JP2004009633A - プリフォーム首部の結晶化方法およびプリフォームホルダ - Google Patents

プリフォーム首部の結晶化方法およびプリフォームホルダ Download PDF

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中村 喜則
Yoichi Nezu
祢津 陽一
Hidehiko Fukai
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Abstract

【課題】二軸延伸ブロー成形容器を得るための一次成形品であるプリフォームの首部の結晶化を適切に行うことのできる結晶化方法およびプリフォームホルダを提案すること。
【解決手段】プリフォームPの首部32を結晶化するために使用するプリフォームホルダ20は、プリフォーム首部32のネックリング34をホルダ上端面28から浮かせるためのゴムリング27が胴部内周面に取り付けられており、加熱部4においては、プリフォームホルダ20から露出している首部32に0.8〜2μm波長の近赤外線が照射され、内外温度差が極めて少ない状態で加熱される。また、ネックリング34がホルダ上端面28から浮いているのでこの部分も充分に加熱される。よって、プリフォームPの首部32の全体を均一に結晶化でき、この部分の耐熱性などを改善できる。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性のプラスチック容器を二軸延伸ブロー成形により得るための一次成形品であるプリフォームの首部を結晶化する方法に関するものである。また、本発明はプリフォームの首部のみを結晶化させるために当該首部のみが露出した状態でプリフォームを保持可能なプリフォームホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PETボトルなどのプラスチック容器は、一次成形品であるプリフォームを二軸延伸ブロー成形することにより製造されている。この容器における二軸延伸ブロー成形されている容器胴部では二軸方向に分子配向されているので、透明性、耐衝撃性、耐熱性などに優れている。しかるに、キャップをねじ込むねじ部が形成されている首部については二軸延伸が行われず、一次成形品であるプリフォームにおける分子状態のままである。このために、二軸延伸成形されたプラスチック容器の首部は、内容物の熱間充填や高温殺菌工程などにおいて熱変形して、ねじ部の密閉性の低下や、首部が熱変形して外観が損なわれるなどの弊害が起き易い。
【0003】
このような弊害の発生を防止するために、従来においては、二軸延伸ブロー成形に先立って、プリフォームの首部を加熱して結晶化させて、耐熱性などを向上させるようにしている。例えば、特公平5−9261号公報には、プリフォームの首部に6〜15μm、好ましくは7〜9μmの赤外線を照射することにより当該首部を内周面および外周面間の温度差が少ない状態で加熱して結晶化する方法が提案されている。
【0004】
また、特公平6−22876号公報には、首部のみが露出した状態となるようにプリフォームをホルダに差し込むと共に、首部のネックリングがホルダの上端面に接しない状態となるようにホルダ底部にプリフォーム受け部材を内蔵することが提案されている。このホルダを用いれば、露出している首部のみを効率良く加熱することができる。また、首部のネックリングがホルダに接触していないので、ネックリングの熱がホルダ側に放出されることを防止できるので、当該ネックリングの部分も確実に加熱して結晶化することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の従来技術に比べて、内部および外部の温度差の少ない状態でプリフォームの首部を加熱して結晶化することのできるプリフォーム首部の結晶化方法を提案することにある。
【0006】
また、本発明の課題は、プリフォーム首部の結晶化方法に用いるプリフォームホルダにおいて、首部の加熱時にはプリフォームの首部のネックリングをホルダ上端開口面に接触しないように保持可能であり、加熱後における首部の寸法を調整する最終工程においてはネックリングがホルダ上端開口面に接触した状態を形成できる、極めて簡単な構造のプリフォーム支持機構を提案することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、耐熱性プラスチック容器を二軸延伸ブロー成形により得るためのプリフォームの首部を結晶化させる方法において、非晶状態の前記首部に0.8〜2.0μm波長の近赤外線を照射して、当該首部を加熱することを特徴としている。
【0008】
ここで、当該首部の結晶化度が25〜45%となるように加熱すればよい。
【0009】
本発明者等の実験によれば、上記波長の近赤外線を照射してPET等の熱可塑性プラスチックからなるプリフォームの首部を加熱すると、その内部および外部の温度差を抑制でき、均一な加熱状態を形成できることが確認された。また、結晶化度を25〜40%にすることにより、熱変形の起きない充分な耐熱性を備えた首部が得られることも確認された。
【0010】
ここで、前記プリフォームを、その首部のみが露出した状態となるように、筒状のプリフォームホルダに差し込み、このホルダから露出している前記首部に前記近赤外線を照射すればよい。
【0011】
また、当該プリフォームの首部のネックリングが前記ホルダの上端開口面に接触していると、当該ネックリングの熱がホルダに伝導してしまうので、当該ネックリングの下面部分は結晶化のための充分な熱量を保持できず、結晶化不良が発生してしまう。かかる弊害を回避するためには、当該ネックリングが前記ホルダの上端開口面から離れた状態となるように、当該プリフォームを前記ホルダの上端開口から差し込むことが望ましい。
【0012】
この状態を形成するためには、前記ホルダの内周面に沿ってリングを配置し、このリングの内径寸法を前記プリフォームの胴部の最大外径寸法よりも小さくなるように設定し、当該リングと前記プリフォームの胴部との係合によって、前記ネックリングが前記上端開口面から離れた状態を形成することが望ましい。
【0013】
本発明によれば、ホルダ内周面にリングを取り付けるという極めて簡単な構成のプリフォーム支持機構により、ネックリングがホルダ上端面から浮き上がった状態を形成できるので、ホルダのコスト低減などに極めて有利である。
【0014】
また、前記ホルダの内周面における軸線方向の異なる位置に複数本のリング装着溝を形成しておけば、使用するプリフォームに応じて、これらリング装着部の一つに前記リングを装着することにより、前記ネックリングが前記上端開口面から所定量だけ離れた状態を簡単に形成できる。
【0015】
次に、加熱後の首部は加熱されて熱膨張して柔らかな状態にあるので、当該首部の内部に最終製品寸法になるようなピン(フォーミングピン)を挿入して内径寸法や形状を補正あるいは調整している。同時に、フォーミングピンの端面により、首部をホルダ上端開口面に押付けることにより、首部の軸線方向の寸法を調整している。
【0016】
かかる寸法調整時において、首部のネックリングがホルダ上端開口面から浮き上がった状態のままでは、当該首部の軸線方向の寸法を規定することができない。
【0017】
そこで、本発明においては、前記リングとして弾性変形可能なゴムリングあるいはプラスチックリングを用いることにより、前記フォーミングピンの挿入力によって前記リングが弾性変形して押し広げられて前記プリフォームが全体として前記プリフォームホルダ内に押し込まれ、前記首部のネックリングが前記プリフォームホルダの前記上端開口面に当接した状態が形成されるようになっている。
【0018】
このように、弾性変形可能なリングをプリフォームホルダの内周面に取り付けた極めて簡単な構造のプリフォーム支持機構により、首部の加熱時にはそのネックリングをホルダ上端開口面から離した状態を形成でき、首部の軸線方向の寸法を調整する際には首部に挿入したフォーミングピンを押し込むだけで、首部のネックリングをホルダ上端開口面に押し当てた状態を形成できる。
【0019】
また、この場合、前記リングを、前記ホルダの外側から当該ホルダに形成した貫通孔を通して、その内周面に形成したリング装着溝に装着することができる。
【0020】
次に、本発明は、耐熱性プラスチック容器を二軸延伸ブロー成形により得るための一次製品であるプリフォームの首部を加熱して結晶化させるために、前記首部のみを露出した状態で保持可能なプリフォームホルダであって、
筒状胴部と、前記プリフォームが差し込まれる前記筒状胴部の上端開口と、前記筒状胴部の内周面に沿って配置されたリングとを有し、
このリングの内径寸法は前記プリフォームの胴部の最大外径寸法よりも小さくなるように設定されており、
当該リングと前記プリフォームの胴部との係合によって、前記プリフォームの首部のネックリングが前記上端開口から所定量だけ浮いた状態が形成されることを特徴としている。
【0021】
ここで、前記筒状胴部の内周面における異なる軸線方向の位置に複数本のリング装着溝を形成し、これらリング装着部の一つに前記リングを装着することにより、前記ネックリングが前記上端開口から所定量だけ浮き上がった状態を形成することが望ましい。
【0022】
また、前記リングを弾性変形可能なゴムリングあるいはプラスチックリングとし、前記プリフォームを所定以上の力で押し込むと、前記リングが弾性変形して押し広げられて当該プリフォームが全体として前記プリフォームホルダ内に押し込まれ、前記首部のネックリングが前記プリフォームホルダの前記上端開口面に当接した状態が形成されることが望ましい。
【0023】
さらに、前記筒状胴部には前記リングを外側から前記内周面の側に挿入するためのリング挿入用の貫通孔を形成しておき、前記リングを、前記貫通孔を通して、前記内周面に形成した前記リング装着溝に装着できるようにすることが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したPETボトル用のプリフォームの首部を結晶化するための結晶化装置を説明する。
【0025】
図1は本例のプリフォーム首部の結晶化装置の概略構成を示す説明図である。この図に示すように、結晶化装置1は、プリフォーム供給部2と、このプリフォーム供給部2から供給されたプリフォームPを所定のピッチで搬送するための搬送路3と、この搬送路3に沿って配置された複数の加熱部4と、加熱後のプリフォーム首部を冷却する冷却部5と、冷却後のプリフォーム首部にフォーミングピンを差し込むことにより冷却硬化時の首部の変形を防止するピン差し込み部6と、首部が充分に冷却硬化した後の当該首部からフォーミングピンを抜き取るピン抜き取り部7と、フォーミングピンが抜き取られた後のプリフォームを搬送路3から搬出する搬出部8とを含んでいる。
【0026】
図2は加熱部4を通って搬送されるプリフォームPを示す説明図である。本例の搬送路3は所定の無限軌道を形成している移動チェーン11によって規定されており、この移動チェーン11における垂直に配置されているリンク連結ピン12には、同軸状態でホルダキャリア13が回転自在の状態で支持されている。このホルダキャリア13の外周面における下側部分には外歯歯車14が一体形成されており、この外歯歯車14は、搬送路3に沿って配列されている固定側チェーン15に噛み合っている。従って、移動チェーン11によって搬送されるホルダキャリア13はその中心軸線13aを中心に自転しながら搬送される。
【0027】
ホルダキャリア13の外周面の上側部分には円環状のフランジ16が形成されており、この円環状上面17に、プリフォームPを搬送するためのプリフォームホルダ20が同軸状態に乗っている。すなわち、ホルダキャリア13の外周面の上端部分が円筒状のプリフォームホルダ20の下端開口部21に対して下側から所定量だけ差し込まれて、当該プリフォームキャリア20の円環状下端面21aが円環状上面17に乗っている。
【0028】
円筒状のプリフォームホルダ20は、上端開口部22および下端開口部21を備えた縦長の円筒状胴部23を備えている。この円筒状胴部23の内周面24には、その下端側の部分に、所定間隔で、当該内周面24に沿って形成された複数本のリング装着溝、図示の例では3本のリング装着溝25(1)〜25(3)が形成されている。各リング装着溝はそれぞれ円筒状胴部23の中心軸線に直交する平面上に位置するように形成されており、ほぼ矩形断面をしている。また、各リング装着溝25(1)〜25(3)には、円筒状胴部23に形成した円形貫通孔26(1)〜26(3)が連通している。本例では、最も上に形成されているリング装着溝25(1)に円形断面のゴムリング27が装着されている。
【0029】
プリフォームホルダ20にはその上端開口部22からプリフォームPが正立姿勢で差し込まれている。プリフォームPは、二軸延伸成形される有底の円筒状胴部31と、この円筒状胴部31の上端に形成されている首部32とを備えており、首部32の外周面にはねじ部33が形成され、その下端部分には広幅のネックリング34が形成されている。円筒状胴部31の下端部分は僅かにテーパの付いた状態で窄まっているテーパ部分35となっており、このテーパ部分35の下端部分が略半球状の底部36とされている。
【0030】
ここで、本例のリング装着溝25(1)に装着されているゴムリング27の内径寸法は、プリフォームPの円筒状胴部31の外径寸法Dよりも僅かに小さな寸法に設定されている。従って、プリフォームホルダ20に上側から正立姿勢で差し込まれたプリフォームPは、そのテーパ部分35の上端部分がゴムリング27に嵌った高さ位置に保持されている。この状態において、ネックリング34の下面PAとプリフォームホルダ20の上端開口面HAとの間に僅かの隙間が形成されるようになっている。換言すると、プリフォームPのネックリング34はプリフォームホルダ20の上端開口面HAから僅かに浮いた状態で当該プリフォームホルダ20に差し込まれている。
【0031】
次に、加熱部4には、その側方部分に搬送方向に沿って延びる複数本のヒータ41が配置されている。各ヒータ41は、0.8〜2μmの範囲内の波長を有する近赤外線を照射するヒータである。この加熱部4を、プリフォームホルダ20に差し込まれた状態で搬送されるプリフォームPは、その首部32のみが露出しており、円筒状胴部31はプリフォームホルダ20によって覆われているので、露出している首部32にのみ近赤外線が照射され、この部分のみが加熱されて結晶化される。本例では、当該首部32の結晶化が25〜45%になるように加熱するようにしている。
【0032】
加熱部4において0.8〜2μmの範囲内の波長の近赤外線が露出しているプリフォームPの首部32に照射され、当該部分を加熱する。かかる波長範囲の近赤外線を照射することにより、首部32はその内面および外面の温度差が少ない状態で均一に加熱されることが確認された。また、プリフォームPのネックリング34の下面PAはプリフォームホルダ20の上端開口面HAから浮き上がっているので、この部分の加熱も充分に行われる。よって、首部32の全体が均一に加熱されて各部分が均一に結晶化される。
【0033】
すなわち、ネックリング下面PAがホルダ上端開口面HAに接触した状態で加熱されると、当該ネックリング下面部分の熱がホルダ側に伝導して逃げてしまうので、当該部分が充分に加熱されず、従って、充分な結晶化を期待できない。しかし、本例では、ネックリング下面PAがホルダ上端開口面HAから離れているので、ネックリング下面部分が充分に加熱され、充分に結晶化される。
【0034】
また、本例のプリフォームホルダ20では、プリフォームPのネックリング34をホルダ上端開口面HAに接しないようにするためのプリフォーム支持機構が、リング装着溝25(1)〜25(3)とゴムリング27からなる極めて簡単な構成となっている。従って、従来のようにホルダ底部にばね部材などからなる受け部材を配置する場合に比べてプリフォームホルダを極めて廉価に製造できる。
【0035】
さらに、複数本のリング装着溝25(1)〜25(3)を形成してあるので、結晶化対象のプリフォームPの長さに合わせてゴムリング27の装着位置を変更することにより、結晶化対象のプリフォームPのネックリング34をホルダ上端開口面HAから確実に離すことができる。ゴムリング27の装着位置を変更するためには、貫通孔26(1)〜26(3)を通してゴムリング27の取り外しおよび装着を行えばよいので、かかる作業も極めて簡単である。
【0036】
次に、加熱部4を経由して首部32が加熱された後のプリフォームPはプリフォームホルダ20と共にピン差し込み部6を介して搬送される。このピン差し込み部6では、加熱されて熱膨張して柔らかくなっている首部32の形状および寸法を補正あるいは調整するために、フォーミングピンを首部32の内部に差し込むようにしている。
【0037】
図3を参照して説明すると、フォーミングピン41をプリフォーム首部32の内部に差し込むことにより、その外径寸法によって首部32の内径寸法Dを規定し、また、首部32の形状を補正する。また、フォーミングピン41は円環状の端面42を備えており、この端面42とホルダ上端開口面HAとの間に首部32を挟み込むことにより、当該首部32の軸線方向の寸法Lを規定する。この状態で首部32が冷却して熱収縮すると、フォーミングピン41により規定された内径寸法Dを備え、フォーミングピン41とホルダ上端開口面HAの間隔により規定された軸線方向の寸法Lを備えた首部32が得られる。
【0038】
従って、ピン差し込み部6においては、首部32の軸線方向の寸法Lを規定するために、ホルダ上端開口面HAから浮き上がっている首部32のネックリング下面PAをホルダ上端開口面HAに押しつける必要がある。本例におけるプリフォーム支持機構は上記のように弾性変形可能なゴムリング27により構成されているので、このゴムリング27の弾性特性を適切に設定しておけば、フォーミングピン41の差し込み力によって、ゴムリング27は弾性変形して押し広げられて、プリフォームPが全体としてプリフォームホルダ20内に差し込まれ、この結果、図3に示すように、ネックリング下面PAがホルダ上端開口面HAに押付けられた状態になる。この状態では、首部32は、上側のフォーミングピン端面42と下側のホルダ上端開口面HAの間に挟まれた状態になるので、フォーミングピン41の下降位置あるいは下降ストローク量を適切に設定しておくことにより、首部32の寸法Lを目標寸法に設定できる。
【0039】
このように、本例におけるプリフォーム支持機構は、Oリングなどのようなゴムリングやプラスチックリングといった柔軟性に富む弾性変形可能な素材から形成されたリング27を備えている。従って、首部32の加熱時においては当該リング27がストッパとして機能してネックリング下面がホルダ上端開口面に接しないように保持し、フォーミングピンを挿入した際には、弾性変形してフォーミングピンとホルダ上端開口面の間に首部を挟み込んだ状態を形成できる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のプリフォーム首部の結晶化方法では、0.8〜2μmの範囲内の波長を有する近赤外線をプリフォーム首部に照射して当該首部を加熱して、25〜45%程度の結晶化状態を得るようにしている。かかる波長範囲の近赤外線を照射することにより、首部の加熱を内外の温度差が極めて少ない状態で行うことができるので、首部全体の結晶化を均一に行うことができる。
【0041】
また、本発明の結晶化方法およびプリフォームホルダでは、ホルダ内周面に形成したリング装着溝にリングを装着し、このリングによってプリフォームホルダに差し込まれたプリフォームのネックリングをホルダ上端面から浮かせて、当該ネックリングの結晶化が不完全になることを防止している。従来のようなプリフォームホルダの下端開口に受け部材を配置してプリフォームの底部を支持する場合に比べて構造を極めて単純化できる。また、異なる高さ位置に複数のリング装着溝を形成しておけば各サイズのプリフォームに対応できるので、汎用性も高いという利点がある。
【0042】
さらに、弾性変形可能なリングを用いることにより、加熱後のプリフォーム首部の寸法調整のために当該首部にフォーミングピンを差し込む際には、フォーミングピンの差し込み力によって、リングが弾性変形して押し広がってプリフォーム首部のネックリング下面がホルダ上端開口面に押付けられた状態が形成される。従って、プリフォーム首部の結晶化を行うために適したプリフォーム支持機構を備えたプリフォームホルダを極めて簡単な構造により実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプリフォーム首部の結晶化装置の全体構成図である。
【図2】図1の結晶化装置の加熱部の構成を示す説明図である。
【図3】図1の結晶化装置のピン差し込み部においてフォーミングピンがプリフォーム首部に差し込まれた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1  結晶化装置
2  供給部
3  搬送路
4  加熱部
5  冷却部
6  コア差し込み部
7  コア抜き取り部
8  搬出部
11 移動チェーン
12 リンク連結ピン
13 ホルダキャリア
14 外歯歯車
15 固定側チェーン
16 フランジ
17 円環状上面
20 プリフォームキャリア
21 下端開口部
22 上端開口部
23 円筒状胴部
24 内周面
25(1)〜25(3) リング装着溝
26(1)〜26(3) 貫通孔
27 ゴムリング
HA ホルダ上端開口面
P  プリフォーム
31 円筒状胴部
32 首部
33 ねじ部
34 ネックリング
PA ネックリング下面
35 テーパ部
36 底部
41 フォーミングピン
42 フォーミングピンの端面

Claims (12)

  1. 耐熱性プラスチック容器を二軸延伸ブロー成形により得るために用いるプリフォームの首部を結晶化させる方法において、
    非晶状態の前記首部に0.8〜2.0μm波長の近赤外線を照射して、当該首部を結晶化するために加熱することを特徴とするプリフォーム首部の結晶化方法。
  2. 請求項1において、
    前記首部の結晶化度が25〜45%となるように、当該首部を加熱することを特徴とするプリフォーム首部の結晶化方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記プリフォームを、その首部のみが露出した状態となるように、筒状のプリフォームホルダに差し込み、
    このプリフォームホルダから露出している前記首部に前記近赤外線を照射することを特徴とするプリフォーム首部の結晶化方法。
  4. 請求項3において、
    前記プリフォームの首部のネックリングが前記筒状ホルダの上端開口面から離れた状態となるように、当該プリフォームを前記プリフォームホルダの上端開口から差し込むことを特徴とするプリフォーム首部の結晶化方法。
  5. 請求項4において、
    前記プリフォームホルダの内周面に沿ってリングを配置し、
    このリングの内径寸法を前記プリフォームの胴部の最大外径寸法よりも小さくなるように設定し、当該リングと前記プリフォームの胴部との係合によって、前記ネックリングが前記上端開口面から離れた状態を形成することを特徴とするプリフォーム首部の結晶化方法。
  6. 請求項5において、
    前記プリフォームホルダの内周面における軸線方向の異なる位置に複数本のリング装着溝を形成し、
    これらリング装着部の一つに前記リングを装着することにより、前記ネックリングが前記上端開口から所定量だけ離れた状態を形成することを特徴とするプリフォーム首部の結晶化方法。
  7. 請求項5または6において、
    加熱後の前記首部にフォーミングピンを挿入し、当該フォーミングピンの外径寸法によって前記首部の内径寸法を規定し、当該フォーミングピンに形成した端面と前記プリフォームホルダの前記上端開口面との間隔によって前記首部の軸線方向の寸法を規定するピン挿入工程を備え、
    前記リングとして弾性変形可能なゴムリングあるいはプラスチックリングを用いることにより、前記フォーミングピンの挿入力によって前記リングが弾性変形して押し広げられて前記プリフォームが全体として前記プリフォームホルダ内に押し込まれ、前記首部のネックリングが前記プリフォームホルダの前記上端開口面に当接した状態が形成されることを特徴とするプリフォーム首部の結晶化方法。
  8. 請求項7において、
    前記リングを、前記筒状ホルダの外側から当該筒状ホルダに形成した貫通孔を通して、その内周面に形成したリング装着溝に装着することを特徴とするプリフォーム首部の結晶化方法。
  9. 耐熱性プラスチック容器を二軸延伸成形により得るための一次製品であるプリフォームの首部を加熱して結晶化させるために、前記首部のみを露出した状態で保持可能なプリフォームホルダであって、
    筒状胴部と、前記プリフォームが差し込まれる前記筒状胴部の上端開口と、前記筒状胴部の内周面に沿って配置されたリングとを有し、
    このリングの内径寸法は前記プリフォームの胴部の最大外径寸法よりも小さくなるように設定されており、
    当該リングと前記プリフォームの胴部との係合によって、前記プリフォームの首部のネックリングが前記上端開口面から所定量だけ離れた状態が形成されることを特徴とするプリフォームホルダ。
  10. 請求項9において、
    前記筒状胴部の内周面における軸線方向の異なる位置に複数本のリング装着溝を形成し、
    これらリング装着部の一つに前記リングを装着することにより、前記ネックリングが前記上端開口面から所定量だけ離れた状態を形成することを特徴とするプリフォームホルダ。
  11. 請求項9または10において、
    前記リングは弾性変形可能なゴムリングあるいはプラスチックリングであり、
    前記プリフォームを所定以上の力で押し込むと、前記リングが弾性変形して押し広げられて当該プリフォームが全体として前記プリフォームホルダ内に押し込まれ、前記首部のネックリングが前記プリフォームホルダの前記上端開口面に当接した状態が形成されることを特徴とするプリフォームホルダ。
  12. 請求項9、10または11において、
    前記筒状胴部には前記リングを外側から前記内周面の側に挿入するためのリング挿入用の貫通孔が形成されており、
    前記リングを、前記貫通孔を通して、前記内周面に形成した前記リング装着溝に装着可能であることを特徴とするプリフォームホルダ。
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