JP2004007032A - 電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込み方法、電子透かしを有する記録媒体および記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】映像の画質を低下させることなくウォータマークを確実に検出することができる電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込み方法および電子透かしを有する記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み装置に関する。この電子透かし埋め込み装置は、コンテンツに埋め込む電子透かしの強度を変動させる強度設定部404および強度変更部405と、電子透かしの強度を、間隔を空けて高くするように、強度変更部405を制御する制御部414と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み装置に関する。この電子透かし埋め込み装置は、コンテンツに埋め込む電子透かしの強度を変動させる強度設定部404および強度変更部405と、電子透かしの強度を、間隔を空けて高くするように、強度変更部405を制御する制御部414と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル情報からなるコンテンツに複製を制限するための電子透かしを埋め込む、電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込み方法、電子透かしを有する記録媒体および記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルテレビ放送の実現により、映像のデジタル信号による配信が一般化しつつある。また、映像を光ディスクや磁気テープなどにデジタルデータとして記録するビデオレコーダーも普及しつつある。映像をデジタルデータとして記録することができれば、映像を劣化させることなく複製することが可能となる。このため、著作権等の観点から、映像の複製を制限する必要がある。
【0003】
例えば、特開平2000−173175号公報に開示されたウォータマーク(電子透かし)技術は映像の複製を制限する技術の1つであり、デジタル映像に複製制限に関する情報を埋め込む技術である。以下、デジタル映像に埋め込むための複製制限に関する情報を「ウォータマーク」と呼ぶ。ウォータマークは、映像中に隠れるように埋め込まれる。このため、ウォータマークを映像中に埋め込んでも、映像の質はほとんど低下しない。また、ウォータマークが埋め込まれた映像を受け取った者は、その映像中にウォータマークが存在することさえ認識できないであろうから、ウォータマークを映像から除去することは極めて困難である。
【0004】
上記特開平2000−173175号公報には、複製禁止を示すウォータマークと1世代複製許可を示すウォータマークを用いたシステムが開示されている。このようなシステムによれば、複製の回数を管理することができるので、著作権の問題を生じさせることなく、テレビ放送の受信者は放送時間に束縛されずに配信された映像を見ることができる。
【0005】
このシステムでは、デジタル映像がビデオレコーダーに入力されたとき、ビデオレコーダーはその映像中にウォータマークが存在するか否かを判断する。ウォータマークが存在し、そのウォータマークが複製禁止を示すものであれば、ビデオレコーダーはその映像の記録を行わない。また、ウォータマークが存在していないとき、あるいはウォータマークは存在するがそのウォータマークが1世代複製許可を示すものであれば、ビデオレコーダーは、その映像は1度の複製が許可されていると判断し、その映像を例えば光ディスクに記録する。このとき、ウォータマークが1世代複製許可を示すものであれば、ビデオレコーダーは、その映像に複製禁止を示すウォータマークを埋め込んで記録する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ウォータマークは映像中に埋め込まれるため、ウォータマークの強度は本来の映像の画質を劣化させないような強度に設定される。しかし、映像の性質によってはウォータマークが本来の映像と区別しにくくなり、ウォータマークの検出が困難になるという問題がある。ウォータマークの検出を容易なものとするためにウォータマークの強度を高めると、こんどは映像の画質を低下させてしまう。
【0007】
本発明は、映像の画質を低下させることなくウォータマークを確実に検出することができる電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込み方法および電子透かしを有する記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子透かし埋め込み装置は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み装置であって、コンテンツに埋め込む電子透かしの強度を変動させる変動手段(404,405等)と、電子透かしの強度を、間隔を空けて高くするように、変動手段(405等)を制御する制御手段(414等)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この電子透かし埋め込み装置によれば、コンテンツに埋め込まれる電子透かしの強度を間隔を空けて高くするので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0010】
本発明の電子透かし埋め込み方法は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み方法であって、コンテンツに埋め込む電子透かしの強度を、間隔を空けて高くするように電子透かしの強度を変動させる変動手順を備えることを特徴とする。
【0011】
この電子透かし埋め込み方法によれば、コンテンツに埋め込まれる電子透かしの強度を間隔を空けて高くするので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0012】
本発明の電子透かしを有する記録媒体は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込んだ映像が記録された、電子透かしを有する記録媒体であって、コンテンツに埋め込まれた電子透かしの強度が、間隔が空いて高くなっていることを特徴とする。
【0013】
この電子透かしを有する記録媒体によれば、コンテンツに埋め込まれた電子透かしの強度が、間隔が空いて高くなっているので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0014】
本発明の電子透かし埋め込み装置は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み装置であって、コンテンツに予め埋め込まれている第1の電子透かしを検出する検出手段(415等)と、検出手段(415等)の検出結果に応じて、コンテンツに第2の電子透かしを埋め込む埋め込み手段(406等)と、を備え、検出手段(415等)は、埋め込み手段(406等)よりも前段に配置されていることを特徴とする。
【0015】
この電子透かし埋め込み装置によれば、検出手段および埋め込み手段の間における信号処理の影響を受けることなく検出手段により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手段により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手段および埋め込み手段の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【0016】
本発明の電子透かし埋め込み方法は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み方法であって、コンテンツに予め埋め込まれている第1の電子透かしを検出する検出手順と、検出手順の検出結果に応じて、コンテンツに第2の電子透かしを埋め込む埋め込み手順と、を備え、検出手順では、埋め込み手順において第2の電子透かしを埋め込む位置よりも前段において第1の電子透かしを検出することを特徴とする。
【0017】
この電子透かし埋め込み方法によれば、検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けることなく検出手順により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手順により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【0018】
本発明の記録媒体の製造方法は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込んだ情報が記録された記録媒体の製造方法であって、コンテンツに予め埋め込まれている第1の電子透かしを検出する検出手順と、検出手順の検出結果に応じて、コンテンツに第2の電子透かしを埋め込む埋め込み手順と、埋め込み手順を経た信号を記録媒体に記録する記録手順と、を備え、検出手順では、埋め込み手順において第2の電子透かしを埋め込む位置よりも前段において第1の電子透かしを検出することを特徴とする。
【0019】
この記録媒体の製造方法によれば、検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けることなく検出手順により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手順により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【0020】
なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による電子透かし埋め込み装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、デジタル情報からなるコンテンツとして映像コンテンツを例示しているが、音楽コンテンツ等すべてのデジタル情報からなるコンテンツに適用できる。
【0022】
−第1の実施形態−
以下、図1〜図6を参照して、本発明による電子透かし埋め込み装置の第1の実施形態について説明する。
【0023】
図1は第1の実施形態の電子透かし埋め込み装置401を示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置401は、ベースバンドとされる映像信号にウォータマーク(電子透かし)を埋め込むものである。
【0024】
図1に示すように、電子透かし埋め込み装置401は、映像コンテンツの複製制限に関する情報として用いられるウォータマーク(電子透かし)を構成するPN(PseudorandomNoise)系列を生成するPN系列生成部403と、PN系列生成部403から出力されたPN系列を増幅してその強度を設定する強度設定部404と、PN系列の強度を変更する強度変更部405と、映像信号とPN系列とを加算する加算部406と、映像信号のノイズを低減するノイズリダクション部407と、映像信号を圧縮符号化するMPEGエンコーダ408と、RAMおよびROMを有する記憶部410と、操作者に向けて所定の情報を提示するための表示部411と、操作者の操作を受付ける操作部412と、上記各部を制御する制御装置414とを備える。
【0025】
埋め込み装置401は、例えば、放送局の放送設備の一部として使用することができる。この場合には、MPEGエンコーダ408から出力されるMPEGストリームを映像信号出力装置にて増幅し、アンテナを介して送信することにより、映像を配信することができる。
【0026】
また、電子透かし埋め込み装置401は、例えば映画会社等で使用される録画装置の一部として使用することができる。この場合には、ウォータマークの入っていないコンテンツにウォータマークを埋め込み、光ディスク、ビデオテープ等の記録媒体に記録することができる。
【0027】
次に、PN系列生成部403で生成されるPN系列により構成されるウォータマークについて、図2〜図5を参照して説明する。
【0028】
デジタル映像には、このデジタル映像を構成する各画像の輝度を表す情報が含まれている。この輝度を表す情報は、例えば4〜8ビット程度の数値であり、画像を構成する画素にそれぞれ対応している。即ち、各画素毎に輝度を表す数値が個別的に設定されている(以下、画素の輝度を表す数値を「輝度値」という)。これについて、図2を用いて具体的に説明すると、図2中の画像P1はデジタル映像を構成する画像の1つであり、画像P1中のa,b,c,d,…はそれぞれの画素に設定された輝度値を示している。
【0029】
ウォータマークは、所定の規則に基づいて生成された信号、例えば、本実施形態ではPN系列によって構成されており、PN系列の各符号を画素の輝度値にそれぞれ加算することによって画像中に埋め込まれる。例えば、図2中の「0011……」はウォータマークを構成するPN系列である。このPN系列を画像P1中の輝度値a,b,c,d,…に加算することにより、輝度値が図3に示すように、a,b,c+1,d+1,…となる。このようにして、ウォータマークがデジタル映像を構成する各画像に埋め込まれる。
【0030】
ウォータマークを構成するPN系列は、例えばM系列のような疑似ランダム符号のシーケンスであり、PN系列を生成するための多項式(生成式)に初期値を与えることにより生成される。本実施形態において、PN系列を生成するための多項式(生成式)は、例えば、図4に示すようなPN系列生成回路1として具現化される。PN系列生成回路1は、シフトレジスタ1A〜1Dおよび加算器1Eにより構成され、PN系列生成部403に設けられる。なお、実際に用いられるPN系列は、系列周期が長くなるように、よりシフトレジスタ数の多いものが用いられる。
【0031】
また、本実施形態では、互いに異なる2種類のPN系列を生成し、これらのうちの一方を、1世代複製許可を示すウォータマークとして用い、他方を複製禁止を示すウォータマークとして用いる。PN系列は、多項式および初期値のうちのいずれか一方または双方を変更することによってランダム符号の配列が変化する。従って、多項式および初期値のうちのいずれか一方または双方を変更することによって異なるPN系列を生成することができる。
【0032】
例えば、1世代複製許可を示すウォータマークとして用いられるPN系列を、図4に示すPN系列生成回路1によって生成する。一方、複製禁止を示すウォータマークとして用いられるPN系列を、図5に示すPN系列生成回路2によって生成する。図5に示すPN系列生成回路2は、PN系列生成回路1に対応する多項式(生成式)と異なる多項式(生成式)を具現化したものであり、シフトレジスタ2A〜2Dおよび加算器2Eにより構成されている。PN系列生成回路2もまた、PN系列生成部403に設けられる。
【0033】
PN系列生成回路1に対応する多項式とPN系列生成回路2に対応する多項式が異なることは、シフトレジスタおよび加算器の接続が、PN系列生成回路1とPN系列生成回路2とで異なることから明らかである。このように、接続または構成が異なる2つのPN系列生成回路(即ち、構造が異なる2つの多項式)を用いることにより、1世代複製許可を示すウォータマークと複製禁止を示すウォータマークをそれぞれ生成することができる。
【0034】
また、図4に示すPN系列生成回路1のみを用いて、1世代複製許可を示すウォータマークと複製禁止を示すウォータマークをそれぞれ生成することも可能である。この場合には、PN系列生成回路1に与える初期値を2種類用意する。これら2種類の初期値のうちの一方の初期値をPN系列生成回路1に与えることによって、1世代複製許可を示すウォータマークを構成するPN系列を生成し、他方の初期値を同じPN系列生成回路1に与えることによって、複製禁止を示すウォータマークを構成するPN系列を生成することができる。例えば、1世代複製許可を示すウォータマークを構成するPN系列を生成するときには、シフトレジスタ1Aないし1Dに初期値「0011」を入力する。一方、複製禁止を示すウォータマークを構成するPN系列を生成するときには、シフトレジスタ1Aないし1Dに初期値「0101」を入力する。
【0035】
次に、強度設定部404の動作について説明する。
【0036】
強度設定部404には、図1に示すように、映像信号とPN系列生成部403から出力されたPN系列とが入力される。そして、強度設定部404は、入力された映像信号に基づいて、PN系列生成部403からのPN系列を適切な強度に設定する。具体的に説明すると、強度設定部404は、1画像を構成する画素にそれぞれ設定された輝度値が大きく変化しているか、それとも、小さく変化しているかを検出する。輝度値が大きく変化しているときには、その画像は、例えば複雑な模様を有しているので、ウォータマークが埋め込まれても、ウォータマークが目立たない。そこで、輝度値が大きく変化しているときには、強度設定部404は、PN系列生成部403から出力されたPN系列、即ち、ウォータマークの強度を高めに設定する。例えば、PN系列が「0101……」である場合には、強度設定部404は、これを「0202……」または、「0303……」に設定する。そして、強度設定部404は、設定したPN系列を強度変更部405に出力する。
【0037】
一方、1画像を構成する画素にそれぞれ設定された輝度値が小さく変化しているときには、その画像は、例えばフラットな画像であるため、ウォータマークが目立ちやすい。そこで、輝度値が小さく変化しているときには、強度設定部404は、PN系列生成部403から出力されたPN系列をそのまま強度変更部405に出力する。
【0038】
次に、強度変更部405の動作について説明する。
【0039】
強度設定部405は、制御部414に制御されて、強度設定部404から出力されたPN系列の強度をある間隔で短期間、例えば数フレーム(1〜3フレーム)分だけ高め、加算部406へ出力する。
【0040】
すなわち、制御部414は、ランダム周期又は何らかの法則に従った不定周期、シーンチェンジ毎、エッジが多い画像(複雑な画像、アクティブな画像)毎、動きの激しい画像(動きベクトルの大きい画像)毎に、強度変更部405がPN系列の強度を高めるように制御する。
【0041】
そして、加算部406は、映像信号と強度変更部405から出力されたPN系列とを加算してノイズリダクション部407に出力する。ノイズリダクション部407は、PN系列が加算された映像信号に対してノイズ低減処理を施してMPEGエンコーダ408に出力する。MPEGエンコーダ408は、ノイズ低減処理が施された映像信号を圧縮符号化して、MPEGストリームとして出力する。
【0042】
ここで、強度変更部405がランダム周期又は不定周期でPN系列、即ちウォータマークの強度を高める理由は、ウォータマークが一定周期(一定の時間間隔)で高くなる映像に比べ、ランダム周期又は不定周期(ランダム又は不定の時間間隔)で高くなる映像の方が、視聴者がウォータマークの存在を認識しづらいからである。
【0043】
また、強度変更部405がシーンチェンジ毎、エッジの多い画像毎、動きの激しい画像毎にウォータマークの強度を高める理由は、ウォータマークの強度が高くても、映像シーンの切り替わりによる時間的に変化の多い映像、エッジの多い映像、動きの激しい映像によって、視聴者がウォータマークの存在を認識しづらいからである。
【0044】
このように、電子透かし埋め込み装置401は、確実に検出することができるような強度が高いウォータマークを映像コンテンツに埋め込むことができる。この際、電子透かし埋め込み装置401が埋め込むウォータマークは、数フレーム分だけであるため、映像コンテンツに対する影響が非常に小さく、実質的に映像を劣化させることがない。
【0045】
なお、制御部414は、上述のランダム周期又は不定周期、シーンチェンジ毎、エッジが多い画像毎、動きの激しい画像毎の他に、それらを組み合わせて強度変更部405を制御することもできる。例えば、制御部414は、ランダム又は不定時間が経過した後のシーンチェンジ時に強度変更部405を制御する。なお、この場合、PN系列の強度を高める周期が結果的にランダム又は不定であればよいので、一定時間が経過した後のシーンチェンジ時に、制御部414が強度変更部405を制御するようにしても構わない。
【0046】
次に、図6を参照して、電子透かし埋め込み装置401の動作について説明する。図6は一定時間が経過した後のシーンチェンジ時に、ウォータマークの強度を高める場合の処理を示すフローチャートである。この処理は制御部414の制御に基づいて実行される。
【0047】
ステップS1において、制御部414は、入力された映像信号に付加されているCCI(Copy Control Information: コピー制御情報)に基づいて、複製禁止(NC: Never Copy)、1世代複製許可(CO: Copy Once)又は複製許可(Free)かを判断する。複製禁止の場合は、ステップS2へ進み、1世代複製許可の場合は、ステップS3へ進み、複製禁止の場合は、ステップS13へスキップする。
【0048】
ステップS2において、PN系列生成部403が複製禁止に対応するPN系列、即ちウォータマークを生成するように設定し、ステップS4へ進む。また、ステップS3において、制御部414は、PN系列生成部403が1世代複製許可に対応するPN系列、即ちウォータマークを生成するように設定し、ステップS4へ進む。
【0049】
次に、制御部414は、フラグをオフする初期設定を行って、図示しないタイマをセットし(ステップS4)、PN系列の強度を設定するように強度設定部404を制御する(ステップS5)。次に、制御部414は、フラグのオン/オフを判断し(ステップS6)、オンであればステップS9へスキップし、オフであればステップS7へ進む。
【0050】
ステップS7において、制御部414は、タイマの計時が一定時間経過したか否かを判断し、一定時間経過していれば、フラグをオンにして(ステップS8)、ステップS9へ進み、一定時間経過していなければ、ステップS12へスキップする。
【0051】
ステップS9において、制御部414は、入力された映像信号に基づいて、シーンチェンジがあったか否か判断し、シーンチェンジがあった場合、ステップS11へ進み、シーンチェンジがなかった場合、ステップS12へスキップする。
【0052】
次に、制御部414は、PN系列の強度を数フレーム分だけ高めるように強度変更部405を制御し(ステップS10)、フラグをオフにする(ステップS11)。
【0053】
ステップS12において、加算部406にて、入力された映像信号と、強度変更部405からの強度が高められたPN系列、即ちウォータマークとが加算される。なお、ウォータマークが埋め込まれた映像信号は、ノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408を経て、MPEGストリームとして出力される。
【0054】
ステップS13では、制御部414は、映像コンテンツの映像信号の入力が終了したか否かを判断し、終了していれば処理を終了し、終了していなければ、ステップS5へ戻って処理が行われる。
【0055】
以上のように、図6の処理では、電子透かし埋め込み装置401は、まず強度設定部404にてPN系列の強度を設定し、一定時間が経過した後のシーンチェンジ時に、強度変更部405にてPN系列の強度を高めるという処理を繰り返している。従って、電子透かし埋め込み装置401は、一定時間が経過した後のシーンチェンジ時に、強度を高めたウォータマークを映像コンテンツに埋め込むことができる。これにより、このウォータマークは、確実に検出が可能で、かつ映像中で目立つことがない。
【0056】
−第2の実施形態−
以下、図7を参照して、本発明の電子透かし埋め込み装置の第2の実施形態について説明する。図7では、第1の実施形態の構成に対応する要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
図7は第2の実施形態の電子透かし埋め込み装置401Aを示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置401Aは、映像コンテンツをMPEGエンコードしたMPEGストリームにウォータマークを埋め込むものであり、例えば、放送局等から送信された映像信号を記録媒体に記録する録画装置の一部として使用することができる。
【0058】
図7に示すように、第2の実施形態の電子透かし埋め込み装置401Aでは、映像信号に対しノイズリダクション部407によりノイズ低減し、さらにMPEGエンコーダ408により圧縮符号化処理を施して、MPEGストリームを強度設定部404Aおよび加算部406Aに入力している。従って、強度設定部404Aでは、このMPEGストリームに基づいて、PN系列の強度を設定している。また、加算部406Aでは、このMPEGストリームに対してPN系列を加算している。
【0059】
強度変更部405Aは強度設定部404Aから出力されるPN系列の強度を所定のタイミングで高くし、加算部406Aに向けて出力する。強度変更部405Aの動作としては、第1の実施形態における強度変更部405と同様の動作を採用することができる。
【0060】
このように、電子透かし埋め込み装置401Aは、映像信号に対し、ノイズリダクション部407によるノイズ低減およびMPEGエンコーダ408による圧縮符号化処理を施し、生成されたMPEGストリームに対して強度を高めたPN系列、即ちウォータマークを重畳している。
【0061】
これにより、電子透かし埋め込み装置401Aは、ウォータマークを結果的に劣化させるノイズ低減処理や圧縮符号化処理の後にウォータマークを埋め込んでいるため、ウォータマークを劣化させるおそれがない。従って、電子透かし埋め込み装置401Aは、MPEGストリームとして出力される映像信号のウォータマークの強度や状態をより適切に管理できるという利点がある。
【0062】
−第3の実施形態−
以下、図8を参照して、本発明の電子透かし埋め込み装置の第3の実施形態について説明する。図8では、第1の実施形態の構成に対応する要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
図8は第3の実施形態の電子透かし埋め込み装置401Bを示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置401Bは、既にウォータマークが埋め込まれたベースバンドとされる映像信号にウォータマークを再度埋め込む(リマーキング)するものであり、電子透かし埋め込み装置401と同様に、放送局の放送設備の一部や映画会社等の録画装置の一部として使用することができる。
【0064】
図8に示すように、電子透かし埋め込み装置401Bは、入力されてくる映像信号からウォータマークを検出するウォータマーク検出部415を備える。
【0065】
ウォータマーク検出部415は、受け取った映像信号を光ディスク等の記録媒体に記録する前に、映像信号にウォータマークが埋め込まれているか否か、および、映像信号に埋め込まれているウォータマークが1世代複製許可および複製禁止のうちいずれを示すのかを検出し、検出結果を制御部414へ出力する。
【0066】
ウォータマーク検出部415により1世代複製許可を示すウォータマークが検出された場合、PN系列生成部403では複製禁止に対応するPN系列を生成する。このPN系列の強度は、第1の実施形態と同様に強度設定部404において設定され、さらに強度変更部405において強度が変更される。強度変更部405から出力されたPN系列は、加算部406において映像信号に加算される。
【0067】
強度変更部405では、強度設定部404から出力されるPN系列、即ちウォータマークの強度を数フレーム分だけ高め、加算部406に向けて出力する。強度変更部405の動作として、第1の実施形態における強度変更部405と同様の動作を採用することができる。なお、ウォータマークが埋め込まれた映像信号は、ノイズリダクション部407によるノイズ低減およびMPEGエンコーダ408によるMPEGエンコードが施されて、MPEGストリームとして出力される。
【0068】
このように、電子透かし埋め込み装置401Bは、1世代複製許可を示すウォータマークが埋め込まれていることを検出した場合には、確実に検出することができるような強度が高い、複製禁止を示すウォータマークを映像コンテンツにリマーキングすることができる。この際、電子透かし埋め込み装置401Bがリマーキングするウォータマークは、数フレーム分だけであるため、映像コンテンツに対する影響が非常に小さく、実質的に映像を劣化させることがない。
【0069】
ウォータマーク検出部415により1世代複製許可を示すウォータマークおよび複製禁止を示すウォータマークが検出されない場合、このコンテンツは複製許可のものであるため、加算部406にてウォータマークがリマーキングされることなくMPEGストリームとして出力される。
【0070】
ウォータマーク検出部415により複製禁止を示すウォータマークが検出された場合には、制御部414は録画を禁止するような制御を実行する。
【0071】
−第4の実施形態−
以下、図9を参照して、本発明の電子透かし埋め込み装置の第4の実施形態について説明する。図9では、第1の実施形態の構成に対する要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
図9は第4の実施形態の電子透かし埋め込み装置401Cを示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置401Cは、既にウォータマークが埋め込まれたMPEGストリームにウォータマークを再度埋め込む(リマーキングする)ものであり、電子透かし埋め込み装置401Aと同様に、放送局から送信された映像信号を記録媒体に記録する録画装置の一部として使用することができる。
【0073】
図9に示すように、電子透かし埋め込み装置401Cは、入力されてくる映像信号に対して、ノイズリダクション部407によるノイズ低減及びMPEGエンコーダ408による圧縮符号化処理を施し、生成されたMPEGストリームからウォータマークを検出するウォータマーク検出部415Aを備える。
【0074】
ウォータマーク検出部415Aは、受け取ったMPEGストリームを光ディスク等の記録媒体に記録する前に、MPEGストリームにウォータマークが埋め込まれているか否か、および、MPEGストリームに埋め込まれているウォータマークが1世代複製許可および複製禁止のうちいずれかを示すものかを検出し、検出結果を制御部414へ出力する。
【0075】
ウォータマーク検出部415Aにより1世代複製許可を示すウォータマークが検出された場合、PN系列生成部403では複製禁止に対応するPN系列を生成する。このPN系列の強度は、第1の実施形態における強度設定部404と同様に強度設定部404Aにおいて設定され、さらに強度変更部405Aにおいて強度が変更される。強度変更部405Aから出力されたPN系列は、加算部406AにおいてMPEGストリームに加算される。
【0076】
強度変更部405Aでは、強度設定部404から出力されるPN系列、即ちウォータマークの強度を数フレーム分だけ高め、加算部406に向けて出力する。強度変更部405Aの動作として、第1の実施形態における強度変更部405と同様の動作を採用することができる。
【0077】
このように、電子透かし埋め込み装置401Cは、映像信号に対し、ノイズリダクション部407によるノイズ低減およびMPEGエンコーダ408による圧縮符号化処理を施し、生成されたMPEGストリームに1世代複製許可を示すウォータマークが埋め込まれていることを検出した場合には、強度を高めたPN系列、即ちウォータマークを重畳している。
【0078】
これにより、電子透かし埋め込み装置401Cは、ウォータマークを結果的に劣化させるノイズ低減処理や圧縮符号化処理の後にウォータマークをリマーキングしているため、ノイズ低減処理や圧縮符号化処理によりウォータマークを劣化させることがない。従って、電子透かし埋め込み装置401Cは、MPEGストリームとして出力される映像信号のウォータマークの強度や状態をより適切に管理できるという利点がある。
【0079】
ウォータマーク検出部415Aにより1世代複製許可を示すウォータマークおよび複製禁止を示すウォータマークが検出されない場合、このコンテンツは複製許可のものであるため、加算部406Aにてウォータマークがリマーキングされることなく、そのままMPEGストリームとして出力される。
【0080】
ウォータマーク検出部415Aにより複製禁止を示すウォータマークが検出された場合には、制御部414は録画を禁止するような制御を実行する。
【0081】
ここで、図8に示した電子透かし埋め込み装置401Bにおいて、ウォータマーク検出部415及び加算部406は、ノイズリダクション部407よりも上流側に位置している。即ち、電子透かし埋め込み装置401Bは、ノイズ低減の前に映像信号のウォータマークを検出し、かつリマーキングしている。また、図9に示した電子透かし埋め込み装置401Cにおいて、ウォータマーク検出部415A及び加算部406Aは、MPEGエンコーダ408よりも下流側に位置している。即ち、電子透かし埋め込み装置401Cは、映像信号に対してノイズ低減及びMPEGエンコードを施して生成されたMPEGストリームのウォータマークを検出し、かつリマーキングしている。
【0082】
このように図8および図9に示す電子透かし埋め込み装置401Bおよび401Cでは、ノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408の位置を基準としたとき、ウォータマークの検出およびウォータマークのリマーキングを同一の位置で実行している。
【0083】
しかしながら、本発明による電子透かし埋め込み装置は、このような構成に限られるものではない。例えば、図10に示すように、ノイズリダクション部407の上流側の位置をA、ノイズリダクション部407とMPEGエンコーダ408との間の位置をB、MPEGエンコーダ408の下流側の位置をCとした場合、ウォータマーク検出部415,415A及び加算部406,406Aを以下のように配置することができる。
【0084】
ウォータマーク検出部415をAに配置した場合、加算部406をA又はB、加算部406AをCに配置することができる。即ち、Aでウォータマークを検出し、A、B又はCでリマーキングすることができる。なお、ウォータマーク検出部415および加算部406をそれぞれAに配置した場合が、図8の構成に相当する。ウォータマーク検出部415をBに配置した場合、加算部406をB、加算部406AをCに配置することができる。即ち、Bでウォータマークを検出し、B又はCでリマーキングすることができる。ウォータマーク検出部415AをCに配置した場合、加算部406AはCに配置することができる。即ち、Cでウォータマークを検出し、Cでリマーキングすることができる。なお、この場合が、図9の構成に相当する。
【0085】
以上のように、ウォータマーク検出部415,415Aおよび加算部406,406Aの位置構成は、計6通りとなる。
【0086】
上記6通りの位置構成のうち、ウォータマーク検出部415,415Aが加算部406,406Aよりも前段に位置している場合には、ウォータマーク検出部415,415Aにおいて、ウォータマーク検出部415,415Aと加算部406,406Aの間に配置されたノイズリダクション部407あるいはMPEGエンコーダ408によりウォータマークが劣化する前の信号からウォータマークを検出できる。このため、ウォータマークが確実に検出される。また、この場合には、加算部406,406Aがウォータマーク検出部415,415Aよりも後段に位置付けられるので、加算部406,406Aにより埋め込まれたウォータマークがウォータマーク検出部415,415Aと加算部406,406Aの間に配置されたノイズリダクション部407あるいはMPEGエンコーダ408により劣化するおそれがない。したがって、ウォータマーク検出部415,415Aを加算部406,406Aよりも前段に位置させることにより、予め埋め込まれているウォータマークを確実に検出でき、しかも、新たに埋め込んだウォータマークの劣化を抑制することができる。
【0087】
例えば、ウォータマーク検出部415をAに配置し、加算部406AをCに配置した場合、Aに配置されたウォータマーク検出部415は、ノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408を経由する前の映像信号からウォータマークを検出することになる。このため、ウォータマークがノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408により劣化しない段階で検出される。また、Cにおいて加算部406Aにおいてウォータマークが埋め込まれたMPEGストリームは、ノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408を経由することなく出力される。このため、加算部406Aにおいて埋め込まれたウォータマークがノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408により劣化するおそれがない。
【0088】
−第5の実施形態−
以下、図11を参照して、本発明の電子透かし埋め込み装置の第5の実施形態について説明する。
【0089】
図11は第5の実施形態の電子透かし埋め込み装置501Bを示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置501Bは、既にウォータマークが埋め込まれたMPEGストリームにウォータマークを再度埋め込む(リマーキングする)ものであり、記録媒体にMPEGによって圧縮されて記録されている映像コンテンツを再生する再生装置の一部として使用することができる。
【0090】
図11に示すように、電子透かし埋め込み装置501Bは、入力されたMPEGストリームからウォータマークを検出するウォータマーク検出部515と、ウォータマーク(電子透かし)を構成するPN系列を生成するPN系列生成部503と、PN系列生成部503から出力されたPN系列を増幅してその強度を設定する強度設定部504と、PN系列の強度を変更する強度変更部505と、入力されたMPEGストリームとPN系列とを加算する加算部506と、MPEGストリームをMPEG復号化処理するMPEGデコーダ508と、映像信号のノイズを低減するノイズリダクション部507と、RAMおよびROMを有する記憶部510と、操作者に向けて所定の情報を提示するための表示部511と、操作者の操作を受付ける操作部512と、上記各部を制御する制御装置514とを備える。
【0091】
ウォータマーク検出部515は、受け取ったMPEGストリームにウォータマークが埋め込まれているか否か、および、MPEGストリームに埋め込まれているウォータマークが1世代複製許可および複製禁止のうちいずれを示すのかを検出し、検出結果を制御部514へ出力する。
【0092】
ウォータマーク検出部515により1世代複製許可を示すウォータマークが検出された場合、PN系列生成部503では複製禁止に対応するPN系列を生成する。このPN系列の強度は、第1の実施形態における強度設定部404と同様に強度設定部504において設定され、さらに強度変更部505において強度が変更される。強度変更部505から出力されたPN系列は、加算部506においてMPEGストリームに加算される。
【0093】
強度変更部505では、強度設定部504から出力されるPN系列、即ちウォータマークの強度を数フレーム分だけ高め、加算部506に向けて出力する。強度変更部505の動作として、第1の実施形態における強度変更部405と同様の動作を採用することができる。なお、ウォータマークが付加されたMPEGストリームはMPEGデコーダ508でデコードされて映像信号となり、さらにノイズリダクション部507においてノイズ低減処理を施されて出力される。
【0094】
このように、電子透かし埋め込み装置501Bは、1世代複製許可を示すウォータマークが埋め込まれていることを検出した場合には、確実に検出することができるような強度が高い、複製禁止を示すウォータマークを映像コンテンツにリマーキングすることができる。この際、電子透かし埋め込み装置501Bがリマーキングするウォータマークは、数フレーム分だけであるため、映像コンテンツに対する影響が非常に小さく、実質的に映像を劣化させることがない。
【0095】
ウォータマーク検出部515により1世代複製許可を示すウォータマークおよび複製禁止を示すウォータマークが検出されない場合、このコンテンツは複製許可のものであるため、加算部506にてウォータマークがリマーキングされることなく、映像信号として出力される。
【0096】
ウォータマーク検出部515により複製禁止を示すウォータマークが検出された場合には、制御部514は再生を禁止するような制御を実行する。
【0097】
−第6の実施形態−
以下、図12を参照して、本発明の電子透かし埋め込み装置の第6の実施形態について説明する。図12では、第5の実施形態の構成に対応する要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0098】
図12は第6の実施形態の電子透かし埋め込み装置501Cを示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置501Cは、既にウォータマークが埋め込まれた映像信号にウォータマークを再度埋め込む(リマーキングする)ものであり、電子透かし埋め込み装置501Bと同様に、記録媒体にMPEGによって圧縮されて記録されている映像コンテンツを再生する再生装置の一部として使用することができる。
【0099】
図12に示すように、電子透かし埋め込み装置501Cは、入力されてくるMPEGストリームに対して、MPEGデコーダ508によるMPEG復号化処理及びノイズリダクション部507によるノイズ低減を施し、生成された映像信号からウォータマークを検出するウォータマーク検出部515Aを備える。
【0100】
ウォータマーク検出部515Aは、受け取った映像信号にウォータマークが埋め込まれているか否か、および、映像信号に埋め込まれているウォータマークが1世代複製許可および複製禁止のうちいずれかを示すものかを検出し、検出結果を制御部514へ出力する。
【0101】
ウォータマーク検出部515Aにより1世代複製許可を示すウォータマークが検出された場合、PN系列生成部503では複製禁止に対応するPN系列を生成する。このPN系列の強度は、第1の実施形態における強度設定部404と同様に強度設定部504Aにおいて設定され、さらに強度変更部505Aにおいて強度が変更される。強度変更部505Aから出力されたPN系列は、加算部506Aにおいて映像信号に加算される。
【0102】
強度変更部505Aでは、強度設定部504Aから出力されるPN系列、即ちウォータマークの強度を数フレーム分だけ高め、加算部506Aに向けて出力する。強度変更部505Aの動作として、第1の実施形態における強度変更部405と同様の動作を採用することができる。
【0103】
このように、電子透かし埋め込み装置501Cは、映像信号に対し、MPEGデコーダ508によるMPEG復号化処理およびノイズリダクション部507によるノイズ低減を施し、生成された映像信号に1世代複製許可を示すウォータマークが埋め込まれていることを検出した場合には、強度を高めたPN系列、即ちウォータマークを重畳している。
【0104】
これにより、電子透かし埋め込み装置501Cは、ウォータマークを結果的に劣化させる復号化処理やノイズ低減処理の後にウォータマークをリマーキングしているため、ウォータマークを劣化させることがない。従って、電子透かし埋め込み装置501Cは、映像信号として出力されるMPEGストリームのウォータマークの強度や状態をより適切に管理できるという利点がある。
【0105】
ウォータマーク検出部515Aにより1世代複製許可を示すウォータマークおよび複製禁止を示すウォータマークが検出されない場合、このコンテンツは複製許可のものであるため、加算部506Aにてウォータマークがリマーキングされることなく、そのまま映像信号として出力される。
【0106】
ウォータマーク検出部515Aにより複製禁止を示すウォータマークが検出された場合には、制御部514は再生を禁止するような制御を実行する。
【0107】
ここで、図11に示した電子透かし埋め込み装置501Bにおいて、ウォータマーク検出部515及び加算部506は、MPEGデコーダ508よりも上流側に位置している。即ち、電子透かし埋め込み装置501Bは、MPEGデコードされる前のMPEGストリームのウォータマークを検出し、かつリマーキングしている。また、図12に示した電子透かし埋め込み装置501Cにおいて、ウォータマーク検出部515A及び加算部506Aは、ノイズリダクション部507よりも下流側に位置している。即ち、電子透かし埋め込み装置501Cは、MPEGストリームに対してMPEGデコード及びノイズ低減を施して生成された映像信号のウォータマークを検出し、かつリマーキングしている。
【0108】
このように図11および図12に示す電子透かし埋め込み装置501Bおよび501Cでは、ノイズリダクション部507およびMPEGデコーダ508の位置を基準としたとき、ウォータマークの検出およびウォータマークのリマーキングを同一の位置で実行している。
【0109】
しかしながら、本発明による電子透かし埋め込み装置は、このような構成に限られるものではない。例えば、図13に示すように、MPEGデコーダ508の上流側の位置をD、MPEGデコーダ508とノイズリダクション部507との間の位置をE、ノイズリダクション部507の下流側の位置をFとした場合、ウォータマーク検出部515,515A及び加算部506,506Aを以下のように配置することができる。
【0110】
ウォータマーク検出部515をDに配置した場合、加算部506をD、加算部506AをE又はFに配置することができる。即ち、Dでウォータマークを検出し、D、E又はFでリマーキングすることができる。なお、ウォータマーク検出部515および加算部506をそれぞれDに配置した場合が、図11の構成に相当する。ウォータマーク検出部515をEに配置した場合、加算部506AをEまたはFに配置することができる。即ち、Eでウォータマークを検出し、E又はFでリマーキングすることができる。ウォータマーク検出部515AをFに配置した場合、加算部506AはFに配置することができる。即ち、Fでウォータマークを検出し、Fでリマーキングすることができる。なお、この場合が、図12の構成に相当する。
【0111】
以上のように、ウォータマーク検出部515,515Aおよび加算部506,506Aの位置構成は、計6通りとなる。
【0112】
上記6通りの位置構成のうち、ウォータマーク検出部515,515Aが加算部506,506Aよりも前段に位置している場合には、ウォータマーク検出部515,515Aにおいて、ウォータマーク検出部515,515Aと加算部506,506Aの間に配置されたMPEGデコーダ508あるいはノイズリダクション部507によりウォータマークが劣化する前の信号からウォータマークを検出できる。このため、ウォータマークが確実に検出される。また、この場合には、加算部506,506Aがウォータマーク検出部515,515Aよりも後段に位置付けられるので、加算部506,506Aにより埋め込まれたウォータマークがウォータマーク検出部515,515Aと加算部506,506Aの間に配置されたMPEGデコーダ508あるいはノイズリダクション部507により劣化するおそれがない。従って、ウォータマーク検出部515,515Aを加算部506,506Aよりも前段に位置させることにより、予め埋め込まれているウォータマークを確実に検出でき、しかも、新たに埋め込んだウォータマークの劣化を抑制することができる。
【0113】
例えば、ウォータマーク検出部515をDに配置し、加算部506AをFに配置した場合、Dに配置されたウォータマーク検出部515では、MPEGデコーダ508およびノイズリダクション部507を経由する前のMPEGストリームからウォータマークを検出することになる。このため、ウォータマークがMPEGデコーダ508およびノイズリダクション部507により劣化しない段階で検出される。また、Fにおいて加算部506Aにおいてウォータマークが埋め込まれた映像信号は、MPEGデコーダ508およびノイズリダクション部507を経由することなく出力される。このため、加算部506Aにおいて埋め込まれたウォータマークがMPEGデコーダ508およびノイズリダクション部507により劣化するおそれがない。
【0114】
なお、上述した実施形態では、ウォータマークを構成するPN系列を、画像の画素にそれぞれ設定された輝度値に加算する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、ウォータマークを構成するPN系列を、画素にそれぞれ設定された他の値に加算してもよい。
【0115】
また、ウォータマークを構成するPN系列は、M系列に限らない。ウォータマークを構成するPN系列として、例えばゴールド(Gold)符号のような他のランダム系列を用いてもよい。
【0116】
また、前記実施形態では、ウォータマークをPN系列によって構成する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ランダム若しくはランダムに近い符号または符号の配列に規則性があってもその規則性を容易に判断することができないような符号が配列された他の信号によってウォータマークを構成することも可能である。
【0117】
また、前記実施形態では、PN系列を構成する符号と画像の画素とを一対一に対応させる場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らない。例えば、画像を互いに隣接した複数の画素からなる複数の領域に分割し、この領域に、PN系列を構成する符号を一対一に対応させてもよい。ここで、複製禁止を示すウォータマークを構成するPN系列「0101……」を、互いに連接する4つの画素からなる正方形の領域に分割された画像に埋め込む場合を例に挙げる。この場合、この画像の第1番目に配置された領域に含まれる4つの画素の輝度値には、すべて「0」が加算される。さらに、この画像の第2番目に配置された領域に含まれる4つの画素の輝度値には、すべて「1」が加算される。このように、PN系列を構成する符号と複数の画素からなる領域とを一対一に対応させることにより、デジタル映像がフィルタにかけられたり圧縮されたりしてもウォータマークをデジタル映像中に残存させることができる。
【0118】
本発明は、放送メディアの他、ビデオテープやDVD等のパッケージメディアにも適用可能であることは勿論である。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子透かし埋め込み装置によれば、コンテンツに埋め込まれる電子透かしの強度を間隔を空けて高くするので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0120】
また、本発明の電子透かし埋め込み方法によれば、コンテンツに埋め込まれる電子透かしの強度を間隔を空けて高くするので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0121】
さらに、本発明の電子透かしを有する記録媒体によれば、コンテンツに埋め込まれた電子透かしの強度が、間隔が空いて高くなっているので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0122】
本発明の電子透かし埋め込み装置は、によれば、検出手段および埋め込み手段の間における信号処理の影響を受けることなく検出手段により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手段により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手段および埋め込み手段の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【0123】
また、本発明の電子透かし埋め込み方法によれば、検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けることなく検出手順により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手順により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【0124】
さらに、本発明の記録媒体の製造方法によれば、検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けることなく検出手順により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手順により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図2】ウォータマークを説明する図。
【図3】ウォータマークを説明する図。
【図4】PN系列生成回路の構成を示す図。
【図5】PN系列生成回路の構成を示す図。
【図6】第1の実施形態の電子透かし埋め込み装置の動作を示すフローチャート。
【図7】第2の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図8】第3の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図9】第4の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図10】ウォータマーク検出部及び加算部の位置を示す図。
【図11】第5の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図12】第6の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図13】ウォータマーク検出部及び加算部の位置を示す図。
【符号の説明】
404 強度設定部(変動手段、設定手段)
405 強度変更部(変動手段、変更手段)
414 制御装置(制御手段)
415,415A,515,515A ウォータマーク検出部(検出手段)
406,406A,506,506A 加算部(埋め込み手段)
407,507 ノイズリダクション部(ノイズ低減手段)
408 MPEGエンコーダ(圧縮符号化手段)
508 MPEGデコーダ(復号化手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル情報からなるコンテンツに複製を制限するための電子透かしを埋め込む、電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込み方法、電子透かしを有する記録媒体および記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルテレビ放送の実現により、映像のデジタル信号による配信が一般化しつつある。また、映像を光ディスクや磁気テープなどにデジタルデータとして記録するビデオレコーダーも普及しつつある。映像をデジタルデータとして記録することができれば、映像を劣化させることなく複製することが可能となる。このため、著作権等の観点から、映像の複製を制限する必要がある。
【0003】
例えば、特開平2000−173175号公報に開示されたウォータマーク(電子透かし)技術は映像の複製を制限する技術の1つであり、デジタル映像に複製制限に関する情報を埋め込む技術である。以下、デジタル映像に埋め込むための複製制限に関する情報を「ウォータマーク」と呼ぶ。ウォータマークは、映像中に隠れるように埋め込まれる。このため、ウォータマークを映像中に埋め込んでも、映像の質はほとんど低下しない。また、ウォータマークが埋め込まれた映像を受け取った者は、その映像中にウォータマークが存在することさえ認識できないであろうから、ウォータマークを映像から除去することは極めて困難である。
【0004】
上記特開平2000−173175号公報には、複製禁止を示すウォータマークと1世代複製許可を示すウォータマークを用いたシステムが開示されている。このようなシステムによれば、複製の回数を管理することができるので、著作権の問題を生じさせることなく、テレビ放送の受信者は放送時間に束縛されずに配信された映像を見ることができる。
【0005】
このシステムでは、デジタル映像がビデオレコーダーに入力されたとき、ビデオレコーダーはその映像中にウォータマークが存在するか否かを判断する。ウォータマークが存在し、そのウォータマークが複製禁止を示すものであれば、ビデオレコーダーはその映像の記録を行わない。また、ウォータマークが存在していないとき、あるいはウォータマークは存在するがそのウォータマークが1世代複製許可を示すものであれば、ビデオレコーダーは、その映像は1度の複製が許可されていると判断し、その映像を例えば光ディスクに記録する。このとき、ウォータマークが1世代複製許可を示すものであれば、ビデオレコーダーは、その映像に複製禁止を示すウォータマークを埋め込んで記録する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ウォータマークは映像中に埋め込まれるため、ウォータマークの強度は本来の映像の画質を劣化させないような強度に設定される。しかし、映像の性質によってはウォータマークが本来の映像と区別しにくくなり、ウォータマークの検出が困難になるという問題がある。ウォータマークの検出を容易なものとするためにウォータマークの強度を高めると、こんどは映像の画質を低下させてしまう。
【0007】
本発明は、映像の画質を低下させることなくウォータマークを確実に検出することができる電子透かし埋め込み装置、電子透かし埋め込み方法および電子透かしを有する記録媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子透かし埋め込み装置は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み装置であって、コンテンツに埋め込む電子透かしの強度を変動させる変動手段(404,405等)と、電子透かしの強度を、間隔を空けて高くするように、変動手段(405等)を制御する制御手段(414等)と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この電子透かし埋め込み装置によれば、コンテンツに埋め込まれる電子透かしの強度を間隔を空けて高くするので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0010】
本発明の電子透かし埋め込み方法は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み方法であって、コンテンツに埋め込む電子透かしの強度を、間隔を空けて高くするように電子透かしの強度を変動させる変動手順を備えることを特徴とする。
【0011】
この電子透かし埋め込み方法によれば、コンテンツに埋め込まれる電子透かしの強度を間隔を空けて高くするので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0012】
本発明の電子透かしを有する記録媒体は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込んだ映像が記録された、電子透かしを有する記録媒体であって、コンテンツに埋め込まれた電子透かしの強度が、間隔が空いて高くなっていることを特徴とする。
【0013】
この電子透かしを有する記録媒体によれば、コンテンツに埋め込まれた電子透かしの強度が、間隔が空いて高くなっているので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0014】
本発明の電子透かし埋め込み装置は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み装置であって、コンテンツに予め埋め込まれている第1の電子透かしを検出する検出手段(415等)と、検出手段(415等)の検出結果に応じて、コンテンツに第2の電子透かしを埋め込む埋め込み手段(406等)と、を備え、検出手段(415等)は、埋め込み手段(406等)よりも前段に配置されていることを特徴とする。
【0015】
この電子透かし埋め込み装置によれば、検出手段および埋め込み手段の間における信号処理の影響を受けることなく検出手段により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手段により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手段および埋め込み手段の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【0016】
本発明の電子透かし埋め込み方法は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み方法であって、コンテンツに予め埋め込まれている第1の電子透かしを検出する検出手順と、検出手順の検出結果に応じて、コンテンツに第2の電子透かしを埋め込む埋め込み手順と、を備え、検出手順では、埋め込み手順において第2の電子透かしを埋め込む位置よりも前段において第1の電子透かしを検出することを特徴とする。
【0017】
この電子透かし埋め込み方法によれば、検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けることなく検出手順により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手順により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【0018】
本発明の記録媒体の製造方法は、デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込んだ情報が記録された記録媒体の製造方法であって、コンテンツに予め埋め込まれている第1の電子透かしを検出する検出手順と、検出手順の検出結果に応じて、コンテンツに第2の電子透かしを埋め込む埋め込み手順と、埋め込み手順を経た信号を記録媒体に記録する記録手順と、を備え、検出手順では、埋め込み手順において第2の電子透かしを埋め込む位置よりも前段において第1の電子透かしを検出することを特徴とする。
【0019】
この記録媒体の製造方法によれば、検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けることなく検出手順により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手順により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【0020】
なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による電子透かし埋め込み装置の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、デジタル情報からなるコンテンツとして映像コンテンツを例示しているが、音楽コンテンツ等すべてのデジタル情報からなるコンテンツに適用できる。
【0022】
−第1の実施形態−
以下、図1〜図6を参照して、本発明による電子透かし埋め込み装置の第1の実施形態について説明する。
【0023】
図1は第1の実施形態の電子透かし埋め込み装置401を示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置401は、ベースバンドとされる映像信号にウォータマーク(電子透かし)を埋め込むものである。
【0024】
図1に示すように、電子透かし埋め込み装置401は、映像コンテンツの複製制限に関する情報として用いられるウォータマーク(電子透かし)を構成するPN(PseudorandomNoise)系列を生成するPN系列生成部403と、PN系列生成部403から出力されたPN系列を増幅してその強度を設定する強度設定部404と、PN系列の強度を変更する強度変更部405と、映像信号とPN系列とを加算する加算部406と、映像信号のノイズを低減するノイズリダクション部407と、映像信号を圧縮符号化するMPEGエンコーダ408と、RAMおよびROMを有する記憶部410と、操作者に向けて所定の情報を提示するための表示部411と、操作者の操作を受付ける操作部412と、上記各部を制御する制御装置414とを備える。
【0025】
埋め込み装置401は、例えば、放送局の放送設備の一部として使用することができる。この場合には、MPEGエンコーダ408から出力されるMPEGストリームを映像信号出力装置にて増幅し、アンテナを介して送信することにより、映像を配信することができる。
【0026】
また、電子透かし埋め込み装置401は、例えば映画会社等で使用される録画装置の一部として使用することができる。この場合には、ウォータマークの入っていないコンテンツにウォータマークを埋め込み、光ディスク、ビデオテープ等の記録媒体に記録することができる。
【0027】
次に、PN系列生成部403で生成されるPN系列により構成されるウォータマークについて、図2〜図5を参照して説明する。
【0028】
デジタル映像には、このデジタル映像を構成する各画像の輝度を表す情報が含まれている。この輝度を表す情報は、例えば4〜8ビット程度の数値であり、画像を構成する画素にそれぞれ対応している。即ち、各画素毎に輝度を表す数値が個別的に設定されている(以下、画素の輝度を表す数値を「輝度値」という)。これについて、図2を用いて具体的に説明すると、図2中の画像P1はデジタル映像を構成する画像の1つであり、画像P1中のa,b,c,d,…はそれぞれの画素に設定された輝度値を示している。
【0029】
ウォータマークは、所定の規則に基づいて生成された信号、例えば、本実施形態ではPN系列によって構成されており、PN系列の各符号を画素の輝度値にそれぞれ加算することによって画像中に埋め込まれる。例えば、図2中の「0011……」はウォータマークを構成するPN系列である。このPN系列を画像P1中の輝度値a,b,c,d,…に加算することにより、輝度値が図3に示すように、a,b,c+1,d+1,…となる。このようにして、ウォータマークがデジタル映像を構成する各画像に埋め込まれる。
【0030】
ウォータマークを構成するPN系列は、例えばM系列のような疑似ランダム符号のシーケンスであり、PN系列を生成するための多項式(生成式)に初期値を与えることにより生成される。本実施形態において、PN系列を生成するための多項式(生成式)は、例えば、図4に示すようなPN系列生成回路1として具現化される。PN系列生成回路1は、シフトレジスタ1A〜1Dおよび加算器1Eにより構成され、PN系列生成部403に設けられる。なお、実際に用いられるPN系列は、系列周期が長くなるように、よりシフトレジスタ数の多いものが用いられる。
【0031】
また、本実施形態では、互いに異なる2種類のPN系列を生成し、これらのうちの一方を、1世代複製許可を示すウォータマークとして用い、他方を複製禁止を示すウォータマークとして用いる。PN系列は、多項式および初期値のうちのいずれか一方または双方を変更することによってランダム符号の配列が変化する。従って、多項式および初期値のうちのいずれか一方または双方を変更することによって異なるPN系列を生成することができる。
【0032】
例えば、1世代複製許可を示すウォータマークとして用いられるPN系列を、図4に示すPN系列生成回路1によって生成する。一方、複製禁止を示すウォータマークとして用いられるPN系列を、図5に示すPN系列生成回路2によって生成する。図5に示すPN系列生成回路2は、PN系列生成回路1に対応する多項式(生成式)と異なる多項式(生成式)を具現化したものであり、シフトレジスタ2A〜2Dおよび加算器2Eにより構成されている。PN系列生成回路2もまた、PN系列生成部403に設けられる。
【0033】
PN系列生成回路1に対応する多項式とPN系列生成回路2に対応する多項式が異なることは、シフトレジスタおよび加算器の接続が、PN系列生成回路1とPN系列生成回路2とで異なることから明らかである。このように、接続または構成が異なる2つのPN系列生成回路(即ち、構造が異なる2つの多項式)を用いることにより、1世代複製許可を示すウォータマークと複製禁止を示すウォータマークをそれぞれ生成することができる。
【0034】
また、図4に示すPN系列生成回路1のみを用いて、1世代複製許可を示すウォータマークと複製禁止を示すウォータマークをそれぞれ生成することも可能である。この場合には、PN系列生成回路1に与える初期値を2種類用意する。これら2種類の初期値のうちの一方の初期値をPN系列生成回路1に与えることによって、1世代複製許可を示すウォータマークを構成するPN系列を生成し、他方の初期値を同じPN系列生成回路1に与えることによって、複製禁止を示すウォータマークを構成するPN系列を生成することができる。例えば、1世代複製許可を示すウォータマークを構成するPN系列を生成するときには、シフトレジスタ1Aないし1Dに初期値「0011」を入力する。一方、複製禁止を示すウォータマークを構成するPN系列を生成するときには、シフトレジスタ1Aないし1Dに初期値「0101」を入力する。
【0035】
次に、強度設定部404の動作について説明する。
【0036】
強度設定部404には、図1に示すように、映像信号とPN系列生成部403から出力されたPN系列とが入力される。そして、強度設定部404は、入力された映像信号に基づいて、PN系列生成部403からのPN系列を適切な強度に設定する。具体的に説明すると、強度設定部404は、1画像を構成する画素にそれぞれ設定された輝度値が大きく変化しているか、それとも、小さく変化しているかを検出する。輝度値が大きく変化しているときには、その画像は、例えば複雑な模様を有しているので、ウォータマークが埋め込まれても、ウォータマークが目立たない。そこで、輝度値が大きく変化しているときには、強度設定部404は、PN系列生成部403から出力されたPN系列、即ち、ウォータマークの強度を高めに設定する。例えば、PN系列が「0101……」である場合には、強度設定部404は、これを「0202……」または、「0303……」に設定する。そして、強度設定部404は、設定したPN系列を強度変更部405に出力する。
【0037】
一方、1画像を構成する画素にそれぞれ設定された輝度値が小さく変化しているときには、その画像は、例えばフラットな画像であるため、ウォータマークが目立ちやすい。そこで、輝度値が小さく変化しているときには、強度設定部404は、PN系列生成部403から出力されたPN系列をそのまま強度変更部405に出力する。
【0038】
次に、強度変更部405の動作について説明する。
【0039】
強度設定部405は、制御部414に制御されて、強度設定部404から出力されたPN系列の強度をある間隔で短期間、例えば数フレーム(1〜3フレーム)分だけ高め、加算部406へ出力する。
【0040】
すなわち、制御部414は、ランダム周期又は何らかの法則に従った不定周期、シーンチェンジ毎、エッジが多い画像(複雑な画像、アクティブな画像)毎、動きの激しい画像(動きベクトルの大きい画像)毎に、強度変更部405がPN系列の強度を高めるように制御する。
【0041】
そして、加算部406は、映像信号と強度変更部405から出力されたPN系列とを加算してノイズリダクション部407に出力する。ノイズリダクション部407は、PN系列が加算された映像信号に対してノイズ低減処理を施してMPEGエンコーダ408に出力する。MPEGエンコーダ408は、ノイズ低減処理が施された映像信号を圧縮符号化して、MPEGストリームとして出力する。
【0042】
ここで、強度変更部405がランダム周期又は不定周期でPN系列、即ちウォータマークの強度を高める理由は、ウォータマークが一定周期(一定の時間間隔)で高くなる映像に比べ、ランダム周期又は不定周期(ランダム又は不定の時間間隔)で高くなる映像の方が、視聴者がウォータマークの存在を認識しづらいからである。
【0043】
また、強度変更部405がシーンチェンジ毎、エッジの多い画像毎、動きの激しい画像毎にウォータマークの強度を高める理由は、ウォータマークの強度が高くても、映像シーンの切り替わりによる時間的に変化の多い映像、エッジの多い映像、動きの激しい映像によって、視聴者がウォータマークの存在を認識しづらいからである。
【0044】
このように、電子透かし埋め込み装置401は、確実に検出することができるような強度が高いウォータマークを映像コンテンツに埋め込むことができる。この際、電子透かし埋め込み装置401が埋め込むウォータマークは、数フレーム分だけであるため、映像コンテンツに対する影響が非常に小さく、実質的に映像を劣化させることがない。
【0045】
なお、制御部414は、上述のランダム周期又は不定周期、シーンチェンジ毎、エッジが多い画像毎、動きの激しい画像毎の他に、それらを組み合わせて強度変更部405を制御することもできる。例えば、制御部414は、ランダム又は不定時間が経過した後のシーンチェンジ時に強度変更部405を制御する。なお、この場合、PN系列の強度を高める周期が結果的にランダム又は不定であればよいので、一定時間が経過した後のシーンチェンジ時に、制御部414が強度変更部405を制御するようにしても構わない。
【0046】
次に、図6を参照して、電子透かし埋め込み装置401の動作について説明する。図6は一定時間が経過した後のシーンチェンジ時に、ウォータマークの強度を高める場合の処理を示すフローチャートである。この処理は制御部414の制御に基づいて実行される。
【0047】
ステップS1において、制御部414は、入力された映像信号に付加されているCCI(Copy Control Information: コピー制御情報)に基づいて、複製禁止(NC: Never Copy)、1世代複製許可(CO: Copy Once)又は複製許可(Free)かを判断する。複製禁止の場合は、ステップS2へ進み、1世代複製許可の場合は、ステップS3へ進み、複製禁止の場合は、ステップS13へスキップする。
【0048】
ステップS2において、PN系列生成部403が複製禁止に対応するPN系列、即ちウォータマークを生成するように設定し、ステップS4へ進む。また、ステップS3において、制御部414は、PN系列生成部403が1世代複製許可に対応するPN系列、即ちウォータマークを生成するように設定し、ステップS4へ進む。
【0049】
次に、制御部414は、フラグをオフする初期設定を行って、図示しないタイマをセットし(ステップS4)、PN系列の強度を設定するように強度設定部404を制御する(ステップS5)。次に、制御部414は、フラグのオン/オフを判断し(ステップS6)、オンであればステップS9へスキップし、オフであればステップS7へ進む。
【0050】
ステップS7において、制御部414は、タイマの計時が一定時間経過したか否かを判断し、一定時間経過していれば、フラグをオンにして(ステップS8)、ステップS9へ進み、一定時間経過していなければ、ステップS12へスキップする。
【0051】
ステップS9において、制御部414は、入力された映像信号に基づいて、シーンチェンジがあったか否か判断し、シーンチェンジがあった場合、ステップS11へ進み、シーンチェンジがなかった場合、ステップS12へスキップする。
【0052】
次に、制御部414は、PN系列の強度を数フレーム分だけ高めるように強度変更部405を制御し(ステップS10)、フラグをオフにする(ステップS11)。
【0053】
ステップS12において、加算部406にて、入力された映像信号と、強度変更部405からの強度が高められたPN系列、即ちウォータマークとが加算される。なお、ウォータマークが埋め込まれた映像信号は、ノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408を経て、MPEGストリームとして出力される。
【0054】
ステップS13では、制御部414は、映像コンテンツの映像信号の入力が終了したか否かを判断し、終了していれば処理を終了し、終了していなければ、ステップS5へ戻って処理が行われる。
【0055】
以上のように、図6の処理では、電子透かし埋め込み装置401は、まず強度設定部404にてPN系列の強度を設定し、一定時間が経過した後のシーンチェンジ時に、強度変更部405にてPN系列の強度を高めるという処理を繰り返している。従って、電子透かし埋め込み装置401は、一定時間が経過した後のシーンチェンジ時に、強度を高めたウォータマークを映像コンテンツに埋め込むことができる。これにより、このウォータマークは、確実に検出が可能で、かつ映像中で目立つことがない。
【0056】
−第2の実施形態−
以下、図7を参照して、本発明の電子透かし埋め込み装置の第2の実施形態について説明する。図7では、第1の実施形態の構成に対応する要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0057】
図7は第2の実施形態の電子透かし埋め込み装置401Aを示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置401Aは、映像コンテンツをMPEGエンコードしたMPEGストリームにウォータマークを埋め込むものであり、例えば、放送局等から送信された映像信号を記録媒体に記録する録画装置の一部として使用することができる。
【0058】
図7に示すように、第2の実施形態の電子透かし埋め込み装置401Aでは、映像信号に対しノイズリダクション部407によりノイズ低減し、さらにMPEGエンコーダ408により圧縮符号化処理を施して、MPEGストリームを強度設定部404Aおよび加算部406Aに入力している。従って、強度設定部404Aでは、このMPEGストリームに基づいて、PN系列の強度を設定している。また、加算部406Aでは、このMPEGストリームに対してPN系列を加算している。
【0059】
強度変更部405Aは強度設定部404Aから出力されるPN系列の強度を所定のタイミングで高くし、加算部406Aに向けて出力する。強度変更部405Aの動作としては、第1の実施形態における強度変更部405と同様の動作を採用することができる。
【0060】
このように、電子透かし埋め込み装置401Aは、映像信号に対し、ノイズリダクション部407によるノイズ低減およびMPEGエンコーダ408による圧縮符号化処理を施し、生成されたMPEGストリームに対して強度を高めたPN系列、即ちウォータマークを重畳している。
【0061】
これにより、電子透かし埋め込み装置401Aは、ウォータマークを結果的に劣化させるノイズ低減処理や圧縮符号化処理の後にウォータマークを埋め込んでいるため、ウォータマークを劣化させるおそれがない。従って、電子透かし埋め込み装置401Aは、MPEGストリームとして出力される映像信号のウォータマークの強度や状態をより適切に管理できるという利点がある。
【0062】
−第3の実施形態−
以下、図8を参照して、本発明の電子透かし埋め込み装置の第3の実施形態について説明する。図8では、第1の実施形態の構成に対応する要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
図8は第3の実施形態の電子透かし埋め込み装置401Bを示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置401Bは、既にウォータマークが埋め込まれたベースバンドとされる映像信号にウォータマークを再度埋め込む(リマーキング)するものであり、電子透かし埋め込み装置401と同様に、放送局の放送設備の一部や映画会社等の録画装置の一部として使用することができる。
【0064】
図8に示すように、電子透かし埋め込み装置401Bは、入力されてくる映像信号からウォータマークを検出するウォータマーク検出部415を備える。
【0065】
ウォータマーク検出部415は、受け取った映像信号を光ディスク等の記録媒体に記録する前に、映像信号にウォータマークが埋め込まれているか否か、および、映像信号に埋め込まれているウォータマークが1世代複製許可および複製禁止のうちいずれを示すのかを検出し、検出結果を制御部414へ出力する。
【0066】
ウォータマーク検出部415により1世代複製許可を示すウォータマークが検出された場合、PN系列生成部403では複製禁止に対応するPN系列を生成する。このPN系列の強度は、第1の実施形態と同様に強度設定部404において設定され、さらに強度変更部405において強度が変更される。強度変更部405から出力されたPN系列は、加算部406において映像信号に加算される。
【0067】
強度変更部405では、強度設定部404から出力されるPN系列、即ちウォータマークの強度を数フレーム分だけ高め、加算部406に向けて出力する。強度変更部405の動作として、第1の実施形態における強度変更部405と同様の動作を採用することができる。なお、ウォータマークが埋め込まれた映像信号は、ノイズリダクション部407によるノイズ低減およびMPEGエンコーダ408によるMPEGエンコードが施されて、MPEGストリームとして出力される。
【0068】
このように、電子透かし埋め込み装置401Bは、1世代複製許可を示すウォータマークが埋め込まれていることを検出した場合には、確実に検出することができるような強度が高い、複製禁止を示すウォータマークを映像コンテンツにリマーキングすることができる。この際、電子透かし埋め込み装置401Bがリマーキングするウォータマークは、数フレーム分だけであるため、映像コンテンツに対する影響が非常に小さく、実質的に映像を劣化させることがない。
【0069】
ウォータマーク検出部415により1世代複製許可を示すウォータマークおよび複製禁止を示すウォータマークが検出されない場合、このコンテンツは複製許可のものであるため、加算部406にてウォータマークがリマーキングされることなくMPEGストリームとして出力される。
【0070】
ウォータマーク検出部415により複製禁止を示すウォータマークが検出された場合には、制御部414は録画を禁止するような制御を実行する。
【0071】
−第4の実施形態−
以下、図9を参照して、本発明の電子透かし埋め込み装置の第4の実施形態について説明する。図9では、第1の実施形態の構成に対する要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0072】
図9は第4の実施形態の電子透かし埋め込み装置401Cを示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置401Cは、既にウォータマークが埋め込まれたMPEGストリームにウォータマークを再度埋め込む(リマーキングする)ものであり、電子透かし埋め込み装置401Aと同様に、放送局から送信された映像信号を記録媒体に記録する録画装置の一部として使用することができる。
【0073】
図9に示すように、電子透かし埋め込み装置401Cは、入力されてくる映像信号に対して、ノイズリダクション部407によるノイズ低減及びMPEGエンコーダ408による圧縮符号化処理を施し、生成されたMPEGストリームからウォータマークを検出するウォータマーク検出部415Aを備える。
【0074】
ウォータマーク検出部415Aは、受け取ったMPEGストリームを光ディスク等の記録媒体に記録する前に、MPEGストリームにウォータマークが埋め込まれているか否か、および、MPEGストリームに埋め込まれているウォータマークが1世代複製許可および複製禁止のうちいずれかを示すものかを検出し、検出結果を制御部414へ出力する。
【0075】
ウォータマーク検出部415Aにより1世代複製許可を示すウォータマークが検出された場合、PN系列生成部403では複製禁止に対応するPN系列を生成する。このPN系列の強度は、第1の実施形態における強度設定部404と同様に強度設定部404Aにおいて設定され、さらに強度変更部405Aにおいて強度が変更される。強度変更部405Aから出力されたPN系列は、加算部406AにおいてMPEGストリームに加算される。
【0076】
強度変更部405Aでは、強度設定部404から出力されるPN系列、即ちウォータマークの強度を数フレーム分だけ高め、加算部406に向けて出力する。強度変更部405Aの動作として、第1の実施形態における強度変更部405と同様の動作を採用することができる。
【0077】
このように、電子透かし埋め込み装置401Cは、映像信号に対し、ノイズリダクション部407によるノイズ低減およびMPEGエンコーダ408による圧縮符号化処理を施し、生成されたMPEGストリームに1世代複製許可を示すウォータマークが埋め込まれていることを検出した場合には、強度を高めたPN系列、即ちウォータマークを重畳している。
【0078】
これにより、電子透かし埋め込み装置401Cは、ウォータマークを結果的に劣化させるノイズ低減処理や圧縮符号化処理の後にウォータマークをリマーキングしているため、ノイズ低減処理や圧縮符号化処理によりウォータマークを劣化させることがない。従って、電子透かし埋め込み装置401Cは、MPEGストリームとして出力される映像信号のウォータマークの強度や状態をより適切に管理できるという利点がある。
【0079】
ウォータマーク検出部415Aにより1世代複製許可を示すウォータマークおよび複製禁止を示すウォータマークが検出されない場合、このコンテンツは複製許可のものであるため、加算部406Aにてウォータマークがリマーキングされることなく、そのままMPEGストリームとして出力される。
【0080】
ウォータマーク検出部415Aにより複製禁止を示すウォータマークが検出された場合には、制御部414は録画を禁止するような制御を実行する。
【0081】
ここで、図8に示した電子透かし埋め込み装置401Bにおいて、ウォータマーク検出部415及び加算部406は、ノイズリダクション部407よりも上流側に位置している。即ち、電子透かし埋め込み装置401Bは、ノイズ低減の前に映像信号のウォータマークを検出し、かつリマーキングしている。また、図9に示した電子透かし埋め込み装置401Cにおいて、ウォータマーク検出部415A及び加算部406Aは、MPEGエンコーダ408よりも下流側に位置している。即ち、電子透かし埋め込み装置401Cは、映像信号に対してノイズ低減及びMPEGエンコードを施して生成されたMPEGストリームのウォータマークを検出し、かつリマーキングしている。
【0082】
このように図8および図9に示す電子透かし埋め込み装置401Bおよび401Cでは、ノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408の位置を基準としたとき、ウォータマークの検出およびウォータマークのリマーキングを同一の位置で実行している。
【0083】
しかしながら、本発明による電子透かし埋め込み装置は、このような構成に限られるものではない。例えば、図10に示すように、ノイズリダクション部407の上流側の位置をA、ノイズリダクション部407とMPEGエンコーダ408との間の位置をB、MPEGエンコーダ408の下流側の位置をCとした場合、ウォータマーク検出部415,415A及び加算部406,406Aを以下のように配置することができる。
【0084】
ウォータマーク検出部415をAに配置した場合、加算部406をA又はB、加算部406AをCに配置することができる。即ち、Aでウォータマークを検出し、A、B又はCでリマーキングすることができる。なお、ウォータマーク検出部415および加算部406をそれぞれAに配置した場合が、図8の構成に相当する。ウォータマーク検出部415をBに配置した場合、加算部406をB、加算部406AをCに配置することができる。即ち、Bでウォータマークを検出し、B又はCでリマーキングすることができる。ウォータマーク検出部415AをCに配置した場合、加算部406AはCに配置することができる。即ち、Cでウォータマークを検出し、Cでリマーキングすることができる。なお、この場合が、図9の構成に相当する。
【0085】
以上のように、ウォータマーク検出部415,415Aおよび加算部406,406Aの位置構成は、計6通りとなる。
【0086】
上記6通りの位置構成のうち、ウォータマーク検出部415,415Aが加算部406,406Aよりも前段に位置している場合には、ウォータマーク検出部415,415Aにおいて、ウォータマーク検出部415,415Aと加算部406,406Aの間に配置されたノイズリダクション部407あるいはMPEGエンコーダ408によりウォータマークが劣化する前の信号からウォータマークを検出できる。このため、ウォータマークが確実に検出される。また、この場合には、加算部406,406Aがウォータマーク検出部415,415Aよりも後段に位置付けられるので、加算部406,406Aにより埋め込まれたウォータマークがウォータマーク検出部415,415Aと加算部406,406Aの間に配置されたノイズリダクション部407あるいはMPEGエンコーダ408により劣化するおそれがない。したがって、ウォータマーク検出部415,415Aを加算部406,406Aよりも前段に位置させることにより、予め埋め込まれているウォータマークを確実に検出でき、しかも、新たに埋め込んだウォータマークの劣化を抑制することができる。
【0087】
例えば、ウォータマーク検出部415をAに配置し、加算部406AをCに配置した場合、Aに配置されたウォータマーク検出部415は、ノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408を経由する前の映像信号からウォータマークを検出することになる。このため、ウォータマークがノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408により劣化しない段階で検出される。また、Cにおいて加算部406Aにおいてウォータマークが埋め込まれたMPEGストリームは、ノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408を経由することなく出力される。このため、加算部406Aにおいて埋め込まれたウォータマークがノイズリダクション部407およびMPEGエンコーダ408により劣化するおそれがない。
【0088】
−第5の実施形態−
以下、図11を参照して、本発明の電子透かし埋め込み装置の第5の実施形態について説明する。
【0089】
図11は第5の実施形態の電子透かし埋め込み装置501Bを示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置501Bは、既にウォータマークが埋め込まれたMPEGストリームにウォータマークを再度埋め込む(リマーキングする)ものであり、記録媒体にMPEGによって圧縮されて記録されている映像コンテンツを再生する再生装置の一部として使用することができる。
【0090】
図11に示すように、電子透かし埋め込み装置501Bは、入力されたMPEGストリームからウォータマークを検出するウォータマーク検出部515と、ウォータマーク(電子透かし)を構成するPN系列を生成するPN系列生成部503と、PN系列生成部503から出力されたPN系列を増幅してその強度を設定する強度設定部504と、PN系列の強度を変更する強度変更部505と、入力されたMPEGストリームとPN系列とを加算する加算部506と、MPEGストリームをMPEG復号化処理するMPEGデコーダ508と、映像信号のノイズを低減するノイズリダクション部507と、RAMおよびROMを有する記憶部510と、操作者に向けて所定の情報を提示するための表示部511と、操作者の操作を受付ける操作部512と、上記各部を制御する制御装置514とを備える。
【0091】
ウォータマーク検出部515は、受け取ったMPEGストリームにウォータマークが埋め込まれているか否か、および、MPEGストリームに埋め込まれているウォータマークが1世代複製許可および複製禁止のうちいずれを示すのかを検出し、検出結果を制御部514へ出力する。
【0092】
ウォータマーク検出部515により1世代複製許可を示すウォータマークが検出された場合、PN系列生成部503では複製禁止に対応するPN系列を生成する。このPN系列の強度は、第1の実施形態における強度設定部404と同様に強度設定部504において設定され、さらに強度変更部505において強度が変更される。強度変更部505から出力されたPN系列は、加算部506においてMPEGストリームに加算される。
【0093】
強度変更部505では、強度設定部504から出力されるPN系列、即ちウォータマークの強度を数フレーム分だけ高め、加算部506に向けて出力する。強度変更部505の動作として、第1の実施形態における強度変更部405と同様の動作を採用することができる。なお、ウォータマークが付加されたMPEGストリームはMPEGデコーダ508でデコードされて映像信号となり、さらにノイズリダクション部507においてノイズ低減処理を施されて出力される。
【0094】
このように、電子透かし埋め込み装置501Bは、1世代複製許可を示すウォータマークが埋め込まれていることを検出した場合には、確実に検出することができるような強度が高い、複製禁止を示すウォータマークを映像コンテンツにリマーキングすることができる。この際、電子透かし埋め込み装置501Bがリマーキングするウォータマークは、数フレーム分だけであるため、映像コンテンツに対する影響が非常に小さく、実質的に映像を劣化させることがない。
【0095】
ウォータマーク検出部515により1世代複製許可を示すウォータマークおよび複製禁止を示すウォータマークが検出されない場合、このコンテンツは複製許可のものであるため、加算部506にてウォータマークがリマーキングされることなく、映像信号として出力される。
【0096】
ウォータマーク検出部515により複製禁止を示すウォータマークが検出された場合には、制御部514は再生を禁止するような制御を実行する。
【0097】
−第6の実施形態−
以下、図12を参照して、本発明の電子透かし埋め込み装置の第6の実施形態について説明する。図12では、第5の実施形態の構成に対応する要素に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0098】
図12は第6の実施形態の電子透かし埋め込み装置501Cを示すブロック図である。この電子透かし埋め込み装置501Cは、既にウォータマークが埋め込まれた映像信号にウォータマークを再度埋め込む(リマーキングする)ものであり、電子透かし埋め込み装置501Bと同様に、記録媒体にMPEGによって圧縮されて記録されている映像コンテンツを再生する再生装置の一部として使用することができる。
【0099】
図12に示すように、電子透かし埋め込み装置501Cは、入力されてくるMPEGストリームに対して、MPEGデコーダ508によるMPEG復号化処理及びノイズリダクション部507によるノイズ低減を施し、生成された映像信号からウォータマークを検出するウォータマーク検出部515Aを備える。
【0100】
ウォータマーク検出部515Aは、受け取った映像信号にウォータマークが埋め込まれているか否か、および、映像信号に埋め込まれているウォータマークが1世代複製許可および複製禁止のうちいずれかを示すものかを検出し、検出結果を制御部514へ出力する。
【0101】
ウォータマーク検出部515Aにより1世代複製許可を示すウォータマークが検出された場合、PN系列生成部503では複製禁止に対応するPN系列を生成する。このPN系列の強度は、第1の実施形態における強度設定部404と同様に強度設定部504Aにおいて設定され、さらに強度変更部505Aにおいて強度が変更される。強度変更部505Aから出力されたPN系列は、加算部506Aにおいて映像信号に加算される。
【0102】
強度変更部505Aでは、強度設定部504Aから出力されるPN系列、即ちウォータマークの強度を数フレーム分だけ高め、加算部506Aに向けて出力する。強度変更部505Aの動作として、第1の実施形態における強度変更部405と同様の動作を採用することができる。
【0103】
このように、電子透かし埋め込み装置501Cは、映像信号に対し、MPEGデコーダ508によるMPEG復号化処理およびノイズリダクション部507によるノイズ低減を施し、生成された映像信号に1世代複製許可を示すウォータマークが埋め込まれていることを検出した場合には、強度を高めたPN系列、即ちウォータマークを重畳している。
【0104】
これにより、電子透かし埋め込み装置501Cは、ウォータマークを結果的に劣化させる復号化処理やノイズ低減処理の後にウォータマークをリマーキングしているため、ウォータマークを劣化させることがない。従って、電子透かし埋め込み装置501Cは、映像信号として出力されるMPEGストリームのウォータマークの強度や状態をより適切に管理できるという利点がある。
【0105】
ウォータマーク検出部515Aにより1世代複製許可を示すウォータマークおよび複製禁止を示すウォータマークが検出されない場合、このコンテンツは複製許可のものであるため、加算部506Aにてウォータマークがリマーキングされることなく、そのまま映像信号として出力される。
【0106】
ウォータマーク検出部515Aにより複製禁止を示すウォータマークが検出された場合には、制御部514は再生を禁止するような制御を実行する。
【0107】
ここで、図11に示した電子透かし埋め込み装置501Bにおいて、ウォータマーク検出部515及び加算部506は、MPEGデコーダ508よりも上流側に位置している。即ち、電子透かし埋め込み装置501Bは、MPEGデコードされる前のMPEGストリームのウォータマークを検出し、かつリマーキングしている。また、図12に示した電子透かし埋め込み装置501Cにおいて、ウォータマーク検出部515A及び加算部506Aは、ノイズリダクション部507よりも下流側に位置している。即ち、電子透かし埋め込み装置501Cは、MPEGストリームに対してMPEGデコード及びノイズ低減を施して生成された映像信号のウォータマークを検出し、かつリマーキングしている。
【0108】
このように図11および図12に示す電子透かし埋め込み装置501Bおよび501Cでは、ノイズリダクション部507およびMPEGデコーダ508の位置を基準としたとき、ウォータマークの検出およびウォータマークのリマーキングを同一の位置で実行している。
【0109】
しかしながら、本発明による電子透かし埋め込み装置は、このような構成に限られるものではない。例えば、図13に示すように、MPEGデコーダ508の上流側の位置をD、MPEGデコーダ508とノイズリダクション部507との間の位置をE、ノイズリダクション部507の下流側の位置をFとした場合、ウォータマーク検出部515,515A及び加算部506,506Aを以下のように配置することができる。
【0110】
ウォータマーク検出部515をDに配置した場合、加算部506をD、加算部506AをE又はFに配置することができる。即ち、Dでウォータマークを検出し、D、E又はFでリマーキングすることができる。なお、ウォータマーク検出部515および加算部506をそれぞれDに配置した場合が、図11の構成に相当する。ウォータマーク検出部515をEに配置した場合、加算部506AをEまたはFに配置することができる。即ち、Eでウォータマークを検出し、E又はFでリマーキングすることができる。ウォータマーク検出部515AをFに配置した場合、加算部506AはFに配置することができる。即ち、Fでウォータマークを検出し、Fでリマーキングすることができる。なお、この場合が、図12の構成に相当する。
【0111】
以上のように、ウォータマーク検出部515,515Aおよび加算部506,506Aの位置構成は、計6通りとなる。
【0112】
上記6通りの位置構成のうち、ウォータマーク検出部515,515Aが加算部506,506Aよりも前段に位置している場合には、ウォータマーク検出部515,515Aにおいて、ウォータマーク検出部515,515Aと加算部506,506Aの間に配置されたMPEGデコーダ508あるいはノイズリダクション部507によりウォータマークが劣化する前の信号からウォータマークを検出できる。このため、ウォータマークが確実に検出される。また、この場合には、加算部506,506Aがウォータマーク検出部515,515Aよりも後段に位置付けられるので、加算部506,506Aにより埋め込まれたウォータマークがウォータマーク検出部515,515Aと加算部506,506Aの間に配置されたMPEGデコーダ508あるいはノイズリダクション部507により劣化するおそれがない。従って、ウォータマーク検出部515,515Aを加算部506,506Aよりも前段に位置させることにより、予め埋め込まれているウォータマークを確実に検出でき、しかも、新たに埋め込んだウォータマークの劣化を抑制することができる。
【0113】
例えば、ウォータマーク検出部515をDに配置し、加算部506AをFに配置した場合、Dに配置されたウォータマーク検出部515では、MPEGデコーダ508およびノイズリダクション部507を経由する前のMPEGストリームからウォータマークを検出することになる。このため、ウォータマークがMPEGデコーダ508およびノイズリダクション部507により劣化しない段階で検出される。また、Fにおいて加算部506Aにおいてウォータマークが埋め込まれた映像信号は、MPEGデコーダ508およびノイズリダクション部507を経由することなく出力される。このため、加算部506Aにおいて埋め込まれたウォータマークがMPEGデコーダ508およびノイズリダクション部507により劣化するおそれがない。
【0114】
なお、上述した実施形態では、ウォータマークを構成するPN系列を、画像の画素にそれぞれ設定された輝度値に加算する構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、ウォータマークを構成するPN系列を、画素にそれぞれ設定された他の値に加算してもよい。
【0115】
また、ウォータマークを構成するPN系列は、M系列に限らない。ウォータマークを構成するPN系列として、例えばゴールド(Gold)符号のような他のランダム系列を用いてもよい。
【0116】
また、前記実施形態では、ウォータマークをPN系列によって構成する場合を例に挙げたが、本発明はこれに限るものではない。例えば、ランダム若しくはランダムに近い符号または符号の配列に規則性があってもその規則性を容易に判断することができないような符号が配列された他の信号によってウォータマークを構成することも可能である。
【0117】
また、前記実施形態では、PN系列を構成する符号と画像の画素とを一対一に対応させる場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らない。例えば、画像を互いに隣接した複数の画素からなる複数の領域に分割し、この領域に、PN系列を構成する符号を一対一に対応させてもよい。ここで、複製禁止を示すウォータマークを構成するPN系列「0101……」を、互いに連接する4つの画素からなる正方形の領域に分割された画像に埋め込む場合を例に挙げる。この場合、この画像の第1番目に配置された領域に含まれる4つの画素の輝度値には、すべて「0」が加算される。さらに、この画像の第2番目に配置された領域に含まれる4つの画素の輝度値には、すべて「1」が加算される。このように、PN系列を構成する符号と複数の画素からなる領域とを一対一に対応させることにより、デジタル映像がフィルタにかけられたり圧縮されたりしてもウォータマークをデジタル映像中に残存させることができる。
【0118】
本発明は、放送メディアの他、ビデオテープやDVD等のパッケージメディアにも適用可能であることは勿論である。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電子透かし埋め込み装置によれば、コンテンツに埋め込まれる電子透かしの強度を間隔を空けて高くするので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0120】
また、本発明の電子透かし埋め込み方法によれば、コンテンツに埋め込まれる電子透かしの強度を間隔を空けて高くするので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0121】
さらに、本発明の電子透かしを有する記録媒体によれば、コンテンツに埋め込まれた電子透かしの強度が、間隔が空いて高くなっているので、強度の高い部分で確実に電子透かしを検出することができる。また、強度が高い部分を間隔をあけて配置するので、その部分に対して間隔を広くとることにより画質に与えるウォータマークの影響を抑制することができる。
【0122】
本発明の電子透かし埋め込み装置は、によれば、検出手段および埋め込み手段の間における信号処理の影響を受けることなく検出手段により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手段により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手段および埋め込み手段の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【0123】
また、本発明の電子透かし埋め込み方法によれば、検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けることなく検出手順により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手順により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【0124】
さらに、本発明の記録媒体の製造方法によれば、検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けることなく検出手順により第1の電子透かしを検出できるので、第1の電子透かしを確実に検出できる。また、埋め込み手順により埋め込まれた第2の電子透かしが検出手順および埋め込み手順の間における信号処理の影響を受けないため、第2の電子透かしの劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図2】ウォータマークを説明する図。
【図3】ウォータマークを説明する図。
【図4】PN系列生成回路の構成を示す図。
【図5】PN系列生成回路の構成を示す図。
【図6】第1の実施形態の電子透かし埋め込み装置の動作を示すフローチャート。
【図7】第2の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図8】第3の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図9】第4の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図10】ウォータマーク検出部及び加算部の位置を示す図。
【図11】第5の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図12】第6の実施形態の電子透かし埋め込み装置を示すブロック図。
【図13】ウォータマーク検出部及び加算部の位置を示す図。
【符号の説明】
404 強度設定部(変動手段、設定手段)
405 強度変更部(変動手段、変更手段)
414 制御装置(制御手段)
415,415A,515,515A ウォータマーク検出部(検出手段)
406,406A,506,506A 加算部(埋め込み手段)
407,507 ノイズリダクション部(ノイズ低減手段)
408 MPEGエンコーダ(圧縮符号化手段)
508 MPEGデコーダ(復号化手段)
Claims (32)
- デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み装置であって、
前記コンテンツに埋め込む前記電子透かしの強度を変動させる変動手段と、
前記電子透かしの強度を、間隔を空けて高くするように、前記変動手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする電子透かし埋め込み装置。 - 前記変動手段は、
前記コンテンツの情報信号に基づいて前記電子透かしの強度を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記電子透かしの強度を間隔を空けて高くするように変更する変更手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子透かし埋め込み装置。 - 前記制御手段は、ランダム間隔又は所定の規則に従った不定間隔で前記電子透かしの強度を高くするように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電子透かし埋め込み装置。
- 前記制御手段は、前記コンテンツの情報信号に基づいて前記電子透かしの強度を変動させるように、前記変動手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電子透かし埋め込み装置。
- 前記制御手段は、前記情報信号の変化が急激な部分で前記電子透かしの強度を高くするように制御することを特徴とする請求項4に記載の電子透かし埋め込み装置。
- 前記制御手段は、ランダム間隔又は所定の規則に従った不定間隔を空けた後、前記変化が急激な部分で前記電子透かしの強度を高くするように制御することを特徴とする請求項5に記載の電子透かし埋め込み装置。
- 前記制御装置は、一定間隔を空けた後、前記変化が急激な部分で前記電子透かしの強度を高くするように制御することを特徴とする請求項5に記載の電子透かし埋め込み装置。
- 前記コンテンツは、映像コンテンツであって、
前記コンテンツにおける変化が急激な部分は、映像のシーンチェンジの部分、映像のエッジが強い部分又は映像の動きが激しい部分であることを特徴とする請求項5に記載の電子透かし埋め込み装置。 - 前記コンテンツに予め第1の電子透かしが埋め込まれているか否か、及び当該第1の電子透かしが埋め込まれている場合にその種類を検出する検出手段を備え、
前記制御手段は、前記検出手段からの検出結果に基づいて、新たな第2の電子透かしを埋め込むように制御することを特徴とする請求項1に記載の電子透かし埋め込み装置。 - 前記検出手段は、前記コンテンツの情報信号から、前記第1の電子透かしが埋め込まれているか否か及び当該第1の電子透かしの種類を検出することを特徴とする請求項9に記載の電子透かし埋め込み装置。
- 前記コンテンツの情報信号を圧縮符号化する符号化手段を備え、
前記検出手段は、前記圧縮符号化された情報信号から、前記第1の電子透かしが埋め込まれているか否か及び当該第1の電子透かしの種類を検出することを特徴とする請求項9に記載の電子透かし埋め込み装置。 - デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み方法であって、
前記コンテンツに埋め込む前記電子透かしの強度を、間隔を空けて高くするように前記電子透かしの強度を変動させる変動手順を備えることを特徴とする電子透かし埋め込み方法。 - 前記変動手順は、前記コンテンツの情報信号に基づいて前記電子透かしの強度を設定する設定手順と、
前記設定手順により設定された前記電子透かしの強度を間隔を空けて高くするように変更する変更手順と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の電子透かし埋め込み方法。 - 前記変動手順では、ランダム間隔又は所定の規則に従った不定間隔で前記電子透かしの強度を高くすることを特徴とする請求項12または13に記載の電子透かし埋め込み方法。
- 前記変動手順では、前記コンテンツの情報信号に基づいて前記電子透かしの強度を変動させることを特徴とする請求項12または13に記載の電子透かし埋め込み方法。
- 前記変動手順では、前記情報信号の変化が急激な部分で前記電子透かしの強度を高くするように前記電子透かしの強度を変動させることを特徴とする請求項15に記載の電子透かし埋め込み方法。
- 前記変動手順では、ランダム間隔又は所定の規則に従った不定間隔を空けた後、前記変化が急激な部分で前記電子透かしの強度を高くするように前記電子透かしの強度を変動させることを特徴とする請求項16に記載の電子透かし埋め込み方法。
- 前記変動手順では、一定間隔を空けた後、前記変化が急激な部分で前記電子透かしの強度を高くするように前記電子透かしの強度を変動させることを特徴とする請求項16に記載の電子透かし埋め込み方法。
- 前記コンテンツは、映像コンテンツであって、
前記コンテンツにおける変化が急激な部分は、映像のシーンチェンジの部分、映像のエッジが強い部分又は映像の動きが激しい部分であることを特徴とする請求項16に記載の電子透かし埋め込み方法。 - 前記コンテンツに予め第1の電子透かしが埋め込まれているか否か、及び当該第1の電子透かしが埋め込まれている場合にその種類を検出する検出手順を備え、
前記変動手順では、前記検出手順における検出結果に基づいて、前記コンテンツに埋め込む新たな第2の電子透かしの強度を変動させることを特徴とする請求項12に記載の電子透かし埋め込み方法。 - 前記検出手順では、前記コンテンツの情報信号から、前記第1の電子透かしが埋め込まれているか否か及び当該第1の電子透かしの種類を検出することを特徴とする請求項20に記載の電子透かし埋め込み方法。
- 前記コンテンツの情報信号を圧縮符号化する符号化手順を備え、
前記検出手順では、前記符号化手順により前記圧縮符号化された情報信号から、前記第1の電子透かしが埋め込まれているか否か及び当該第1の電子透かしの種類を検出することを特徴とする請求項20に記載の電子透かし埋め込み方法。 - デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込んだ映像が記録された、電子透かしを有する記録媒体であって、
前記コンテンツに埋め込まれた前記電子透かしの強度が、間隔が空いて高くなっていることを特徴とする電子透かしを有する記録媒体。 - デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み装置であって、
前記コンテンツに予め埋め込まれている第1の電子透かしを検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に応じて、前記コンテンツに第2の電子透かしを埋め込む埋め込み手段と、を備え、
前記検出手段は、前記埋め込み手段よりも前段に配置されていることを特徴とする電子透かし埋め込み装置。 - 前記検出手段および前記埋め込み手段との間に、信号のノイズを低減するノイズ低減手段が配置されていることを特徴とする請求項24に記載の電子透かし埋め込み装置。
- 前記検出手段および前記埋め込み手段との間に、信号を圧縮符号化処理する圧縮符号化手段が配置されていることを特徴とする請求項24に記載の電子透かし埋め込み装置。
- 前記検出手段および前記埋め込み手段の間に、信号を復号化処理する復号化手段が配置されていることを特徴とする請求項24に記載の電子透かし埋め込み装置。
- デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込む電子透かし埋め込み方法であって、
前記コンテンツに予め埋め込まれている第1の電子透かしを検出する検出手順と、
前記検出手順の検出結果に応じて、前記コンテンツに第2の電子透かしを埋め込む埋め込み手順と、を備え、
前記検出手順では、前記埋め込み手順において前記第2の電子透かしを埋め込む位置よりも前段において前記第1の電子透かしを検出することを特徴とする電子透かし埋め込み方法。 - 前記検出手順において前記第1の電子透かしが検出された後の信号のノイズを低減するノイズ低減手順を備え、
前記埋め込み手順では、前記ノイズ低減手順によりノイズが低減された後の信号に前記第2の電子透かしを埋め込むことを特徴とする請求項28に記載の電子透かし埋め込み方法。 - 前記検出手順において前記第1の電子透かしが検出された後の信号を圧縮符号化処理する圧縮符号化手順を備え、
前記埋め込み手順では、前記圧縮符号化手順により圧縮符号化処理された後の信号に前記第2の電子透かしを埋め込むことを特徴とする請求項28に記載の電子透かし埋め込み方法。 - 前記検出手順において前記第1の電子透かしが検出された後の信号を復号化処理する復号化手順を備え、
前記埋め込み手順では、前記復号化手順により復号化処理された後の信号に前記第2の電子透かしを埋め込むことを特徴とする請求項28に記載の電子透かし埋め込み方法。 - デジタル情報からなるコンテンツに、所定の規則に基づいて生成された信号からなる電子透かしを埋め込んだ情報が記録された記録媒体の製造方法であって、
前記コンテンツに予め埋め込まれている第1の電子透かしを検出する検出手順と、
前記検出手順の検出結果に応じて、前記コンテンツに第2の電子透かしを埋め込む埋め込み手順と、
前記埋め込み手順を経た信号を前記記録媒体に記録する記録手順と、を備え、
前記検出手順では、前記埋め込み手順において前記第2の電子透かしを埋め込む位置よりも前段において前記第1の電子透かしを検出することを特徴とする記録媒体の製造方法。
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