JP2004010938A - 着色防錆被膜形成処理剤と形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有害な六価クロムを使用せず、従来の反応型クロメートと同様の処理方法で亜鉛表面に種々の色調の不溶性の強固な被膜を生成することを可能にすることを課題とする。
【解決手段】(A)三価のクロムイオン、(B)塩素、フッ素、硫酸イオン、硝酸イオンからなる群のうちの1種以上、及び(C)リンの酸素酸、酸素酸塩、無水物、リン化合物からなる群の1種以上を含有する液体組成物により防錆被膜を形成することを特徴とする金属の着色防錆被膜形成方法で、更にSi、Al、有機酸からなる群のうち少なくとも1種以上を含んでも良く、更に安定剤、顔料、染料、インク、カーボンからなる群のうち少なくとも1種以上を含んでも良い。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)三価のクロムイオン、(B)塩素、フッ素、硫酸イオン、硝酸イオンからなる群のうちの1種以上、及び(C)リンの酸素酸、酸素酸塩、無水物、リン化合物からなる群の1種以上を含有する液体組成物により防錆被膜を形成することを特徴とする金属の着色防錆被膜形成方法で、更にSi、Al、有機酸からなる群のうち少なくとも1種以上を含んでも良く、更に安定剤、顔料、染料、インク、カーボンからなる群のうち少なくとも1種以上を含んでも良い。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は種々の金属の保護を目的としたものであり、種々の金属の内、亜鉛合金並びにこれらのめっきを施した金属材料に関するものである。特に亜鉛合金めっきを施した鉄部品の着色に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に鉄系材料・部品の防錆方法として亜鉛あるいは亜鉛系合金めっき(以下亜鉛めっきと称す)は最も広く一般的に利用されている。しかし、亜鉛めっきされた鉄系材料・部品は、そのまま使用すると亜鉛の錆である白錆がすぐに発生してしまうため、通常は更に保護被膜を形成させることが一般的である。亜鉛めっきに通常施される保護被膜としてクロメート被膜処理は一般的であり、クロメート被膜処理は更に電解クロメート処理、塗布型クロメート処理、反応型クロメート処理の3種類に分類される。又、その外観の色調から白色〜青色系の光沢クロメート、黄色が主体の有色クロメート、緑色クロメート、オリーブドラップ、黒色クロメートに分類することが出来る。クロメート処理は亜鉛に限らずアルミニウムやカドミニウム、マグネシウム等にも施される。
【0003】
クロメート被膜は安価で容易に実用的な耐食性を得られるため広く利用されているが、クロメート処理はいずれも有害な六価クロムを使用するため処理液のみならず、処理品から溶出する六価クロムが人体や環境へ悪影響があるとして近年、大きな問題となっている。これは、クロメート被膜が被膜中の六価クロムにより、耐食性を発揮する被膜である以上、如何ともしがたい問題である。
【0004】
六価クロムの公害上の問題解決のためこれまで種々の発明が出願されており、例えば、特開昭52−92836、特開昭50−1934、特開昭61−587、特開2000−234177、特開昭61−119677等がある。これらの発明は六価クロムを使用していない点で注目できるが、その外観色調は銀白色〜青色であり、従来のように多種の色調を得ることが出来ない。
【0005】
具体的には、特開昭52−92836はTiとリン酸、フイチン酸、タンニン酸又は過酸化水素からなる群より選択される1種又は2種以上からなる水溶液で亜鉛又は亜鉛合金を処理することを特徴としている。処理後の外観はほとんど無色に近く、耐食性も非常に低い。鋼板上の処理であり複雑で高温且つ長時間の処理の上、塗装を焼き付けても塩水噴霧での耐食性は240時間程度しかない。特開昭50−1934は鉱酸と三価クロムイオンを生成する化合物とカルボン酸と必要により還元剤からなる亜鉛又は亜鉛合金の無色光沢クロメート組成物について記載されている。記載されているようにこの組成物により得られる被膜は光沢クロメート外観である。塩水噴霧における耐食性は、白錆発生まで48時間以下という非常に低い性能であり、又、液の安定性に乏しい組成物である。特開昭61−587に三価のクロムイオンとケイ酸塩、フッ化物及び酸を含有する組成物が記載されているが、この組成物によって得られる被膜も又均一な光沢クロメートのような外観であり、耐食性は白錆発生まで24時間以下という低い性能である。特開2000−234177は三価クロム化合物とチタン化合物、コバルト化合物、タングステン化合物およびケイ素化合物からなる亜鉛又は亜鉛合金用の化成処理液について記載されている。この処理液により比較的耐食性を有する化成被膜が得られることになっているが、工業的に実用化するにはばらつきが大きい、処理条件が比較的高温で長時間、乾燥温度も従来に比べ高温で長時間であることの他に、記載の処理液の安定性が悪く数日で沈殿が生じてしまう問題を抱えている。得られる被膜は、他と同様に光沢クロメートのような外観である。特開昭61−119677に三価クロムと鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、マンガン、アルミニウム、ランタン、セリウム、ランタニド、これらの混合物、硝酸を含有する酸性組成物が記載されている。更に有機カルボン酸、ケイ酸塩を含有する組成物が記載されている。この組成物により、亜鉛又は亜鉛合金上に均一な光沢クロメートのような外観を得ることは出来るが、塩水噴霧における耐食性は、十分ではなく白錆発生まで約72時間であった。又、特に有機酸を用いた組成物は液の安定性に乏しく、処理外観や液のpHが数日〜数週間で変化する問題を抱えていた。特表2000−509434には三価クロムを含む緑色がかった多色の光沢を呈する被膜が記載されている。しかし、得られる被膜は実用上、明らかに緑色であるとして、他の外観と明確な区別をすることは困難であった。具体的には、従来の緑色クロメートは下地の亜鉛めっきの金属光沢が全く見えない被膜(正確には不明であるが、被膜自体が有る程度の緑色を呈しているように見える被膜、あるいは緑色に濁った被膜)であったのに比べ、出願の被膜は透明で且つ無色で有ると共に緑がかった多色の光沢を呈する被膜である。イメージするならば得られる被膜は亜鉛の表面に付着するシャボン玉の被膜のようなものが考えられ、事実得られる被膜は従来の緑色クロメートとは明らかに異なり寧ろ光沢クロメートに近い色調である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来技術は単一外観(光沢クロメートのような弱い干渉色、無彩色系外観)、安定性の不足、耐食性の不足、という問題を抱えていた。特に単一外観であるという問題は、デザイン的な問題の他、類似形状部品の使い分けが出来ない等工業的に大きな問題である。
【0007】
本発明の目的は、金属、特に亜鉛又は亜鉛合金表面に保護被膜を形成させるにあたり、有害な六価クロムを使用せず、均一で良好な外観と耐食性を兼ね備えた被膜を安定して生成させることにある。特に、これまで発明されてきた代替え技術では有効な方法が示されてこなかった意匠性、外観の問題を解消する被膜を容易に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従来技術における問題を解決するため、本発明者らが鋭意研究した結果、(A)三価のクロムイオンと、(B)塩素、フッ素、硫酸イオン、硝酸イオンからなる群のうちの1種以上と、(C)リンの酸素酸、酸素酸塩、無水物、リン化合物からなる群の1種以上とを含有する液体組成物により亜鉛合金上にこれまでに得られなかった種々の色調の被膜を得ることを見出した。
好ましくは、更にMo、W、Ti、Zr、Mn、Tc、Fe、Ru、Co、アルカリ土類金属、Ni、Pd、Pt、Sc、Y、V、Nb、Ta、Cu、Ag、Auからなる群のうち少なくとも1種以上を含む前記液体組成物で被膜形成を行うことができる。
好ましくは更にSi、Al、有機酸からなる群のうち少なくとも1種又は2種を含む前記液体組成物に添加して被膜形成を行うことができる。
好ましくは更に顔料、染料、インク、カーボン、安定剤からなる群のうち少なくとも1種以上を含む前記液体組成物で被膜形成を行うことができる。
又上記のいずれかの液体組成物で金属に被膜を形成した後、更にSi、樹脂、ワックス、インク、顔料、染料、カーボンからなる群のうち少なくとも1種以上を含有する液体組成物にて処理することができる。
本発明で処理できる金属には、亜鉛合金が鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、錫からなる群の1種以上と亜鉛を主体とした亜鉛合金めっきがある。
【0009】
本発明は又、上記いずれかの液体組成物よりなる着色被膜形成剤を提供する。更に、上記の上記いずれかの液体組成物は、Si、樹脂、ワックス、インク、顔料、染料、カーボンからなる群のうち少なくとも1種以上よりなる液体組成物と組み合わせたキットとして提供でき、前者により保護被膜を形成した後、後者の液体組成物で更に処理する方法に使用できる。
このようにして、本発明の液体組成物により保護被膜を形成させることにより、耐食性の向上、摩擦係数の制御や更に深みのある色調を得る等が図れることを見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】
より具体的には、0.001〜200g/l好ましくは0.1〜50g/lの三価のクロムイオンと、0.001〜200g/l好ましくは0.01〜100g/lの塩素、フッ素、硫酸イオン、硝酸イオンの1種以上と、0.0001〜300g/l好ましくは0.001〜150g/lのリンの酸素酸、酸素酸塩、無水物、リン化合物からなる群の1種以上とを含有する液体組成物と亜鉛合金を組み合わせて処理することにより濃黄色、褐色や黒色等の従来得られなかった着色被膜が形成することを見出した。
【0011】
更に0.001〜200g/l好ましくは0.01〜50g/lのMo、W、Ti、Zr、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、アルカリ土類金属、Ni、Pd、Pt、Sc、Y、V、Nb、Ta、Cu、Ag、Auの1種以上や0.001〜300g/l好ましくは0.01〜100g/lのSi、Al、有機酸、顔料、染料、インク、カーボンの1種以上を含有する液体組成物により防錆被膜を形成する方法、あるいは更にSi、樹脂、ワックス、顔料、染料、インク、カーボンの1種以上を含有する液体組成物により保護被膜を形成することにより従来技術の課題を解消できることが判明した。
【0012】
いずれの成分ともこれらの範囲より少ないと効果が乏しくなる。反対に過剰であると効果が頭打ちになり、経済的な損失が大きいだけでなく、場合によっては過剰な被膜生成は外観(例えば均一性や艶等)の低下や耐食性の低下を招くため好ましくない。
【0013】
Mo、W、Ti、Zr、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、アルカリ土類金属、Ni、Pd、Pt、Sc、Y、V、Nb、Ta、Cu、Ag、Auからなる群の添加は、外観の向上や耐食性の向上に寄与するが、これらを更にグループ分けし複数の金属を添加することはより効果的である。特に(A)三価クロムと(B)Mo、W、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、アルカリ土類からなる群と(C)Ni、Pd、Pt、V、Ag、Auからなる群と(D)塩素、硫酸イオン、硝酸イオンからなる群と(E)リンの酸素酸、酸素酸塩、無水物、リン化合物からなる群からなる組み合わせは更に耐食性が良く、外観に優れた被膜を得ることが出来る。
【0014】
更に又、これらの組み合わせにSi、Al、有機酸からなる群を更に組み合わせると一段と高い耐食性を示す傾向にある。
【0015】
いずれの金属の供給方法に特に指定はなく、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等無機系の塩の他に有機酸塩やオキソ酸、オキソ酸塩等で供給すれば、他の必要成分、例えば酸イオン等も供給できるため都合がよく、特に硫酸化合物や硝酸化合物は耐食性が良い。SiやAlはこれら以外に酸化物あるいはコロイド状の酸化物で供給することが出来る。又この液体組成物中に安定剤を添加することは、耐食性や意匠性の安定のために有効である。安定剤としては、0.1〜100g/l好ましくは0.5〜50g/lの界面活性剤、過酸化水素、複素環式化合物、尿素類、脂肪族アミン、酸アミド、アミノカルボン酸、アンモニウム塩、脂肪族スルホン酸、芳香族アルデヒドが有効である。特に、複素環式化合物、尿素類、脂肪族アミン、酸アミド、アミノカルボン酸、アンモニウム塩等の含窒素化合物、含窒素界面活性剤が好ましい。
【0016】
前述の組成物による処理後に用いる組成物のSi、Alの含有量としては0.01〜500g/l好ましくは1〜300g/lが適当であり、不足の場合は効果が得られなくなり、過剰の場合は白色の外観不良を生ずることがある。いずれの組成物においてもケイ素化合物としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、あるいは粒径100nm以下、より好ましくは50nm以下のコロイダルシリカが好ましい。アルミニウム化合物としては、硫酸アルミ、塩化アルミ、アルミナゾル、ステアリン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム等が好ましい。
【0017】
樹脂としては特に規定はないが、中でもテフロン樹脂やエポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アクリルシリカ樹脂、アクリルテフロン樹脂が好ましい。耐食性や外観(艶、液たまり、ムラ)等により適当な濃度を選択する必要があり、1〜800g/l好ましくは10〜500g/lが高い耐食性を得やすい。
【0018】
有機酸としては琥珀酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、アクリル酸、蟻酸、酢酸、酒石酸、クエン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、イノシン酸、乳酸等のカルボン酸類等が考えられる。含有量としては0.1〜500g/l好ましくは1〜200g/lが適当である。不足の場合は効果が得られなくなり、過剰の場合は効果が頭打ちになり経済的損失が増加すると共に外観不良を生ずることがある。
【0019】
ワックスとしては種々のワックスが有るが、石油系ワックス、ポリウレタン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリアクリル酸エステルが好ましい。求められる特性(摩擦係数等)により一概には特定できないが、一般的に0.01〜200g/lの範囲で有れば、他の特性にほとんど影響せずに使用できる。
【0020】
又、液体組成物による防錆被膜作製の好ましい処理条件としては、処理時間5〜90秒、処理温度10〜80℃、pH1.1〜5.5、より好ましくは処理時間10〜60秒、処理温度25〜40℃、pH1.5〜4である。Siや樹脂等を含む保護被膜の好ましい処理条件としては、処理時間1〜60秒、処理温度5〜80℃、pH2〜14、より好ましくは処理時間10〜40秒、処理温度15〜60℃、pH3〜6または8〜13であり、特に樹脂によっては処理温度10〜30℃である。処理方法としては浸漬による化成が最も優れる。電解により被膜化成する場合0.01〜20A/dm2、0.01〜5分の条件で被膜生成可能であるが、1A/dm2以上の電解や2分以上の電解は色が不均一になったり、場合によっては発色しない可能性があるので、電解を行う場合は1A/dm2未満の電解又は2分未満にすることを推奨する。被膜の形成方法としては、これらの条件により処理した後、濯ぎを一回又は数回行うか、全く行わず乾燥する。Siや樹脂等を含む保護被膜を形成する場合はこれらの処理を行った後、乾燥後或いは乾燥せずにSiや樹脂等を含む保護被膜を形成させることが出来る。
【0021】
これらの組み合わせにより得られた保護被膜は、従来得られなかった均一性のある種々の色調が得られるようになり、意匠性も向上しただけでなく、有色クロメートと同等かそれ以上の耐食性も得ることができる。又、樹脂やワックスを含む組成物で処理することにより摩擦係数を制御する等新たな機能性も付与できる。
【0022】
この方法は、40〜80℃の高温や45〜90秒の比較的長時間処理を行うことも出来るが、用途によっては従来の反応型クロメートの処理設備をそのまま使用できる経済的メリットもこの方法の特徴でもある。被膜生成する処理条件は従来のクロメート処理を行う条件(液温20〜35℃、処理時間20〜40秒、かく拌有り)で処理可能であり、ケイ素や樹脂、ワックスを含む組成物による保護被膜作製のための処理条件も液温20〜50℃で20〜40秒間浸漬するだけで良く、一連の処理は非常に容易である。
【0023】
【作用】
本発明に規定する酸性水溶液を用いることにより、有害な六価クロムを使用せず、従来の反応型クロメートと同一処理設備、処理条件、処理方法で亜鉛表面に種々の色調の不溶性の強固な被膜を生成することが可能である。これにより処理物からの六価クロム溶出を心配する一般ユーザーのみならず、従来クロム酸の有害性にさらされていたクロメート製造者やクロメート処理業者の健康面での影響や野生動物への影響に関する問題を解決することが可能となる。
【0024】
本発明は記載された3つのグループから選択された三価クロム含有組成物を亜鉛合金に施すことにより、単に六価クロムの公害問題を解決するだけでなく、更に従来の代替え技術では得難かった種々の色調を得ることが出来、意匠性を向上することが出来る。すなわち従来、特開昭52−92836、特開昭50−1934、特開昭61−587、特開2000−234177、特開昭61−119677等の六価クロムを用いない防錆被膜が提案されてきた。しかしこれらの被膜の多くは従来の光沢クロメートのような薄い干渉色を呈する銀色系無彩色に近い外観であり、意匠性に乏しいものであった。又、従来のクロメート被膜で言われる自己修復能力がないか非常に弱いため、被膜が損傷を受けると塩水噴霧試験における耐食性は24〜72時間程度を示し実用的でなかった。又、ボルト等の処理のように適度の重量のものが大量に落下したり、ぶつかり合って処理され(処理中の共ズレ)、対象が種々雑多なもので、多くの傷が付く実際の生産ラインでは、良好な性能が発揮されなかった。更に、処理液の安定性を欠く組成物場合もあった。本発明で、これらを解消することが出来たのは、これら従来技術が本発明で示す3つのグループと亜鉛合金の組み合わせをすべて満たさず、一部を欠いたものであったためと考えられる。本発明は記載された3つのグループと亜鉛合金の組み合わせにより濃黄色、褐色や黒色等種々の外観を得られ意匠性を向上したうえ、更に、染料、顔料、樹脂やワックス等含む組成物により、更なる意匠性の向上や摩擦係数を制御することを可能にした。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。試験は脱脂、酸洗、脱スマット、活性化等の適当な前処理を行った後、亜鉛−鉄合金めっき(Zn/Fe)を約8〜9μm施した試験片を用いて行った。以下の実施例において処理液は全て水溶液であり処理液の成分濃度は水1リットル当たりに含有される成分の量で表してある。評価はJIS Z 2371に従う塩水噴霧試験を行った。白錆が5%発生した時間示す。特に記載のないものは1週間の放置後に、液外観、pH、処理外観に変化を認めなかった。
【0026】
実施例1
試験片を塩化クロム6g/l、リン酸10g/l、67.5%硝酸1g/l、pH2.1の処理液に浸漬し30℃、30秒の条件で処理した。均一、褐色の外観を得た。
【0027】
実施例2
試験片を硫酸クロム3g/l、リン酸10g/l、硝酸ナトリウム6g/l、燐酸3ナトリウム5g/l、pH1.8の処理液に浸漬し30℃、60秒の条件で処理した。黒色外観を得た。
【0028】
実施例3
試験片を硝酸クロム5g/l、塩化コバルト1.5g/l、リン酸0.05g/l、塩化カルシウム1g/l、pH1.8の処理液に浸漬し35℃、60秒の条件で処理した。淡褐色外観を得た。
【0029】
実施例4
試験片を硝酸クロム5g/l、硫酸チタン1g/l、硝酸銀0.2g/l、リン酸0.1g/l、コロイダルシリカ35g/l、pH2.6の処理液に浸漬し25℃、60秒の条件で処理した。黒色外観を得た。
【0030】
実施例5
試験片を硝酸クロム10g/l、硝酸コバルト2.5g/l、硫酸マグネシウム1g/l、リン酸0.5g/l、コロイダルシリカ25g/l、酒石酸15g/l、pH1.8の処理液に浸漬し30℃、40秒の条件で処理した。濃褐色外観を得た。塩水噴霧試験の結果は144時間後であった。
【0031】
実施例6
試験片を塩化クロム7g/l、硝酸コバルト4.5g/l、硝酸銀0.01g/l、リン酸75g/l、コロイダルシリカ10g/l、クエン酸10g/l、イオネットMO−6000.5g/l、pH2.2の処理液に浸漬し25℃、20秒の条件で処理した。黒色外観を得た。
【0032】
実施例7
試験片を硝酸クロム10g/l、塩化コバルト2.5g/l、硝酸銀0.1g/l、バナジン酸アンモン5g/l、リン酸0.01g/l、コロイダルアルミ22g/l、トリエタノールアミン0.01g/l、pH2.0の処理液に浸漬し30℃、30秒の条件で処理した。褐色外観を得た。
【0033】
実施例8
試験片を塩化クロム10g/l、硝酸コバルト3g/l、バナジン酸アンモン5g/l、硝酸銀0.1g/l、硝酸ナトリウム7g/l、リン酸1g/l、コロイダルシリカ20g/l、尿素1g/l、pH2.4の処理液に浸漬し50℃、30秒の条件で処理した。黒色外観を得た。
【0034】
実施例9
試験片を硝酸クロム5g/l、モリブデン酸アンモン3g/l、硝酸コバルト7g/l、リン酸2g/l、硫酸マグネシウム5g/l、マロン酸10g/l、シュウ酸15g/l、コロイダルシリカ28g/l、pH2.2の処理液に浸漬し30℃、40秒の条件で処理した。濃褐色外観を得た。
【0035】
実施例10
塩化クロム10g/l、硝酸ナトリウム4g/l、リン酸0.05g/l、硫酸マンガン1g/l、バナジン酸ナトリウム3g/l、硝酸コバルト5g/l、コロイダルシリカ25g/l、pH2.3の処理液に浸漬し30℃、40秒の条件で処理した。濃褐色の外観を得た。塩水噴霧試験の結果は144時間であった。
【0036】
実施例11
実施例6の処理後、更にコロイダルシリカ22g/l、水酸化ナトリウム4g/lの処理液に浸漬し50℃、25秒処理を行った。外観は黒色であり、塩水噴霧の試験結果は168時間であった。
【0037】
実施例12
実施例7の処理後、更にコロイダルシリカ10g/l、水酸化ナトリウム3g/l、ハイシール270 950g/lの処理液に浸漬し20℃、20秒処理を行った。外観は褐色であり、塩水噴霧の試験結果は288時間であった。
【0038】
実施例13
実施例8の処理後、更にコロイダルシリカ20g/l、水酸化ナトリウム2g/l、アクリセット260 800g/l、カーボンブラック10g/lの処理液に浸漬し25℃、30秒処理を行った。外観は黒色であり、塩水噴霧の試験結果は240時間であった。
【0039】
実施例14
実施例9の処理後、更にコロイダルシリカ20g/l、ハイシール270 950g/l、ポリエチレンワックス20g/lの処理液に浸漬し25℃、20秒処理を行った。外観は濃褐色であり、塩水噴霧の試験結果は312時間であった。
【0040】
比較例1
試験片をH2TiF65g/l、フイチン酸0.5g/l、pH2.2の処理液に浸漬し40℃、30秒の条件で処理した。無色〜光沢クロメート外観を得た。塩水噴霧試験の結果は24時間以下であった。
【0041】
比較例2
試験片を硝酸クロム9水和物7g/l、62.5%硫酸3g/l、硫酸チタン3.5g/l、シリカゾル40g/l、pH2.0の処理液に浸漬し40℃、60秒の条件で処理した。極薄干渉色外観を得た。塩水噴霧試験の結果は144時間であった。翌日処理液に沈殿が発生していた。
【0042】
比較例3
試験片を塩化クロム3g/l、硫酸0.5g/l、硝酸9g/l、シュウ酸30g/l、pH1.9の処理液に浸漬し20℃、15秒の条件で処理した。光沢クロメートと同じ外観を得た。塩水噴霧試験の結果は72時間であった。翌日、処理液のpHが低下していた。処理外観も悪化していた。放置により更にpHが低下した。
【0043】
比較例4
試験片を塩化クロム20g/l、硝酸コバルト2g/l、硫酸10g/l、硝酸ソーダ75g/l、マロン酸35g/l、pH1.6の処理液に浸漬し20℃、15秒の条件で処理した。光沢クロメートと同じ外観を得た。塩水噴霧試験の結果は72時間であった。翌日、処理液のpHが低下していた。処理外観も悪化していた。
【0044】
比較例5
試験片をCrCl310g/l、NaSiO318g/l、NH4HF210g/l、HNO32g/l、H2SO42g/l、pH1.8の処理液に浸漬し25℃、15秒の条件で処理した。光沢クロメートと同じ外観を得た。塩水噴霧試験の結果は48時間であった。
【0045】
【発明の効果】
以上の結果から分かるように、本発明の保護被膜は様々な着色を有し又耐食性も高い。これに対して比較例の保護被膜は着色性が低くしかも短時間に悪化し、耐食性も低い。
本発明による酸性水溶液を用いることにより、有害な六価クロムを使用せず、従来の反応型クロメートと同様の処理方法で亜鉛表面に種々の色調の不溶性の強固な被膜を生成することが可能である。
本発明は記載された3つに分けられたグループから選択された三価クロム含有組成物により、単に六価クロムの公害問題を解決するだけでなく、更に従来の代替え技術では得難かった種々の色調を得ることが出来、意匠性を向上することが出来る。本発明の3つのグループ同士の組み合わせにより均一な黄色、濃い干渉色、黒色や褐色等種々の外観が得られ意匠性を向上したうえ、更に、染料、顔料、樹脂やワックス等含む組成物により、更なる意匠性の向上や摩擦係数を制御することを可能にした。
【発明の属する技術分野】
本発明は種々の金属の保護を目的としたものであり、種々の金属の内、亜鉛合金並びにこれらのめっきを施した金属材料に関するものである。特に亜鉛合金めっきを施した鉄部品の着色に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に鉄系材料・部品の防錆方法として亜鉛あるいは亜鉛系合金めっき(以下亜鉛めっきと称す)は最も広く一般的に利用されている。しかし、亜鉛めっきされた鉄系材料・部品は、そのまま使用すると亜鉛の錆である白錆がすぐに発生してしまうため、通常は更に保護被膜を形成させることが一般的である。亜鉛めっきに通常施される保護被膜としてクロメート被膜処理は一般的であり、クロメート被膜処理は更に電解クロメート処理、塗布型クロメート処理、反応型クロメート処理の3種類に分類される。又、その外観の色調から白色〜青色系の光沢クロメート、黄色が主体の有色クロメート、緑色クロメート、オリーブドラップ、黒色クロメートに分類することが出来る。クロメート処理は亜鉛に限らずアルミニウムやカドミニウム、マグネシウム等にも施される。
【0003】
クロメート被膜は安価で容易に実用的な耐食性を得られるため広く利用されているが、クロメート処理はいずれも有害な六価クロムを使用するため処理液のみならず、処理品から溶出する六価クロムが人体や環境へ悪影響があるとして近年、大きな問題となっている。これは、クロメート被膜が被膜中の六価クロムにより、耐食性を発揮する被膜である以上、如何ともしがたい問題である。
【0004】
六価クロムの公害上の問題解決のためこれまで種々の発明が出願されており、例えば、特開昭52−92836、特開昭50−1934、特開昭61−587、特開2000−234177、特開昭61−119677等がある。これらの発明は六価クロムを使用していない点で注目できるが、その外観色調は銀白色〜青色であり、従来のように多種の色調を得ることが出来ない。
【0005】
具体的には、特開昭52−92836はTiとリン酸、フイチン酸、タンニン酸又は過酸化水素からなる群より選択される1種又は2種以上からなる水溶液で亜鉛又は亜鉛合金を処理することを特徴としている。処理後の外観はほとんど無色に近く、耐食性も非常に低い。鋼板上の処理であり複雑で高温且つ長時間の処理の上、塗装を焼き付けても塩水噴霧での耐食性は240時間程度しかない。特開昭50−1934は鉱酸と三価クロムイオンを生成する化合物とカルボン酸と必要により還元剤からなる亜鉛又は亜鉛合金の無色光沢クロメート組成物について記載されている。記載されているようにこの組成物により得られる被膜は光沢クロメート外観である。塩水噴霧における耐食性は、白錆発生まで48時間以下という非常に低い性能であり、又、液の安定性に乏しい組成物である。特開昭61−587に三価のクロムイオンとケイ酸塩、フッ化物及び酸を含有する組成物が記載されているが、この組成物によって得られる被膜も又均一な光沢クロメートのような外観であり、耐食性は白錆発生まで24時間以下という低い性能である。特開2000−234177は三価クロム化合物とチタン化合物、コバルト化合物、タングステン化合物およびケイ素化合物からなる亜鉛又は亜鉛合金用の化成処理液について記載されている。この処理液により比較的耐食性を有する化成被膜が得られることになっているが、工業的に実用化するにはばらつきが大きい、処理条件が比較的高温で長時間、乾燥温度も従来に比べ高温で長時間であることの他に、記載の処理液の安定性が悪く数日で沈殿が生じてしまう問題を抱えている。得られる被膜は、他と同様に光沢クロメートのような外観である。特開昭61−119677に三価クロムと鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、マンガン、アルミニウム、ランタン、セリウム、ランタニド、これらの混合物、硝酸を含有する酸性組成物が記載されている。更に有機カルボン酸、ケイ酸塩を含有する組成物が記載されている。この組成物により、亜鉛又は亜鉛合金上に均一な光沢クロメートのような外観を得ることは出来るが、塩水噴霧における耐食性は、十分ではなく白錆発生まで約72時間であった。又、特に有機酸を用いた組成物は液の安定性に乏しく、処理外観や液のpHが数日〜数週間で変化する問題を抱えていた。特表2000−509434には三価クロムを含む緑色がかった多色の光沢を呈する被膜が記載されている。しかし、得られる被膜は実用上、明らかに緑色であるとして、他の外観と明確な区別をすることは困難であった。具体的には、従来の緑色クロメートは下地の亜鉛めっきの金属光沢が全く見えない被膜(正確には不明であるが、被膜自体が有る程度の緑色を呈しているように見える被膜、あるいは緑色に濁った被膜)であったのに比べ、出願の被膜は透明で且つ無色で有ると共に緑がかった多色の光沢を呈する被膜である。イメージするならば得られる被膜は亜鉛の表面に付着するシャボン玉の被膜のようなものが考えられ、事実得られる被膜は従来の緑色クロメートとは明らかに異なり寧ろ光沢クロメートに近い色調である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来技術は単一外観(光沢クロメートのような弱い干渉色、無彩色系外観)、安定性の不足、耐食性の不足、という問題を抱えていた。特に単一外観であるという問題は、デザイン的な問題の他、類似形状部品の使い分けが出来ない等工業的に大きな問題である。
【0007】
本発明の目的は、金属、特に亜鉛又は亜鉛合金表面に保護被膜を形成させるにあたり、有害な六価クロムを使用せず、均一で良好な外観と耐食性を兼ね備えた被膜を安定して生成させることにある。特に、これまで発明されてきた代替え技術では有効な方法が示されてこなかった意匠性、外観の問題を解消する被膜を容易に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従来技術における問題を解決するため、本発明者らが鋭意研究した結果、(A)三価のクロムイオンと、(B)塩素、フッ素、硫酸イオン、硝酸イオンからなる群のうちの1種以上と、(C)リンの酸素酸、酸素酸塩、無水物、リン化合物からなる群の1種以上とを含有する液体組成物により亜鉛合金上にこれまでに得られなかった種々の色調の被膜を得ることを見出した。
好ましくは、更にMo、W、Ti、Zr、Mn、Tc、Fe、Ru、Co、アルカリ土類金属、Ni、Pd、Pt、Sc、Y、V、Nb、Ta、Cu、Ag、Auからなる群のうち少なくとも1種以上を含む前記液体組成物で被膜形成を行うことができる。
好ましくは更にSi、Al、有機酸からなる群のうち少なくとも1種又は2種を含む前記液体組成物に添加して被膜形成を行うことができる。
好ましくは更に顔料、染料、インク、カーボン、安定剤からなる群のうち少なくとも1種以上を含む前記液体組成物で被膜形成を行うことができる。
又上記のいずれかの液体組成物で金属に被膜を形成した後、更にSi、樹脂、ワックス、インク、顔料、染料、カーボンからなる群のうち少なくとも1種以上を含有する液体組成物にて処理することができる。
本発明で処理できる金属には、亜鉛合金が鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、錫からなる群の1種以上と亜鉛を主体とした亜鉛合金めっきがある。
【0009】
本発明は又、上記いずれかの液体組成物よりなる着色被膜形成剤を提供する。更に、上記の上記いずれかの液体組成物は、Si、樹脂、ワックス、インク、顔料、染料、カーボンからなる群のうち少なくとも1種以上よりなる液体組成物と組み合わせたキットとして提供でき、前者により保護被膜を形成した後、後者の液体組成物で更に処理する方法に使用できる。
このようにして、本発明の液体組成物により保護被膜を形成させることにより、耐食性の向上、摩擦係数の制御や更に深みのある色調を得る等が図れることを見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】
より具体的には、0.001〜200g/l好ましくは0.1〜50g/lの三価のクロムイオンと、0.001〜200g/l好ましくは0.01〜100g/lの塩素、フッ素、硫酸イオン、硝酸イオンの1種以上と、0.0001〜300g/l好ましくは0.001〜150g/lのリンの酸素酸、酸素酸塩、無水物、リン化合物からなる群の1種以上とを含有する液体組成物と亜鉛合金を組み合わせて処理することにより濃黄色、褐色や黒色等の従来得られなかった着色被膜が形成することを見出した。
【0011】
更に0.001〜200g/l好ましくは0.01〜50g/lのMo、W、Ti、Zr、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、アルカリ土類金属、Ni、Pd、Pt、Sc、Y、V、Nb、Ta、Cu、Ag、Auの1種以上や0.001〜300g/l好ましくは0.01〜100g/lのSi、Al、有機酸、顔料、染料、インク、カーボンの1種以上を含有する液体組成物により防錆被膜を形成する方法、あるいは更にSi、樹脂、ワックス、顔料、染料、インク、カーボンの1種以上を含有する液体組成物により保護被膜を形成することにより従来技術の課題を解消できることが判明した。
【0012】
いずれの成分ともこれらの範囲より少ないと効果が乏しくなる。反対に過剰であると効果が頭打ちになり、経済的な損失が大きいだけでなく、場合によっては過剰な被膜生成は外観(例えば均一性や艶等)の低下や耐食性の低下を招くため好ましくない。
【0013】
Mo、W、Ti、Zr、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、アルカリ土類金属、Ni、Pd、Pt、Sc、Y、V、Nb、Ta、Cu、Ag、Auからなる群の添加は、外観の向上や耐食性の向上に寄与するが、これらを更にグループ分けし複数の金属を添加することはより効果的である。特に(A)三価クロムと(B)Mo、W、Ti、Zr、Mn、Fe、Co、アルカリ土類からなる群と(C)Ni、Pd、Pt、V、Ag、Auからなる群と(D)塩素、硫酸イオン、硝酸イオンからなる群と(E)リンの酸素酸、酸素酸塩、無水物、リン化合物からなる群からなる組み合わせは更に耐食性が良く、外観に優れた被膜を得ることが出来る。
【0014】
更に又、これらの組み合わせにSi、Al、有機酸からなる群を更に組み合わせると一段と高い耐食性を示す傾向にある。
【0015】
いずれの金属の供給方法に特に指定はなく、塩化物、硫酸塩、硝酸塩等無機系の塩の他に有機酸塩やオキソ酸、オキソ酸塩等で供給すれば、他の必要成分、例えば酸イオン等も供給できるため都合がよく、特に硫酸化合物や硝酸化合物は耐食性が良い。SiやAlはこれら以外に酸化物あるいはコロイド状の酸化物で供給することが出来る。又この液体組成物中に安定剤を添加することは、耐食性や意匠性の安定のために有効である。安定剤としては、0.1〜100g/l好ましくは0.5〜50g/lの界面活性剤、過酸化水素、複素環式化合物、尿素類、脂肪族アミン、酸アミド、アミノカルボン酸、アンモニウム塩、脂肪族スルホン酸、芳香族アルデヒドが有効である。特に、複素環式化合物、尿素類、脂肪族アミン、酸アミド、アミノカルボン酸、アンモニウム塩等の含窒素化合物、含窒素界面活性剤が好ましい。
【0016】
前述の組成物による処理後に用いる組成物のSi、Alの含有量としては0.01〜500g/l好ましくは1〜300g/lが適当であり、不足の場合は効果が得られなくなり、過剰の場合は白色の外観不良を生ずることがある。いずれの組成物においてもケイ素化合物としてはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム、あるいは粒径100nm以下、より好ましくは50nm以下のコロイダルシリカが好ましい。アルミニウム化合物としては、硫酸アルミ、塩化アルミ、アルミナゾル、ステアリン酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウム等が好ましい。
【0017】
樹脂としては特に規定はないが、中でもテフロン樹脂やエポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、アクリルシリカ樹脂、アクリルテフロン樹脂が好ましい。耐食性や外観(艶、液たまり、ムラ)等により適当な濃度を選択する必要があり、1〜800g/l好ましくは10〜500g/lが高い耐食性を得やすい。
【0018】
有機酸としては琥珀酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、アクリル酸、蟻酸、酢酸、酒石酸、クエン酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、イノシン酸、乳酸等のカルボン酸類等が考えられる。含有量としては0.1〜500g/l好ましくは1〜200g/lが適当である。不足の場合は効果が得られなくなり、過剰の場合は効果が頭打ちになり経済的損失が増加すると共に外観不良を生ずることがある。
【0019】
ワックスとしては種々のワックスが有るが、石油系ワックス、ポリウレタン系ワックス、ポリエチレン系ワックス、ポリプロピレン系ワックス、ポリアクリル酸エステルが好ましい。求められる特性(摩擦係数等)により一概には特定できないが、一般的に0.01〜200g/lの範囲で有れば、他の特性にほとんど影響せずに使用できる。
【0020】
又、液体組成物による防錆被膜作製の好ましい処理条件としては、処理時間5〜90秒、処理温度10〜80℃、pH1.1〜5.5、より好ましくは処理時間10〜60秒、処理温度25〜40℃、pH1.5〜4である。Siや樹脂等を含む保護被膜の好ましい処理条件としては、処理時間1〜60秒、処理温度5〜80℃、pH2〜14、より好ましくは処理時間10〜40秒、処理温度15〜60℃、pH3〜6または8〜13であり、特に樹脂によっては処理温度10〜30℃である。処理方法としては浸漬による化成が最も優れる。電解により被膜化成する場合0.01〜20A/dm2、0.01〜5分の条件で被膜生成可能であるが、1A/dm2以上の電解や2分以上の電解は色が不均一になったり、場合によっては発色しない可能性があるので、電解を行う場合は1A/dm2未満の電解又は2分未満にすることを推奨する。被膜の形成方法としては、これらの条件により処理した後、濯ぎを一回又は数回行うか、全く行わず乾燥する。Siや樹脂等を含む保護被膜を形成する場合はこれらの処理を行った後、乾燥後或いは乾燥せずにSiや樹脂等を含む保護被膜を形成させることが出来る。
【0021】
これらの組み合わせにより得られた保護被膜は、従来得られなかった均一性のある種々の色調が得られるようになり、意匠性も向上しただけでなく、有色クロメートと同等かそれ以上の耐食性も得ることができる。又、樹脂やワックスを含む組成物で処理することにより摩擦係数を制御する等新たな機能性も付与できる。
【0022】
この方法は、40〜80℃の高温や45〜90秒の比較的長時間処理を行うことも出来るが、用途によっては従来の反応型クロメートの処理設備をそのまま使用できる経済的メリットもこの方法の特徴でもある。被膜生成する処理条件は従来のクロメート処理を行う条件(液温20〜35℃、処理時間20〜40秒、かく拌有り)で処理可能であり、ケイ素や樹脂、ワックスを含む組成物による保護被膜作製のための処理条件も液温20〜50℃で20〜40秒間浸漬するだけで良く、一連の処理は非常に容易である。
【0023】
【作用】
本発明に規定する酸性水溶液を用いることにより、有害な六価クロムを使用せず、従来の反応型クロメートと同一処理設備、処理条件、処理方法で亜鉛表面に種々の色調の不溶性の強固な被膜を生成することが可能である。これにより処理物からの六価クロム溶出を心配する一般ユーザーのみならず、従来クロム酸の有害性にさらされていたクロメート製造者やクロメート処理業者の健康面での影響や野生動物への影響に関する問題を解決することが可能となる。
【0024】
本発明は記載された3つのグループから選択された三価クロム含有組成物を亜鉛合金に施すことにより、単に六価クロムの公害問題を解決するだけでなく、更に従来の代替え技術では得難かった種々の色調を得ることが出来、意匠性を向上することが出来る。すなわち従来、特開昭52−92836、特開昭50−1934、特開昭61−587、特開2000−234177、特開昭61−119677等の六価クロムを用いない防錆被膜が提案されてきた。しかしこれらの被膜の多くは従来の光沢クロメートのような薄い干渉色を呈する銀色系無彩色に近い外観であり、意匠性に乏しいものであった。又、従来のクロメート被膜で言われる自己修復能力がないか非常に弱いため、被膜が損傷を受けると塩水噴霧試験における耐食性は24〜72時間程度を示し実用的でなかった。又、ボルト等の処理のように適度の重量のものが大量に落下したり、ぶつかり合って処理され(処理中の共ズレ)、対象が種々雑多なもので、多くの傷が付く実際の生産ラインでは、良好な性能が発揮されなかった。更に、処理液の安定性を欠く組成物場合もあった。本発明で、これらを解消することが出来たのは、これら従来技術が本発明で示す3つのグループと亜鉛合金の組み合わせをすべて満たさず、一部を欠いたものであったためと考えられる。本発明は記載された3つのグループと亜鉛合金の組み合わせにより濃黄色、褐色や黒色等種々の外観を得られ意匠性を向上したうえ、更に、染料、顔料、樹脂やワックス等含む組成物により、更なる意匠性の向上や摩擦係数を制御することを可能にした。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。試験は脱脂、酸洗、脱スマット、活性化等の適当な前処理を行った後、亜鉛−鉄合金めっき(Zn/Fe)を約8〜9μm施した試験片を用いて行った。以下の実施例において処理液は全て水溶液であり処理液の成分濃度は水1リットル当たりに含有される成分の量で表してある。評価はJIS Z 2371に従う塩水噴霧試験を行った。白錆が5%発生した時間示す。特に記載のないものは1週間の放置後に、液外観、pH、処理外観に変化を認めなかった。
【0026】
実施例1
試験片を塩化クロム6g/l、リン酸10g/l、67.5%硝酸1g/l、pH2.1の処理液に浸漬し30℃、30秒の条件で処理した。均一、褐色の外観を得た。
【0027】
実施例2
試験片を硫酸クロム3g/l、リン酸10g/l、硝酸ナトリウム6g/l、燐酸3ナトリウム5g/l、pH1.8の処理液に浸漬し30℃、60秒の条件で処理した。黒色外観を得た。
【0028】
実施例3
試験片を硝酸クロム5g/l、塩化コバルト1.5g/l、リン酸0.05g/l、塩化カルシウム1g/l、pH1.8の処理液に浸漬し35℃、60秒の条件で処理した。淡褐色外観を得た。
【0029】
実施例4
試験片を硝酸クロム5g/l、硫酸チタン1g/l、硝酸銀0.2g/l、リン酸0.1g/l、コロイダルシリカ35g/l、pH2.6の処理液に浸漬し25℃、60秒の条件で処理した。黒色外観を得た。
【0030】
実施例5
試験片を硝酸クロム10g/l、硝酸コバルト2.5g/l、硫酸マグネシウム1g/l、リン酸0.5g/l、コロイダルシリカ25g/l、酒石酸15g/l、pH1.8の処理液に浸漬し30℃、40秒の条件で処理した。濃褐色外観を得た。塩水噴霧試験の結果は144時間後であった。
【0031】
実施例6
試験片を塩化クロム7g/l、硝酸コバルト4.5g/l、硝酸銀0.01g/l、リン酸75g/l、コロイダルシリカ10g/l、クエン酸10g/l、イオネットMO−6000.5g/l、pH2.2の処理液に浸漬し25℃、20秒の条件で処理した。黒色外観を得た。
【0032】
実施例7
試験片を硝酸クロム10g/l、塩化コバルト2.5g/l、硝酸銀0.1g/l、バナジン酸アンモン5g/l、リン酸0.01g/l、コロイダルアルミ22g/l、トリエタノールアミン0.01g/l、pH2.0の処理液に浸漬し30℃、30秒の条件で処理した。褐色外観を得た。
【0033】
実施例8
試験片を塩化クロム10g/l、硝酸コバルト3g/l、バナジン酸アンモン5g/l、硝酸銀0.1g/l、硝酸ナトリウム7g/l、リン酸1g/l、コロイダルシリカ20g/l、尿素1g/l、pH2.4の処理液に浸漬し50℃、30秒の条件で処理した。黒色外観を得た。
【0034】
実施例9
試験片を硝酸クロム5g/l、モリブデン酸アンモン3g/l、硝酸コバルト7g/l、リン酸2g/l、硫酸マグネシウム5g/l、マロン酸10g/l、シュウ酸15g/l、コロイダルシリカ28g/l、pH2.2の処理液に浸漬し30℃、40秒の条件で処理した。濃褐色外観を得た。
【0035】
実施例10
塩化クロム10g/l、硝酸ナトリウム4g/l、リン酸0.05g/l、硫酸マンガン1g/l、バナジン酸ナトリウム3g/l、硝酸コバルト5g/l、コロイダルシリカ25g/l、pH2.3の処理液に浸漬し30℃、40秒の条件で処理した。濃褐色の外観を得た。塩水噴霧試験の結果は144時間であった。
【0036】
実施例11
実施例6の処理後、更にコロイダルシリカ22g/l、水酸化ナトリウム4g/lの処理液に浸漬し50℃、25秒処理を行った。外観は黒色であり、塩水噴霧の試験結果は168時間であった。
【0037】
実施例12
実施例7の処理後、更にコロイダルシリカ10g/l、水酸化ナトリウム3g/l、ハイシール270 950g/lの処理液に浸漬し20℃、20秒処理を行った。外観は褐色であり、塩水噴霧の試験結果は288時間であった。
【0038】
実施例13
実施例8の処理後、更にコロイダルシリカ20g/l、水酸化ナトリウム2g/l、アクリセット260 800g/l、カーボンブラック10g/lの処理液に浸漬し25℃、30秒処理を行った。外観は黒色であり、塩水噴霧の試験結果は240時間であった。
【0039】
実施例14
実施例9の処理後、更にコロイダルシリカ20g/l、ハイシール270 950g/l、ポリエチレンワックス20g/lの処理液に浸漬し25℃、20秒処理を行った。外観は濃褐色であり、塩水噴霧の試験結果は312時間であった。
【0040】
比較例1
試験片をH2TiF65g/l、フイチン酸0.5g/l、pH2.2の処理液に浸漬し40℃、30秒の条件で処理した。無色〜光沢クロメート外観を得た。塩水噴霧試験の結果は24時間以下であった。
【0041】
比較例2
試験片を硝酸クロム9水和物7g/l、62.5%硫酸3g/l、硫酸チタン3.5g/l、シリカゾル40g/l、pH2.0の処理液に浸漬し40℃、60秒の条件で処理した。極薄干渉色外観を得た。塩水噴霧試験の結果は144時間であった。翌日処理液に沈殿が発生していた。
【0042】
比較例3
試験片を塩化クロム3g/l、硫酸0.5g/l、硝酸9g/l、シュウ酸30g/l、pH1.9の処理液に浸漬し20℃、15秒の条件で処理した。光沢クロメートと同じ外観を得た。塩水噴霧試験の結果は72時間であった。翌日、処理液のpHが低下していた。処理外観も悪化していた。放置により更にpHが低下した。
【0043】
比較例4
試験片を塩化クロム20g/l、硝酸コバルト2g/l、硫酸10g/l、硝酸ソーダ75g/l、マロン酸35g/l、pH1.6の処理液に浸漬し20℃、15秒の条件で処理した。光沢クロメートと同じ外観を得た。塩水噴霧試験の結果は72時間であった。翌日、処理液のpHが低下していた。処理外観も悪化していた。
【0044】
比較例5
試験片をCrCl310g/l、NaSiO318g/l、NH4HF210g/l、HNO32g/l、H2SO42g/l、pH1.8の処理液に浸漬し25℃、15秒の条件で処理した。光沢クロメートと同じ外観を得た。塩水噴霧試験の結果は48時間であった。
【0045】
【発明の効果】
以上の結果から分かるように、本発明の保護被膜は様々な着色を有し又耐食性も高い。これに対して比較例の保護被膜は着色性が低くしかも短時間に悪化し、耐食性も低い。
本発明による酸性水溶液を用いることにより、有害な六価クロムを使用せず、従来の反応型クロメートと同様の処理方法で亜鉛表面に種々の色調の不溶性の強固な被膜を生成することが可能である。
本発明は記載された3つに分けられたグループから選択された三価クロム含有組成物により、単に六価クロムの公害問題を解決するだけでなく、更に従来の代替え技術では得難かった種々の色調を得ることが出来、意匠性を向上することが出来る。本発明の3つのグループ同士の組み合わせにより均一な黄色、濃い干渉色、黒色や褐色等種々の外観が得られ意匠性を向上したうえ、更に、染料、顔料、樹脂やワックス等含む組成物により、更なる意匠性の向上や摩擦係数を制御することを可能にした。
Claims (12)
- (A)三価のクロムイオンと、(B)塩素、フッ素、硫酸イオン、硝酸イオンからなる群のうちの1種以上と、(C)リンの酸素酸、酸素酸塩、無水物、リン化合物からなる群の1種以上とを含有する液体組成物により防錆被膜を形成することを特徴とする亜鉛合金の着色防錆被膜形成方法。
- 更にMo、W、Ti、Zr、Mn、Tc、Fe、Ru、Co、アルカリ土類金属、Ni、Pd、Pt、Sc、Y、V、Nb、Ta、Cu、Ag、Auからなる群のうち少なくとも1種以上を含む前記液体組成物で被膜形成を行うことを特徴とする請求項1記載の亜鉛合金の着色防錆被膜形成方法。
- 更にSi、Al、有機酸からなる群のうち少なくとも1種又は2種を含む前記液体組成物で被膜形成を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の亜鉛合金の着色防錆被膜形成方法。
- 更に顔料、染料、インク、カーボン、安定剤からなる群のうち少なくとも1種以上を含む前記液体組成物で被膜形成を行うことを特徴とする請求項1、2又は3記載の亜鉛合金の着色防錆被膜形成方法。
- 請求項1、2、3又は4の方法により被膜を形成した後、更にSi、樹脂、ワックス、インク、顔料、染料、カーボンからなる群のうち少なくとも1種以上を含有する液体組成物にて処理することを特徴とする亜鉛合金の着色防錆被膜形成方法。
- 亜鉛合金が鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、錫からなる群の1種以上と亜鉛を主体とした亜鉛合金めっきである請求項1、2、3、4又は5記載の亜鉛合金の着色防錆被膜形成方法。
- (A)三価のクロムイオン、(B)塩素、フッ素、硫酸イオン、硝酸イオンからなる群のうちの1種以上、(C)リンの酸素酸、酸素酸塩、無水物、リン化合物からなる群の1種以上を含有する亜鉛合金の着色防錆被膜形成処理剤。
- 更にMo、W、Ti、Zr、Mn、Tc、Fe、Ru、Co、アルカリ土類金属、Ni、Pd、Pt、Sc、Y、V、Nb、Ta、Cu、Ag、Auからなる群のうち少なくとも1種以上を含む請求項7記載の亜鉛合金の着色防錆被膜形成処理剤。
- 更にSi、Al、有機酸からなる群のうち少なくとも1種又は2種を含む請求項7又は8記載の亜鉛合金の着色防錆被膜形成処理剤。
- 更に顔料、染料、インク、カーボン、安定剤からなる群のうち少なくとも1種以上を含むことを特徴とする請求項7、8又は9記載の亜鉛合金の着色防錆被膜形成処理剤。
- 請求項7、8、9又は10の被膜形成処理剤と、それによる防錆被膜形成を実施後に更に処理するためのSi、樹脂、ワックス、インク、顔料、染料、カーボンからなる群のうち少なくとも1種以上を含有する防錆被膜形成処理剤とを組み合わせた亜鉛合金の着色防錆被膜形成処理剤。
- 亜鉛合金が鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、錫からなる群の1種以上と亜鉛を主体とした亜鉛合金めっきである請求項7、8、9、10又は11記載の亜鉛合金の着色防錆被膜形成処理剤。
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