JP2004006283A - プラズマ生成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
本発明のプラズマ生成装置に関する構成は、壁面に囲まれ、材料ガスをプラズマ化するためのプラズマ室を有するプラズマ生成装置であって、前記プラズマ室は、陰極電極と、陽極電極と、前記材料ガスの導入手段と、排気手段と、を有し、前記陰極電極の一方の表面にカーボンナノチューブが形成されており、前記陰極電極の前記表面側に前記陽極電極が設置されていることを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する分野】
本発明は高密度のプラズマの生成を行うための装置に関する。また、それを利用した装置に関する。例えば、ドーピング装置、エッチング装置、スパッタ装置、成膜装置において適用される。
【0002】
【従来の技術】
近年、薄膜を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を作製する研究が広く行われている。TFTを作製するにあたって、成膜、エッチング、イオンの導入工程等は欠く事のできないプロセスであり、これらの工程はプラズマを利用して行われることが多い。即ち、反応性の高いイオンやラジカルをエッチングや成膜に利用し、運動エネルギーが大きい粒子をスパッタに利用し、プラズマ中の電荷粒子をエッチングやイオン注入に利用している。これらスパッタ法。プラズマCVD法、エッチング法、イオンドーピング法等を利用する工程を経てTFTは作製される。
【0003】
プラズマを生成するための方法として、平行に設置された2枚の平板電極(51は陰極電極、52は陽極電極である。)の間に一様な電場を掛ける方法(図4(A))、タングステンなどの融点の高い金属を2500℃程度に加熱して、熱電子を放出させる直熱形熱陰極電極53を用いる方法(図4(B))、陰極電極面に仕事関数の小さい物質を用いて間接的に背面から加熱する方法(図4(C))、片端が閉じて他端が開いた円筒のホロー形の電極を陰極電極として用い、高密度のプラズマを生成する方法(ホロー陰極放電54)(図4(D))などがある。また、プラズマ室の壁面に沿って多数の永久磁石を並べることにより(図4(E))、壁表面に局在する磁場(表面磁場または多極磁場)を利用してプラズマを形成する方法、マグネトロン放電と呼ばれる平板状陰極電極の面に平行に磁場を掛けて放電させる方法(図4(F))もある。これらは直流放電の例であるが、交流放電によって生成することもできる。
【0004】
その主な例は、容量結合プラズマと呼ばれる高周波やマイクロ波を平行平板電極に掛ける方法(図5(A))、誘導結合プラズマと呼ばれるヘリカル状のコイルやスパイラル状のコイルに高周波電流を流す方法(図5(B)、(C))、表面波プラズマと呼ばれる電磁波を高密度プラズマに照射して励起される表面波を強いマイクロ波に当てる方法(図5(D))、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマと呼ばれる磁場中の電子サイクロトロン共鳴を利用する方法(図5(E))、ヘリコン波プラズマと呼ばれる電子サイクロトロン周波数より十分低い周波数の高周波電流をアンテナに流す方法(図5(F))などが挙げられる。
【0005】
また、イオンドーピング装置は主に大型ガラス基板上の薄膜トランジスタ(TFT)の作製に利用され、ソース領域やドレイン領域を形成するためのドーピングでは1015ions/cm2台のドーズ量を必要とし、チャネルドープやLDD(Light DopedDrain)領域を形成するためのドーピングでは1×1012〜1×1014ions/cm2のドーズを必要とする。このように、領域によって必要とされるドーズ量が3桁も異なる為、イオンドーピング装置には高電流密度から低電流密度まで制御できる性能が求められている。例えば、フィラメントを用いたDCイオン源イオンドーピング装置は使用できる電流密度の範囲が広いため、一般によく用いられている。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
例えば、フィラメントを用いたDCイオン源イオンドーピング装置において、フィラメント寿命が短いことが問題となっている。フィラメント交換によって装置の稼働率が低下し、スループットが低下する。またイオンドーピング装置で使用される材料ガスはフォスフィンやジボラン等の有毒ガスである場合が多く、クリーンルームの汚染、人体への悪影響の観点から、フィラメント交換の頻度はできるだけ少なくすることが望まれる。しかし、ソース領域やドレイン領域を形成するための高ドーズ処理ではスループットを上げる為にイオン電量密度を増加させるため、フィラメントの寿命は一層短くなる。その他の問題として、フィラメント使用時間が増加するに従い、フィラメントの劣化、フィラメント表面への膜の付着等がある。これらのフィラメントの変化によってフィラメント表面からの電界放出特性が経時変化し、プラズマ中のイオン種割合が変わってしまい、安定したドーズ制御ができなくなる。イオンドーピング装置に限らず、プラズマを扱う装置では、プラズマの安定化が最重要課題である。
【0007】
本発明は、安定したプラズマを生成するための装置を提供することを課題とする。また、スループットを高めるためにはプラズマ密度を高める必要がある。そのため、電界放出特性に優れ、また寿命の長い陰極電極を備えた装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ドーピング装置、エッチング装置、成膜装置などに代表されるプラズマ生成装置において、陰極電極にカーボン、特にカーボンナノチューブ(CNT)を用いることを特徴としている。カーボンナノチューブは直径1nm前後から数十nmのチューブ状のグラファイト構造をもつ炭素系材料である。カーボンナノチューブには単層カーボンナノチューブ(SWNT:Single Wall Carbon Nano Tube)、多層カーボンナノチューブ(MWNT:Multi Wall Carbon Nano Tube)、VGCF(Vapor Growth Carbon Fiber)、ナノホーン、ナノグラスファイバーなどの様々な構造体が知られている。以降、これらを総称してカーボンナノチューブと表記する。
【0009】
カーボンナノチューブの形状は細く、長いことが特徴である。直径がわずか数nmであるにも関わらず長さが数千nmに及ぶ場合もある。また炭素同士が非常に強く結合しているため、カーボンナノチューブは化学的に非常に安定している。またナノチューブは導電性があり、炭素同士の結合が強いため大量の電流を流すことができ、さらに、耐熱性にも優れている。
【0010】
また、カーボンナノチューブの一端を帯電させておくと、カーボンナノチューブの先端から電子が驚異的な頻度で放出される。これはカーボンナノチューブの細長い形状、すなわちアスペクト比が高いことに起因していると考えられている。従ってこの電界放出は通常の金属と比べて、低い電圧で起こり、また損傷もほとんどなく寿命が長い。
【0011】
このようにカーボンナノチューブは優れた特性を有するものである。本発明は、カーボンナノチューブの電界放出特性を、プラズマを利用した装置のプラズマ生成源に利用することを特徴とする。カーボンナノチューブをイオン源に設置する陰極電極として利用することによって、アーク室に効率よく電子を供給できる。多数のカーボンナノチューブの先端から電子が放出されることから、イオン源中のプラズマ密度を高めることができる。またカーボンナノチューブは耐熱性、電流輸送特性に優れるため、安定したプラズマを形成することができる。
【0012】
本発明のプラズマ生成装置に関する構成は、壁面に囲まれ、材料ガスをプラズマ化するためのプラズマ室を有するプラズマ生成装置であって、前記プラズマ室は、陰極電極と、陽極電極と、前記材料ガスの導入手段と、排気手段と、を有し、前記陰極電極の一方の表面にカーボンナノチューブが形成されており、前記陰極電極の前記表面側に前記陽極電極が設置されていることを特徴としている。
【0013】
上記構成において、前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、VGCF、ナノホーンまたはナノグラスファイバーであることを特徴としている。
【0014】
また、上記構成において、前記カーボンナノチューブは、アーク法もしくはレーザ照射法によって作製され、伝導性ペーストによって金属部材に接着されていることを特徴としている。もしくは、前記カーボンナノチューブは、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、またはその混合である炭化水素系ガスと水素ガスを導入ガスとして、気相法、好ましくはプラズマCVD法によって金属部材に堆積されてことを特徴としている。
【0015】
このように、本発明は、カーボンナノチューブが形成されている陰極電極を用いてプラズマを生成することで、効率良く高密度のプラズマを得ることが可能である。また、カーボンナノチューブは耐熱性、電流輸送特性に優れるため、安定したプラズマを形成することが可能となる。そして、このような陰極電極を有するイオンドーピング装置や、エッチング装置、スパッタ装置、成膜装置を用いて半導体膜に対して様々な処理を行うことが可能となり、半導体膜に非常に安定した処理を行うことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
本実施形態において、図1を用いて陰極電極と陽極電極を有するプラズマ生成装置の説明を行う。
【0017】
図1に本発明のプラズマ生成装置の例を示す。図1において、チャンバーには、プラズマ室101、処理室102、ロードロック室103、真空排気手段106、ガス供給系111、プラズマを形成するための陰極電極116、陽極電極117が備えられている。図1の構成は、容量結合型高周波放電の形式を示しているが、その他、フィラメント型の電極を用いても良い。
【0018】
陰極電極116には金属部材には電子放出源であるカーボンナノチューブ118を形成させる。カーボンナノチューブ118はアーク放電法やグラファイトへのレーザ照射法により作製し、精製したものを導電性のペーストで金属部材に接着する。特に、アーク法によるカーボンナノチューブは結晶性がよく、欠陥が少ない。
【0019】
またカーボンナノチューブを気相法によって、金属部材に直接堆積してもよい。プラズマCVD法、好ましくは電界印加型プラズマCVD法により、メタン、エタン、エチレン、アセチレンまたはその混合である炭化水素系ガスと水素ガスを導入ガスとして、カーボンナノチューブを金属部材に直接成長させる。カーボンナノチューブを堆積する際の助剤として、例えばNi、Fe、Co又はこれらの金属の複数からなる合金を利用することが望ましい。これらの助剤の塗布方法はスパッタ、メッキ、有機金属化合物の塗布後焼成などで行う。
【0020】
これらの気相法を用いると、カーボンナノチューブの成長方向を金属部材に対して垂直に揃えることが可能であり、カーボンナノチューブの先端部分が上を向いているため電界放出特性が向上する。さらに、このように揃えることにより、カーボンナノチューブの面積当たりの密度が増加し、高密度のプラズマを得ることができる。
【0021】
陽極電極117はグリッド電極とし、陰極電極116との距離を短くすることによって、効果的に電圧を印加することができる。カーボンナノチューブ118から放出された電子は陽極電極117のグリッド孔を通過し、チャンバー内で材料ガスと衝突し、材料ガスをイオン化させる。またグリッド孔の径を小さくすることによって、チャンバー内のイオンや中性分子の陰極電極116への到達を抑制することができる。また、材料ガスの導入時のチャンバー内の圧力は1×10−1Pa〜1×10−3Paであることが望ましい。
【0022】
このような陰極電極116および陽極電極117を有するプラズマ発生装置で生成されるプラズマは、高密度であって、安定したものとなる。
【0023】
[実施の形態2]
本実施形態では、実施の形態1とは異なる陰極電極の構成を図2を用いて説明する。なお、図2(A)は鳥瞰図であり、図2(B)は陰極電極と平行方向に形成される磁場に対して垂直な断面から見た図である。
【0024】
陰極電極31は金属部材とその表面に形成したカーボンナノチューブからなる。カーボンナノチューブは実施の形態1と同様、アーク放電法やレーザ照射法によって作製し、精製したカーボンナノチューブを伝導性ペーストで金属部材に接着する。あるいはプラズマCVD法によって直接金属部材にカーボンナノチューブを気相成長させる。
【0025】
陰極電極31の両サイドには板状もしくは棒状の磁石32を、N極とS極が向かい合うように設置し、磁石32の間には複数の遮蔽板33を設置する。遮蔽板33は金属材料または絶縁材料によって形成され、陰極電極とプラズマの間に形成されるシース電界に対して傾斜させる。傾斜角は陰極電極31と陽極電極間の電圧、磁石32の磁力、磁石32の設置間隔、さらにカーボンナノチューブの電界放出特性によって決定する。
【0026】
陰極電極31と陽極電極間に電圧を印加することによって、カーボンナノチューブから電子が放出されるが、磁石32による磁場によって電子の軌道は曲げられることとなる。遮蔽板33は電子の軌道が曲げられても遮蔽板33に衝突しない角度に傾斜させる。このとき、遮蔽板33は曲率を有する形状であることが望ましいが、平板であっても良い。
【0027】
一方、プラズマ中の正イオンは、陰極電極31とプラズマの間に形成されるシース電界によって加速されるが、ラーモア半径の大きい正イオンは磁場によって軌道がまげられることなく遮蔽板33と衝突する。このためカーボンナノチューブに正イオンがカーボンナノチューブと高エネルギーで衝突することを防止できる。さらに正イオンと遮蔽板33の衝突箇所を2次電子を放出しやすいBaOやLaB6等とすることによって、プラズマ中に電子を更に効果的に補給することができる。
【0028】
このような陰極電極31および陽極電極32を有するプラズマ発生装置で生成されるプラズマは、高密度であって、安定したものとなる。
【0029】
なお、本実施形態は、実施形態1と組み合わせることが可能である。
【0030】
【実施例】
[実施例1]
本実施例では、ドーピング装置を例に挙げて、図1に基づいて説明する。
【0031】
図1のドーピング装置の主な構成はイオン源101、処理室102、ロードロック室103、真空排気手段106から成っている。処理室102は基板を保持しイオンを注入する場所であり、基板ステージ104、クランパー105が備えられている。基板を基板ステージ上で上下させるピン108は、ロードロック室103から搬送手段109により基板を基板ステージ104に乗せる際に用いる。この基板の搬出入に伴って、クランパー105はアーム107により上下する機構が備えられている。
【0032】
アーム107によりクランパー105を基板ステージから持ち上げた状態で搬送手段109により基板を搬入する。この時、ピン108は基板ステージ104から突き出た状態となり、その上に基板100が乗せられる。その後、ピン108が下がり、続いて、アーム107が下がることによりクランパー105が基板100を基板ステージ上で固定する。
【0033】
排気手段106は、ドライポンプ、メカニカルブースターポンプ、ターボ分子ポンプなどを適宜組み合わせて用いる。
【0034】
イオン源101は、材料ガスを供給するガス供給系111、プラズマを形成するための陰極電極116、陽極電極117が備えられている。図1の構成は、容量結合型高周波放電の形式を示しているが、その他の電極を用いても良い。
【0035】
陰極電極116には金属部材には電子放出源であるカーボンナノチューブ118を形成させる。カーボンナノチューブ118はアーク放電法やグラファイトへのレーザ照射法により作製し、精製したものを導電性のペーストで金属部材に接着する。特に、アーク法によるカーボンナノチューブは結晶性がよく、欠陥が少ない。
【0036】
陰極電極116と陽極電極117に電圧を印加することにより、陰極電極の表面に形成されているカーボンナノチューブ118から電子が放出され、ガス供給系111から供給される材料ガスの分子とが衝突することにより、プラズマが形成される。
【0037】
このような陰極電極116および陽極電極117を有するプラズマ発生装置で生成されるプラズマは、高密度であって、安定したものとなる。
【0038】
さらに、引き出し電極系として、引き出し電極112、加速電極113、抑制電極114、接地電極115が備えられ、これらの電極には多数の開口が設けられその開口をイオンが通過する。イオンの加速は引き出し電圧Vexが印加される引き出し電極112と、加速電圧Vacが印加される加速電極113により行い、抑制電極114では発散するイオンを捕集してイオン流の方向性を高めている。引き出し電圧Vexに10kVを印加して、加速電圧Vacを変化させることにより50〜100keVのエネルギーでイオンを加速することができる。
【0039】
材料ガスはPH3、B2H6などであり、水素や不活性ガスで0.1〜30%程度に希釈したものを用いる。PH3の場合、PHx +、P2Hx +、Hx +などがイオン種として生成され、質量分離をしない場合はこれらのイオンが引き出し電極系により加速され基板が設置された処理室に引き出される。イオンは、図1の中で矢印で示すとように4枚の電極によりほぼ直線的に引き出され基板に照射される。
【0040】
本実施例では、生成されたプラズマが安定しているため、基板100に対して均一にイオンを導入することができる。また、陰極電極116にはCNTが形成されているため、陰極116の寿命を長くすることが可能である。
【0041】
[実施例2]
本実施例では、イオン源を例に挙げて、図3に基づいて説明する。
【0042】
イオン源は、壁面11と壁面11によって形成されるアーク室(プラズマ室)12を有し、ホスフィンやジボランなどの半導体材料ガスを入口13から導入する。アーク室12内には陰極電極14と陽極電極15を設置し、陰極電極14には単層カーボンナノチューブ(SWNT:Single Wall Carbon Nano Tube)、多層カーボンナノチューブ(MWNT:Multi Wall Carbon Nano Tube)、VGCF(Vapor Growth Carbon Fiber)、ナノホーン、ナノグラスファイバーなどの炭素ナノ構造体を用いる。
【0043】
陰極電極14と陽極電極15の間に、外部に設置された電源によって電圧を印加することによって、高エネルギーの電子を陰極電極14から放出させ、入口13から導入された材料ガスの分子と電子が衝突し、高密度のプラズマが生成する。イオンドーピング装置においては引出電極によって、このプラズマ中のイオンを引き出し、更に加速電極によってイオンを任意のエネルギーに加速し、所定の半導体基板にイオンを注入する。
【0044】
また壁面11の外側に棒磁石のN極とS極を交互に並べ、いわゆるラインカプスとよばれる磁場を形成することによって、アーク室12中心部のプラズマ密度を上昇させ、プラズマ密度分布を均一化することができる。また大型基板に対応した大容積イオン源の場合、アーク室12には複数個の陰極電極14を設置することが望ましい。
【0045】
このように、カーボンナノチューブが形成されている陰極電極14を用いてプラズマを生成すると、効率良く高密度のプラズマを得ることが可能である。また、カーボンナノチューブは耐熱性、電流輸送特性に優れるため、イオン源中に安定したプラズマを形成することが可能となる。そして、このような陰極電極を有するイオンドーピング装置を用いて不純物元素の導入が行われた半導体膜は、安定した処理が行われるため、半導体装置の歩留まりを向上させることが可能となる。
【0046】
なお、本実施例は、実施例1と組み合わせることが可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明の構成を採用することにより、陰極電極の寿命を伸ばすことが可能となる。そのため、陰極電極を交換する回数を著しく減らすことができ、クリーンルームの汚染のみならず、人体への悪影響を低減する上、コストの低減をも実現し得る。
【0048】
また、安定した高密度のプラズマを生成することが可能となる。すなわち、プラズマを用いて行われる成膜、エッチング、イオンの導入と言った工程の安定化を図ることができる。延いては、このような工程を経て作製される半導体装置の歩留まりを向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す図。
【図2】本発明の一例を示す図。
【図3】本発明を用いたイオン源の例を示す図。
【図4】直流放電の例を示す図。
【図5】交流放電の例を示す図。
【符号の説明】
11 壁面
12、13 プラズマ室
14、31、118 陰極電極
15、117 陽極電極
32 磁石
33 遮蔽板
119 CNT
Claims (7)
- 壁面に囲まれ、材料ガスをプラズマ化するためのプラズマ室を有するプラズマ生成装置であって、
前記プラズマ室は、陰極電極と、陽極電極と、前記材料ガスの導入手段と、排気手段とを有し、
前記陰極電極の前記陽極電極側の表面にカーボンナノチューブが形成されていることを特徴とするプラズマ生成装置。 - 壁面に囲まれ、材料ガスをプラズマ化するためのプラズマ室を有するプラズマ生成装置であって、
前記プラズマ室は陰極電極と、陽極電極と、前記材料ガスの導入手段と、排気手段と、磁場を形成する手段を有し、
前記陰極電極の前記陽極側の表面にはカーボンナノチューブと、前記カーボンナノチューブを保護する手段が形成されていることを特徴とするプラズマ生成装置。 - 請求項1または請求項2において、前記カーボンナノチューブは、導電性ペーストによって前記陰極電極に接着されていることを特徴とするプラズマ生成装置。
- 請求項1または請求項2において、前記カーボンナノチューブは、前記陰極電極表面に気相成長させて形成したことを特徴とするプラズマ生成装置。
- 請求項2乃至請求項4のいずれか一項において、前記カーボンナノチューブを保護する手段は、前記陰極電極とプラズマ化された前記材料ガスの間に形成されるシースで加速された正イオンを遮蔽することを特徴とするプラズマ生成装置。
- 請求項2乃至6のいずれか一項において、前記カーボンナノチューブを保護する手段は、導電材料または絶縁材料で形成されていることを特徴とするプラズマ生成装置。
- 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、前記カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、VGCF、カーボンナノホーン、ナノグラスファイバーから選ばれた一種または複数種であることを特徴とするプラズマ生成装置。
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