JP2004004345A - レジストパターン形成方法、パターン化薄膜形成方法、マイクロデバイスの製造方法、薄膜磁気ヘッドの製造方法、磁気ヘッドスライダの製造方法、磁気ヘッド装置の製造方法、磁気記録再生装置の製造方法 - Google Patents
レジストパターン形成方法、パターン化薄膜形成方法、マイクロデバイスの製造方法、薄膜磁気ヘッドの製造方法、磁気ヘッドスライダの製造方法、磁気ヘッド装置の製造方法、磁気記録再生装置の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】隙間が形成されたレジストパターンを良好に形成できるレジストパターンの形成方法、パターン化薄膜形成方法、マイクロデバイスの製造方法、薄膜磁気ヘッドの製造方法、磁気ヘッドスライダの製造方法、磁気ヘッド装置の製造方法、及び、磁気記録再生装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】形成された第二レジストパターンに電子線を照射するので、この第二レジストパターンが架橋されて硬化する。このため、第二レジストパターンの機械的強度や、耐熱性が強化され、第二レジストパターンで隙間を挟んで基板と対向する部分が変形しにくい。これにより、精度の高いレジストパターンが得られ、その後の製造プロセスにおける歩留まりを向上できる。また、微細なレジストパターンの形成が可能となる。
【選択図】 図8
【解決手段】形成された第二レジストパターンに電子線を照射するので、この第二レジストパターンが架橋されて硬化する。このため、第二レジストパターンの機械的強度や、耐熱性が強化され、第二レジストパターンで隙間を挟んで基板と対向する部分が変形しにくい。これにより、精度の高いレジストパターンが得られ、その後の製造プロセスにおける歩留まりを向上できる。また、微細なレジストパターンの形成が可能となる。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板との間に隙間が形成されたレジストパターンを形成する方法、パターン化薄膜の形成方法、及び、マイクロデバイスの製造方法に関する。本発明において、マイクロデバイスとは、薄膜磁気ヘッド、薄膜インダクタ、半導体デバイス、薄膜センサ、薄膜アクチュエータまたはこれらを組み込んだ装置を含むものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、特公平7−6058号公報等に開示されているように、ボトム部がアンダカットされたレジストパターンや、特開2001−28110号公報等に開示されているように、基板上の2つのレジスト台上に掛け渡すように橋状のレジストを形成させた、いわゆる、サスペンションブリッジ型のレジストパターン等、基板との間に隙間を形成させたレジストパターンが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、隙間が形成されたレジストパターンにおいては、隙間の上のレジストパターンがだれ等により変形するという不具合があり、良好なレジストパターンを得られない場合があった。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、隙間が形成されたレジストパターンを良好に形成できるレジストパターンの形成方法、パターン化薄膜形成方法、マイクロデバイスの製造方法、薄膜磁気ヘッドの製造方法、磁気ヘッドスライダの製造方法、磁気ヘッド装置の製造方法、及び、磁気記録再生装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るレジストパターンの形成方法は、基板に、基板との間に隙間が形成されたレジストパターンを形成する方法であって、基板に、第一レジスト層と第二レジスト層とを順次積層するレジスト積層工程と、第二レジスト層を露光し現像して第二レジストパターンを形成する第二レジストパターン形成工程と、第二レジストパターンに電子線を照射する電子線照射工程と、第二レジストパターンと基板との間の第一レジスト層を除去して隙間を形成する隙間形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0006】
本発明に係るレジストパターンの形成方法によれば、形成された第二レジストパターンに電子線が照射され、この第二レジストパターンが架橋されて硬化する。このため、第二レジストパターンの機械的強度や、耐熱性が強化され、第二レジストパターンで隙間を挟んで基板と対向する部分が変形しにくい。このため、精度の高いレジストパターンが得られ、その後の製造プロセスにおける歩留まりを向上できる。また、微細なレジストパターンの形成が可能となる。
【0007】
ここで、隙間形成工程を、電子線照射工程の後に行うことが好ましい。これにより、第二レジストパターンが変形しにくくなった後に、第一レジスト層が除去されて隙間が形成されるので、隙間形成工程における第二レジストパターンの変形も抑制され、より精度の高いレジストパターンが得られる。
【0008】
ここで、第二レジスト層は、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂及びポリビニルフェノール樹脂の少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0009】
これによれば、ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレン樹脂やポリビニルフェノール樹脂等は電子線により好適に架橋され硬化する性質を有するので、電子線照射工程後に第二レジストパターンの変形を抑制する効果が向上する。
【0010】
また、第一レジスト層は、アルカリ性水溶液によって溶解可能であることが好ましい。これにより、隙間形成工程において、アルカリ水溶液等により第一レジスト層を容易に溶解除去できる。
【0011】
また、第一レジスト層はポリイミド樹脂を含むことが好ましい。ポリイミド樹脂を含むレジストは、電子線による架橋反応が起きにくいので、電子線照射工程で電子線を受けても硬化等の変質を起こさず、隙間部形成工程等において、アルカリ水溶液によって第一レジスト層を容易に溶解除去できる。
【0012】
なお、ポリイミド樹脂としては、ポリメチルグルタルイミドを利用できる。
【0013】
また、電子線照射工程において、電子線を基板の全面にわたって照射することが好ましい。これにより、第二レジストパターンに対して、簡便かつ低コストに電子線を照射できる。
【0014】
本発明に係るパターン化薄膜形成方法は、レジストパターン形成工程と、パターン化薄膜形成工程とを含むパターン化薄膜形成方法であって、レジストパターン形成工程は、上記の工程を含み、パターン化薄膜形成工程は、レジストパターン形成工程で得られたレジストパターンを用いてパターン化薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係るパターン化薄膜の形成方法によれば、上述のレジストパターンを使用しており、上述のレジストパターンは、第二レジストパターンで隙間を挟んで基板と対向する部分が変形しにくいので、パターン化薄膜形成工程等においてレジストパターンの精度を高いまま維持することができる。このため、精度が高くバリ等の少ない、パターン化された薄膜が得られる。また、パターン化薄膜のパターンの微細化が可能となる。
【0016】
ここで、パターン化薄膜形成工程は、レジストパターンをマスクとして基板をエッチングするエッチング工程を含むことが好ましい。
【0017】
また、パターン化薄膜形成工程は、レジストパターンをマスクとして、基板上に物質を析出させる析出工程を含んでもよい。
【0018】
これらの工程を経ることにより、上記のレジストパターンを用いて、パターン化薄膜を好適に形成できる。
【0019】
本発明に係るマイクロデバイスの製造方法は、パターン化薄膜を含むマイクロデバイスの製造方法において、パターン化薄膜を上述のパターン化薄膜形成方法によって形成することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法は、マイクロデバイスとしての薄膜磁気ヘッドを上述の製造方法を用いて製造することを特徴とする。
【0021】
本発明の磁気ヘッドスライダの製造方法は、薄膜磁気ヘッドを備える磁気ヘッドスライダの製造方法であって、薄膜磁気ヘッドを上述の製造方法を用いて製造することを特徴とする。
【0022】
本発明の磁気ヘッド装置の製造方法は、薄膜磁気ヘッドと、薄膜磁気ヘッドを支持するヘッド支持装置と、を含む磁気ヘッド装置の製造方法であって、薄膜磁気ヘッドを上述の製造方法を用いて製造することを特徴とする。
【0023】
本発明の磁気記録再生装置の製造方法は、薄膜磁気ヘッド及び薄膜磁気ヘッドを支持するヘッド支持装置を含む磁気ヘッド装置と、薄膜磁気ヘッドと協働して磁気記録再生を行う磁気記録媒体と、を有する磁気記録再生装置の製造方法であって、磁気ヘッド装置を上述の製造方法で製造することを特徴とする。
【0024】
これらによれば、上述のような精度の高いレジストパターンを用いて、精度が高く微細なパターン化薄膜を形成できるので、マイクロデバイス、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドスライダ、磁気ヘッド装置、磁気記録再生装置の製造における歩留まりが向上すると共に、性能の向上も可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0026】
(第一実施形態)
まず、第一実施形態に係るレジストパターンの形成方法、パターン化薄膜の形成方法及びマイクロデバイスの製造方法について説明する。
【0027】
まず、図1〜図3を参照して、第一実施形態によって形成される積層レジストパターン150について説明する。
【0028】
図1は、本実施形態で形成する積層レジストパターン150の上面図、図2は、図1のI−I矢視図、図3は、図1のII−II矢視図である。本実施形態で形成する積層レジストパターン150は、基板10上で所定距離離間された一対の第一レジストパターン111a,111bと、これら第一レジストパターン111a,111bを覆うと共にこれら第一レジストパターン111a,111b同士に掛け渡すように形成された第二レジストパターン112とを有している。
【0029】
第二レジストパターン112は、第一レジストパターン111aを覆う島状部112aと、第一レジストパターン111bを覆う島状部112bと、島状部112a及び島状部112bを接続する所定の長さの橋梁部112cとを備えている。島状部112a、島状部112bの外縁は、第一レジストパターン111a、111bの各々の外縁より所定距離突出しており、外縁部の下に隙間115a、115bが形成されている。また、橋梁部112cの下にも橋梁部112cの幅方向に貫通する隙間115cが形成され、この橋梁部112cの幅は島状部112a,112bの横幅よりも狭くされている。
【0030】
次に、図4〜図9を参照してこのような積層レジストパターン150の形成方法を、そして、図10及び図11を参照して、パターン化薄膜の形成方法及びマイクロデバイスの製造方法を説明する。
【0031】
まず、図4に示すように、基板10上に、第一レジスト層103を形成する。第一レジスト層103は、基板10上に塗布した後、必要に応じてこれを熱処理することにより形成される。
【0032】
次に、図5に示すように、第一レジスト層103の上に、第二レジスト層104を形成する。第二レジスト層104は、第一レジスト層103の上に塗布した後、必要に応じてこれを熱処理することにより形成される。
【0033】
ここで、第一レジスト層103のレジスト材料、及び、第二レジスト層104のレジスト材料の選択について説明する。
【0034】
第一レジスト層103のレジスト材料、及び、第二レジスト層104のレジスト材料としては、レジスト材料同士がインターミキシングを起こさないような組合せであることが好ましい。また、第一レジスト層103、第二レジスト層104とも、ネガ型、ポジ型等を問わない。
【0035】
また、後工程で、隙間115c等を形成する際に、第一レジスト層103を選択的に除去するのに適した材料の組合せが選択される。
【0036】
隙間115c等の形成方法としては、現像剤による方法、アッシングによる方法、現像剤とアッシングを併用する方法などがある。
【0037】
現像剤による方法を用いる場合は、例えば、第一レジスト層103のレジスト材料を、第二レジスト層104のレジスト材料よりも現像剤によって溶解しやすいレジスト材料で形成することができる。具体的には、例えば、第一レジスト層103のレジスト材料として、PMGI(ポリメチルグルタルイミド)等のポリイミド系のレジストを用い、第二レジスト層104のレジスト材料として、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等を適用することが好ましい。
【0038】
アッシングによる方法では、第一レジスト層103を、第二レジスト層104のレジスト材料よりもアッシング速度が速いレジスト材料で形成する。
【0039】
現像剤とアッシングとを併用する場合は、現像剤による方法と、アッシングによる方法との2つの条件を各々満たす組合せを用いることが好ましい。
【0040】
また、第二レジスト層104のレジスト材料を、電子線の照射(詳しくは後述)によって架橋・硬化しやすい材料とすることが好ましく、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等を採用できる。
【0041】
また、第一レジスト層103のレジスト材料を第二レジスト層104のレジスト材料よりも電子線により架橋・硬化しにくい材料とすることが好ましい。例えば、第一レジスト層103のレジスト材料として、PMGI等のポリイミド樹脂等を採用できる。第一レジスト層103が後工程での電子線の照射において架橋・硬化する傾向が強くなると、その後の工程での第一レジスト層103の選択的除去や、リフトオフ等が難しくなる場合があるからである。
【0042】
以下では、上述した3つの隙間形成方法の内、主として、現像剤によって隙間115c等を形成する方法について説明する。
【0043】
まず、図6に示すように、マスク105を介して、第二レジスト層104を上述の第二レジストパターン112に対応するパターンの潜像形成用の光で露光して、第二レジスト層104に所定のパターンの潜像を形成する。露光用の光は、紫外線、エキシマレーザー光等どのような光でもよい。また、必要に応じて、露光後第二レジスト層104を加熱する。
【0044】
次に、図7(a)に示すように、現像液によって、露光後の第二レジスト層104を現像し、前述のような形状の第二レジストパターン112を形成する。現像液としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)の水溶液等のアルカリ性水溶液を用いることが好ましい。なお、図7〜図11までは、図1のI−I面に相当する、橋梁部112cを含む面の端面図を示している。
【0045】
この第二レジスト層104の現像においては、第一レジスト層103が一部溶解されるが、第一レジスト層103が、図7(a)のように第二レジストパターン112と同程度の幅となるか、あるいは、図7(b)のように第二レジストパターン112より広幅となるようにして、第二レジストパターン112の下に隙間を形成しないことが好ましい。
【0046】
この第二レジストパターン112の現像において、第二レジストパターン112の下にアンダカットを形成したり貫通させたりして隙間を形成すると、後述の電子線照射前に、このアンダカットや貫通部等の上の第二レジストパターン112がだれ等により変形する場合があるからである。このため、アンダカットの形成や貫通部等の隙間の形成は、電子線照射後で第二レジストパターン112が変形されにくくなってから行うことが好ましい。
【0047】
なお、形成されるアンダカット部の幅が浅く、電子線照射前における第二レジストパターン112の変形が問題とならない場合等には、図7(c)に示すように、第二レジストパターン112の下の第一レジスト層103の幅を、後述の隙間形成前に第二レジストパターン112よりも狭くして、アンダカットを形成してもよい。
【0048】
また、電子照射前の第二レジストパターン112に対してアッシングを施して第二レジストパターン112の幅をさらに狭めてもよい。アッシングは、レジスト等の材料を気相中で除去する処理である。幅を狭めることにより、橋梁部112cの幅を細くして高解像度な物とすることができる。
【0049】
次に、図8に示すように、第二レジストパターン112を含む基板表面全面に電子線を照射する。このように、第二レジストパターン112に電子線を照射することにより、第二レジストパターン112のレジスト材料が架橋されて硬化し、機械強度や耐熱性が高くされる。また、基板全面にわたって電子線を照射することにより、簡易かつ効率的に第二レジストパターン112に電子線を照射できる。
【0050】
なお、電子照射後の第二レジストパターン112に対してアッシングを施して第二レジストパターン112の幅をさらに狭めてもよい。
【0051】
次に、図9に示すように、アルカリ性水溶液等によって、第一レジスト層103で、第二レジストパターン112と基板10との間の第一レジスト層103を選択的に除去して第一レジストパターン111a,111b(図9には不図示、図1〜図3参照)を形成し、橋梁部112cの下に橋梁部112cの幅方向に貫通する隙間115c等が形成された、いわゆる、サスペンションブリッジ型の積層レジストパターン150を形成する。現像後、第一レジストパターン111a,111bと第二レジストパターン112との水洗と乾燥とを行う。
【0052】
なお、前述のように、第一レジスト層103として、第二レジスト層104の材料として用いられるレジストよりもアッシングにおける除去速度が大きい材料を用いた場合は、アッシングによって、第二レジストパターン112の下の第一レジスト層103の選択的除去を好適に行える。
【0053】
例えば、アッシング装置としてMatrix inc.社製のSystem104等を用いることができ、アッシング室内の圧力を約133Pa(1.0Torr)とし、ガスとしてO2を用い、大気圧換算流量を30mL/min(30sccm)とし、RF出力を200Wとし、基板温度を70℃とし、アッシング時間を20秒間とすることが好適である。ガスとしては、O2にCF4を加えた物を用いてもよい。また、ガスとしてオゾンガスを用いてもよく、この場合、常圧下でアッシングを行ってもよい。
【0054】
以上の工程が積層レジストパターン形成工程に属する。
【0055】
このような積層レジストパターン形成工程によれば、形成された第二レジストパターン112に電子線が照射され、この第二レジストパターン112が架橋されて硬化する。このため、第二レジストパターン112の機械的強度や、耐熱性が強化され、第二レジストパターン112で隙間115c等を挟んで基板10と対向する橋梁部112c等が変形しにくく、電子線照射後の第一レジスト層の除去工程や、水洗・洗浄工程や、熱処理等の工程等で、だれたり破損したりしにくい。このため、精度の高いレジストパターンが得られ、その後の製造プロセスにおける歩留まりを向上できる。また、レジストパターンの微細化が可能となる。
【0056】
パターン化薄膜形成方法又はマイクロデバイスの製造方法の場合は、この積層レジストパターン形成方法の工程の後に、パターン化薄膜形成工程が実行され、それによってマイクロデバイスが製造される。
【0057】
パターン化薄膜形成工程では、まず、図10に示すように、基板10の上に積層レジストパターン150を残したままで、例えば、スパッタまたはCVD等の薄膜形成プロセスを実行することにより、パターン化薄膜107を形成する。その後、リフトオフ法を実行することにより、図11に示すように基板10から、積層レジストパターン150を剥離する。これにより、マイクロデバイスの一部となるパターン化薄膜107が得られる。積層レジストパターン150の剥離に当たってはアセトン等の溶剤が用いられる。
【0058】
このようなパターン化薄膜形成方法や、マイクロデバイス製造方法によれば、上述のように隙間115c等の上の第二レジストパターン112の機械的強度や耐熱性が高いので、パターン化薄膜形成工程等において積層レジストパターン150の精度を高いままに維持することができ、精度が高くバリ等の少ない、パターン化された薄膜107が得られる。また、パターン化薄膜のパターンの微細化が可能となる。
【0059】
(第二実施形態)
次に、図12〜図18を参照して、第二実施形態に係るレジストパターン形成方法を、そして、図19及び図20を参照して、ドライエッチング法を適用した場合のパターン化薄膜形成方法及びマイクロデバイスの製造方法についてを説明する。
【0060】
まず、図12に示すように、スパッタ法、CVD法等、周知の薄膜形成技術を適用して基層101の上に被パターニング膜102を形成し、基板10とする。被パターニング膜102は、各種金属薄膜、無機膜等で構成される。選択すべき金属材料及び無機材料等には特に限定はない。また、被パターニング膜102は、単層膜であってもよいし、複数層を積層した積層膜であってもよい。
【0061】
次に、図13に示すように、被パターニング膜102の上に、第一レジスト層103を形成した後、図14〜図18に示すように、積層レジストパターン150を形成する工程が実行される。この工程は、第一実施形態の図5〜9に対応する積層レジストパターン150の形成工程と同様なので重複する説明を省略する。
【0062】
以上の工程は積層レジストパターン形成工程に属する。この工程における作用及び効果は第一実施形態と同様である。
【0063】
パターン化薄膜形成方法またはマイクロデバイスの製造方法の場合は、この積層レジストパターン形成工程の後に、パターン化薄膜形成工程及びマイクロデバイスの製造工程が実行される。
【0064】
まず、図19に示すように、積層レジストパターン150をマスクとして用いて、ドライエッチング、例えば、イオンミリング、反応性イオンエッチング(RIE)等によって、被パターニング膜102を選択的にエッチングして、積層レジストパターン150の橋梁部112cに対応する細幅形状のパターン化薄膜121を形成する。パターン化薄膜形成工程後に、基層101の表面全体をアッシング処理してもよい。
【0065】
次に、図20に示すように、パターン化薄膜121の上から、積層レジストパターン150を剥離する。積層レジストパターン150の剥離に当たっては、アセトン等の溶剤が用いられる。これにより、マイクロデバイスの一部となるパターン化薄膜121が得られる。
【0066】
このような、パターン化薄膜形成方法およびマイクロデバイス製造方法によれば、前述のように、隙間115c等の上の第二レジストパターン112が変形しないので、このような精度の高い第二レジストパターン112をマスクとしてエッチングを行うことにより、第一実施形態と同様に、精度が高くバリ等の少ない、パターン化された薄膜121が得られる。
【0067】
(第三実施形態)
次に、図21及び図22を参照して、第三実施形態に係る、リフトオフ法及びドライエッチング法を併用したパターン化薄膜形成方法及びマイクロデバイスの製造方法について説明する。
【0068】
本実施形態でも、第二実施形態の図12〜図19までと同様にして、基層101上に、被パターニング膜102を形成すると共に、被パターニング膜102上に隙間115c等を有する積層レジストパターン150を形成し、これをマスクとしてドライエッチングしてパターン化薄膜121を形成する。
【0069】
次に、図21に示すように、パターン化薄膜121の上に積層レジストパターン150を残したままで、スパッタ又はCVD等の薄膜形成プロセスを実行することにより、パターン化薄膜107を形成し、その後、リフトオフ法を実行することにより、図22に示すように、パターン化薄膜121から積層レジストパターン150を剥離する。これにより、マイクロデバイスの一部となるパターン化薄膜121、107が得られる。
【0070】
本実施形態のパターン化薄膜形成方法及びマイクロデバイスの製造方法においても、第一及び第二実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0071】
(実施例)
ここでは、基層として3インチφで2cm程度の厚さのAlTiC板を用い、パターン化薄膜の形成を行った。
【0072】
まず、AlTiC板上に被ドライエッチング膜として、パーマロイ(NiFe)膜を30nm程度成膜し、基板とした。ここで、NiとFeとの比率は80:20(重量比)とした。パーマロイ膜の形成には、スパッタリング法を用いた。具体的には、日電アネルバ社製のSPF−740H(直流スパッタ装置)を用い、パーマロイターゲット(ターゲット径:8インチ)、1500Wの電力、アルゴンガス流量を大気圧換算で15mL/min(15sccm)、0.25Paの圧力で行った。パーマロイの析出速度は15nm/sであった。
【0073】
次に、パーマロイ膜上に、PMGI(ポリメチルグルタルイミド)(シプレイファーイースト社製LOL−500)を塗布して第一レジスト層を形成した。ここでは、スピンコート法にて50nm程度の厚さに塗布し、ホットプレート上等で180℃、300秒程度のプリベークを行った。
【0074】
次に、第一レジスト層上に、クラリアントジャパン社製のAZ510Pを塗布して第二レジスト層を形成した。ここでは、スピンコート法によって、0.5μm程度の厚さに塗布し、ホットプレート上等で120℃、60秒程度のプリベークを行った。
【0075】
次に、第二レジスト層に対して、所定の形状のマスクによって露光を行い、さらに、第二レジスト層の現像、洗浄、乾燥を行って、橋梁部の幅が0.2μm、橋梁部の長さが3μm、島状部が各々3μm角となる第二レジストパターンを形成した。
【0076】
ここで、露光装置としては、ニコン社NSR−TFHEX14Cを用い、NA(開口数)=0.6、σ(照明系のNAとレンズNAとの比)=0.75、露光量20mJ/cm2、焦点0μm、マスクサイズ0.2μmとした。また、露光後に、120℃で、60s程度プリベークを行った。
【0077】
また、現像には、2.38%TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液を用い、パドル法で20秒×1回現像し、その後水洗し乾燥した。この場合、図7(a)の様に、第二レジストパターンの幅と、第一レジスト層の幅とはほぼ同じとなった。
【0078】
次に、基板全面に電子線を照射した。ここでは、ウシオ電機社製の電子線照射装置Min−EB labo scanを用い、23℃、1.3kPa(10Torr)の窒素雰囲気下で、加速電圧を25kVとし、管電流を300μAとし、照射時間を2分間とし、照射量を500μC/cm2として行った。
【0079】
次に、第一レジスト層を選択的に溶解除去して、第二レジストパターンの下に隙間を形成して橋梁部の下の部分を中空とし、サスペンションブリッジ型の積層レジストパターンを得た。ここでは、2.38TMAH水溶液を用い、パドル法で20秒×1回溶解工程を行い、その後水洗し乾燥した。
【0080】
次に、このようにして得られた積層レジストパターンをマスクとして用いて、パーマロイ膜のドライエッチングを行い、細幅とされたパターン化パーマロイ薄膜を形成した。ここでは、Veeco社製IBE−IBDによりアルゴンイオンによるミリング法を行った。条件としては、アルゴンガスの大気圧換算流量を10mL/min(10sccm)とし、圧力を2.7×10−2Pa(2×10−4Torr)、基板表面の垂線に対するミリング角度を5°、ビーム電流を300mA、ビーム電圧を直流300V、加速電圧を−500Vとして行った。
【0081】
次に、さらに積層レジストパターンの上から、金をスパッタリングし、細幅のパーマロイ薄膜を挟むようにされた金のパターン化薄膜を形成した。
【0082】
ここでは、上述のVeeco社製IBE−IBDを用い、5mL/min(5sccm)の大気圧換算流量とされた2.7×10−2Pa(2×10−4Torr)のアルゴンガス雰囲気中で、スパッタ角度を30°とし、ビーム電流を300mA,ビーム電圧を直流1500V、加速電圧を−200Vとし、金ターゲットを用い、50nm程度成膜した。
【0083】
そして、最後に、積層レジストパターンを剥離した。ここでは、50℃のNMP(N−メチルピロリドン)に1時間、浸漬、揺動することにより、第一レジストパターン、第二レジストパターン、第二レジストパターン上の被リフトオフ膜を溶解、除去した。
【0084】
このようにして得られた薄膜パターンで、特に積層レジストパターンの橋梁部に対応する細幅部分を、日立製作所製のCD−SEM S7800により観察したところ、0.1μm幅のパーマロイの孤立パターンを有すると共に、パーマロイパターンの外側に金パターンを有しており、パーマロイパターンと金パターンとの境界にバリ等はなく、良好なパーマロイ−金連続パターンが得られた。
【0085】
(第四実施形態)
次に、図23〜図36を参照して、第四実施形態として、上述した積層レジストパターン形成方法及びパターン化薄膜形成方法を適用したマイクロデバイスの製造方法の具体例としての、薄膜磁気ヘッドの製造方法、磁気ヘッドスライダの製造方法、磁気ヘッド装置の製造方法、磁気記録再生装置の製造方法について、特に、巨大磁気抵抗効果素子(以下GMR素子と称する)を用いた再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドの場合を例にとって説明する。GMR素子としては、スピンバルブ膜や強磁性トンネル接合素子を上げることができる。
【0086】
図23は、ウエハー上でみた薄膜磁気ヘッド210の一つを拡大して示す断面図、図24は図23のIII−III面に沿った拡大断面図である。
【0087】
図示された薄膜磁気ヘッド210は、再生ヘッドと記録ヘッド(誘導型電磁変換素子)とを備えており、これらは、アルティック(Al2O3−TiC)等のセラミック材料よりなる基層1の上に搭載されている。基層1はスライダの基体(後述)を構成する。基層1の上には、スパッタリング法等によって、アルミナ(Al2O3)等の絶縁材料よりなる絶縁層2が、例えば1〜5μmの厚みに形成されている。下部シールド層3は、パーマロイ(NiFe)等の磁性材料よりなり、絶縁層2の上に、スパッタリング法又はメッキ法等によって、例えば、約3μmの厚みとなるように形成されている。
【0088】
再生ヘッドは、GMR素子121と、下部シールド層3と、上部シールド層兼下部磁極層8と、下部シールドギャップ層101と、上部シールドギャップ層7とを有している。下部シールド層3及び上部シールド層兼下部磁極層8は、GMR素子121を挟んで対向するように配置されている。
【0089】
下部シールド層3の上には、下部シールドギャップ層101が形成されている。下部シールドギャップ層101は、アルミナ等の絶縁材料よりなり、スパッタ等によって、例えば10〜200nmの厚み(最小厚み)に形成されている。下部シールドギャップ層101上には、パターン化薄膜としてのGMR素子121と、このGMR素子121の両側に接続されるパターン化薄膜としての電極層107とが、それぞれ、例えば数十nmの厚みに形成されている。
【0090】
GMR素子121及び電極層107は、上部シールドギャップ層7によって覆われている。上部シールドギャップ層7は、アルミナ等の絶縁材料よりなり、スパッタ等によって、例えば10〜200nmの厚み(最小厚み)に形成されている。記録ヘッドは、上部シールド層兼下部磁極層8、上部磁極層12、記録ギャップ層9及び薄膜コイル15a,15b等を有している。上部シールド層兼下部磁極層8及び上部磁極層12は、互いに磁気的に連結されている。
【0091】
上部シールド層兼下部磁極層8は、上部シールドギャップ層7の上に形成されている。記録ギャップ層9は上部シールド層兼下部磁極層8の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられている。薄膜コイル15a,15bは上部シールド層兼下部磁極層8及び上部磁極層12の間のインナーギャップ間に、絶縁層11,14,16で絶縁された状態で配設されている。記録ヘッドは、アルミナ等の保護膜17によって覆われている。
【0092】
次に、上述した薄膜磁気ヘッドについて、本発明に係るレジストパターン形成方法及びパターン化薄膜形成方法を用いて、GMR素子121を形成するプロセスを説明する。
【0093】
まず、図25に示すように、基層1の上に、絶縁層2、下部シールド層3及び下部シールドギャップ層101を形成する。下部シールドギャップ層101は、GMR素子を形成すべき領域をくぼませてある。
【0094】
次に、図26に示すように、下部シールドギャップ層101の上に、再生用のGMR素子となる被パターニング膜102を形成し、基板10とする。図26では被パターニング膜102は、単層表示であるが、実際には多層膜構造である。
【0095】
次に、図27に示すように、被パターニング膜102の上に、第一レジスト層103を形成する。第一レジスト層103は、すでに述べたような基本的特性を有するレジスト材料、具体的には、例えば、PMGI等で構成される。
【0096】
次に、図28に示すように、第一レジスト層103の上に第二レジスト層104を形成する。第二レジスト層104は、前述したように、具体的には、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等が用いられる。
【0097】
次に、図29に示すように、マスク105を介して、第二レジスト層104を所定のパターンの潜像形成用の光で露光して、第二レジスト層104に所定のパターンの潜像を形成する。マスク105は、潜像がGMR素子の位置に形成されるように位置合わせされる。
【0098】
次に、図30に示すように、現像液によって、露光後の第二レジスト層104を現像し、現像後、水洗と乾燥とを行い、橋梁部112cを有する第二レジストパターン112を形成する。このとき、第一レジスト層103の一部も溶解される。
【0099】
次に、図31に示すように、第二レジストパターン112を含む基板表面全面に対して、電子線を照射し、第二レジストパターン112を架橋させる。
【0100】
次に、図32に示すように、第一レジスト層103の一部をアルカリ水溶液等の現像液で選択的に溶解し、水洗・乾燥して、隙間115c等を有するサスペンションブリッジ型の積層レジストパターン150を形成する。
【0101】
なお、被パターニング膜102及び積層レジストパターン150の表面の全面をアッシング処理してもよい。
【0102】
次に、図33に示すように、例えばイオンミリングによって、被パターニング膜102を選択的にエッチングし、パターン化薄膜としてのGMR素子121を形成する。積層レジストパターン150の第二レジストパターン112は電子線により架橋されて硬化し、耐熱性、機械的強度が向上されているので、パターン精度の極めて高いGMR素子121を得ることができる。
【0103】
次に、図34に示すように、下部シールドギャップ層101及び積層レジストパターン150上の全面に、GMR素子121に電気的に接続される一対の電極層107を、スパッタ、CVD等の薄膜形成手段によって、積層レジストパターン150をマスクとして、所定のパターンに形成する。この工程では、必要であれば、磁区制御膜も形成できる。
【0104】
次に、リフトオフ法によって、積層レジストパターン150を除去する。
【0105】
以上で、本実施形態のGMR素子の形成工程が終了する。本実施形態における他の作用効果は、第三実施形態と同様である。
【0106】
次に、本実施形態の製造方法で得られるハードディスク装置(磁気記録再生装置)、ヘッドアームアセンブリ(HAA:Head Arms Assembly)磁気ヘッド装置)、スライダ(磁気ヘッドスライダ)の概略を説明する。
【0107】
図35は、本実施形態の製造方法で得られる薄膜磁気ヘッドを備えたハードディスク装置(磁気記録再生装置)201を示す図である。ハードディスク装置201は、ヘッドアームアセンブリ(HAA:Head Arms Assembly)(磁気ヘッド装置)215を作動させて、高速回転するハードディスク(磁気記録媒体)202の記録面(図35の上面)に、薄膜磁気ヘッド210によって磁気情報(磁気信号)を記録及び再生するものである。ヘッドアームアセンブリ215は、薄膜磁気ヘッド210が形成されたスライダ(磁気ヘッドスライダ)211を搭載したジンバル(ヘッド支持装置)212と、これが接続されたサスペンションアーム213とを備え、支軸214周りに例えばボイスコイルモータによって回転可能となっている。ヘッドアームアセンブリ215を回転させると、スライダ211は、ハードディスク202の半径方向、すなわちトラックラインを横切る方向に移動する。
【0108】
図36は、スライダ211の拡大斜視図である。スライダ211は、略直方体形状をなし、アルティック(Al2O3・TiC)からなる基台211a上に、薄膜磁気ヘッド210が形成されている。同図における手前側の面は、ハードディスク202の記録面に対向する面であり、エアベアリング面(ABS:Air Bearing Surface)Sと称されるものである。ハードディスク202が回転する際、この回転に伴う空気流によってスライダ211が浮上し、エアベアリング面Sはハードディスク202の記録面から離隔する。薄膜磁気ヘッド210には記録用端子218a,218b及び再生用端子219a,219bが設けられており、図35に示したサスペンションアーム213には、各端子に接続される、電気信号の入出力用の配線(図示省略)が取付けられている。また、薄膜磁気ヘッド210を保護するために、図中破線で示したオーバーコート層221が設けられている。なお、エアベアリング面Sに、DLC(Diamond Like Carbon)等のコーティングを施してもよい。
【0109】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形態様をとることが可能である。
【0110】
例えば、上記実施形態においては、橋梁部112cの下の第一レジスト層103を除去して、橋梁部112cの幅方向に貫通する隙間115cを形成したサスペンションブリッジ型のレジストパターンとしているが、これに限られず、隙間としてのアンダカットのみが形成されたレジストパターンとしてもよく、この場合でも、アンダカットの上の第二レジストパターン112のだれ等の変形が防止され、同様の作用効果が得られる。
【0111】
また、第1〜第4実施形態におけるマイクロデバイスとしては、薄膜磁気ヘッドに限らず、薄膜インダクタ、半導体デバイス、薄膜センサ、薄膜アクチュエータ等に適用でき、又は、これらを含んだ装置の製造に適用できる。
【0112】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、形成された第二レジストパターンに電子線を照射するので、この第二レジストパターンが架橋されて硬化する。このため、第二レジストパターンの機械的強度や、耐熱性が強化され、第二レジストパターンで隙間を挟んで基板と対向する部分が変形しにくい。これにより、精度の高いレジストパターンが得られ、その後の製造プロセスにおける歩留まりを向上できる。また、微細なレジストパターンの形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る積層レジストパターンの上面図である。
【図2】図1のI−I矢視図である。
【図3】図1のII−II矢視図である。
【図4】第一実施形態の積層レジストパターンの形成方法等を説明するための断面図である。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】図7(a)、図7(b)、図7(c)は、図6に続く工程を説明するための端面図である。
【図8】図7(a)に続く工程を説明するための端面図である。
【図9】図8に続く工程を説明するための端面図である。
【図10】図9に続く工程を説明するための端面図である。
【図11】図10に続く工程を説明するための端面図である。
【図12】第二実施形態の積層レジストパターンの形成方法等を説明するための断面図である。
【図13】図12に続く工程を説明するための断面図である。
【図14】図13に続く工程を説明するための断面図である。
【図15】図14に続く工程を説明するための断面図である。
【図16】図15に続く工程を説明するための端面図である。
【図17】図16に続く工程を説明するための端面図である。
【図18】図17に続く工程を説明するための端面図である。
【図19】図18に続く工程を説明するための端面図である。
【図20】図19に続く工程を説明するための端面図である。
【図21】第三実施形態のパターン化薄膜の形成方法等を説明するための端面図である。
【図22】図21に続く工程を説明するための端面図である。
【図23】第四実施形態に係る薄膜磁気ヘッドを説明するための断面図である。
【図24】図23のIII−III矢視図である。
【図25】GMR素子を製造する工程を説明するための断面図である。
【図26】図25に続く工程を説明するための断面図である。
【図27】図26に続く工程を説明するための断面図である。
【図28】図27に続く工程を説明するための断面図である。
【図29】図28に続く工程を説明するための断面図である。
【図30】図29に続く工程を説明するための端面図である。
【図31】図30に続く工程を説明するための端面図である。
【図32】図31に続く工程を説明するための端面図である。
【図33】図32に続く工程を説明するための端面図である。
【図34】図33に続く工程を説明するための端面図である。
【図35】第四実施形態で製造するハードディスク装置を示す斜視図である。
【図36】図35中の磁気ヘッドスライダを示す斜視図である。
【符号の説明】
10…基板、103…第一レジスト層、104…第二レジスト層、112…第二レジストパターン、115a,115b,115c…隙間、150…積層レジストパターン(レジストパターン)、201…ハードディスク装置(磁気記録再生装置)、202…ハードディスク(磁気記録媒体)、210…薄膜磁気ヘッド、211…スライダ(磁気ヘッドスライダ)、212…ジンバル(ヘッド支持装置)、215…ヘッドアームアセンブリ(磁気ヘッド装置)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板との間に隙間が形成されたレジストパターンを形成する方法、パターン化薄膜の形成方法、及び、マイクロデバイスの製造方法に関する。本発明において、マイクロデバイスとは、薄膜磁気ヘッド、薄膜インダクタ、半導体デバイス、薄膜センサ、薄膜アクチュエータまたはこれらを組み込んだ装置を含むものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、特公平7−6058号公報等に開示されているように、ボトム部がアンダカットされたレジストパターンや、特開2001−28110号公報等に開示されているように、基板上の2つのレジスト台上に掛け渡すように橋状のレジストを形成させた、いわゆる、サスペンションブリッジ型のレジストパターン等、基板との間に隙間を形成させたレジストパターンが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、隙間が形成されたレジストパターンにおいては、隙間の上のレジストパターンがだれ等により変形するという不具合があり、良好なレジストパターンを得られない場合があった。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、隙間が形成されたレジストパターンを良好に形成できるレジストパターンの形成方法、パターン化薄膜形成方法、マイクロデバイスの製造方法、薄膜磁気ヘッドの製造方法、磁気ヘッドスライダの製造方法、磁気ヘッド装置の製造方法、及び、磁気記録再生装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るレジストパターンの形成方法は、基板に、基板との間に隙間が形成されたレジストパターンを形成する方法であって、基板に、第一レジスト層と第二レジスト層とを順次積層するレジスト積層工程と、第二レジスト層を露光し現像して第二レジストパターンを形成する第二レジストパターン形成工程と、第二レジストパターンに電子線を照射する電子線照射工程と、第二レジストパターンと基板との間の第一レジスト層を除去して隙間を形成する隙間形成工程と、を含むことを特徴とする。
【0006】
本発明に係るレジストパターンの形成方法によれば、形成された第二レジストパターンに電子線が照射され、この第二レジストパターンが架橋されて硬化する。このため、第二レジストパターンの機械的強度や、耐熱性が強化され、第二レジストパターンで隙間を挟んで基板と対向する部分が変形しにくい。このため、精度の高いレジストパターンが得られ、その後の製造プロセスにおける歩留まりを向上できる。また、微細なレジストパターンの形成が可能となる。
【0007】
ここで、隙間形成工程を、電子線照射工程の後に行うことが好ましい。これにより、第二レジストパターンが変形しにくくなった後に、第一レジスト層が除去されて隙間が形成されるので、隙間形成工程における第二レジストパターンの変形も抑制され、より精度の高いレジストパターンが得られる。
【0008】
ここで、第二レジスト層は、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂及びポリビニルフェノール樹脂の少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0009】
これによれば、ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレン樹脂やポリビニルフェノール樹脂等は電子線により好適に架橋され硬化する性質を有するので、電子線照射工程後に第二レジストパターンの変形を抑制する効果が向上する。
【0010】
また、第一レジスト層は、アルカリ性水溶液によって溶解可能であることが好ましい。これにより、隙間形成工程において、アルカリ水溶液等により第一レジスト層を容易に溶解除去できる。
【0011】
また、第一レジスト層はポリイミド樹脂を含むことが好ましい。ポリイミド樹脂を含むレジストは、電子線による架橋反応が起きにくいので、電子線照射工程で電子線を受けても硬化等の変質を起こさず、隙間部形成工程等において、アルカリ水溶液によって第一レジスト層を容易に溶解除去できる。
【0012】
なお、ポリイミド樹脂としては、ポリメチルグルタルイミドを利用できる。
【0013】
また、電子線照射工程において、電子線を基板の全面にわたって照射することが好ましい。これにより、第二レジストパターンに対して、簡便かつ低コストに電子線を照射できる。
【0014】
本発明に係るパターン化薄膜形成方法は、レジストパターン形成工程と、パターン化薄膜形成工程とを含むパターン化薄膜形成方法であって、レジストパターン形成工程は、上記の工程を含み、パターン化薄膜形成工程は、レジストパターン形成工程で得られたレジストパターンを用いてパターン化薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係るパターン化薄膜の形成方法によれば、上述のレジストパターンを使用しており、上述のレジストパターンは、第二レジストパターンで隙間を挟んで基板と対向する部分が変形しにくいので、パターン化薄膜形成工程等においてレジストパターンの精度を高いまま維持することができる。このため、精度が高くバリ等の少ない、パターン化された薄膜が得られる。また、パターン化薄膜のパターンの微細化が可能となる。
【0016】
ここで、パターン化薄膜形成工程は、レジストパターンをマスクとして基板をエッチングするエッチング工程を含むことが好ましい。
【0017】
また、パターン化薄膜形成工程は、レジストパターンをマスクとして、基板上に物質を析出させる析出工程を含んでもよい。
【0018】
これらの工程を経ることにより、上記のレジストパターンを用いて、パターン化薄膜を好適に形成できる。
【0019】
本発明に係るマイクロデバイスの製造方法は、パターン化薄膜を含むマイクロデバイスの製造方法において、パターン化薄膜を上述のパターン化薄膜形成方法によって形成することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法は、マイクロデバイスとしての薄膜磁気ヘッドを上述の製造方法を用いて製造することを特徴とする。
【0021】
本発明の磁気ヘッドスライダの製造方法は、薄膜磁気ヘッドを備える磁気ヘッドスライダの製造方法であって、薄膜磁気ヘッドを上述の製造方法を用いて製造することを特徴とする。
【0022】
本発明の磁気ヘッド装置の製造方法は、薄膜磁気ヘッドと、薄膜磁気ヘッドを支持するヘッド支持装置と、を含む磁気ヘッド装置の製造方法であって、薄膜磁気ヘッドを上述の製造方法を用いて製造することを特徴とする。
【0023】
本発明の磁気記録再生装置の製造方法は、薄膜磁気ヘッド及び薄膜磁気ヘッドを支持するヘッド支持装置を含む磁気ヘッド装置と、薄膜磁気ヘッドと協働して磁気記録再生を行う磁気記録媒体と、を有する磁気記録再生装置の製造方法であって、磁気ヘッド装置を上述の製造方法で製造することを特徴とする。
【0024】
これらによれば、上述のような精度の高いレジストパターンを用いて、精度が高く微細なパターン化薄膜を形成できるので、マイクロデバイス、薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドスライダ、磁気ヘッド装置、磁気記録再生装置の製造における歩留まりが向上すると共に、性能の向上も可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0026】
(第一実施形態)
まず、第一実施形態に係るレジストパターンの形成方法、パターン化薄膜の形成方法及びマイクロデバイスの製造方法について説明する。
【0027】
まず、図1〜図3を参照して、第一実施形態によって形成される積層レジストパターン150について説明する。
【0028】
図1は、本実施形態で形成する積層レジストパターン150の上面図、図2は、図1のI−I矢視図、図3は、図1のII−II矢視図である。本実施形態で形成する積層レジストパターン150は、基板10上で所定距離離間された一対の第一レジストパターン111a,111bと、これら第一レジストパターン111a,111bを覆うと共にこれら第一レジストパターン111a,111b同士に掛け渡すように形成された第二レジストパターン112とを有している。
【0029】
第二レジストパターン112は、第一レジストパターン111aを覆う島状部112aと、第一レジストパターン111bを覆う島状部112bと、島状部112a及び島状部112bを接続する所定の長さの橋梁部112cとを備えている。島状部112a、島状部112bの外縁は、第一レジストパターン111a、111bの各々の外縁より所定距離突出しており、外縁部の下に隙間115a、115bが形成されている。また、橋梁部112cの下にも橋梁部112cの幅方向に貫通する隙間115cが形成され、この橋梁部112cの幅は島状部112a,112bの横幅よりも狭くされている。
【0030】
次に、図4〜図9を参照してこのような積層レジストパターン150の形成方法を、そして、図10及び図11を参照して、パターン化薄膜の形成方法及びマイクロデバイスの製造方法を説明する。
【0031】
まず、図4に示すように、基板10上に、第一レジスト層103を形成する。第一レジスト層103は、基板10上に塗布した後、必要に応じてこれを熱処理することにより形成される。
【0032】
次に、図5に示すように、第一レジスト層103の上に、第二レジスト層104を形成する。第二レジスト層104は、第一レジスト層103の上に塗布した後、必要に応じてこれを熱処理することにより形成される。
【0033】
ここで、第一レジスト層103のレジスト材料、及び、第二レジスト層104のレジスト材料の選択について説明する。
【0034】
第一レジスト層103のレジスト材料、及び、第二レジスト層104のレジスト材料としては、レジスト材料同士がインターミキシングを起こさないような組合せであることが好ましい。また、第一レジスト層103、第二レジスト層104とも、ネガ型、ポジ型等を問わない。
【0035】
また、後工程で、隙間115c等を形成する際に、第一レジスト層103を選択的に除去するのに適した材料の組合せが選択される。
【0036】
隙間115c等の形成方法としては、現像剤による方法、アッシングによる方法、現像剤とアッシングを併用する方法などがある。
【0037】
現像剤による方法を用いる場合は、例えば、第一レジスト層103のレジスト材料を、第二レジスト層104のレジスト材料よりも現像剤によって溶解しやすいレジスト材料で形成することができる。具体的には、例えば、第一レジスト層103のレジスト材料として、PMGI(ポリメチルグルタルイミド)等のポリイミド系のレジストを用い、第二レジスト層104のレジスト材料として、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等を適用することが好ましい。
【0038】
アッシングによる方法では、第一レジスト層103を、第二レジスト層104のレジスト材料よりもアッシング速度が速いレジスト材料で形成する。
【0039】
現像剤とアッシングとを併用する場合は、現像剤による方法と、アッシングによる方法との2つの条件を各々満たす組合せを用いることが好ましい。
【0040】
また、第二レジスト層104のレジスト材料を、電子線の照射(詳しくは後述)によって架橋・硬化しやすい材料とすることが好ましく、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等を採用できる。
【0041】
また、第一レジスト層103のレジスト材料を第二レジスト層104のレジスト材料よりも電子線により架橋・硬化しにくい材料とすることが好ましい。例えば、第一レジスト層103のレジスト材料として、PMGI等のポリイミド樹脂等を採用できる。第一レジスト層103が後工程での電子線の照射において架橋・硬化する傾向が強くなると、その後の工程での第一レジスト層103の選択的除去や、リフトオフ等が難しくなる場合があるからである。
【0042】
以下では、上述した3つの隙間形成方法の内、主として、現像剤によって隙間115c等を形成する方法について説明する。
【0043】
まず、図6に示すように、マスク105を介して、第二レジスト層104を上述の第二レジストパターン112に対応するパターンの潜像形成用の光で露光して、第二レジスト層104に所定のパターンの潜像を形成する。露光用の光は、紫外線、エキシマレーザー光等どのような光でもよい。また、必要に応じて、露光後第二レジスト層104を加熱する。
【0044】
次に、図7(a)に示すように、現像液によって、露光後の第二レジスト層104を現像し、前述のような形状の第二レジストパターン112を形成する。現像液としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)の水溶液等のアルカリ性水溶液を用いることが好ましい。なお、図7〜図11までは、図1のI−I面に相当する、橋梁部112cを含む面の端面図を示している。
【0045】
この第二レジスト層104の現像においては、第一レジスト層103が一部溶解されるが、第一レジスト層103が、図7(a)のように第二レジストパターン112と同程度の幅となるか、あるいは、図7(b)のように第二レジストパターン112より広幅となるようにして、第二レジストパターン112の下に隙間を形成しないことが好ましい。
【0046】
この第二レジストパターン112の現像において、第二レジストパターン112の下にアンダカットを形成したり貫通させたりして隙間を形成すると、後述の電子線照射前に、このアンダカットや貫通部等の上の第二レジストパターン112がだれ等により変形する場合があるからである。このため、アンダカットの形成や貫通部等の隙間の形成は、電子線照射後で第二レジストパターン112が変形されにくくなってから行うことが好ましい。
【0047】
なお、形成されるアンダカット部の幅が浅く、電子線照射前における第二レジストパターン112の変形が問題とならない場合等には、図7(c)に示すように、第二レジストパターン112の下の第一レジスト層103の幅を、後述の隙間形成前に第二レジストパターン112よりも狭くして、アンダカットを形成してもよい。
【0048】
また、電子照射前の第二レジストパターン112に対してアッシングを施して第二レジストパターン112の幅をさらに狭めてもよい。アッシングは、レジスト等の材料を気相中で除去する処理である。幅を狭めることにより、橋梁部112cの幅を細くして高解像度な物とすることができる。
【0049】
次に、図8に示すように、第二レジストパターン112を含む基板表面全面に電子線を照射する。このように、第二レジストパターン112に電子線を照射することにより、第二レジストパターン112のレジスト材料が架橋されて硬化し、機械強度や耐熱性が高くされる。また、基板全面にわたって電子線を照射することにより、簡易かつ効率的に第二レジストパターン112に電子線を照射できる。
【0050】
なお、電子照射後の第二レジストパターン112に対してアッシングを施して第二レジストパターン112の幅をさらに狭めてもよい。
【0051】
次に、図9に示すように、アルカリ性水溶液等によって、第一レジスト層103で、第二レジストパターン112と基板10との間の第一レジスト層103を選択的に除去して第一レジストパターン111a,111b(図9には不図示、図1〜図3参照)を形成し、橋梁部112cの下に橋梁部112cの幅方向に貫通する隙間115c等が形成された、いわゆる、サスペンションブリッジ型の積層レジストパターン150を形成する。現像後、第一レジストパターン111a,111bと第二レジストパターン112との水洗と乾燥とを行う。
【0052】
なお、前述のように、第一レジスト層103として、第二レジスト層104の材料として用いられるレジストよりもアッシングにおける除去速度が大きい材料を用いた場合は、アッシングによって、第二レジストパターン112の下の第一レジスト層103の選択的除去を好適に行える。
【0053】
例えば、アッシング装置としてMatrix inc.社製のSystem104等を用いることができ、アッシング室内の圧力を約133Pa(1.0Torr)とし、ガスとしてO2を用い、大気圧換算流量を30mL/min(30sccm)とし、RF出力を200Wとし、基板温度を70℃とし、アッシング時間を20秒間とすることが好適である。ガスとしては、O2にCF4を加えた物を用いてもよい。また、ガスとしてオゾンガスを用いてもよく、この場合、常圧下でアッシングを行ってもよい。
【0054】
以上の工程が積層レジストパターン形成工程に属する。
【0055】
このような積層レジストパターン形成工程によれば、形成された第二レジストパターン112に電子線が照射され、この第二レジストパターン112が架橋されて硬化する。このため、第二レジストパターン112の機械的強度や、耐熱性が強化され、第二レジストパターン112で隙間115c等を挟んで基板10と対向する橋梁部112c等が変形しにくく、電子線照射後の第一レジスト層の除去工程や、水洗・洗浄工程や、熱処理等の工程等で、だれたり破損したりしにくい。このため、精度の高いレジストパターンが得られ、その後の製造プロセスにおける歩留まりを向上できる。また、レジストパターンの微細化が可能となる。
【0056】
パターン化薄膜形成方法又はマイクロデバイスの製造方法の場合は、この積層レジストパターン形成方法の工程の後に、パターン化薄膜形成工程が実行され、それによってマイクロデバイスが製造される。
【0057】
パターン化薄膜形成工程では、まず、図10に示すように、基板10の上に積層レジストパターン150を残したままで、例えば、スパッタまたはCVD等の薄膜形成プロセスを実行することにより、パターン化薄膜107を形成する。その後、リフトオフ法を実行することにより、図11に示すように基板10から、積層レジストパターン150を剥離する。これにより、マイクロデバイスの一部となるパターン化薄膜107が得られる。積層レジストパターン150の剥離に当たってはアセトン等の溶剤が用いられる。
【0058】
このようなパターン化薄膜形成方法や、マイクロデバイス製造方法によれば、上述のように隙間115c等の上の第二レジストパターン112の機械的強度や耐熱性が高いので、パターン化薄膜形成工程等において積層レジストパターン150の精度を高いままに維持することができ、精度が高くバリ等の少ない、パターン化された薄膜107が得られる。また、パターン化薄膜のパターンの微細化が可能となる。
【0059】
(第二実施形態)
次に、図12〜図18を参照して、第二実施形態に係るレジストパターン形成方法を、そして、図19及び図20を参照して、ドライエッチング法を適用した場合のパターン化薄膜形成方法及びマイクロデバイスの製造方法についてを説明する。
【0060】
まず、図12に示すように、スパッタ法、CVD法等、周知の薄膜形成技術を適用して基層101の上に被パターニング膜102を形成し、基板10とする。被パターニング膜102は、各種金属薄膜、無機膜等で構成される。選択すべき金属材料及び無機材料等には特に限定はない。また、被パターニング膜102は、単層膜であってもよいし、複数層を積層した積層膜であってもよい。
【0061】
次に、図13に示すように、被パターニング膜102の上に、第一レジスト層103を形成した後、図14〜図18に示すように、積層レジストパターン150を形成する工程が実行される。この工程は、第一実施形態の図5〜9に対応する積層レジストパターン150の形成工程と同様なので重複する説明を省略する。
【0062】
以上の工程は積層レジストパターン形成工程に属する。この工程における作用及び効果は第一実施形態と同様である。
【0063】
パターン化薄膜形成方法またはマイクロデバイスの製造方法の場合は、この積層レジストパターン形成工程の後に、パターン化薄膜形成工程及びマイクロデバイスの製造工程が実行される。
【0064】
まず、図19に示すように、積層レジストパターン150をマスクとして用いて、ドライエッチング、例えば、イオンミリング、反応性イオンエッチング(RIE)等によって、被パターニング膜102を選択的にエッチングして、積層レジストパターン150の橋梁部112cに対応する細幅形状のパターン化薄膜121を形成する。パターン化薄膜形成工程後に、基層101の表面全体をアッシング処理してもよい。
【0065】
次に、図20に示すように、パターン化薄膜121の上から、積層レジストパターン150を剥離する。積層レジストパターン150の剥離に当たっては、アセトン等の溶剤が用いられる。これにより、マイクロデバイスの一部となるパターン化薄膜121が得られる。
【0066】
このような、パターン化薄膜形成方法およびマイクロデバイス製造方法によれば、前述のように、隙間115c等の上の第二レジストパターン112が変形しないので、このような精度の高い第二レジストパターン112をマスクとしてエッチングを行うことにより、第一実施形態と同様に、精度が高くバリ等の少ない、パターン化された薄膜121が得られる。
【0067】
(第三実施形態)
次に、図21及び図22を参照して、第三実施形態に係る、リフトオフ法及びドライエッチング法を併用したパターン化薄膜形成方法及びマイクロデバイスの製造方法について説明する。
【0068】
本実施形態でも、第二実施形態の図12〜図19までと同様にして、基層101上に、被パターニング膜102を形成すると共に、被パターニング膜102上に隙間115c等を有する積層レジストパターン150を形成し、これをマスクとしてドライエッチングしてパターン化薄膜121を形成する。
【0069】
次に、図21に示すように、パターン化薄膜121の上に積層レジストパターン150を残したままで、スパッタ又はCVD等の薄膜形成プロセスを実行することにより、パターン化薄膜107を形成し、その後、リフトオフ法を実行することにより、図22に示すように、パターン化薄膜121から積層レジストパターン150を剥離する。これにより、マイクロデバイスの一部となるパターン化薄膜121、107が得られる。
【0070】
本実施形態のパターン化薄膜形成方法及びマイクロデバイスの製造方法においても、第一及び第二実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0071】
(実施例)
ここでは、基層として3インチφで2cm程度の厚さのAlTiC板を用い、パターン化薄膜の形成を行った。
【0072】
まず、AlTiC板上に被ドライエッチング膜として、パーマロイ(NiFe)膜を30nm程度成膜し、基板とした。ここで、NiとFeとの比率は80:20(重量比)とした。パーマロイ膜の形成には、スパッタリング法を用いた。具体的には、日電アネルバ社製のSPF−740H(直流スパッタ装置)を用い、パーマロイターゲット(ターゲット径:8インチ)、1500Wの電力、アルゴンガス流量を大気圧換算で15mL/min(15sccm)、0.25Paの圧力で行った。パーマロイの析出速度は15nm/sであった。
【0073】
次に、パーマロイ膜上に、PMGI(ポリメチルグルタルイミド)(シプレイファーイースト社製LOL−500)を塗布して第一レジスト層を形成した。ここでは、スピンコート法にて50nm程度の厚さに塗布し、ホットプレート上等で180℃、300秒程度のプリベークを行った。
【0074】
次に、第一レジスト層上に、クラリアントジャパン社製のAZ510Pを塗布して第二レジスト層を形成した。ここでは、スピンコート法によって、0.5μm程度の厚さに塗布し、ホットプレート上等で120℃、60秒程度のプリベークを行った。
【0075】
次に、第二レジスト層に対して、所定の形状のマスクによって露光を行い、さらに、第二レジスト層の現像、洗浄、乾燥を行って、橋梁部の幅が0.2μm、橋梁部の長さが3μm、島状部が各々3μm角となる第二レジストパターンを形成した。
【0076】
ここで、露光装置としては、ニコン社NSR−TFHEX14Cを用い、NA(開口数)=0.6、σ(照明系のNAとレンズNAとの比)=0.75、露光量20mJ/cm2、焦点0μm、マスクサイズ0.2μmとした。また、露光後に、120℃で、60s程度プリベークを行った。
【0077】
また、現像には、2.38%TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液を用い、パドル法で20秒×1回現像し、その後水洗し乾燥した。この場合、図7(a)の様に、第二レジストパターンの幅と、第一レジスト層の幅とはほぼ同じとなった。
【0078】
次に、基板全面に電子線を照射した。ここでは、ウシオ電機社製の電子線照射装置Min−EB labo scanを用い、23℃、1.3kPa(10Torr)の窒素雰囲気下で、加速電圧を25kVとし、管電流を300μAとし、照射時間を2分間とし、照射量を500μC/cm2として行った。
【0079】
次に、第一レジスト層を選択的に溶解除去して、第二レジストパターンの下に隙間を形成して橋梁部の下の部分を中空とし、サスペンションブリッジ型の積層レジストパターンを得た。ここでは、2.38TMAH水溶液を用い、パドル法で20秒×1回溶解工程を行い、その後水洗し乾燥した。
【0080】
次に、このようにして得られた積層レジストパターンをマスクとして用いて、パーマロイ膜のドライエッチングを行い、細幅とされたパターン化パーマロイ薄膜を形成した。ここでは、Veeco社製IBE−IBDによりアルゴンイオンによるミリング法を行った。条件としては、アルゴンガスの大気圧換算流量を10mL/min(10sccm)とし、圧力を2.7×10−2Pa(2×10−4Torr)、基板表面の垂線に対するミリング角度を5°、ビーム電流を300mA、ビーム電圧を直流300V、加速電圧を−500Vとして行った。
【0081】
次に、さらに積層レジストパターンの上から、金をスパッタリングし、細幅のパーマロイ薄膜を挟むようにされた金のパターン化薄膜を形成した。
【0082】
ここでは、上述のVeeco社製IBE−IBDを用い、5mL/min(5sccm)の大気圧換算流量とされた2.7×10−2Pa(2×10−4Torr)のアルゴンガス雰囲気中で、スパッタ角度を30°とし、ビーム電流を300mA,ビーム電圧を直流1500V、加速電圧を−200Vとし、金ターゲットを用い、50nm程度成膜した。
【0083】
そして、最後に、積層レジストパターンを剥離した。ここでは、50℃のNMP(N−メチルピロリドン)に1時間、浸漬、揺動することにより、第一レジストパターン、第二レジストパターン、第二レジストパターン上の被リフトオフ膜を溶解、除去した。
【0084】
このようにして得られた薄膜パターンで、特に積層レジストパターンの橋梁部に対応する細幅部分を、日立製作所製のCD−SEM S7800により観察したところ、0.1μm幅のパーマロイの孤立パターンを有すると共に、パーマロイパターンの外側に金パターンを有しており、パーマロイパターンと金パターンとの境界にバリ等はなく、良好なパーマロイ−金連続パターンが得られた。
【0085】
(第四実施形態)
次に、図23〜図36を参照して、第四実施形態として、上述した積層レジストパターン形成方法及びパターン化薄膜形成方法を適用したマイクロデバイスの製造方法の具体例としての、薄膜磁気ヘッドの製造方法、磁気ヘッドスライダの製造方法、磁気ヘッド装置の製造方法、磁気記録再生装置の製造方法について、特に、巨大磁気抵抗効果素子(以下GMR素子と称する)を用いた再生ヘッドを含む薄膜磁気ヘッドの場合を例にとって説明する。GMR素子としては、スピンバルブ膜や強磁性トンネル接合素子を上げることができる。
【0086】
図23は、ウエハー上でみた薄膜磁気ヘッド210の一つを拡大して示す断面図、図24は図23のIII−III面に沿った拡大断面図である。
【0087】
図示された薄膜磁気ヘッド210は、再生ヘッドと記録ヘッド(誘導型電磁変換素子)とを備えており、これらは、アルティック(Al2O3−TiC)等のセラミック材料よりなる基層1の上に搭載されている。基層1はスライダの基体(後述)を構成する。基層1の上には、スパッタリング法等によって、アルミナ(Al2O3)等の絶縁材料よりなる絶縁層2が、例えば1〜5μmの厚みに形成されている。下部シールド層3は、パーマロイ(NiFe)等の磁性材料よりなり、絶縁層2の上に、スパッタリング法又はメッキ法等によって、例えば、約3μmの厚みとなるように形成されている。
【0088】
再生ヘッドは、GMR素子121と、下部シールド層3と、上部シールド層兼下部磁極層8と、下部シールドギャップ層101と、上部シールドギャップ層7とを有している。下部シールド層3及び上部シールド層兼下部磁極層8は、GMR素子121を挟んで対向するように配置されている。
【0089】
下部シールド層3の上には、下部シールドギャップ層101が形成されている。下部シールドギャップ層101は、アルミナ等の絶縁材料よりなり、スパッタ等によって、例えば10〜200nmの厚み(最小厚み)に形成されている。下部シールドギャップ層101上には、パターン化薄膜としてのGMR素子121と、このGMR素子121の両側に接続されるパターン化薄膜としての電極層107とが、それぞれ、例えば数十nmの厚みに形成されている。
【0090】
GMR素子121及び電極層107は、上部シールドギャップ層7によって覆われている。上部シールドギャップ層7は、アルミナ等の絶縁材料よりなり、スパッタ等によって、例えば10〜200nmの厚み(最小厚み)に形成されている。記録ヘッドは、上部シールド層兼下部磁極層8、上部磁極層12、記録ギャップ層9及び薄膜コイル15a,15b等を有している。上部シールド層兼下部磁極層8及び上部磁極層12は、互いに磁気的に連結されている。
【0091】
上部シールド層兼下部磁極層8は、上部シールドギャップ層7の上に形成されている。記録ギャップ層9は上部シールド層兼下部磁極層8の磁極部分と上部磁極層12の磁極部分との間に設けられている。薄膜コイル15a,15bは上部シールド層兼下部磁極層8及び上部磁極層12の間のインナーギャップ間に、絶縁層11,14,16で絶縁された状態で配設されている。記録ヘッドは、アルミナ等の保護膜17によって覆われている。
【0092】
次に、上述した薄膜磁気ヘッドについて、本発明に係るレジストパターン形成方法及びパターン化薄膜形成方法を用いて、GMR素子121を形成するプロセスを説明する。
【0093】
まず、図25に示すように、基層1の上に、絶縁層2、下部シールド層3及び下部シールドギャップ層101を形成する。下部シールドギャップ層101は、GMR素子を形成すべき領域をくぼませてある。
【0094】
次に、図26に示すように、下部シールドギャップ層101の上に、再生用のGMR素子となる被パターニング膜102を形成し、基板10とする。図26では被パターニング膜102は、単層表示であるが、実際には多層膜構造である。
【0095】
次に、図27に示すように、被パターニング膜102の上に、第一レジスト層103を形成する。第一レジスト層103は、すでに述べたような基本的特性を有するレジスト材料、具体的には、例えば、PMGI等で構成される。
【0096】
次に、図28に示すように、第一レジスト層103の上に第二レジスト層104を形成する。第二レジスト層104は、前述したように、具体的には、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等が用いられる。
【0097】
次に、図29に示すように、マスク105を介して、第二レジスト層104を所定のパターンの潜像形成用の光で露光して、第二レジスト層104に所定のパターンの潜像を形成する。マスク105は、潜像がGMR素子の位置に形成されるように位置合わせされる。
【0098】
次に、図30に示すように、現像液によって、露光後の第二レジスト層104を現像し、現像後、水洗と乾燥とを行い、橋梁部112cを有する第二レジストパターン112を形成する。このとき、第一レジスト層103の一部も溶解される。
【0099】
次に、図31に示すように、第二レジストパターン112を含む基板表面全面に対して、電子線を照射し、第二レジストパターン112を架橋させる。
【0100】
次に、図32に示すように、第一レジスト層103の一部をアルカリ水溶液等の現像液で選択的に溶解し、水洗・乾燥して、隙間115c等を有するサスペンションブリッジ型の積層レジストパターン150を形成する。
【0101】
なお、被パターニング膜102及び積層レジストパターン150の表面の全面をアッシング処理してもよい。
【0102】
次に、図33に示すように、例えばイオンミリングによって、被パターニング膜102を選択的にエッチングし、パターン化薄膜としてのGMR素子121を形成する。積層レジストパターン150の第二レジストパターン112は電子線により架橋されて硬化し、耐熱性、機械的強度が向上されているので、パターン精度の極めて高いGMR素子121を得ることができる。
【0103】
次に、図34に示すように、下部シールドギャップ層101及び積層レジストパターン150上の全面に、GMR素子121に電気的に接続される一対の電極層107を、スパッタ、CVD等の薄膜形成手段によって、積層レジストパターン150をマスクとして、所定のパターンに形成する。この工程では、必要であれば、磁区制御膜も形成できる。
【0104】
次に、リフトオフ法によって、積層レジストパターン150を除去する。
【0105】
以上で、本実施形態のGMR素子の形成工程が終了する。本実施形態における他の作用効果は、第三実施形態と同様である。
【0106】
次に、本実施形態の製造方法で得られるハードディスク装置(磁気記録再生装置)、ヘッドアームアセンブリ(HAA:Head Arms Assembly)磁気ヘッド装置)、スライダ(磁気ヘッドスライダ)の概略を説明する。
【0107】
図35は、本実施形態の製造方法で得られる薄膜磁気ヘッドを備えたハードディスク装置(磁気記録再生装置)201を示す図である。ハードディスク装置201は、ヘッドアームアセンブリ(HAA:Head Arms Assembly)(磁気ヘッド装置)215を作動させて、高速回転するハードディスク(磁気記録媒体)202の記録面(図35の上面)に、薄膜磁気ヘッド210によって磁気情報(磁気信号)を記録及び再生するものである。ヘッドアームアセンブリ215は、薄膜磁気ヘッド210が形成されたスライダ(磁気ヘッドスライダ)211を搭載したジンバル(ヘッド支持装置)212と、これが接続されたサスペンションアーム213とを備え、支軸214周りに例えばボイスコイルモータによって回転可能となっている。ヘッドアームアセンブリ215を回転させると、スライダ211は、ハードディスク202の半径方向、すなわちトラックラインを横切る方向に移動する。
【0108】
図36は、スライダ211の拡大斜視図である。スライダ211は、略直方体形状をなし、アルティック(Al2O3・TiC)からなる基台211a上に、薄膜磁気ヘッド210が形成されている。同図における手前側の面は、ハードディスク202の記録面に対向する面であり、エアベアリング面(ABS:Air Bearing Surface)Sと称されるものである。ハードディスク202が回転する際、この回転に伴う空気流によってスライダ211が浮上し、エアベアリング面Sはハードディスク202の記録面から離隔する。薄膜磁気ヘッド210には記録用端子218a,218b及び再生用端子219a,219bが設けられており、図35に示したサスペンションアーム213には、各端子に接続される、電気信号の入出力用の配線(図示省略)が取付けられている。また、薄膜磁気ヘッド210を保護するために、図中破線で示したオーバーコート層221が設けられている。なお、エアベアリング面Sに、DLC(Diamond Like Carbon)等のコーティングを施してもよい。
【0109】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形態様をとることが可能である。
【0110】
例えば、上記実施形態においては、橋梁部112cの下の第一レジスト層103を除去して、橋梁部112cの幅方向に貫通する隙間115cを形成したサスペンションブリッジ型のレジストパターンとしているが、これに限られず、隙間としてのアンダカットのみが形成されたレジストパターンとしてもよく、この場合でも、アンダカットの上の第二レジストパターン112のだれ等の変形が防止され、同様の作用効果が得られる。
【0111】
また、第1〜第4実施形態におけるマイクロデバイスとしては、薄膜磁気ヘッドに限らず、薄膜インダクタ、半導体デバイス、薄膜センサ、薄膜アクチュエータ等に適用でき、又は、これらを含んだ装置の製造に適用できる。
【0112】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、形成された第二レジストパターンに電子線を照射するので、この第二レジストパターンが架橋されて硬化する。このため、第二レジストパターンの機械的強度や、耐熱性が強化され、第二レジストパターンで隙間を挟んで基板と対向する部分が変形しにくい。これにより、精度の高いレジストパターンが得られ、その後の製造プロセスにおける歩留まりを向上できる。また、微細なレジストパターンの形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る積層レジストパターンの上面図である。
【図2】図1のI−I矢視図である。
【図3】図1のII−II矢視図である。
【図4】第一実施形態の積層レジストパターンの形成方法等を説明するための断面図である。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】図7(a)、図7(b)、図7(c)は、図6に続く工程を説明するための端面図である。
【図8】図7(a)に続く工程を説明するための端面図である。
【図9】図8に続く工程を説明するための端面図である。
【図10】図9に続く工程を説明するための端面図である。
【図11】図10に続く工程を説明するための端面図である。
【図12】第二実施形態の積層レジストパターンの形成方法等を説明するための断面図である。
【図13】図12に続く工程を説明するための断面図である。
【図14】図13に続く工程を説明するための断面図である。
【図15】図14に続く工程を説明するための断面図である。
【図16】図15に続く工程を説明するための端面図である。
【図17】図16に続く工程を説明するための端面図である。
【図18】図17に続く工程を説明するための端面図である。
【図19】図18に続く工程を説明するための端面図である。
【図20】図19に続く工程を説明するための端面図である。
【図21】第三実施形態のパターン化薄膜の形成方法等を説明するための端面図である。
【図22】図21に続く工程を説明するための端面図である。
【図23】第四実施形態に係る薄膜磁気ヘッドを説明するための断面図である。
【図24】図23のIII−III矢視図である。
【図25】GMR素子を製造する工程を説明するための断面図である。
【図26】図25に続く工程を説明するための断面図である。
【図27】図26に続く工程を説明するための断面図である。
【図28】図27に続く工程を説明するための断面図である。
【図29】図28に続く工程を説明するための断面図である。
【図30】図29に続く工程を説明するための端面図である。
【図31】図30に続く工程を説明するための端面図である。
【図32】図31に続く工程を説明するための端面図である。
【図33】図32に続く工程を説明するための端面図である。
【図34】図33に続く工程を説明するための端面図である。
【図35】第四実施形態で製造するハードディスク装置を示す斜視図である。
【図36】図35中の磁気ヘッドスライダを示す斜視図である。
【符号の説明】
10…基板、103…第一レジスト層、104…第二レジスト層、112…第二レジストパターン、115a,115b,115c…隙間、150…積層レジストパターン(レジストパターン)、201…ハードディスク装置(磁気記録再生装置)、202…ハードディスク(磁気記録媒体)、210…薄膜磁気ヘッド、211…スライダ(磁気ヘッドスライダ)、212…ジンバル(ヘッド支持装置)、215…ヘッドアームアセンブリ(磁気ヘッド装置)。
Claims (15)
- 基板に、前記基板との間に隙間が形成されたレジストパターンを形成する方法であって、
前記基板に、前記第一レジスト層と第二レジスト層とを順次積層するレジスト積層工程と、
前記第二レジスト層を露光し現像して第二レジストパターンを形成する第二レジストパターン形成工程と、
前記第二レジストパターンに電子線を照射する電子線照射工程と、
前記第二レジストパターンと前記基板との間の第一レジスト層を除去して前記隙間を形成する隙間形成工程と、
を含むことを特徴とする、レジストパターン形成方法。 - 前記隙間形成工程を、前記電子線照射工程の後に行うことを特徴とする、請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記第二レジスト層は、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン樹脂及びポリビニルフェノール樹脂の少なくともひとつを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記第一レジスト層は、アルカリ性水溶液によって溶解可能であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記第一レジスト層はポリイミド樹脂を含むことを特徴とする、請求項4に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記ポリイミド樹脂は、ポリメチルグルタルイミドであることを特徴とする、請求項5に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記電子線照射工程において、前記電子線を前記基板の全面にわたって照射することを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のレジストパターン形成方法。
- レジストパターン形成工程と、パターン化薄膜形成工程とを含むパターン化薄膜形成方法であって、
前記レジストパターン形成工程は、請求項1〜7の何れか一項に記載された工程を含み、
前記パターン化薄膜形成工程は、前記レジストパターン形成工程で得られたレジストパターンを用いてパターン化薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする、パターン化薄膜形成方法。 - 前記パターン化薄膜形成工程は、前記レジストパターンをマスクとして前記基板をエッチングするエッチング工程を含むことを特徴とする、請求項8に記載のパターン化薄膜形成方法。
- 前記パターン化薄膜形成工程は、前記レジストパターンをマスクとして、前記基板上に薄膜材料を析出させる析出工程を含むことを特徴とする、請求項8又は9に記載のパターン化薄膜形成方法。
- パターン化薄膜を含むマイクロデバイスの製造方法において、前記パターン化薄膜を請求項8〜10の何れか一項に記載のパターン化薄膜形成方法によって形成することを特徴とする、マイクロデバイスの製造方法。
- 前記マイクロデバイスは薄膜磁気ヘッドであり、前記薄膜磁気ヘッドを請求項11に記載の製造方法を用いて製造することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- 薄膜磁気ヘッドを備える磁気ヘッドスライダの製造方法であって、前記薄膜磁気ヘッドを請求項12に記載の製造方法を用いて製造することを特徴とする、磁気ヘッドスライダの製造方法。
- 薄膜磁気ヘッドと、前記薄膜磁気ヘッドを支持するヘッド支持装置と、を含む磁気ヘッド装置の製造方法であって、前記薄膜磁気ヘッドを請求項12に記載の製造方法を用いて製造することを特徴とする、磁気ヘッド装置の製造方法。
- 薄膜磁気ヘッド及び前記薄膜磁気ヘッドを支持するヘッド支持装置を含む磁気ヘッド装置と、前記薄膜磁気ヘッドと協働して磁気記録再生を行う磁気記録媒体と、を有する磁気記録再生装置の製造方法であって、前記磁気ヘッド装置を請求項14に記載の製造方法で製造することを特徴とする、磁気記録再生装置の製造方法。
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JP2002160269A JP2004004345A (ja) | 2002-05-31 | 2002-05-31 | レジストパターン形成方法、パターン化薄膜形成方法、マイクロデバイスの製造方法、薄膜磁気ヘッドの製造方法、磁気ヘッドスライダの製造方法、磁気ヘッド装置の製造方法、磁気記録再生装置の製造方法 |
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US7338614B2 (en) * | 2005-04-05 | 2008-03-04 | Analog Devices, Inc. | Vapor HF etch process mask and method |
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2002
- 2002-05-31 JP JP2002160269A patent/JP2004004345A/ja not_active Withdrawn
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