JP2004010497A - オーラル組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、防腐性と安全性に優れ、さらに味、風味などの使用性や服用性も良好なオーラル組成物、具体的には口腔用組成物あるいは経口組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】炭素数4〜10のアルカンジオールおよびモノテルペン化合物を含有し、かつ水分活性(Aw)0.95以下であることを特徴とするオーラル組成物、とする。水分活性の調整は、水分活性調整作用を有する糖類、無機塩、有機塩を使用する。
【選択図】 なし
【解決手段】炭素数4〜10のアルカンジオールおよびモノテルペン化合物を含有し、かつ水分活性(Aw)0.95以下であることを特徴とするオーラル組成物、とする。水分活性の調整は、水分活性調整作用を有する糖類、無機塩、有機塩を使用する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防腐効果に優れると共に、安全性および官能的にも優れたオーラル組成物、特に歯磨などの口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
口腔用組成物や内服剤組成物は、製造・販売段階では無菌状態であるが、開封後は、使用状況や保管状況により外部環境に存在する微生物が混入し、いわゆる2次汚染の危険性が高い。2次汚染によって混入した菌は製品中で増殖し、組成物の腐敗が進行する。そのため、これらの製品を開発する場合は、単に有効成分の配合だけではなく、微生物に対する防腐力を有した組成を提供する必要がある。 一方、口腔用組成物や内服剤組成物は口腔内に直接接触したり、さらに体内に取りこまれる製品であるため、安全性および味などの官能的な面を考慮した組成が必要であり、防腐力のみでなく安全性かつ官能的に優れにた防腐剤が求められている。しかしながら、これらの条件を容易に満たす化合物は見出されておらず、通常防腐剤として用いられる安息香酸ナトリウムやパラベンを用いるのが一般的である。しかしながら、これらは多量に配合すると苦味などの官能品質の劣化をまねき、少ないと防腐力の点で不満足な結果になる。
そこで、従来、防腐剤の添加に加えて、pHや水分活性等の物性を調整することで防腐力を維持する方法が知られている。水分活性(Aw)とは,製剤中の水分のうち微生物が利用できる自由水の尺度のことであり通常、製剤を密閉容器に入れた場合の水蒸気圧をP、純水の飽和の水蒸気圧P0した場合,水分活性(Aw)はP/P0と表わせる。ところでpHや水分活性等を極端に低くし防腐剤を添加しない方法も考案されているが、その場合はpHや水分活性低下に用いられる化合物のために強い酸味や甘味を感じ官能的に嗜好性が極端に低下するという問題点があった。また、通常の防腐剤のない系において、低い水分活性で大部分の細菌の増殖を抑制し死滅させる事が可能であるが、カビ、酵母などの真菌類や一部のグラム陰性菌や耐浸透圧性の菌は、通常歯磨に用いられるAw域において増殖が認められその増殖を抑制する事ができない。前記歯磨分離菌を抑制するまでAwを低下させると味覚の面で問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、防腐性、安全性に優れ、さらに味、風味などの使用性や服用性も良好なオーラル組成物、具体的には口腔用組成物あるいは経口組成物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意努力した結果、特定のアルカンジオールとモノテルペン化合物、特にメントールを含有し、かつ製剤の有する水分活性(Aw)を特定範囲に調整することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、
<1>炭素数4〜10のアルカンジオールおよびメントールを含有し、かつ水分活性(Aw)0.95以下であることを特徴とする、オーラル組成物。
<2>水分活性調整作用を有する糖類、無機塩、有機塩から選ばれる1種以上含有することを特徴とする、<1>に記載のオーラル組成物。
<3>口腔用組成物または経口組成物であることを特徴とする、<1>または<2>に記載のオーラル組成物。
<4>炭素数4〜10のアルカンジオールおよびメントールを含有し、かつ水分活性(Aw)0.95以下であることを特徴とする、オーラル用防腐組成物。
を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のオーラル組成物について詳細に説明する。なお、本発明の「オーラル組成物」とは、口腔内粘膜に接触する可能生のある組成物全般を指し、例えば、歯磨、洗口剤、歯用マニュキア剤などの口腔用組成物や、シロップ剤などの経口組成物等に適用される。
【0007】
本発明で使用する炭素数4〜10、好ましくは5〜8のアルカンジオールは、組成物に防腐作用を付加するために使用される防腐有効成分である。好ましくは1,2位に水酸基を有する1,2−アルカンジオールが好ましい。
【0008】
具体的なアルカンジオールとしては、例えば1,2−ブタンジオール、1,2―ペンタンジオール、1,2―ヘキサンジオール、1,2―ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、3−メチルー1,2―ペンタンジオール、4−メチルー1,2―ペンタンジオール、4,4−ジメチルー1,2―ペンタンジオール、3,4−ジメチルー1,2―ペンタンジオール、シクロペンタンジオール、ビニルシクロヘキサンジオール等が挙げられる。これらの中でも1,2―ペンタンジオール、1,2―ヘキサンジオールが好ましい。
【0009】
なお、上記アルカンジオールは公知の方法を使用して製造したものを用いる事が可能であり、市販品(DRAGOCO製品等)を配合することも可能である。
本発明の炭素数4〜10のアルカンジオールは、組成物中、好ましくは0.001〜2質量%、より好ましくは0.02〜1.5質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%含有される。この範囲で、特に良好な防腐力と使用性、服用性が得られる。
【0010】
本発明で使用するモノテルペン化合物としては、メントール、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リモネン、メントン、カンフルなどがあげられる。好ましいモノテルペン化合物は、メントールである。
モノテルペン化合物の含有量は、組成物中、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1.5質量%である。
【0011】
本発明のオーラル組成物は、水分活性(Aw)を0.95以下に調整する。Awが0.95よりも高いと、本発明の効果は得られない。好ましいAwは、0.8〜0.95、より好ましくは0.85〜0.95である。この範囲で、特に良好な使用性(味、風味)が得られ、しかも防腐力が高い組成物が得られる。
【0012】
前記Awは、組成物中の水分量と、多価アルコール、糖類、塩類から選ばれる水分活性調整作用を有する物質で調整することが好ましい。
【0013】
前記多価アルコールの例としては、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、組成物中、5〜30質量%含有することが好ましい。
【0014】
前記糖類としては、グルコース、フラクトース、アラビノース、ガラクトース、マンノース等の単糖、マルトース、シュクロース、トレハロース、セロビオース、ラクトース、転化糖等の二糖類、ソルビット、キシリット、マンニット、マルチトール等の糖アルコール、アミロース等のオリゴ糖、グルカン、スターチ、セルロース、マンナン、カラギーナンなどの多糖が挙げられる。好ましい含有量は、10〜30質量%である。
【0015】
塩類としては、食塩、塩化マグネシウム、塩化カリウム等の塩化物塩、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどの硫酸化物塩、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、他にリンゴ酸ナトリウム、マロン酸アンモニウム等が挙げられる。塩類の好ましい含有量は組成物中、1〜10質量%である。
【0016】
上記Aw調整作用を有する化合物の中でも特に多価アルコール、糖類が望ましい。特に好ましいAw調整剤は、グリセリン、ソルビットである。
【0017】
また水分量の好ましい範囲は30〜50質量%で、この範囲であれば、優れたAw低下の効果が得られる。
本発明のオーラル組成物には、上記以外の従来オーラル組成物に配合される公知の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で、任意に配合することができる。それらの例としては、例えば、研磨剤、粉体、保湿剤、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン類、各種の界面活性剤、金属イオン封鎖剤、水、高分子化合物、増粘剤、抗炎症剤・ビタミン剤・ホルモン剤などの薬効成分、香料、色素、乳化安定剤、pH調整剤、収斂剤、清涼剤等が挙げられる。
【0018】
なお、本発明のオーラル組成物は従来の防腐剤、殺菌剤を特に必要としない。他の防腐剤や殺菌剤を配合しないことで、従来のマスキング目的の香料などを特に使用する必要がなく、また香味設計の制限がないため非常に有用である。
【0019】
本発明のオーラル組成物の形態としては特に限定されず、化粧料、医薬品、医薬部外品等に広く適用することが可能であり、その剤型も水溶液系、可溶化系、乳化系、油液系、ゲル系、ペースト系、軟膏系、エアゾール系、水―油2層系、水―油―粉末3層系等幅広い剤型を採り得る。すなわち、口腔組成物では歯磨、洗口剤、口腔清掃ガム、クリーム、ジェル、ミスト、スプレー、口腔清掃用含浸シート等の形態に、上記の多様な剤型において広く適用可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のオーラル組成物は歯磨剤などの比較的Awが低く一般的な微生物が増殖しないところで増殖する事が認められる高浸透圧耐性の微生物(耐浸透圧菌)に対しても、防菌性に優れており、更に口腔内での刺激や嗜好性に関する官能的な面でも十分に満足する品質を備えたものである。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
なお、本実施例中、配合量を示す「質量%」または「%」は、特に断りがない限り組成物全量に対する質量%を意味する。
【0022】
<防腐力評価>
細菌はソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地で24時間、酵母、カビはポテトデキストロース培地でそれぞれ48時間、7日培養を行った。
培養後、細菌と酵母は、滅菌生理食塩水に約108〜109個/mlとなるように懸濁し、カビは0.005%スルホコハク酸ジオクチルドデシルナトリウム入り生理食塩水入りに約107個/mlとなるように懸濁し、供試菌液とした。
評価試料歯磨20gに供試菌液0.2mlを添加し十分混合した後、細菌は20℃、酵母、カビは25℃で保存した。
28日後に、各試料1gを無菌的に採取し、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・レシチン・ポリソルベート80液体培地9mlで希釈混合した。その1mlをシャーレにとり細菌はソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・レシチン・ポリソルベート80寒天培地、酵母、カビはグルコース・ペプトン・レシチン・ポリソルベート80寒天培地で混釈を行った。細菌は30℃で4日間、酵母・カビは25℃で7日間培養を行い、試料中の生残菌数を測定した。防腐力の評価としての判定基準を下記の用に設定した。
7日以内で菌が死滅 : ◎
14日以内で菌が死滅 : ○
28日以内に死滅 : △
28日以内に死滅しない: ×
【0023】
<官能評価>
専門パネラー数名により嗜好の度合を下記の基準において判断評価した。
好ましい : ◎
やや好ましい : ○
やや好ましくない : △
好ましくない : ×
表1〜表3の歯磨組成物に対して上記の方法で防腐力と味覚に関する官能評価を行った。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
本発明の歯磨組成物は、防腐効果と味覚官能性に優れた結果が得られた。すなわち、本発明の歯磨組成物は歯磨き分離菌(耐浸透圧菌)などの試験菌株すべての生残菌数が十分に減少していることが確認された。
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防腐効果に優れると共に、安全性および官能的にも優れたオーラル組成物、特に歯磨などの口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
口腔用組成物や内服剤組成物は、製造・販売段階では無菌状態であるが、開封後は、使用状況や保管状況により外部環境に存在する微生物が混入し、いわゆる2次汚染の危険性が高い。2次汚染によって混入した菌は製品中で増殖し、組成物の腐敗が進行する。そのため、これらの製品を開発する場合は、単に有効成分の配合だけではなく、微生物に対する防腐力を有した組成を提供する必要がある。 一方、口腔用組成物や内服剤組成物は口腔内に直接接触したり、さらに体内に取りこまれる製品であるため、安全性および味などの官能的な面を考慮した組成が必要であり、防腐力のみでなく安全性かつ官能的に優れにた防腐剤が求められている。しかしながら、これらの条件を容易に満たす化合物は見出されておらず、通常防腐剤として用いられる安息香酸ナトリウムやパラベンを用いるのが一般的である。しかしながら、これらは多量に配合すると苦味などの官能品質の劣化をまねき、少ないと防腐力の点で不満足な結果になる。
そこで、従来、防腐剤の添加に加えて、pHや水分活性等の物性を調整することで防腐力を維持する方法が知られている。水分活性(Aw)とは,製剤中の水分のうち微生物が利用できる自由水の尺度のことであり通常、製剤を密閉容器に入れた場合の水蒸気圧をP、純水の飽和の水蒸気圧P0した場合,水分活性(Aw)はP/P0と表わせる。ところでpHや水分活性等を極端に低くし防腐剤を添加しない方法も考案されているが、その場合はpHや水分活性低下に用いられる化合物のために強い酸味や甘味を感じ官能的に嗜好性が極端に低下するという問題点があった。また、通常の防腐剤のない系において、低い水分活性で大部分の細菌の増殖を抑制し死滅させる事が可能であるが、カビ、酵母などの真菌類や一部のグラム陰性菌や耐浸透圧性の菌は、通常歯磨に用いられるAw域において増殖が認められその増殖を抑制する事ができない。前記歯磨分離菌を抑制するまでAwを低下させると味覚の面で問題が生じる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、防腐性、安全性に優れ、さらに味、風味などの使用性や服用性も良好なオーラル組成物、具体的には口腔用組成物あるいは経口組成物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意努力した結果、特定のアルカンジオールとモノテルペン化合物、特にメントールを含有し、かつ製剤の有する水分活性(Aw)を特定範囲に調整することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、
<1>炭素数4〜10のアルカンジオールおよびメントールを含有し、かつ水分活性(Aw)0.95以下であることを特徴とする、オーラル組成物。
<2>水分活性調整作用を有する糖類、無機塩、有機塩から選ばれる1種以上含有することを特徴とする、<1>に記載のオーラル組成物。
<3>口腔用組成物または経口組成物であることを特徴とする、<1>または<2>に記載のオーラル組成物。
<4>炭素数4〜10のアルカンジオールおよびメントールを含有し、かつ水分活性(Aw)0.95以下であることを特徴とする、オーラル用防腐組成物。
を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のオーラル組成物について詳細に説明する。なお、本発明の「オーラル組成物」とは、口腔内粘膜に接触する可能生のある組成物全般を指し、例えば、歯磨、洗口剤、歯用マニュキア剤などの口腔用組成物や、シロップ剤などの経口組成物等に適用される。
【0007】
本発明で使用する炭素数4〜10、好ましくは5〜8のアルカンジオールは、組成物に防腐作用を付加するために使用される防腐有効成分である。好ましくは1,2位に水酸基を有する1,2−アルカンジオールが好ましい。
【0008】
具体的なアルカンジオールとしては、例えば1,2−ブタンジオール、1,2―ペンタンジオール、1,2―ヘキサンジオール、1,2―ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、3−メチルー1,2―ペンタンジオール、4−メチルー1,2―ペンタンジオール、4,4−ジメチルー1,2―ペンタンジオール、3,4−ジメチルー1,2―ペンタンジオール、シクロペンタンジオール、ビニルシクロヘキサンジオール等が挙げられる。これらの中でも1,2―ペンタンジオール、1,2―ヘキサンジオールが好ましい。
【0009】
なお、上記アルカンジオールは公知の方法を使用して製造したものを用いる事が可能であり、市販品(DRAGOCO製品等)を配合することも可能である。
本発明の炭素数4〜10のアルカンジオールは、組成物中、好ましくは0.001〜2質量%、より好ましくは0.02〜1.5質量%、更に好ましくは0.1〜1質量%含有される。この範囲で、特に良好な防腐力と使用性、服用性が得られる。
【0010】
本発明で使用するモノテルペン化合物としては、メントール、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リモネン、メントン、カンフルなどがあげられる。好ましいモノテルペン化合物は、メントールである。
モノテルペン化合物の含有量は、組成物中、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、更に好ましくは0.1〜1.5質量%である。
【0011】
本発明のオーラル組成物は、水分活性(Aw)を0.95以下に調整する。Awが0.95よりも高いと、本発明の効果は得られない。好ましいAwは、0.8〜0.95、より好ましくは0.85〜0.95である。この範囲で、特に良好な使用性(味、風味)が得られ、しかも防腐力が高い組成物が得られる。
【0012】
前記Awは、組成物中の水分量と、多価アルコール、糖類、塩類から選ばれる水分活性調整作用を有する物質で調整することが好ましい。
【0013】
前記多価アルコールの例としては、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられる。これらは、組成物中、5〜30質量%含有することが好ましい。
【0014】
前記糖類としては、グルコース、フラクトース、アラビノース、ガラクトース、マンノース等の単糖、マルトース、シュクロース、トレハロース、セロビオース、ラクトース、転化糖等の二糖類、ソルビット、キシリット、マンニット、マルチトール等の糖アルコール、アミロース等のオリゴ糖、グルカン、スターチ、セルロース、マンナン、カラギーナンなどの多糖が挙げられる。好ましい含有量は、10〜30質量%である。
【0015】
塩類としては、食塩、塩化マグネシウム、塩化カリウム等の塩化物塩、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどの硫酸化物塩、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、他にリンゴ酸ナトリウム、マロン酸アンモニウム等が挙げられる。塩類の好ましい含有量は組成物中、1〜10質量%である。
【0016】
上記Aw調整作用を有する化合物の中でも特に多価アルコール、糖類が望ましい。特に好ましいAw調整剤は、グリセリン、ソルビットである。
【0017】
また水分量の好ましい範囲は30〜50質量%で、この範囲であれば、優れたAw低下の効果が得られる。
本発明のオーラル組成物には、上記以外の従来オーラル組成物に配合される公知の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で、任意に配合することができる。それらの例としては、例えば、研磨剤、粉体、保湿剤、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン類、各種の界面活性剤、金属イオン封鎖剤、水、高分子化合物、増粘剤、抗炎症剤・ビタミン剤・ホルモン剤などの薬効成分、香料、色素、乳化安定剤、pH調整剤、収斂剤、清涼剤等が挙げられる。
【0018】
なお、本発明のオーラル組成物は従来の防腐剤、殺菌剤を特に必要としない。他の防腐剤や殺菌剤を配合しないことで、従来のマスキング目的の香料などを特に使用する必要がなく、また香味設計の制限がないため非常に有用である。
【0019】
本発明のオーラル組成物の形態としては特に限定されず、化粧料、医薬品、医薬部外品等に広く適用することが可能であり、その剤型も水溶液系、可溶化系、乳化系、油液系、ゲル系、ペースト系、軟膏系、エアゾール系、水―油2層系、水―油―粉末3層系等幅広い剤型を採り得る。すなわち、口腔組成物では歯磨、洗口剤、口腔清掃ガム、クリーム、ジェル、ミスト、スプレー、口腔清掃用含浸シート等の形態に、上記の多様な剤型において広く適用可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のオーラル組成物は歯磨剤などの比較的Awが低く一般的な微生物が増殖しないところで増殖する事が認められる高浸透圧耐性の微生物(耐浸透圧菌)に対しても、防菌性に優れており、更に口腔内での刺激や嗜好性に関する官能的な面でも十分に満足する品質を備えたものである。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。
なお、本実施例中、配合量を示す「質量%」または「%」は、特に断りがない限り組成物全量に対する質量%を意味する。
【0022】
<防腐力評価>
細菌はソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地で24時間、酵母、カビはポテトデキストロース培地でそれぞれ48時間、7日培養を行った。
培養後、細菌と酵母は、滅菌生理食塩水に約108〜109個/mlとなるように懸濁し、カビは0.005%スルホコハク酸ジオクチルドデシルナトリウム入り生理食塩水入りに約107個/mlとなるように懸濁し、供試菌液とした。
評価試料歯磨20gに供試菌液0.2mlを添加し十分混合した後、細菌は20℃、酵母、カビは25℃で保存した。
28日後に、各試料1gを無菌的に採取し、ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・レシチン・ポリソルベート80液体培地9mlで希釈混合した。その1mlをシャーレにとり細菌はソイビーン・カゼイン・ダイジェスト・レシチン・ポリソルベート80寒天培地、酵母、カビはグルコース・ペプトン・レシチン・ポリソルベート80寒天培地で混釈を行った。細菌は30℃で4日間、酵母・カビは25℃で7日間培養を行い、試料中の生残菌数を測定した。防腐力の評価としての判定基準を下記の用に設定した。
7日以内で菌が死滅 : ◎
14日以内で菌が死滅 : ○
28日以内に死滅 : △
28日以内に死滅しない: ×
【0023】
<官能評価>
専門パネラー数名により嗜好の度合を下記の基準において判断評価した。
好ましい : ◎
やや好ましい : ○
やや好ましくない : △
好ましくない : ×
表1〜表3の歯磨組成物に対して上記の方法で防腐力と味覚に関する官能評価を行った。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
本発明の歯磨組成物は、防腐効果と味覚官能性に優れた結果が得られた。すなわち、本発明の歯磨組成物は歯磨き分離菌(耐浸透圧菌)などの試験菌株すべての生残菌数が十分に減少していることが確認された。
【0028】
【表4】
【0029】
【表5】
Claims (4)
- 炭素数4〜10のアルカンジオールおよびモノテルペン化合物を含有し、かつ水分活性(Aw)0.95以下であることを特徴とする、オーラル組成物。
- 水分活性調整作用を有する糖類、無機塩、有機塩から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする、請求項1に記載のオ−ラル組成物。
- 口腔用組成物または経口組成物であることを特徴とする、請求項1または2に記載のオーラル組成物。
- 炭素数4〜10のアルカンジオールおよびメントールを含有し、かつ水分活性(Aw)0.95以下であることを特徴とする、オーラル用防腐組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002162019A JP2004010497A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | オーラル組成物 |
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JP2002162019A JP2004010497A (ja) | 2002-06-03 | 2002-06-03 | オーラル組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004010497A true JP2004010497A (ja) | 2004-01-15 |
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JP (1) | JP2004010497A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006193493A (ja) * | 2005-01-17 | 2006-07-27 | Adeka Corp | 防腐剤組成物 |
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