JP2004008822A - 内視鏡カバー装着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内視鏡の挿入部が内視鏡カバーの管路に絡むことなくスムーズに装着される内視鏡カバー装着装置を提供する。
【解決手段】内視鏡カバー2と内視鏡3とを装着するカバー装着装置1は、各種管路などを内蔵した内視鏡カバー2を保持するカバー保持部となるカバー保持台4と、カバー用内視鏡3の略D字状の挿入部31が延出する操作部5を固定する操作部保持部となる操作部保持台6とで構成されている。カバー保持台4は、内視鏡カバー2を直線状態で配置することが可能なように保持台の長さを内視鏡カバー2の全長より長めに形成している。一方、操作部保持台6にはカバー用内視鏡3の操作部5を、この操作部保持台6に対して略水平に固定する操作部固定具62が設けられ、回転手段である固定ピン63によって支柱61に回動自在に軸支されている。
【選択図】図1

Description

 本発明は、内視鏡に内視鏡カバーを装着する際に使用する内視鏡カバー装着装置に関する。
 従来より、症例に一度使用した内視鏡を再び使用する場合、この内視鏡による感染症などが防止するために、洗浄消毒や滅菌処理などを行っていた。しかし、一度使用した内視鏡を確実に洗浄消毒や滅菌処理するためには相当の時間がかかってしまう。このため、内視鏡の使用効率が低いことが問題になっていた。
 そこで、内視鏡の使用効率を高くするため、内視鏡自体をカバーで覆い、この状態で検査などを行い、症例後にカバーだけを捨てることによって、内視鏡自体を清潔に保つカバー方式内視鏡が提案されている。
 前記カバー方式内視鏡は、内視鏡と、この内視鏡に装着される内視鏡カバーとで構成されている。症例を行うに際しては、予め、滅菌処理されている内視鏡に、滅菌処理済みの内視鏡カバーを被せ、この内視鏡カバーで覆われた内視鏡を患者の体腔内に挿入して検査、処置を行う。
 そして、検査、処置終了後に内視鏡カバーだけを内視鏡から取り外して廃棄する一方、内視鏡カバーを取り外した内視鏡に再び新しい滅菌処理済みの内視鏡カバーを装着して再使用する。このことにより、内視鏡を症例毎に洗浄消毒することなく、連続的に使用することができるので使用効率が上昇する。
 ところが、例えば、口腔から体腔内に挿入する内視鏡では、細長で可撓性を有する挿入部が設けられている。このため、前記内視鏡の挿入部に内視鏡カバーを装着する作業はとても煩わしいものであった。そこで、内視鏡に内視鏡カバーを装着する際の作業性を向上させるため、内視鏡カバー装着装置が提案されている。例えば、特開平5−49592号公報にはカバー用内視鏡と内視鏡カバーとの装着装置として内視鏡用スタンド装置が開示されている。また、特開平4−357920号公報には内視鏡カバーに空気を送り込むことにより、内視鏡カバーを膨張させ、内視鏡カバーとカバー用内視鏡挿入部とのクリアランスを大きくして、装着を容易にする技術が示されている。
 一般的に、カバー方式内視鏡を構成する内視鏡カバーにはカバー用内視鏡と共に、送気・送水用の管路などが配設される。このため、カバー用内視鏡挿入部の断面形状を略D字形状あるいは半円形状などに形成して、内視鏡カバー内をカバー用内視鏡を配設する内視鏡用空間部と、送気・送水用の管路などを配設する管路用空間部とに区分けしている。
 しかしながら、内視鏡カバーを細長で可撓性を有する内視鏡の挿入部に装着する際、内視鏡カバー内に配設されている管路と内視鏡の挿入部とが絡まってしまう不都合があった。そこで、この内視鏡挿入部と内視鏡カバー内に配設されている管路との絡まりを無くすため、内視鏡カバー内に配設されている管路を内視鏡カバー断面において鉛直方向下側に位置させて、内視鏡の挿入部と管路との絡まりを無くすようにしていた。
 ところが、内視鏡の機種によっては、内視鏡カバーに設けられる管路と内視鏡カバーに配置される内視鏡とのレイアウトが変わるため、前記特開平5−49592号公報に示した内視鏡用スタンド装置ではカバー用内視鏡の操作部が常に一定の位置で保持されているので、内視鏡カバーに設けられる管路を鉛直方向上側に配置させたものでは、内視鏡の挿入部を内視鏡カバーに装着するとき前記挿入部が管路に絡まるおそれがある。
 本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、内視鏡の挿入部が内視鏡カバーの管路に絡むことなくスムーズに装着される内視鏡カバー装着装置を提供することを目的としている。
 本発明の内視鏡カバー装着装置は、観察光学系を配した挿入部及び内視鏡の把持部を兼ねた操作部を有する内視鏡の操作部の長手方向軸と鉛直方向のなす角度を可変にする手段を有する操作部保持台と、管路を配設し内視鏡の挿入部を覆う挿入部カバー及びこの挿入部カバーの手元側に位置する挿入部挿入口を有する内視鏡カバーの長手方向軸と鉛直方向のなす角度を可変にする手段を有するカバー保持台と、前記操作部保持台または前記カバー保持台の少なくとも一方に設けられ、前記内視鏡操作部と前記内視鏡カバーの挿入部挿入口との対向位置関係を一致させる回転手段と、を具備することを特徴とする。
 本発明によれば、内視鏡の挿入部が内視鏡カバーの管路に絡むことなくスムーズに装着される内視鏡カバー装着装置を提供することができる。
 以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
 図1ないし図5は本発明の第1実施例に係り、図1は内視鏡カバー装着装置の概略構成図、図2は操作部保持台の回転手段を説明する図、図3は操作部保持台とカバー保持台との間隔と口体部の長さとの関係を示す図、図4はカバー保持台に配置される内視鏡カバーの向きを説明する図、図5は内視鏡を内視鏡カバーに装着した状態を示す図である。
 図1に示す内視鏡カバー装着装置(以下カバー装着装置と略記)1は、内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3とを装着するための装置である。前記カバー装着装置1には、送気用管路、送水用あるいは吸引管路など各種管路などを配設した内視鏡カバー2を直線状態で保持することが可能な長さのカバー保持台4と、カバー用内視鏡3の略D字状に形成された先端構成部から延出する可撓性を有する挿入部31の手元側部及びこの手元側端部に設けられた把持部を兼ねた操作部5を前記内視鏡カバーと同方向に向けて保持する操作部保持台6とで構成されている。
 前記カバー保持台4は2本の脚部41,41によって支持され、前記操作部保持台6は支柱61を前記脚部41の一方に支持されて、一体型のカバー装着装置1となっている。なお、このカバー保持台4の上には、前記内視鏡カバー2の口体部21に形成した挿入部挿入口21aを操作部保持台方向に向けた内視鏡カバー2が各種管路を鉛直方向下側に位置させて直線状態で配置されている。
 一方、前記操作部保持台6にはカバー用内視鏡3の操作部5を、この操作部保持台6に対して略水平に固定する操作部固定具62が設けられている。そして、図2に示すようにこの操作部保持台6に固定された操作部が前記内視鏡カバー2の口体部21に対して回動自在となるように、回転手段として前記操作部保持台6を支柱61に対して固定ピン63によって軸支している。このとき、操作部5の中心軸5aと固定ピン63の回転軸及び内視鏡カバーの中心軸2aとが略一致している。
 このため、カバー保持台4に保持された内視鏡カバー2の挿入部挿入口と、操作部保持台6に固定された操作部5との対向位置がずれているときには、回転手段を用いて操作部保持台6を回転させることによって、内視鏡カバーの挿入部挿入口に対する内視鏡操作部の対向位置関係を略一致させることができるようになっている。
 なお、カバー用内視鏡3の操作部5の側部から延出するユニバーサルコード51の末端に設けられているコネクタ52は、図1に示すようにカバー保持台4の操作部保持台側に設けたコネクタ受け42に保持されている。
 また、図3に示すように内視鏡カバー2の口体部21の長さlに対して、カバー保持台4と操作部保持台6の間の間隔Lをl<Lの関係が成り立つように構成している。
 上述のように構成したカバー装着装置1の作用を説明する。
 まず、カバー保持台4の上に滅菌済みの内視鏡カバー2を配置する。このとき、図4(a)に示すように内視鏡カバー2に設けられている管路部22を鉛直方向下側にしてカバー保持台に配置する。
 次に、カバー用内視鏡3の操作部5を固定具62で操作部保持台6に固定する。すると、図1に示すようにカバー保持台4に保持されている内視鏡カバーの挿入部挿入口に対して、操作部保持台6の操作部固定具62に固定されているカバー用内視鏡3の操作部5及びこの操作部5から延出するD字形状の挿入部31の手元側部と内視鏡カバー2とが同方向に直線状に配置される。しかし、図2(a)に示すように内視鏡カバー2の口体部21に設けてある挿入部挿入口とカバー用内視鏡3のD字状の挿入部との対向位置関係は一致していない状態になっている。このため、このままの状態でカバー用内視鏡3の挿入部31を内視鏡カバー内に挿通していくと、管路部22とが絡むおそれがある。また、固定されたカバー用内視鏡3の挿入部31に対して内視鏡挿入口23を対向させようとすると、内視鏡カバー2に配設されている管路部22が縦方向に配置されて挿入部31と管路部22とが絡むおそれがある。このとき、カバー用内視鏡3の挿入部31は、カバー保持台4の上に保持されている内視鏡カバーに沿って配置されている。
 そこで、カバー装着装置1の操作部保持台6を固定している固定ピン63を緩め、操作部保持台6を半時計方向に略90°回転させる。すると、図2(b)に示すように操作部保持台6の操作部固定具62で固定されている操作部5が固定ピン63を中心にして回転して、D字形状の挿入部31と内視鏡カバー2の口体部21に設けた挿入部挿入口21aとの向きが一致して対向する。
 次いで、上述のように挿入部挿入口21aに対してD字形状の挿入部31の対向位置を一致させた状態で、前記カバー用内視鏡3の挿入部31の先端部を把持して内視鏡カバー内にカバー用内視鏡3の挿入部31を挿入していく。このとき、図5に示すように前記挿入部31の中間部分はカバー保持台4と操作部保持台6との間で床に触れることがないように垂れ下がっている。そして、破線に示すように挿入部31を先端側まで挿入した後、口体部21と操作部5とを一体的に嵌合固定し、内視鏡と内視鏡カバーとの装着を完了する。
 このように、カバー装着装置の操作部保持台に回転手段を設け、操作部保持台に保持される内視鏡の操作部を内視鏡カバーの中心軸に対して回動自在にすることにより、カバー用内視鏡の操作部を操作部保持台の固定具に固定した後、操作部保持台を回転させて内視鏡カバーの口体部に形成した挿入部挿入口とカバー用内視鏡のD字状の挿入部との位置関係を調整することができる。このことにより、カバー保持台に配設する内視鏡カバーを、常に内視鏡カバーに設けた各種管路が鉛直方向下側となるように配置すればよいので、内視鏡と内視鏡カバーとの装着作業工程が統一されるばかりでなく、内視鏡の挿入部と内視鏡カバーに設けられている各種管路との絡みを無くして装着性が大幅に向上する。
 また、カバー保持台と操作部保持台との間間隔Lを、口体部の長さlより長く設定しているので、口体部を把持して作業者の手がカバー保持台と操作部保持台との間に入れて操作部に嵌合させることができるので作業性が大幅に向上する。
 なお、図6に示すようにカバー保持台4及び操作部保持台6にディスポーザブルの滅菌シート7を被せて使用することによって、滅菌処理済みの内視鏡カバー2及びカバー用内視鏡3がカバー保持台4及び操作部保持台6によって汚染されることが無くなり衛生的である。
 また、前記カバー保持台4の形状を図1に示した平面板形状から図7及び図8(a)に示すような雨どい状(U字状)に細長に形成したカバー保持台4aにしたり、図8(b)に示すようにV字断面形状で細長に形成したカバー保持台4b,あるいは図8(c)に示すように凹断面形状で細長に形成したカバー保持台4cにすることによって、カバー保持台4に配置される内視鏡カバー2を蛇行させることなく容易、且つ瞬時に内視鏡カバーに設けた各種管路を鉛直方向下側にして直線状態に安定的に配置することができる。
 さらに、図9に示すように前記第1実施例のカバー保持台4の端部をL字形状に折り曲げ、前記操作部保持台同様に回転手段として脚部41に回転ピン63で回動自在に軸支するようにしてもよい。しかし、前記回転手段を設けたことにより、前記カバー保持台4を回転させたとき、内視鏡カバー2の口体部20及びカバーが位置ずれしてしまう。このため、カバー保持台上面には内視鏡カバー2の口体部を所定の位置に着脱自在に固定する口体部固定具44及びカバーを固定するカバー保持部材44aを設けている。このことにより、内視鏡カバー2をカバー保持台4へ設置する際、内視鏡カバーに設けた各種管路をほぼ鉛直下側に位置させて口体部固定具44及びカバー保持部材44aで固定してから内視鏡カバーに設けた各種管路の位置を調整することができるので内視鏡カバーのカバー保持台への設置作業を大幅に短縮することができる。なお、本実施例においては操作部保持台側の脚部がないのでコネクタ受けを別部材で形成し、内視鏡カバー装着装置に一体的に固定している。
 また、図10に示すように前記第1実施例のカバー保持台4の外側に位置する脚部41を短くしてこの脚部にカバー保持台を設けることにより、カバー保持台の鉛直軸に対する角度が90度以上の角度になるので、カバー保持台の全長を短くして検査室を有効に利用することができる。なお、このカバー保持台には、内視鏡カバーのカバー保持台上での位置ずれを防止する口体部固定具44及びカバー保持部材44aがカバー保持台上に設けてある。
 図11は本発明の第2実施例に係る内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す図である。
 図に示すように本実施例の内視鏡カバー装着装置1Aではカバー保持台4をまたぐように、脚部42にキャスター42aを設けて内視鏡カバー保持方向にスライド自在なスライド台43を設置している。このスライド台43の上面には内視鏡カバー2の口体部21をスライド台43に着脱自在に固定する口体部固定具44を設けている。このため、スライド台43をスライドさせた際、スライド台上で内視鏡カバーの口体部が動くことがない。その他の構成は前記第1実施例と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
 上述のように構成した内視鏡カバー装着装置1Aの作用を説明する。
 まず、スライド台43に内視鏡カバー2を載置し、内視鏡カバーに設けた各種管路を鉛直方向下側にして内視鏡カバー2の口体部21を口体部固定具44で固定して直線状態に設置する。
 次に、カバー用内視鏡3の操作部5を操作部保持台6に操作部固定具62で固定する。そして、操作部保持台6の回転手段を用いて内視鏡カバー2の口体部21に設けた挿入部挿入口21aとカバー用内視鏡3のD字断面形状の挿入部31との対向位置関係を一致させると共に、挿入部31をカバー保持台4に載置する。
 次いで、カバー保持台4に載置されている挿入部31の先端を、スライド台43に固定されている口体部21の挿入部挿入口21aから挿入させた後、スライド台43を操作部保持台側に移動させて挿入部31を先端側まで挿入した後、口体部21と操作部5とを一体的に嵌合固定し、内視鏡と内視鏡カバーとの装着を完了する。
 このように、内視鏡カバーの口体部をスライド台に設置し、このスライド台を移動させて内視鏡カバーをカバー用内視鏡に装着することによって、内視鏡カバーをカバー保持台上で移動させること無く、スムーズに内視鏡カバーとカバー用内視鏡とを装着することができる。また、カバー用内視鏡の挿入部を床方向に垂らすこと無く、カバー保持台上に載置しておくことができるので衛生性が向上する。その他の作用及び効果は前記第1実施例と同様である。
 また、図12に示すように内視鏡カバー2の口体部21を着脱自在な口体部保持部材45で保持し、この口体部保持部材45をモーター46で移動させて内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3とを装着する自動装着装置1A1 としてもよい。
 この自動装着装置1A1 の自動装着機構は、口体部保持部材45,モータ46,移動シャフト47,ガイド板48及びガイドシャフト49とを備えている。前記移動シャフト47の外周には雄ねじ47aが形成されており、一端はモータ46のシャフトに固定され、他端はガイド板48のシャフト受け48aに回動自在に保持されている。前記口体部保持部材45には移動シャフト47の雄ねじ47aが噛合する雌ねじを螺設したスライド孔45aとガイドシャフト49が挿通するカイド孔45bとが形成してある。
 前記自動装着装置1A1 の作用を説明する。
 図12(a)に示すように内視鏡カバー装着初期状態では内視鏡カバー2の口体部21を保持する口体部保持部材45がカバー保持台4の中央より後方側に位置するため内視鏡カバーのカバー部はカバー保持台4の端部から垂れ下がった状態になっている。このとき、カバー部の先端が床に触れないようになっている。
 内視鏡カバーの口体部に設けた挿入部挿入口とD字断面形状の挿入部との対向位置関係を一致させた後、自動装着装置1A1 のモーター46を回転させる。すると、移動シャフト47が回転して図12(b)に示すように、この移動シャフト47に形成した雄ねじ47aと口体部保持部材45に形成した雌ねじを螺設してあるスライド孔45aとが螺合して口体部保持部材45を操作部側に移動させる。そして、口体部21と操作部5とを嵌合させたときモーター46の回転が止まって内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3との装着が完了する。
 なお、移動シャフト及びモーターを設けることなく、ガイドシャフト及び口体部保持部材とを設けた内視鏡カバー装着装置としてもよい。このことにより、モータによる駆動では得ることのできない微調整を行いながら装着作業を行うことができる。
 図13及び図14は本発明の第3実施例に係り、図13は内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す説明図、図14は内視鏡カバー装着装置の作用を説明する図である。
 図13に示すように本実施例の内視鏡カバー装着装置1Bは、観察光学系を配した挿入部及び内視鏡の把持部を兼ねた操作部を有する内視鏡を鉛直状態に保持する操作部保持台と、 管路を配設し内視鏡の挿入部を覆う挿入部カバー及びこの挿入部カバーの手元側に位置する挿入部挿入口を有する内視鏡カバーを鉛直軸に対して90度から180度まで傾斜角を変化させて保持することが可能なカバー保持台とで構成されている。
 前記操作部保持台6は、操作部保持板71とスコープハンガー75で形成され、カバー用内視鏡3は、スコープハンガー75のアーム部76の先端部に設けられている操作部保持板71の固定具62に操作部5を固定して鉛直状態に保持されている。
 一方、内視鏡カバー2は、カバー保持台と一体的になる折りたたみ自在な支柱77とキャスター付脚部78とを備えたスタンド式カバー保持台79に、内視鏡カバー2の口体部21及び先端カバー25を固定具26によって固定されている。
 なお、操作部保持板71は、挿入部31の軸方向に対して回動自在であると共に、図に示す矢印A,B方向に対しても回動自在に軸支されている。このため、前記操作部保持板71を軸方向に対して回動させることによって、内視鏡カバー2が配置されているスタンド式カバー保持台79の位置に合わせて操作部保持板71の位置を対応させて移動することができる。また、操作部保持板71に保持されている操作部5から延出するユニバーサルコード51のコネクタ52をトロリー70に載置されている光源装置72に接続している。さらに、前記スコープハンガー75は、光源装置72,ビデオコントロールユニット73、モニター74などを載置したトロリー70に一体的に設けてある。その他の構成は上述の実施例と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
 上述のように構成した内視鏡カバー装着装置1Bの作用を説明する。
 まず、内視鏡カバー2を、この内視鏡カバー2に設けらる図示しない各種管路は鉛直方向下側に位置させてスタンド式カバー保持台79に配置し、操作部保持板72にカバー用内視鏡3の操作部5を固定具62によって固定して内視鏡を鉛直状態に保持する。なお、内視鏡カバーの挿入部挿入口に対してカバー用内視鏡のD字断面形状の挿入部が一致するように回転手段を用いて対向させてある。
 次いで、図13に示すように鉛直方向に垂れ下がっている挿入部31の先端部を内視鏡カバー2の口体部21の挿入部挿入口から挿入する。
 この状態で、図14(a)に示すようにスタンド式カバー保持台79の内視鏡カバー2の口体部21を固定している支柱77側を把持して内視鏡カバーを保持しているスタンド式カバー保持台を鉛直軸に対して90度の位置から180度の位置まで徐々に移動させて、前記挿入部31を内視鏡カバー2の中に押し込んでいく。なお、前記支柱77は、作業開始時点でカバー保持台側に折りたたまれている。
 そして、図14(b)に示すようにスタンド式カバー保持台79が直立した時点で口体部21と操作部5とを一体的に嵌合固定し、内視鏡カバー2のカバー用内視鏡3への装着が完了する。この状態で、口体部21と先端カバー25とを固定している固定具26を取り外して内視鏡カバー2からスタンド式カバー保持台79を取り外す。
 このように、カバー用内視鏡の操作部をトロリーに設けたスコープハンガーの操作部保持板に固定することによって、内視鏡カバーのカバー用内視鏡への装着が完了した時点で直ちにカバー式内視鏡が使用可能状態となる。その他の作用及び効果は上述の実施例と同様である。
 図15は本発明の第4実施例に係る内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す図である。
 図に示すように本実施例の内視鏡カバー装着装置1Cでは、トロリー70に設けたスコープハンガー75のアーム76がアーム回転軸76aを中心に図の矢印に示すように回動自在である。また、内視鏡カバー2を配置するカバー保持部がカバー保持台回転軸80を中心に回動自在な回転型カバー保持台81である。このカバー保持部回転軸80は、ラチェット構造であり、一度口体部側を上方に回転移動させると、解除ボタン(不図示)を押さない限り、元の位置に戻らない構造になっている。なお、スコープハンガー75のアーム76は、アーム回転軸76aが前記カバー保持部回転軸80と同様にラチェット構造であるので、通常状態ではアーム76が下方にだけ回転移動する構造になっている。その他の構成は前記第3実施例と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
 上述のように構成されている内視鏡カバー装着装置1Cの作用を説明する。
 まず、カバー用内視鏡3の挿入部31を内視鏡カバー2の口体部21に挿入する。次に、回転型カバー保持台81を鉛直軸に対して90度の位置から角度が徐々に大きくなるように回転させて上方に持ち上げていく。次いで、アーム76を徐々に下方に回転移動させ、カバー用内視鏡3の挿入部31及び内視鏡カバー2とが一直線状になる位置まで移動させてカバー用内視鏡3を内視鏡カバー2に装着していく。そして、カバー用内視鏡3の操作部5,挿入部31及び内視鏡カバー2が斜めにストレート状態に保持されたとき装着作業が完了する。
 このように、内視鏡カバーを配置する回転型カバー保持台がカバー保持台回転軸を介して回動自在で、且つ、スコープハンガーのアームをアーム回転軸を中心に回動する構成としたことにより、操作部と口体部との接続部の位置を低くすることができるので、身長の低い人でも、胸元で作業を行うことができる。その他の作用及び効果は上述の実施例と同様である。
 なお、前記操作部5を固定する固定具62を図15(b)に示すようなコ字状固定具62aとして、この固定具62aに設けたねじ部62bにナット64を螺合してアーム76に回動自在に遊嵌固定することによって操作部保持板71が不用となる。また、図15(c)に示すように固定具のコ字状部の幅を操作部の幅より広く形成してエラストマー材からなる折れ止め部を保持するようにすることによって遊嵌させることなく操作部を回転可能にすることができる。
 図16及び図17は第5実施例に係り、図16は内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す図、図17は内視鏡カバー装着装置を用いて内視鏡カバーにカバー用内視鏡を装着した状態を示す図である。
 図16に示すようにスコープハンガー75のアーム76を図中の矢印に示すように上下方向に移動可能としている。一方、内視鏡カバー2は高さをやや高めに設定したカバー保持台82に配置されている。このカバー保持台82には、内視鏡カバー2の先端カバー25を固定する先端カバー固定部83が複数設けられており、機種による挿入部長の違いに対応することができると共に、内視鏡カバー2にオーバーチューブ84が被っていてもこのオーバーチューブ84を取り付けたまま内視鏡カバー装着装置に配置することができるようになっている。
 なお、スコープハンガー75にはカバー用内視鏡3から延出するユニバーサルコート51の先端部に設けられているコネクタ52を保持するコネクタ保持部85が設けてある。その他の構成は上述の実施例と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
 上述のように内視鏡カバー装着装置を構成したことにより、カバー用内視鏡3の挿入部31を内視鏡カバー2の口体部21に挿入してからアーム76を徐々に下方向に下げていくことによって、挿入部31が口体部21からカバー内に挿入していく。そして、支持アーム76が内視鏡カバー2と略同じ高さになったとき、図17に示されるように操作部保持板71に固定されている操作部5が内視鏡カバー側に回転させて装着を完了する。このことにより、上述の実施例と同様の作用及び効果を得ることができる。
 また、図18に示すようにコネクタ保持部86をカバー保持台87に設け、このカバー保持台87を傾斜させることによって、内視鏡カバー2にカバー用内視鏡3の挿入部31をスムーズに挿入していくようにしてもよい。
 なお、上述のようにアーム76上下方向に移動させるスコープハンガー75としては、図19に示すような構成のスコープハンガー130であってもよい。図に示すように本実施例のスコープハンガー130は、ラック131aを設けた支柱131と、この支柱131を上下に移動可能に配設されるスライダ132と、前記支柱131に形成したラック131aに噛合する前記スライダ132から突出するアーム132aに設けたピニオン133と、このピニオン133に噛合するカバー用内視鏡3の操作部5を保持する操作部保持部材134aを設けた歯車134とで構成されている。
 上述のように構成したスコープハンガー130は、歯車134の操作部保持部材134aに保持されている操作部5を図に示すように矢印A方向(水平方向)に回転させると、歯車134とピニオン133とラック131aとが噛合してスライダ132が支柱131を下方に移動する。また、操作部5を図に示すように矢印B方向(垂直方向)に回転させると歯車134とピニオン133とラック131aとが噛合してスライダ132が支柱131を上方に移動する。なお、カバー用内視鏡3の操作部5が鉛直状態になっているとき、スライダ132は支柱131の最上部の挿入部31が床から最も遠ざかる位置になる。
 このように、内視鏡カバーをカバー用内視鏡に装着する際に使用する内視鏡カバー装着装置のラックハンガーの操作部保持部材に保持されているカバー用内視鏡の操作部を水平方向(矢印A方向)に傾けるだけで、保持されている操作部を支柱の下側の位置に移動させることができるので、挿入部を内視鏡カバー内へスムーズに挿入することができるばかりでなく、操作部と内視鏡カバーの口体部との取り付け作業を容易に行うことができる。
 また、内視鏡カバー装着後、内視鏡カバーで覆われたカバー用内視鏡を鉛直状態に戻していくことにより、スライダが支柱の高い位置に移動するので挿入部を床に接触させることなく保持しておくことができる。
 図20は本発明の第6実施例に係る内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す図である。
 図に示すように本実施例の内視鏡カバー装着装置1Eは、油圧シリンダで上下動する支柱141を備えた操作部保持台140と、内視鏡カバー梱包材を兼ねるカバー保持台142とで構成されている。
 前記操作部保持台140は、支柱141の上端に設けらている支持アーム141aの先端部に回転自在に設けた操作部保持部材141bにカバー用内視鏡3の操作部5が保持されている。前記操作部保持部材141bに保持されている操作部5は操作部保持台140に設けた油圧シリンダ143で上下動するようになっている。なお、この内視鏡カバー装着装置1の油圧シリンダ143を備えた操作部保持台140は光源装置やビデオコントロールユニットが載置されるカート144に一体的に取り付けられている。また、前記操作部保持台140の油圧シリンダ143には前記支柱141を上下に移動させるときに使用する圧縮ペダル143aと圧縮解除ペダル143bとが設けられている。さらに、カバー保持台142は、内視鏡カバー2を梱包している梱包材である。また、前記支持アーム141aはある程度の長さを有し、操作部保持部材141bに保持されて鉛直状態に垂れ下がった挿入部31が少々動いても、この挿入部31がカート144に当たらない距離を確保している。
 上述のように構成した内視鏡カバー装着装置1Eは、油圧シリンダ143に設けられている圧縮ペダル143aを数回踏み込むことによって支柱141が低位置から高位置に上昇する。また、油圧シリンダ143に設けられている圧縮解除ペダル143bを数回踏み込むことで、支柱141は高位置から低位置に下降する。
 すなわち、図中の破線に示す操作部保持部材141bを高い位置にした状態で、内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3との装着を開始し、前記圧縮解除ペダル143bを繰り返し踏み込みながら支柱141を下げて内視鏡カバー内に挿入部31を徐々に挿入していく。このとき、内視鏡カバー2が梱包されているカバー保持台4を兼ねる梱包材を傾けておく。そして、操作部保持部材141bが低位置に到達して、挿入部31の内視鏡カバー2への挿入が完了し、操作部5と口体部20との接続を行う。ここで、圧縮ペダル143aを数回踏み込んで再度操作部5を高い位置に戻して、内視鏡カバー2を梱包材であるカバー保持台4から取り外して装着作業を終了する。
 このように、油圧シリンダを用いた内視鏡カバー装着装置を用いることにより、内視鏡カバーとカバー用内視鏡の装着作業の際、足の操作だけで両手を開けた状態で操作部保持台の昇降を行うことができるので、カバー用内視鏡と内視鏡カバーとの装着を容易に行え作業性が向上する。また、カバー保持台が内視鏡カバーの梱包材であるので装着作業を行うまでの管理が容易となる。
 なお、上述のアーム部材76や支持アーム141aは、鉛直状態に垂れ下がった挿入部が少々動いたときにカートやトロリーに触れて汚染されることがないようにある程度の距離を確保していた。このため、前記アーム部材76や支持アーム141aは、常にカートやトロリーから突出しているので、狭い場所での保管や移動の際に不都合が生じることがあった。
 そこで、図21に示すように支持アーム141aを複数のリンク部材145を連結して側方に伸縮自在に形成している。このため、操作部保持部材141bにカバー用内視鏡3の操作部5が保持されているときには図21(b)に示すようにリンク部材145を引き伸ばすことによってカート144などからカバー用内視鏡3の挿入部31を十分に引き離すことができる。また、操作部保持部材141bに保持されているものがないときには、リンク部材145を縮めてカート144の近くに収縮することができるので、狭い場所での保管や移動が容易になる。前記支持アーム141aは、リンク部材145で構成するものに限定されるものではなく、図22に示すように複数の径の異なるスリーブ146、146...を組み合わせ連結して伸縮自在な支持アーム141aを構成することもできる。
 図23ないし図25は本発明の第7実施例に係り、図23は操作部保持台の概略構成を示す側面図、図24は内視鏡カバーにカバー用内視鏡の挿入部を挿入している状態を示す側面図、図25は図24の正面図である。
 図に示すように本実施例の内視鏡カバー装着装置1Fの操作部保持台150を形成する支柱151をカート144に一体的に固定している。この支柱151の上端には滑車152が設けられ、この滑車152にワイヤ153が掛けられている。
 前記ワイヤ153の一端部には、支柱151のカート側に設けたレール上を上下に移動する内側スライダ154に接続され、前記ワイヤ153の他端部は支柱151のカート144とは反対側に設けられたレール上を上下に移動する外側スライダ155に接続されている。前記外側スライダ155には支持アーム156が設けられており、この支持アーム156にはハンガー支持パイプ157が設けられている。そして、前記ハンガー支持パイプ157に操作部5を保持する第2ハンガー158と口体部20を保持する第1ハンガー159とが設けられている。
 前記内側スライダ154と外側スライダ155の下端にはそれぞれフック160が設けられている。また、支柱151のレールの途中にはカート側及び反カート側にそれぞれストッパ161が設けらている。このストッパ161は各スライダを最下点で停止させるためのものであり、内側スライダ154が最下点に到達してストッパ161に当接したときフック160に内側スライダ154を保持する内止め具162が引っ掛かるようになっている。この内止め具162には支柱側に付勢力が働くバネが内蔵されており、内側スライダ154が上から下に向かって移動してフック160と内止め具162とが当接すると、フック160の傾斜に沿って内止め具162が移動し、内側スライダ154がストッパ161に突き当たる直前にバネ力で内止め具162がフック160に引っ掛かって固定される構成となっている。また、外側スライダ155も同様にストッパ161に当接したときフック160に引っ掛かる外止め具163で固定される構成となっている。前記外止め具163の構成及びフック160やストッパ161との関係は前記内止め具162の構成及びフック160やストッパ161との関係と同様であるので説明を省略する。
 なお、前記第1ハンガー159または第2ハンガー158のいずれかにカバー用内視鏡3が保持されたとき、内側スライダ154の方が、外側スライダ155よりわずかに重くなるような重量配分とするために、内側スライダ154には重り154aが配設してある。このため、外側スライダ155に対して、極少量の負荷を下方にかけることにより、外側スライダ155と内側スライダ154との釣り合いがとられるようになっている。すなわち、内側スライダ154が内止め具162に固定されていない状態及び外側スライダ155が外止め具163に固定されていない状態では、第1ハンガー159または第2ハンガー158にカバー用内視鏡3が保持された状態で静かに上昇するが、挿入部31を持って下方に軽く引くだけで第1ハンガー159、第2ハンガー158が下方に移動する。
 また、前記ワイヤ153は、外側スライダ155が最も下がった位置のとき、内側スライダ154が最も高位置になり、逆に、内側スライダ154が最も下がった位置のときに外側スライダ155が最も高位置になるように長さが設定されている。
 さらに、前記内止め具162には内ワイヤ162aが接続されており、この内ワイヤ162aにはHペダル164が接続されている。また、外止め具163には外ワイヤ163aが接続されており、この外ワイヤ163aにはLペダル165が接続されている。すなわち、前記Hペダル164を踏み込むことによって内ワイヤ162aを介して内止め具162が反支柱側に引っ張られ、バネ力に抗して内止め具162が移動することによってフック160と内止め具162との固定が解除されるようになっている。同様に、前記Lペダル165を踏み込むことによって、外ワイヤ163aを介して外止め具163が反支柱側に引っ張られ、バネ力に抗して外止め具163が移動することによってフック160と外止め具163との固定が解除されるようになっている。
 一方、本実施例のカバー保持台170は、内視鏡カバー2を鉛直軸に対して90度以上の角度で保持するものであり、この内視鏡カバー2の口体部20にはカバー用内視鏡のユニバーサルコード51及び操作部5を被覆するためのユニバーサルコードカバー171が設けられている。
 このカバー保持台170は、内視鏡カバー2の口体部20を保持する口体部保持部172と、挿入部31を被覆するカバーを保持する挿入部カバー保持部173とを有し、この挿入部カバー保持部173の先端にはカバー保持台170を保管する際、このカバー保持台170を垂直に設置することができるようにキャスター174aを付けた短脚174が設けられている。また、前記口体部保持部172の下部には、長脚175が設けられている。なお、カバー保持台170の長脚175の下端にはカバー保持台170が側方に倒れないように支持するパイプ材176がこの長脚175に対して垂直に設けられている。
 上述のように構成した内視鏡カバー装着装置1Fの作用を説明する。
 図23に示すようにカバー用内視鏡3と内視鏡カバー2とを装着する前の準備、保管状態では第1ハンガー159、第2ハンガー158を設けたハンガー支持パイプ157が最も高い所に位置してカバー用内視鏡3の挿入部31の先端が床に触れないようになっている。
 カバー用内視鏡3に内視鏡カバー2を装着する際、まず、図23に示したように鉛直状態に垂れ下がっているカバー用内視鏡3のイメージファイバーや固体撮像素子などの観察光学系を有する挿入部31の先端部分を口体部20から挿入していく。
 次に、Hペダル164を踏んで内側スライダ154の固定を解除し、図24及び図25に示すように挿入部31を下方に引いて、外側スライダ155を低位置になったとき挿入部31が内視鏡カバー内へ挿入され、口体部と操作部とを嵌合する。このとき、第1ハンガー159、第2ハンガー158を設けたハンガー支持パイプ157が低位置になる。
 このように、カバー用内視鏡をわずかな力で下方に移動させることができると共に、カバー用内視鏡から手を離せば第1ハンガー159あるいは第2ハンガー158のどちらかにカバー用内視鏡が保持されていてもハンガー支持パイプ157が上方に移動するので内視鏡カバーの装着性が向上する。その他の作用及び効果は上述の実施例と同様である。
 なお、前記ハンガー支持パイプ157では第1ハンガー159と第2ハンガー158とで保持部が異なるので床面に対する挿入部先端の位置が変わってしまう。そこで、図26に示すように前記ハンガー支持パイプ157を変形支持パイプ157aにしている。
 前記変形支持パイプ157aは、操作部5を保持する第2ハンガー158の高さと口体部20を保持する第1ハンガー159の高さとを図に示すようにずらしたものである。このことによって、第1ハンガー159に保持されているカバー用内視鏡3の操作部5の位置と、第2ハンガー158に保持されている操作部5の位置とが同じ高さになる。すなわち、内視鏡カバー2を被覆したカバー用内視鏡3を第1ハンガー159に保持させた場合でも、カバー用内視鏡3を第2ハンガー158に保持させた場合でも、床から内視鏡カバー先端までの距離と床から挿入部先端までの距離とが常に同じになる。
 また、前記第7実施例のカバー保持台170の挿入部カバー保持部173を図27に示すように構成している。図に示すように挿入部カバー保持部173の先端側を扇状に広げて挿入部先端保持部176を形成している。そして、この挿入部先端保持部176には挿入方向に平行な2本の枠線177が引かれている。この2本の枠線177の間隔は、内視鏡カバー2のカバー外径よりもやや幅広となっている。なお、前記挿入部カバー保持部173は、内視鏡カバー2の外径より幅広な断面形状が凹状のガイド部となっている。また、前記挿入部先端保持部176の最先端部分には内視鏡カバー2がカバー用内視鏡3の挿入によって先端方向に伸びたとき当接する突き当て部178が設けてある。
 このことにより、図27に示すように内視鏡カバー2に無理な力がかかることなく挿入部31が挿通されて、口体部20と操作部5とが適切な位置で固定された装着状態では内視鏡カバー2がストレート状態になって枠線内に収まる。
 しかし、内視鏡カバー2に挿入部31を挿入して口体部20を操作部5に装着する際、操作部5に対して口体部20を引き上げすぎてしまうと、図28(a)に示すようにカバー用内視鏡3の挿入部31によって、内視鏡カバー2を形成するシース179が引き伸ばされる。このとき、内視鏡カバー2に配設されている管路22がシース179と共に、引き伸ばされ難いため、内視鏡カバー2が管路側に湾曲して枠線177からはみ出る。
 逆に、内視鏡カバー2に挿入部31を挿入して口体部20を操作部5に装着する際、操作部5に対して口体部20を引き戻しすぎてしまうと、一旦先端まで挿入された挿入部31が引き戻される。このとき、シース179は自然長より縮められた状態になるが、管路22がシース同様に縮小し難いため、内視鏡カバー2は管路側とは反対側に湾曲して枠線177からはみ出る。
 このように、内視鏡カバーとカバー用内視鏡とを装着する際、内視鏡カバーが枠線からはみ出すか否かを確認しておくことによって、シースに無理な力がかかることなく、口体部と操作部とを適切な位置で固定できたことを確認することができる。
 なお、図29(a)及び図29(b)に示すように複数の長穴181を設けた可変ガイド部材182を用意し、この可変ガイド部材182を固定ビス183を介して挿入部カバー保持部173に固定する構成にすることによって外径の異なる内視鏡カバー2に対して、1種類のカバー保持台で対応することができるので、複数の機種の内視鏡を持っているユーザーの金銭的な負担を軽減することができる。図29(a)は可変ガイド部材間の間隔を最も縮めた状態を示し、図29(b)は可変ガイド部材間の間隔を最も広げた状態を示している。
 図30は前記第7実施例の第1ハンガー159の別の構成を説明する図である。
 図に示すように第1ハンガー159には、口体部20に設けたフランジ20cの荷重を受ける段部191と、前記口体部20の鉗子口開口部20dを逃がすための切り欠き部192とを形成している。このため、鉗子口開口部20dを切り欠き部192に配置させることにより、第1ハンガー159に保持された口体部20は挿入部方向に対して垂直断面方向に回転しなくなる。
 また、前記第1ハンガー159は、ハンガー支持パイプ157に設けた軸193に対して回転自在である。しかし、矢印方向の回転を規制するため、ハンガー支持パイプ157に回転規制部材194を設けて、この回転規制部材194の一部に第1ハンガー159の肩口が突き当たるようにしている。
 さらに、前記口体部20の下端にはオーバーチューブ200が接続されるようになっており、この接続部が第1ハンガー159の下端に位置するように取り付けられるようになっている。
 なお、内視鏡カバー2の装着時、第1ハンガー159はカバー保持台170の向きに一致して軸193を中心に、反回転規制部材側に回転するのでカバー用内視鏡3への内視鏡カバー2への装着性が損なわれることはない。また、図30(a)に示すように単純にカバー用内視鏡3が第1ハンガー159に保持されている状態のとき、カバー用内視鏡3はユニバーサルコード51の重みで、ユニバーサルコード側に引っ張られるので、回転規制部材194に当接してカバー用内視鏡3は鉛直状態に保持される。よって、内視鏡カバー装着時以外は、カバー用内視鏡が常に第1ハンガーに鉛直状態で保持されるので落下が防止される。
 また、図31に示すようにカバー用内視鏡の操作部5を保持する前記第1のハンガー158を含むハンガー部195を、操作部5に設けた嵌合溝196に嵌合させて保持する構造にすることにより、内視鏡カバー2を、カバー用内視鏡3に装着する際、カバー用内視鏡3が上方に移動して外れることを防止することができる。
 図32はカバー保持台170の口体部保持部172の変形例である。本実施例においては口体部保持部172の外径寸法Mを、第1ハンガー159の内径寸法Kより小さくしている。このことにより、カバー保持台170を把持したまま、口体部20を第1ハンガー159に掛けることができるので作業者が口体部20や操作部5などに触れる回数を減らして衛生性を確保し易くなる。
 ここで、図33ないし図38を参照して内視鏡カバー装着装置1Fを用いて1日の使用状況の概略を各作業手順毎に説明する。
 1.検査前作業手順を説明する。
 まず、カバー装着装置1Fの第1ハンガー159及び第2ハンガー158をアルコールを含ませた清潔なガーゼまたは脱脂綿で消毒する。そして、図33(a)に示すように、第2ハンガー158に洗浄消毒済のカバー用内視鏡3を掛け、カバー用内視鏡3の操作部5から延出しているユニバーサルコード51の先端部に設けられている光源コネクタ201を光源装置202に、接続する。このとき、内視鏡の挿入部31が床に触れないように注意する。続いて、図33(b)に示すように内視鏡3の挿入部31が床に触れないように注意して、ハンガー支持パイプ157を支柱151の上方に持ち上げる。
 次に、ビデオシステムセンタ203に電気系ケーブル204をコネクタを介して接続する。続いて、送気、送水、吸引ユニット205に図示しない送気、送水、吸引チューブ(以下AWSチューブとする)を接続する。このとき、余分なAWSチューブをカート144に設けたフックにループさせて掛けて床に触れないようにしておく。
 次いで、図33(c)に示すようにカバー保持台170の口体部保持部172、挿入部カバー保持部173をアルコールを含ませた清潔なガーゼまたは脱脂綿などで消毒して後述する図36(a)に示すトレイ213をカート144の棚に用意しておく。
 2.カバー着脱手順を説明する。
 まず、カバー装着の際作業者は、カバー用内視鏡と内視鏡カバーとの装着作業を行うため、新しい手袋をはめる。そして、前記図33(c)に示した消毒済みのカバー保持台170に内視鏡カバー2をセットすると共に、前記トレイ213に袋を被せカート144の空いている棚に置いておく。
 次に、図34(a)に示すように高位置にある第2ハンガー158に掛けられているカバー用内視鏡3の挿入部31の表面に潤滑粉210を塗布する。そして、図34(b)に示すように、第2ハンガー158に掛けられているカバー用内視鏡3の挿入部31の先端部分を内視鏡カバー2の口体部20に形成してある挿入部挿入口から挿入していく。
 次いで、前記カバー用内視鏡の挿入部31が、内視鏡カバー内にある程度挿入されたところで、Hペダルを踏んでカバー用内視鏡3を高位置にしている固定状態を解除し、挿入部31を下方に引っ張って、図34(c)に示すようにハンガー支持パイプ157を支柱151の低位置に固定する。
 ここで、図34(d)に示すように口体部保持部172を把持して残りの挿入部31を挿入した後、口体部20と操作部5とを嵌合する。このとき、カバー用内視鏡3の先端硬質部が、内視鏡カバー2の先端カバーに嵌入していないときには、先端硬質部と先端カバーとを手作業で嵌入する。なお、前記図27に示したように内視鏡カバー2が枠線177からはみ出ることがないように口体部20と操作部5とを適切な位置で合わせる。
 次いで、第1ハンガー159に、この第1ハンガー159より若干大きいハンガーカバーを被覆した後、図34(e)に示すように、カバー保持台170の口体部保持部172を口体部20から外す。このとき、カバー用内視鏡3の挿入部31は、カバー保持台170に載せたままの状態で口体部保持部172を下方に降ろしていく。図34(f)に示すようにカバー保持台170に内視鏡カバー2の被さっているカバー用内視鏡3の挿入部31を載せた状態でカバー用内視鏡3を第2ハンガー158から第1ハンガー159に掛け換える。そして、1日の検査開始時のみだけ、送気、送水、吸引ユニット205に接続されているAWSチューブをユニバーサルコード51に取り付け、口体部20から延出する送気チューブ、送水チューブ、吸引チューブを接続して図34(g)に示すように、操作部5及びユニバーサルコード51にユニバーサルコードカバー171を被せる。
 この状態で、送気、送水、吸引を制御するスイッチユニット(図示しない)を、ユニバーサルコードカバー171の上から取り付け、これらコードを送気、送水、吸引ユニット205に接続する。そして、図34(h)に示すようにカバー保持台170に内視鏡カバー2の被さっているカバー用内視鏡3の挿入部31を載せたままLペダル165を踏んで低位置での固定を解除し、第1ハンガー159、第2ハンガー158を設けたハンガー支持パイプ157を再び上方に持ち上げ高位置に固定すると共に、図34(i)に示すようにカバー保持台170を直立状態に設置して邪魔にならない位置に移動保管しておく。
 3.使用前気密チェック手順を説明する。
 前記図34(i)に示した状態でコネクタの気密チェック口金に加圧チューブが接続されていることを確認して加圧を開始する。
 次に、内視鏡カバー内への加圧管路のバルブを閉じて内視鏡カバー内を高圧状態のまま一定時間放置する。このとき、高圧視認手段として加圧管路上に配した圧力計の数値変化により内視鏡カバー2内の気密状態を確認する。
 次いで、バルブを操作して内視鏡カバー内の圧力を除圧する。なお、内視鏡カバーに穴が開いていて気密に不具合があったときは、内視鏡カバーを外して別の内視鏡カバーをカバー装着手順にしたがって被せた後、再度内視鏡カバー2に穴が開いていないかを使用前気密チェック手順通りにおこなう。
 4.検査前作業手順を説明する。
 まず、図34(i)に示した状態から、Hペダル164を踏んで、第1ハンガー159、第2ハンガー158を備えるハンガー支持パイプ157の高位置での固定を解除する。
 次に、図35に示すように、内視鏡カバー2が装着されているカバー用内視鏡3の挿入部31が床につかないように挿入部31を持って、第1ハンガー159、第2ハンガー158を備えるハンガー支持パイプ157が低位置で固定されるまで引っ張り、その状態で第1ハンガー159から操作部5を取り外して検査を行う。
 5.検査終了後作業手順を説明する。
 まず、図36(a)に示すようにトレイ213を第1ハンガー159の真下に置いて挿入部31をトレイ213の中でループさせ、内視鏡カバー2を装着した状態のカバー用内視鏡3を、第1ハンガー159に保持する。このとき、口体部20を第1ハンガー159でホールドする。そして、この状態で送気、送水、吸引ユニット205からスイッチユニットのコードを外し、操作部5からスイッチユニットを取り外す。
 次に、図36(b)に示すようにユニバーサルコードカバー171をコネクタからずらしていき口体部20付近に束ねておく。
 次いで、AWSチューブを、送気チューブ、送水チューブ、吸引チューブから取り外す。そして、図36(c)に示すように第1ハンガー159から口体部20を取り外して、第2ハンガー158に操作部5を掛ける。なお、前記図36(b)及び図36(c)に示すように第1ハンガー159から第2ハンガー158にカバー用内視鏡3を掛け換える際、トレイ213を第1ハンガー159の真下の位置から第2ハンガー158の真下の位置に移動させる。
 次に、第1ハンガー159から使用済みのハンガーカバーを外してトレイ213の中に入れる。このとき、図36(c)に示すように、ユニバーサルコードカバー171をひっくり返して、挿入部31の上にかぶせて汚物の飛び散りを防止する。
 6.検査後気密チェック作業手順を説明する。
 まず、Lペダル165を踏んで、ハンガー支持パイプ157の低位置での固定を解除する。すると、図37(a)に示すように、ハンガー支持パイプ157が上方に持ち上がって高位置に固定される。
 次に、図37(a)の状態でコネクタの気密チェック口金に加圧チューブが接続されていることを確認して加圧を開始する。
 次いで、内視鏡カバー内への加圧管路のバルブを閉じ、内視鏡カバー内を高圧状態のまま一定時間放置する。このとき、高圧視認手段として加圧管路上に配した圧力計の数値変化により内視鏡カバー内の気密状態を確認する。バルブを操作して内視鏡カバー内の圧力を除圧する。
 この検査後気密チェック作業の際、内視鏡カバーに穴が開いていることが確認されたなら、カバー用内視鏡を内視鏡カバーから抜去した後、カバー用内視鏡の洗浄消毒を行う。内視鏡カバーに穴が開いていないことが確認されたときは、内視鏡カバーだけを新たな内視鏡カバーに交換して継続し検査を行う。
 なお、カバー用内視鏡の先端硬質部から先端カバーを取り外して図37(b)に示すように操作部5と口体部20との固定を解除し、裏返したユニバーサルコードカバー越しに、内視鏡カバー2を持ち、下方に引っ張るようにして取り外してトレイ213の中に廃棄する。このとき使用していた手袋も同じトレイ213の中に廃棄する。そして、このトレイ213に被されている袋に、内視鏡カバーおよび手袋、ハンガーカバーを包み込んで廃棄処理する。このとき、汚物などが手につかないように十分注意する。
 7.1日の検査終了後作業手順を説明する。
 まず、器材の回収、手入れ、保管を行うため、図37(b)に示すように高位置で第2ハンガー158に保持されているカバー用内視鏡3の挿入部31を引っ張り、Hペダル164を踏んで、図38(a)に示すように第1ハンガー159、第2ハンガー158を下降させて低位置に固定して、挿入部31を袋の被さっていないトレイ213の中に入れておく。
 次に、AWSチューブを取り外し、カート144に設けたフックに掛けておく。また、コネクタに接続されている気密チェック口金からチューブ、ケーブルを取り外すと共に、コネクタ52を光源装置202から取り外す。
 次いで、図38(b)に示すようにカバー用内視鏡3を第2ハンガー158から取り外し、カバー用内視鏡3を洗浄、消毒し、所定の場所に保管する。このとき、トレイ213も洗浄、消毒して所定の場所に保管する。また、送気、送水、吸引ユニット205からAWSチューブを取り外して廃棄処理する。
 最後に、カバー保持台170の口体部保持部172、カバー保持部39をアルコールを含ませた清潔なガーゼまたは脱脂綿などでを拭いてカバー保持台170を所定の場所に保管する。また、第1ハンガー159、第2ハンガー158もアルコールを含ませた清潔なガーゼまたは脱脂綿などで拭いておく。
 ところで、従来カバー方式内視鏡では、内視鏡カバーを所定位置より操作部側に引き上げることは不可能であった。このため、口体部と操作部とが突き当たったにも関らず、内視鏡カバー先端部とカバー用内視鏡の先端部とが突き当たらず、装着性が悪く視野ケラレの原因などになっていた。このため、カバー方式内視鏡において、内視鏡カバーとカバー用内視鏡との装着性の良いものが望まれていた。
 そこで、内視鏡カバー2の口体部21とカバー用内視鏡3の操作部5との接続構造を以下のようにしている。
 図39に示すように内視鏡カバー2の口体部21を弾性変形可能な部材で形成し、口体部21の操作部側に突起部90を形成する一方、操作部5より突出する凸部91に溝部92を設けている。そして、この突起部90の内径を凸部91の端部の外径より小さく、且つ、溝部92の外径より大きく形成している。凸部91は、軸方向に細長に形成され、この凸部91に内視鏡カバー装着時にシース93が伸びる長さを予め考慮し、例えば口体部21にHだけ移動できるように溝部92の幅を設定しておく。
 なお、突起部90の操作部側の端面及び凸部91の先端部側には突起部と凸部とがスムーズに着脱自在となるように面取りが施されている。
 このため、口体部21を操作部5に押しつけていくことにより、突起部90が、操作部5の先端側に形成した凸部91の先端部を乗り越えて、溝部92に落とし込まれる。口体部21の突起部90が溝部92に落とし込まれただけでは、シース93が伸びているため、内視鏡カバー2の先端とカバー用内視鏡3の先端とが当接した状態となっていない。そこで、口体部21を凸部91の溝部92に設けたストロークH分だけ、操作部側に移動させる。すると、シース93が引き上げられて、内視鏡カバー2の先端にカバー用内視鏡3の先端が当接し、再び突起部90が先端側に移動してシース93を自然長にして装着を完了する。
 このように、口体部を操作部の溝部に装着した状態で移動可能にしておくことにより、シースを引き伸ばすことができるので、内視鏡カバーの先端とカバー用内視鏡の先端とを確実に当接させて、視野ケラレを無くして装着することができる。
 また、図40(a)及び(b)に示すように弾性部材で形成した口体部21の端部に切り欠き部94を形成し、この口体部21を操作部5の先端側に突出する円筒部95の任意の位置に固定する。
 すなわち、口体部21の内径は、操作部5の円筒部95の外径より若干太径で、円筒部95にはストロークHが確保されている。そして、装着状態のとき、一度口体部21をストロークHだけ操作部側に移動させ、シース93を引き伸ばして、内視鏡カバー2の先端とカバー用内視鏡3の先端とを当接させた後、口体部21を円筒部95の任意の位置に締めつけ金具96で固定することによって同様の効果を得るようにしている。
 さらに、図41に示すように口体部21の内径部に突部97を形成し、操作部5にこの突部97と嵌合する溝部98を有し、ストロークHを確保した溝付き円筒部99を形成している。そして、口体部21の突部97を一度溝部98を乗り越えてストロークHだけ移動させてシースを引き伸ばして、内視鏡カバー2の先端とカバー用内視鏡3の先端とを当接させてから、口体部21の突部97を溝部98の位置まで戻してクリック感を伴って突部97と溝部98とを嵌合させて口体部21と操作部5との接続を確実に把握することができる。
 又、図42に示すように口体部21をスライド体100と固定体101とで構成し、固定体101を弾性変形可能な部材で形成し、操作部5に設けた接続部102に接続する。この接続部102にはクリック突起103が形成されており、このクリック突起103に固定体101の一端部に形成したクリック溝部104が嵌入することで、操作部5と口体部21とが着脱自在に接続されるようになっている。一方、スライド体100の操作部側端部には突起部105を有し、この突起部105が固定体101のスライド部106に対して軸方向へスライド自在に嵌合されている。なお、固定体101の他端部には、突起部105に突き当たる係止フランジ107が形成され、スライド体100から固定体101が抜け落ちるのを防止している。また、スライド体は、ストロークHだけスライドできるようにスライド部106の長さが設定されている。
 このことから、口体部21の固定体100のクリック溝部104と操作部5に設けたクリック突起103とを嵌入させて、口体部21と操作部5とを接続し、スライド体101をストロークHだけ移動させてシース93を引き伸ばして、内視鏡カバー2の先端とカバー用内視鏡3の先端とを当接させて装着を完了する。
 ところで、内視鏡カバーに空気を送り込むことにより、内視鏡カバーを膨張させ、内視鏡カバーとカバー用内視鏡挿入部とのクリアランスを大きくして、装着性を向上させる技術が知られている。しかし、従来のカバー方式内視鏡では、インフレーション口金が口体部に設けられているため、内視鏡カバーとカバー用内視鏡のすべり性を向上させるために塗布されている潤滑粉やゴミなど内視鏡カバーの先端部内面に溜まってしまい、カバー用内視鏡の対物レンズや照明レンズ、あるいは内視鏡カバーの先端のレンズカバー内面に付着して視野不良の原因となっていた。このため、良好な視野を確保できるカバー方式内視鏡が望まれていた。
 図43ないし図45に示すように挿入部31の先端には、先端硬質部111が設けられ、内視鏡カバー2の先端には、先端カバー112が設けられ、前記先端硬質部111が先端カバー112にはめ込まれて使用される。
 前記先端硬質部111の先端側には対物光学系レンズ113及び照明光学系レンズ114,インフレーションノズル115が設けられている。前記対物光学系レンズ113には、撮像ユニット116及び信号ケーブル117が接続され、照明光学系レンズ114には、照明用光ファイバー118が臨まれ、インフレーションノズル115にはインフレーション管路119が接続されている。
 先端カバー112には、レンズカバー120、処置具挿通口121、送気ノズル122、送水ノズル123が設けられている。
 内視鏡カバー装着時、インフレーション管路119より空気を送気し、インフレーションノズル115より空気を噴射する。このことにより、シース93が膨張し、挿入部31とシース93との間にクリアランスが生じる。
 このとき、インフレーションノズル115は、対物光学系レンズ113、照明光学系レンズ114に向けられており、シース93内に塗付された潤滑用粉末である例えば、コーンスターチ粉やタルク粉などあるいはゴミが対物光学系レンズ113や照明光学系レンズ114に付着しても吹き飛ばすことができる。またレンズカバー120の内面に付着した粉やゴミに関しても同様に吹き飛ばすことができる。
 このように、インフレーション効果により、装着性が向上し、光学系に付着した粉及びゴミを吹き飛ばすことができるので明瞭な視野を確保できる。
 また、硬質部111の先端部円筒形状を一部切り欠いて形成しているので、挿入部を細径化でき、体腔内への挿入性を向上させることができる。
 ところで、図46は内視鏡カバー2の管路系及び内視鏡カバー2とカバー用内視鏡3とを示すものであり、図46(a)に示すように前記内視鏡カバー2には送気、送水を行うための送気・送水管路215を有し、口体部20から先端カバー216までの間を1本の管路で形成している。そして、口体部20の内部には送気、送水、噴霧の切換バルブ217を設けている。この切換えバルブ217は、送気、送水管路215に連通している。また、前記切換バルブ217には送水チューブ218と送気チューブ219とが接続されている。このことにより、送気、送水管路215を1本の管路にできるので、挿入部径を細くできる。
 前記先端カバー216には前記送気・送水管路215に連通するノズル220が設けられ、このノズル220の開口方向には撥水コートを施したレンズカバー221が設けられている。
 カバー用内視鏡3の挿入部31の先端には先端硬質部222が設けられている。この先端硬質部222には先端カバー216に形成した径方向に開口している係止部223と、先端硬質部222に設けられて前記記係止部開口側から係合する係合部224が設けられている。前記係止部223と係合部224とはシース179によって係合部が外ずれるのを防止されている。
 図46(b)に示すように先端カバー216から先端硬質部222を外す過程では、先端カバー216の係止部223に対して先端硬質部222の係合部224を係止部223の開口側へ移動させる。すると、シース179の締め付け力に反して先端硬質部222が移動し、係止部223と係合部224との係合が外れる。そして、先端硬質部222をさらに手元側に移動させて取り外す。このことにより、先端カバー216と先端硬質部222との着脱が容易で使用時に外れにくい構成にすることができる。
[付記]
1.管路を配設し内視鏡の挿入部を覆う挿入部カバー及びこの挿入部カバーの手元側に位置する挿入部挿入口を有する内視鏡カバーを直線状態に保持するカバー保持台と、観察光学系を配した挿入部及び内視鏡の把持部を兼ねた操作部を有する内視鏡を前記内視鏡カバーと同方向に向けて保持する操作部保持台と、前記操作部保持台または前記カバー保持台の少なくとも一方に、前記内視鏡操作部と前記内視鏡カバーの挿入部挿入口との対向位置関係を一致させる回転手段とを具備する内視鏡カバー装着装置
2.カバー用内視鏡の操作部を、操作部保持部を構成する操作部保持台に対して平行に保持する付記1記載の内視鏡カバー装着装置。
3.上記回転手段は少なくとも操作部保持台に固定されている操作部をカバー用内視鏡挿入部軸方向に対して、略垂直な面上で回転するようにした付記1及び付記2記載の内視鏡カバー装着装置。
4.上記回転手段はカバー保持台に固定されている内視鏡カバーをカバー用内視鏡挿入部軸方向に対して、略垂直な面上で回転するようにした付記1記載の内視鏡カバー装着装置。
5.上記カバー保持台上の内視鏡カバーを保持した状態でカバー用内視鏡を装着する付記4記載の内視鏡カバー装着装置。
6.上記カバー保持台を鉛直軸に対して90度以上角度に傾斜させた付記1記載の内視鏡カバー装着装置。
7.上記カバー保持台に内視鏡カバーを固定する付記4及び付記6記載の内視鏡カバー装着装置。
8.カバー用内視鏡と内視鏡カバーとを対向方向に移動させて装着する付記3記載の内視鏡カバー装着装置。
9.カバー保持台の断面形状が雨どい型形状である付記1記載の内視鏡カバー装着装置。
10.カバー保持部がV型形状である付記1記載の内視鏡カバー装着装置
11.カバー保持部が凹状形状である付記1記載の内視鏡カバー装着装置
12.カバー保持手段及び操作部保持手段に滅菌シートを被せられる付記1記載の内視鏡カバー装着装置。
13.カバー保持台と操作部保持台との間に間隙を設けた付記1記載の内視鏡カバー装着装置。
14.観察光学系を配した挿入部及び内視鏡の把持部を兼ねた操作部を有する内視鏡を鉛直状態に保持する操作部保持台と、管路を配設し内視鏡の挿入部を覆う挿入部カバー及びこの挿入部カバーの手元側に位置する挿入部挿入口を有する内視鏡カバーを鉛直軸に対して90度以上傾かせて保持するカバー保持台とを具備する内視鏡カバー装着装置。
15.カバー用内視鏡のコネクタを保持するコネクタ保持部がカバー保持台側にある付記1及び付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
16.カバー用内視鏡のコネクタを保持するコネクタ保持部が操作部保持台側にある付記1記載及び付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
17.カバー用内視鏡のコネクタを光源装置につけた状態で内視鏡カバーにカバー用内視鏡を装着可能な付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
18.前記内視鏡を保持する操作部保持台を、光源装置やビデオプロセッサなどの内視鏡装置を載置するカートに一体的に設けた付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
19.前記カバー用内視鏡の操作部の高さを変化させることなく、前記カバー保持台を鉛直軸に対して90度からそれ以上の角度に回転移動させてカバー用内視鏡と内視鏡カバーとを装着する付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
20.前記カバー保持台が内視鏡カバーの挿入部先端部を下に向けて直立状態でで設置される付記14及び付記19記載の内視鏡カバー装着装置。
21.前記操作部保持台と前記カバー保持台とを回転移動させてカバー用内視鏡と内視鏡カバーとを装着する付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
22.前記カバー保持台を鉛直軸に対して90度にした状態で、前記操作部保持台の操作部を下方向に移動させると共に、回転移動させてカバー用内視鏡と内視鏡カバーとを装着する付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
23.前記操作部を保持する操作部保持台をラック&ピニオン機構で回転させる付記21及び付記22記載の内視鏡カバー装着装置。
24.前記操作部を保持する操作部保持台を回転自在に遊嵌勇敢固定した付記21及び付記22記載の内視鏡カバー装着装置。
25.前記操作部保持台の操作部を固定する固定具の幅を操作部の幅より広くした付記21及び付記22記載の内視鏡カバー装着装置。
26.前記操作部保持台の操作部を上下方向及び回転移動させると共に、前記カバー保持台を鉛直軸に対して90度からそれ以上の角度に回転移動させててカバー用内視鏡と内視鏡カバーとを装着する付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
27.前記操作部を保持する操作部保持台を油圧シリンダで上下方向に移動させる付記26記載の内視鏡カバー装着装置。
28.前記カバー保持台が内視鏡カバー梱包材を兼ねる付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
29.前記操作部保持台に伸縮自在のアームを設けた付記15記載の内視鏡カバー装着装置。
30.前記操作部保持台に内視鏡操作部を保持するハンガーと内視鏡カバーの口体部を保持するハンガーとを設けた付記14及び付記26記載の内視鏡カバー装着装置。
31.前記操作部保持台のハンガーに内視鏡操作部を保持したとき、操作部側面から延出するユニバーサルコードの延出方向がカートに載置されている内視鏡装置の操作面側に付記30記載の内視鏡カバー装着装置。
32.前記操作部保持台の内視鏡操作部を保持するハンガーの床面からの高さと内視鏡カバーの口体部を保持するハンガーの床面からの高さを、床面からそれぞれのハンガーに取り付けられた内視鏡の挿入部先端面までの距離を同距離にした付記30記載の内視鏡カバー装着装置。
33.前記カバー保持台にカバー用内視鏡の内視鏡カバーへの装着状態を知らしめる指標を設けた付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
34.前記カバー保持台に内視鏡カバーの直径の変化に対応する可変ガイド部材を設けた付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
35.前記操作部保持台に回転方向を制御するストッパーを設けた付記21及び付記26記載の内視鏡カバー装着装置。
36.内視鏡カバーにオーバーチューブを被せた状態で装着作業の行える付記1及び付記14記載の内視鏡カバー装着装置。
37.内視鏡カバーの先端部をカバー保持部に固定する固定手段を有する付記1記載の内視鏡カバー装着装置。
38.上記固定手段が内視鏡カバーの長さに対応できるよう複数設けられている付記37記載の内視鏡カバー装着装置。
39.内視鏡カバーの口体部と、カバー用内視鏡の操作部との接続部に口体部の係止手段と、この口体部を係止部より操作部側に移動する移動スペースを設けた付記1記載の内視鏡カバー装着装置。
40.カバー用内視鏡の挿入部内にインフレーション管路を有し、このインフレーション管路が挿入部の先端硬質部に設けたノズルに連通している付記1記載の内視鏡カバー装着装置。
41.内視鏡カバーとカバー用内視鏡との装着が、内視鏡カバーを所定の向きに配置する工程と、内視鏡カバーの向きに対応させてカバー用内視鏡の向きを合わせる工程と、カバー用内視鏡と内視鏡カバーとを近接させて口体部と操作部とを一体にする工程とからなる内視鏡カバー装着方法。
42.上記内視鏡カバーの所定の向きは、内視鏡カバーに設けられている管路が内視鏡カバーの断面に対して鉛直方向下側である付記41記載の内視鏡カバー装着方法。
43.上記内視鏡カバーとカバー用内視鏡の位置合わせをカバー用内視鏡の操作部保持部を回転させて合わせる付記41記載の内視鏡カバー装着方法。
44.上記内視鏡カバーとカバー用内視鏡の位置合わせを内視鏡カバーの口体部の位置で合わせる付記41記載の内視鏡カバー装着方法。
45.上記内視鏡カバー側を移動させて行う付記41記載の内視鏡カバー装着方法。
46.上記カバー用内視鏡側を移動させて行う付記41記載の内視鏡カバー装着方法。
47.上記内視鏡カバー側及びカバー用内視鏡側を双方共に移動させて行う付記41記載の内視鏡カバー装着方法。
図1ないし図5は本発明の第1実施例に係り、図1は内視鏡カバー装着装置の概略構成図 操作部保持台の回転手段を説明する図 操作部保持台とカバー保持台との間隔と口体部の長さとの関係を示す図 カバー保持台に配置される内視鏡カバーの向きを説明する図 内視鏡を内視鏡カバーに装着した状態を示す図 カバー保持台及び操作部保持台に滅菌シートを被せた内視鏡カバー装着装置を示す図 図7及び図8は内視鏡カバー装着装置の他の構成に係り、図7は内視鏡カバー装着装置の構成図 カバー保持台の断面形状を示す図 操作部保持台の他の構成を示す図 操作部保持台の別の構成を示す図 本発明の第2実施例に係る内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す図 内視鏡カバーをカバー用内視鏡に自動で装着する内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す図 図13及び図14は本発明の第3実施例に係り、図13は内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す説明図 内視鏡カバー装着装置の作用を説明する図 図15は本発明の第4実施例に係る内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す図 図16及び図17は本発明の第5実施例に係り、図16は内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す図 内視鏡カバー装着装置を用いて内視鏡カバーにカバー用内視鏡を装着した状態を示す図 前記変形例と一部構成の異なる内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す図 スコープハンガーの他の構成を示す図 本発明の第6実施例に係る内視鏡カバー装着装置の概略構成を示す図 アームの他の構成を示す図 アームの別の構成を示す図 図23ないし図25は本発明の第7実施例に係り、図23は操作部保持台の概略構成を示す側面図 内視鏡カバーにカバー用内視鏡の挿入部を挿入している状態を示す側面図 図24の正面図 ハンガー支持パイプの変形例を示す図 カバー保持台の他の構成を示す図 カバー保持台の作用を示す図 カバー保持台の別の構成を示す図 第1ハンガーの別の構成を説明する図 ハンガーの他の構成を示す図 カバー保持台の口体部保持部の変形例 検査前作業手順を説明する図 カバー着脱手順を説明する図 検査前作業手順を説明する図 検査終了後作業手順を説明する図 検査後気密チェック作業手順を説明する図 1日の検査終了後作業手順を説明する図 口体部と操作部との接続方法を説明する図 口体部と操作部との他の接続方法を説明する図 口体部と操作部との別の接続方法を説明する図 口体部と操作部とのその他の接続方法を説明する図 カバー式内視鏡の装着状態を示す図 カバー内視鏡の横断面図 カバー内視鏡の縦断面図 カバー内視鏡の管路及び嵌合部を説明する図
符号の説明
  1…内視鏡カバー装着装置 
  2…内視鏡カバー 
  3…カバー用内視鏡 
  4…カバー保持台 
  5…操作部 
  6…操作部保持台 
  31…挿入部 
  63…回転ピン
  代理人 弁理士  伊藤 進

Claims (1)

  1. 観察光学系を配した挿入部及び内視鏡の把持部を兼ねた操作部を有する内視鏡の操作部の長手方向軸と鉛直方向のなす角度を可変にする手段を有する操作部保持台と、
     管路を配設し内視鏡の挿入部を覆う挿入部カバー及びこの挿入部カバーの手元側に位置する挿入部挿入口を有する内視鏡カバーの長手方向軸と鉛直方向のなす角度を可変にする手段を有するカバー保持台と、
     前記操作部保持台または前記カバー保持台の少なくとも一方に設けられ、前記内視鏡操作部と前記内視鏡カバーの挿入部挿入口との対向位置関係を一致させる回転手段と、
     を具備することを特徴とする内視鏡カバー装着装置。
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