JP2004006127A - 車両灯具用リフレクタ - Google Patents

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fixed reflector
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Haruo Okuda
奥田 晴雄
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Ichikoh Industries Ltd
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Abstract

【課題】工程数の削減によるコスト低減が可能であると共に、可動リフレクタと固定リフレクタに所望の反射面を容易に形成することができ、かつ可動リフレクタと固定リフレクタとの間の隙間管理が容易であること。
【解決手段】可動リフレクタ1は、固定リフレクタ2に連結リブ12を介して一体に形成されると共に、連結リブ12を切断して固定リフレクタ2に対して変位可能に組み付けられる。このため、1個の成形金型および1個の反射膜形成手段を備えた一の成形工程を経ることにより、可動リフレクタ1および固定リフレクタ2を同時に成形することができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、運転状況に応じて照射光束の配光パターンを、リフレクタの可動により切り替えるように構成された車両用前照灯に適用される車両灯具用リフレクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の車両用前照灯100は、図3に示すように、可動リフレクタ1の変位により光源101の照射光束を、一般走行ビームHiとすれ違いビームLoに切り替えるように構成されている。
【0003】
このときの車両灯具用リフレクタ3は、図4に示すように、光源取付部4を有してリフレクタ3の外側部分を構成する固定リフレクタ2と、この固定リフレクタ2に内包されてリフレクタ3の内側部分(図中斜線を付して示す)を構成する可動リフレクタ1とから構成されている。
【0004】
可動リフレクタ1および固定リフレクタ2は、それぞれ別個の成形型および反射膜形成手段を用いた別個の成形工程を経て成形され、成形後可動リフレクタ1を固定リフレクタ2に対して変位可能に組み付けることによってリフレクタ3を構成することができる。
【0005】
すなわち、固定リフレクタ2は、その光源取付部4にソケット部101aを固着して光源101を取り付けた後、図示しない灯具ハウジングに取り付けられる。
【0006】
また、可動リフレクタ1は、その背面に突設されたボス部6に取り付けられる連結金具8と、固定リフレクタ2の上部に取り付けた取付金具5に取り付けられる板ばね7とを連結することにより、その上部が固定リフレクタ2に取り付けられると共に、その下部が適宜車体9に取り付けられたソレノイド10に作動棹11を介して連結されることによって、前照灯100に変位可能に組み付けられる。
【0007】
このように組み付けられた可動リフレクタ1は、図3に示すように、ソレノイド10の駆動により、板ばね7の取付金具5寄りのポイントPを回転中心として、実線状態と破線状態との間で変位する。この変位で、前照灯100は、光源101の照射光束の配光パターンを、一般走行ビームHiとすれ違いビームLoとの間で切り替えることができる。なお、図3中、符号102はソケット101aの光源取付部4からの抜け止めを図るリングばねであり、符号103は光源101に電源を供給するための電線である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このリフレクタ3は、それぞれ別個の成形型および反射膜形成手段を用いた別個の成形工程を経て成形される可動リフレクタ1および固定リフレクタ2を組み合わせて構成されるものであるから、製造過程における延べ工程数が多くなり、ひいてはコスト高を招く、という課題を有している。
【0009】
また、可動リフレクタ1および固定リフレクタ2は、それぞれ別個の成形工程を経て成形されるものであるから、成形条件の微妙な相違に起因して両者の成形歪みの度合いが異なり、このため組み付け後、可動リフレクタ1と固定リフレクタ2とに、所望の配光パターンの得られる放物面A(図3参照)に沿う所望の反射面を形成することが難しかったり、あるいは/および可動リフレクタ1と固定リフレクタ2との間の隙間B(図4(a)、(b)参照)を精度良く管理することが難しい、という課題をも有している。
【0010】
所望の反射面の不形成は、照射光束の所望の配光パターンが得られない原因となり、隙間Bの管理不十分は、可動リフレクタ1の変位の際の作動不良の原因となる。
【0011】
そこで、この発明は、工程数の削減によるコスト低減が可能であると共に、可動リフレクタと固定リフレクタに所望の反射面を容易に形成することができ、かつ可動リフレクタと固定リフレクタとの間の隙間管理が容易な車両灯具用リフレクタを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、光源取付部を有してリフレクタの外側部分を構成する固定リフレクタと、この固定リフレクタに内包されてリフレクタの内側部分を構成する可動リフレクタとからなる車両灯具用リフレクタであって、
前記可動リフレクタは、前記固定リフレクタに連結リブを介して一体に形成されると共に、前記連結リブを切断して前記固定リフレクタに対して変位可能に組み付けられることを特徴とする。
【0013】
このため、請求項1の発明では、1個の成形金型および1個の反射膜形成手段を備えた一の成形工程を経ることにより、可動リフレクタおよび固定リフレクタを同時に成形することができる。これにより、可動リフレクタおよび固定リフレクタは、両者間の成形条件および塗装条件を同一にして成形することができる。
【0014】
また、可動リフレクタおよび固定リフレクタは、成形過程を含めて組み付け前までは、連結リブで連結されて一体物として取り扱うことができるので、成形過程での半製品の取り扱いが容易であると共に、相互に組み付けられる組み合わせペア毎に部品管理が可能である。
【0015】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の車両灯具用リフレクタであって、
前記可動リフレクタは、一部品として構成されており、
前記固定リフレクタは、前記可動リフレクタを囲繞する内周壁を有して形成されており、
前記連結リブは、前記可動リフレクタが両持ち状態で支持されるように、複数箇所で前記可動リフレクタと前記固定リフレクタとの間に掛け渡されて形成されていることを特徴とする。
【0016】
このため、請求項2の発明では、可動リフレクタは、連結リブにより両持ち状態で固定リフレクタに支持されることになって、その支持状態が安定する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、図3および図4に記載のものと同一の構成要素は、同一符号を付して説明する。
【0018】
図1は、この発明の一実施の形態としての車両灯具用リフレクタ3を示し、図1(a)はリフレクタ3の背面図、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線に沿う断面図である。このリフレクタ3は、光源取付部4を有してリフレクタ3の外側部分を構成する固定リフレクタ2と、この固定リフレクタ2に内包されてリフレクタ3の内側部分(図中斜線を付して示す)を構成する可動リフレクタ1とから大略構成されている。
【0019】
このとき可動リフレクタ1は、固定リフレクタ2に連結リブ12を介して一体に形成されると共に、連結リブ12を切断して固定リフレクタ2に対して変位可能に組み付けられる(図3参照)。なお、図1中、符号13は、固定リフレクタ2の背面側に一体に突出形成されている、図示しない灯具ハウジングへの取付用ボス部であり、符号Cは、連結リブ12を切断するときの切断線である。
【0020】
図2は、リフレクタ3の製造工程を示しており、可動リフレクタ1および固定リフレクタ2は、1個の成形金型14を用いて、連結リブ12で連結された状態で同時に成形され、成形後、1個の反射膜形成手段である蒸着治具15を用いて同時に蒸着される。この蒸着は、例えばアルミニウム蒸着であるが、蒸着に替えて銀色塗装にすることもできる。その後、可動リフレクタ1は、連結リブ12を切断することにより、固定リフレクタ2から分離され、前照灯として固定リフレクタ2に対して変位可能に組み付けられる。
【0021】
この車両灯具用リフレクタ3によれば、1個の成形金型14および1個の反射膜形成手段(蒸着治具15)を備えた一の成形工程を経ることにより、可動リフレクタ1および固定リフレクタ2を同時に成形することができるので、可動リフレクタ1および固定リフレクタ2は、両者間の成形条件および塗装条件を同一にして成形することができる。
【0022】
これにより、車両灯具用リフレクタ3は、可動リフレクタ1および固定リフレクタ2をそれぞれ別の成形工程で成形していた従来のリフレクタに比べて1/2の工程数で成形することができる。
【0023】
その上、可動リフレクタ1および固定リフレクタ2の両者間には、成形条件が同じなので、成形歪みの相違に起因する外形形状の相違が顕在化しなくなり、前照灯としての組み付け後は、可動リフレクタ1と固定リフレクタ2とに、所望の放物面A(図1(b)参照)に沿う反射面を容易に形成することができると共に、可動リフレクタ1と固定リフレクタ2との間の隙間B(図1(a))を精度良く管理することができる。
【0024】
さらには、可動リフレクタ1および固定リフレクタ2は、成形過程を含めて組み付け前までは、連結リブ12で連結されて一体物として取り扱うことができるので、成形過程での半製品の取り扱いが容易で、成形容易であると共に、相互に組み付けられる組み合わせペア毎に部品管理が可能で、放物面Aに沿う反射面の形成、および隙間Bの形成や管理を一層精度良く行うことができる。
【0025】
また、好ましくは、可動リフレクタ1は、一部品として構成されており、固定リフレクタ2は、可動リフレクタ1を囲繞する内周壁2aを有して形成されており、かつ連結リブ12は、可動リフレクタ1が両持ち状態で支持されるように、複数箇所で可動リフレクタ1と固定リフレクタ2との間に掛け渡されて形成される。
【0026】
本実施形態では、図1(a)に示すように平面的には、可動リフレクタ1は、中央に、下方に開放する凹部1aを有する1個のコ字形部材で構成されており、固定リフレクタ2は、前記凹部1aに挿入される凸部2bを有して可動リフレクタ1の装着される装着孔2cが形成されている1個の中空部材で構成されており、かつ連結リブ12は、可動リフレクタ1および固定リフレクタ2の背面側であって前記凸部2bの両側部分に対応する上下部分の4箇所で可動リフレクタ1と固定リフレクタ2との間に掛け渡されて形成されている。なお、凸部2bには、光源取付部4が形成されており、装着孔2cは、内周壁2aを周縁部として形成されている。
【0027】
この構成では、可動リフレクタ1は、合計4個の連結リブ12により両持ち状態で固定リフレクタ2に支持されることになって、その支持状態が安定するので、成形過程における半製品の取り扱い、および部品管理上の取り扱いが、一層容易になる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば次のような効果を奏することができる。
【0029】
すなわち、請求項1の発明によれば、1個の成形型および1個の反射膜形成手段を備えた一の成形工程を経ることにより、可動リフレクタおよび固定リフレクタを同時に成形することができるので、工程数の削減によるコスト低減が可能である。 その上、可動リフレクタおよび固定リフレクタの両者間には、成形条件が同じなので、成形歪みの相違に起因する外形形状の相違が顕在化しなくなり、前照灯としての組み付け後は、可動リフレクタと固定リフレクタとに、所望の放物面に沿う反射面を容易に形成することができると共に、可動リフレクタと固定リフレクタの間の隙間を精度良く管理することができる。
【0030】
また、請求項2の発明によれば、可動リフレクタは、複数個の連結リブにより両持ち状態で固定リフレクタに支持されることになって、その支持状態が安定するので、成形過程における半製品の取り扱い、および部品管理上の取り扱いが、一層容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態としての車両灯具用リフレクタを示し、(a)はリフレクタの背面図、(b)は(a)のIb−Ib線に沿う断面図である。
【図2】この発明の車両灯具用リフレクタの製造工程を説明する工程説明図である。
【図3】可動リフレクタを備えた前照灯の概略断面図である。
【図4】従来の車両灯具用リフレクタを示し、(a)はリフレクタの正面図、(b)は(a)のIVb−IVb線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1 可動リフレクタ
2 固定リフレクタ
2a 内周壁
3 リフレクタ(車両灯具用リフレクタ)
4 光源取付部
12 連結リブ

Claims (2)

  1. 光源取付部を有してリフレクタの外側部分を構成する固定リフレクタと、この固定リフレクタに内包されてリフレクタの内側部分を構成する可動リフレクタとからなる車両灯具用リフレクタであって、
    前記可動リフレクタは、前記固定リフレクタに連結リブを介して一体に形成されると共に、前記連結リブを切断して前記固定リフレクタに対して変位可能に組み付けられることを特徴とする車両灯具用リフレクタ。
  2. 請求項1に記載の車両灯具用リフレクタであって、
    前記可動リフレクタは、一部品として構成されており、
    前記固定リフレクタは、前記可動リフレクタを囲繞する内周壁を有して形成されており、
    前記連結リブは、前記可動リフレクタが両持ち状態で支持されるように、複数箇所で前記可動リフレクタと前記固定リフレクタとの間に掛け渡されて形成されていることを特徴とする車両灯具用リフレクタ。
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