JP2004010085A - 飲料ディスペンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍装置からの排熱の排出をスムーズに行う。
【解決手段】給茶機本体10内が区画板11により上下に区画され、下部収容室13内に、冷水タンク27とその中の冷却用水を冷却する冷凍装置等を備えた冷水生成部25が収容される。下部収容室13の天井部分には、仕切板60が張られることで補助室61が形成され、仕切板60に開口された窓孔63内に、凝縮器ファン65が嵌装される。区画板11には、多数の開口70が形成される。冷凍装置を冷却した後の排熱は、凝縮器ファン65により上方に吹き出され、区画板11の開口70を通って上部収容室12に効率良く逃がされたのち、上部収容室12の天井面並びに左右の側面の排気口72から機外に排出される。一部の排熱は、補助室61の左右の側面の排気口73から同様に機外に排出される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温飲料に加えて冷水の注出機能を備えた飲料ディスペンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、冷水注出機能を備えた給茶機の一例として、以下のようなものが知られている。このものは、給茶機本体内が、上部収容室と下部収容室とに画成され、、上部収容室に貯湯タンクを含む湯茶生成部が、下部収容室に、冷水タンクと冷凍装置とを含む冷水生成部がそれぞれ設けられた構造となっている。このものは、特に貯湯タンクと冷水タンクとを上下の収容室に分けて収容するようにしたことで、それぞれのタンク容量を大きく取れ、お茶や冷水の大量供給に対応できるという利点がある。
なおこの種の給茶機は、例えば実公平4−9954号に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、下部収容室に冷水生成部を収容した場合において、冷凍装置を構成する凝縮器等からは熱交換された後の排熱が生ずるのであるが、下部収容室の場合は排気口を設ける位置が制限される等により、排熱がどうしても籠もりやすく、凝縮能力すなわち冷凍装置の冷却能率が低下するという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、冷凍装置からの排熱の排出をスムーズに行うところにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ディスペンサ本体内には上下の収容室が画成され、上部収容室には貯湯タンクを含む温飲料生成部が、下部収容室には、冷水タンクと冷凍装置とを含む冷水生成部がそれぞれ設けられた飲料ディスペンサにおいて、前記上部収容室の底面には、前記冷水生成部からの排熱をこの上部収容室側に逃がす開口が形成され、この排熱を上部収容室の周面に設けられた排気口から機外に排出可能となっている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記下部収容室の天井部には、仕切板が張られることで補助室が形成され、前記仕切板に形成された窓孔に、排熱流通用のファンが装備されているところに特徴を有する。
【0005】
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記補助室の周面には別に排気口が設けられているとともに、前記ファンが、前記下部収容室から吸引した排熱を前記補助室内に放射状に広がって吐出可能な向きに装備されているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載のものにおいて、前記補助室の周面には別に排気口が設けられているとともに、前記ファンの上方には、このファンから吐出された排熱をこの補助室の排気口に向けて案内する案内体が設けられているところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記案内体は、前記上部収容室の底面の開口から前記ファンに向けて落下する水滴を受けて排出する機能を併せて保有しているところに特徴を有する。
【0006】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
下部収容室に設けられた冷水生成部の冷凍装置から立ち上った排熱は、開口を通って上部収容室に効率良く逃がされ、上部収容室の周面に設けられた排気口から機外に排出される。冷凍装置からの排熱が下部収容室内に籠もることなくスムーズに機外に排出されるから、凝縮能力すなわち冷凍装置の持つ冷却能力を向上させることができる。
<請求項2の発明>
下部収容室の排熱は、ファンで引かれて開口を通して上部収容室に逃がされる。補助室を構成すべく張られた仕切板の窓孔にファンを配した構造であるから、仕切板で遮られることにより、ファンから吐出された排熱がその吸引側に回り込むショートサイクルが防止され、排熱をより効率良く逃がすことができる。
【0007】
<請求項3の発明>
ファンにより吸引された排熱は、補助室内で放射状に広がって吐出され、一部の排熱は、補助室の周面の排気口から直接に機外に排出される。ファンから出て直ぐのより高温の状態の排熱が、早い段階で多量に機外に排出できるから、熱の籠もりを防止する上でより有効となる。
<請求項4の発明>
ファンから吐出された排熱は、案内体により補助室の排気口に向けられ、積極的な機外への排出が図られる。
<請求項5の発明>
上部収容室の底面の開口からファンに向けて水滴が落下した場合、案内体で受けられたのち排出される。ファンに水滴が降り懸かることが防止される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を給茶機に適用した実施形態を添付図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1ないし図5によって説明する。図1及び図2において、符号10は給茶機本体であって、前面に開口した縦長の箱形をなし、ほぼ中央高さ位置に区画板11が張られることにより、内部が上部収容室12と下部収容室13とに区画形成されている。両室12,13の前面開口には、扉14,15が揺動開閉可能に装備されており、上部収容室12の扉14には、注出口16が設けられた注出ステージ17と、各種注出スイッチ等が装備された操作パネル18が設けられている。
【0009】
上部収容室12内には湯茶生成部20が設けられており、湯茶生成部20は、貯湯タンク21と、その前方に茶葉供給部(図示せず)等を備えて構成されており、脚22により底面(区画板11)から浮いた状態で収容されている。
一方の下部収容室13には、冷水生成部25が収容されている。この冷水生成部25は、基板26上に、冷水タンク27とその奥側に冷凍装置28とが載せられ、ケース32が被せられてユニット化されている。冷凍装置28を構成する凝縮器29と圧縮機30とは、図2に示すように上下に配されており、冷水タンク27内には、この冷凍装置28によってほぼ一定温度に冷却された冷却用水が貯留され、その中に、螺旋巻きされた冷却管31が浸漬されている。
【0010】
この冷水生成部25は、図3に示すように、扉15を開閉しつつユニットごと下部収容室13に出し入れ可能となっており、図4にも示すように、脚34の奥端に突設された爪35が、下部収容室13の底面の奥に設けられた差込部36に差し込まれ、脚34の手前に突設された取付板37が同底面にねじ38で止められることにより、前面開口から出し入れし、かつ定位置に固定できるようになっている。
また、上記した湯茶生成部20と冷水生成部25にわたって、各種開閉弁が介設された給排水管が配管されている。
【0011】
湯茶生成部20側では、図1に示すように、湯茶用給水弁43が開放されることで、清水が給水管40を通って貯湯タンク21に供給され、ほぼ一定温度に加熱されて温水として貯留される。お茶スイッチが操作されると、お茶注出弁44が開放され、第1注出管45から貯湯タンク21内の温水が茶漉し(図示せず)内の茶葉に向けて吐出されてお茶が生成され、注出口16から注出される。一方、お湯スイッチが操作されると、お湯注出弁46が開放され、第2注出管47から温水がそのままお湯として注出される。
【0012】
冷水生成部25側では、冷水スイッチが操作されると、冷水用給水弁49と冷水注出弁50とが開放され、給水管40からの清水が、冷却用水中に浸漬された冷却管31を流通する間に冷水が生成され、上記の第2注出管47から注出されるようになっている。なお、冷水生成部25すなわち冷水タンク27が下部収容室13に設けられている関係上、冷却管31と冷水注出弁50との間の配管が長くなり、長時間冷水の注出が行われないと、その配管内で待機している冷水が温くなるおそれがある。そのため、冷水の注出が滞っていたら、冷水用給水弁49と排水弁51とが所定時間開放されて、温くなった冷水が押し出され、注出ステージ17に設けられたドレンパン52で受けられたのち、排水管41により機外に排水される。したがって、次の冷水注出時には、良く冷えた冷水が注出できる。なお、この排水経路は、冷却管31内の洗浄用にも利用できる。
【0013】
さて、上記した冷水生成部25では、その稼働中に特に冷凍装置28から排熱が発生するため、これを機外に排出する必要があり、以下この排熱の排出部分の構造について詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、下部収容室13の天井部分には、仕切板60が張られることによって、所定高さの補助室61が形成されている。仕切板60における上記した冷凍装置28の凝縮器29の直上位置には、円形の窓孔63が形成されている。この窓孔63の上側の口縁には、所定高さの筒部64が形成されている。
【0014】
この窓孔63内には、図5に詳細に示すように、凝縮器ファン65が嵌装されている。この凝縮器ファン65は、モータ66により縦軸回りに回転駆動されるようになっており、モータ66は、窓孔63の側方において仕切板60上にブラケット67を介して取り付けられている。凝縮器ファン65の外周と筒部64との間の隙間が小さい程、いわゆるベルマウス効果が得られて、吐出流速を高める等に有利ではあるが、逆に騒音が大きくなるおそれがあるため、上記の隙間寸法は、両者を勘案して決定される。
【0015】
図1に示すように、上記した区画板11(上部収容室12の底面)における奥側に寄った領域、すなわち凝縮器ファン65の設置位置の上方の領域には、複数の長孔状をなす開口70が整列して形成されている。また、上部収容室12の天井面における奥側に寄った領域、左右の側面の上部における奥側に寄った領域には、それぞれ排気口72が形成されている。
なお、補助室61の左右の側面にも、同じく奥側に寄った領域に別の排気口73が形成されている。
一方、図2に示すように、下部収容室13の底面における冷凍装置28の配設位置の直下には、フィルタ75で覆われた吸気口76が形成されているとともに、ケース32における圧縮機30の左右両側の位置、並びに基板26における圧縮機30の直下位置に、それぞれ吸気口77が形成されている。
【0016】
本実施形態の作用は以下のようである。給茶機の稼働時において、冷水生成部25の冷凍装置28が駆動されると、それに併せて凝縮器ファン65も駆動される。これにより、図2の矢印Aに示すように、外気が下部収容室13の底面の吸気口76から引かれ、さらに吸気口77からケース32内に引かれて、圧縮機30から凝縮器29の位置を通って立ち上り、これらを熱交換によって冷却する。この熱交換された後の排熱は、図5に示すように、凝縮器ファン65によって上方に強く吹き出される。
この排熱は、区画板11の開口70を通って上部収容室12に効率良く逃がされ、図2の矢印Bに示すように、上部収容室12の天井面並びに左右の側面の排気口72から機外に排出される。また、凝縮器ファン65から吐出された排熱の一部は、同図の矢印Cに示すように、補助室61の左右の側面の排気口73から同様に機外に排出される。
【0017】
本実施形態によれば、冷水生成部25の冷凍装置28からの排熱は、凝縮器ファン65で引かれて下部収容室13内に籠もることなく、スムーズに機外に排出される。そのため、凝縮器29等の冷却が良好に行われ、凝縮能力すなわち冷凍装置28の持つ冷却能力を向上させることができる。
また、凝縮器ファン65は、補助室61を構成すべく張られた仕切板60の窓孔63に配された構造であるから、仕切板60で遮られることにより、ファン65から吐出された排熱がその吸引側に回り込むショートサイクルが防止され、排熱をより効率良く逃がすことができる。
【0018】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図6ないし図9によって説明する。
この第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、補助室61の底面となる仕切板60の窓孔63内に、凝縮器ファン65Aが嵌装されているが、図7に詳細に示すように、ファン65Aの羽根69の向きが第1実施形態とは逆になっていて、これにより第2実施形態の凝縮器ファン65Aでは、その吐出流が、同図の矢線に示すように、補助室61内で放射状に広がるようになっている。
【0019】
また、凝縮器ファン65Aの上方には、排熱の案内体80が配設されている。この案内体80は、ステンレス鋼板をプレス加工して形成されており、図9に示すように、全体として奥行方向に長い谷状に形成されている。詳細には、正面から見た左側面81が垂直面で、右側面82が緩やかに上方に膨らんだ円弧形面となっており、かつ谷底83の位置が、手前から奥に向けて次第に低く傾斜している。両側面81,82の上縁には取付板85が形成されている。
この案内体80が、図6及び図8に示すように、モータ66を含む凝縮器ファン65Aの上方を覆うような位置で補助室61の天井面(区画板11の下面)に当てられ、取付板85をねじ等で止めることにより取り付けられている。
その他の構造は第1実施形態と同様であって、同一機能を有する部位については同一符号を付すことで、重複した説明は省略する。
【0020】
第2実施形態の作用は以下のようである。
冷凍装置28を通過してこれを冷却した後の排熱は、図7に示すように、凝縮器ファン65Aにより放射状に広がって吹き出され、さらに案内体80で案内されることにより、図6の矢線に示すように、排熱の多くの部分が補助室61の左右の側面に向けられ、同図の矢印Cに示すようにそこに設けられた排気口73から直ちに機外に排出される。残りの排熱は、区画板11の開口70を通って上部収容室12に逃がされたのち、同図の矢印Bに示すように、上部収容室12の天井面並びに左右の側面の排気口72から機外に排出される。
この第2実施形態によれば、凝縮器ファン65Aから出て直ぐのより高温の状態の排熱が、早い段階で多量に機外に排出できるから、熱の籠もりを防止する上でより有効となる。
【0021】
なお、上部収容室12に収容された貯湯タンク21や配管等から水洩れが生じた場合、区画板11に開口70が形成されていることから、この開口70から水滴が落ち、特に凝縮器ファン65Aのモータ66に降り懸かると問題がある。その点この実施形態では、モータ66を含む凝縮器ファン65Aの上方に案内体80が配設されていて、少なくとも凝縮器ファン65Aに降り懸かろうとした水滴は、案内体80の内部に受けられたのち、谷底83に沿ってその奥縁に流れたのち、凝縮器ファン65Aから外れた位置を通って、下部収容室13の底面上に滴下する。すなわち、凝縮器ファン65Aのモータ66に水滴が降り懸かることから保護される。
【0022】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)第1実施形態において、補助室61の底面となる仕切板60の窓孔63に凝縮器ファンを配設するに際して、第2実施形態に示された排熱を放射状に広げて吐出できる凝縮器ファン65Aを用いれば、補助室61の排気口73からの排熱排出が促進でき、このようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0023】
(2)逆に第2実施形態において、第1実施形態のような排熱を直線状に吐出する凝縮器ファン65を用いても、案内体80が排熱を補助室61の排気口73に向けて案内することで、同様にそこからの排熱排出が促進でき、これも本発明の技術的範囲に含まれる。
(3)本発明は、お茶以外にもコーヒ等の他の温飲料に加えて冷水の注出機能を備えた飲料ディスペンサ全般に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の給茶機の内部構造を示す概略斜視図
【図2】その一部切欠正面図
【図3】冷水生成部のユニットの着脱構造を示す一部切欠斜視図
【図4】その一部切欠側面図
【図5】凝縮器ファンの配設構造を示す断面図
【図6】第2実施形態に係る一部切欠正面図
【図7】凝縮器ファンの配設構造を示す断面図
【図8】案内体の配設構造を示す一部切欠分解斜視図
【図9】案内体の斜視図
【符号の説明】
10…給茶機本体(ディスペンサ本体) 11…区画板 12…上部収容室 13…下部収容室 20…湯茶生成部 21…貯湯タンク 25…冷水生成部 27…冷水タンク 28…冷凍装置 60…仕切板 61…補助室 63…窓孔65,65A…凝縮器ファン(ファン) 70…開口 72…(上部収容室12の)排気口 73…(補助室61の)排気口 80…案内体

Claims (5)

  1. ディスペンサ本体内には上下の収容室が画成され、上部収容室には貯湯タンクを含む温飲料生成部が、下部収容室には、冷水タンクと冷凍装置とを含む冷水生成部がそれぞれ設けられた飲料ディスペンサにおいて、
    前記上部収容室の底面には、前記冷水生成部からの排熱をこの上部収容室側に逃がす開口が形成され、この排熱を上部収容室の周面に設けられた排気口から機外に排出可能となっていることを特徴とする飲料ディスペンサ。
  2. 前記下部収容室の天井部には、仕切板が張られることで補助室が形成され、前記仕切板に形成された窓孔に、排熱流通用のファンが装備されていることを特徴とする請求項1記載の飲料ディスペンサ。
  3. 前記補助室の周面には別に排気口が設けられているとともに、前記ファンが、前記下部収容室から吸引した排熱を前記補助室内に放射状に広がって吐出可能な向きに装備されていることを特徴とする請求項2記載の飲料ディスペンサ。
  4. 前記補助室の周面には別に排気口が設けられているとともに、前記ファンの上方には、このファンから吐出された排熱をこの補助室の排気口に向けて案内する案内体が設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の飲料ディスペンサ。
  5. 前記案内体は、前記上部収容室の底面の開口から前記ファンに向けて落下する水滴を受けて排出する機能を併せて保有していることを特徴とする請求項4記載の飲料ディスペンサ。
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