】
アニオン界面活性剤(C)を含有する溶液は、通常、緩衝液に、タンパク質等を添加したものが用いられる。
緩衝液としては、例えばトリス・塩酸緩衝液、バルビタール緩衝液、リン酸緩衝液などが挙げられ、測定するハプテンの種類により適宜選択できるが、通常はpH5〜9の緩衝液が用いられる。
タンパク質としては、アルブミン及びカゼイン等が使用できる。アルブミンとしては、例えば、牛血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、マウス血清アルブミン、オバルブミン、コナルブミン及びラクトアルブミン等が挙げられる。
カゼインとしては、例えば、α−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼイン、λ−カゼイン及び加水分解カゼイン等が挙げられる。これらのうち、アルブミンが好ましく、さらに好ましく牛血清アルブミンである。
タンパク質を添加する場合、タンパク質の添加量(g/L)は、反応溶液の単位容積当たり、0.1以上が好ましく、さらに好ましくは1以上であり、また100以下が好ましく、さらに好ましくは50以下である。
【0039】
総ハプテンを定量する場合、アニオン界面活性剤(C)を含有する溶液には、通常ハプテン解離剤を含有させる。ハプテン解離剤は、ハプテンの種類により公知の物を適宜使用できる。例えば、ハプテンがT3又はT4の場合、8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸塩及び安息香酸塩等が使用できる。ハプテン解離剤の使用濃度は、測定されるハプテンの種類、測定原理及び測定条件等により種々の値をとりうるが、通常は反応溶液の単位容積当たり0.05〜5g/Lである。
【0040】
ハプテンを認識する抗体(B)が遊離抗体(B1,B2)の場合、アニオン界面活性剤(C)を含有する溶液に(B)を添加して用いることが好ましい。この場合、抗体(B)の添加濃度は、測定するハプテンの種類、抗体(B)の力価等により種々の値をとりうるが、通常0.01〜1000mg/Lである。
【0041】
本発明の免疫測定法においては、検体中のハプテン(A)とハプテンを認識する抗体(B)との免疫反応を、アニオン界面活性剤(C)の存在下で行い、生じた免疫複合体を検出することにより、検体中のハプテン(A)の含有量を定量することができる。すなわち、本発明の免疫測定法は、従来公知のハプテンの免疫測定に適用でき、例えば、「臨床検査薬マニュアル(1988年、文光堂)」83〜92頁記載の第1抗体固相競合法、第2抗体競合法、EMIT法、「CLIN.CHEM.31/10,1644−1653(1985)」記載のアナログ法、「JJCLA.23(1),62−66(1998)」記載の第2抗体固相競合法、及び「ホルモンと臨床.42(11),75−81(1994)」記載の固相抗原競合法等に適用できる。これらのうち、第2抗体固相競合法及び固相抗原競合法に好適であり、また標識体として酵素を用いる第2抗体固相競合法に最適である。
【0042】
一般にハプテンは低分子で多価抗原ではないため、抗体(B)と異なる認識部位を持つ抗体(B’)と同時に結合することは困難である。従って、一般にハプテンの免疫測定法においては標識化ハプテンを用いる競合法が多用される。本発明の免疫測定においても標識化ハプテン(E)を用いる競合法が好ましい。
【0043】
競合法のうち、少なくとも検体中のハプテン(A)と、抗体(B)と、標識化ハプテン(E)とを同時又は逐次に免疫反応させる競合法がさらに好ましい。
標識化ハプテン(E)としては、遊離ハプテン(A)又は遊離ハプテン(A)のアナログ(類似物)と標識物とを結合したものである。
この標識物としては、アイソト−プ[125I等]、酵素[ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ及びβガラクトシダーゼ等]、蛍光物質[ユーロピウム誘導体等]、発光物質[アクリジウム誘導体等]等の公知のものが使用できる。これらのうち、酵素及び発光物質が好ましく、さらに好ましくは酵素である。
【0044】
ハプテンを標識物に結合させ、標識化ハプテン(E)とする方法としては、ハプテンを標識物に結合させる方法(例えば、生化学実験法15、東京化学同人、p.308〜330、1993年)等が挙げられる。また、ハプテンにストレプトアビジンを結合させ標識物にビオチンを結合させることによりハプテンを標識物に結合させる方法等の間接結合方法も適用できる。
【0045】
標識化ハプテン(E)は、通常、タンパク質等を含む緩衝液に添加して用いられる。緩衝液としては、例えばトリス・塩酸緩衝液、バルビタール緩衝液、リン酸緩衝液などが挙げられ、通常はpH5〜9の緩衝液が用いられる。タンパク質としては、アルブミン及びカゼイン等が使用できる。アルブミンとしては、例えば、牛血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、マウス血清アルブミン、オバルブミン、コナルブミン及びラクトアルブミン等が挙げられる。カゼインとしては、例えば、α−カゼイン、β−カゼイン、γ−カゼイン、κ−カゼイン、λ−カゼイン及び加水分解カゼイン等が挙げられる。これらのうち、アルブミンが好ましく、さらに好ましく牛血清アルブミンである。タンパク質を添加する場合、タンパク質の添加量(g/L)は、反応溶液の単位容積当たり、0.1以上が好ましく、さらに好ましくは1以上であり、また100以下が好ましく、さらに好ましくは50以下である。さらに、標識物の安定化剤、界面活性剤等を添加することも可能である。
【0046】
標識化ハプテン(E)は、アニオン界面活性剤(C)を含む溶液中でハプテン及び抗体(B)と同時に反応することは可能であるが、ハプテンと抗体(B)の反応の後、標識ハプテン(E)を反応させる2段階競合法が最も好ましい。
【0047】
ハプテン(A)、抗体(B)及び標識化ハプテン(E)の反応が終了した後、標識物を検出・定量することにより、ハプテン(A)を測定する。標識物の検出・定量法は標識物の種類による適宜公知の方法を使用できる。例えば、標識物が酵素の場合、適当な基質を反応させることで酵素量を吸光度、蛍光強度又は発光強度等として測定できる。
【0048】
本発明の免疫測定法における反応順を記載すると、(第1反応)ハプテン(A)及び抗体(B)の反応、(第2反応)標識化ハプテン(E)の反応、(第3反応)標識物の検出反応となる。各反応の間には必要に応じてB/F分離等の洗浄操作を行うこともある。第1反応と第2反応は同時に実施可能である。また、遊離の抗体(B)と不溶性担体に結合した抗体(BB)を使用する場合、第1反応で抗体(BB)を同時に反応することも可能であり、第1反応後に第1’反応として反応することも可能である。免疫比濁法、免疫凝集法等標識化ハプテン(E)を使用しない免疫測定法では第1反応のみ実施される場合がある。
【0049】
次に本発明の免疫測定用試薬について説明する。
ハプテンを認識する抗体(B)は、遊離の状態又は不溶性担体に結合した場合に限らず、単独で構成試薬とすることができる。すなわち、ハプテンを認識する抗体(B)が遊離抗体(B1,B2)の場合、適当な緩衝液にに(B)を添加した溶液を構成試薬とすることができる。この場合、抗体(B)の添加濃度は、測定するハプテンの種類、抗体(B)の力価等により種々の値をとりうるが、通常0.01mg/L以上、1000mg/L以下の範囲である。
緩衝液の組成は、前述の免疫反応法で記載したものと同様な組成が使用できる。不溶性担体に結合した場合は、適当なコーティング剤で表面を覆い乾燥化した試薬を構成試薬とすることができる。好ましくは、遊離の抗体(B)を溶液状態で構成試薬とすることである。
【0050】
アニオン界面活性剤(C)は単独で構成試薬となることができる。すなわち前述の免疫測定法で記載した通り、適当な緩衝液にアニオンの含有量(ミリモル/リットル)が反応溶液の単位容積当たり0.3以上30以下であるように添加した試薬溶液である。
【0051】
さらに免疫測定試薬の使用時の簡便性等の観点から、抗体(B)とアニオン界面活性剤(C)を同一の構成試薬(溶液)中に含ませることが好ましい。
【0052】
抗体(B)、アニオン界面活性剤(C)以外の構成試薬としては、例えば、抗体(B)を認識する抗体(BB)を含む試薬、標識化ハプテン(E)を含む試薬、標識物を検出するための試薬等が挙げられる。これらは、必要に応じて適宜構成試薬とすることができる。
【0053】
本発明の好ましい構成試薬の例を標識体として酵素を用いる第2抗体固相競合法で以下に示す。
(試薬1)固相化抗体
遊離ハプテンを認識する抗体(B)に対する抗体(BB)を不溶性担体に結合したもの。
(試薬2)免疫反応用緩衝液
アニオン界面活性剤(C)及びハプテン(A)を認識する抗体(B)を含有する緩衝液。
(試薬3)酵素標識ハプテン緩衝液
酵素標識化ハプテンを含有する緩衝液。
(試薬4)基質液
酵素量を測定するための基質溶液。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<試験例1>
本試験例は本発明による方法で二抗体競合法によりFT4の測定したものである。
1)抗マウスIgGウサギポリクローナル抗体結合ビーズの作成
抗マウスIgGウサギポリクローナル抗体(ダコジャパン株式会社より購入)をpH9の0.1M炭酸緩衝液に20μg/mlの濃度で溶解した。直径3.2mmのポリスチレンビーズ(イムノケミカル株式会社より購入)を加え、48時間反応させたのち、0.1%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液でコーティングし、凍結乾燥した。使用時まで冷蔵保存した。
【0055】
2)免疫反応用緩衝液の作成
0.02Mのリン酸緩衝液(pH8.0)に、牛血清アルブミンを3g/L及び塩化ナトリウムを8.5g/Lの濃度になるように添加し、更に抗T4マウスモノクローナル抗体(Fitzgerald社より入手)を0.3mg/Lになるように添加し免疫反応用緩衝液(a)を調製した。
この緩衝液(a)と表1記載の各アニオン界面活性剤(A)とから、実施例1〜5及び比較例1〜3の各免疫反応用緩衝液1〜8を作成した。使用時まで冷蔵保存した。
【0056】
【表1】
Figure 2004012444
【0057】
3)酵素標識T4液の作成
試験管にT4(ナカライテスク製)を1mg秤量しDMF(ナカライテスク製)500μlを加え溶解した。別の試験管にSPDP(ファルマシア社製)1mgを秤量し、エタノール500μlを加えて溶解した。T4溶液500μLとSPDP溶液500μLとを混合し、均一な溶液とした後25℃で5時間靜置反応させてT4にSPDPを導入した。
ジチオスレイトール(ナカライテスク製)1mgを秤量し脱イオン水500μLで溶解した。この溶液全量を上記のSPDPを導入したT4溶液に加え、25℃で3時間靜置反応させて、ジスルフィド結合を開裂させ、チオール基をT4に導入した。
【0058】
試験管にPOD(I−C)(東洋紡製)6mgを秤量し、0.1mLのリン酸緩衝液(0.1モル/リットル(以下Mと略す)、pH6.0)で溶解した。別の試験管にCHM(ジーベンケミカル社製)4.8mgを秤量し、50μLのDMFで溶解した。POD溶液の全量にCHM溶液の全量を加え、37℃恒温水槽中で1時間振とう反応させた。生成した沈澱を遠心分離によって除去し、上清をセファデックスG−25(ファルマシア社製)に通し、0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で溶出させ、酵素活性を有するフラクションを集め、濃縮してマレイミド化されたPODを得た。
【0059】
チオール基を導入されたT4とマレイミド化されたPODをモル比で10:1となるように混合、均一な溶液として30℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液をセファデックスG−25(ファルマシア社製)に通し、0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)で溶出させ、酵素活性とT4活性の両方を有するフラクションを集め、濃縮してPOD標識T4を得た。
得られたPOD標識T4を0.2%BSA含有バルビタール緩衝液(0.04M、pH8.6)で0.2mg/Lの濃度に希釈し、酵素標識T4液の作成した。
【0060】
4)発色試薬の作成
50mlのクエン酸緩衝液(0.02M、pH4.0)に、過酸化水素が0.05mg/mlとなるよう30%過酸化水素水溶液を添加し、さらにo−フェニレンジアミン(ナカライテスク製)を2mg/mlとなるよう溶解し、発色試薬を調製した。
【0061】
5)酵素反応停止液の作成
濃硫酸を脱イオン水で1/20に希釈し酵素反応停止液を調製した。
【0062】
6)標準液の調製
標準液は宮井等の方法に従い[宮井等、エンドクリノール ジャパン、第27巻、375ページ、(1980年)]ヒト血清を活性炭処理することにより得られたT3、T4フリー血清にT4(ナカライテスク製)を添加し、0.5、1.0、2.5、5.0、10.0ng/dLとなるよう調製した。
【0063】
7)測定操作
直径12mmの試験管に、2)で作成した免疫反応用緩衝液100μL及び6)で作成した標準液50μLを分注し混和後、1)で作成した抗マウスIgGウサギポリクローナル抗体結合ビーズを1個投入し、37℃、30分反応した。反応終了後、反応液をアスピレーターを用いて除去し、生理食塩水1mlを加えて再び同様に除去した。この操作を3回繰り返し反応物を除去した。洗浄後、3)で作成した酵素標識T4液150μL分注し、37℃、30分反応した。反応終了後、反応液をアスピレーターを用いて除去し、生理食塩水1mlを加えて再び同様に除去した。この操作を3回繰り返し反応物を除去した。洗浄後、4)で作成した発色試薬を200μL分注し、37℃、15分反応した。反応後、5)で作成した酵素反応停止液を1mL加え反応を終了した。反応液の492nmにおける吸光度を島津分光光度計UV−160Aを用いて測定した。
各濃度の標準液を実施例1〜5、比較例1〜3の各免疫反応用緩衝液1〜8で同様に測定した。
【0064】
8)結果
実施例1〜5、比較例1〜3の各免疫反応用緩衝液1〜8で測定した各濃度の標準液の測定吸光度を表2及び図1に示した。
【0065】
【表2】
Figure 2004012444
(表中数値は吸光度)
【0066】
表2及び図1から判ると通り、実施例は比較例より吸光度の濃度変化に対する変化(傾き、すなわち濃度当たりの吸光度差)が大きく、測定感度が向上している。
【0067】
<試験例2>
本試験例は本発明による方法で二抗体競合法によりFT3の測定したものである。
1)免疫反応用緩衝液の作成
0.02Mのリン酸緩衝液(pH8.0)に、牛血清アルブミンを3g/L及び塩化ナトリウムを8.5g/Lの濃度になるように添加し、更に抗T3マウスモノクローナル抗体(Fitzgerald社より入手)を0.1mg/Lになるように添加し免疫反応用緩衝液(b)を調製した。
この緩衝液(b)と、表1記載の各アニオン界面活性剤(A)とから実施例6〜10及び比較例4〜6の各免疫反応用緩衝液9〜17を作成した。使用時まで冷蔵保存した。
【0068】
2)酵素標識T3液の作成
試験例1と同様にしてT3(ナカライテスク製)を用いてPOD標識T3を作成し、同様に希釈して酵素標識T3液を作成した。
【0069】
3)標準液の作成
試験例1と同様にしてT3、T4フリー血清にT3(ナカライテスク製)を添加し、1.5、3.0、6.0、12.0、26.0pg/mLとなるよう調製した。
【0070】
4)測定操作
直径12mmの試験管に、1)で作成した免疫反応用緩衝液100μL及び3)で作成した標準液50μLを分注し混和後、試験例1で作成した抗マウスIgGウサギポリクローナル抗体結合ビーズを1個投入し、37℃、30分反応した。反応終了後、反応液をアスピレーターを用いて除去し、生理食塩水1mlを加えて再び同様に除去した。この操作を3回繰り返し反応物を除去した。洗浄後、2)で作成した酵素標識T3液150μL分注し、37℃、30分反応した。反応終了後、反応液をアスピレーターを用いて除去し、生理食塩水1mlを加えて再び同様に除去した。この操作を3回繰り返し反応物を除去した。洗浄後、4)で作成した発色試薬を200μL分注し、37℃、15分反応した。反応後、5)で作成した酵素反応停止液を1mL加え反応を終了した。反応液の492nmにおける吸光度を島津分光光度計UV−160Aを用いて測定した。
各濃度の標準液を実施例6〜10、比較例4〜6の各免疫反応用緩衝液9〜17で同様に測定した。
【0071】
5)結果
実施例6〜10、比較例4〜6の各免疫反応用緩衝液1〜8で測定した各濃度の標準液の測定吸光度を表3及び図2に示した。
【0072】
【表3】
Figure 2004012444
(表中数値は吸光度)
【0073】
表3及び図2から判ると通り、実施例は比較例より吸光度の濃度変化に対する変化(傾き、すなわち濃度当たりの吸光度差)が大きく、測定感度が向上している。
【0074】
【発明の効果】
本発明のハプテンの免疫測定法及びハプテン免疫測定試薬を用いると、ハプテンの測定感度を飛躍的に向上することができる。そして、本発明の免疫測定試薬を臨床検査薬として用いることにより、甲状腺疾患などのハプテンの測定が必須な病態の診断を従来にない極めて高い感度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で測定したFT4の検量線を示すグラフである。
【図2】実施例及び比較例で測定したFT3の検量線を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 検体中のハプテン(A)とハプテンを認識する抗体(B)との免疫反応を、アニオン界面活性剤(C)の存在下で行うことを特徴とするハプテンの免疫測定法。
  2. アニオン界面活性剤(C)が硫酸エステルイオン(a)、スルホン酸イオン(b)、カルボン酸イオン(c)、カルボキシメチル化物イオン(d)及びリン酸エステルイオン(e)からなる群より選ばれるアニオンを有してなる請求項1に記載のハプテンの免疫測定法。
  3. アニオン界面活性剤(C)中のアニオンが硫酸エステルイオン及び/又はスルホン酸イオンである請求項1に記載のハプテンの免疫測定法。
  4. アニオン界面活性剤(C)中のアニオンの含有量(ミリモル/リットル)が、反応溶液の単位容積当たり0.3以上30以下である請求項1〜3のいずれかに記載のハプテンの免疫測定法。
  5. ハプテンが遊離ハプテンである請求項1〜4のいずれかに記載のハプテンの免疫測定法。
  6. ハプテン(A)が遊離トリヨードサイロニン(FT3)及び/又は遊離サイロキシン(FT4)である請求項5に記載のハプテンの免疫測定法。
  7. 少なくとも、検体中のハプテン(A)と、抗体(B)と、標識化ハプテン(E)とを同時又は逐次に免疫反応させる請求項1〜6のいずれかに記載のハプテンの免疫測定法。
  8. 少なくともハプテンを認識する抗体(B)及びアニオン界面活性剤(C)を構成試薬として含み、かつアニオン界面活性剤(C)中のアニオンの含有量(ミリモル/リットル)が反応溶液の単位容積当たり0.3以上30以下であることを特徴とするハプテン免疫測定用試薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014209113A (ja) * 2013-03-29 2014-11-06 東洋紡株式会社 免疫測定方法

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