JP2004009677A - インクジェットヘッド用ノズルプレート、インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】液体の吐出精度を極めて高くすることができるインクジェットヘッド用ノズルプレート、インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】液体を吐出するノズル穴を備えたノズルプレートであって、
前記ノズルプレートの液体吐出面の少なくとも前記ノズル穴の外周部に複数の凹凸が設けられ、前記外周部における前記凹凸の凸部の高さの最小値が0.5μm以上であることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【選択図】 なし
【解決手段】液体を吐出するノズル穴を備えたノズルプレートであって、
前記ノズルプレートの液体吐出面の少なくとも前記ノズル穴の外周部に複数の凹凸が設けられ、前記外周部における前記凹凸の凸部の高さの最小値が0.5μm以上であることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体を吐出するインクジェットヘッド、該インクジェットヘッド用ノズルプレート及び該インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
インク等の液体を吐出するインクジェットヘッドでは、インクの吐出口であるノズル穴が設けられたノズルプレートのインク吐出面側のノズル穴の周辺表面の撥液性が不十分であるとインク滴の飛翔方向にズレが生じてしまい吐出精度が下がるという問題があった。
【0003】
特開平2−55140号公報、特開平6−305151号公報では、インクジェットヘッドのノズルプレートのインク吐出面側のノズル穴の周縁部に撥液性の被膜を塗布することにより周縁部のインクの濡れを抑え飛翔方向のズレを抑えるという技術が開示されている。
【0004】
また、特開平5−116327号公報では、吐出口周縁部だけでなく、吐出口の内面やノズルプレートインク吐出面側の裏面の一部に撥液性の被膜を設けてインク滴のばらつきを抑えるという技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のインクジェットヘッドようにノズル穴付近に撥液性の被膜を均一に形成する技術だけでは、十分満足のできる吐出精度が得られていなかった。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、液体の吐出精度を極めて高くすることができるインクジェットヘッド用ノズルプレート、インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は下記構成により達成された。
【0008】
(1) 液体を吐出するノズル穴を複数備えたインクジェットヘッド用ノズルプレートであって、前記ノズル穴の少なくとも一つは液体吐出面の少なくとも前記ノズル穴の外周部に複数の凹凸が設けられ、前記外周部における前記凹凸の凸部の高さの最小値が0.5μm以上であることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0009】
(2) 前記凸部の高さの最小値が1.0μm以上であることを特徴とする(1)に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0010】
(3) 前記凸部の高さの最小値が2.0μm以上であることを特徴とする(1)に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0011】
(4) 前記外周部における前記凹凸の凸部の個数が1個/μm2以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0012】
(5) 前記凹凸は、少なくとも前記ノズル穴の内縁より2.0μm以内の領域に設けられていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0013】
(6) 前記凹凸は、少なくとも前記ノズル穴の内縁より3.0μm以の領域に設けられていることを特徴とする(5)に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0014】
(7) 前記ノズル穴の内径が40μm以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0015】
(8) 前記ノズル穴の内径が30μm以下であることを特徴とする(7)に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0016】
(9) 前記ノズル穴の内径が20μm以下であることを特徴とする(7)に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0017】
(10) 前記凹凸が撥液体機能を有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0018】
(11) 前記凹凸の凸部の少なくとも一部が撥液体機能を有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0019】
(12) 前記凸部の先端部が撥液体機能を有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0020】
(13) 前記ノズル穴の内面が撥液体機能を有することを特徴とする(1)〜(12)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0021】
(14) 撥液体性の被膜により前記撥液体機能が形成されることを特徴とする(10)〜(13)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0022】
(15) (1)〜(14)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレートと、前記ノズル穴と連通し前記ノズル穴に液体を導く液流路と、を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
【0023】
(16) 前記液流路を構成し、該液流路に前記液体を導くための液体供給口を備えた液体室と、前記液流路に対応して、前記ノズル穴を介して液体を吐出させるためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段と、を有することを特徴とする(15)に記載のインクジェットヘッド。
【0024】
(17) (15)又は(16)に記載のインクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ。
【0025】
さらに前記インクジェットヘッド用ノズルプレートの少なくとも一つは以下の構成の少なくとも一つを満たすことが好ましい。
【0026】
前記外周部における前記凸部の個数が10個/μm2以上であることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0027】
前記外周部における前記凸部の個数が50個/μm2以上であることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0028】
インク供給面のノズル穴付近が前記撥液体機能を有することを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0029】
前記インクジェットヘッド用ノズルプレートが撥液体機能を有する部材で構成されていることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0030】
さらに前記インクジェットヘッドの少なくとも一つは以下の構成を満たすことが好ましい。
【0031】
前記ノズル穴と前記液流路との接合部分が親水性機能を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
【0032】
親水性の被膜により前記親水性機能が形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
【0033】
本発明者らは、鋭意研究の結果、液体を吐出するノズル穴を備えたノズルプレートの液体吐出面の少なくともノズル穴の外周部に複数の凹凸を設け、かつ、外周部における前記凹凸の凸部の高さの最小値が0.5μm以上であるインクジェットヘッド用ノズルプレートを有するインクジェットヘッドは、極めて液体の吐出精度が高いということを見出した。これは、ノズル穴の外周部を凹凸の凸部の高さの最小値が0.5μm以上である凹凸面形状とすることにより、吐出される液体とノズル穴の外周部との接触面積を極めて小さくすることができると考えられ、吐出される液体と外周部との接触に起因する吐出角度のズレ、ばらつき等を極めて減少させることができ、吐出精度が高くなったものと推測される。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明の実施形態を詳しく説明するが本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の説明には用語等に対する断定的な表現をしている場合があるが、本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義や技術的な範囲を限定するものではない。
【0035】
図1に、本発明のインクジェットヘッドの一例の構成を斜視図で示す。図1において、1は圧電性セラミック基板、2は本発明のインクジェット用ノズルプレート、3はノズル穴、4は液流路であるインクチャネル、5は側壁、6はカバープレート、7はマニホールドであり、インクの液体供給口8を備えており、インクチャネル4及びマニホールド7により液体室が構成されている。
【0036】
圧電性セラミック基板1にはダイヤモンドブレード等により切削加工され、複数の溝(インクチャネル)4が全て同じ形状で平行に形成され、溝4の側面となる側壁5は矢印の方向に分局されている。側壁5は、ノズル穴3を介して液体を吐出させるためのエネルギーを発生させる吐出エネルギー発生手段となる。溝4の深さは圧電性セラミック基板の一方の端面12に近づくにつれて徐々に浅くなって、端面12近傍では浅溝10とされている。溝4の内面には、その両側面の上半分に金属電極9が蒸着等によって形成されている。インクチャネル4及び浅溝10の内面には、その側面及び底面に金属電極11が蒸着等によって形成されており、金属電極9と金属電極11は連通している。
【0037】
カバープレート6は、セラミック材料又は樹脂材料等から形成され、研削又は切削加工等によって、インク導入口8及びマニホールド7が形成されている。そして、圧電性セラミック基板1の溝4が加工された面とカバープレート6のマニホールド7が加工された面とがエポキシ系接着剤等を用いて接着され、溝4の上面がカバープレート6で覆われてインクの液流路となり、ノズルプレート2の液体供給面側のノズル穴3と接合している。
【0038】
圧電性セラミック基板1及びカバープレート6の端面に、各インクチャネル4の位置に対応する位置にノズル穴3が設けられたノズルプレート2が接着される。ノズルプレートはPET、ポリアルキレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、酢酸セルロース等のプラスチックによって形成されている。
【0039】
さらに本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2を図を用いて説明する。
【0040】
図2は液体吐出面側から見た本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2のノズル穴3付近の概略図である。
【0041】
31はノズル穴3の外周部であり、32はノズル穴3の内縁である。本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2は、ノズル穴3の外周部31に複数の凹凸を設けている。
【0042】
液体吐出面のノズル穴の外周部とは、インクジェットヘッド用ノズルプレートの液体吐出面のうち、液体が吐出されるときに接触する領域である。前述したように、本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2は、吐出される液体とノズル穴3の外周部31との接触面積を極めて小さくすることで、吐出される液体が外周部31との接触に起因する吐出角度のズレ等を極めて減少させることができると考えられる。液体吐出面側のノズル穴3の外周部31に凸部の高さの最小値が0.5以上である複数の凹凸を設けることで、吐出される液体との接触面積を極めて小さくしている。
【0043】
通常ノズル穴3の内縁に沿った一定の幅の領域が液体吐出面のノズル穴の外周部に該当する。前記凹凸は、ノズル穴3の内縁32より幅が2.0μm以内の領域に設けておくことで、物性の異なる液体を吐出させた場合のように接触する領域に多少のずれが生じるような場合でも、そのずれの領域までもほぼ凹凸面とすることができているので好ましい。ノズル穴の内縁より幅が3.0μm以内の領域を凹凸面としておくことがより一層好ましい。これにより、出する液体の種類等を変えた場合においても、インクジェットヘッド用ノズルプレート2の液体吐出面のうち吐出される液体と接触する領域をほぼ完全に凹凸面とすることができており、吐液体の吐出精度を極めて高くすることができる。
【0044】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、凹凸面における凹凸の凸部の個数は1個/μm2以上であることが好ましく、さらに好ましくは10個/μm2以上であり、最も好ましくは50個/μm2である。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0045】
33はノズル穴3の内径を示したものであり、図2に示すようにノズル穴3の内縁32が円形である場合は内縁32の直径となる。また、ノズル穴3の形状は、円形だけでなく、図3に示すように楕円、星型、多角形等でもよい。
【0046】
ノズル穴3の形状が円形でないような場合には、ノズル穴3の内縁32の形状に外接する外接円の直径を内径とする。
【0047】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、ノズル穴3の内径が40μm以下であることが好ましい。より好ましくは30μm以下であり、最も好ましくは20μm以下である。下限は、ノズルプレートとして実用的に用いられる範囲内であればどのような値としてもよい。本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2は極めて高い吐出精度を有しているので、微細なインクジェット画像を形成することに極めて優れている。従って、吐出されるノズル穴の内径を小さくすることで、より微細なインクジェット画像を形成することが可能となる。
【0048】
図4(1)は、本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2をノズル穴3部分で切断した断面図である。34はノズル穴内面である。さらに、図4(1)中に液体吐出面側と液体供給面側を示す。図4(1)中の矢印は液体の吐出方向を示す。
【0049】
図4(2)は、図4(1)のA部分を拡大した図である。35は凹凸の凸部の高さである。
【0050】
なお、凹凸の凸部の高さとは、凹部のうち最も深い点から測定した凸部頂点の高さである。
【0051】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、凸部の高さの最小値が1.0μmであることが好ましく、2.0μmであることがさらに好ましい。上限は、製造上困難とならない範囲であれば特に制限はない。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0052】
凹凸の凸部の高さは、半導体レーザー共焦点原理を用いた測定装置で測定分解能0.01μmで測定することができる。半導体レーザー共焦点原理を用いた測定装置は、例えばVK−8550((株)キーエンス社製)等が挙げられる。
【0053】
また、凹凸の位置については、図5(1)のノズル穴3での断面図に示すように、凹凸の凸部が液体吐出面より埋没している凹凸面形状、図5(2)のノズル穴3での断面図に示すように、凹凸の凸部が液体吐出面より突出している凹凸面形状、あるいは図5の(1)と(2)の中間にあるような凹凸面形状であったとしても、本発明の効果を得ることができる。
【0054】
又、凸部の断面形状を、図6に示すように、三角形、台形、逆台形、長方形形状等としても本発明の効果を得ることができる。
【0055】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、凹凸が撥液体機能を有することが好ましい。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0056】
インクジェットヘッド用ノズルプレート2は、複数あるノズル穴3の一つでも上述したノズル穴の外周部形状を満たしていれば本発明の効果を得ることができるが、ノズル穴3すべてが満たしていることが好ましい。
【0057】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、凹凸の凸部の少なくとも一部が撥液体機能を有することが好ましい。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0058】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、凹凸の凸部の先端部が撥液体機能を有することが好ましい。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0059】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、ノズル穴3の内面34が撥液体機能を有することが好ましい。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0060】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、インク供給面のノズル穴3付近が前記撥液体機能を有することが好ましい。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0061】
撥液体機能は、インクジェットヘッド用ノズルプレートの表面に撥液体性の被膜を形成させることで付与させるのが好ましい。撥液体性の被膜を用いることで、部分的にのみ撥液体性機能を付与させることができるのでコスト等の削減を図ることができる。
【0062】
撥液体性の被膜には具体的には、フッ素系共析メッキ、フッ素系撥水剤、アモルファスカーボン等が挙げられ、フッ素系共析メッキに使用されるフッ素系高分子としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオロアルコキシブタジエン、ポリフルオロビニリデン、ポリフルオロビニル、ポリジパーフルオロアルキルフマレート等を単独にあるいは混合したものが挙げられる。具体的には、サイトップC−205(キヤノン製)、ニムフロン1μ(上村工業製)、フッ化ピッチ(大阪ガス製)等が挙げられる。
【0063】
また、本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2は撥液体機能を有する部材で構成されていてもよい。この場合、インクジェットヘッド用ノズルプレート2及び該ノズルプレート2と液流路を形成する側壁5との接合部分が親水性機能を有することが製造上好ましい。
【0064】
親水性機能は、インクジェットヘッド用ノズルプレートの表面に親水性の被膜を形成させることで付与させるのが好ましい。親水性の被膜を用いることで、部分的にのみ親水性機能を付与させることができるのでコスト等の削減を図ることができる。
【0065】
親水性の被膜には具体的には、PVA膜、ゼラチン膜、さらに、プラズマ処理にてアクリル酸あるいはメタクリル酸を重合させた被膜等が挙げられる。
【0066】
さらに、本発明のインクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンタは、極めて高い吐出精度を有する。
【0067】
次に、本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2の作製方法について説明する。
【0068】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2の作製方法は、本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートが有する凹凸面を形成することができる方法であればどのような方法を用いてもよいが、下記の方法にて作製するとノズル穴3の外周部に正確な凹凸面を形成することができるので好ましい。
【0069】
まず、シリコンウエハー71の表面へネガタイプのフォトレジストをスピンコーターを用いて図7(1)のようにレジスト塗布をする。
【0070】
その後電子ビーム(EB)で、図7(2)に示すように直接露光描画後、現像し、さらに図7(3)に示すように所望の凹凸面のパターニングを行う。なお、パターン露光は、マスクを介して露光する方法も可能で、使用するレジスト材の感光領域に合わせて紫外線、DeepUV光、電子線、X線などから適宜選択することが可能である。
【0071】
更に図7(4)に示すように電鋳加工に必要な、導電層72を形成するためにNiBの無電解めっき処理にて行う。なお、ここで導電層72の形成には、NiP無電解めっき、NiPスパッタ等の手法を用いてもよい。次に図7(5)に示すNi電鋳を行う。
【0072】
次にレジスト剥離溶液に浸漬しレジストを剥離して、図7(6)に示すように凹凸面の形成されたインクジェットヘッド用ノズルプレート2を作製することができる。
【0073】
【実施例】
〈インクジェットヘッド1〜10の作製〉
(1)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−1の作製
ノズルプレート基材として厚さ75μmのポリイミドシート(宇部興産社製、ユーピレックスS)を用い、FEP水性分散液(ダイキン工業(株)製、ネオフロンND−1)をワイヤーバーで乾燥膜厚が3μmになる様に塗布し、常温で放置して乾燥させた。
【0074】
次いで、分散液塗膜面にニチバン社製セロテープ(R)を貼り付け、次いで該塗膜面の反対側面からエキシマレーザー(波長248nmのKrFレーザー、エネルギー密度2.0J/cm2)にて径18μmのノズル穴加工を行った。
【0075】
除電ブロワー中でセロテープ(R)を剥がし、ベーク炉で350℃、1時間の加熱処理を行った。
【0076】
加熱処理終了後、形成された撥インク面にマスキングテープとしてセロテープ(R)を貼り付け、該面の反対側からUVクリーナー(寒個インターナショナル研究所製、UV−660)にて紫外線照射を行って洗浄してノズルプレート2−1を作製した。
(2)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製
シリコンウエハーの表面へネガタイプのフォトレジストを10μm厚みにレジスト塗布をした。ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が0.6μmで、凸部の個数が11個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)で直接露光描画後、現像してパターニングを行った。更に、NiBの無電解めっき処理を行い、Ni電鋳を行った。次に、レジスト剥離溶液に浸漬しレジストを剥離してインクジェットヘッド用ノズルプレート2−2を作製した。
(3)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−3の作製
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製において、ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が1.1μmで、凸部の個数が11個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)によるパターニングを変更した以外は、インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製と同様の方法でインクジェットヘッド用ノズルプレート2−3を作製した。
(4)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−4の作製
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製において、ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が2.1μmで、凸部の個数が11個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)によるパターニングを変更した以外は、インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製と同様の方法でインクジェットヘッド用ノズルプレート2−4を作製した。
(5)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−5の作製
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製において、ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が2.1μmで、凸部の個数が2個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)によるパターニングを変更した以外は、インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製と同様の方法でインクジェットヘッド用ノズルプレート2−5を作製した。
(6)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−6の作製
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製において、ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が2.1μmで、凸部の個数が52個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)によるパターニングを変更した以外は、インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製と同様の方法でインクジェットヘッド用ノズルプレート2−6を作製した。
(7)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−7の作製
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−6の凹凸面の凸部頂点周辺及び液体供給面側のノズル穴付近にアモルファスカーボンの撥水膜を蒸着で形成してインクジェットヘッド用ノズルプレート2−7を作製した。
(8)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−8の作製
シリコンウエハーの表面へネガタイプのフォトレジストを10μm厚みにレジスト塗布をした。ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が2.1μmで、凸部の個数が52個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)で直接露光描画後、現像してパターニングを行った。更に、NiBの無電解めっき処理を行い、Ni電鋳を行った。次に、レジスト剥離溶液に浸漬しレジストを剥離してNiノズルプレートを作製し、これに剥離材を塗布後、再電鋳しネガ型を作製し金型を作製した。この金型を使用してPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)でインクジェットヘッド用ノズルプレート2−8を作製した。
【0077】
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−1〜2−8のノズル穴の外周部を含む内縁より幅が5.0μm以内の領域を下記の測定機を用いて測定したところ、電子ビーム(EB)でパターニングしたとおりの凹凸が形成されていることを確認した。
【0078】
機種:VK−8550
メーカー:(株)キーエンス
測定原理:半導体レーザー共焦点原理
測定分解能:0.01μm
(凸部の数は、規定した面積の凸部の数を下記測定機を使用して、拡大モニター上で1万6000倍に拡大し、目視で数を数えた。深さは、凸部センターに計測ラインを合わせ断面プロファイルより凸部の最頂点、凹部の最底点より測定した。)
図1に示すインクジェットヘッド(インク導入口の径2.0mm、深さ2.0mm、インク流路への開口部の長さ14mm、深さ略一定部分のインク流路が深さ420μm、幅105μm、長さ6.0mm)のインクジェットヘッド用ノズルプレート2をインクジェットヘッド用ノズルプレート2−1〜2−8にそれぞれ変更してインクジェットヘッド1〜8を作製した。
〈インク1の作製〉
下記組成にてインク1を作製した。
《インク組成〜粘度=7.0cps、表面張力=30dyn/cm》
黄色色素 5質量%
〔ダイワ(株)製:Diwa−IJ−Yellow−214−H(DIRECT
YELLOW 86)〕
界面活性剤 0.2質量%
〔日信化学工業(株)製:サーフィノール 465〕
トリエタノールアミン 0.05質量%
尿素 0.05質量%
ジエチレングリコール 30質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5質量%
イオン交換水 59.7質量%
〈インクジェットヘッド1〜8の評価〉
インクジェットヘッド1〜8を用い、インク1を、体積8plのインク滴として駆動電圧10V、周波数30kHzで吐出させ、下記の吐出精度の評価を行った。
〔吐出精度の評価〕
吐出精度は、液滴の吐出角度及び吐出速度で評価し、インクジェット用射出検査機を用いて測定した値を用いた。前記検査機を用いて、インクジェットヘッドのノズル穴より吐出された液滴を2方向よりモニターして、画像処理、分析することにより、ヘッド走査方向(主角度)、及び前記ヘッド走査方向と直行する方向(副角度)の2方向について測定を行った。測定は、液滴を連続20回射出して行った。計20回の測定結果から、各方向における、吐出角度の最大ずれ、同じノズル穴における再現精度として吐出角度の最大ばらつき幅を求めた。さらに計20回の測定結果から、吐出速度の最大ばらつき幅を求めた。
【0079】
結果を表1に示す。吐出角度の最大ずれ、吐出角度の最大ばらつき幅、吐出速度の最大ばらつき幅とも小さいほど吐出精度が高いことになる。
【0080】
【表1】
【0081】
表1に示した結果より、本発明のインクジェットヘッドは吐出精度が極めて高いことが分かった。
【0082】
【発明の効果】
液体の吐出精度を極めて高くすることができるインクジェットヘッド用ノズルプレート、インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドの斜視図である。
【図2】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートの概略図である。
【図3】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートのノズル穴の形状を例示する模式図である。
【図4】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートの断面図である。
【図5】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートの凹凸面形状を例示する模式図である。
【図6】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートの凹凸の凸部の断面形状を例示する模式図である。
【図7】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートの製造工程を示す模式図である。
【符号の説明】
1 圧電性セラミック基板
2 インクジェットヘッド用ノズルプレート
3 ノズル穴
4 インクチャネル
5 側壁
6 カバープレート
7 マニホールド
8 液体供給口
9 金属電極
10 浅溝
11 金属電極
12 端面
31 ノズル穴外周部
32 ノズル穴内縁
33 ノズル穴内径
34 ノズル穴内面
35 凸部の高さ
71 シリコンウエハー
72 導電層
【発明の属する技術分野】
本発明は液体を吐出するインクジェットヘッド、該インクジェットヘッド用ノズルプレート及び該インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
インク等の液体を吐出するインクジェットヘッドでは、インクの吐出口であるノズル穴が設けられたノズルプレートのインク吐出面側のノズル穴の周辺表面の撥液性が不十分であるとインク滴の飛翔方向にズレが生じてしまい吐出精度が下がるという問題があった。
【0003】
特開平2−55140号公報、特開平6−305151号公報では、インクジェットヘッドのノズルプレートのインク吐出面側のノズル穴の周縁部に撥液性の被膜を塗布することにより周縁部のインクの濡れを抑え飛翔方向のズレを抑えるという技術が開示されている。
【0004】
また、特開平5−116327号公報では、吐出口周縁部だけでなく、吐出口の内面やノズルプレートインク吐出面側の裏面の一部に撥液性の被膜を設けてインク滴のばらつきを抑えるという技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のインクジェットヘッドようにノズル穴付近に撥液性の被膜を均一に形成する技術だけでは、十分満足のできる吐出精度が得られていなかった。
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、液体の吐出精度を極めて高くすることができるインクジェットヘッド用ノズルプレート、インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は下記構成により達成された。
【0008】
(1) 液体を吐出するノズル穴を複数備えたインクジェットヘッド用ノズルプレートであって、前記ノズル穴の少なくとも一つは液体吐出面の少なくとも前記ノズル穴の外周部に複数の凹凸が設けられ、前記外周部における前記凹凸の凸部の高さの最小値が0.5μm以上であることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0009】
(2) 前記凸部の高さの最小値が1.0μm以上であることを特徴とする(1)に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0010】
(3) 前記凸部の高さの最小値が2.0μm以上であることを特徴とする(1)に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0011】
(4) 前記外周部における前記凹凸の凸部の個数が1個/μm2以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0012】
(5) 前記凹凸は、少なくとも前記ノズル穴の内縁より2.0μm以内の領域に設けられていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0013】
(6) 前記凹凸は、少なくとも前記ノズル穴の内縁より3.0μm以の領域に設けられていることを特徴とする(5)に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0014】
(7) 前記ノズル穴の内径が40μm以下であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0015】
(8) 前記ノズル穴の内径が30μm以下であることを特徴とする(7)に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0016】
(9) 前記ノズル穴の内径が20μm以下であることを特徴とする(7)に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0017】
(10) 前記凹凸が撥液体機能を有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0018】
(11) 前記凹凸の凸部の少なくとも一部が撥液体機能を有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0019】
(12) 前記凸部の先端部が撥液体機能を有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0020】
(13) 前記ノズル穴の内面が撥液体機能を有することを特徴とする(1)〜(12)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0021】
(14) 撥液体性の被膜により前記撥液体機能が形成されることを特徴とする(10)〜(13)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0022】
(15) (1)〜(14)のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレートと、前記ノズル穴と連通し前記ノズル穴に液体を導く液流路と、を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
【0023】
(16) 前記液流路を構成し、該液流路に前記液体を導くための液体供給口を備えた液体室と、前記液流路に対応して、前記ノズル穴を介して液体を吐出させるためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段と、を有することを特徴とする(15)に記載のインクジェットヘッド。
【0024】
(17) (15)又は(16)に記載のインクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ。
【0025】
さらに前記インクジェットヘッド用ノズルプレートの少なくとも一つは以下の構成の少なくとも一つを満たすことが好ましい。
【0026】
前記外周部における前記凸部の個数が10個/μm2以上であることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0027】
前記外周部における前記凸部の個数が50個/μm2以上であることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0028】
インク供給面のノズル穴付近が前記撥液体機能を有することを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0029】
前記インクジェットヘッド用ノズルプレートが撥液体機能を有する部材で構成されていることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。
【0030】
さらに前記インクジェットヘッドの少なくとも一つは以下の構成を満たすことが好ましい。
【0031】
前記ノズル穴と前記液流路との接合部分が親水性機能を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
【0032】
親水性の被膜により前記親水性機能が形成されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
【0033】
本発明者らは、鋭意研究の結果、液体を吐出するノズル穴を備えたノズルプレートの液体吐出面の少なくともノズル穴の外周部に複数の凹凸を設け、かつ、外周部における前記凹凸の凸部の高さの最小値が0.5μm以上であるインクジェットヘッド用ノズルプレートを有するインクジェットヘッドは、極めて液体の吐出精度が高いということを見出した。これは、ノズル穴の外周部を凹凸の凸部の高さの最小値が0.5μm以上である凹凸面形状とすることにより、吐出される液体とノズル穴の外周部との接触面積を極めて小さくすることができると考えられ、吐出される液体と外周部との接触に起因する吐出角度のズレ、ばらつき等を極めて減少させることができ、吐出精度が高くなったものと推測される。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて本発明の実施形態を詳しく説明するが本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の説明には用語等に対する断定的な表現をしている場合があるが、本発明の好ましい例を示すもので、本発明の用語の意義や技術的な範囲を限定するものではない。
【0035】
図1に、本発明のインクジェットヘッドの一例の構成を斜視図で示す。図1において、1は圧電性セラミック基板、2は本発明のインクジェット用ノズルプレート、3はノズル穴、4は液流路であるインクチャネル、5は側壁、6はカバープレート、7はマニホールドであり、インクの液体供給口8を備えており、インクチャネル4及びマニホールド7により液体室が構成されている。
【0036】
圧電性セラミック基板1にはダイヤモンドブレード等により切削加工され、複数の溝(インクチャネル)4が全て同じ形状で平行に形成され、溝4の側面となる側壁5は矢印の方向に分局されている。側壁5は、ノズル穴3を介して液体を吐出させるためのエネルギーを発生させる吐出エネルギー発生手段となる。溝4の深さは圧電性セラミック基板の一方の端面12に近づくにつれて徐々に浅くなって、端面12近傍では浅溝10とされている。溝4の内面には、その両側面の上半分に金属電極9が蒸着等によって形成されている。インクチャネル4及び浅溝10の内面には、その側面及び底面に金属電極11が蒸着等によって形成されており、金属電極9と金属電極11は連通している。
【0037】
カバープレート6は、セラミック材料又は樹脂材料等から形成され、研削又は切削加工等によって、インク導入口8及びマニホールド7が形成されている。そして、圧電性セラミック基板1の溝4が加工された面とカバープレート6のマニホールド7が加工された面とがエポキシ系接着剤等を用いて接着され、溝4の上面がカバープレート6で覆われてインクの液流路となり、ノズルプレート2の液体供給面側のノズル穴3と接合している。
【0038】
圧電性セラミック基板1及びカバープレート6の端面に、各インクチャネル4の位置に対応する位置にノズル穴3が設けられたノズルプレート2が接着される。ノズルプレートはPET、ポリアルキレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、酢酸セルロース等のプラスチックによって形成されている。
【0039】
さらに本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2を図を用いて説明する。
【0040】
図2は液体吐出面側から見た本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2のノズル穴3付近の概略図である。
【0041】
31はノズル穴3の外周部であり、32はノズル穴3の内縁である。本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2は、ノズル穴3の外周部31に複数の凹凸を設けている。
【0042】
液体吐出面のノズル穴の外周部とは、インクジェットヘッド用ノズルプレートの液体吐出面のうち、液体が吐出されるときに接触する領域である。前述したように、本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2は、吐出される液体とノズル穴3の外周部31との接触面積を極めて小さくすることで、吐出される液体が外周部31との接触に起因する吐出角度のズレ等を極めて減少させることができると考えられる。液体吐出面側のノズル穴3の外周部31に凸部の高さの最小値が0.5以上である複数の凹凸を設けることで、吐出される液体との接触面積を極めて小さくしている。
【0043】
通常ノズル穴3の内縁に沿った一定の幅の領域が液体吐出面のノズル穴の外周部に該当する。前記凹凸は、ノズル穴3の内縁32より幅が2.0μm以内の領域に設けておくことで、物性の異なる液体を吐出させた場合のように接触する領域に多少のずれが生じるような場合でも、そのずれの領域までもほぼ凹凸面とすることができているので好ましい。ノズル穴の内縁より幅が3.0μm以内の領域を凹凸面としておくことがより一層好ましい。これにより、出する液体の種類等を変えた場合においても、インクジェットヘッド用ノズルプレート2の液体吐出面のうち吐出される液体と接触する領域をほぼ完全に凹凸面とすることができており、吐液体の吐出精度を極めて高くすることができる。
【0044】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、凹凸面における凹凸の凸部の個数は1個/μm2以上であることが好ましく、さらに好ましくは10個/μm2以上であり、最も好ましくは50個/μm2である。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0045】
33はノズル穴3の内径を示したものであり、図2に示すようにノズル穴3の内縁32が円形である場合は内縁32の直径となる。また、ノズル穴3の形状は、円形だけでなく、図3に示すように楕円、星型、多角形等でもよい。
【0046】
ノズル穴3の形状が円形でないような場合には、ノズル穴3の内縁32の形状に外接する外接円の直径を内径とする。
【0047】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、ノズル穴3の内径が40μm以下であることが好ましい。より好ましくは30μm以下であり、最も好ましくは20μm以下である。下限は、ノズルプレートとして実用的に用いられる範囲内であればどのような値としてもよい。本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2は極めて高い吐出精度を有しているので、微細なインクジェット画像を形成することに極めて優れている。従って、吐出されるノズル穴の内径を小さくすることで、より微細なインクジェット画像を形成することが可能となる。
【0048】
図4(1)は、本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2をノズル穴3部分で切断した断面図である。34はノズル穴内面である。さらに、図4(1)中に液体吐出面側と液体供給面側を示す。図4(1)中の矢印は液体の吐出方向を示す。
【0049】
図4(2)は、図4(1)のA部分を拡大した図である。35は凹凸の凸部の高さである。
【0050】
なお、凹凸の凸部の高さとは、凹部のうち最も深い点から測定した凸部頂点の高さである。
【0051】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、凸部の高さの最小値が1.0μmであることが好ましく、2.0μmであることがさらに好ましい。上限は、製造上困難とならない範囲であれば特に制限はない。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0052】
凹凸の凸部の高さは、半導体レーザー共焦点原理を用いた測定装置で測定分解能0.01μmで測定することができる。半導体レーザー共焦点原理を用いた測定装置は、例えばVK−8550((株)キーエンス社製)等が挙げられる。
【0053】
また、凹凸の位置については、図5(1)のノズル穴3での断面図に示すように、凹凸の凸部が液体吐出面より埋没している凹凸面形状、図5(2)のノズル穴3での断面図に示すように、凹凸の凸部が液体吐出面より突出している凹凸面形状、あるいは図5の(1)と(2)の中間にあるような凹凸面形状であったとしても、本発明の効果を得ることができる。
【0054】
又、凸部の断面形状を、図6に示すように、三角形、台形、逆台形、長方形形状等としても本発明の効果を得ることができる。
【0055】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、凹凸が撥液体機能を有することが好ましい。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0056】
インクジェットヘッド用ノズルプレート2は、複数あるノズル穴3の一つでも上述したノズル穴の外周部形状を満たしていれば本発明の効果を得ることができるが、ノズル穴3すべてが満たしていることが好ましい。
【0057】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、凹凸の凸部の少なくとも一部が撥液体機能を有することが好ましい。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0058】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、凹凸の凸部の先端部が撥液体機能を有することが好ましい。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0059】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、ノズル穴3の内面34が撥液体機能を有することが好ましい。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0060】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2では、インク供給面のノズル穴3付近が前記撥液体機能を有することが好ましい。これにより、より一層液体の吐出精度を高くすることができる。
【0061】
撥液体機能は、インクジェットヘッド用ノズルプレートの表面に撥液体性の被膜を形成させることで付与させるのが好ましい。撥液体性の被膜を用いることで、部分的にのみ撥液体性機能を付与させることができるのでコスト等の削減を図ることができる。
【0062】
撥液体性の被膜には具体的には、フッ素系共析メッキ、フッ素系撥水剤、アモルファスカーボン等が挙げられ、フッ素系共析メッキに使用されるフッ素系高分子としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリパーフルオロアルコキシブタジエン、ポリフルオロビニリデン、ポリフルオロビニル、ポリジパーフルオロアルキルフマレート等を単独にあるいは混合したものが挙げられる。具体的には、サイトップC−205(キヤノン製)、ニムフロン1μ(上村工業製)、フッ化ピッチ(大阪ガス製)等が挙げられる。
【0063】
また、本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2は撥液体機能を有する部材で構成されていてもよい。この場合、インクジェットヘッド用ノズルプレート2及び該ノズルプレート2と液流路を形成する側壁5との接合部分が親水性機能を有することが製造上好ましい。
【0064】
親水性機能は、インクジェットヘッド用ノズルプレートの表面に親水性の被膜を形成させることで付与させるのが好ましい。親水性の被膜を用いることで、部分的にのみ親水性機能を付与させることができるのでコスト等の削減を図ることができる。
【0065】
親水性の被膜には具体的には、PVA膜、ゼラチン膜、さらに、プラズマ処理にてアクリル酸あるいはメタクリル酸を重合させた被膜等が挙げられる。
【0066】
さらに、本発明のインクジェットヘッドを搭載したインクジェットプリンタは、極めて高い吐出精度を有する。
【0067】
次に、本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2の作製方法について説明する。
【0068】
本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレート2の作製方法は、本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートが有する凹凸面を形成することができる方法であればどのような方法を用いてもよいが、下記の方法にて作製するとノズル穴3の外周部に正確な凹凸面を形成することができるので好ましい。
【0069】
まず、シリコンウエハー71の表面へネガタイプのフォトレジストをスピンコーターを用いて図7(1)のようにレジスト塗布をする。
【0070】
その後電子ビーム(EB)で、図7(2)に示すように直接露光描画後、現像し、さらに図7(3)に示すように所望の凹凸面のパターニングを行う。なお、パターン露光は、マスクを介して露光する方法も可能で、使用するレジスト材の感光領域に合わせて紫外線、DeepUV光、電子線、X線などから適宜選択することが可能である。
【0071】
更に図7(4)に示すように電鋳加工に必要な、導電層72を形成するためにNiBの無電解めっき処理にて行う。なお、ここで導電層72の形成には、NiP無電解めっき、NiPスパッタ等の手法を用いてもよい。次に図7(5)に示すNi電鋳を行う。
【0072】
次にレジスト剥離溶液に浸漬しレジストを剥離して、図7(6)に示すように凹凸面の形成されたインクジェットヘッド用ノズルプレート2を作製することができる。
【0073】
【実施例】
〈インクジェットヘッド1〜10の作製〉
(1)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−1の作製
ノズルプレート基材として厚さ75μmのポリイミドシート(宇部興産社製、ユーピレックスS)を用い、FEP水性分散液(ダイキン工業(株)製、ネオフロンND−1)をワイヤーバーで乾燥膜厚が3μmになる様に塗布し、常温で放置して乾燥させた。
【0074】
次いで、分散液塗膜面にニチバン社製セロテープ(R)を貼り付け、次いで該塗膜面の反対側面からエキシマレーザー(波長248nmのKrFレーザー、エネルギー密度2.0J/cm2)にて径18μmのノズル穴加工を行った。
【0075】
除電ブロワー中でセロテープ(R)を剥がし、ベーク炉で350℃、1時間の加熱処理を行った。
【0076】
加熱処理終了後、形成された撥インク面にマスキングテープとしてセロテープ(R)を貼り付け、該面の反対側からUVクリーナー(寒個インターナショナル研究所製、UV−660)にて紫外線照射を行って洗浄してノズルプレート2−1を作製した。
(2)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製
シリコンウエハーの表面へネガタイプのフォトレジストを10μm厚みにレジスト塗布をした。ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が0.6μmで、凸部の個数が11個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)で直接露光描画後、現像してパターニングを行った。更に、NiBの無電解めっき処理を行い、Ni電鋳を行った。次に、レジスト剥離溶液に浸漬しレジストを剥離してインクジェットヘッド用ノズルプレート2−2を作製した。
(3)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−3の作製
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製において、ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が1.1μmで、凸部の個数が11個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)によるパターニングを変更した以外は、インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製と同様の方法でインクジェットヘッド用ノズルプレート2−3を作製した。
(4)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−4の作製
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製において、ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が2.1μmで、凸部の個数が11個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)によるパターニングを変更した以外は、インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製と同様の方法でインクジェットヘッド用ノズルプレート2−4を作製した。
(5)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−5の作製
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製において、ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が2.1μmで、凸部の個数が2個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)によるパターニングを変更した以外は、インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製と同様の方法でインクジェットヘッド用ノズルプレート2−5を作製した。
(6)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−6の作製
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製において、ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が2.1μmで、凸部の個数が52個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)によるパターニングを変更した以外は、インクジェットヘッド用ノズルプレート2−2の作製と同様の方法でインクジェットヘッド用ノズルプレート2−6を作製した。
(7)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−7の作製
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−6の凹凸面の凸部頂点周辺及び液体供給面側のノズル穴付近にアモルファスカーボンの撥水膜を蒸着で形成してインクジェットヘッド用ノズルプレート2−7を作製した。
(8)インクジェットヘッド用ノズルプレート2−8の作製
シリコンウエハーの表面へネガタイプのフォトレジストを10μm厚みにレジスト塗布をした。ノズル穴径18μm、ノズル穴の内縁より幅が5.0μm以内の領域に、凸部高さの最小値が2.1μmで、凸部の個数が52個/μm2の凹凸形状となるように電子ビーム(EB)で直接露光描画後、現像してパターニングを行った。更に、NiBの無電解めっき処理を行い、Ni電鋳を行った。次に、レジスト剥離溶液に浸漬しレジストを剥離してNiノズルプレートを作製し、これに剥離材を塗布後、再電鋳しネガ型を作製し金型を作製した。この金型を使用してPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)でインクジェットヘッド用ノズルプレート2−8を作製した。
【0077】
インクジェットヘッド用ノズルプレート2−1〜2−8のノズル穴の外周部を含む内縁より幅が5.0μm以内の領域を下記の測定機を用いて測定したところ、電子ビーム(EB)でパターニングしたとおりの凹凸が形成されていることを確認した。
【0078】
機種:VK−8550
メーカー:(株)キーエンス
測定原理:半導体レーザー共焦点原理
測定分解能:0.01μm
(凸部の数は、規定した面積の凸部の数を下記測定機を使用して、拡大モニター上で1万6000倍に拡大し、目視で数を数えた。深さは、凸部センターに計測ラインを合わせ断面プロファイルより凸部の最頂点、凹部の最底点より測定した。)
図1に示すインクジェットヘッド(インク導入口の径2.0mm、深さ2.0mm、インク流路への開口部の長さ14mm、深さ略一定部分のインク流路が深さ420μm、幅105μm、長さ6.0mm)のインクジェットヘッド用ノズルプレート2をインクジェットヘッド用ノズルプレート2−1〜2−8にそれぞれ変更してインクジェットヘッド1〜8を作製した。
〈インク1の作製〉
下記組成にてインク1を作製した。
《インク組成〜粘度=7.0cps、表面張力=30dyn/cm》
黄色色素 5質量%
〔ダイワ(株)製:Diwa−IJ−Yellow−214−H(DIRECT
YELLOW 86)〕
界面活性剤 0.2質量%
〔日信化学工業(株)製:サーフィノール 465〕
トリエタノールアミン 0.05質量%
尿素 0.05質量%
ジエチレングリコール 30質量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5質量%
イオン交換水 59.7質量%
〈インクジェットヘッド1〜8の評価〉
インクジェットヘッド1〜8を用い、インク1を、体積8plのインク滴として駆動電圧10V、周波数30kHzで吐出させ、下記の吐出精度の評価を行った。
〔吐出精度の評価〕
吐出精度は、液滴の吐出角度及び吐出速度で評価し、インクジェット用射出検査機を用いて測定した値を用いた。前記検査機を用いて、インクジェットヘッドのノズル穴より吐出された液滴を2方向よりモニターして、画像処理、分析することにより、ヘッド走査方向(主角度)、及び前記ヘッド走査方向と直行する方向(副角度)の2方向について測定を行った。測定は、液滴を連続20回射出して行った。計20回の測定結果から、各方向における、吐出角度の最大ずれ、同じノズル穴における再現精度として吐出角度の最大ばらつき幅を求めた。さらに計20回の測定結果から、吐出速度の最大ばらつき幅を求めた。
【0079】
結果を表1に示す。吐出角度の最大ずれ、吐出角度の最大ばらつき幅、吐出速度の最大ばらつき幅とも小さいほど吐出精度が高いことになる。
【0080】
【表1】
【0081】
表1に示した結果より、本発明のインクジェットヘッドは吐出精度が極めて高いことが分かった。
【0082】
【発明の効果】
液体の吐出精度を極めて高くすることができるインクジェットヘッド用ノズルプレート、インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドの斜視図である。
【図2】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートの概略図である。
【図3】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートのノズル穴の形状を例示する模式図である。
【図4】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートの断面図である。
【図5】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートの凹凸面形状を例示する模式図である。
【図6】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートの凹凸の凸部の断面形状を例示する模式図である。
【図7】本発明のインクジェットヘッド用ノズルプレートの製造工程を示す模式図である。
【符号の説明】
1 圧電性セラミック基板
2 インクジェットヘッド用ノズルプレート
3 ノズル穴
4 インクチャネル
5 側壁
6 カバープレート
7 マニホールド
8 液体供給口
9 金属電極
10 浅溝
11 金属電極
12 端面
31 ノズル穴外周部
32 ノズル穴内縁
33 ノズル穴内径
34 ノズル穴内面
35 凸部の高さ
71 シリコンウエハー
72 導電層
Claims (17)
- 液体を吐出するノズル穴を複数備えたインクジェットヘッド用ノズルプレートであって、
前記ノズル穴の少なくとも一つはの液体吐出面の少なくとも前記ノズル穴の外周部に複数の凹凸が設けられ、前記外周部における前記凹凸の凸部の高さの最小値が0.5μm以上であることを特徴とするインクジェットヘッド用ノズルプレート。 - 前記凸部の高さの最小値が1.0μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記凸部の高さの最小値が2.0μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記外周部における前記凹凸の凸部の個数が1個/μm2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記凹凸は、少なくとも前記ノズル穴の内縁より2.0μm以内の領域に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記凹凸は、少なくとも前記ノズル穴の内縁より3.0μm以内の領域に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記ノズル穴の内径が40μm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記ノズル穴の内径が30μm以下であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記ノズル穴の内径が20μm以下であることを特徴とする請求項7に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記凹凸が撥液体機能を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記凹凸の凸部の少なくとも一部が撥液体機能を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記凸部の先端部が撥液体機能を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 前記ノズル穴の内面が撥液体機能を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 撥液体性の被膜により前記撥液体機能が形成されることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレート。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド用ノズルプレートと、
前記ノズル穴と連通し前記ノズル穴に液体を導く液流路と、
を有することを特徴とするインクジェットヘッド。 - 前記液流路を構成し、該液流路に前記液体を導くための液体供給口を備えた液体室と、
前記液流路に対応して、前記ノズル穴を介して液体を吐出させるためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生手段と、
を有することを特徴とする請求項15に記載のインクジェットヘッド。 - 請求項15又は16に記載のインクジェットヘッドを有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
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Cited By (3)
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-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002169805A patent/JP2004009677A/ja not_active Withdrawn
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