JP2004011682A - 自動変速機の電動式レンジ切換装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】目標角度の所定角度だけ前になったときにモータを停止させ、インヒビタスイッチがONにならずにレンジ切換シャフトが停止したときには、ポテンショメータの取り付け角度のずれによって目標の手前で停止したと判断する。目標の手前で停止したときには、レンジ切換シャフトを一定の低速で回転させるようにフィードバック制御し、ディテント機構による引き込み動作が検出されたときにモータを停止させる。そして、インヒビタスイッチがONになったときのポテンショメータの角度と初期目標角度とからオフセット量を学習する。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンジ切換シャフトの角度を連続的に検出して、レンジ切換シャフトを回転駆動するモータをフィードバック制御する構成の自動変速機の電動式レンジ切換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、モータの回転駆動力を、減速歯車機構を介してレンジ切換シャフトに伝達し、該レンジ切換シャフトの回転運動によってレンジ切換バルブを駆動する構成とし、角度センサ(ポテンショメータ)によって連続的に検出される前記レンジ切換シャフトの角度に基づいて前記モータを駆動制御する構成の自動変速機の電動式レンジ切換装置が知られている(特開平7−305770号公報参照)。
【0003】
前記電動式レンジ切換装置では、レンジ切換シャフトを各レンジ位置に対応する角度に位置決めするディテント機構が設けられ、該ディテント機構によるレンジ切換シャフトの自走によって位置決めがなされるように、例えば、減速歯車機構の出力軸とレンジ切換シャフトとの間に回転方向の遊びを設けるようにしていた。
【0004】
そして、角度センサの検出結果から要求レンジに対応する目標角度の所定角度前の位置になったと判断されたときに(検出角度と目標角度との偏差が所定以下になったときに)、ディテント機構によるレンジ切換シャフトの自走範囲に入ったと判断して、その時点からモータの回転駆動を停止させて、目標角度にまでレンジ切換シャフトを自走させることで、オーバーシュートすることなくレンジ切換シャフトが要求レンジ位置まで駆動されるようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記角度センサの取り付け位置にずれがあると、実際にはディテント機構による自走範囲に入っていないのに、自走範囲に入ったものと誤判断されてモータ駆動が停止され、要求レンジの手前でレンジ切換シャフトが停止してしまう可能性があった。
【0006】
上記不具合は、自動変速機毎に角度センサの取り付け角度の調整を行うことで解消されるが、個別に調整作業を行うことは煩雑であり、また、多くの工数を要するという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、角度センサの取り付け角度のずれを制御上で自動的に補償でき、調整作業を行うことなく組み付け直後からレンジ切換シャフトを要求レンジに対応する角度に駆動することができる自動変速機の電動式レンジ切換装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため、請求項1記載の発明では、レンジ切換シャフトが各レンジに対応する角度であるときにONするインヒビタスイッチがONになったときの角度センサの検出結果に基づいて、前記角度センサのオフセット量を学習し、前記角度センサの検出結果に基づくモータ制御における目標角度を、前記オフセット量に基づいて補正する構成とした。
【0008】
上記構成によると、インヒビタスイッチがONになっているときに、レンジ切換シャフトが実際に要求レンジに対応する角度になっているものと判断する。
ここで、インヒビタスイッチがONになっているときの角度センサの検出結果と、要求レンジ位置に対応するものとして初期設定された目標角度との差が、取り付け角度のずれになるから、該ずれに基づいてオフセット量を学習させる。
【0009】
そして、学習されたオフセット量で目標角度を補正することで、取り付け角度のずれ分を見込んだ目標角度に修正する。
従って、調整作業を行うことなく、角度センサの取り付け角度のずれが、目標角度を補正することで補償される。
請求項2記載の発明では、ディテント機構による自走範囲に入ったことが角度センサによって検出されたときにモータ駆動を停止させ、前記モータ駆動の停止後に、インヒビタスイッチがONにならずに角度センサによる検出角度が停止したときに、目標角度の手前でレンジ切換シャフトが停止したと判断してモータ駆動を再開させ、モータ駆動の再開によってインヒビタスイッチがONになったときの角度センサの検出結果に基づいて、前記オフセット量を学習する構成とした。
【0010】
上記構成によると、角度センサの検出結果に基づいて自走範囲に入ったと判断したのに、実際には自走範囲内でなく、インヒビタスイッチがONになる前にレンジ切換シャフトの回転が停止してしまったときには、インヒビタスイッチに基づく制御に切り換えてモータ駆動を再開させて、インヒビタスイッチがONになったときの角度センサの検出結果に基づいて角度センサのオフセット量を学習する。
【0011】
従って、角度センサの取り付け角度のずれによって、要求レンジ位置の手前で停止することがあっても、強制的に正しい位置にまでレンジ切換シャフトを駆動させることができ、また、係る強制駆動によってオフセット量の学習が進行することで、インヒビタスイッチに基づく制御を行わずに、角度センサによる通常制御でレンジ切換シャフトを要求レンジ位置に駆動できるようになる。
【0012】
請求項3記載の発明では、前記モータ駆動の再開時に、レンジ切換シャフトの回転速度が一定になるようにモータをフィードバック制御して、角度センサによる検出角度の変化速度が設定値を超えたときに、ディテント機構による引き込み動作の開始を判断してモータを停止させる構成とした。
上記構成によると、インヒビタスイッチがONになる前にレンジ切換シャフトの回転が停止してしまったときには、レンジ切換シャフトの回転速度が一定になるようにモータをフィードバック制御し、係る制御状態において角度センサによる検出角度の変化速度が設定値を超えたときにディテント機構による引き込み動作の開始を判断し、ディテント機構による自走で要求レンジ位置まで回転させるべく、モータを停止させる。
【0013】
従って、角度センサの取り付け角度にずれがあって絶対位置の検出誤差がある状態であっても、オーバーシュートすることなく、レンジ切換シャフトを要求レンジ位置にまで駆動させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る車両用自動変速機の電動式レンジ切換装置の全体構成を示すシステム概略図であり、図2は、レンジ切換バルブの駆動機構を示す斜視図である。
【0015】
この図1,図2において、車両用自動変速機1には、電動式レンジ切換装置のアクチュエータとしてのモータ2が取り付けられる。
前記モータ2の出力軸には減速歯車機構3が設けられ、該減速歯車機構3の出力軸には、レンジ切換シャフト4が回転方向に遊びを設けて接続される。
前記レンジ切換シャフト4には、該レンジ切換シャフト4を複数のレンジにそれぞれ対応する角度に位置決めするためのディテント機構5が取り付けられる。
【0016】
前記ディテント機構5は、レンジ切換シャフト4に固定されて一体に回転するディテントレバー5A、及び、該ディテントレバー5Aの周縁に各レンジに対応して形成される凹部に係合するローラを支持すると共に、該ローラを切欠きに向けて押圧付勢するディテントスプリング5Bから構成される。
そして、該ディテント機構5は、レンジ切換シャフト4を、Pレンジ,Rレンジ,Nレンジ,Dレンジ,Lレンジのいずれかに対応する角度に位置決めする。
【0017】
前記レンジ切換シャフト4の回転運動は、ディテントレバー5Aとレンジ切換バルブ6(スプールバルブ)との係合によって、レンジ切換バルブ6の軸方向運動に変換され、レンジ切換バルブ6がバルブボディ7内で軸方向に変位すると、油圧ポートの開閉が切り換えられ、これによって各シフトレンジを設定するための摩擦係合要素の解放・締結が制御される。
【0018】
前記ディテントレバー5Aに一端が取り付けられるロッド8の他端には、カム9が取り付けられ、揺動可能に支持されたパーキングポール10が前記カム9との摺接によって揺動駆動され、Pレンジ位置においては、パーキングポール10の爪10aがパーキングギヤ11の凹部11aに噛み合って、パーキングギヤ11が固定されるようになっている。
【0019】
また、前記レンジ切換シャフト4(ディテントレバー5A)の角度を検出するポテンショメータ12(角度センサ)が設けられると共に、レンジ切換シャフト4が各レンジに対応する角度であるときにONするインヒビタスイッチ13が設けられ、更に、運転者がレンジの選択操作を行うためのシフトスイッチ14が設けられている。
【0020】
前記ポテンショメータ12及びレンジセレクトスイッチ14の信号は、レンジ切換制御ユニット15に入力され、また、インヒビタスイッチ13の信号は、AT制御ユニット16に入力された後、ネットワークを介して前記レンジ切換制御ユニット15に送信されるようになっている。
前記レンジ切換制御ユニット15は、シフトスイッチ14からの信号に基づき運転者が選択しているレンジを判定し、該選択レンジに対応する位置にレンジ切換シャフト4(レンジ切換バルブ6)を駆動すべく、前記ポテンショメータ12で検出される実際の角度に基づいて前記モータ2の印加電圧をフィードバック制御する。
【0021】
尚、モータ2の印加電圧は、モータ2への通電のON・OFFをデューティ制御することで制御される。
ここで、前記減速歯車機構3の出力軸とレンジ切換シャフト4との間における回転方向に遊びによって、モータ2のフィードバック制御によって目標角度でレンジ切換シャフト4が正確に停止しなくても、前記ディテント機構5によってレンジ切換シャフト4を自走させて所望のレンジ位置に位置決めさせることができるようになっている。
【0022】
また、前記インヒビタスイッチ13の信号に基づき動作するスタータリレー17が設けられ、前記スタータリレー17は、インヒビタスイッチ13のRレンジ又はNレンジがONであるときにのみONする。
従って、Rレンジ又はNレンジ以外であるときには、スタータスイッチ18をONさせても、バッテリ19の電圧がスタータモータ20に印加されず、Rレンジ又はNレンジであるときにのみエンジン21を始動させることができるようになっている。
【0023】
次に、前記レンジ切換制御ユニット15によるレンジ切り換え制御の詳細を、図3〜図6のフローチャートに従って説明する。
図3〜図6のフローチャートに示すルーチンは所定時間毎に実行され、ステップS1では、レンジの切り換えを要求するセレクト操作があったか否かを判別する。
【0024】
セレクト操作があると、ステップS2へ進んで、制御開始フラグ(初期値=0)に1をセットする。
ステップS1でセレクト操作がないと判断されたときには、ステップS2を迂回してステップS3へ進む。
ステップS3では、前記制御開始フラグに1がセットされているか否かを判別する。
【0025】
前記制御開始フラグに1がセットされているときには、ステップS4へ進む。ステップS4では、ポテンショメータ12のオフセット量の学習が完了しているか否かを判別する。
前記学習が完了していないときには、ステップS5へ進み、インヒビタスイッチ13が目標レンジでONになっているか否かを判別する。
【0026】
インヒビタスイッチ13が目標レンジでONになっていない場合には、ステップS10へ進む。
ステップS10では、再度前記制御開始フラグに1がセットされているか否かを判別し、1がセットされていれば、ステップS11へ進んで前記オフセット量の学習が完了しているか否かを判別する。
【0027】
ステップS11で学習が完了していないと判別されると、ステップS12へ進み、出力一時停止フラグ(初期値=0)に1がセットされているか否かを判別する。
前記出力一時停止フラグに0がセットされているときには、ステップS13へ進み、低速制御フラグ(初期値=0)に1がセットされているか否かを判別する。
【0028】
前記低速制御フラグに0がセットされているときには、ステップS14へ進み、目標レンジ位置毎に設定される制御目標角度の手前所定角度以内であるか否かを、前記ポテンショメータ12の検出結果に基づいて判断する。
前記所定角度は、前記ディテント機構5による自走範囲に対応するものであり、前記ステップS14は、ディテント機構5によるレンジ切換シャフト4の自走範囲に入っているか否かを判別することになる。
【0029】
制御目標角度の手前所定角度以内ではなく、従って、自走範囲内ではないと判断されるときには、ステップS15へ進み、通常の位置フィードバック制御を行わせる。
前記位置フィードバック制御では、前記ポテンショメータ12の検出角度を制御目標角度に近づけるようにモータ2の印加電圧をフィードバック制御する。
【0030】
前記通常の位置フィードバック制御の結果、ステップS14で、制御目標角度の手前所定角度以内になったことが判別されると、ステップS16へ進む。
ステップS16では、モータ2の慣性によるオーバーシュートを防止するために逆向きの電流によるブレーキをかけた後、モータ2の通電制御デューティを0にして通電を遮断する一方、前記出力一時停止フラグに1をセットする。
【0031】
前記出力一時停止フラグに1がセットされると、次回からは、前記ステップS12からステップS17へ進み、ポジション停止判断フラグ(初期値=0)に1がセットされているか否かを判別する。
ポジション停止判断フラグに0がセットされているときには、ステップS18へ進み、ポジション停止判断を行う。
【0032】
前記ポジション停止判断においては、ポテンショメータ12による検出角度の単位時間当たりの変化量の絶対値が設定値よりも小さい状態が連続しているときに、レンジ切換シャフト4の停止状態を判断し、前記ポジション停止判断フラグに1をセットする。
一方、前記変化量の絶対値が設定値以上であるときには、ポジション停止判断フラグ=0の状態を保持させる。
【0033】
ステップS16でモータ2による駆動を停止させた後、レンジ切換シャフト4が停止して、ステップS18でレンジ切換シャフト4が停止したと判断され、前記ポジション停止判断フラグに1がセットされるようになると、次回からは、ステップS17からステップS19へ進む。
ステップS19では、レンジ切換シャフト4が停止したと判断された時点からの経過時間を計測するためのウェイトタイマをインクリメントし、次のステップS20では、前記ウェイトタイマの値が設定値になったか否かを判別する。
【0034】
ステップS20でウェイトタイマの値が設定値になったと判断されるまでは、ステップS21を迂回し、レンジ切換シャフト4が停止したと判断された時点から所定時間が経過してからステップS21へ進むようにする。
ステップS21では、前記ウェイトタイマ,出力一時停止フラグ,ポジション停止判断フラグをそれぞれ0リセットする一方、前記低速制御フラグに1をセットする。
【0035】
即ち、ステップS21へ進んだ場合には、レンジ切換シャフト4が停止したと判断された時点から所定時間が経過しても、レンジ切換シャフト4が目標レンジ位置に対応するインヒビタスイッチ13がONするまで回転しなかったことになる。
そして、上記の状態は、ディテント機構5による自走範囲内に入ったとの判断に基づいてモータ2の駆動を停止させ、レンジ切換シャフト4がディテント機構5の谷位置まで自走させようとしたのに、実際には、自走範囲内に入っていなかったため、目標レンジよりも手前でレンジ切換シャフト4が停止したことを示す(図7参照)。
【0036】
前記出力一時停止フラグが0にリセットされ、かつ、前記低速制御フラグに1がセットされると、次回からは、ステップS12→ステップS13→ステップS22の順に進むことになる。
そして、ステップS22では、前記ステップS5で駆動停止させる前の回転方向と同じ方向に、一定の低速でレンジ切換シャフト4を回転させるべく、モータ2をフィードバック制御する(図7参照)。
【0037】
具体的には、ポテンショメータ12による検出角度の単位時間当たりの変化量(回転速度)と目標変化量(目標回転速度)との偏差に基づいて、モータ2の通電制御デューティをフィードバック制御する。
ステップS23では、自走判断フラグ(初期値=0)に1がセットされているか否かを判別する。
【0038】
自走判断フラグに0がセットされている場合には、ステップS24へ進み、前記ステップS22における速度フィードバック制御の結果、レンジ切換シャフト4がディテント機構5により自走し始めたか否かを判別する。
具体的には、ポテンショメータ12による検出角度の単位時間当たりの変化量(回転速度)が設定値を超えたか否かを判別し、変化量(回転速度)が設定値を超えると、自走判断フラグに1をセットする。
【0039】
前記自走判断フラグに1がセットされると、次回においてステップS23からステップS25へ進み、前記自走判断フラグを0にリセットし、速度フィードバック制御を停止させてモータ2への通電制御デューティを0にし、更に、前記出力一時停止フラグに1をセットする。
前記ステップS24における自走判断の結果、レンジ切換シャフト4が実際に自走して、ステップS5で、目標レンジに対応するインヒビタスイッチ13がONになったと判断されるようになれば、ステップS5からステップS6へ進んで、レンジ切り換え制御を停止させるべく、前記制御開始フラグを0にリセットする。
【0040】
しかし、前記ステップS24における自走判断の結果、モータ2を停止させた後で、インヒビタスイッチ13がONにならずにレンジ切換シャフト4が停止してしまった場合には、ステップS25の処理で、前記出力一時停止フラグに1をセットさせてあるから、停止から所定時間が経過してから再度ステップS22の速度フィードバック制御が行われることになる。
【0041】
従って、インヒビタスイッチ13がONにならない状態でレンジ切換シャフト4の回転駆動が停止されてしまうことがなく、例えば、エンジン始動前のシフト操作時であれば、エンジン始動が可能なPレンジ又はNレンジに確実にシフトさせることができる。
速度フィードバック制御を停止させてからのレンジ切換シャフト4の自走によって、目標レンジに対応するインヒビタスイッチ13がONになったとステップS5で判断されると、ステップS6へ進んで、前記制御開始フラグを0にリセットした後、ステップS7へ進む。
【0042】
ステップS7では、ディテント機構5の谷位置の学習、換言すれば、ポテンショメータ12のオフセット量の学習を行う。
前記学習は、初期値が0であるオフセット量(学習値)を、目標レンジ毎に設定される初期目標角度がインヒビタスイッチ13がONになったときのポテンショメータ12の検出角度に近づく方向に、一定値だけ変化させて更新記憶させる(図8参照)。
【0043】
そして、レンジ切り換え毎に一定値だけ変化させた結果、該オフセット量(学習値)で初期目標角度を補正して得られる制御目標角度(制御目標角度=初期目標角度+オフセット量)と、インヒビタスイッチ13がONになったときのポテンショメータ12の検出角度との偏差が所定値以下である状態が2回連続したときに、学習の完了を判断する(図8参照)。
【0044】
ステップS7で学習を行った後で、ステップS10へ進むと、ステップS6で前記制御開始フラグを0にリセットしてあるから、ステップS10からステップS26へ進む。
ステップS26では、次回のレンジ切り換え時に備えて、モータ2のフィードバック制御の制御変数(制御量)を速度から位置に戻し、また、前記低速制御フラグ,出力一時停止フラグ,ポジション停止判断フラグをそれぞれ0にリセットする。
【0045】
また、ステップS7での学習が完了した判断されると、ステップS4で学習完了と判断されることで、ステップS4からステップS8へ進む。
ステップS8では、ポテンショメータ12による検出角度と、制御目標角度(制御目標角度=初期目標角度+オフセット量)との偏差が所定値以下であるか否かに基づいて、レンジ切り換え制御の終了を判断する。
【0046】
前記ポテンショメータ12による検出角度と、制御目標角度との偏差が所定値以下になると(自走範囲内になると)、制御終了を判断し、ステップS9へ進んで、前記制御開始フラグを0にリセットして、ブレーキをかけた後モータ2の駆動を停止させる。
一方、制御終了が判断されるまでは、ステップS10,ステップS11,ステップS15の順に進んで、ポテンショメータ12による検出角度を、制御目標角度(=初期目標角度+オフセット量)に近づける通常の位置フィードバック制御を行わせる。
【0047】
上記実施形態によると、ポテンショメータ12の取り付け角度のずれがあっても、該ずれ分だけ制御目標角度を補正して、モータ2の位置フィードバック制御を行わせることができるから、ポテンショメータ12の取り付け角度の調整作業を行うことなく、位置フィードバック制御によって目標レンジに切り換えることができるようになる。
【0048】
また、ポテンショメータ12の取り付け角度のずれによって、レンジ切換シャフト4が要求レンジ位置の手前で停止する状態であっても、インヒビタスイッチ13の信号に基づいて強制的に正しい位置にまでレンジ切換シャフトを駆動させて、前記ずれ量を学習させることができる。
更に、ポテンショメータ12の取り付け角度にずれがあって絶対位置の検出誤差がある状態であっても、速度フィードバック制御状態からの角度変化速度の急変に基づいて引き込み動作(自走)を判断して、モータ2を停止させるので、オーバーシュートすることなく、レンジ切換シャフト4を要求レンジ位置にまで駆動させることができる。
【0049】
尚、上記実施形態では、オフセット量(学習値)を一定値ずつ変化させる構成としたが、インヒビタスイッチ13がONになったときのポテンショメータ12の検出角度と初期目標角度との偏差と、前回までのオフセット量(学習値)との加重平均値を、新たなオフセット量(学習値)として更新記憶させるようにしても良い。
【0050】
更に、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の自動変速機の電動式レンジ切換装置において、前記オフセット量を一定値ずつ変化させ、前記オフセット量で補正される目標角度と、前記インヒビタスイッチがONになったときの前記角度センサの検出結果との偏差が所定値以下である状態が複数回連続したときに、学習の完了を判断することを特徴とする自動変速機の電動式レンジ切換装置。
【0051】
上記構成によると、インヒビタスイッチがONになったときの目標角度と検出角度との偏差が大きい場合であっても、直ちに大きなオフセット量を学習させるのではなく、徐々にオフセット量を変化させ、然も、オフセット量に基づいて補正される目標角度付近でインヒビタスイッチがONになる状態が複数回連続したときに、適切なオフセット量が学習されたものと判断し、学習完了を判断する。
【0052】
従って、種々のばらつき要因によって不適切なオフセット量が学習されてしまうことを回避できる。
(ロ)請求項2又は3記載の自動変速機の電動式レンジ切換装置において、前記レンジ切換シャフトが停止したと判断して時点から所定時間が経過しても、インヒビタスイッチがONにならなかったときに、前記モータによる回転駆動を再開させることを特徴とする自動変速機の電動式レンジ切換装置。
【0053】
上記構成によると、前記レンジ切換シャフトが停止したと判断された時点から所定時間が経過するまでの間に、インヒビタスイッチがONになれば目標レンジ位置に駆動されたものと判断するが、前記所定時間が経過してもインヒビタスイッチがONにならない場合には、目標角度の手前でレンジ切換シャフトが停止したと判断してモータによる回転駆動を再開させる。
【0054】
従って、インヒビタスイッチの信号の通信遅れなどがあっても、目標角度の手前でレンジ切換シャフトが停止した状態を精度良く判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動変速機の電動式レンジ切換装置を示すシステム構成図。
【図2】レンジ切換シャフトの駆動機構を示す斜視図。
【図3】レンジ切り換え制御を示すフローチャート。
【図4】レンジ切り換え制御を示すフローチャート。
【図5】レンジ切り換え制御を示すフローチャート。
【図6】レンジ切り換え制御を示すフローチャート。
【図7】学習時のレンジ切換シャフトの駆動特性を示すタイムチャート。
【図8】オフセット量の学習特性を示すタイムチャート。
【符号の説明】
1…自動変速機、2…モータ、3…減速機構、4…レンジ切換シャフト、5…ディテント機構、6…レンジ切換バルブ、12…ポテンショメータ、13…インヒビタスイッチ、14…シフトスイッチ、15…レンジ切換制御ユニット、16…AT制御ユニット
Claims (3)
- レンジ切換シャフトが各レンジに対応する角度であるときにONするインヒビタスイッチを備える一方、前記レンジ切換シャフトの角度を連続的に検出する角度センサを備え、前記角度センサの検出結果に基づいて、前記レンジ切換シャフトを回転駆動するモータを制御する構成の自動変速機の電動式レンジ切換装置において、
前記インヒビタスイッチがONになったときの前記角度センサの検出結果に基づいて、前記角度センサのオフセット量を学習し、前記角度センサの検出結果に基づくモータ制御における目標角度を、前記オフセット量に基づいて補正することを特徴とする自動変速機の電動式レンジ切換装置。 - 前記レンジ切換シャフトを各レンジ位置に対応する角度に位置決めするディテント機構を備え、該ディテント機構による前記レンジ切換シャフトの自走範囲に入ったことが前記角度センサの検出結果に基づいて判断されたときに、前記モータによるレンジ切換シャフトの駆動を停止させ、
前記モータ駆動の停止後に、要求レンジに対応するインヒビタスイッチがONにならずに前記角度センサによる検出角度が停止したときに、目標角度の手前で前記レンジ切換シャフトが停止したと判断して、前記モータによる回転駆動を再開させ、
該モータ駆動の再開によって要求レンジに対応するインヒビタスイッチがONになったときの前記角度センサの検出結果に基づいて、前記角度センサのオフセット量を学習することを特徴とする請求項1記載の自動変速機の電動式レンジ切換装置。 - 前記モータ駆動の再開時に、前記レンジ切換シャフトの回転速度が一定になるように前記モータをフィードバック制御し、
該フィードバック制御状態で、前記角度センサによる検出角度の変化速度が設定値を超えたときに、前記ディテント機構による引き込み動作の開始を判断して、前記モータによる駆動を停止させることを特徴とする請求項2記載の自動変速機の電動式レンジ切換装置。
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