JP2004003773A - 熱交換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱効率を向上すると共に、結露防止によって耐久性を向上する。
【解決手段】一定間隔で水平方向に並べた複数の板状フィン1と、燃焼ガスの通過方向に対し、水平および上下方向に複数の伝熱管2a、2bを有し、板状フィン1には燃焼ガスの流れ方向を変更する案内板10を、また伝熱管のうち燃焼ガスの通過方向に対して下流側伝熱管2bにはその上流側を囲い板状フィンを切り起こして成形した突起11を、さらに下流側には切り欠き穴12をそれぞれ設けている。
【選択図】 図7
【解決手段】一定間隔で水平方向に並べた複数の板状フィン1と、燃焼ガスの通過方向に対し、水平および上下方向に複数の伝熱管2a、2bを有し、板状フィン1には燃焼ガスの流れ方向を変更する案内板10を、また伝熱管のうち燃焼ガスの通過方向に対して下流側伝熱管2bにはその上流側を囲い板状フィンを切り起こして成形した突起11を、さらに下流側には切り欠き穴12をそれぞれ設けている。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯用の熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の熱交換器を備えた給湯装置は、ガスまたはガス化した灯油を燃料とし、空気と混合させたガスでバーナ3を燃焼させ、前記バーナ3の上部に燃焼室7を構成する熱交換器4が備えられている。熱交換器4は、図9に示すような一定間隔で垂直に並べたれた板状フィン1と、この板状フィン1に垂直に挿入された伝熱管2から構成されている。前記バーナ3で加熱された燃焼ガス5は流動して伝熱管2内の水と熱交換する。このとき吸収されなかった熱は、排気ガスとして高温のまま排気口6から排出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成の熱交換器では、燃焼ガス5は図9に示すように伝熱管2の間をすり抜けて高温のまま通過し、給湯装置の排気口6より排出されるため、熱効率が低下するという問題点があった。
【0004】
また、燃焼ガス5中には燃焼によって発生した水分が水蒸気として含有しており、低空気過剰率で燃焼させた場合や燃焼量を絞って燃焼させた場合には燃焼ガスが熱交換器で冷却され飽和水蒸気となり、低温であるフィンに結露水となって着水する。この結露水は燃焼ガス中のCO2やNOxによって高酸性水となっており、銅フィンの酸化を促進し、酸化物によってフィン間の距離が短くなりフィン間の閉塞を生じ熱交換器の耐久性を著しく悪化させ、給湯機の故障要因となる。
【0005】
よって給湯用熱交換器としては熱効率を向上させ、かつ結露水を発生させないことが重要な技術課題となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、一定間隔で水平方向に並べた複数の板状フィンと、前記板状フィンには複数の伝熱管を有し、前記板状フィンには燃焼ガスの流れ方向を変更する案内板を設けたものである。そして、案内板によって燃焼ガスを最もフィン効率の高い伝熱管の方向に導いて熱効率を向上させたり、結露が発生しやすい低温部に熱を導いたりすることで結露発生を防止する。
【0007】
【発明の実施の形態】
前記従来の問題を解決するために、請求項1記載の発明は一定間隔で水平方向に並べた複数の板状フィンと、前記板状フィンには複数の伝熱管を有し、前記板状フィンには燃焼ガスの流れ方向を変更する案内板を設けたものであり、案内板によって燃焼ガスを最もフィン効率の高い伝熱管の方向に導いて熱効率を向上させたり、結露が発生しやすい低温部に熱を導いたりすることで結露発生を防止することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、一定間隔で水平方向に並べた複数の板状フィンと、前記板状フィンには複数の伝熱管を有し、前記板状フィンには伝熱管を囲う突起を設けたものであり、最もフィン効率の高い伝熱管の近くでの熱の吸収を多くすることで熱効率を高める。また、熱の吸収を多くするためフィン温度が高くなり結露も防止できる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、板状フィンには燃焼ガスの通過方向に対し上下方向に複数段の伝熱管を有し、前記伝熱管のうち燃焼ガスの通過方向に対して下流側に、前記伝熱管を囲う突起を設けたものである。まず燃焼ガスの流れに対して上流側に設けられた伝熱管で燃焼ガスの熱を吸収するため、燃焼ガスの温度は低くなり、下流側の伝熱管の吸熱量は少なくなる。また、このことにより燃焼ガスの流れに対して下流程フィン温度が低くなり結露が発生しやすい。しかし、この方式によれば、伝熱管下流側に設けられた突起により、伝熱管下流側の吸熱量を増やすことができるため、結露防止性能と熱効率を向上させることができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、板状フィンに伝熱管の燃焼ガスの通過方向に対して上流側を囲う突起を、下流側には切り欠き穴を設けたものである。フィンの下流程燃焼ガスの温度が低くなっているため、フィン温度は低温になり結露が発生しやすい。この方式によれば、切り欠き穴を設けることでフィン低温部面積を少なくすることができるため結露の発生を防止することができる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、突起は板状フィンを切り起こすことにより設けることにより加工が簡単なうえ、切り起こしにより生じた穴により突起が吸収した熱は、下流側の伝熱管に伝わる。したがって伝熱管上流側に吸収される熱量が減少し、伝熱管下流側に流れ吸収される熱量が増加するため板状フィン1の温度差が少なくなり、さらなる結露現象防止や温度差による熱応力発生による伝熱管等の亀裂の発生を防止することができる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は案内板や突起部の高さを、板状フィン間の間隔と同じ距離にしたものであり、フィン間距離を精度よく管理するものである。したがって熱交換器の伝熱性能のバラツキを減少し、機器の出湯能力を安定化できる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例1について図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例1の給湯用熱交換器を組み込んだ給湯機の構成図であり、3はバーナ、7は燃焼室、6は排気口である。熱交換器4は一定間隔で板状フィン1が並設され、胴体9で包囲される。図2は板状フィン1の正面図であり、板状フィン1には案内板10が設けられている。バーナ3で加熱された燃焼ガス5は案内板10によって最もフィン効率の高い伝熱管周辺に導かれるため熱効率を向上させることができる。この結果、同じ大きさの熱交換器4であれば熱効率を高くすることができ、燃料の削減を図り、エネルギーの有効利用、ひいてはCO2の削減、地球温暖化を防止できる。また、同じ熱効率で良いのであれば熱交換器4を小さくして小型軽量化できる。
【0014】
また、給湯用熱交換器の性能として熱効率とともに要求される性能には耐久性能があるが、耐久性能の大部分を占める結露について説明する。給湯機では燃焼ガス中に燃焼によって発生した水分が水蒸気として含有しており、低空気過剰率で燃焼させた場合や燃焼量を絞って燃焼させた場合には燃焼ガスが熱交換器で冷却され飽和水蒸気となり低温であるフィンの後流部に結露水となって付着する。この結露水は燃焼ガス中のCO2やNOxによって高酸性水となっており、銅フィンの酸化を促進し、酸化物の堆積によってフィン間の距離が短くなりフィン間の閉塞を生じ熱交換器の耐久性を著しく悪化させるとともに、不完全燃焼を誘発し、給湯機の故障原因となる。したがって、結露水を発生させない、もしくは発生したとしても、フィンに滞留させないでフィンから流れ落ちる構成にしておく必要がある。案内板10により、従来は伝熱管が抵抗になり燃焼ガス5が流れにくく、低温になりやすいかった伝熱管の下流側(A部)にも高温の燃焼ガス5を導くことにより、フィン低温部に付着する結露水の発生を防止することができるため、熱交換器の耐久性能も向上できる。
【0015】
(実施例2)
次に本発明の実施例2について図3(a)、(b)を用いて説明する。図3(a)は板状フィン1の正面、図(b)は側面図である。実施例2の板状フィン1では、伝熱管2を囲う円状の突起11を設けている。この構成では、円状の突起11が燃焼ガス5の流れの抵抗となってバーナ3で加熱された高温の燃焼ガス5が突起11に当たることにより、従来では通り抜けていた熱も突起11を通じてフィンから伝熱管に有効に伝達される。さらに、フィン効率の高い伝熱管周辺でのフィン面積が突起11により増加することになる。これらのことから、熱効率を向上させることができ、また熱の吸収を多くするためフィンの温度高くなり結露も防止できる。
【0016】
(実施例3)
次に本発明の実施例3について図4を用いて説明する。実施例3において実施例1、2と相違する点は、板状フィン1には燃焼ガスの通過方向に対し上下方向に複数段(本実施例3では一例として2段とした)の伝熱管2a、2bを備えている点と、燃焼ガス5の通過方向に対して下流側(伝熱管2b)だけ、伝熱管を囲う突起11を設けたことである。また、図5には板状フィンの温度分布を示している。図5に示したように、従来の板状フィンでは図9に示す板状フィン1の高さ位置Hが大きいほど、すなわち燃焼ガス5の流れ方向に対して下流側に行くほど温度が低くなり、特に複数段の伝熱管を備えている場合は結露の発生域に入っており、高さ位置Hによる温度差も大きい。
【0017】
すなわちこのことは、バーナ3で加熱された高温の燃焼ガス5の熱が先に伝熱管下段2aで奪われて、燃焼ガス5の温度が低くなった後、伝熱管上段2bで熱交換されるために伝熱管上段2bの方が熱の吸収割合が低いことを意味している。実施例3に示す構成によれば、伝熱管上段2bに設けた突起11により、上段側だけ熱吸収を良くすることができる。すなわち上段側の突起11が燃焼ガス5の流れの抵抗となって燃焼ガスの熱を受ける。
【0018】
そしてフィン効率の高い伝熱管周辺でのフィン面積が突起11により増加することになる。よって高さ位置Hが下流側でのフィン温度が高くなるため結露を防止しながら、伝熱管を複数段備えることで更なる熱効率の向上が可能である。
【0019】
(実施例4)
次に本発明の実施例4について図6を用いて説明する。実施例4において実施例3と相違する点は、板状フィン1に伝熱管上段2bの上流を囲う半円状の突起11を設け、伝熱管上段2bの下流側には、切り欠き穴12を設けたことである。
【0020】
図5にも示した通り、板状フィン1高さHが大きくなるほどフィン温度が低下して結露が発生しやすくなる。よってフィンの低温度部に切り欠き穴12を設けることにより、フィン低温部面積を減少させて更なる結露防止を図るものである。
【0021】
(実施例5)
次に本発明の実施例5について図7を用いて説明する。実施例5において実施例4と相違する点は、突起部11を板状フィン1の切り起しで設けることによって切り起こし穴14が設けられることである。板状フィン1の保有熱は伝熱管下段2a、伝熱管上段2bの双方に伝わり熱交換されていたが、突起部11を切り起こしにより設けることによって生じる切り起こし穴14により、突起11が受けた熱はほとんど伝熱管上段2bに伝わり熱交換されることになる。すなわち切り起こし穴14があることにより熱が伝熱管下段2a側に伝わらない。したがって伝熱管下段2a側に流れ吸収される熱量が減少し、伝熱管上段2b側に流れ吸収される熱量が増加するため、図5に示す様に板状フィン高さHによる温度差が少なくなり、さらなる結露現象防止や温度差による熱応力発生による伝熱管等の亀裂の発生を防止することができる。
【0022】
(実施例6)
次に本発明の実施例6について図8を用いて説明する。実施例6において実施例5と相違する点は案内板10や突起11の高さを板状フィン1の間隔13と同距離にすることである。従来フィン配置時にフィン間距離固定治具を要していたが本発明では板状フィン1を重ね合わせて組むだけでフィン間距離を精度よく管理することができ、燃焼ガス5を各板状フィン1間に均一に供給できることから熱交換器4の伝熱性能のバラツキを減少し、機器の出湯能力を安定化できる。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の熱交換器によれば次の効果が得られる。すなわち、熱交換器の性能を左右する熱効率と結露性能において、熱効率を向上させながら結露の発生をおさえられるため、同じ大きさの熱交換器であれば熱効率を高くすることができ、燃料の削減を図り、エネルギーの有効利用、ひいてはCO2の削減、地球温暖化を防止できる。また、同じ熱効率で良いのであれば熱交換器を小さくして小型軽量化できる。また、結露水の発生を防止できるため、結露水によるは銅フィンの酸化を防止し、この酸化物の堆積によるフィン間の閉塞を防げるため熱交換器の耐久性を著しく向上させるとともに、安全性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の給湯用熱交換器を組み込んだ給湯装置の構成図
【図2】同装置における板状フィンの正面図
【図3】(a)本発明の実施例2における板状フィンの正面図
(b)同板状フィンの部分側面断面図
【図4】本発明の実施例3における板状フィンの正面図
【図5】同板状フィンの温度分布特性図
【図6】本発明の実施例4における板状フィンの正面図
【図7】本発明のの実施例5における板状フィンの正面図
【図8】本発明の実施例6における板状フィンの部分側面断面図
【図9】従来の板状フィンの正面図
【符号の説明】
1 板状フィン
2 伝熱管
3 バーナ
4 熱交換器
5 燃焼ガス
6 排気口
7 燃焼室
9 胴体
10 案内板
11 突起
12 切り欠き穴
13 フィン間隔
14 切り起こし穴
15 案内板高さ
16 突起高さ
17 結露発生部
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯用の熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の熱交換器を備えた給湯装置は、ガスまたはガス化した灯油を燃料とし、空気と混合させたガスでバーナ3を燃焼させ、前記バーナ3の上部に燃焼室7を構成する熱交換器4が備えられている。熱交換器4は、図9に示すような一定間隔で垂直に並べたれた板状フィン1と、この板状フィン1に垂直に挿入された伝熱管2から構成されている。前記バーナ3で加熱された燃焼ガス5は流動して伝熱管2内の水と熱交換する。このとき吸収されなかった熱は、排気ガスとして高温のまま排気口6から排出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成の熱交換器では、燃焼ガス5は図9に示すように伝熱管2の間をすり抜けて高温のまま通過し、給湯装置の排気口6より排出されるため、熱効率が低下するという問題点があった。
【0004】
また、燃焼ガス5中には燃焼によって発生した水分が水蒸気として含有しており、低空気過剰率で燃焼させた場合や燃焼量を絞って燃焼させた場合には燃焼ガスが熱交換器で冷却され飽和水蒸気となり、低温であるフィンに結露水となって着水する。この結露水は燃焼ガス中のCO2やNOxによって高酸性水となっており、銅フィンの酸化を促進し、酸化物によってフィン間の距離が短くなりフィン間の閉塞を生じ熱交換器の耐久性を著しく悪化させ、給湯機の故障要因となる。
【0005】
よって給湯用熱交換器としては熱効率を向上させ、かつ結露水を発生させないことが重要な技術課題となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、一定間隔で水平方向に並べた複数の板状フィンと、前記板状フィンには複数の伝熱管を有し、前記板状フィンには燃焼ガスの流れ方向を変更する案内板を設けたものである。そして、案内板によって燃焼ガスを最もフィン効率の高い伝熱管の方向に導いて熱効率を向上させたり、結露が発生しやすい低温部に熱を導いたりすることで結露発生を防止する。
【0007】
【発明の実施の形態】
前記従来の問題を解決するために、請求項1記載の発明は一定間隔で水平方向に並べた複数の板状フィンと、前記板状フィンには複数の伝熱管を有し、前記板状フィンには燃焼ガスの流れ方向を変更する案内板を設けたものであり、案内板によって燃焼ガスを最もフィン効率の高い伝熱管の方向に導いて熱効率を向上させたり、結露が発生しやすい低温部に熱を導いたりすることで結露発生を防止することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、一定間隔で水平方向に並べた複数の板状フィンと、前記板状フィンには複数の伝熱管を有し、前記板状フィンには伝熱管を囲う突起を設けたものであり、最もフィン効率の高い伝熱管の近くでの熱の吸収を多くすることで熱効率を高める。また、熱の吸収を多くするためフィン温度が高くなり結露も防止できる。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、板状フィンには燃焼ガスの通過方向に対し上下方向に複数段の伝熱管を有し、前記伝熱管のうち燃焼ガスの通過方向に対して下流側に、前記伝熱管を囲う突起を設けたものである。まず燃焼ガスの流れに対して上流側に設けられた伝熱管で燃焼ガスの熱を吸収するため、燃焼ガスの温度は低くなり、下流側の伝熱管の吸熱量は少なくなる。また、このことにより燃焼ガスの流れに対して下流程フィン温度が低くなり結露が発生しやすい。しかし、この方式によれば、伝熱管下流側に設けられた突起により、伝熱管下流側の吸熱量を増やすことができるため、結露防止性能と熱効率を向上させることができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、板状フィンに伝熱管の燃焼ガスの通過方向に対して上流側を囲う突起を、下流側には切り欠き穴を設けたものである。フィンの下流程燃焼ガスの温度が低くなっているため、フィン温度は低温になり結露が発生しやすい。この方式によれば、切り欠き穴を設けることでフィン低温部面積を少なくすることができるため結露の発生を防止することができる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、突起は板状フィンを切り起こすことにより設けることにより加工が簡単なうえ、切り起こしにより生じた穴により突起が吸収した熱は、下流側の伝熱管に伝わる。したがって伝熱管上流側に吸収される熱量が減少し、伝熱管下流側に流れ吸収される熱量が増加するため板状フィン1の温度差が少なくなり、さらなる結露現象防止や温度差による熱応力発生による伝熱管等の亀裂の発生を防止することができる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は案内板や突起部の高さを、板状フィン間の間隔と同じ距離にしたものであり、フィン間距離を精度よく管理するものである。したがって熱交換器の伝熱性能のバラツキを減少し、機器の出湯能力を安定化できる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例1について図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施例1の給湯用熱交換器を組み込んだ給湯機の構成図であり、3はバーナ、7は燃焼室、6は排気口である。熱交換器4は一定間隔で板状フィン1が並設され、胴体9で包囲される。図2は板状フィン1の正面図であり、板状フィン1には案内板10が設けられている。バーナ3で加熱された燃焼ガス5は案内板10によって最もフィン効率の高い伝熱管周辺に導かれるため熱効率を向上させることができる。この結果、同じ大きさの熱交換器4であれば熱効率を高くすることができ、燃料の削減を図り、エネルギーの有効利用、ひいてはCO2の削減、地球温暖化を防止できる。また、同じ熱効率で良いのであれば熱交換器4を小さくして小型軽量化できる。
【0014】
また、給湯用熱交換器の性能として熱効率とともに要求される性能には耐久性能があるが、耐久性能の大部分を占める結露について説明する。給湯機では燃焼ガス中に燃焼によって発生した水分が水蒸気として含有しており、低空気過剰率で燃焼させた場合や燃焼量を絞って燃焼させた場合には燃焼ガスが熱交換器で冷却され飽和水蒸気となり低温であるフィンの後流部に結露水となって付着する。この結露水は燃焼ガス中のCO2やNOxによって高酸性水となっており、銅フィンの酸化を促進し、酸化物の堆積によってフィン間の距離が短くなりフィン間の閉塞を生じ熱交換器の耐久性を著しく悪化させるとともに、不完全燃焼を誘発し、給湯機の故障原因となる。したがって、結露水を発生させない、もしくは発生したとしても、フィンに滞留させないでフィンから流れ落ちる構成にしておく必要がある。案内板10により、従来は伝熱管が抵抗になり燃焼ガス5が流れにくく、低温になりやすいかった伝熱管の下流側(A部)にも高温の燃焼ガス5を導くことにより、フィン低温部に付着する結露水の発生を防止することができるため、熱交換器の耐久性能も向上できる。
【0015】
(実施例2)
次に本発明の実施例2について図3(a)、(b)を用いて説明する。図3(a)は板状フィン1の正面、図(b)は側面図である。実施例2の板状フィン1では、伝熱管2を囲う円状の突起11を設けている。この構成では、円状の突起11が燃焼ガス5の流れの抵抗となってバーナ3で加熱された高温の燃焼ガス5が突起11に当たることにより、従来では通り抜けていた熱も突起11を通じてフィンから伝熱管に有効に伝達される。さらに、フィン効率の高い伝熱管周辺でのフィン面積が突起11により増加することになる。これらのことから、熱効率を向上させることができ、また熱の吸収を多くするためフィンの温度高くなり結露も防止できる。
【0016】
(実施例3)
次に本発明の実施例3について図4を用いて説明する。実施例3において実施例1、2と相違する点は、板状フィン1には燃焼ガスの通過方向に対し上下方向に複数段(本実施例3では一例として2段とした)の伝熱管2a、2bを備えている点と、燃焼ガス5の通過方向に対して下流側(伝熱管2b)だけ、伝熱管を囲う突起11を設けたことである。また、図5には板状フィンの温度分布を示している。図5に示したように、従来の板状フィンでは図9に示す板状フィン1の高さ位置Hが大きいほど、すなわち燃焼ガス5の流れ方向に対して下流側に行くほど温度が低くなり、特に複数段の伝熱管を備えている場合は結露の発生域に入っており、高さ位置Hによる温度差も大きい。
【0017】
すなわちこのことは、バーナ3で加熱された高温の燃焼ガス5の熱が先に伝熱管下段2aで奪われて、燃焼ガス5の温度が低くなった後、伝熱管上段2bで熱交換されるために伝熱管上段2bの方が熱の吸収割合が低いことを意味している。実施例3に示す構成によれば、伝熱管上段2bに設けた突起11により、上段側だけ熱吸収を良くすることができる。すなわち上段側の突起11が燃焼ガス5の流れの抵抗となって燃焼ガスの熱を受ける。
【0018】
そしてフィン効率の高い伝熱管周辺でのフィン面積が突起11により増加することになる。よって高さ位置Hが下流側でのフィン温度が高くなるため結露を防止しながら、伝熱管を複数段備えることで更なる熱効率の向上が可能である。
【0019】
(実施例4)
次に本発明の実施例4について図6を用いて説明する。実施例4において実施例3と相違する点は、板状フィン1に伝熱管上段2bの上流を囲う半円状の突起11を設け、伝熱管上段2bの下流側には、切り欠き穴12を設けたことである。
【0020】
図5にも示した通り、板状フィン1高さHが大きくなるほどフィン温度が低下して結露が発生しやすくなる。よってフィンの低温度部に切り欠き穴12を設けることにより、フィン低温部面積を減少させて更なる結露防止を図るものである。
【0021】
(実施例5)
次に本発明の実施例5について図7を用いて説明する。実施例5において実施例4と相違する点は、突起部11を板状フィン1の切り起しで設けることによって切り起こし穴14が設けられることである。板状フィン1の保有熱は伝熱管下段2a、伝熱管上段2bの双方に伝わり熱交換されていたが、突起部11を切り起こしにより設けることによって生じる切り起こし穴14により、突起11が受けた熱はほとんど伝熱管上段2bに伝わり熱交換されることになる。すなわち切り起こし穴14があることにより熱が伝熱管下段2a側に伝わらない。したがって伝熱管下段2a側に流れ吸収される熱量が減少し、伝熱管上段2b側に流れ吸収される熱量が増加するため、図5に示す様に板状フィン高さHによる温度差が少なくなり、さらなる結露現象防止や温度差による熱応力発生による伝熱管等の亀裂の発生を防止することができる。
【0022】
(実施例6)
次に本発明の実施例6について図8を用いて説明する。実施例6において実施例5と相違する点は案内板10や突起11の高さを板状フィン1の間隔13と同距離にすることである。従来フィン配置時にフィン間距離固定治具を要していたが本発明では板状フィン1を重ね合わせて組むだけでフィン間距離を精度よく管理することができ、燃焼ガス5を各板状フィン1間に均一に供給できることから熱交換器4の伝熱性能のバラツキを減少し、機器の出湯能力を安定化できる。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の熱交換器によれば次の効果が得られる。すなわち、熱交換器の性能を左右する熱効率と結露性能において、熱効率を向上させながら結露の発生をおさえられるため、同じ大きさの熱交換器であれば熱効率を高くすることができ、燃料の削減を図り、エネルギーの有効利用、ひいてはCO2の削減、地球温暖化を防止できる。また、同じ熱効率で良いのであれば熱交換器を小さくして小型軽量化できる。また、結露水の発生を防止できるため、結露水によるは銅フィンの酸化を防止し、この酸化物の堆積によるフィン間の閉塞を防げるため熱交換器の耐久性を著しく向上させるとともに、安全性も向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の給湯用熱交換器を組み込んだ給湯装置の構成図
【図2】同装置における板状フィンの正面図
【図3】(a)本発明の実施例2における板状フィンの正面図
(b)同板状フィンの部分側面断面図
【図4】本発明の実施例3における板状フィンの正面図
【図5】同板状フィンの温度分布特性図
【図6】本発明の実施例4における板状フィンの正面図
【図7】本発明のの実施例5における板状フィンの正面図
【図8】本発明の実施例6における板状フィンの部分側面断面図
【図9】従来の板状フィンの正面図
【符号の説明】
1 板状フィン
2 伝熱管
3 バーナ
4 熱交換器
5 燃焼ガス
6 排気口
7 燃焼室
9 胴体
10 案内板
11 突起
12 切り欠き穴
13 フィン間隔
14 切り起こし穴
15 案内板高さ
16 突起高さ
17 結露発生部
Claims (6)
- 一定間隔で水平方向に並べた複数の板状フィンと、前記板状フィンと嵌合した複数の伝熱管とを有し、前記板状フィンには燃焼ガスの流れ方向を変更する案内板を設けた熱交換器。
- 一定間隔で水平方向に並べた複数の板状フィンと、前記板状フィンと嵌合し複数の伝熱管とを有し、前記板状フィンには前記伝熱管を囲う突起を設けた熱交換器。
- 板状フィンには燃焼ガスの通過方向に対し上下方向に複数段の伝熱管を有し、前記伝熱管のうち燃焼ガスの通過方向に対して下流側に、前記伝熱管を囲う突起を設けた特許請求項1または2記載の熱交換器。
- 板状フィンには伝熱管の燃焼ガスの通過方向に対して上流側を囲う突起を、下流側には切り欠き穴を設けた請求項2または3記載の熱交換器。
- 突起は、板状フィンを切り起こして設けた請求項3または4記載の熱交換器。
- 案内板又は/及び突起の高さを、板状フィン間の間隔と同じ距離にした請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱交換器。
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2002
- 2002-06-03 JP JP2002161207A patent/JP2004003773A/ja active Pending
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