JP2004011319A - サッシ枠下部水切り構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】建設時にサッシ窓、サッシドア、サッシ引き戸等を取り付ける前に、開口部下部にサッシとは別に成形した水受け部材を予め取り付けておき、その水受け部材に後付けのサッシ下部またはその一部を収納し、サッシ枠の縦枠等を伝わって来る雨水を水受け部材で受けて排水するサッシ枠下部水切り構造を提供する。
【解決手段】建物のサッシ枠を取り付ける開口部の下辺に、サッシ取り付け前にサッシとは別に構成されサッシ枠下部を収納することができる水受け部材3を取り付け、この水受け部材3に、後付けのサッシ枠下部を収納することにより、サッシ枠下部から流下する雨水を水受け部材で受け、建物外部に流下させるべく構成したことを特徴とするサッシ枠下部水切り構造。
【選択図】 図3
【解決手段】建物のサッシ枠を取り付ける開口部の下辺に、サッシ取り付け前にサッシとは別に構成されサッシ枠下部を収納することができる水受け部材3を取り付け、この水受け部材3に、後付けのサッシ枠下部を収納することにより、サッシ枠下部から流下する雨水を水受け部材で受け、建物外部に流下させるべく構成したことを特徴とするサッシ枠下部水切り構造。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物躯体の窓や扉等の開口部に取付けたサッシ枠下部の水切り構造に関するものであり、特に、建設時にサッシ窓、サッシドア、サッシ引き戸等を取り付ける前に、開口部下部にサッシとは別に成形した水受け部材を予め取り付けておき、その水受け部材に後付けのサッシ枠下部またはその一部を収納し、サッシ枠の縦枠等を伝わって来る雨水を水受け部材で受けて排水することにより、サッシ枠下部の水切りを完全なものとするとともに、室内への漏水を完全に防止するようにしたサッシ枠下部水切り構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物躯体の窓開口部にサッシ窓を取付けた場合に、そのサッシ窓に沿って流れ落ちた雨水等が建物外壁に流れ落ち、建物外壁が汚れることがある。このために、サッシ窓の下部に水切り部材を取付け、その水切り部材を建物外壁よりも室外側に突出させることで、サッシ窓に沿って流れ落ちた雨水等が建物外壁に流れ落ちないようにしている。
【0003】
この概略構造を図9、図10を参照して説明すると、この例では、図に示すように建物躯体101の窓開口部102にサッシ窓103を取付け、このサッシ窓103の下枠104の下部に水切り部材105を取付け、その水切り部材105を建物外壁106よりも室外側に突出して配置している。この構造において、水切り部材105の長手方向に沿って雨水等が流れた場合、水切り部材105の長手方向両端部から流れ落ちた雨水等は建物外壁106に沿って流れてしまう。このため、この例では水切り部材105の長手方向両端部から雨水等が流れ落ちないように、図9に示すようにサッシ窓103の縦枠107と建物外壁106の縦端面106aとの間にコーキング材108を充填している。このコーキング材108は図10に示すように水切り部材5まで連続して取り付けてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、下枠104は建物躯体101の室外面101aよりも突出していると共に、その突出部分104aと水切り部材105との間に形成される空間109の上下寸法が小さく、しかも空間109の奥行きが大きい(特に建物外壁が厚壁の場合には奥行きが大きい)ので、前述のコーキング材108を水切り部材105まで連続して下枠104の突出部分104aと水切り部材105の長手方向両端部との間に充填しシールする作業が大変やりづらいという問題がある。さらに、長期間に渡っての使用によるコーキング材108の劣化が原因となる漏水等が発生する。
【0005】
また、上記とは別に、従来の半田付けアルミサッシの窓枠の場合、縦枠および下枠の取り付け部のネジ締めつけ不良等があると、この部分からの雨水の漏水が発生する。またサッシ枠に工場等で予め塗布されているコーキング材(シーリング材)の永年使用による劣化、窓枠取り付け時の運搬によるネジ締め付け部分の損傷、およびアルミサッシへの雨水の吹きつけによる排水不足等が原因となるサッシ縦枠、下枠接合部分の漏水がある。こうした漏水は、室内への雨漏りの原因となる上に建物躯体部分をも損傷することになり、確実な対策が望まれている。しかし、現状ではサッシの縦枠、下枠の締めつけ部はコーキング材のみで対応しているだけであり、コーキング材の劣化に対する対策はなにもなされていない。
【0006】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにしたサッシ枠下部の水切り構造を提供することを目的とする。本発明は、建設時にサッシ窓、サッシドア、サッシ引き戸等のサッシ枠の下部に、サッシ枠とは別に成形した水受け部材を予め取り付けておき、その水受け部材にサッシ枠下部を収納できるようにし、サッシの縦枠等を伝わって来る雨水を水受け部材で受けて排水することで、サッシ枠下部の水切りを完全なものとする。またコーキング材の劣化、あるいはサッシのネジ締め付け不良、締め付け不足等による漏水があったとしても、水受け部材で確実に漏水を受けることにより、室内への漏水を完全に防止することができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため本発明が採用した課題解決手段は、
建物のサッシ枠を取り付ける開口部の下辺に、サッシ取り付け前にサッシとは別に構成されサッシ枠下部を収納することができる水受け部材を取り付け、この水受け部材に、後付けのサッシ枠下部を収納することにより、サッシ枠下部から流下する雨水、サッシ縦枠とサッシ下枠の接合不良による雨水の侵入を水受け部材で受け、建物外部に流下させるべく構成したことを特徴とするサッシ枠下部水切り構造である。
また、前記水受け部材は、受けた雨水が流下し易いように、建物への取り付け状態で、外側に向かって下方に傾斜している底部を備えていることを特徴とするサッシ枠下部水切り構造である。
また、前記水受け部材は、その両端にサッシの縦枠部を収納できるポケットを備えるとともに、水受け部材の軸線方向にサッシ枠下部のフランジを固定する立壁を有することを特徴とするサッシ枠下部水切り構造である。
また、前記水受け部材は、、プラスチック、アルミ等の材料を使用し型成形して構成したことを特徴とするサッシ枠下部水切り構造である。
【0008】
【実施の形態】
以下、本発明にかかるサッシ枠下部水切り構造の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の水受け部材を窓開口部に取り付けた状態の正面図、図2は本発明の水受け部材の斜視図、図3は建物開口部、水受け部材、サッシ枠の組み立て分解図、図4は水受け部材とサッシ枠との取り付けた状態に於ける平面図および正面図、図5は図4中のA−A断面矢視図である。
尚、以下に説明する実施の形態でのサッシ枠はサッシ窓を対象としているが、ドアや引き戸等のサッシ枠にも適用できることは当然である。
【0009】
図1において、1はサッシ枠、2はサッシ枠に取り付ける引き戸、3はサッシ枠の下部に取り付ける水受け部材であり、水受け部材3はサッシ枠1を建物開口部に組付ける前に予め建物の開口部に取り付けておくものである。
水受け部材3は図2に示すように、開口部の下辺の長さに対応した長さを有しており、この水受け部材3の両端には、サッシ枠の縦枠を収納、支持できるようにポケット4が形成されている。ポケット4はサッシ枠の縦枠の外側に形成されるフランジ5(図3参照)をも収納できる大きさとして形成しておく。また、ポケットを4形成する立壁6は図示のように左右ポケットを連結する部分の立壁7とも連続して形成されており、さらに左右ポケットからは水受け部材を建物開口部に取り付けた状態の後、建物外壁との隙間が生じないように立壁6が外壁側に向けて略円形からなる曲壁面6aとして形成してある。また水受け部材3の底部は外壁側端面8が取り付け状態において前方に向けて下方に傾斜して形成され、水が下方流下し易い形状となっている。前記水受け部材3はポケット4と直線部とを別々に成形し、これらを溶接9することで一体物として成形しているが、水受け部材3は樹脂、アルミ材等により一体で成形することも可能であり、また板金等により折り曲げ、溶接ネジ止め等によって成形することも可能である。
【0010】
上記構成からなる、水受け部材3を建物の開口部に取り付ける状態を説明すると、図3において(ハ)は建物開口部の斜視図である。この開口部には水受け部材の前記立壁7と結合される結合部材10が設けられ、また開口部の柱12の下方には、水受け部材3のポケット4の一部を収納できる凹部11が形成されている。ただし、この凹部11は建物開口部の寸法によっては不要となることがある。結合部材10は木材などの適宜材料を利用して水受け部材3の立壁7の長さおよび高さに合わせて作り、窓開口部の下辺に水受け部材3の取り付け状態に合わせて予めクギ、接着材等を利用して固定する。本例の場合には図3(ハ)に示すように所定の寸法からなる断面四角形をした材木をクギによって開口部下部に取り付けてある。このように作られた建物の開口部に図3(ロ)に示す水受け部材3を取り付け固定する。この取り付け状態では、水受け部材3のポケット4が前記凹部11に嵌合し、また水受け部材3の立壁7が結合部材10の面10aに当接することになる。なおポケットと建物開口部との組み付け状態は上記したものに限定することなく、種々の形態を採用することができる。
【0011】
このように水受け部材3を取り付けた状態で、建物開口部にサッシ枠1を組み付け、この時サッシ枠1を水受け部材3内に嵌め込む。この状態では、サッシ枠の縦枠1aと下枠1bとの結合部がポケット4に嵌合し、またサッシ枠1の下枠1bの下方に突出しているフランジ1cが水受け部材3の立壁7に外側から当接する。このように組付けた状態でネジ等を利用してサッシ枠1と水受け部材3および結合部材10を一体に固定する。
【0012】
以上の構成からなるサッシ枠下部水切り構造では、図4、図5に示すようにサッシ枠1の縦枠、下枠の結合部が水受け部材3内に収納されるとともにサッシ枠1の下枠の下方に突出したフランジ1cが水受け部材3の立壁7の外側(建物外壁側)に当接固定されるため、サッシ枠1を伝わって下方に流下する水滴は全て水受け部材3で受けとめられ、水受け部材3を介して建物外壁側に排出されることになる。この結果、建物への漏水を完全に防止することができ、またサッシ枠1のネジの緩み、組付け不良、コーキング材の劣化が発生しても、サッシ枠を伝わって下方に流れる水は全ては水受け部材3で受け止められ排水されることになる。また、漏水が無くなり建物開口部の耐久性が飛躍的に向上する。なお、図5中、13は、水受け部材3と建物開口部との間にいれたコーキング材である。
【0013】
次に図6〜図8を参照して、水受け部材としての他の実施形態を説明しておく。なお、図4と同じ部材には同じ符号を使用している。
図6、図7の水受け部材3Aは、図4に示す水受け部材3の左右ポケット4を形成する立壁6をそれぞれ延長し連続したものとして形成し、またサッシ枠1の下枠1bの下方に突出しているフランジ1cを固定する立壁7は水受け部材の中央部に独立して形成した例である。この水受け部材3Aの場合には、上述した開口部に設ける結合部材が不要になるが、水受け部材を接着材等を利用して開口部に固定する必要がある。
また、図8の水受け部材3Bは、ポケットの形状を単純化したものであり、サッシ枠の下部をそのまま収納できるようにしたものである。
【0014】
以上、本実施形態の一例を説明したが、水受け部材としては図示した形状のものに限定されることなく、サッシ枠の下部を収納でき、また建物開口部に納まりよく取り付ける形状をし、本例と同様の機能を達成できるものであれば、種々の形態のものを採用することができる。例えば、ポケットの形状、立壁7の高さや長さ等は適宜変更することができる。また収納という語句は,サッシ枠の下方に流下する水滴を水受け部材に確実に受けることができるようにサッシ枠下部を支持できる構成であれば、サッシ枠下部の全部を水受け部材内に収納する必要はなく、下部の一部を収納できる形態であればよい。またサッシ枠と水受け部材の固定方法等も本例に限定されるものではない。
さらに、本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。また、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
【0015】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、建設時にサッシ窓、サッシドア、サッシ引き戸等のサッシ枠の下部に、サッシ枠とは別に成形した水受け部材を予め取り付けておき、その水受け部材にサッシ枠下部を収納できるようにしたため、サッシの縦枠等を伝わって来る雨水を水受け部材で受けて確実に排水することができ、サッシ枠下部の水切りを完全なものとすることができる。また長期間の使用によりコーキング材が劣化、あるいはサッシのネジ締め付け不良、締め付け不足等による漏水があったとしても、水受け部材で確実に漏水を受けることにより、室内への漏水を完全に防止することができる、優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水受け部材を窓開口部に取り付けた状態の正面図である。
【図2】本発明の水受け部材の斜視図である。
【図3】建物開口部、水受け部材、サッシ枠の組み立て分解図である。
【図4】水受け部材とサッシ枠との取り付けた状態に於ける平面図および正面図である。
【図5】図4中のA−A断面矢視図である。
【図6】他の実施形態に係る水受け部材とサッシ枠との取り付けた状態に於ける平面図および正面図である。
【図7】図6中のB−B断面矢視図である。
【図8】他の実施形態に係る水受け部材とサッシ枠との取り付けた状態に於ける平面図である。
【図9】従来のサッシ枠取り付け状態の正面図である。
【図10】従来のサッシ枠取り付け状態の下部断面図である。
【符号の説明】
1 サッシ枠
2 引き戸
3 水受け部材
4 ポケット
5 フランジ
6 立壁
7 立壁
8 外壁側端面
9 溶接
10 結合部材
11 凹部
12 柱
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物躯体の窓や扉等の開口部に取付けたサッシ枠下部の水切り構造に関するものであり、特に、建設時にサッシ窓、サッシドア、サッシ引き戸等を取り付ける前に、開口部下部にサッシとは別に成形した水受け部材を予め取り付けておき、その水受け部材に後付けのサッシ枠下部またはその一部を収納し、サッシ枠の縦枠等を伝わって来る雨水を水受け部材で受けて排水することにより、サッシ枠下部の水切りを完全なものとするとともに、室内への漏水を完全に防止するようにしたサッシ枠下部水切り構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物躯体の窓開口部にサッシ窓を取付けた場合に、そのサッシ窓に沿って流れ落ちた雨水等が建物外壁に流れ落ち、建物外壁が汚れることがある。このために、サッシ窓の下部に水切り部材を取付け、その水切り部材を建物外壁よりも室外側に突出させることで、サッシ窓に沿って流れ落ちた雨水等が建物外壁に流れ落ちないようにしている。
【0003】
この概略構造を図9、図10を参照して説明すると、この例では、図に示すように建物躯体101の窓開口部102にサッシ窓103を取付け、このサッシ窓103の下枠104の下部に水切り部材105を取付け、その水切り部材105を建物外壁106よりも室外側に突出して配置している。この構造において、水切り部材105の長手方向に沿って雨水等が流れた場合、水切り部材105の長手方向両端部から流れ落ちた雨水等は建物外壁106に沿って流れてしまう。このため、この例では水切り部材105の長手方向両端部から雨水等が流れ落ちないように、図9に示すようにサッシ窓103の縦枠107と建物外壁106の縦端面106aとの間にコーキング材108を充填している。このコーキング材108は図10に示すように水切り部材5まで連続して取り付けてある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、下枠104は建物躯体101の室外面101aよりも突出していると共に、その突出部分104aと水切り部材105との間に形成される空間109の上下寸法が小さく、しかも空間109の奥行きが大きい(特に建物外壁が厚壁の場合には奥行きが大きい)ので、前述のコーキング材108を水切り部材105まで連続して下枠104の突出部分104aと水切り部材105の長手方向両端部との間に充填しシールする作業が大変やりづらいという問題がある。さらに、長期間に渡っての使用によるコーキング材108の劣化が原因となる漏水等が発生する。
【0005】
また、上記とは別に、従来の半田付けアルミサッシの窓枠の場合、縦枠および下枠の取り付け部のネジ締めつけ不良等があると、この部分からの雨水の漏水が発生する。またサッシ枠に工場等で予め塗布されているコーキング材(シーリング材)の永年使用による劣化、窓枠取り付け時の運搬によるネジ締め付け部分の損傷、およびアルミサッシへの雨水の吹きつけによる排水不足等が原因となるサッシ縦枠、下枠接合部分の漏水がある。こうした漏水は、室内への雨漏りの原因となる上に建物躯体部分をも損傷することになり、確実な対策が望まれている。しかし、現状ではサッシの縦枠、下枠の締めつけ部はコーキング材のみで対応しているだけであり、コーキング材の劣化に対する対策はなにもなされていない。
【0006】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにしたサッシ枠下部の水切り構造を提供することを目的とする。本発明は、建設時にサッシ窓、サッシドア、サッシ引き戸等のサッシ枠の下部に、サッシ枠とは別に成形した水受け部材を予め取り付けておき、その水受け部材にサッシ枠下部を収納できるようにし、サッシの縦枠等を伝わって来る雨水を水受け部材で受けて排水することで、サッシ枠下部の水切りを完全なものとする。またコーキング材の劣化、あるいはサッシのネジ締め付け不良、締め付け不足等による漏水があったとしても、水受け部材で確実に漏水を受けることにより、室内への漏水を完全に防止することができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため本発明が採用した課題解決手段は、
建物のサッシ枠を取り付ける開口部の下辺に、サッシ取り付け前にサッシとは別に構成されサッシ枠下部を収納することができる水受け部材を取り付け、この水受け部材に、後付けのサッシ枠下部を収納することにより、サッシ枠下部から流下する雨水、サッシ縦枠とサッシ下枠の接合不良による雨水の侵入を水受け部材で受け、建物外部に流下させるべく構成したことを特徴とするサッシ枠下部水切り構造である。
また、前記水受け部材は、受けた雨水が流下し易いように、建物への取り付け状態で、外側に向かって下方に傾斜している底部を備えていることを特徴とするサッシ枠下部水切り構造である。
また、前記水受け部材は、その両端にサッシの縦枠部を収納できるポケットを備えるとともに、水受け部材の軸線方向にサッシ枠下部のフランジを固定する立壁を有することを特徴とするサッシ枠下部水切り構造である。
また、前記水受け部材は、、プラスチック、アルミ等の材料を使用し型成形して構成したことを特徴とするサッシ枠下部水切り構造である。
【0008】
【実施の形態】
以下、本発明にかかるサッシ枠下部水切り構造の実施の形態を図面を参照して説明すると、図1は本発明の水受け部材を窓開口部に取り付けた状態の正面図、図2は本発明の水受け部材の斜視図、図3は建物開口部、水受け部材、サッシ枠の組み立て分解図、図4は水受け部材とサッシ枠との取り付けた状態に於ける平面図および正面図、図5は図4中のA−A断面矢視図である。
尚、以下に説明する実施の形態でのサッシ枠はサッシ窓を対象としているが、ドアや引き戸等のサッシ枠にも適用できることは当然である。
【0009】
図1において、1はサッシ枠、2はサッシ枠に取り付ける引き戸、3はサッシ枠の下部に取り付ける水受け部材であり、水受け部材3はサッシ枠1を建物開口部に組付ける前に予め建物の開口部に取り付けておくものである。
水受け部材3は図2に示すように、開口部の下辺の長さに対応した長さを有しており、この水受け部材3の両端には、サッシ枠の縦枠を収納、支持できるようにポケット4が形成されている。ポケット4はサッシ枠の縦枠の外側に形成されるフランジ5(図3参照)をも収納できる大きさとして形成しておく。また、ポケットを4形成する立壁6は図示のように左右ポケットを連結する部分の立壁7とも連続して形成されており、さらに左右ポケットからは水受け部材を建物開口部に取り付けた状態の後、建物外壁との隙間が生じないように立壁6が外壁側に向けて略円形からなる曲壁面6aとして形成してある。また水受け部材3の底部は外壁側端面8が取り付け状態において前方に向けて下方に傾斜して形成され、水が下方流下し易い形状となっている。前記水受け部材3はポケット4と直線部とを別々に成形し、これらを溶接9することで一体物として成形しているが、水受け部材3は樹脂、アルミ材等により一体で成形することも可能であり、また板金等により折り曲げ、溶接ネジ止め等によって成形することも可能である。
【0010】
上記構成からなる、水受け部材3を建物の開口部に取り付ける状態を説明すると、図3において(ハ)は建物開口部の斜視図である。この開口部には水受け部材の前記立壁7と結合される結合部材10が設けられ、また開口部の柱12の下方には、水受け部材3のポケット4の一部を収納できる凹部11が形成されている。ただし、この凹部11は建物開口部の寸法によっては不要となることがある。結合部材10は木材などの適宜材料を利用して水受け部材3の立壁7の長さおよび高さに合わせて作り、窓開口部の下辺に水受け部材3の取り付け状態に合わせて予めクギ、接着材等を利用して固定する。本例の場合には図3(ハ)に示すように所定の寸法からなる断面四角形をした材木をクギによって開口部下部に取り付けてある。このように作られた建物の開口部に図3(ロ)に示す水受け部材3を取り付け固定する。この取り付け状態では、水受け部材3のポケット4が前記凹部11に嵌合し、また水受け部材3の立壁7が結合部材10の面10aに当接することになる。なおポケットと建物開口部との組み付け状態は上記したものに限定することなく、種々の形態を採用することができる。
【0011】
このように水受け部材3を取り付けた状態で、建物開口部にサッシ枠1を組み付け、この時サッシ枠1を水受け部材3内に嵌め込む。この状態では、サッシ枠の縦枠1aと下枠1bとの結合部がポケット4に嵌合し、またサッシ枠1の下枠1bの下方に突出しているフランジ1cが水受け部材3の立壁7に外側から当接する。このように組付けた状態でネジ等を利用してサッシ枠1と水受け部材3および結合部材10を一体に固定する。
【0012】
以上の構成からなるサッシ枠下部水切り構造では、図4、図5に示すようにサッシ枠1の縦枠、下枠の結合部が水受け部材3内に収納されるとともにサッシ枠1の下枠の下方に突出したフランジ1cが水受け部材3の立壁7の外側(建物外壁側)に当接固定されるため、サッシ枠1を伝わって下方に流下する水滴は全て水受け部材3で受けとめられ、水受け部材3を介して建物外壁側に排出されることになる。この結果、建物への漏水を完全に防止することができ、またサッシ枠1のネジの緩み、組付け不良、コーキング材の劣化が発生しても、サッシ枠を伝わって下方に流れる水は全ては水受け部材3で受け止められ排水されることになる。また、漏水が無くなり建物開口部の耐久性が飛躍的に向上する。なお、図5中、13は、水受け部材3と建物開口部との間にいれたコーキング材である。
【0013】
次に図6〜図8を参照して、水受け部材としての他の実施形態を説明しておく。なお、図4と同じ部材には同じ符号を使用している。
図6、図7の水受け部材3Aは、図4に示す水受け部材3の左右ポケット4を形成する立壁6をそれぞれ延長し連続したものとして形成し、またサッシ枠1の下枠1bの下方に突出しているフランジ1cを固定する立壁7は水受け部材の中央部に独立して形成した例である。この水受け部材3Aの場合には、上述した開口部に設ける結合部材が不要になるが、水受け部材を接着材等を利用して開口部に固定する必要がある。
また、図8の水受け部材3Bは、ポケットの形状を単純化したものであり、サッシ枠の下部をそのまま収納できるようにしたものである。
【0014】
以上、本実施形態の一例を説明したが、水受け部材としては図示した形状のものに限定されることなく、サッシ枠の下部を収納でき、また建物開口部に納まりよく取り付ける形状をし、本例と同様の機能を達成できるものであれば、種々の形態のものを採用することができる。例えば、ポケットの形状、立壁7の高さや長さ等は適宜変更することができる。また収納という語句は,サッシ枠の下方に流下する水滴を水受け部材に確実に受けることができるようにサッシ枠下部を支持できる構成であれば、サッシ枠下部の全部を水受け部材内に収納する必要はなく、下部の一部を収納できる形態であればよい。またサッシ枠と水受け部材の固定方法等も本例に限定されるものではない。
さらに、本発明はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。また、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。
【0015】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、建設時にサッシ窓、サッシドア、サッシ引き戸等のサッシ枠の下部に、サッシ枠とは別に成形した水受け部材を予め取り付けておき、その水受け部材にサッシ枠下部を収納できるようにしたため、サッシの縦枠等を伝わって来る雨水を水受け部材で受けて確実に排水することができ、サッシ枠下部の水切りを完全なものとすることができる。また長期間の使用によりコーキング材が劣化、あるいはサッシのネジ締め付け不良、締め付け不足等による漏水があったとしても、水受け部材で確実に漏水を受けることにより、室内への漏水を完全に防止することができる、優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水受け部材を窓開口部に取り付けた状態の正面図である。
【図2】本発明の水受け部材の斜視図である。
【図3】建物開口部、水受け部材、サッシ枠の組み立て分解図である。
【図4】水受け部材とサッシ枠との取り付けた状態に於ける平面図および正面図である。
【図5】図4中のA−A断面矢視図である。
【図6】他の実施形態に係る水受け部材とサッシ枠との取り付けた状態に於ける平面図および正面図である。
【図7】図6中のB−B断面矢視図である。
【図8】他の実施形態に係る水受け部材とサッシ枠との取り付けた状態に於ける平面図である。
【図9】従来のサッシ枠取り付け状態の正面図である。
【図10】従来のサッシ枠取り付け状態の下部断面図である。
【符号の説明】
1 サッシ枠
2 引き戸
3 水受け部材
4 ポケット
5 フランジ
6 立壁
7 立壁
8 外壁側端面
9 溶接
10 結合部材
11 凹部
12 柱
Claims (4)
- 建物のサッシ枠を取り付ける開口部の下辺に、サッシ取り付け前にサッシとは別に構成されサッシ枠下部を収納することができる水受け部材を取り付け、この水受け部材に、後付けのサッシ枠下部を収納することにより、サッシ枠下部から流下する雨水、サッシ縦枠とサッシ下枠の接合不良による雨水の侵入を水受け部材で受け、建物外部に流下させるべく構成したことを特徴とするサッシ枠下部水切り構造。
- 前記水受け部材は、受けた雨水が流下し易いように、建物への取り付け状態で、外側に向かって下方に傾斜している底部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のサッシ枠下部水切り構造。
- 前記水受け部材は、その両端にサッシの縦枠部を収納できるポケットを備えるとともに、水受け部材の軸線方向にサッシ枠下部のフランジを固定する立壁を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサッシ枠下部水切り構造。
- 前記水受け部材は、プラスチック、アルミ等の材料を使用し型成形して構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のサッシ枠下部水切り構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002168031A JP2004011319A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | サッシ枠下部水切り構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002168031A JP2004011319A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | サッシ枠下部水切り構造 |
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JP2004011319A true JP2004011319A (ja) | 2004-01-15 |
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ID=30435050
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JP2002168031A Withdrawn JP2004011319A (ja) | 2002-06-10 | 2002-06-10 | サッシ枠下部水切り構造 |
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JP (1) | JP2004011319A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102392588A (zh) * | 2011-09-20 | 2012-03-28 | 谢利荣 | 一种防盗窗雨水接漏装置 |
CN104806137A (zh) * | 2015-03-31 | 2015-07-29 | 成都聚智工业设计有限公司 | 疏导结构 |
-
2002
- 2002-06-10 JP JP2002168031A patent/JP2004011319A/ja not_active Withdrawn
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CN104806137A (zh) * | 2015-03-31 | 2015-07-29 | 成都聚智工业设计有限公司 | 疏导结构 |
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