JP2004004621A - 微細構造を有する素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この微細構造を有する素子の製造方法は、ガラス基板1上にアルミニウム膜3を形成する工程と、アルミニウム膜3の表面に凹部3aのドット列を形成する工程と、凹部3aのドット列が形成されたアルミニウム膜3の表面を陰極6の表面と対向させた状態で陽極酸化することによって、線状の格子溝パターンを有する酸化アルミニウム膜8を形成する工程とを備える。
【選択図】図5
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、微細構造を有する素子およびその製造方法に関し、特に、陽極酸化法を用いて形成される微細構造を有する素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、微細な格子パターンなどの微細構造の製造方法として、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いる方法や陽極酸化法を用いる方法が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。そして、近年では、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて光学素子などの種々の微細な格子溝パターンを有する素子が実現されている。
【0003】
図45は、従来の微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の概念を示した斜視図である。従来の波長板100では、図45に示すように、ガラス基板101に、格子を構成する溝パターンが形成されている。この格子溝パターンは、空気層102と、ガラス基板101と同じ材料からなる幅aの基板材料層103とから構成されている。この格子溝パターンは、光の波長以下の周期Pを有する。なお、空気層102の屈折率は1であり、基板材料層103(ガラス基板101)の屈折率はnとする。この波長板100の格子溝パターンに光が入射する場合、波長板100の屈折率は、空気層102の屈折率1と、基板材料層103の屈折率nとが混合された屈折率である有効屈折率となる。
【0004】
図46は、図45に示した従来の波長板(偏光素子)の有効屈折率とデューティ比との関係を示した相関図である。図46の縦軸には、有効屈折率がとられており、横軸には、格子の周期Pに対する基板材料層103の幅aの割合であるデューティ比(=a/P)がとられている。図46中の「TE」は、図45に示すように、偏光方向が格子溝パターンの延びる方向に平行な光を示している。また、「TM」は、図45に示すように、偏光方向が格子溝パターンの延びる方向に直交する光を示している。
【0005】
図46を参照して、格子溝パターンのデューティ比が変化すると、有効屈折率も変化する。この場合、偏光方向が格子溝パターンの方向に平行な光(TE)の有効屈折率と、偏光方向が格子溝パターンの方向に直交する光(TM)の有効屈折率とは異なる値になる。このように、光の偏光方向によって有効屈折率が異なる特性を複屈折特性という。また、従来では、上記したデューティ比を調整することにより、所定の偏光方向を有する光に対しては屈折率変調を感じさせることなく、その光の偏光方向と直交する偏光方向を有する光に対してのみ屈折率変調を感じさせることが可能な偏光依存性回折格子(偏光依存性回折素子)が知られている。以下に、従来の偏光依存性回折格子について説明する。
【0006】
図47は、従来の微細構造を有する素子としての偏光依存性回折格子(偏光依存性回折素子)の格子溝パターンを示した平面図である。図46および図47を参照して、従来の偏光依存性回折格子では、ガラス基板101に、直線状の格子溝パターン100aと、格子溝パターン100aとほぼ直交する方向に延びる直線状の格子溝パターン100bとが交互に形成されている。この格子溝パターン100aおよび100bは、それぞれ、異なるデューティ比D1(=(P−W1)/P)およびD2(=(P−W2)/P)を有している。また、格子溝パターン100aおよび100bは、どちらも同じ周期Pを有している。すなわち、格子溝パターン100aおよび100bのデューティ比D1およびD2は、格子溝パターン100aの溝部の幅W1および格子溝パターン100bの溝部の幅W2を調整することにより調整されている。
【0007】
そして、デューティ比D1を有する格子溝パターン100aに平行な偏光方向(TE)の光を入射した場合、デューティ比D2を有する格子溝パターン100bにおいて、その光の偏光方向は、格子溝パターン100bに直交する偏光方向(TM)となる。このため、デューティ比D1を有する格子溝パターン100aおよびデューティ比D2を有する格子溝パターン100bの有効屈折率は、図46に示すように、N5になる。その一方、デューティ比D1を有する格子溝パターン100aに直交する偏光方向(TM)の光を入射した場合、デューティ比D2を有する格子溝パターン100bにおいて、その光の偏光方向は、格子溝パターン100bに平行な偏光方向(TE)となる。このため、図46に示すように、デューティ比D1を有する格子溝パターン100aの有効屈折率はN4になり、デューティ比D2を有する格子溝パターン100bの有効屈折率はN6になる。このように、格子溝パターン100aに平行な偏光方向(TE)の光に対して、デューティ比D1を有する格子溝パターン100aとデューティ比D2を有する格子溝パターン100bとの有効屈折率を同じN5にすることができるので、格子溝パターン100aに平行な偏光方向(TE)の光に対してのみ屈折率差(屈折率変調)がない状態(透明)にすることができる。
【0008】
なお、図45に示した従来の波長板100や図47に示した従来の偏光依存性回折格子の直線状の格子溝パターンの製造方法としては、たとえば、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、ガラス基板の表面をエッチングすることにより直線状の格子溝パターンを形成する方法が考えられる。
【0009】
【非特許文献1】
H.Masuda et al.「Appl.Phys.Lett.」、Vol.71(19)、10 November 1997、p.2770−p.2772
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図45に示した従来の波長板100や図47に示した従来の偏光依存性回折格子の直線状の格子溝パターンをフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて形成しようとすると、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する格子溝パターンを形成するのは困難であった。具体的には、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて直線状の格子溝パターンを深く形成すると、図48に示すように、深さ方向に均一でない台形状の断面を有する格子溝パターンが形成されるので、格子溝パターンの上部と下部とのデューティー比が異なるという不都合があった。その結果、良好な格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を形成するのが困難であるので、良好な複屈折特性を有する光学素子を得るのが困難であるという問題点があった。
【0010】
また、上記非特許文献1には、陽極酸化法を用いた三角格子パターンの製造方法が開示されている。この非特許文献1に開示された三角格子パターンの製造方法では、深く均一な細孔を有する三角格子パターンを形成することができるので、2次元フォトニック結晶の製造方法の1つとして提案されている。具体的には、アルミニウム、チタンおよびタンタルなどのバルブ金属やSi、GaAsなどの半導体では、酸性電解液中で陽極に通電すると、膜面に垂直に配列した細孔を有する酸化皮膜が形成されるという特性を有する。特に、アルミニウムの酸化皮膜においては、細孔が三角格子状に配列し易いという材料特性を有している。この特性を用いることによって、深く均一な細孔を有する三角格子パターンを形成することができる。
【0011】
図49〜図52は、従来の陽極酸化法を用いた格子孔パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。図53は、2次元フォトニック結晶を示した平面図である。次に、図49〜図53を参照して、従来の陽極酸化法を用いた三角格子パターンの製造プロセスを説明する。
【0012】
従来の陽極酸化法を用いた三角格子パターンの製造プロセスでは、図49に示すように、SiCなどの硬い材料からなる押し付け部材116の表面に、三角格子状の配列を有する凸部116aを形成する。そして、アルミニウム材115の表面に、押し付け部材116を押し付けるテクスチャリング処理を行う。これにより、図50に示すように、アルミニウム材115の表面に、三角格子状の配列を有する凹部115aが形成される。次に、凹部115aが形成されたアルミニウム材115を、図51に示すように、電解液119中で酸化処理する。この場合、陰極118として白金などを用いるとともに、電解液119として硫酸、シュウ酸、リン酸などの水溶液を用いる。これにより、図52および図53に示すように、三角格子状の配列を有するとともに、凹部115aを起点とした深く均一な細孔113aを有する酸化アルミニウム膜(アルミナ)113が自己組織化的に形成される。この細孔113aは、サブミクロンの直径に対して、10μm以上の深さを有するように形成することができる。
【0013】
しかしながら、上記従来の陽極酸化法を用いた三角格子パターンの製造プロセスは、2次元フォトニック結晶細孔を形成するための方法として知られていた。このため、従来では、図45および図47に示したような線状の格子溝パターンを陽極酸化法により形成する試みはなされていなかった。
【0014】
上記のように、従来では、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する直線状の格子溝パターンを形成するのは困難であったため、良好な格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を形成するのが困難であった。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、良好な格子溝パターンなどの微細構造を有する素子の製造方法を提供することである。
【0016】
この発明のもう1つの目的は、良好な格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、本願発明者が鋭意検討した結果、従来の陽極酸化法を用いて、深さ方向に均一な溝幅を有する線状の格子溝パターンを形成することができることを見い出した。以下、本発明の具体的な内容について説明する。
【0018】
この発明の第1の局面による微細構造を有する素子の製造方法は、基板上に金属層を形成する工程と、金属層の表面に凹部のドット列を形成する工程と、凹部のドット列が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することによって、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程とを備えている。
【0019】
この第1の局面による微細構造を有する素子の製造方法では、上記のように、凹部のドット列が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することにより、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成することによって、ドット列の各凹部間の間隔を小さくすれば、容易に、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する線状の格子溝パターンを自己組織化的に形成することができる。その結果、容易に、良好な格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を形成することができる。この場合、第1の局面による素子の製造方法を、微細構造を有する素子の一例としての光学素子の形成に適用すれば、容易に、良好な複屈折特性を有する光学素子を形成することができる。
【0020】
上記第1の局面による微細構造を有する素子の製造方法において、好ましくは、凹部のドット列を形成する工程は、凹部のドット列を三角格子が形成される位置からずらして形成する工程を含む。このように構成すれば、三角格子を形成すべき位置に孔が形成されるのを防止することができるので、格子溝以外の部分に孔が形成されるのを防止することができる。これにより、より良好な格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を形成することができる。また、この構成を、微細構造を有する素子の一例としての光学素子に適用すれば、格子溝以外の部分に形成された孔に光が入射することに起因して屈折率が変化するなどの不都合が生じない。
【0021】
上記第1の局面による微細構造を有する素子の製造方法において、好ましくは、格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程は、ドット列が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することによりドット列に対応する孔を形成した後、ドット列に対応する孔をエッチングにより拡大することによって、格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程を含む。このように構成すれば、ドット列に対応する孔が拡大することにより隣接する孔同士が繋がるので、より容易に、隣接する孔同士が繋がった良好な格子溝パターンなどの微細構造を形成することができる。
【0022】
この発明の第2の局面による微細構造を有する素子の製造方法は、基板上に金属層を形成する工程と、金属層の表面に周期的にマスク層を形成する工程と、マスク層が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することによって、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程とを備えている。
【0023】
この第2の局面による微細構造を有する素子の製造方法では、上記のように、金属層の表面に周期的にマスク層を形成した後、金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することにより、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成することによって、容易に、マスク層が形成されない領域にのみ、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する線状の格子溝パターンを自己組織化的に形成することができる。その結果、容易に、良好な格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を形成することができる。この場合、第2の局面による素子の製造方法を、微細構造を有する素子の一例としての光学素子の形成に適用すれば、容易に、良好な複屈折特性を有する光学素子を形成することができる。また、マスク層を形成することによって、格子溝以外の部分(マスク層の形成領域)に孔が形成されるのを防止することができるので、格子溝以外の部分に形成された孔に光が入射することに起因して屈折率が変化するなどの不都合が生じない。
【0024】
上記第2の局面による微細構造を有する素子の製造方法において、好ましくは、格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程は、マスク層が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することによりマスク層が形成されない金属酸化膜の表面に微細な孔を形成した後、微細な孔をエッチングにより拡大することによって、格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程を含む。このように構成すれば、金属酸化膜を貫通する微細な孔が拡大することにより隣接する孔同士が繋がるので、より容易に、隣接する孔同士が繋がった良好な格子溝パターンなどの微細構造を形成することができる。
【0025】
この発明の第3の局面による微細構造を有する素子の製造方法は、基板上に金属層を形成する工程と、金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することによって、微細な孔を有する金属酸化膜を形成する工程と、金属酸化膜の表面に周期的にマスク層を形成する工程と、マスク層をマスクとして、マスク層が形成されない領域の微細な孔をエッチングにより拡大することによって、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程とを備えている。
【0026】
この第3の局面による微細構造を有する素子の製造方法では、上記のように、金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することにより、微細な孔を有する金属酸化膜を形成した後、金属酸化膜の表面に周期的にマスク層を形成するとともに、マスク層をマスクとして、マスク層が形成されない領域の微細な孔をエッチングにより拡大することによって、マスク層が形成されない領域の微細な孔が拡大することにより隣接する孔同士が繋がるので、マスク層が形成されない領域にのみ、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する線状の格子溝パターンを形成することができる。その結果、容易に、良好な格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を形成することができる。この場合、第3の局面による素子の製造方法を、微細構造を有する素子の一例としての光学素子の形成に適用すれば、容易に、良好な複屈折特性を有する光学素子を形成することができる。
【0027】
上記の微細構造を有する素子の製造方法において、好ましくは、線状の格子溝パターンは、直線状の格子溝パターンを含む。このように構成すれば、容易に、良好な直線状の格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を形成することができる。
【0028】
この発明の第4の局面による微細構造を有する素子の製造方法は、基板上に金属層を形成する工程と、金属層の側面に凹部のドット列を形成する工程と、凹部のドット列が形成された金属層の側面を陰極端に対向させた状態で陽極酸化することによって、基板の表面とほぼ平行な方向に延びる格子孔パターンを有する金属酸化膜を形成する工程とを備えている。
【0029】
この第4の局面による微細構造を有する素子の製造方法では、凹部のドット列が形成された金属層の側面を陰極端に対向させた状態で陽極酸化することによって、基板の表面とほぼ平行な方向に延びる細孔列パターンを有する金属酸化膜を形成することにより、容易に、基板とほぼ平行な方向に延びる深さ方向に均一な孔径を有する細孔列パターンを自己組織化的に形成することができる。その結果、容易に、良好な細孔列パターンなどの微細構造を有する素子を形成することができる。また、第4の局面による素子の製造方法を、微細構造を有する素子の一例としての光学素子の形成に適用すれば、金属酸化膜の表面に対して垂直な方向に光を入射すれば、細孔列パターンが延びる方向と平行な偏光方向の光と細孔列パターンが延びる方向と直交する偏光方向の光とで有効屈折率を異ならせることができる。
【0030】
この発明の第5の局面による微細構造を有する素子の製造方法は、基板上に金属層を形成する工程と、金属層の表面に凹部のドット列を形成する工程と、凹部のドット列が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することによって、直線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程とを備えている。
【0031】
この第5の局面による微細構造を有する素子の製造方法では、上記のように、凹部のドット列が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することにより、直線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成することによって、ドット列の各凹部間の間隔を小さくすれば、容易に、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する直線状の格子溝パターンを自己組織化的に形成することができる。その結果、容易に、良好な直線状の格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を形成することができる。この場合、第5の局面による素子の製造方法を、微細構造を有する素子の一例としての光学素子の形成に適用すれば、容易に、良好な複屈折特性を有する光学素子を形成することができる。
【0032】
この発明の第6の局面による微細構造を有する素子は、基板と、基板上に形成され、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜とを備えている。
【0033】
この第6の局面による微細構造を有する素子では、上記のように、基板上に、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成することによって、この金属酸化膜を陽極酸化法を用いて形成すれば、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する格子溝パターンを自己組織化的に形成することができるので、容易に、良好な格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を得ることができる。この第6の局面による構成を、微細構造を有する素子の一例としての光学素子に適用すれば、容易に、良好な複屈折特性を有する光学素子を得ることができる。
【0034】
上記第6の局面による微細構造を有する素子において、好ましくは、線状の格子溝パターンは、細孔が線状に連結された細孔列パターンを含む。このように構成すれば、従来の細孔パターンを形成するための陽極酸化法を用いて、容易に、細孔が線状に連結された格子溝パターンなどの微細構造を形成することができる。
【0035】
上記第6の局面による微細構造を有する素子において、好ましくは、基板と、金属酸化膜との間に形成された透明導電層をさらに備える。このように構成すれば、陽極酸化法を用いて金属層を酸化することにより金属酸化膜を形成する場合に、透明導電層が電極として機能するので、基板の表面に凹凸がある場合にも、金属層を完全に酸化することができる。これにより、酸化されない金属層が生じるのを防止することができる。
【0036】
上記第6の局面による微細構造を有する素子において、好ましくは、線状の格子溝パターンは、直線状の格子溝パターンを含む。このように構成すれば、容易に、良好な直線状の格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を得ることができる。
【0037】
上記第6の局面による微細構造を有する素子において、好ましくは、線状の格子溝パターンは、第1の方向に延びる線状の第1溝パターンと、第1溝パターンとほぼ直交する方向に延びる線状の第2溝パターンとを含み、第1溝パターンと第2溝パターンとが交互に形成されていてもよい。このように構成すれば、微細構造を有する素子の一例としての光学素子に適用した場合、異なる偏光依存性の回折格子を作製することができる。これにより、第1溝パターンおよび第2溝パターンのデューティ比を調整すれば、たとえば、第1溝パターンに直交する偏光方向の光に対してのみ第1溝パターンと第2溝パターンとの屈折率を同じにすることができるので、屈折率差(屈折率変調)がない状態(透明)にすることができる。これにより、良好な消光比を得ることができる。また、この第1溝パターンおよび第2溝パターンは、陽極酸化法を用いることによって、均一な溝幅を有するように形成することができるので、上部と下部とのデューティ比が均一になるように形成することができる。その結果、より良好な消光比を得ることができる。
【0038】
この発明の第7の局面による微細構造を有する素子は、基板と、基板上に形成され、直線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜とを備えている。
【0039】
この第7の局面による微細構造を有する素子では、上記のように、基板上に、直線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成することによって、この金属酸化膜を陽極酸化法を用いて形成すれば、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する直線状の溝パターンを自己組織化的に形成することができるので、容易に、良好な直線状の格子溝パターンなどの微細構造を有する素子を得ることができる。この第7の局面による構成を、格子溝パターンを有する素子の一例としての光学素子に適用すれば、容易に、良好な複屈折特性を有する光学素子を得ることができる。
【0040】
なお、上記第1〜第3の局面による微細構造を有する素子の製造方法において、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程は、曲線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程を含む。このように構成すれば、容易に、良好な曲線状の格子溝パターンを有する素子を形成することができる。
【0041】
また、上記第2の局面による微細構造を有する素子の製造方法において、格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程に先だって、マスク層をマスクとして、金属層をエッチングすることにより、エッチング溝を形成する工程をさらに備える。このように構成すれば、エッチング溝により形成される段差部で電界の歪みが発生しやすくなるので、マスク層が形成される領域とエッチング溝との境界領域に位置するエッチング溝の段差部で、微細な孔が発生しやすくなる。これにより、微細な孔の発生位置の精度を向上させることができる。
【0042】
この場合、エッチング溝の幅をSとし、マスク層の幅をLとした場合、L≠2Sの関係式を満たすように、エッチング溝の幅Sおよびマスク層の幅Lが設定されている。このように構成すれば、三角格子を形成する孔の仮想位置同士が一致するのを防止することができるので、マスク層が形成される領域に微細な孔が発生するのを抑制することができる。
【0043】
また、上記第3の局面による微細構造を有する素子の製造方法において、微細な孔を有する金属酸化膜を形成する工程は、三角格子状に配列された微細な孔を有する金属酸化膜を形成する工程を含む。このように構成すれば、微細な孔がランダムに形成される場合に比べて、微細な孔を連結して形成される格子溝パターンの寸法精度を向上させることができる。
【0044】
また、上記第6の局面による微細構造を有する素子において、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜は、偏光素子、偏光依存性回折素子および多層膜素子のいずれかに使用される。このように構成すれば、容易に、格子溝パターンを有する偏光素子、偏光依存性回折素子および多層膜素子を得ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0046】
(第1実施形態)
図1〜図7は、本発明の第1実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図および平面図である。図1〜図7を参照して、第1実施形態による波長板の製造プロセスを説明する。
【0047】
まず、図1に示すように、蒸着法を用いて、ガラス基板1上に、ITOまたはZnOからなる透明電極膜2および約3μmの膜厚を有するアルミニウム膜3を順次形成する。なお、ガラス基板1は、本発明の「基板」の一例であり、透明電極膜2は、本発明の「透明導電層」の一例である。また、アルミニウム膜3は、本発明の「金属層」の一例である。
【0048】
次に、図2に示すように、テクスチャリング処理を行うために、SiCなどの硬い材料からなる押し付け部材4の表面に、規則的な配列を有する凸部4aを形成する。ここで、第1実施形態では、図3に示すように、テクスチャリング処理後のアルミニウム膜3の表面に形成される凹部3aのドット列が、破線で示す複数の列状に配置された三角格子パターン5の1列置きに形成されるように、押し付け部材4の凸部4a(図2参照)を形成する。そして、図2に示したように、アルミニウム膜3の表面に押し付け部材4を押し付けるテクスチャリング処理を行うことによって、アルミニウム膜3の表面に、図3に示した配列を有する凹部3aのドット列を形成する。
【0049】
次に、図4に示すように、陽極酸化法を用いて、凹部3a(図3参照)のドット列が形成されたアルミニウム膜3の酸化処理を行うことによって、ドット列に対応する孔(図示せず)を形成する。具体的には、陽極としてのアルミニウム膜3の表面と、白金からなる陰極6の表面とが対向するように配置する。そして、約5%の濃度を有する硫酸水溶液7中で、約30Vの電圧を印加することにより約20分間の酸化処理を行う。このとき、第1実施形態では、ガラス基板1とアルミニウム膜3との間に形成された透明電極膜2を介して、アルミニウム膜3に電圧が印加される。これにより、酸化処理中は、常に、アルミニウム膜3に電圧を印加することができるので、ガラス基板1の表面に凹凸がある場合にも、酸化されないアルミニウム膜3が残るなどの不都合を防止することができる。これにより、微細な孔を有する酸化アルミニウム膜8が自己組織化的に形成される。なお、この陽極酸化処理により形成される微細な孔において、隣接する孔間の最大距離をUとし、陽極酸化電圧をVaとした場合、U=0.0025Va(μm)の関係式が成り立つことが知られている。この関係式(U=0.0025Va)は、たとえば、H.Masuda et al.「Jpn.J.Appl.Phys.」、Vol.37、1998、p.L1340−p.L1342などに開示されている。
【0050】
この後、第1実施形態では、約5wt%のリン酸が含有された水溶液を用いて、約30℃で、陽極酸化処理により形成されたドット列に対応する孔をウェットエッチングにより拡大する。この際、図5および図6に示すように、ドット列に対応する孔が拡大することにより隣接する孔同士が繋がるので、容易に、溝部8aの形成領域に位置する酸化アルミニウム膜8をほぼ完全に除去することができる。このようにして、直線状の格子溝パターンを有する酸化アルミニウム膜(アルミナ)8が形成される。なお、酸化アルミニウム膜8は、本発明の「金属酸化膜」の一例である。この格子溝パターンは、細孔を直線状に連結することにより形成された溝部8aを含んでいる。また、格子溝パターンの溝部8aの深さは、透明電極膜2にまで達するとともに、溝部8aは、深さ方向に均一に形成される。なお、溝部8a間に位置する酸化アルミニウム膜8の表面には、孔9が形成される。この孔9は、図7に示すように、テクスチャリング処理により形成された凹部3aの歪みおよび陽極酸化による歪みの影響によって、凹部3aが形成されない三角格子パターン5(図3参照)に対応する位置に形成されると考えられる。
【0051】
第1実施形態では、上記のように、アルミニウム膜3の表面に、図3に示したような凹部3aのドット列を形成するとともに、そのアルミニウム膜3の表面を、白金からなる陰極6の表面と対向させた状態で陽極酸化することによって、従来の細孔パターンを形成するための陽極酸化法を用いて、容易に、細孔が直線状に連結された格子溝パターンを形成することができる。
【0052】
また、第1実施形態では、陽極酸化法を用いることによって、上部と下部とで均一な幅を有する溝部8aを含む格子溝パターンを形成することができるので、格子溝パターンの上部と下部とのデューティ比を均一にすることができる。その結果、格子溝パターンが延びる方向と平行な偏光方向の光と、格子溝パターンが延びる方向と直交する偏光方向の光とで有効屈折率を良好に異ならせることができるので、良好な複屈折特性を有する波長板を形成することができる。
【0053】
また、第1実施形態では、陽極酸化法により形成された孔をウェットエッチングにより拡大することによって、より容易に、細孔が直線状に連結された格子溝パターンを形成することができる。
【0054】
上記した第1実施形態による微細構造を有する偏光素子の一例としての1/4波長板の構造としては、図8に示すように、基板81上に、本発明の直線状の格子溝パターン89を有する金属酸化膜88が形成されている。そして、格子溝パターンに対して約45°傾いた直線偏光の光Aを、金属酸化膜88の上面に対して垂直に入射すると、直線偏光の光Aが円偏光の光Aに変換される。
【0055】
図9は、第1実施形態の変形例による微細構造を有する素子としての偏光依存性回折格子(偏光依存性回折素子)の格子溝パターンを示した平面図である。図9を参照して、この第1実施形態の変形例による偏光依存性回折格子では、上記第1実施形態による波長板の製造プロセスと同様の製造プロセスを用いて、同一のガラス基板(図示せず)上に、直線状の格子溝パターン10aと、格子溝パターン10aとほぼ直交する方向に延びる直線状の格子溝パターン10bとを交互に形成している。なお、格子溝パターン10aおよび10bは、それぞれ、本発明の「第1溝パターン」および「第2溝パターン」の一例である。これにより、ガラス基板上に、偏光依存性回折格子を作製することができる。この場合、格子溝パターン10aのデューティ比または周期と格子溝パターン10bのデューティ比または周期とを調整すれば、たとえば、格子溝パターン10aに直交する偏光方向の光に対して、格子溝パターン10aと格子溝パターン10bとの有効屈折率を同じにすることができるので、格子溝パターン10aに直交する偏光方向に対してのみ屈折率差(屈折率変調)がない状態(透明)にすることができる。これにより、良好な消光比を得ることができる。また、格子溝パターン10aおよび格子溝パターン10bは、上記第1実施形態と同様、格子溝パターンの上部と下部とのデューティ比が均一になるように形成することができるので、より良好な消光比を得ることができる。
【0056】
(第2実施形態)
図10〜図12は、本発明の第2実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。図10〜図12を参照して、この第2実施形態では、テクスチャリング処理により形成されるアルミニウム膜の凹部のドット列の位置が上記第1実施形態と異なる。第2実施形態のその他の製造プロセスは、第1実施形態と同様である。
【0057】
すなわち、第2実施形態の製造プロセスでは、図10に示すように、テクスチャリング処理後のアルミニウム膜13の表面に形成される凹部13aのドット列が、複数の列状に配置された破線で示す三角格子パターン5の1列置きに、かつ、隣り合う列の凹部13aのドット列が互い違いになるようにテクスチャリング処理を行う。これにより、アルミニウム膜13の表面に、図10に示した配列を有する凹部13aのドット列が形成される。なお、アルミニウム膜13は本発明の「金属層」の一例である。
【0058】
この後、第2実施形態では、上記第1実施形態と同様、陽極酸化法を用いて、凹部13aのドット列が形成されたアルミニウム膜13の酸化処理を行う。このように、図10に示した配列を有する凹部13aのドット列が形成されたアルミニウム膜13を陽極酸化する場合に、図11に示すように、テクスチャリング処理により形成された凹部13aの歪みおよび陽極酸化による歪みの影響を受ける位置を、互い違いにずらすことができる。この後、陽極酸化により形成された細孔を拡大するためのウェットエッチングを行うことによって、図12に示すような、溝部18a間に位置する酸化アルミニウム膜18の表面に孔がない格子溝パターンを形成することができる。その結果、溝部18a以外に形成された孔に光が入射することに起因して屈折率が変化するなどの不都合が生じないので、第1実施形態に比べて、より良好な複屈折特性を有する波長板を形成することができる。なお、酸化アルミニウム膜18は、本発明の「金属酸化膜」の一例である。
【0059】
なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0060】
(第3実施形態)
図13〜図15は、本発明の第3実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。図13〜図15を参照して、この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態に比べて、より多くの細孔が直線状に連結された格子溝パターンを形成する。
【0061】
すなわち、この第3実施形態による波長板の格子溝パターンの製造プロセスでは、図13に示すように、テクスチャリング処理により形成するアルミニウム膜23の凹部23aのドット列の位置が、上記第1および第2実施形態と異なる。具体的には、アルミニウム膜23の表面に形成される凹部23aのドット列が、複数の列状に配置された破線で示す三角格子パターン5の1列置きに、かつ、列方向の間隔が三角格子パターン5の間隔よりも狭くなるように、テクスチャリング処理を行う。なお、アルミニウム膜23は、本発明の「金属層」の一例である。
【0062】
この後、第3実施形態では、上記第1および第2実施形態と同様、陽極酸化法を用いて、凹部23aのドット列が形成されたアルミニウム膜23の酸化処理を行う。このように、図13に示した配列を有する凹部23aのドット列が形成されたアルミニウム膜23を陽極酸化処理する場合に、図14に示すように、テクスチャリング処理により形成された凹部23aの歪みおよび陽極酸化による歪みの影響を受ける位置を離すことができる。この後、陽極酸化により形成された細孔を拡大するためのウェットエッチングを行うことによって、図15に示すような、溝部28a間に位置する酸化アルミニウム膜28の表面に孔がない格子溝パターンを形成することができる。その結果、溝部28a以外に形成された孔に光が入射することに起因して屈折率が変化するなどの不都合が生じないので、第1実施形態に比べて、より良好な複屈折特性を有する波長板を形成することができる。なお、酸化アルミニウム膜28は、本発明の「金属酸化膜」の一例である。
【0063】
なお、第3実施形態のその他の効果は、第1および第2実施形態と同様である。
【0064】
(第4実施形態)
図16〜図19は、本発明の第4実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図および斜視図である。図16〜図19を参照して、この第4実施形態では、上記第1〜第3実施形態と異なり、酸化アルミニウム膜の側面に格子溝パターンを形成する例について説明する。
【0065】
すなわち、第4実施形態による波長板の製造プロセスでは、図16に示すように、蒸着法を用いて、ガラス基板31上に、約3μmの膜厚を有するアルミニウム膜33を形成する。なお、ガラス基板31は、本発明の「基板」の一例であり、アルミニウム膜33は、本発明の「金属層」の一例である。
【0066】
ここで、第4実施形態では、テクスチャリング処理を行うために、アルミニウム膜33の側面を研磨する。そして、図17に示すように、テクスチャリング処理によって、アルミニウム膜33の側面に凹部33aのドット列を形成する。この凹部33aのドット列は、図3に示した第1実施形態、図10に示した第2実施形態および図13に示した第3実施形態の配列のいずれか1つを用いる。
【0067】
この後、第4実施形態では、図18に示すように、陽極酸化法を用いて、凹部33aのドット列が形成されたアルミニウム膜33の酸化処理を行うことによって、ドット列に対応する孔(図示せず)を形成する。具体的には、陽極としてのアルミニウム膜33の側面と、白金からなる陰極36の側面とが対向するように配置する。そして、約5%の濃度を有する硫酸水溶液37中で、約30Vの電圧を印加することにより約120分間の酸化処理を行う。この後、上記第1実施形態と同様、酸化処理により形成されたドット列に対応する孔をウェットエッチングにより拡大する。この際、図19に示すように、溝部38aの形成領域に位置する酸化アルミニウム膜38がほぼ完全に除去される。このようにして、溝部38aを含む直線状の格子溝パターンを有する酸化アルミニウム膜38が自己組織化的に形成される。なお、酸化アルミニウム膜38は、本発明の「金属酸化膜」の一例である。
【0068】
第4実施形態の製造プロセスでは、上記のように、アルミニウム膜33の側面に規則的な配列を有する凹部33aのドット列を形成するとともに、このアルミニウム膜33の側面を、白金からなる陰極36の側面と対向させた状態で酸化処理を行うことによって、従来の細孔パターンを形成するための陽極酸化法を用いて、容易に、細孔が直線状に連結された格子溝パターンを形状することができる。
【0069】
また、陽極酸化法を用いることによって、上部と下部とで均一な幅を有する溝部38aを含む格子溝パターンを形成することができるので、格子溝パターンの上部と下部とのデューティ比を均一にすることができる。その結果、格子溝パターンが延びる方向と平行な偏光方向の光と、格子溝パターンが延びる方向と直交する偏光方向の光とで有効屈折率を良好に異ならせることができるので、良好な複屈折特性を有する波長板を形成することができる。
【0070】
また、第4実施形態では、陽極酸化法により形成された孔をウェットエッチングにより拡大することによって、より容易に、細孔が直線状に連結された格子溝パターンを形成することができる。
【0071】
(第5実施形態)
図20は、本発明の第5実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子孔パターンの製造プロセスを説明するための斜視図である。図20を参照して、この第5実施形態では、上記第1〜第4実施形態と異なり、ガラス基板41の表面とほぼ平行な方向(X方向)に延びる三角格子状の格子孔48aのパターンを有する酸化アルミニウム膜48を形成する。なお、ガラス基板41は、本発明の「基板」の一例であり、酸化アルミニウム膜48は、本発明の「金属酸化膜」の一例である。
【0072】
すなわち、この第5実施形態による波長板の製造プロセスでは、図17に示した第4実施形態のテクスチャリング処理において、第4実施形態と異なり、三角格子パターンをテクスチャリング処理する。この後、図18に示した第4実施形態の陽極酸化工程と同様の工程を行うことによって、容易に、ガラス基板41の表面とほぼ平行な方向(X方向)に延びる三角格子状の格子孔48aのパターンを有する酸化アルミニウム膜48を形成することができる。これにより、第5実施形態による波長板に酸化アルミニウム膜48の表面に対して垂直な方向から光を入射した場合、格子孔48aのパターンが延びる方向と平行な偏光方向の光と、格子孔48aのパターンが延びる方向と直交する偏光方向の光とで、有効屈折率を異ならせることができる。その結果、容易に、良好な複屈折特性を有する波長板を形成することができる。
【0073】
(第6実施形態)
図21〜図23、図25および図26は、本発明の第6実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図および平面図である。図24は、酸化処理の際に発生する孔の発生位置を説明するための平面図である。図21〜図26を参照して、この第6実施形態では、上記第1〜第5実施形態と異なり、テクスチャリング処理を行わずに、アルミニウム膜上にマスク層を周期的に形成した後に酸化処理を行うことにより格子溝パターンを形成する場合の例について説明する。
【0074】
すなわち、この第6実施形態では、まず、図21に示すように、電子ビーム蒸着法またはスパッタリング法を用いて、石英などからなる透明基板51上に、所定の厚みを有するアルミニウム膜53を形成する。なお、透明基板51は、本発明の「基板」の一例であり、アルミニウム膜53は、本発明の「金属層」の一例である。
【0075】
次に、第6実施形態では、図22に示すように、リフトオフ法を用いて、アルミニウム膜53上に、約0.1μmの厚みと約0.25μmの幅Lとを有するNiからなるマスク層54を、約0.1μmの間隔を隔てて周期的(周期:0.35μm)に形成する。具体的には、まず、アルミニウム膜53上の全面に、レジスト(図示せず)を形成した後、電子ビーム描画装置やステッパまたは2光束干渉露光装置などを用いて、そのレジストを、約0.1μmの幅を有するように、約0.25μmの間隔を隔てて周期的にパターニングする。この後、そのレジストを覆うように、約0.1μmの厚みを有するNi層(図示せず)を形成した後、レジストおよびレジスト上のNi層を除去する。これにより、約0.1μmの厚みと約0.25μmの幅Lとを有するNiからなるマスク層54が、約0.1μmの間隔を隔てて周期的に形成される。
【0076】
次に、図23に示すように、マスク層54をマスクとして、アルミニウム膜53の上面から約0.1μmの深さまでをドライエッチングにより除去することによって、約0.1μmの幅Sと約0.1μmの深さとを有するエッチング溝50を形成する。このエッチング溝50を形成することによって、後述する陽極酸化工程において、エッチング溝50の段差部に電界の歪が発生しやすくなる。この場合、陽極酸化により形成される細孔は、電界の歪が発生した領域に発生しやすいので、細孔は、マスク層54が形成される領域とエッチング溝50との境界領域に位置するエッチング溝50の段差部で発生しやすくなる。これにより、細孔の発生位置の精度を向上させることができる。
【0077】
次に、図4に示した第1実施形態と同様の陽極酸化法を用いて、アルミニウム膜53の酸化処理を行う。ただし、この第6実施形態では、約0.1モルの濃度を有するシュウ酸が溶解された電解液を用いるとともに、約3℃の温度で、約100Vの電圧を印加することにより酸化処理を行う。これにより、図24に示すように、微細な孔53aおよび53bを有する酸化アルミニウム膜58が自己組織化的に形成される。また、孔53aおよび53bは、エッチング溝50とマスク層54の形成領域54aとの境界に発生するとともに、三角格子(図24中の破線で囲まれた領域F)を形成するように発生する。なお、酸化アルミニウム膜58は、本発明の「金属酸化膜」の一例である。また、この際、Niからなるマスク層54も酸化処理される。
【0078】
ここで、陽極酸化法により形成される孔において、隣接する孔間の最大距離をUとし、陽極酸化電圧をVaとした場合、上述したように、U=0.0025Va(μm)の関係式が成り立つことが知られている。また、図24に示したように、エッチング溝50とマスク層54の形成領域54aとの境界に孔53aおよび53bを発生させるためには、0.866U≧Sの関係式を満たすように、陽極酸化電圧Vaを設定する必要がある。この関係式(0.866U≧S)は、図23に示すように、三角格子が正三角形状に配置されているので、三角比の関係からU=(2/√3)×Sとなることから導くことができる。なお、この第6実施形態では、隣接する孔間の最大距離Uは、U=約0.25(μm)であり、エッチング溝50の幅Sは、S=約0.1(μm)であるので、0.866U≧Sの関係式を満たしている。これにより、孔53aおよび53bを、エッチング溝50とマスク層54の形成領域54aとの境界に発生させることができる。
【0079】
また、良好な格子溝パターンを形成するためには、後述する格子溝パターンの溝部58a(図25参照)の形成領域以外の領域(マスク層54の形成領域54a)に、孔が形成されないようにすることが重要である。ここで、図24に示すように、マスク層54の形成領域54aにおいて、孔53aと三角格子を形成する仮想位置59aと、孔53bと三角格子を形成する仮想位置59bとが一致すれば、マスク層54が形成されていたとしても、酸化処理の際に孔が発生する場合がある。このため、仮想位置59aと仮想位置59bとが一致するのを防止することによって、マスク層54の形成領域54aに孔が発生するのを防止することが可能となる。したがって、L≠2Sの関係式を満たすように、マスク層54の幅Lとエッチング溝50の幅Sとを設定する必要がある。なお、この第6実施形態では、マスク層54の幅Lは、L=約0.25(μm)であり、エッチング溝50の幅Sは、S=約0.1(μm)であるので、L≠2Sの関係式を満たしている。
【0080】
さらに、マスク層54の幅Lが隣接する孔間の最大距離U以下になるように、U≧Lの関係式も満たすように、マスク層54の幅Lを設定する必要がある。この条件を満たさない場合(U<Lの場合)、マスク層54の幅方向の両端に位置する孔53aと孔53bとが深さ方向に成長するにしたがって次第に近づき、孔53aと孔53bとの距離が値Uになる。したがって、深さ方向に真すぐな孔を形成することができない。なお、この第6実施形態では、隣接する孔間の最大距離Uは、U=約0.25(μm)であり、マスク層54の幅Lは、L=0.25(μm)であるので、U≧Lの関係式も満たしている。
【0081】
この後、第6実施形態では、約5wt%のリン酸が含有された水溶液を用いて、約30℃で、マスク層54をマスクとして、孔53aおよび53bをウェットエッチングにより拡大する。この際、図25および図26に示すように、孔53aおよび53b(図24参照)が拡大することにより隣接する孔53aおよび53b同士が繋がるので、容易に、溝部58aの形成領域に位置する酸化アルミニウム膜58をほぼ完全に除去することができる。ここで、マスク層54を構成するNi酸化物は、リン酸水溶液に対する耐久性に優れている。このため、マスク層54の形成領域54a(図24参照)に孔が形成されていたとしても、その孔がエッチングされるのを防止することができる。これにより、マスク層54の形成領域54a以外の領域に、直線状の格子溝パターンを有する酸化アルミニウム膜58が形成される。この格子溝パターンは、孔53aおよび53bを直線状に連結することにより形成された溝部58aを含んでいる。また、格子溝パターンの溝部58aの深さは、透明基板51にまで達するとともに、溝部58aは、深さ方向に均一に形成される。
【0082】
第6実施形態では、上記のように、アルミニウム膜53上に周期的にマスク層54を形成した後、アルミニウム膜53を陽極酸化することにより、直線状の格子溝パターンを有する酸化アルミニウム膜58を形成することによって、容易に、マスク層54が形成されていない領域にのみ、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する直線状の格子溝パターンを自己組織化的に形成することができる。その結果、容易に、良好な複屈折特性を有する波長板を形成することができる。また、格子溝パターンの溝部58a以外の部分(マスク層54の形成領域54a)に孔が形成されるのを防止することができるので、格子溝パターンの溝部58a以外の部分に形成された孔に光が入射することに起因して屈折率が変化するなどの不都合が生じない。
【0083】
図27は、第6実施形態の変形例による微細構造を有する素子としての偏光依存性回折格子(偏光依存性回折素子)を示した斜視図であり、図28は、図27に示した第6実施形態の変形例による偏光依存性回折格子の格子溝パターンを示した平面図である。図29は、図27に示した第6実施形態の変形例による偏光依存性回折格子の有効屈折率と周期との関係を示した相関図である。図27〜図29を参照して、第6実施形態の変形例による偏光依存性回折格子について説明する。図29の縦軸には、有効屈折率がとられており、横軸には、周期Pがとられている。また、図29中の「TE」は、偏光方向が格子溝パターンの延びる方向に平行な光を示しており、「TM」は、偏光方向が格子溝パターンの延びる方向に直交する光を示している。
【0084】
図27〜図29を参照して、この第6実施形態の変形例による偏光依存性回折格子では、上記第6実施形態による波長板の製造プロセスと同様の製造プロセスを用いて、透明基板51上に、直線状の格子溝パターン50aと、格子溝パターン50aとほぼ直交する方向に延びる直線状の格子溝パターン50bとを有する酸化アルミニウム膜58を形成している。また、格子溝パターン50aと格子溝パターン50bとを交互に形成している。なお、格子溝パターン50aおよび50bは、それぞれ、本発明の「第1溝パターン」および「第2溝パターン」の一例である。この格子溝パターン50aおよび50bは、それぞれ、周期P1およびP2を有しているとともに、同じ幅Wの溝部を有している。すなわち、この第6実施形態の変形例では、図47に示した従来の偏光依存性回折格子と異なり、溝幅を調整せずに、周期P1およびP2を調整することにより、偏光依存性回折格子を作製している。
【0085】
具体的には、周期P1を有する格子溝パターン50aに平行な偏光方向(TE)の光Aを入射した場合、周期P2を有する格子溝パターン50bにおいて、その光Aの偏光方向は、格子溝パターン50bに直交する偏光方向(TM)となる。このため、周期P1を有する格子溝パターン50aおよび周期P2を有する格子溝パターン50bの有効屈折率は、N2になる。その一方、周期P1を有する格子溝パターン50aに直交する偏光方向(TM)の光Bを入射した場合、周期P2を有する格子溝パターン50bにおいて、その光Bの偏光方向は、格子溝パターン50bに平行な偏光方向(TE)となる。このため、周期P1を有する格子溝パターン50aの有効屈折率は、N1になり、周期P2を有する格子溝パターン50bの有効屈折率は、N3になる。このように、格子溝パターン50aに平行な偏光方向の光Aに対して、周期P1を有する格子溝パターン50aと周期P2を有する格子溝パターン50bとの有効屈折率を同じN2にすることができるので、光Aに対してのみ屈折率差(屈折率変調)がない状態(透明)にすることができる。
【0086】
第6実施形態の変形例では、上記のように、格子溝パターン50aおよび50bの格子溝パターンの溝部の幅Wを調整することなく偏光依存性回折格子を作製することができるので、均一な幅を有する格子溝パターンを形成しやすい第6実施形態の製造プロセスを用いれば、容易に、偏光依存性回折格子を作製することができる。また、上記第6実施形態と同様、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する直線状の格子溝パターン50aおよび50bを形成することができるので、良好な消光比を得ることができる。
【0087】
(第7実施形態)
図30〜図34は、本発明の第7実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図および平面図である。図30〜図34を参照して、この第7実施形態では、上記第6実施形態と異なり、マスク層を形成する前にアルミニウム膜の酸化処理を行う場合の例について説明する。
【0088】
すなわち、この第7実施形態では、電子ビーム蒸着法またはスパッタリング法を用いて、ガラス基板51(図32参照)上に、アルミニウム膜(図示せず)を形成した後、図4に示した第1実施形態と同様の陽極酸化法を用いて、アルミニウム膜の酸化処理を行う。ただし、この第7実施形態による陽極酸化では、上記第6実施形態の印加電圧(約100V)よりも低い電圧(約30V〜約50V)を印加する。これにより、図30に示すように、図24に示した第6実施形態の孔53aおよび53bよりも小さい直径および間隔の孔63を有する酸化アルミニウム膜68が形成される。この孔63は、酸化アルミニウム膜68の全領域にわたってランダムに発生する。なお、酸化アルミニウム膜68は、本発明の「金属酸化膜」の一例である。
【0089】
次に、第7実施形態では、図31および図32に示すように、図22に示した第6実施形態と同様のプロセスを用いて、酸化アルミニウム膜68上にマスク層54を周期的に形成する。この後、上記第6実施形態と同様のエッチング条件で、マスク層54をマスクとして、孔63をウェットエッチングにより拡大する。この際、図33および図34に示すように、マスク層54の形成領域以外の領域に位置する孔63が拡大することにより隣接する孔63同士が繋がるので、容易に、溝部68aの形成領域に位置する酸化アルミニウム膜68をほぼ完全に除去することができる。これにより、直線状の格子溝パターンを有する酸化アルミニウム膜68が形成される。この格子溝パターンは、孔63を帯状に連結することにより形成された溝部68aを含んでいる。また、格子溝パターンの溝部68aの深さは、透明基板51にまで達するとともに、溝部68aは、深さ方向に均一に形成される。
【0090】
第7実施形態では、上記のように、アルミニウム膜を陽極酸化することにより、微細な孔63を有する酸化アルミニウム膜68を形成した後、酸化アルミニウム膜68上に周期的にマスク層54を形成するとともに、マスク層54をマスクとして、マスク層54が形成されない領域の微細な孔63をエッチングにより拡大することによって、容易に、マスク層54が形成されない領域にのみ、深さが大きく、かつ、深さ方向に均一な溝幅を有する直線状の格子溝パターンを形成することができる。その結果、容易に、複屈折特性を有する波長板を形成することができる。
【0091】
なお、第7実施形態では、ランダムに発生した孔63を直線状に連結することにより格子溝パターンの溝部68aを形成しているので、溝部68aの寸法精度を向上させにくい。その一方、酸化アルミニウム膜68に発生する孔63の発生位置を設定する必要がないので、陽極酸化工程が複雑化するのを抑制することができる。
【0092】
図35〜図39は、第7実施形態の変形例による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図および平面図である。図35〜図39を参照して、この第7実施形態の変形例では、上記第7実施形態と異なり、三角格子状に配列された孔を有する酸化アルミニウム膜を自己組織化的に形成する場合の例について説明する。
【0093】
すなわち、この第7実施形態の変形例では、陽極酸化法を用いてアルミニウム膜(図示せず)を酸化処理する際に、電解液濃度、温度および電圧などを調整することによって、図35に示すように、三角格子状に配列された孔73を有する酸化アルミニウム膜78が自己組織化的に形成される。陽極酸化の具体的な条件としては、電解液濃度:約0.3Mol(シュウ酸)、温度:約1℃、および、電圧:40Vである。なお、酸化アルミニウム膜78は、本発明の「金属酸化膜」の一例である。
【0094】
次に、第7実施形態の変形例では、上記第7実施形態と同様のプロセスを用いて、直線状の格子溝パターンを形成する。すなわち、図36および図37に示すように、酸化アルミニウム膜78上にマスク層54を周期的に形成する。この後、図38および図39に示すように、孔73をウェットエッチングにより拡大することによって、溝部78aの形成領域に位置する酸化アルミニウム膜78をほぼ完全に除去する。これにより、直線状の格子溝パターンを有する酸化アルミニウム膜78が形成される。この格子溝パターンは、孔73を帯状に連結することにより形成された溝部78aを含んでいる。また、格子溝パターンの溝部78aの深さは、透明基板51にまで達するとともに、溝部78aは、深さ方向に均一に形成される。
【0095】
第7実施形態の変形例では、上記のように、電解液濃度、温度および電圧などを調整した特殊な条件下で酸化処理を行うことによって、酸化アルミニウム膜78に発生する孔73の発生位置に規則性を持たせることができるので、孔73を帯状に連結することにより形成される溝部78aの寸法精度を向上させることができる。これにより、容易に、所望の複屈折特性を有する波長板を作製することができる。
【0096】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0097】
たとえば、上記第1〜第7実施形態では、偏光素子や偏光依存性回折素子などの光学素子の形成に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限らず、光学素子以外の格子溝パターンを有する素子の形成にも適用可能である。
【0098】
また、上記第1〜第7実施形態では、偏光素子としての波長板や偏光依存性回折素子としての偏光依存性回折格子の形成に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限らず、波長板や偏光依存性回折格子以外の偏光素子や偏光依存性回折素子および多層膜素子の形成にも適用可能である。たとえば、波長板以外の偏光素子としては、偏光ビームスプリッタ、および、アイソレータなどが考えられる。また、偏光依存性回折格子以外の偏光依存性回折素子としては、ホログラム光学素子(HOE:Holographic Optical Element)、および、フレネルレンズなどが考えられる。また、多層膜素子としては、ブラッグ反射を利用した多層膜素子や導波路型の多層膜素子などがあり、導波路型波長フィルタ(図40参照)、反射器、分波器、および、導波モード変換器などが考えられる。
【0099】
また、上記した多層膜素子としての導波路型波長フィルタの構造としては、図40に示すように、基板91上の所定領域に、本発明の直線状の格子溝パターン99を有する金属酸化膜98が形成されている。この格子溝パターン99は、金属酸化膜98の中央部付近に配置されているとともに、フィルタ部90aとして機能する。また、金属酸化膜98のフィルタ部90a以外の領域は、導波路部90bとして機能する。そして、2種類の波長の光AおよびBを導波させる場合、ブラッグ反射条件を満たさない波長の光Aは、フィルタ部90aを透過する一方、ブラッグ反射条件を満たす波長の光Bは、フィルタ部90aで反射される。また、フィルタ部90aとして機能する格子溝パターン99の形状としては、図41に示すように、溝部99aのピッチが徐々に変化するように形成してもよいし、図42に示すように、溝部99bが放射状に延びるように形成してもよい。また、図43に示すように、溝部99cを円弧状に形成してもよい。なお、図43に示した円弧状の溝部99cは、上記した第1〜第3、第6および第7実施形態と同様のプロセスで形成することができる。
【0100】
また、上記した偏光素子、偏光依存性回折素子および多層膜素子において、図44に示すように、溝部99dが2次元的(平面的)に交差した格子溝パターンを形成してもよい。
【0101】
また、上記第1〜第7実施形態では、アルミニウム膜(3、13、23、33および53)を陽極酸化するようにしたが、本発明はこれに限らず、チタンおよびタンタルなどの他のバルブ金属を陽極酸化するようにしてもよい。
【0102】
また、上記第1〜第7実施形態では、陽極酸化法に用いる電解液として硫酸およびシュウ酸からなる電解液を用いたが、本発明はこれに限らず、燐酸などからなる電解液を用いてもよい。
【0103】
また、上記第1〜第7実施形態では、陽極酸化法に用いる陰極として白金を用いたが、本発明はこれに限らず、他の材料からなる陰極を用いてもよい。
【0104】
また、上記第6および第7実施形態では、透明基板とアルミニウム膜との間に、透明電極膜を形成しなかったが、本発明はこれに限らず、透明基板とアルミニウム膜との間に透明電極膜を形成するとともに、酸化処理の際に、透明電極膜を介してアルミニウム膜に電圧を印加するようにしてもよい。この場合、酸化処理中は、常に、アルミニウム膜に電圧を印加することができるので、透明基板の表面に凹凸がある場合にも、酸化されないアルミニウム膜が残るなどの不都合を防止することができる。
【0105】
また、上記第6および第7実施形態では、Niからなるマスク層を形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、Ni以外の金属、SiO2などの無機誘電体、および、フォトレジストなどからなるマスク層を形成するようにしてもよい。なお、マスク層の形成領域に位置する孔がエッチングされるのを防止するためには、ウェットエッチングに対する耐久性に優れている材料を、マスク層として用いるのが好ましい。また、上記第6実施形態において、エッチング溝を精度よく形成するためには、ドライエッチングに対する耐久性に優れている材料を、マスク層として用いるのが好ましい。ドライエッチングに対する耐久性に優れている材料としては、たとえば、Ta、TiおよびCrなどが考えられる。
【0106】
また、上記第6および第7実施形態では、リフトオフ法を用いて、アルミニウム膜上に、マスク層を周期的に形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、アルミニウム膜上の全面にマスク層を構成する材料を堆積させた後、収束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)を用いて分離溝を形成することによって、アルミニウム膜上にマスク層を周期的に形成するようにしてもよい。
【0107】
また、上記第6実施形態では、陽極酸化工程において、孔の発生位置の精度を向上させるためにエッチング溝を形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、エッチング溝を形成しなくてもよい。
【0108】
また、上記第7実施形態の変形例では、電解液濃度、温度および電圧などを調整した特殊な条件下で酸化処理することにより、三角格子状に配列された孔を有する酸化アルミニウム膜を自己組織化的に形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、テクスチャリング処理した後に酸化処理することによって、三角格子状に配列された孔を有する酸化アルミニウム膜を自己組織化的に形成してもよい。
【0109】
また、従来のバルク型アルミ基板の陽極酸化で報告されているように、陽極酸化前にアルミ膜をアニールする工程を追加してもよい。このようにすれば、より精度よく細孔位置を制御することができる。
【0110】
また、本発明によって作製した微細構造を金型として作製した成形品も同等な素子特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の製造プロセスを説明するための平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の製造プロセスを説明するための断面図である。
【図6】本発明の第1実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の製造プロセスを説明するための平面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の製造プロセスを説明するための平面図である。
【図8】本発明の第1実施形態による微細構造を有する素子(偏光素子)の一例としての1/4波長板の構造を示した斜視図である。
【図9】第1実施形態の変形例による微細構造を有する素子としての偏光依存性回折格子(偏光依存性回折素子)の格子溝パターンを示した平面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図11】本発明の第2実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図12】本発明の第2実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図13】本発明の第3実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図14】本発明の第3実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図15】本発明の第3実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図16】本発明の第4実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。
【図17】本発明の第4実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための斜視図である。
【図18】本発明の第4実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。
【図19】本発明の第4実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための斜視図である。
【図20】本発明の第5実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための斜視図である。
【図21】本発明の第6実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。
【図22】本発明の第6実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。
【図23】本発明の第6実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。
【図24】酸化処理の際に発生する孔の発生位置を説明するための平面図である。
【図25】本発明の第6実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図26】本発明の第6実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。
【図27】第6実施形態の変形例による微細構造を有する素子としての偏光依存性回折格子(偏光依存性回折素子)を示した斜視図である。
【図28】図27に示した第6実施形態の変形例による偏光依存性回折格子の格子溝パターンを示した平面図である。
【図29】図27に示した第6実施形態の変形例による偏光依存性回折格子の有効屈折率と周期との関係を示した相関図である。
【図30】本発明の第7実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図31】本発明の第7実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図32】図31の500−500線に沿った断面図である。
【図33】本発明の第7実施形態による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図34】図33の600−600線に沿った断面図である。
【図35】第7実施形態の変形例による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図36】第7実施形態の変形例による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図37】図36の700−700線に沿った断面図である。
【図38】第7実施形態の変形例による微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の格子溝パターンの製造プロセスを説明するための平面図である。
【図39】図38の800−800線に沿った断面図である。
【図40】本発明の微細構造の製造プロセスにより作製された導波路型波長フィルタの構造を示した斜視図である。
【図41】本発明の微細構造の製造プロセスにより形成することが可能な格子溝パターンの形状の例を示した平面図である。
【図42】本発明の微細構造の製造プロセスにより形成することが可能な格子溝パターンの形状の例を示した平面図である。
【図43】本発明の微細構造の製造プロセスにより形成することが可能な格子溝パターンの形状の例を示した平面図である。
【図44】本発明の微細構造の製造プロセスにより形成することが可能な格子溝パターンの形状の例を示した平面図である。
【図45】従来の微細構造を有する素子としての波長板(偏光素子)の概念を示した斜視図である。
【図46】図45に示した従来の波長板(偏光素子)の有効屈折率とデューティ比との関係を示した相関図である。
【図47】従来の微細構造を有する素子としての偏光依存性回折格子(偏光依存性回折素子)の格子溝パターンを示した平面図である。
【図48】フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて形成された従来の格子溝パターンを有する素子の断面図である。
【図49】従来の陽極酸化法を用いた格子孔パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。
【図50】従来の陽極酸化法を用いた格子孔パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。
【図51】従来の陽極酸化法を用いた格子孔パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。
【図52】従来の陽極酸化法を用いた格子孔パターンの製造プロセスを説明するための断面図である。
【図53】従来の陽極酸化法を用いて形成される2次元フォトニック結晶を示した平面図である。
【符号の説明】
1、31、41 ガラス基板(基板)
3、13、23、33、53 アルミニウム膜(金属層)
3a、13a、23a、33a 凹部
6、36 陰極
8、18、28、38、48、58、68、78 酸化アルミニウム膜(金属酸化膜)
10a、50a 格子溝パターン(第1溝パターン)
10b、50b 格子溝パターン(第2溝パターン)
51 透明基板(基板)
54 マスク層
53a、53b、63、73 孔
81、91 基板
88、98 金属酸化膜
Claims (15)
- 基板上に金属層を形成する工程と、
前記金属層の表面に凹部のドット列を形成する工程と、
前記凹部のドット列が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することによって、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程とを備えた、微細構造を有する素子の製造方法。 - 前記凹部のドット列を形成する工程は、
前記凹部のドット列を三角格子が形成される位置からずらして形成する工程を含む、請求項1に記載の微細構造を有する素子の製造方法。 - 前記格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程は、前記ドット列が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することにより前記ドット列に対応する孔を形成した後、前記ドット列に対応する孔をエッチングにより拡大することによって、前記格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程を含む、請求項1または2に記載の微細構造を有する素子の製造方法。
- 基板上に金属層を形成する工程と、
前記金属層の表面に周期的にマスク層を形成する工程と、
前記マスク層が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することによって、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程とを備えた、微細構造を有する素子の製造方法。 - 前記格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程は、前記マスク層が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することにより前記マスク層が形成されない前記金属酸化膜の表面に微細な孔を形成した後、前記微細な孔をエッチングにより拡大することによって、前記格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程を含む、請求項4に記載の微細構造を有する素子の製造方法。
- 基板上に金属層を形成する工程と、
前記金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することによって、微細な孔を有する金属酸化膜を形成する工程と、
前記金属酸化膜の表面に周期的にマスク層を形成する工程と、
前記マスク層をマスクとして、前記マスク層が形成されない領域の前記微細な孔をエッチングにより拡大することによって、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程とを備えた、微細構造を有する素子の製造方法。 - 前記線状の格子溝パターンは、直線状の格子溝パターンを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の微細構造を有する素子の製造方法。
- 基板上に金属層を形成する工程と、
前記金属層の側面に凹部のドット列を形成する工程と、
前記凹部のドット列が形成された金属層の側面を陰極端に対向させた状態で陽極酸化することによって、前記基板の表面とほぼ平行な方向に延びる格子孔パターンを有する金属酸化膜を形成する工程とを備えた、微細構造を有する素子の製造方法。 - 基板上に金属層を形成する工程と、
前記金属層の表面に凹部のドット列を形成する工程と、
前記凹部のドット列が形成された金属層の表面を陰極面と対向させた状態で陽極酸化することによって、直線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜を形成する工程とを備えた、微細構造を有する素子の製造方法。 - 基板と、
前記基板上に形成され、線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜とを備えた、微細構造を有する素子。 - 前記線状の格子溝パターンは、
細孔が線状に連結された細孔列パターンを含む、請求項10に記載の微細構造を有する素子。 - 前記基板と、前記金属酸化膜との間に形成された透明導電層をさらに備える、請求項10または11に記載の微細構造を有する素子。
- 前記線状の格子溝パターンは、直線状の格子溝パターンを含む、請求項10〜12のいずれか1項に記載の微細構造を有する素子。
- 前記線状の格子溝パターンは、
第1の方向に延びる線状の第1溝パターンと、
前記第1溝パターンとほぼ直交する方向に延びる線状の第2溝パターンとを含み、
前記第1溝パターンと前記第2溝パターンとが交互に形成されている、請求項10〜13のいずれか1項に記載の微細構造を有する素子。 - 基板と、
前記基板上に形成され、直線状の格子溝パターンを有する金属酸化膜とを備えた、微細構造を有する素子。
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