JP2004012312A - 経路探索装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】再探索に要する時間を最初の探索よりも短くすることにより、全体の探索時間を短縮した経路探索装置を提供する。
【解決手段】出発地から目的地までの経路のうち前記経路に付随するパラメータが最小となる第1の最少コスト経路を探索する第1の探索手段1001と、第1の最短経路を構成する各道路区間のパラメータに重み付けを行う重み付け手段1006と、第1の探索手段の計算データに基づいて特定の地図領域を制限領域として求める領域制限手段1007aと、重み付けがなされた状態で出発地から目的地までの経路のうち前記経路に付随するパラメータが最小となる第2の最少コスト経路を、領域制限手段で求めた制限領域のみを経路探索の対象として探索する第2の探索手段1007とを備え、再探索時に前回探索の情報を利用して探索範囲を制限することにより、再探索に要する時間を低減した経路探索装置。
【選択図】 図3
【解決手段】出発地から目的地までの経路のうち前記経路に付随するパラメータが最小となる第1の最少コスト経路を探索する第1の探索手段1001と、第1の最短経路を構成する各道路区間のパラメータに重み付けを行う重み付け手段1006と、第1の探索手段の計算データに基づいて特定の地図領域を制限領域として求める領域制限手段1007aと、重み付けがなされた状態で出発地から目的地までの経路のうち前記経路に付随するパラメータが最小となる第2の最少コスト経路を、領域制限手段で求めた制限領域のみを経路探索の対象として探索する第2の探索手段1007とを備え、再探索時に前回探索の情報を利用して探索範囲を制限することにより、再探索に要する時間を低減した経路探索装置。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に用いられる経路探索装置、つまり出発地点から目的地点へ至る誘導経路を求め、運転者に提示することによって運転を支援する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のダイクストラ法などを用いた誘導経路探索処理では、与えられた条件を満足する最適な解を一つだけ求めるものであるため、複数の準最適な解を求めるには特別な処理を追加する必要がある。例えば、特開平8−292058号公報や特開平10−170297号公報においては、一つの最少コスト経路を探索した後に、その探索された経路に該当する道路区間に付随するパラメータ(当該区間の距離や予想走行時間など)を高く(例えば当該経路のパラメータを前回の110%にする)し、その新しいパラメータで再度最少コスト経路を探索することにより、前回とは異なる経路を求めている。また、このような再探索をさらに繰り返すことにより複数の互いに差異のある経路を求めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような手法で複数の経路を探索する場合、2回目の探索結果が必ずしも運転者の希望に適合するとは限らないため、運転者の希望にあった経路が見つかるまでに複数回の再探索が必要になることが多い。しかし、このような経路探索処理では、2回目以降の探索においても1回目と同等の計算時間を要するため、複数回の探索を行うにはかなりの時間が必要となる。そのため運転者は全ての経路を確認できるまでに長い時間待たされてしまうおそれがある。例えば、最初の探索の後に4回再探索を行い、5回目の経路が運転者の好みに適合した場合には、運転者は1回のみ探索を行った場合のおよそ5倍の探索時間のあいだ待たされることになる。この問題は、目的地を設定した後に、運転者の要求に応じて順次別候補を提示した場合も負担となるが、最初から複数の互いに差異のある経路を探索して運転者に提示するような経路探索装置では特に大きな問題となる。
【0004】
本発明は上記のごとき従来技術の問題を解決するためになされたものであり、2回目以降の再探索を最初の探索よりも速く行う、つまり再探索に要する時間を最初の探索に要する時間よりも短くすることを可能にし、全体の探索時間を短縮した経路探索装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、出発地から目的地までの経路のうち前記経路に付随するパラメータが最小となる第1の最少コスト経路を探索する第1の探索手段と、第1の最短経路を構成する各道路区間のパラメータに重み付けを行う重み付け手段と、第1の探索手段の計算データに基づいて特定の地図領域を制限領域として求める領域制限手段と、重み付けがなされた状態で出発地から目的地までの経路のうち前記経路に付随するパラメータが最小となる第2の最少コスト経路を、領域制限手段で求めた制限領域のみを経路探索の対象として探索する第2の探索手段とを備え、再探索時に前回探索の情報を利用して探索範囲を制限することにより、再探索に要する時間を低減するように構成している。
【0006】
【発明の効果】
本発明においては、経路の再探索の際に、1回目の経路探索のデータを用いて再探索時の探索対象領域を制限することにより、再探索に要する計算量を減らし、すなわち再探索に要する時間を短くし、一つの出発地点と一つの目的地点を結ぶ複数の差異のある経路を短い時間で効率よく求めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
誘導経路を求める方法としては、例えば、各道路区間にそれぞれの距離や予想通行時間に該当するパラメータを付随させ、出発地点から目的地点へ至る全ての経路のうち前記パラメータの和が最少となる経路を求める、ダイクストラ法などとして一般的に知られているアルゴリズムを用いることができる。このようなアルゴリズムは本来は与えられた条件を満足する最適な解を一つだけ求めるものであるため、複数の準最適な解を求めるには何らかの工夫が必要となる。そのような工夫を取り入れた経路探索装置の例として、運転者の好みに応じた経路や、渋滞区間を迂回する経路を運転者に提示する目的で、複数の経路を運転者に提示できるものがある。このような経路探索装置では、既に探索されている経路とは差異のある経路を求めるために、一つの最少コスト経路を探索した後に、その探索された経路に該当する道路区間に付随するパラメータを高く(当該経路のコストを大きく)し、その新しいパラメータで再度最少コスト経路を探索することにより、前回とは異なる経路を求めている。また、このような再探索をさらに繰り返すことにより複数の互いに差異のある経路を求めることができる。
【0008】
しかし、上記のごとき方法では、経路を再探索する度に、初回の探索と同程度の処理時間が必要となる。特に、ユーザの好みに合った経路が見つかるまで複数回再探索を行うような場合には経路誘導が開始されるまでの待ち時間が長くなってしまう原因となる。
また、計算時間を短縮する方法として、探索領域を適当に制限することが考えられる。しかし、領域を狭く制限すると、制限された範囲外に良い経路が存在してもその経路は選択されないので、使用者の不満の大きな割合を占める「回り道」の原因ともなるため、実際に計算時間の短縮が望めるほど探索領域を制限するのは難しい。
【0009】
上記の問題を解決するため本発明においては、出発地から目的地までの経路のうち、前記経路に付随するパラメータが最小となる第1の最少コスト経路を探索する第1の探索手段と、探索された前記第1の最短経路を構成する各道路区間のパラメータに重み付けを行う重み付け手段と、前記第1の探索手段の計算データを入力とし、その入力に基づいて特定の地図領域を制限領域として求める領域制限手段と、前記第1の最短経路を構成する各道路区間のパラメータに対して重み付けがなされた状態で、前記出発地から前記目的地までの経路のうち、前記経路に付随するパラメータが最小となる第2の最少コスト経路を、前記第1の探索手段が探索した地図領域のうち、前記領域制限手段で求めた制限領域のみを経路探索の対象として探索する第2の探索手段と、探索された前記第1の最少コスト経路と第2の最少コスト経路を前記ディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備えるように構成している。つまり、本発明においては、重み付けを行って、前回探索した経路のコストをx倍(x>1)にして再探索を行う場合に、新しい最小コスト経路を算出するときに前回探索の情報を利用することにより、最小限計算しなければならない領域のみの探索を行うように構成している。
【0010】
(第1の実施例)
図1は、本発明の第1の実施例における経路探索手段の構成を示すブロック図である。
図1において、801は経路探索装置のメインユニットであり、計算処理を行うCPU801a、プログラムを記憶してあるROM801b、計算途中のデータを記憶する一時記憶801c、メインユニットに接続される外部ユニット802〜806とのデータ入出力を行う1/O回路801dを内蔵している。802は自車位置検出手段であり、GPS受信機、ジャイロ、車速センサなどを用いて車両の自車位置を検出する。803は入力操作手段であり、運転者の入力を受け付けるリモートコントロール、タッチパネル、スイッチあるいは音声認識装置などである。804はディスプレイ(表示装置)であり、液晶ディスプレイ、ブラウン管、ヘッドアップディスプレイなどの画像表示ができる装置である。805は機械音声による経路誘導を行うスピーカである。806は地図情報を記憶している地図記憶手段である。
【0011】
図2は、経路探索手段の基本的な動作を示すフローチャートである。
図2において、まず、ステップ901で、図1の入力操作手段803から目的地点が入力されると、ステップ902で、現在の自車位置(自車位置検出手段802から入力)を出発地点として設定する。
次に、ステップ903で、出発地点から目的地点へ至る経路を探索する。この経路探索処理は、従来のダイクストラ法などを用いた誘導経路探索方法(詳細は後記ステップ903の説明参照)を用いることが出来る。
次に、ステップ904では、探索された経路を、図1のディスプレイ804に表示する。
次に、ステップ905では、入力操作手段803から別経路を探索する要求があるか否かを判断し、要求がない場合(NO)はステップ906で、目的地に到着するまで経路誘導を続ける。要求があった場合(YES)はステップ907で別経路を探索(再探索)する。この内容の詳細については後述する。
ステップ908では、再探索された経路を、図1のディスプレイ804に表示する。そしてステップ909では、目的地に到着するまで経路誘導を続ける。
【0012】
なお、上記図2に示したフローでは、経路の探索を2回(最初の探索と再探索を1回の合計2回)行う例を示しているが、ステップ908の後にステップ905〜909の経路を再び設けることにより、再度別経路の要求があるか否かを確認し、運転者が別の経路を望む場合は再度異なる経路を探索するループ処理を行うように構成することも出来る。以下、同様にして再探索を任意の複数回繰り返して行うように構成することが出来る。
【0013】
図3はステップ903、904、907、908におけるステップの内容を説明するためのブロック図である。図3の各ブロックは図1のメインユニット801の機能をブロック別けして示したものに相当する。なお、以下の図3の説明において、801〜806は図1に示した各手段に相当する。
図3において、第1の探索手段1001は、地図記憶手段806から地図データ1005を入力し、RAM801c上に実装される一時記憶1004を用いて、ステップ901と902で設定された出発地点と目的地点の間の経路を探索し(ステップ903)、その結果をRAM801c上に実装される経路記憶1002に記憶する。
表示制御手段1003は、その経路をディスプレイ804に出力する(ステップ904)。
【0014】
ステップ905において運転者が別経路を要求した場合は、ステップ907の処理を行う。すなわち、第2の探索手段1007の領域制御手段1007aは一時記憶1004に記憶されている第1の探索手段1001の計算データから制限領域を計算する(詳細は後記ステップ907の説明参照)。重み付け手段1006は経路記憶1002(最初の探索結果の経路)に対して重み付けを行う。第2の探索手段1007は上記の制限された地図領域において、上記重み付けを行った地図データ(経路記憶1002)を入力として、RAM801c上に実装された一時記憶1010を用いて、ステップ901と902で設定された出発地点と目的地点の間の経路を探索し、その結果をRAM801c上に実装される経路記憶1008に記憶する。経路記憶1008に記憶した経路は、表示制御手段1003によりディスプレイ804に出力され、表示される(ステップ908)。
【0015】
上記の探索処理は、例えば一般的にダイクストラアルゴリズムの名称で知られているアルゴリズムを用いて、各道路区間に対してその距離や平均通行時間を記憶している地図データをもとに、そのパラメータ(コスト)の累積が最少となる経路を見つけるものである。そこで、重み付け手段1006が第1の探索処理で計算された経路を構成する各道路区間のパラメータに擬似的に例えばその110%のパラメータを与えることにより、第2の探索手段では第1の探索手段と異なる経路を求めることができる。なお、どのような経路が求まるかはトポロジーに依存する。ただし、目的地点と出発地点が余りにも近い場合や、一本道で結ばれている場合などは、必ず異なる経路が求まる訳ではない。
【0016】
次に、図2のステップ903における最初の探索処理およびステップ907における再探索処理について説明する。
まず、ステップ903について説明する。
ステップ903では、一般的にダイクストラアルゴリズムという名称で知られているアルゴリズムを用いて経路探索を行う。このアルゴリズムは、地図上の全道路区間に対して、その区間の距離や予想走行時間を「パラメータ」として記憶している地図データを入力として用いる。また、このアルゴリズムは、地図上の全地点について、出発地点からその地点へ至る計算済みの最少コスト経路のコスト、つまりその経路を構成する道路区間のパラメータの「合計値」と、その経路上の直前の地点(以下、直前地点と記す)を保持して計算を進める。
【0017】
図4はステップ903の処理を詳細に説明するフローチャートである。
図4において、ステップ1101では、出発地点以外の「合計値」を無限大を表す値に初期化する。これは出発地点からその経路へ至る経路がまだ計算されていないことを表す。このようにまだ経路が見つかっていないか、あるいは経路が見つかっているがそれが最少コスト経路であることが確定していない地点を未確定地点という。
ステップl102では、出発地点の「合計値」をゼロに初期化する。これは出発地点から出発地点へ至る経路のコストがゼロであることを表している。
ステップl103では、出発地点を「選択地点」に設定する。これは、出発地点から探索を開始することを意味する。つまり探索開始時点では、最少コスト経路が確定しているのは出発地点から出発地点への距離ゼロの経路だけであるからである。
【0018】
次に、ステップ1104では、選択地点Sに繋がっている全ての道路に対して1104に記載のごとき処理を行う。この処理は次のごとき内容のものである。つまり、選択地点に隣接する全ての地点に対して、出発地点からその地点へ至る既に見つかっている経路と、選択地点を経由してその地点へ至る経路と、どちらが短いかを計算する。前者の場合は、なにもしないでよい。後者の場合は、選択地点を経由する経路の方が短いので、隣接する地点の情報を更新する。
なお、候補地点とは、出発地点からの何らかの経路が計算済みの地点のことをいう。候補地点は探索開始直後以外は常に1個以上存在する。もし候補地点が存在しなくなると、それは出発地点から目的地点へ至る経路が存在しないことを意味する。候補地点の中で合計値がもっとも小さい地点は、つまりその時点で新たに最小コスト経路が確定した地点である。
従って、ステップ1105では、候補地点の中から合計値が最も小さい地点MINを選び、新しい選択地点とする。これにより、その地点は候補地点ではなくなる。このように、最小コスト経路が確定した地点を確定地点と呼ぶ。
【0019】
ステップ1106では、その新しい選択地点MINが目的地点であるか否かを判断する。もし同じである場合は、つまり出発地点から目的地点への最少コスト経路が確定したので、この時点で探索を終了し、目的地点から順に直前地点を辿っていくことで最少コスト経路を抽出できる(ステップ1107)。もし同じでない場合は、ステップ1104から繰り返し経路探索を続ける。
【0020】
図5は、ステップ1106において経路探索が終了した場合の出発地点、候補地点、確定地点、目的地点、その他の地点および地点間の道路区間および直前地点の一例を示している。この例では、出発地点Sから目的地点Gへ至る最少コスト経路として経路S−P1−P2−P3−Gが求まっている。
【0021】
ここで、この経路を構成する道路区間S−P1、P1−P2、P2−P3、P3−Gに付随するパラメータを増加させて再度経路を探索した場合を考える。そのため、このパラメータ増加によって影響を受ける地点はどのような地点であるかを考える。
まず、図5の確定地点のうち、その地点へ至る最少コスト経路が経路S−P1−P2−P3−Gと道路区間を一つも共有しない地点を考える。これはつまり図5中の白抜きの領域内に存在する確定地点である。出発地点からそれらの地点へ至る最小コスト経路のコストに変化はないので、そのような地点は再計算する必要が無い。
【0022】
次に、図5の確定地点のうち、その地点へ至る最少コスト経路が経路S−P1−P2−P3−Gと道路区間を一つでも共有している地点を考える。これはつまり図5中の網掛けの領域内に存在する確定地点である。これらの地点については、最少コスト経路の最低1区間のパラメータが増加しているので、出発地点から該地点へ至る最少コスト経路を再度探索し、その経路上の直前地点と、その最小コスト経路の合計値を再度計算する必要がある。したがって、図3の第2の探索手段1007の探索領域は、計算結果に影響することなく、図5中の「網掛けの領域」+「候補地点とその他の未確定地点が存在する領域」つまり図5中で白抜きの領域を除いた部分に制限することができる。また、上記の領域よりも小さい領域に制限してしまうと、同じ計算結果が得られなくなる可能性がある。
【0023】
次に、ステップ907の処理を説明する。
なお、ここでは、最初に領域制限処理を行ってから、その後で実際の経路探索処理を行うことを想定しているが、実際にはこれらの処理を並行して行ってもよい。
【0024】
図6は、図3の領域制限手段1007aにおける処理を示すフローチャートである。このフロチャートの動作を図5の例を用いて説明する。
まず、ステップ1301では、第1の最小コスト経路上で、出発地点から目的地点へ1道路区間進んだ地点を最初の領域地点とする。つまり図5の例では地点P1を領域地点に選ぶ。
【0025】
次に、ステップ1302では、領域地点を一つ選び、その地点に隣接する地点のうち、直前地点を選んだ地点と一致する地点を新たに領域地点とする。つまり図5の例では、地点P2と地点R1が領域地点に加わる。
【0026】
ステップ1303では、新たな領域地点が追加されたか否かを判断し、追加された場合はステップ1302を再度繰り返し、追加されなくなった場合はステップ1304へ行く。図5の例では、あたらしい領域地点が加わっているので再度ステップ1302を実行する。ステップ1302で仮に地点P2を選んだとすると、新たに地点P3とR2とR3が領域地点になる。また新しい領域地点が加わっているので再度ステップ1302を実行する。仮に地点P3を選んだとすると、今度は地点Gが領域地点に加わる。新しい領域地点が加わっているので再度ステップ1302を実行する。仮に今度は地点R1を選んだとする。R1に隣接する確定地点で、直前地点がR1と一致するものは存在しないので、あたらしい領域地点は加わらない。ステップ1302において、いかなる領域地点を選んだとしても新しい領域地点は加わらなくなった場合は、ステップ1303の判断が「yes」となり、ステップ1304へ進む。
【0027】
ステップ1304では、上記の選ばれた全ての領域地点全体により構成される領域を制限領域とする。つまり、図5では、領域地点P1、P2、P3、G、R1、R2、R3からなる「網掛けの領域」に「候補地点とその他の未確定地点が存在する領域」を加えた領域、つまり図5中で白抜きの領域を除いた部分が制限領域となる。
【0028】
上記のように、領域制限手段1007aは、第1の探索手段1001で保持した情報に基づいて、第1の最少コスト経路上で出発地点から目的地点へ1道路区間進んだ地点を最初の領域地点とする初期化処理と、領域地点を一つ選び、その領域地点に隣接する隣接地点のうち、隣接地点の直前地点が、選んだ領域地点と同一である隣接地点を新たに領域地点とする領域拡大処理と、新たな領域地点が追加されなくなるまで領域拡大処理を繰り返し行い、領域地点全体により形成される地図領域を前記制限領域とする制限領域設定処理と、を行うものである。
【0029】
次に、図7および図8は、ステップ907の経路探索処理を示すフローチャートである。図7と図8は▲1▼、▲2▼の部分で接続されている。
まず、図7において、ステップ1401は前記図4のステップ1101と同様の初期化処理である。また、ステップ1402では、探索を出発地点からではなく、出発地点から前回探索された最少コスト経路上を1道路区間進んだ地点から開始することを意味する。
ステップ1403では、その地点を選択地点とし、さらに、前回の探索が終了した時点での候補地点をこの再探索においても候補地点に設定する。前回の探索の候補地点をこの再検索の候補地点とすることにより、前回よりも長い経路が正しく探索されることが保証される。
ステップ1404では、選択地点が前回の探索が終了した時点で確定地点であったか否かを判断し、確定地点であった場合はステップ1405へ進み、確定地点でなかった場合はステップ1406へ進む。
【0030】
選択地点が前回の探索が終了した時点で確定地点であった場合は、現在の選択地点は制限領域内の地点である。その場合はステップ1405の処理を行う。
ステップ1405では、制限領域内では図4のステップ1104と同様に一般的なダイクストラアルゴリズムに従い探索を行うが、制限領域の境界に達した場合は、制限領域外を経由して選択地点へ達する経路の方がパラメータの合計値が小さいかどうかを調べる。もし制限領域外を経由して選択地点へ達する経路の方が制限領域内から選択地点へ達する経路よりもパラメータの合計値が小さい場合には、選択地点へ至る最小コスト経路としてその制限領域外からの経路を設定する。
選択地点が前回の探索が終了した時点で確定地点でなかった場合は、現在の選択地点は前回の探索の時に探索された領域よりも外にある。その場合はステップ1406に従い、ステップ1104と同様に一般的なダイクストラアルゴリズムにそった処理を行う。
【0031】
なお、ステップ1405とステップ1406で用いられるパラメータは、図3の重み付け手段1006を経たパラメータである。この重み付け手段1006は、経路記憶1002から前回の探索で求められた最少コスト経路と、地図データ1005とを入力とし、前回の探索で求められた経路を構成する道路区間に関しては、その区間に付随するパラメータを例えば1.1倍などに重み付けするものである。
【0032】
ステップ1407では、ステップ1105と同様に候補地点から合計値が最小の地点MINを選び、新しい選択地点として設定する。
ステップ1408では、ステップ1407で設定した選択地点が目的地点か否かを判断し、目的地点である場合はステップ1409へ進み、目的地点から出発地点まで直前地点を辿っていき経路を求める。その場合、合計値が無限大である地点に辿り着いた場合は、その先は第2の探索手段の処理ではなく、前回の第1の探索手段のデータを辿っていく。ステップ1408で目的地点でなかった場合は、ステップ1404に戻って再度処理を繰り返す。
【0033】
次に、図10〜図16は第1の実施例における実行例を示す図である。
図10は、出発地点101と目的地点102を地図上に示した図であり、図11〜図16は、図10に示した出発地点101から目的地点102へ至る経路を探索した結果の経路(黒太線)と探索領域(複数の黒点)を示している。
また、図11〜図13は、各道路区間のパラメータとして、その区間の距離を用いてダイクストラアルゴリズムで探索を行った例であり、図14〜図16は、国道のパラメータのみを0.6倍に変化させ国道が優先的に選ばれるようにしたものであり、一般的にA*アルゴリズムの名前で知られている手法で探索を行った例を示している。
【0034】
まず、図11は最初の探索を行った場合を示す。黒太線で示した201が探索された経路で、黒丸は探索終了時の確定地点、すなわち探索された領域を示す。この例では、2245地点が探索されている。
【0035】
また、図12は、再探索の探索対象領域を制限していない従来の手法による再探索の様子を示している。黒太線で示した301が探索された経路である。図11の経路201とは差異のある経路が探索されていることが確認できる。黒丸は探索された地点を示している。初回探索に対し経路長が長くなった分だけ若干数が増加して2429地点が探索されている。
【0036】
図13は、本実施例の方法で再探索を行った場合の様子を示している。黒太線で示した401が探索された別経路である。この経路は図12の経路301と同じものである。黒丸は探索された領域を示す。図13から判るように、従来の方法の場合の探索エリア(図12)と比べて448地点という圧倒的に小さい領域で同じ探索結果が得られている。
【0037】
次に、図14〜図16は、A*アルゴリズム(ダイクストラアルゴリズムを変更し、目的地までの残り距碓の見積もりを用いて探索領域を制限する探索アルゴリズム)による国道優先(国道の距離を0.6倍で計算)最短距離経路の探索例である。
まず、図14は最初の探索を行った場合を示す。黒太線で示した501は最初に探索された経路である。黒丸は探索された地点、すなわち探索された領域を示す。この場合には1312地点が探索されている。前記図11のダイクストラアルゴリズムの場合における最初の探索よりも、かなり少ない領域で探索が終了している。なお、この例では国道を優先して探索を行っているため、図11の経路201とは探索結果が異なる。
【0038】
図15は、再探索の探索対象領域を制限していない従来の手法による再探索の例を示している。黒太線で示した601が探索された経路である。図14の経路501と異なる経路が探索されていることが確認できる。黒丸は探索された地点を示している。この場合も初回探索に対し若干増加して1406個の地点が探索されている。
【0039】
図16は、A*アルゴリズムを本実施例の方法と組み合わせて再探索を行った場合の例である。このように、本手法はダイクストラアルゴリズムのみではなく、それに似た他の検索アルゴリズムと組み合わせることも可能である。黒太線で示した経路701が探索された別経路である。この経路は図15の経路601と同じものである。黒丸は探索された地点を示している。図16から判るように、従来の方法の場合の探索エリア(図15)と比べて391地点という圧倒的に小さい領域で同じ探索結果が得られる。
【0040】
このように、第1の実施例においては、再探索の探索対象領域を、1回目の探索時にすでに生成されている途中結果を用いながら最少コスト経路を求めるために最低限必要な探索領域に制限することにより、再探索の探索対象領域を大幅に縮小することができるため、従来の手法と比べて追加で必要となる処理を考慮しても全体的には少ない時間での経路探索が可能となる。
【0041】
(第2の実施例)
第2の実施例は、重み付け手段1006と領域制限手段1007aの内容を変更したものである。
前記第1の実施例において、例えば出発地点Sの周辺の道路が図9に示すような特殊な形状の場合、すなわち出発地点Sが行き止まりに位置する場合には、全ての地点への経路が道路区間S−P1のパラメータの変更に影響されるため、全ての地点へ至る最少コスト経路を再探索時に計算し直す必要がある。つまり、再探索の探索対象領域を制限することができず、再探索の探索領域が初回の探索と同じになってしまう。第2の実施例は、上記の問題を解決したものである。
【0042】
第2の実施例において、重み付け手段は、探索された第1の最短経路を構成する各道路区間のうち、出発地点の付近に位置する3以上の数の道路が交わる交差点(三叉路以上の交差点)から目的地までの各道路区間のパラメータに重み付けを行い、領域制限手段は、第1の最少コスト経路上で前記交差点から目的地点へ1道路区間進んだ地点を最初の選択候補地点とする初期化処理を行うものである。すなわち、図3の重み付け手段1006において、探索された第1の最短経路を構成する各道路区間のうち、出発地点の付近に位置する3以上の数の道路が交わる交差点から目的地までの各道路区間のパラメータに重み付けを行い、図3の領域制限手段1007aは、第1の最少コスト経路上で上記交差点から目的地点へ1道路区間進んだ地点を最初の選択候補地点とする初期化処理を行うように構成している。つまり、パラメータの重み付けを前回の最小コスト経路の地点P1の次の地点P2のように3つの道路区間に繋がっている地点から先の区間のみに対して行うようにしている。そのため、例えばその地点の右上の領域は再度探索しないで左上の領域のみを再度探索すればよいため、効率良く再探索を行うことが可能となる。この手法の拡張として、地点に接続されている道路の数のみではなく、例えばその道路の種別(国道、県道など)をもとに大きな交差点を重み付け変更の開始地点とすることで、さらなる効率向上をはかることができる。
【0043】
第2の実施例においては、再探索の際に前回の探索経路のパラメータを増加させる区間を三叉路以上の交差点からとすることにより、再探索の探索対象領域をより狭い領域に制限し、再探索に必要な計算量すなわち計算時間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における経路探索装置の構造を示すブロック図。
【図2】第1の実施例における経路探索装置の基本的な動作を示すフローチャート。
【図3】第1の実施例における経路探索処理の動作を説明するためのブロック図。
【図4】第1の実施例における第1の経路探索手段の動作を示すフローチャート。
【図5】第1と第2の経路探索手段の探索領域を説明するための地図。
【図6】領域制限手段の動作を説明するフローチャート。
【図7】第2の経路探索手段の動作を示すフローチャートの一部。
【図8】第2の経路探索手段の動作を示すフローチャートの他の一部。
【図9】出発地点Sが行き止まりに位置する特殊な形状の道路例を示す図。
【図10】図11〜図16における出発地点と目的地点を示す地図。
【図11】ダイクストラアルゴリズムによる最短距離経路の最初の探索例を示す地図。
【図12】従来方法による再探索の結果を示す地図。
【図13】第1の実施例を適用して、ダイクストラアルゴリズムで再探索を行った結果を示す地図。
【図14】A*アルゴリズムによる国道優先で最短距離経路の最初の探索例を示す地図。
【図15】A*アルゴリズムによる国道優先で、従来の方法による再探索の結果を示す地図。
【図16】A*アルゴリズムによる国道優先で、第1の実施例による再探索の結果を示す地図。
【符号の説明】
1001…第1の探索手段 1002…経路記憶
1003…表示制御手段 1004…一時記憶
1005…地図データ 1006…重み付け手段
1007…第2の探索手段 1007a…領域制御手段
1008…経路記憶 1010…一時記憶
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等に用いられる経路探索装置、つまり出発地点から目的地点へ至る誘導経路を求め、運転者に提示することによって運転を支援する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のダイクストラ法などを用いた誘導経路探索処理では、与えられた条件を満足する最適な解を一つだけ求めるものであるため、複数の準最適な解を求めるには特別な処理を追加する必要がある。例えば、特開平8−292058号公報や特開平10−170297号公報においては、一つの最少コスト経路を探索した後に、その探索された経路に該当する道路区間に付随するパラメータ(当該区間の距離や予想走行時間など)を高く(例えば当該経路のパラメータを前回の110%にする)し、その新しいパラメータで再度最少コスト経路を探索することにより、前回とは異なる経路を求めている。また、このような再探索をさらに繰り返すことにより複数の互いに差異のある経路を求めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような手法で複数の経路を探索する場合、2回目の探索結果が必ずしも運転者の希望に適合するとは限らないため、運転者の希望にあった経路が見つかるまでに複数回の再探索が必要になることが多い。しかし、このような経路探索処理では、2回目以降の探索においても1回目と同等の計算時間を要するため、複数回の探索を行うにはかなりの時間が必要となる。そのため運転者は全ての経路を確認できるまでに長い時間待たされてしまうおそれがある。例えば、最初の探索の後に4回再探索を行い、5回目の経路が運転者の好みに適合した場合には、運転者は1回のみ探索を行った場合のおよそ5倍の探索時間のあいだ待たされることになる。この問題は、目的地を設定した後に、運転者の要求に応じて順次別候補を提示した場合も負担となるが、最初から複数の互いに差異のある経路を探索して運転者に提示するような経路探索装置では特に大きな問題となる。
【0004】
本発明は上記のごとき従来技術の問題を解決するためになされたものであり、2回目以降の再探索を最初の探索よりも速く行う、つまり再探索に要する時間を最初の探索に要する時間よりも短くすることを可能にし、全体の探索時間を短縮した経路探索装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、出発地から目的地までの経路のうち前記経路に付随するパラメータが最小となる第1の最少コスト経路を探索する第1の探索手段と、第1の最短経路を構成する各道路区間のパラメータに重み付けを行う重み付け手段と、第1の探索手段の計算データに基づいて特定の地図領域を制限領域として求める領域制限手段と、重み付けがなされた状態で出発地から目的地までの経路のうち前記経路に付随するパラメータが最小となる第2の最少コスト経路を、領域制限手段で求めた制限領域のみを経路探索の対象として探索する第2の探索手段とを備え、再探索時に前回探索の情報を利用して探索範囲を制限することにより、再探索に要する時間を低減するように構成している。
【0006】
【発明の効果】
本発明においては、経路の再探索の際に、1回目の経路探索のデータを用いて再探索時の探索対象領域を制限することにより、再探索に要する計算量を減らし、すなわち再探索に要する時間を短くし、一つの出発地点と一つの目的地点を結ぶ複数の差異のある経路を短い時間で効率よく求めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
誘導経路を求める方法としては、例えば、各道路区間にそれぞれの距離や予想通行時間に該当するパラメータを付随させ、出発地点から目的地点へ至る全ての経路のうち前記パラメータの和が最少となる経路を求める、ダイクストラ法などとして一般的に知られているアルゴリズムを用いることができる。このようなアルゴリズムは本来は与えられた条件を満足する最適な解を一つだけ求めるものであるため、複数の準最適な解を求めるには何らかの工夫が必要となる。そのような工夫を取り入れた経路探索装置の例として、運転者の好みに応じた経路や、渋滞区間を迂回する経路を運転者に提示する目的で、複数の経路を運転者に提示できるものがある。このような経路探索装置では、既に探索されている経路とは差異のある経路を求めるために、一つの最少コスト経路を探索した後に、その探索された経路に該当する道路区間に付随するパラメータを高く(当該経路のコストを大きく)し、その新しいパラメータで再度最少コスト経路を探索することにより、前回とは異なる経路を求めている。また、このような再探索をさらに繰り返すことにより複数の互いに差異のある経路を求めることができる。
【0008】
しかし、上記のごとき方法では、経路を再探索する度に、初回の探索と同程度の処理時間が必要となる。特に、ユーザの好みに合った経路が見つかるまで複数回再探索を行うような場合には経路誘導が開始されるまでの待ち時間が長くなってしまう原因となる。
また、計算時間を短縮する方法として、探索領域を適当に制限することが考えられる。しかし、領域を狭く制限すると、制限された範囲外に良い経路が存在してもその経路は選択されないので、使用者の不満の大きな割合を占める「回り道」の原因ともなるため、実際に計算時間の短縮が望めるほど探索領域を制限するのは難しい。
【0009】
上記の問題を解決するため本発明においては、出発地から目的地までの経路のうち、前記経路に付随するパラメータが最小となる第1の最少コスト経路を探索する第1の探索手段と、探索された前記第1の最短経路を構成する各道路区間のパラメータに重み付けを行う重み付け手段と、前記第1の探索手段の計算データを入力とし、その入力に基づいて特定の地図領域を制限領域として求める領域制限手段と、前記第1の最短経路を構成する各道路区間のパラメータに対して重み付けがなされた状態で、前記出発地から前記目的地までの経路のうち、前記経路に付随するパラメータが最小となる第2の最少コスト経路を、前記第1の探索手段が探索した地図領域のうち、前記領域制限手段で求めた制限領域のみを経路探索の対象として探索する第2の探索手段と、探索された前記第1の最少コスト経路と第2の最少コスト経路を前記ディスプレイに表示させる表示制御手段と、を備えるように構成している。つまり、本発明においては、重み付けを行って、前回探索した経路のコストをx倍(x>1)にして再探索を行う場合に、新しい最小コスト経路を算出するときに前回探索の情報を利用することにより、最小限計算しなければならない領域のみの探索を行うように構成している。
【0010】
(第1の実施例)
図1は、本発明の第1の実施例における経路探索手段の構成を示すブロック図である。
図1において、801は経路探索装置のメインユニットであり、計算処理を行うCPU801a、プログラムを記憶してあるROM801b、計算途中のデータを記憶する一時記憶801c、メインユニットに接続される外部ユニット802〜806とのデータ入出力を行う1/O回路801dを内蔵している。802は自車位置検出手段であり、GPS受信機、ジャイロ、車速センサなどを用いて車両の自車位置を検出する。803は入力操作手段であり、運転者の入力を受け付けるリモートコントロール、タッチパネル、スイッチあるいは音声認識装置などである。804はディスプレイ(表示装置)であり、液晶ディスプレイ、ブラウン管、ヘッドアップディスプレイなどの画像表示ができる装置である。805は機械音声による経路誘導を行うスピーカである。806は地図情報を記憶している地図記憶手段である。
【0011】
図2は、経路探索手段の基本的な動作を示すフローチャートである。
図2において、まず、ステップ901で、図1の入力操作手段803から目的地点が入力されると、ステップ902で、現在の自車位置(自車位置検出手段802から入力)を出発地点として設定する。
次に、ステップ903で、出発地点から目的地点へ至る経路を探索する。この経路探索処理は、従来のダイクストラ法などを用いた誘導経路探索方法(詳細は後記ステップ903の説明参照)を用いることが出来る。
次に、ステップ904では、探索された経路を、図1のディスプレイ804に表示する。
次に、ステップ905では、入力操作手段803から別経路を探索する要求があるか否かを判断し、要求がない場合(NO)はステップ906で、目的地に到着するまで経路誘導を続ける。要求があった場合(YES)はステップ907で別経路を探索(再探索)する。この内容の詳細については後述する。
ステップ908では、再探索された経路を、図1のディスプレイ804に表示する。そしてステップ909では、目的地に到着するまで経路誘導を続ける。
【0012】
なお、上記図2に示したフローでは、経路の探索を2回(最初の探索と再探索を1回の合計2回)行う例を示しているが、ステップ908の後にステップ905〜909の経路を再び設けることにより、再度別経路の要求があるか否かを確認し、運転者が別の経路を望む場合は再度異なる経路を探索するループ処理を行うように構成することも出来る。以下、同様にして再探索を任意の複数回繰り返して行うように構成することが出来る。
【0013】
図3はステップ903、904、907、908におけるステップの内容を説明するためのブロック図である。図3の各ブロックは図1のメインユニット801の機能をブロック別けして示したものに相当する。なお、以下の図3の説明において、801〜806は図1に示した各手段に相当する。
図3において、第1の探索手段1001は、地図記憶手段806から地図データ1005を入力し、RAM801c上に実装される一時記憶1004を用いて、ステップ901と902で設定された出発地点と目的地点の間の経路を探索し(ステップ903)、その結果をRAM801c上に実装される経路記憶1002に記憶する。
表示制御手段1003は、その経路をディスプレイ804に出力する(ステップ904)。
【0014】
ステップ905において運転者が別経路を要求した場合は、ステップ907の処理を行う。すなわち、第2の探索手段1007の領域制御手段1007aは一時記憶1004に記憶されている第1の探索手段1001の計算データから制限領域を計算する(詳細は後記ステップ907の説明参照)。重み付け手段1006は経路記憶1002(最初の探索結果の経路)に対して重み付けを行う。第2の探索手段1007は上記の制限された地図領域において、上記重み付けを行った地図データ(経路記憶1002)を入力として、RAM801c上に実装された一時記憶1010を用いて、ステップ901と902で設定された出発地点と目的地点の間の経路を探索し、その結果をRAM801c上に実装される経路記憶1008に記憶する。経路記憶1008に記憶した経路は、表示制御手段1003によりディスプレイ804に出力され、表示される(ステップ908)。
【0015】
上記の探索処理は、例えば一般的にダイクストラアルゴリズムの名称で知られているアルゴリズムを用いて、各道路区間に対してその距離や平均通行時間を記憶している地図データをもとに、そのパラメータ(コスト)の累積が最少となる経路を見つけるものである。そこで、重み付け手段1006が第1の探索処理で計算された経路を構成する各道路区間のパラメータに擬似的に例えばその110%のパラメータを与えることにより、第2の探索手段では第1の探索手段と異なる経路を求めることができる。なお、どのような経路が求まるかはトポロジーに依存する。ただし、目的地点と出発地点が余りにも近い場合や、一本道で結ばれている場合などは、必ず異なる経路が求まる訳ではない。
【0016】
次に、図2のステップ903における最初の探索処理およびステップ907における再探索処理について説明する。
まず、ステップ903について説明する。
ステップ903では、一般的にダイクストラアルゴリズムという名称で知られているアルゴリズムを用いて経路探索を行う。このアルゴリズムは、地図上の全道路区間に対して、その区間の距離や予想走行時間を「パラメータ」として記憶している地図データを入力として用いる。また、このアルゴリズムは、地図上の全地点について、出発地点からその地点へ至る計算済みの最少コスト経路のコスト、つまりその経路を構成する道路区間のパラメータの「合計値」と、その経路上の直前の地点(以下、直前地点と記す)を保持して計算を進める。
【0017】
図4はステップ903の処理を詳細に説明するフローチャートである。
図4において、ステップ1101では、出発地点以外の「合計値」を無限大を表す値に初期化する。これは出発地点からその経路へ至る経路がまだ計算されていないことを表す。このようにまだ経路が見つかっていないか、あるいは経路が見つかっているがそれが最少コスト経路であることが確定していない地点を未確定地点という。
ステップl102では、出発地点の「合計値」をゼロに初期化する。これは出発地点から出発地点へ至る経路のコストがゼロであることを表している。
ステップl103では、出発地点を「選択地点」に設定する。これは、出発地点から探索を開始することを意味する。つまり探索開始時点では、最少コスト経路が確定しているのは出発地点から出発地点への距離ゼロの経路だけであるからである。
【0018】
次に、ステップ1104では、選択地点Sに繋がっている全ての道路に対して1104に記載のごとき処理を行う。この処理は次のごとき内容のものである。つまり、選択地点に隣接する全ての地点に対して、出発地点からその地点へ至る既に見つかっている経路と、選択地点を経由してその地点へ至る経路と、どちらが短いかを計算する。前者の場合は、なにもしないでよい。後者の場合は、選択地点を経由する経路の方が短いので、隣接する地点の情報を更新する。
なお、候補地点とは、出発地点からの何らかの経路が計算済みの地点のことをいう。候補地点は探索開始直後以外は常に1個以上存在する。もし候補地点が存在しなくなると、それは出発地点から目的地点へ至る経路が存在しないことを意味する。候補地点の中で合計値がもっとも小さい地点は、つまりその時点で新たに最小コスト経路が確定した地点である。
従って、ステップ1105では、候補地点の中から合計値が最も小さい地点MINを選び、新しい選択地点とする。これにより、その地点は候補地点ではなくなる。このように、最小コスト経路が確定した地点を確定地点と呼ぶ。
【0019】
ステップ1106では、その新しい選択地点MINが目的地点であるか否かを判断する。もし同じである場合は、つまり出発地点から目的地点への最少コスト経路が確定したので、この時点で探索を終了し、目的地点から順に直前地点を辿っていくことで最少コスト経路を抽出できる(ステップ1107)。もし同じでない場合は、ステップ1104から繰り返し経路探索を続ける。
【0020】
図5は、ステップ1106において経路探索が終了した場合の出発地点、候補地点、確定地点、目的地点、その他の地点および地点間の道路区間および直前地点の一例を示している。この例では、出発地点Sから目的地点Gへ至る最少コスト経路として経路S−P1−P2−P3−Gが求まっている。
【0021】
ここで、この経路を構成する道路区間S−P1、P1−P2、P2−P3、P3−Gに付随するパラメータを増加させて再度経路を探索した場合を考える。そのため、このパラメータ増加によって影響を受ける地点はどのような地点であるかを考える。
まず、図5の確定地点のうち、その地点へ至る最少コスト経路が経路S−P1−P2−P3−Gと道路区間を一つも共有しない地点を考える。これはつまり図5中の白抜きの領域内に存在する確定地点である。出発地点からそれらの地点へ至る最小コスト経路のコストに変化はないので、そのような地点は再計算する必要が無い。
【0022】
次に、図5の確定地点のうち、その地点へ至る最少コスト経路が経路S−P1−P2−P3−Gと道路区間を一つでも共有している地点を考える。これはつまり図5中の網掛けの領域内に存在する確定地点である。これらの地点については、最少コスト経路の最低1区間のパラメータが増加しているので、出発地点から該地点へ至る最少コスト経路を再度探索し、その経路上の直前地点と、その最小コスト経路の合計値を再度計算する必要がある。したがって、図3の第2の探索手段1007の探索領域は、計算結果に影響することなく、図5中の「網掛けの領域」+「候補地点とその他の未確定地点が存在する領域」つまり図5中で白抜きの領域を除いた部分に制限することができる。また、上記の領域よりも小さい領域に制限してしまうと、同じ計算結果が得られなくなる可能性がある。
【0023】
次に、ステップ907の処理を説明する。
なお、ここでは、最初に領域制限処理を行ってから、その後で実際の経路探索処理を行うことを想定しているが、実際にはこれらの処理を並行して行ってもよい。
【0024】
図6は、図3の領域制限手段1007aにおける処理を示すフローチャートである。このフロチャートの動作を図5の例を用いて説明する。
まず、ステップ1301では、第1の最小コスト経路上で、出発地点から目的地点へ1道路区間進んだ地点を最初の領域地点とする。つまり図5の例では地点P1を領域地点に選ぶ。
【0025】
次に、ステップ1302では、領域地点を一つ選び、その地点に隣接する地点のうち、直前地点を選んだ地点と一致する地点を新たに領域地点とする。つまり図5の例では、地点P2と地点R1が領域地点に加わる。
【0026】
ステップ1303では、新たな領域地点が追加されたか否かを判断し、追加された場合はステップ1302を再度繰り返し、追加されなくなった場合はステップ1304へ行く。図5の例では、あたらしい領域地点が加わっているので再度ステップ1302を実行する。ステップ1302で仮に地点P2を選んだとすると、新たに地点P3とR2とR3が領域地点になる。また新しい領域地点が加わっているので再度ステップ1302を実行する。仮に地点P3を選んだとすると、今度は地点Gが領域地点に加わる。新しい領域地点が加わっているので再度ステップ1302を実行する。仮に今度は地点R1を選んだとする。R1に隣接する確定地点で、直前地点がR1と一致するものは存在しないので、あたらしい領域地点は加わらない。ステップ1302において、いかなる領域地点を選んだとしても新しい領域地点は加わらなくなった場合は、ステップ1303の判断が「yes」となり、ステップ1304へ進む。
【0027】
ステップ1304では、上記の選ばれた全ての領域地点全体により構成される領域を制限領域とする。つまり、図5では、領域地点P1、P2、P3、G、R1、R2、R3からなる「網掛けの領域」に「候補地点とその他の未確定地点が存在する領域」を加えた領域、つまり図5中で白抜きの領域を除いた部分が制限領域となる。
【0028】
上記のように、領域制限手段1007aは、第1の探索手段1001で保持した情報に基づいて、第1の最少コスト経路上で出発地点から目的地点へ1道路区間進んだ地点を最初の領域地点とする初期化処理と、領域地点を一つ選び、その領域地点に隣接する隣接地点のうち、隣接地点の直前地点が、選んだ領域地点と同一である隣接地点を新たに領域地点とする領域拡大処理と、新たな領域地点が追加されなくなるまで領域拡大処理を繰り返し行い、領域地点全体により形成される地図領域を前記制限領域とする制限領域設定処理と、を行うものである。
【0029】
次に、図7および図8は、ステップ907の経路探索処理を示すフローチャートである。図7と図8は▲1▼、▲2▼の部分で接続されている。
まず、図7において、ステップ1401は前記図4のステップ1101と同様の初期化処理である。また、ステップ1402では、探索を出発地点からではなく、出発地点から前回探索された最少コスト経路上を1道路区間進んだ地点から開始することを意味する。
ステップ1403では、その地点を選択地点とし、さらに、前回の探索が終了した時点での候補地点をこの再探索においても候補地点に設定する。前回の探索の候補地点をこの再検索の候補地点とすることにより、前回よりも長い経路が正しく探索されることが保証される。
ステップ1404では、選択地点が前回の探索が終了した時点で確定地点であったか否かを判断し、確定地点であった場合はステップ1405へ進み、確定地点でなかった場合はステップ1406へ進む。
【0030】
選択地点が前回の探索が終了した時点で確定地点であった場合は、現在の選択地点は制限領域内の地点である。その場合はステップ1405の処理を行う。
ステップ1405では、制限領域内では図4のステップ1104と同様に一般的なダイクストラアルゴリズムに従い探索を行うが、制限領域の境界に達した場合は、制限領域外を経由して選択地点へ達する経路の方がパラメータの合計値が小さいかどうかを調べる。もし制限領域外を経由して選択地点へ達する経路の方が制限領域内から選択地点へ達する経路よりもパラメータの合計値が小さい場合には、選択地点へ至る最小コスト経路としてその制限領域外からの経路を設定する。
選択地点が前回の探索が終了した時点で確定地点でなかった場合は、現在の選択地点は前回の探索の時に探索された領域よりも外にある。その場合はステップ1406に従い、ステップ1104と同様に一般的なダイクストラアルゴリズムにそった処理を行う。
【0031】
なお、ステップ1405とステップ1406で用いられるパラメータは、図3の重み付け手段1006を経たパラメータである。この重み付け手段1006は、経路記憶1002から前回の探索で求められた最少コスト経路と、地図データ1005とを入力とし、前回の探索で求められた経路を構成する道路区間に関しては、その区間に付随するパラメータを例えば1.1倍などに重み付けするものである。
【0032】
ステップ1407では、ステップ1105と同様に候補地点から合計値が最小の地点MINを選び、新しい選択地点として設定する。
ステップ1408では、ステップ1407で設定した選択地点が目的地点か否かを判断し、目的地点である場合はステップ1409へ進み、目的地点から出発地点まで直前地点を辿っていき経路を求める。その場合、合計値が無限大である地点に辿り着いた場合は、その先は第2の探索手段の処理ではなく、前回の第1の探索手段のデータを辿っていく。ステップ1408で目的地点でなかった場合は、ステップ1404に戻って再度処理を繰り返す。
【0033】
次に、図10〜図16は第1の実施例における実行例を示す図である。
図10は、出発地点101と目的地点102を地図上に示した図であり、図11〜図16は、図10に示した出発地点101から目的地点102へ至る経路を探索した結果の経路(黒太線)と探索領域(複数の黒点)を示している。
また、図11〜図13は、各道路区間のパラメータとして、その区間の距離を用いてダイクストラアルゴリズムで探索を行った例であり、図14〜図16は、国道のパラメータのみを0.6倍に変化させ国道が優先的に選ばれるようにしたものであり、一般的にA*アルゴリズムの名前で知られている手法で探索を行った例を示している。
【0034】
まず、図11は最初の探索を行った場合を示す。黒太線で示した201が探索された経路で、黒丸は探索終了時の確定地点、すなわち探索された領域を示す。この例では、2245地点が探索されている。
【0035】
また、図12は、再探索の探索対象領域を制限していない従来の手法による再探索の様子を示している。黒太線で示した301が探索された経路である。図11の経路201とは差異のある経路が探索されていることが確認できる。黒丸は探索された地点を示している。初回探索に対し経路長が長くなった分だけ若干数が増加して2429地点が探索されている。
【0036】
図13は、本実施例の方法で再探索を行った場合の様子を示している。黒太線で示した401が探索された別経路である。この経路は図12の経路301と同じものである。黒丸は探索された領域を示す。図13から判るように、従来の方法の場合の探索エリア(図12)と比べて448地点という圧倒的に小さい領域で同じ探索結果が得られている。
【0037】
次に、図14〜図16は、A*アルゴリズム(ダイクストラアルゴリズムを変更し、目的地までの残り距碓の見積もりを用いて探索領域を制限する探索アルゴリズム)による国道優先(国道の距離を0.6倍で計算)最短距離経路の探索例である。
まず、図14は最初の探索を行った場合を示す。黒太線で示した501は最初に探索された経路である。黒丸は探索された地点、すなわち探索された領域を示す。この場合には1312地点が探索されている。前記図11のダイクストラアルゴリズムの場合における最初の探索よりも、かなり少ない領域で探索が終了している。なお、この例では国道を優先して探索を行っているため、図11の経路201とは探索結果が異なる。
【0038】
図15は、再探索の探索対象領域を制限していない従来の手法による再探索の例を示している。黒太線で示した601が探索された経路である。図14の経路501と異なる経路が探索されていることが確認できる。黒丸は探索された地点を示している。この場合も初回探索に対し若干増加して1406個の地点が探索されている。
【0039】
図16は、A*アルゴリズムを本実施例の方法と組み合わせて再探索を行った場合の例である。このように、本手法はダイクストラアルゴリズムのみではなく、それに似た他の検索アルゴリズムと組み合わせることも可能である。黒太線で示した経路701が探索された別経路である。この経路は図15の経路601と同じものである。黒丸は探索された地点を示している。図16から判るように、従来の方法の場合の探索エリア(図15)と比べて391地点という圧倒的に小さい領域で同じ探索結果が得られる。
【0040】
このように、第1の実施例においては、再探索の探索対象領域を、1回目の探索時にすでに生成されている途中結果を用いながら最少コスト経路を求めるために最低限必要な探索領域に制限することにより、再探索の探索対象領域を大幅に縮小することができるため、従来の手法と比べて追加で必要となる処理を考慮しても全体的には少ない時間での経路探索が可能となる。
【0041】
(第2の実施例)
第2の実施例は、重み付け手段1006と領域制限手段1007aの内容を変更したものである。
前記第1の実施例において、例えば出発地点Sの周辺の道路が図9に示すような特殊な形状の場合、すなわち出発地点Sが行き止まりに位置する場合には、全ての地点への経路が道路区間S−P1のパラメータの変更に影響されるため、全ての地点へ至る最少コスト経路を再探索時に計算し直す必要がある。つまり、再探索の探索対象領域を制限することができず、再探索の探索領域が初回の探索と同じになってしまう。第2の実施例は、上記の問題を解決したものである。
【0042】
第2の実施例において、重み付け手段は、探索された第1の最短経路を構成する各道路区間のうち、出発地点の付近に位置する3以上の数の道路が交わる交差点(三叉路以上の交差点)から目的地までの各道路区間のパラメータに重み付けを行い、領域制限手段は、第1の最少コスト経路上で前記交差点から目的地点へ1道路区間進んだ地点を最初の選択候補地点とする初期化処理を行うものである。すなわち、図3の重み付け手段1006において、探索された第1の最短経路を構成する各道路区間のうち、出発地点の付近に位置する3以上の数の道路が交わる交差点から目的地までの各道路区間のパラメータに重み付けを行い、図3の領域制限手段1007aは、第1の最少コスト経路上で上記交差点から目的地点へ1道路区間進んだ地点を最初の選択候補地点とする初期化処理を行うように構成している。つまり、パラメータの重み付けを前回の最小コスト経路の地点P1の次の地点P2のように3つの道路区間に繋がっている地点から先の区間のみに対して行うようにしている。そのため、例えばその地点の右上の領域は再度探索しないで左上の領域のみを再度探索すればよいため、効率良く再探索を行うことが可能となる。この手法の拡張として、地点に接続されている道路の数のみではなく、例えばその道路の種別(国道、県道など)をもとに大きな交差点を重み付け変更の開始地点とすることで、さらなる効率向上をはかることができる。
【0043】
第2の実施例においては、再探索の際に前回の探索経路のパラメータを増加させる区間を三叉路以上の交差点からとすることにより、再探索の探索対象領域をより狭い領域に制限し、再探索に必要な計算量すなわち計算時間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における経路探索装置の構造を示すブロック図。
【図2】第1の実施例における経路探索装置の基本的な動作を示すフローチャート。
【図3】第1の実施例における経路探索処理の動作を説明するためのブロック図。
【図4】第1の実施例における第1の経路探索手段の動作を示すフローチャート。
【図5】第1と第2の経路探索手段の探索領域を説明するための地図。
【図6】領域制限手段の動作を説明するフローチャート。
【図7】第2の経路探索手段の動作を示すフローチャートの一部。
【図8】第2の経路探索手段の動作を示すフローチャートの他の一部。
【図9】出発地点Sが行き止まりに位置する特殊な形状の道路例を示す図。
【図10】図11〜図16における出発地点と目的地点を示す地図。
【図11】ダイクストラアルゴリズムによる最短距離経路の最初の探索例を示す地図。
【図12】従来方法による再探索の結果を示す地図。
【図13】第1の実施例を適用して、ダイクストラアルゴリズムで再探索を行った結果を示す地図。
【図14】A*アルゴリズムによる国道優先で最短距離経路の最初の探索例を示す地図。
【図15】A*アルゴリズムによる国道優先で、従来の方法による再探索の結果を示す地図。
【図16】A*アルゴリズムによる国道優先で、第1の実施例による再探索の結果を示す地図。
【符号の説明】
1001…第1の探索手段 1002…経路記憶
1003…表示制御手段 1004…一時記憶
1005…地図データ 1006…重み付け手段
1007…第2の探索手段 1007a…領域制御手段
1008…経路記憶 1010…一時記憶
Claims (3)
- 車両の出発地点から目的地点までの経路を探索し、ディスプレイに表示させる経路探索装置であって、
前記出発地から前記目的地までの経路のうち、前記経路に付随するパラメータが最小となる第1の最少コスト経路を探索する第1の探索手段と、
探索された前記第1の最短経路を構成する各道路区間のパラメータに重み付けを行う重み付け手段と、
前記第1の探索手段の計算データを入力とし、その入力に基づいて特定の地図領域を制限領域として求める領域制限手段と、
前記第1の最短経路を構成する各道路区間のパラメータに対して重み付けがなされた状態で、前記出発地から前記目的地までの経路のうち、前記経路に付随するパラメータが最小となる第2の最少コスト経路を、前記第1の探索手段が探索した地図領域のうち、前記領域制限手段で求めた制限領域のみを経路探索の対象として探索する第2の探索手段と、
探索された前記第1の最少コスト経路と第2の最少コスト経路を前記ディスプレイに表示させる表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする経路探索装置。 - 前記第1の探索手段は、出発地点から目的地点までの複数の地点について、出発地点から該地点に至る最少コスト経路を求め、これらの最少コスト経路を求めた確定地点について、その地点へ至る最少コスト経路上の直前地点を保持しており、
前記領域制限手段は、前記第1の探索手段で保持した情報に基づいて、
第1の最少コスト経路上で出発地点から目的地点へ1道路区間進んだ地点を最初の領域地点とする初期化処理と、
前記領域地点を一つ選び、その領域地点に隣接する隣接地点のうち、隣接地点の直前地点が、選んだ領域地点と同一である隣接地点を新たに領域地点とする領域拡大処理と、
新たな領域地点が追加されなくなるまで領域拡大処理を繰り返し行い、領域地点全体により形成される地図領域を前記制限領域とする制限領域設定処理と、
を行うことを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。 - 前記重み付け手段は、探索された前記第1の最短経路を構成する各道路区間のうち、出発地点の付近に位置する3以上の所定の数の道路が交わる交差点から目的地までの各道路区間のパラメータに重み付けを行い、
前記領域制限手段は、第1の最少コスト経路上で前記交差点から目的地点へ1道路区間進んだ地点を最初の選択候補地点とする初期化処理を行う、ことを特徴とする請求項1に記載の経路探索装置。
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102708686A (zh) * | 2012-05-30 | 2012-10-03 | 东南大学 | 城市道路机动车出行起讫点及路径识别方法 |
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-
2002
- 2002-06-07 JP JP2002166613A patent/JP2004012312A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE112011103424B4 (de) | 2010-11-26 | 2019-07-04 | International Business Machines Corporation | System und Verfahren zum Auswählen von Routen |
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