JP2004010569A - コレシシトキニン分泌促進活性を有するアルギニン含有ペプチドおよびこれを含有する食品。 - Google Patents
コレシシトキニン分泌促進活性を有するアルギニン含有ペプチドおよびこれを含有する食品。 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】特定のアミノ酸配列を有するアルギニン含有ペプチドにコレシストキニン分泌促進活性があることを発見し、これらを含有した食品を作ることで摂食抑制食品を作る道を開いた。また、特定のアルギニン含有ペプチドは、大豆βコングリシニンに該当するアミノ酸配列が存在し、βコングリシニンをペプシンで分解したペプチドで、本発明の課題を達成できることも発見した。
【選択図】 なし
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、消化管ホルモンであるコレシストキニンの分泌を促進することによって食欲抑制作用を発揮する食品素材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コレシストキニン(以降CCKと称す)は、十二指腸粘膜細胞から分泌される消化管ホルモンであり、脂肪の摂取に伴って分泌され、胆嚢の収縮および膵酵素の分泌を促進する。直鎖のポリペプチドで33個のアミノ酸残基からなるホルモンであり、特にC末端のオクタペプチドが活性をもっている。
【0003】
CCKの生理作用として注目されるのは、摂食した食品の胃排出を抑制する作用、あるいは膵酵素分泌促進能を有すること、さらに、満腹感を与えて摂食行動を抑制することが知られている(Weller,A.ら、Science、247巻、1589−1591頁、1990年、およびWoltman、TとReidelberger,R. American Journal of Physiology 276巻、R1701−R1709頁、1999年)。また、血糖値を調節するホルモンであるインスリンの分泌を促すことも知られている(Rossetti,L.ら、Diabetes、36巻、1212−1215頁、1987年、および、Ruchakoff、R.J.ら、Journalof Clinical Endocrinological Metabolism、65巻、395−401頁、1987年)。これらの作用を利用し、肥満や糖尿病あるいは、膵炎等の生活習慣病の予防および治療を行おうとする例がある。従来は、体外から血管中にCCKを投与する方法しかなかった。そのためには、CCKを注射等で投与する場合は、生理レベルを超えた多量のCCKが、必要であった。また、病気治療のため毎日の投与を要する場合には、毎日の投与の煩雑さに加えて、費用が多額となってしまう欠点があった。
【0004】
体外からCCKを投与する方法に対し、食事成分のタンパク質(ペプチド)、アミノ酸あるいは脂肪酸によって、小腸粘膜にあるCCK産生細胞から分泌される内因性のCCKを利用する手段もある。食品を用いる方法ならば、薬と比べて安価である。ただし、脂肪酸すなわち脂質の摂取は、それ自体が生活習慣病のリスクファクターとなることから、内因性CCK分泌の刺激因子として用いることは不適当であった。食欲抑制食品を作るために、CCK分泌促進作用を持った適切な食素材の開発が、求められていた。
【0005】
タンパク質やその分解ペプチドによる内因性CCK分泌作用について、最近になってタンパク質やペプチド自身が直接小腸細胞に働き掛けてCCK分泌を促す機構の存在が提唱されている(Ritter,R.C.ら、Nuropeptides 33巻、387−399頁、1999年)。現在、培養細胞を用いた研究等によって食品系タンパク質の直接作用によるCCK分泌での細胞内情報伝達機構は徐々に明らかになりつつある。しかし、細胞に作用する経口摂取されたタンパク質側、特にタンパク質を構成するアミノ酸の配列からのアプローチはほとんど行われておらず、小腸細胞刺激を介したCCK分泌活性を有する食品由来の機能性ペプチドの開発は遅れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、小腸粘膜から分泌される内因性のCCKの分泌促進を行い、食欲抑制効果を有する食素材を開発することであり、しかも安全で安価な食素材でなくてはならない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、CCK分泌促進し、そのことによって食欲抑制機能を発揮させるために、特定のアミノ酸配列、すなわち特定の位置にアルギニンが結合したアルギニン含有ペプチドを用いることを最も主要な特徴としている。さらに、特定のアミノ酸配列のアルギニン含有ペプチドが、従来の食素材の中にも存在することを発見し、特定の加工法によって食欲抑制作用のある食素材にすることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
小腸粘膜細胞からのCCKの分泌を促進する因子の研究を鋭意行い、特定のアミノ酸配列を持ったアルギニン含有ペプチドが、腸管細胞に特異的に結合することをきっかけに、CCK分泌を促進することを発見した。CCK分泌促進によって、これらのアルギニン含有ペプチドが、食欲抑制作用を持つことを明らかにした。さらに、これらの特定のアミノ酸配列を持ったアルギニン含有ペプチドが、従来の食品素材中に存在していることも明らかにした。これらの発見を利用して、食欲抑制作用のある食素材を従来の食品素材を加工することによって実現した。
発明者の一連の研究結果から、摂取したタンパク質やペプチド自身が、直接消化管に結合してCCK分泌促進の機構の存在を見出した。このようにタンパク質やペプチドを消化管が直接認識して何らかの生理現象を発現させるといった報告は、過去にはない。食品の第3次機構である生体調節機能の面から見たタンパク質やペプチドの新たなる可能性である。
【0009】
【実施例1】
種々のペプチドのCCK分泌促進活性を調べるために、請求項1から7のペプチドのアミノ酸配列に相当する7種のペプチドを単離ラット小腸粘膜細胞と反応させて小腸細胞から分泌したCCK量を測定した。
【0010】
実験に使用したアルギニン含有ペプチドは、以下の7種類のペプチドである。いずれもそれぞれの配列に合成したものであり、それぞれの実験区には、この配列以外のペプチドはなかった。
ペプチド1、Gly−Gly−Gly−Arg−Gly−Gly−Gly、(GGGRGGG)
ペプチド2、Gly−Gly−Gly−Gly−Gly−Gly−Arg、(GGGGGGR)
ペプチド3、Gly−Gly−Gly−Arg−Arg−Gly−Gly、(GGGRRGG)
ペプチド4、Gly−Gly−Arg−Gly−Arg−Gly−Gly、(GGRGRGG)
ペプチド5、Gly−Arg−Gly−Gly−Arg−Gly−Gly、(GRGGRGG)
ペプチド6、Gly−Arg−Gly−Gly−Gly−Arg−Gly、(GRGGGRG)
ペプチド7、Gly−Arg−Gly−Arg−Gly−Arg−Gly、(GRGRGRG)
【0011】
小腸粘膜細胞の単離と調製方法: 全ての実験にはSprague−Dawley系の雄ラット、初体重約250gのものを使用した。飼料として25%カゼイン食を与え、12時間の明暗周期で飼育した。一夜絶食したラットを屠殺後、十二指腸の総胆管開口部を起点に20 cmの小腸を摘出し、管腔内に生理食塩水を通して洗浄した。小腸を反転し、10mMEDTAを含んだ10 mlのKrebs−Henseleit bicarbonate(KHB)溶液(37度、pH 7.4、酸素通気済み)中に入れて37度で5分間振とうしながらインキュベートした。インキュベート終了後、プラスチック製スティックを用いて小腸粘膜を剥ぎ取り、KHB溶液に混合してよく撹拌した後、500rpmで3分間遠心分離した。上清を除去し、沈殿を5mlのKHB溶液(EDTA含有、37度、pH 7.4、酸素通気済み)中に入れ、ピペットマンのチップを用いて細胞を分散させてから37度で5分間振とうしながらインキュベートし、反応終了後、500rpmで3分間遠心分離した。この作業を2度行い、単離小腸粘膜細胞を調製した。ラット3匹分の小腸粘膜細胞を一つに合わせ、200倍量のHEPES緩衝液(37度、pH7.4、酸素通気済み)中に分散させた。そのまま1時間37度で振とうしながらインキュベートして細胞を平衡化した後、緩衝液を新鮮なものと交換した。
【0012】
試験試料と小腸粘膜細胞との反応方法: あらかじめ200 nmol/mlの濃度で各合成ペプチドをミリQ水に溶解した物を1mlずつプラスチックのバイアルに入れ、凍結乾燥して水分を飛ばした。そこに小腸粘膜細胞懸濁液1mlを添加し、37度で30分間振とうしながらインキュベートした。インキュベート終了後、内容物を小型遠心管に移して10,000rpmで7秒間遠心分離し、上清0.7mlを回収した。その内の0.5 mlをSep−pak C18カートリッジに通し、50 %アセトニトリルでCCKを抽出した。回収したCCKは凍結乾燥後、膵腺房細胞を用いたバイオアッセイ法で定量した。
【0013】
オリゴペプチドによるCCK分泌促進試験の結果、対照区(ペプチドを加えなかった実験区)と比較して、いずれのペプチド添加区においてもCCK分泌が促進されていた(図1)。なかでもペプチド4,5,6,および7においては、CCK分泌が強く促進された。
【0014】
発明者の研究での重要な発見の1つは、CCK分泌促進をおこなう物質が、小腸刷子縁膜可溶化成分と特異的な結合を行うことを発見したことである。
各種ペプチドと小腸刷子縁膜可溶化成分との結合を分子間相互作用解析装置(BIACORE3000)を用いて測定した(Hira, T.ら、Bioscience Biotechnology Biochemistry、65巻、1007−1015頁、2001年)。ラット小腸粘膜細胞より回収した細胞膜可溶化成分を分子間相互作用解析装置のセンサーチップに固定化させ、そこに種々のペプチドを流して細胞膜成分との結合量を測定した。全ての実験にはSprague−Dawley系の雄ラット、初体重約250gのものを使用した。飼料として25%カゼイン食を与え、12時間の明暗周期で飼育した。ラット空腸部位の粘膜に塩化カルシウムおよびKSCN処理と超遠心分離を施して得た刷子縁膜小胞を0.1%濃度となるようにTriton X−100に加えてよく撹拌し、4度で1時間振とう後、超遠心分離して得た上清を小腸刷子縁膜可溶化成分とした。ExratctiGel D affinity Pak columnを用いて可溶化成分中からTriton X−100を除去した後、10 mM酢酸緩衝液 (pH 4.0)で希釈したものをセンサーチップCM5に固定化した。結合試験は、各種ペプチドをHEPES緩衝液(10mM HEPES, 0.15M NaCl, 3 mM EDTA, pH7.4)に、種々の濃度(0, 50, 100, 200, 500 micro g/ml)で溶解し、分子間相互作用解析装置(BIACORE3000)にインジェクトした。
【0015】
各種アルギニン含有ペプチドと小腸刷子縁膜可溶化成分との結合試験の結果を図2に示した。図中、実線で示した4種類のアルギニン含有ペプチド(ペプチド4:GGRGRGG、ペプチド5:GRGGRGG、ペプチド6:GRGGGRG、および、ペプチド7:GRGRGRG)で容量依存的な小腸膜成分との結合が観察された。これに対し、ペプチド7のグリシン部分をプロリンに置き換えたペプチド8では、結合量が低くなったものの結合活性が存在することが示された。
【0016】
これらの結果より、アルギニンを複数有し且つその間に別のアミノ酸を挟む構造を持つペプチドに小腸細胞膜に直接結合する能力が存在することが示され、その直接作用に伴ってCCK分泌が刺激されることが示唆された。
また、これらの結果から、CCKの分泌促進活性の強さは、ペプチドが、ラット小腸粘膜細胞の表面に存在する特異的受容体に結合する活性と相関があることがわかった。この結合活性は、分子間相互作用解析装置を用いて厳密に測定することができることもわかった。
【0017】
【実施例2】
天然に存在する食品ペプチドの中で請求項1から7のアルギニン含有ペプチドに類似した構造を分子中に多数含む大豆β−コングリシニンについて、(1)小腸刷子縁膜可溶化成分との結合活性、(2)CCK分泌促進活性、および、(3)摂食抑制効果について調べた。
全ての実験にはSprague−Dawley系の雄ラット、初体重約250 gのものを使用した。飼料として25%カゼイン食を与え、12時間の明暗周期で飼育した。
【0018】
β−コングリシニンの単離とペプシン分解物の調製方法: 脱脂大豆粉末を15倍容量のTris−HCl緩衝液(pH8.0)と混合し、室温で1時間撹拌した。ガーゼ濾過を施した後、遠心分離(8,000rpm、20分、4度)して上清を回収した。上清をpH6.0に調整後、低温室で一夜放置し、再度遠心分離(8,000rpm、20分、4度)して上清を回収した。続けて上清をpH 4.8に調整して遠心分離(8,000rpm、30分、4度)し、沈殿を回収した。得られた沈殿を3%濃度になるように標準緩衝液(35mM Potassium phosphate, 0.4 M NaCl, 10 mM 2−メルカプトエタノール、pH7.6)に溶解し、低温室で一夜放置した。これに75%濃度になるように硫安を添加し、この可溶化成分にさらに90%濃度になるように硫安を添加した。得られた沈殿をミリQ水に溶解して流水透析した後、凍結乾燥してβ−コングリシニンを得た。このβ−コングリシニン2gを100倍量のリン酸溶液と混合し、pH1.85に調整後、37度に保温した。ここにペプシン溶液(20 mg/ml)を1 ml添加し、37度で10分間振とうしながらインキュベートした。反応終了後、溶液を煮沸してペプシンを失活させた。溶液を冷却した後、遠心分離(3,000rpm、20分、4度)して上清を回収した。水酸化カルシウムを用いて上清を中和した後、遠心分離(3,000rpm、20分、4度)して塩を除去し、凍結乾燥によりβ−コングリシニン・ペプシン分解物を回収した。
【0019】
β−コングリシニンのペプシン分解物と小腸刷子縁膜可溶化成分との結合試験方法: β−コングリシニン・ペプシン分解物と小腸刷子縁膜可溶化成分との結合は分子間相互作用解析装置 (BIACORE 3000)を用いて測定した。ラット空腸部位の粘膜に塩化カルシウムおよびKSCN処理と超遠心分離を施して得た刷子縁膜小胞を0.1%濃度となるようにTriton X−100に加えてよく撹拌し、4度で1時間振とう後、超遠心分離して得た上清を小腸刷子縁膜可溶化成分とした。ExratctiGel D affinity Pak columnを用いて可溶化成分中からTriton X−100を除去した後、10 mM酢酸緩衝液(pH 4.0)で希釈したものをセンサーチップCM5に固定化した。β−コングリシニンのペプシン分解物は、HEPES緩衝液(10 mM HEPES, 0.15M NaCl, 3 mM EDTA, pH7.4)にそれぞれ(0, 50, 100,250, 500micro g/ml)濃度で溶解し、アナライトとして分子間相互作用解析装置(BIACORE3000)にインジェクトした。ペプシン分解処理を行わなかったβ−コングリシニンも同様にアナライトとして用いた。
【0020】
β−コングリシニンのペプシン分解物と小腸刷子縁膜可溶化成分との結合試験の結果を図3に示した。未分解のβ−コングリシニン、β−コングリシニンのペプシン分解物共に容量依存的な小腸膜成分との結合を示した。しかし、結合能はβ−コングリシニンのペプシン分解物の方が未分解のβ−コングリシニンと比べて3〜4倍高く、ペプシン分解によってβ−コングリシニンの小腸細胞膜への結合能が増加することが示された。
【0021】
β−コングリシニンのペプシン分解物によるin vitroでのCCK分泌促進試験方法: (1)小腸粘膜細胞の単離と調製: 一夜絶食したラットを屠殺後、十二指腸の総胆管開口部を起点に20cmの小腸を摘出し、管腔内に生理食塩水を通して洗浄した。小腸を反転し、10mM EDTAを含んだ10 mlのKrebs−Henseleit bicarbonate(KHB)溶液(37度、pH 7.4、酸素通気済み)中に入れて37度で5分間振とうしながらインキュベートした。反応終了後、プラスチックスティックを用いて小腸粘膜を剥ぎ取り、KHB溶液に混合してよく撹拌した後500rpmで3分間遠心分離した。上清を除去し、沈殿を5mlのKHB溶液(EDTA含有、37度、pH 7.4、酸素通気済み)中に入れ、ピペットマンのチップを用いて細胞を分散させてから3度で5分間振とうしながらインキュベートし、終了後500rpmで3分間遠心分離した。この作業を2度行い、単離小腸粘膜細胞を調製した。ラット3匹分の小腸粘膜細胞を一つに合わせ、200倍量のHEPES緩衝液(37度、pH7.4、酸素通気済み)中に分散させた。そのまま1時間37度で振とうしながらインキュベートして細胞を平衡化した後、緩衝液を新鮮なものと交換した。
【0022】
(2)試験試料と小腸粘膜細胞との反応方法: 未分解のβ−コングリシニン及びβ−コングリシニンのペプシン分解物をそれぞれミリQ水に溶解 (200もしくは、500 micro g/ml)したものを1mlずつプラスチックのバイアルに入れ、凍結乾燥して水分を飛ばした。そこに小腸粘膜細胞懸濁液1mlを添加し、37度で30分間振とうしながらインキュベートした。終了後、内容物を小型遠心管に移して10,000rpmで7秒間遠心分離し、上清0.7mlを回収した。その内の0.5 mlをSep−pak C18カートリッジに通し、50 %アセトニトリルでCCKを抽出した。回収したCCKは凍結乾燥後膵腺房細胞を用いたバイオアッセイ法により定量した。
【0023】
β−コングリシニンのペプシン分解物によるin vitroでのCCK分泌促進試験の結果を図4に示した。未分解のβ−コングリシニンは小腸細胞との反応で多少のCCK分泌を示すものの、対照区でのCCK分泌量と比較して有意な差は観察されなかった。これに対してβ−コングリシニンのペプシン分解物ではコントロールでのCCK分泌量と比較して有意に大きいCCK分泌量が観察された。大豆β−コングリシニンのペプシン分解物が、CCK分泌促進活性を持つことが証明された。さらに、合成トリプシンインヒビターのcamostat(0.25 microg/ml)を投与したラットの餌の摂取量を測定したところ、未分解のβ−コングリシニンでのCCK分泌量は、さらに減少し、摂食抑制効果は、全く認められなかった。一方、大豆β−コングリシニンのペプシン分解物でのCCK分泌活性は、camostatが共存していても、非存在時と変わらず、強い分泌促進活性を示した。
【0024】
in vitro実験において強いCCK分泌促進活性を示したβ−コングリシニンのペプシン分解物が、実験動物を用いたin vivoモデルにおいても血中CCK濃度上昇作用を示し、CCKの生理作用の一つである摂食抑制効果を発揮することを次に示す。
【0025】
β−コングリシニンペプシン分解物による摂食抑制試験方法: (1)ラットの外科的準備: 実験動物にはSD系雄ラットを選び、実験前にあらかじめ十二指腸部位にカテーテル留置を施した。一夜絶食したラットに麻酔をかけ、幽門より1cm下部の十二指腸部位にカテーテルを挿入した。挿入したカテーテルは腹壁に固定した後、皮下を通して後、背部の首の付け根より外部に出し、塩化ビニル製のプロテクターにて保護した。ラットは一週間の回復期間をおいた後、実験に使用した。
(2)摂食抑制試験方法: 一夜絶食したラットに2 mg/ml濃度のβ−コングリシニンのペプシン分解物水溶液2.5 mlをシリンジポンプを用いて、流速0.5 ml/minで十二指腸に投与した。投与15分後から1時間、25 %カゼイン食をラットに自由摂取させ、摂食した餌の重量を測定した。実験最終日にβ−コングリシニンのペプシン分解物水溶液を投与した45分後にエーテル麻酔下で門脈血を採取した。血漿中のCCK濃度を膵腺房細胞を用いたバイオアッセイ法にて定量した。
【0026】
β−コングリシニン・ペプシン分解物水溶液を投与し、45分後にラットを開腹し、門脈血を採取後直ちに遠心分離して血漿を回収した。その結果、β−コングリシニンのペプシン分解物投与群で対照区と比較して有意な血中CCK濃度の上昇が観察された(図5)。
【0027】
摂食量の変化も顕著であった。β−コングリシニン・ペプシン分解物水溶液を流速0.5mlで十二指腸に投与15分後に餌を与え、1時間摂食させた後餌を回収して摂食量を測定した。その結果、β−コングリシニンペプシン分解物投与群で溶媒投与群と比較して有意な摂食量の低下が観察された(図6)。また、β−コングリシニンペプシン分解物の十二指腸投与は、30分程度の早い時点からでも摂食抑制を引き起こすことも判明した。
【0028】
【実施例3】
大豆β−コングリシニンのアミノ酸配列中のアルギニン局在部位が、ラット小腸細胞膜に対して極めて高い結合活性を示し、かつ摂食抑制効果も強いことを以下の実験より証明した。なお、実験方法は、実施例2と同様である。
【0029】
β−コングリシニンのアミノ酸配列の中からアルギニンが局在する部分のペプチドを合成し、それらについてラット小腸細胞膜可溶化成分との結合と摂食抑制作用を評価した。実験に供したペプチドは、次のごとくである。ペプチド1は、大豆ペプトン、ペプチド2は、大豆β−コングリシニンのペプシン分解物。ペプチド3は、アミノ酸配列:Val−Arg−Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Serであり、請求項8にあたるβ−コングリシニンのβサブユニットの51−63番目の配列である。ペプチド4は、アミノ酸配列:Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Serであり、請求項9にあたるβ−コングリシニンのβサブユニットの53−63番目の配列である。
ペプチド5は、アミノ酸配列:Val−Arg−Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Pheであり、請求項10にあたるβ−コングリシニンのβサブユニットの51−69番目の配列である。ペプチド6は、アミノ酸配列:Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Pheであり、請求項6の条件を満たす最小単位の配列である。ペプチド7は、アミノ酸配列:Gly−Arg−Ile−Arg−Val−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Gln−Arg−Serであり、請求項11にあたるβ−コングリシニンのαサブユニットの配列である。ペプチド8は、アミノ酸配列:Val−Arg−Val−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Serであり、請求項12にあたるβ−コングリシニンのαプライム・サブユニットの配列である。各ペプチド溶液は 100 micro g/mlの濃度で使用した。
【0030】
小腸粘膜可溶化成分との結合は分子間相互作用解析装置(BIACORE 3000)を用いて測定した結果、請求項8にあたるβ−コングリシニンのβサブユニットの51−63番目の配列を持つペプチド(Var−Arg−Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Ser)が、β−コングリシニンペプシン分解物の約3.5倍、大豆タンパク質ペプシン分解物の約15倍という大きな結合活性を示した(図7)。結合活性は、請求項6の条件を満たす最小単位のIle−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Pheでもβ−コングリシニンペプシン分解物と同程度であり、請求項4から6の条件を満たす部分の数が多くなるほど細胞膜成分との結合量は、増加することを発見した。
【0031】
請求項8のペプチドと類似したアミノ酸配列が、β−コングリシニンのαサブユニット(Gly−Arg−Ile−Arg−Val−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Gln−Arg−Ser)並びに、αプライム・サブユニット(Val−Arg−Val−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Ser)にも存在する。これらの細胞膜成分との結合能についても調べた。その結果、β−コングリシニンペプシン分解物と比べてより多い結合量を示し、CCK分泌促進効果を期待できることがわかった。しかし、単位重量あたりの結合活性は、請求項8のペプチドと比較すると半分程度であった(図7)。
【0032】
これらのペプチドについて摂食抑制効果を調べた。ペプチド溶液の十二指腸投与によって摂食量は有意に抑えられた。
【0033】
【発明の効果】
本発明のオリゴペプチドは、摂食されて小腸内に達すると、コレシストキニン(CCK)の分泌を著しく促進し、その結果、CCKは脳中枢に作用して、摂食抑制作用を引き起こす。同時に胃に作用して、胃排泄抑制をおこない満腹感を与える。本発明のこの性質を利用することによって過食予防食品など、食べることによって食欲を押さえる食品及び食素材を作ることができ、肥満や過食症の予防食品となりうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルギニン含有ペプチドのコレシストキニン分泌促進活性
請求項1から7のペプチドを含む7種のアルギニン含有合成ペプチドを単離ラット小腸粘膜細胞と反応させた際のCCK分泌活性を表した図である。対照区(ペプチドを加えなかった実験区)でのCCK分泌量を100%として表示した。(実施例1)
【符号の説明】
ペプチド1:Gly−Gly−Gly−Arg−Gly−Gly−Gly
ペプチド2:Gly−Gly−Gly−Gly−Gly−Gly−Arg
ペプチド3:Gly−Gly−Gly−Arg−Arg−Gly−Gly
ペプチド4:Gly−Gly−Arg−Gly−Arg−Gly−Gly
ペプチド5:Gly−Arg−Gly−Gly−Arg−Gly−Gly
ペプチド6:Gly−Arg−Gly−Gly−Gly−Arg−Gly
ペプチド7:Gly−Arg−Gly−Arg−Gly−Arg−Gly
【図2】アルギニン含有ペプチドの小腸粘膜への特異的結合能
請求項1から7のペプチドを含む8種のアルギニン含有合成ペプチドとラット小腸粘膜細胞膜可溶化成分との結合量を表した図である。小腸粘膜可溶化成分との結合は分子間相互作用解析装置
(BIACORE 3000)を用いて測定した。(実施例1)
【符号の説明】
− −▲− −(破線):Gly−Gly−Gly−Arg−Gly−Gly−Gly
− −■− −(破線):Gly−Gly−Gly−Gly−Gly−Gly−Arg
− −●− −(破線):Gly−Gly−Gly−Arg−Arg−Gly−Gly
−◇−(実線):Gly−Gly−Arg−Gly−Arg−Gly−Gly
−△−(実線):Gly−Arg−Gly−Gly−Arg−Gly−Gly
−□−(実線):Gly−Arg−Gly−Gly−Gly−Arg−Gly
−○−(実線):Gly−Arg−Gly−Arg−Gly−Arg−Gly
− −×− −(破線):Pro−Arg−Pro−Arg−Pro−Arg−Pro
【図3】大豆β−コングリシニンおよびそのペプシン分解物の小腸粘膜への特異的結合
β−コングリシニン及びそのペプシン分解物とラット小腸粘膜細胞膜可溶化成分との結合量を表した図である。小腸粘膜可溶化成分との結合は分子間相互作用解析装置
(BIACORE 3000)を用いて測定した。(実施例2)
【符号の説明】
−○−:大豆β−コングリシニン
−●−:大豆β−コングリシニンのペプシン分解物
【図4】大豆β−コングリシニンおよびそのペプシン分解物のコレシストキニン分泌促進活性
β−コングリシニン及びそのペプシン分解物を単離ラット小腸粘膜細胞と反応させた際のCCK分泌率を表した図である。(実施例2)
【符号の説明】
*:コントロール群に対し危険率5%で有意差有り
【図5】ラット血中におけるコレシストキニン濃度
ラット小腸にβ−コングリシニンペプシン分解物溶液を投与して45分後の門脈血中CCK濃度を表した図である。(実施例2)
【符号の説明】
* :コントロール群に対し危険率5%で有意差有り
【図6】摂食量抑制効果
β−コングリシニンペプシン分解物溶液を小腸に投与したラットの一時間の摂食量を表した図である。(実施例2)
【符号の説明】
*:コントロール群に対し危険率5%で有意差有り
【図7】大豆βコングリシニンのアルギニン含有ペプチド部分の小腸粘膜との特異的結合活性
大豆タンパク質ペプシン分解物、大豆β−コングリシニンのペプシン分解物、および請求項8から12のペプチドを含む6種のアルギニン含有ペプチドとラット小腸細胞膜可溶化成分との結合を表した図である。小腸粘膜可溶化成分との結合は分子間相互作用解析装置
(BIACORE 3000)を用いて測定した。なお、各ペプチド溶液は100 micro g/mlの濃度で使用した。(実施例3)
【符号の説明】
ペプチド1:大豆タンパク質ペプシン分解物
ペプチド2:大豆β−コングリシニンのペプシン分解物
ペプチド3:Val−Arg−Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Ser
ペプチド4:Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Ser
ペプチド5:Val−Arg−Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Phe
ペプチド6:Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Phe
ペプチド7:Gly−Arg−Ile−Arg−Val−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Gln−Arg−Ser
ペプチド8:Val−Arg−Val−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Ser
Claims (14)
- オリゴペプチドにおいて、連続した7個のアミノ酸の配列の中央(N端から4番目)にアルギニンが位置するアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、連続した7個のアミノ酸の配列のC端にアルギニンが位置するアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、連続した7個のアミノ酸の配列の中央(N端から4番目)およびN端から5番目にアルギニンが位置するアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、連続した7個のアミノ酸の配列のN端から3番目および5番目にアルギニンが位置するアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、連続した7個のアミノ酸の配列のN端から2番目および5番目にアルギニンが位置するアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、連続した7個のアミノ酸の配列のN端から2番目および6番目にアルギニンが位置するアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、連続した7個のアミノ酸の配列のN端から2番目、4番目および6番目にアルギニンが位置するアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、Val−Arg−Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Serのアミノ酸配列を含んだアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Serのアミノ酸配列を含んだアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、Val−Arg−Ile−Arg−Leu−Leu−Gln−Arg−Pheのアミノ酸配列を含んだアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、Gly−Arg−Ile−Arg−Val−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Gln−Arg−Serのアミノ酸配列を含んだアルギニン含有ペプチド。
- オリゴペプチドにおいて、Val−Arg−Val−Leu−Gln−Arg−Phe−Asn−Lys−Arg−Serのアミノ酸配列を含んだアルギニン含有ペプチド。
- 請求項1から12のアルギニン含有ペプチドの一種および複数種を含有した食品及び食品素材。
- 大豆β−コングリシニンのペプシン分解物を含有した食品及び食品素材。
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