JP2004003741A - 解体装置および解体方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】解体装置1は、砲弾2の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出する非破壊位置検出手段21と、非破壊位置検出手段21によって検出される位置情報に基いて砲弾2の切断位置を位置決めする位置決め手段22と、切断位置の位置決めされた砲弾2を保持する保持手段24と、砲弾2を切断位置で切断する切断手段25とを含んで構成される。このように構成される解体装置1は、少なくとも2以上の方向から得る砲弾2の内部構造に関する位置情報と、砲弾2の外観形状に関する位置情報とに基づいて切断位置を高い精度で定めることができるので、安全かつ効率のよい切断を実現できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内容物を有するたとえば砲弾などを解体する解体装置および解体方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業技術の発達に伴い、危険物や有害物が工業的に生産され、これらの内在する製品が使用されるようになっている。たとえば原子力発電の燃料に用いられる核燃料は、容器内に危険かつ有害な放射性物質を内蔵している。また戦争などにおいて弾薬として用いられる砲弾は、容器内に炸薬や有害化学物質を内蔵している。
【0003】
前述の核燃料や砲弾などは解体処理されることがある。たとえば使用済み核燃料には再処理されるものがあり、使用済み核燃料を再処理するときには一旦解体する必要がある。使用済み核燃料を解体のために切断するとき、切断位置をあやまたずに切断しなければ、内部の放射性物質を効率良く回収できない。
【0004】
また砲弾は、世界各地で発生した紛争において大量に使用され、不発弾として残るものもあり、また生産されたものの使用されずに遺棄されたものも大量に存在する。このような砲弾を放置したままにしておくと、万一爆発事故が発生したとき大惨事を招く恐れがあるので、安全かつ迅速に解体処理することが強く望まれている。
【0005】
このような砲弾を解体の対象とする先行技術には、たとえば特開2002−48499および特開2002−48500などがある。特開平2002−48499は、複数のウォータージェットを砲弾の径方向に沿って砲弾に当てることによって、1度の機会で砲弾を複数の輪切りにする技術を開示する。特開2002−48500は、砲弾頭部に設けられる弾頭部近傍を横切断して炸薬を除去した後、砲弾を形成する外筒部に開口部を形成して内蔵される化学物質を除去する技術が開示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
砲弾を解体処理するとき、信管等を含む弾頭(着火剤)部に対して不用意に衝撃を与えると爆発する恐れがあるので、衝撃が少なくなるように抑制し、かつ爆発を惹起する恐れのない位置で切断しなければならない。特に、炸薬と有害化学物質とをともに内蔵する種類の砲弾では、有害化学物質が炸薬に混入すると、炸薬を燃焼や中和によって処理するとき有毒ガスが発生するなどの危険性があるので、解体処理時に炸薬と有害化学物質とが混じらないようにすることが必要であり、安全性を確保するためには、切断位置を一層厳密に定めて切断しなければならない。
【0007】
しかしながら、前述の特開2002−48499には、砲弾の解体作業効率を向上する技術が開示されているのみであり、砲弾を安全に解体するべく適切な切断位置を定める技術が開示されていない。また特開2002−48500には、弾頭部近傍を切断するに際して、たとえばレントゲン撮影して内部構造を認識したうえで、爆発のおそれのない部位を決定することができるという技術思想が開示されているけれども、砲弾解体方法において切断位置を定めるための単なる思想の開示にとどまり、砲弾の内部構造に関する精度の高い情報を得る手段、また内部構造の認識をいかにして切断位置の決定に結びつけるかという手段の具体的な構成は、何ら明らかにされていない。
【0008】
本発明の目的は、危険物および/または有害物などの内容物を有する被解体物を安全に切断できる切断位置を精度よく定めることができ、定められた切断位置を効率良く切断することのできる解体装置および解体方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内容物を有する被解体物を解体する解体装置において、
前記被解体物の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出する非破壊位置検出手段と、
前記非破壊位置検出手段によって検出される位置情報に基づき、被解体物の切断位置を位置決めする位置決め手段と、
前記位置決め手段によって切断位置の位置決めされた被解体物を保持する保持手段と、
前記保持手段に保持される被解体物を前記切断位置で切断する切断手段とを含むことを特徴とする解体装置である。
【0010】
本発明に従えば、解体装置は、内容物を有する被解体物の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出する非破壊位置検出手段と、非破壊位置検出手段によって検出される位置情報に基づき、被解体物の切断位置を位置決めする位置決め手段と、位置決め手段によって切断位置の位置決めされた被解体物を保持する保持手段と、保持手段に保持される被解体物を切断位置で切断する切断手段とを含んで構成される。
【0011】
このように構成される解体装置は、少なくとも2方向から得られる被解体物の内部構造に関する位置情報に基づいて、被解体物を解体するために切断する切断位置を適切な位置に精度よく定めることができる。このことによって、被解体物の切断時において内容物であるたとえば危険物や有害物の爆発、漏出および混入等を防止し、被解体物切断後における洗浄および回収処理を容易に行うことが可能になるので、安全かつ効率的に被解体物を解体できる解体装置の提供が実現される。
【0012】
また本発明は、前記非破壊位置検出手段によって検出される位置情報に基づき、被解体物の回転軸線を位置決めするもう一つの位置決め手段をさらに含み、
前記保持手段は、
前記被解体物を保持した状態で回転させる回転駆動手段と、
前記回転駆動手段による回転中心と前記被解体物の回転軸線とを一致させるように装着する装着手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、解体装置は、非破壊位置検出手段によって検出される位置情報に基づき、被解体物の回転軸線を位置決めするもう一つの位置決め手段をさらに含み、保持手段には、被解体物を保持した状態で回転させる回転駆動手段と、回転駆動手段による回転中心と被解体物の回転軸線とを一致させるように装着する装着手段とが備えられる。このように構成される解体装置は、回転駆動手段による保持手段の回転中心と被解体物の回転軸線とを一致させた状態で、被解体物を回転軸線まわりに回転させながら切断することができる。
【0014】
このように、非破壊位置検出手段による内部構造に関する位置情報に基づいて被解体物の回転軸線を位置決めするので、被解体物がたとえば腐食や変形している状態であっても、その回転軸線を正確に位置決めし、回転軸線まわりに回転しながら切断することが可能になる。また切断手段を被解体物のまわりに回転させるという大掛かりな回転駆動手段を設ける必要がなくなるので、装置価格を低く抑制することができるとともに装置をコンパクトにすることができる。また切断手段を被解体物のまわりに回転させて切断する場合に比べて、切断効率を向上し解体処理能力を高めることができる。
【0015】
また本発明は、前記非破壊位置検出手段は、
前記被解体物に対して放射線を照射する放射線発生手段と、
前記放射線発生手段からの放射線を検知する放射線検知手段と、
前記放射線検知手段による検知出力を画像処理することによって前記被解体物の内部構造に関する位置情報を検出する画像処理部とを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、非破壊位置検出手段は、被解体物に対して放射線を照射する放射線発生手段と、放射線発生手段からの放射線を検知する放射線検知手段と、放射線検知手段による検知出力を画像処理して前記被解体物の内部構造に関する位置情報を検出する画像処理部とを含む。被解体物に放射線を透過させることによって得られる内部構造に関する位置情報は、精度が高く、容易に可視化され得るとともに、制御信号に変換することも容易である。
【0017】
また本発明は、前記切断手段によって被解体物に形成される開口部をとおして前記被解体物の内部を洗浄する洗浄手段をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、解体装置は、被解体物の内部を洗浄する洗浄手段を含む。このことによって、被解体物の内容物を除去または回収することが可能になる。
【0019】
また本発明は、前記切断手段および洗浄手段は、ウォータージェット装置であることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、切断手段および洗浄手段は、ウォータージェット装置である。ウォータージェットは、被解体物に与える衝撃力が小さいので、被解体物が不所望に損壊することを防止でき、また使用される水が冷却効果を有するので、被解体物の内容物の不所望な反応を防止することができる。このように、ウォータージェット装置は、切断および洗浄手段として好適に用いられる。
【0021】
また本発明は、前記被解体物は、砲弾であることを特徴とする。
本発明に従えば、炸薬や有害化学物質などの内在する砲弾を、安全かつ効率的に解体処理することができる。
【0022】
また本発明は、内容物を有する被解体物を解体する解体方法において、
前記被解体物の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出し、
前記位置情報に基づき、被解体物の切断位置および回転軸線を位置決めし、
前記切断位置および回転軸線の位置決めされた被解体物を回転軸線まわりに回転可能に保持し、
前記被解体物を前記回転軸線まわりに回転しながら前記切断位置で切断することを特徴とする解体方法である。
【0023】
また本発明は、内容物を有する被解体物を解体する解体方法において、
前記被解体物の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出し、
前記位置情報に基づき、被解体物の切断位置および回転軸線を位置決めし、
前記切断位置および回転軸線の位置決めされた被解体物を保持し、
前記被解体物の切断に用いる切断ノズルを、前記回転軸線まわりに回転または前記回転軸線に直交する方向に移動しながら前記切断位置で前記被解体物を切断することを特徴とする解体方法である。
【0024】
本発明に従えば、内容物を有する被解体物の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出し、その位置情報に基づいて被解体物の切断位置および回転軸線を位置決めし、切断位置および回転軸線の位置決めされた被解体物を、回転軸線まわりに回転しながら切断位置で切断、または前記被解体物の切断に用いる切断ノズルを前記回転軸線まわりに回転もしくは前記回転軸線に直交する方向に移動しながら前記切断位置で切断するので、被解体物を安全に切断できる切断位置を精度よく定めることができ、定められた切断位置を効率良く切断することのできる解体方法が実現される。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態である解体装置1の構成を簡略化して示す図であり、図2は図1に示す解体装置1によって解体される被解体物の1例である砲弾2の構成を簡略化して示す断面図である。本実施の形態では、解体装置1を用いて解体される対象物である被解体物として炸薬や有害化学物質等の内在する砲弾2について例示する。図2には、砲弾2の1例について、その構造を簡略化して示す。
【0026】
砲弾2は、外筒3と、内筒4とを備え、内筒4内に爆発物であるたとえばTNT火薬などの炸薬5が収納され、外筒3と内筒4とによって形成される間隙6に有害化学物質13であるたとえばマスタードなどが収納される。外筒3の先端部には、着火剤部7が設けられ、着火剤部7は、信管8と伝火薬部9とを含む。伝火薬部9は、有底筒状に形成される伝火薬筒10の内部に着火薬11を収納し、信管8は、伝火薬筒10の先端に装着される。なお、外筒3の基端部には羽根部材12が連設されている
砲弾2の解体に際しては、砲弾2を切断して開口部を形成し、開口部から炸薬5と有害化学物質13とが混じらないようにそれぞれを取出さなければならない。しかしながら、砲弾2には、一般的に信管8に衝撃力が加えられると発火して着火薬11に着火し、着火薬11の燃焼が内筒4内の炸薬5を爆発させ、有害化学物質13が爆発によって飛散するという危険性が有る。したがって、砲弾2の解体作業時に、このような爆発事故の発生を防止するべく、たとえば切断線14に示すような位置を正確に位置決めして砲弾2を切断し、信管8を傷つけることなく、また信管8に衝撃力を与えることなく除去することが求められる。
【0027】
また、解体作業時に炸薬5と有害化学物質13とが混じらないように有害化学物質13を取出すためには、炸薬5の漏出しないような位置、たとえば図2中の切断線15を正確に位置決めして切断することが求められる。解体装置1は、このような砲弾2の解体における切断時の正確な位置決めと、切断と、さらに洗浄とを実現することができる。
【0028】
図1に戻り、解体装置1は、砲弾2の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出する非破壊位置検出手段21と、非破壊位置検出手段21によって検出される位置情報に基づき、砲弾2の切断位置を位置決めする位置決め手段22および砲弾2の回転軸線を位置決めするもう一つの位置決め手段23と、位置決め手段22およびもう一つの位置決め手段23によって切断位置および回転軸線の位置決めされた砲弾2を保持する保持手段24と、保持手段24に保持される砲弾2を切断位置で切断する切断手段25と、切断手段25によって砲弾2に形成される開口部をとおして砲弾2の内部を洗浄する洗浄手段48とを含む。
【0029】
図1(a)には、解体装置1に備わる把持搬送装置26によって、ステージ27上に載置される砲弾2が把持される状態を示す。把持搬送装置26は、いわゆるマニピュレータ型の操作ロボットであり、基台28と、基台28に対して回転自在に設けられるリンク部材29a,29bと、リンク部材29a,29bに装着されリンク部材相互の角変位によって進退自在であるアーム部材30と、アーム部材30の先端に回転自在に支持され、2本のフィンガー状部材の間隔を制御することによって砲弾2を把持することのできる把持機構を備える把持部材31とを含む。
【0030】
基台28には、把持搬送装置26の動作を制御する制御部が備えられる。制御部には、把持搬送装置26の動作を制御する基本動作プログラムが備えられるとともに、リンク部材29a,29bおよびアーム部材30の動作によって、3次元的に移動可能に構成される把持部材31の位置を検知することのできる3次元座標系が、予め備えられる。また図示しないけれども基台28には、電源スイッチ、制御部に対して制御信号を入力するための入力手段および操作ボタン等が設けられる。なお、制御部および操作ボタン等は、基台28の代わりに、基台28とは分離されリモート制御可能な操作盤などに設けられてもよい。
【0031】
ステージ27の上方に設けられる第1CCDカメラ33は、砲弾2の外観を撮像し、接続線34を介して撮像した画像情報を画像処理装置35に入力する。砲弾2の外観形状には、画像処理装置35によって座標が付与され、この座標情報が画像処理装置35から接続線47を介して把持搬送装置26の制御部に入力される。制御部では、砲弾2の外観に対する座標情報と、把持部材31の位置に関する座標情報とを合わせることによって、砲弾2の把持位置を定めて把持することができる。
【0032】
このとき、把持されるべき砲弾2の載置されている位置は、次のようにして把持搬送装置26に認識される。ステージ27の寸法とステージ27の基台28に対する相対的な設置位置とを予め基台28に備わる制御部に入力しておき、前述の第1CCDカメラ33により撮像され画像処理装置35から制御部に入力される砲弾2およびステージ27の位置に関する座標情報と合わせることによって、把持搬送装置26は、砲弾2の載置されている位置を認識する。また把持搬送装置26は、把持した砲弾2を非破壊位置検出手段21の検査位置まで搬送することができる。
【0033】
図1(b)には、非破壊位置検出手段21の構成を簡略化して示す。非破壊位置検出手段21は、砲弾2に対して放射線を照射する放射線発生手段36と、放射線発生手段36からの放射線を検知する放射線検知手段37と、電源等を収容する放射線装置本体38と、放射線検知手段37によって検出される内部構造に関する画像情報を処理する画像処理部である前述の画像処理装置35とを含む。なお支持部材39に一体的に対向するように設けられる放射線発生手段36と放射線検知手段37とは、放射線装置本体38に設けられる図示しない回転駆動手段によって、支持部材39の支持軸40まわりに相対的な位置関係を維持したまま回転可能に構成される。すなわちこのように構成される非破壊位置検出手段21によれば、把持搬送装置26によって放射線発生手段36と放射線検知手段37との間に配置される砲弾2を、任意の方向から放射線透過撮影することが可能になる。
【0034】
本実施の形態では、放射線発生手段36にX線発生器を用い、放射線検知手段37にI.I.(Image Intensifier)を用いた。放射線発生手段36は、一般的なX線管であり、装置本体38にそなわる電源から供給される電力によって加熱されるフィラメントから発生する電子線が、ターゲットに衝突することによってX線を発生し放射する。
【0035】
放射線検知手段37に用いられるI.I.は、一種の受光器であり、放射線発生手段36であるX線発生器によって発生され、I.I.37との間に位置する砲弾2を透過したX線と、砲弾2の周辺を通過したX線とを受光し、受光したX線の線量に応じて砲弾2の透過画像情報を検出することができる。I.I.37で検出される透過画像情報は、X線量に応じた電圧に変換するなどの方法によって、容易に電気信号に変換される。またこの電気信号を利用し、陰極線管や液晶ディスプレイを用いて砲弾2の内部構造を容易に可視化することも可能である。
【0036】
I.I.37で検出される砲弾2の透過画像情報は、接続線41を介して画像処理装置35に入力される。このとき、砲弾2の透過画像情報は、少なくとも2以上の方向から撮影されて画像処理装置35に入力される。画像処理装置35には、たとえばコンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)解析機能が備えられ、2以上の方向からの透過画像情報が与えられることによって、透過画像情報を合わせ、人間が左右の目から得られる画像情報を合成して立体的画像としての情報を得るように、砲弾2の内部構造に関する正確な位置情報を立体的に得ることが可能になる。
【0037】
砲弾2の透過画像情報を得るための2以上の撮像方向は、特に限定されることなく、60度角変位方向からでもよく、90度角変位方向からでもよい。また2方向を超えて90度ピッチの4方向から撮像してもよく、また60度ピッチの6方向から撮像してもよい。最も好ましくは、360度全周方向からの透過画像情報を得ることであり、このことによって内部構造に関する位置情報は極めて精度の高いものとなる。
【0038】
以下参考までに砲弾の1方向における内部構造に関する位置情報の検出例を示す。図3は、模擬砲弾42の透過画像であるX線写真を示す図である。非破壊位置検出手段21では、砲弾2の内部構造に関する位置情報は、前述のように電気信号に変換して解析処理されるけれども、参考に模擬砲弾42を用いてその内部構造を可視化した例を、X線透過写真で図3に示す。模擬砲弾42は、前述の砲弾2に類似するので、対応する部分については同一の参照符号を付す。図3に示すように、模擬砲弾42に備わる信管8および伝火薬筒10が検出されている。画像処理装置35では、図3に示すような透過画像情報の2以上を解析処理し、内部構造の位置情報として3次元座標を付与する。本実施の形態では、砲弾2の内部構造を非破壊的に検知する手段に放射線を用いるので、以後非破壊位置検出手段21をRT(Radiographic Testing)装置と呼ぶことがある。
【0039】
再び図1(b)に戻り、図を参照して砲弾2の切断位置等の位置決めについて説明する。非破壊位置検出手段21による砲弾2の内部構造に関する位置情報の検出と並行し、第2および第3CCDカメラ43,44によって砲弾2の外観画像情報が検出される。第2CCDカメラ43は、砲弾2の長手方向の外観画像情報を検出する。第2CCDカメラ43によって検出される外観画像情報は、接続線45を介して画像処理装置35に入力され、砲弾2の長手方向の外観形状に対して座標が付与される。
【0040】
非破壊位置検出手段21によって検出される内部構造に関する座標情報と、第2CCDカメラ43によって検出される長手方向に関する外観形状の座標情報とが、画像処理装置35において合成されることによって、たとえば信管8などを切断除去するべき位置が、内部構造に関する位置情報に基づいて砲弾2の外観上に正確に定められる。これら砲弾2の切断位置、内部構造に関する座標情報および外観形状に関する座標情報は、接続線47を介して把持搬送装置26の制御部に入力され、制御部では、さらに、砲弾2の外観上に定められる切断位置と、把持搬送装置26によって把持されている位置との関係を、前述の砲弾2を把持する際と同様にして定めることができる。このことによって、把持搬送装置26の制御部は、砲弾2の内部構造に関する位置情報に基づく正確な切断位置と把持位置との関係を得ることができる。
【0041】
このように、第2CCDカメラ43と、画像処理装置35と、把持搬送装置26とは、非破壊位置検出手段21による砲弾2の内部構造に関する位置情報に基づいて切断位置を位置決めする位置決め手段を構成する。
【0042】
なお砲弾2の切断位置は、画像処理装置35に備えられるたとえば液晶ディスプレイなどに表示される砲弾2の透過画像に基づいて、解体操作者が、画像処理装置35に備えられる入力手段によって指示入力してもよく、また砲弾の種類毎に、画像処理装置35に備えられるメモリに予めストアされた切断位置の情報に従って画像処理装置35が定めるように構成されてもよい。切断位置は、1個の砲弾について1箇所に限定されることなく、複数箇所が設定されてもよい。
【0043】
第3CCDカメラ44は、砲弾2の底面方向から見た外観画像情報を検出する。第3CCDカメラ44によって検出される外観画像情報は、接続線46を介して画像処理装置35に入力され、砲弾2の底面方向からの外観形状に対して座標が付与される。非破壊位置検出手段21によって検出される内部構造に関する位置情報に対して与えられる座標情報と、第2CCDカメラ44によって検出される底面方向からの外観形状に対して与えられる座標情報とが、画像処理装置35において合成されることによって、たとえば円筒形状に形成されている信管8の回転軸線位置や回転軸線まわりの切断位置などが、内部構造に関する位置情報に基づいて、砲弾2の底面方向から見た座標上に正確に定められる。
【0044】
さらに、砲弾2の底面方向から見た座標上に定められる前記回転軸線位置や回転軸線まわりの切断位置と、把持搬送装置26によって把持されている位置との関係は、前述の砲弾2を把持する際と同様にして定められるので、内部構造に関する位置情報に基づく信管8の正確な回転軸線位置や回転軸線まわりの切断位置と、把持位置との関係が定められる。
【0045】
このように、第2CCDカメラ44と、画像処理装置35と、把持搬送装置26とは、非破壊位置検出手段21による砲弾2の内部構造に関する位置情報に基づいて回転軸線や切断位置を位置決めするもう一つの位置決め手段を構成する。
【0046】
非破壊位置検出手段21を用いて、2以上の方向から砲弾2の内部構造に関する位置情報を検出することによって、たとえば砲弾の外筒が錆びたり機械的な力を受けて変形して元の形状をとどめない場合、または外筒の中心と信管の中心とが偏心している場合などのように、砲弾の外観形状や外観寸法から切断するべき位置や切断時の回転軸線を定めることができない場合であっても、これらを正確に定めることができる。
【0047】
図1(c)には、砲弾2の保持手段24、切断手段25および洗浄手段48の構成を簡略化して示す。保持手段24は、砲弾2を保持した状態で回転させる回転駆動手段49と、回転駆動手段49による回転中心と砲弾2の回転軸線とを一致させるように装着する装着手段50と、装着手段50を回転自在に支持する軸受部51とを備える。
【0048】
図4は、装着手段50の構成を簡略化して示す平面図である。装着手段50は、円筒形状を有する金属製の装着枠部材52と、装着枠部材52に設けられる(本実施の形態では3つ)固定部材53とを含む。固定部材53は、略円柱状で一端部が半球状に形成された金属製部材であり、他端部付近に形成される雄ねじ部が装着枠部材52を貫通して形成される雌ねじ部に螺合することによって、装着枠部材52に装着される。固定部材53は、装着枠部材52に対してねじ部の螺合によって装着されているので、固定部材53をその軸線まわりに回転させることによって、装着枠部材52の半径方向に進退させることができる。
【0049】
装着手段50を回転自在に支持する軸受部51は、スラスト軸受である。軸受部51の内面側には、厚みの約半分程度の深さまで、装着枠部材52の外径に等しいかまたはわずかに大きい内径を有する段状の凹部を形成し、凹部の装着枠部材52の端面部に当接する面にはベアリングが設けられてスラスト軸受を構成する。このことによって、軸受部51は、前述の凹部に装入される装着手段50を回転自在に支持することができる。回転駆動手段49は、たとえば電動機であり、歯車またはプーリなどを介して軸受部51に支持される装着手段50をその回転中心61のまわりに回転させることができる。
【0050】
図1(c)に戻って、切断手段25および洗浄手段48は、ハウジング54と、ハウジング54内に設けられる第1ウォータージェットノズル55(以後、ウォータージェットをWJと略記する)と第2WJノズル56と、第1および第2WJノズル55,56に水を供給する水供給装置とを備える。なお図1(c)では水供給装置は、省略されている。
【0051】
ハウジング54は、金属製の箱構造を有する外殻部材であり、ハウジング枠部材57と、側板58と、天板59と、底板60と、天板59に設けられる間挿部材63とを含んで構成される。前述の軸受部51は、間挿部材63の予め定められる位置に固設される。
【0052】
第1および第2WJノズル55,56は、水供給装置から供給される水をWJとして噴射し、砲弾2を切断および/または洗浄する。WJは、衝撃力が小さいので被解体物が不所望に損壊することを防止でき、また使用される水が冷却効果を有するので、被解体物に内蔵される危険物や有害物の不所望な反応を防止することが可能であり、砲弾2の切断および洗浄に好適に用いることができる。第1および第2WJノズル55,56は、その用途が切断または洗浄のいずれかに限定されるものではなく、切断または洗浄のいずれの用途に使用されてもよい。本実施の形態では、第1および第2WJノズル55,56は、いずれもハウジング54内の予め定められる位置に設置され、第1WJノズル55が切断に用いられ、第2WJノズル56が、切断と洗浄とに用いられる。
【0053】
以下に砲弾2の切断位置および回転中心の、切断および洗浄手段25,48に対する位置決めについて説明する。前述のように、画像処理装置35から入力される砲弾2の切断位置および回転軸線位置についての座標情報と把持搬送装置26の制御部に備わる把持部材31の位置についての3次元座標情報とによって、把持搬送装置26は、砲弾の切断位置、回転軸線を3次元座標系の所望の位置に位置決めすることができる。本実施の形態における所望の位置とは、砲弾2の回転軸線を装着手段50の回転中心61に一致させる位置であり、また砲弾2の切断位置を第1および第2WJノズル55,56のWJ噴射位置に一致させる位置である。
【0054】
ハウジング54の寸法およびハウジング54の把持搬送装置26に対する相対的な設置位置に関する座標情報、ハウジング54に設けられる装着手段50およびその回転中心61の座標情報、第1および第2WJノズル55,56の座標情報を予め把持搬送装置26の制御部に入力しておくことによって、把持搬送装置26は、把持している砲弾2の回転軸線を装着手段50の回転中心61に一致させ、切断位置を第1および第2WJノズル55,56のWJ噴射位置に一致させるように位置決めすることができる。このようにして位置決めされた状態で、砲弾2は、装着手段50の固定部材53に締付けられ保持手段24に保持される。
【0055】
したがって、砲弾2は、図4(a)に示す砲弾2の外筒3が錆びて変形している場合や、図4(b)に示す砲弾2の外筒3の中心と信管8の中心とが偏心している場合であっても、前述のように信管8の回転軸線62と装着手段50の回転中心61とが一致するように位置決めされ、位置決めされた状態で保持される。
【0056】
図5は、解体装置1を用いて砲弾2を解体する動作について説明するフローチャートである。図5を参照して解体装置1を用いた砲弾2の解体動作について説明する。
【0057】
ステップa1のスタートでは、前述のステージ27、非破壊位置検出手段21であるRT装置、保持手段24、切断および洗浄手段25,48の座標情報が予め把持搬送装置26の制御部に入力されている状態である。ステップa2では、ステージ27上に載置される被解体物である砲弾2の外観を、第1CCDカメラ33によって撮影し、第1CCDカメラ33は撮影した画像情報を画像処理装置35に送る。ステップa3では、画像処理装置35は、砲弾2の外観に対して座標情報を与える。
【0058】
ステップa4では、砲弾2の外観の座標情報に基づいて、把持搬送装置26による砲弾2の把持位置を決定する。砲弾2の把持位置は、後の切断作業を阻害しないように、切断位置から離反した位置が選ばれる。この砲弾2の把持位置は、画像処理装置35に備わるたとえば液晶ディスプレイの画像を参照して、解体操作者によって入力指示されてもよく、また前述のように砲弾の種類毎に予めメモリにストアされた切断位置情報と砲弾2の外観形状に関する座標情報とを照合することによって画像処理装置35によって選定されてもよい。決定された把持位置の座標情報は、把持搬送装置26の制御部に入力される。ステップa5では、把持搬送装置26が、定められた把持位置で砲弾2を把持する。ステップa6では、把持搬送装置26が、砲弾2をRT装置まで搬送する。
【0059】
ステップa7では、RT装置によって砲弾2のX線透過画像を2以上の方向から撮影し、透過画像情報を画像処理装置35に入力する。ステップa8では、画像処理装置35は、X透過画像情報に基づいて砲弾2の内部構造に関する位置情報を検出し、これに対して座標を与える。すなわち砲弾2内部の信管8の位置、信管8の回転軸線の位置および外筒3と内筒4との境界位置等に対して座標を付与し座標情報とする。
【0060】
ステップa9では、前述の第2および第3CCDカメラ43,44によって、検出される砲弾2の長手方向および底面方向の外観画像に基づく位置情報に対して画像処理装置35で座標を与えて座標情報とし、ステップa8において得られた内部構造に関する位置情報についての座標情報とを合成する。ステップa10では、砲弾2の外観形状に関する座標情報と内部構造に関する位置情報に与えられる座標情報とに基づいて、砲弾2の切断位置および回転軸線位置を決定する。この決定は、前述のように解体操作者の指示入力または砲弾の種類毎に予めストアされている砲弾の内部構造に関する位置情報との照合に従い画像処理装置35によって決定される。
【0061】
ステップa11では、把持搬送装置26によって砲弾2が、切断および洗浄手段25,48(図5中では、切断装置と略記する)まで搬送される。ステップa12では、把持搬送装置26は、砲弾2の切断位置および回転軸線62位置を、第1および第2WJノズル55,56の設置位置および保持手段24に備わる装着手段50の回転中心61に対して位置決めする。ステップa13では、砲弾2が位置決めされた状態で、保持手段24に備わる装着手段50の固定部材53を締付けて砲弾2を保持する。
【0062】
ステップa14では、保持手段24に備わる回転駆動手段49を動作させて、装着手段50に装着されている砲弾2を回転軸線62まわりに回転させながら、第1WJノズル55からWJを噴射させて砲弾2を切断位置で輪切りにするように切断する。または第2WJノズル56からWJを噴射させて、砲弾2の先端部を回転軸線62まわりに刳り貫くように切断してもよい。
【0063】
ステップa15では、切断によって砲弾2に形成される開口部から砲弾2の内部を洗浄するか否かが判断される。このような判断は、切断および洗浄手段25,48に第1および第2WJノズル55,56と水供給装置の動作を制御する制御回路を設け、砲弾2の解体作業の都度、解体作業者が判断して前記制御回路に判断結果を入力することによって実現できる。また制御回路にメモリを設け、メモリに砲弾の種類毎に切断および洗浄(洗浄不要の場合も含む)の解体動作プログラムを予めストアしておき、解体対象の砲弾の種類を選択することによって、動作プログラムに従い自動的に洗浄の要否が判断されるように構成されることによって実現されてもよい。判断結果が否定で、砲弾2の内部を洗浄しないとき、ステップa17へ進み、判断結果が肯定で砲弾2の内部を洗浄するとき、ステップa16に進む。
【0064】
ステップa16では、前述の第1WJノズル55または第2WJノズル56による切断によって砲弾2に形成される開口部に対して、第2WJノズル56からWJを噴射し、砲弾2の内部を洗浄する。ステップa17では、砲弾2にさらなる切断位置があるか否かが判断される。判断結果が肯定で、別の切断位置が有るとき、ステップa12に戻り以降のステップに進む。判断結果が否定で、別の切断位置が無いとき、ステップa18に進み、把持搬送装置26によって、砲弾2は切断装置から搬出される。ステップa19では、一連の砲弾2の解体動作が終了する。
【0065】
このように解体装置1を用いて図5のフローに示すような砲弾2の解体方法を実行することによって、砲弾2の内部構造に関する位置情報に基づいて切断位置および回転軸線位置などを精度よく決定することが可能になるので、砲弾2の切断時における炸薬や有害化学物質の爆発、漏出および混入等を防止することができる。また砲弾2が正確な位置で切断されることによって、砲弾2の切断後における洗浄および回収処理を容易に行うことが可能になるので、安全かつ効率的に砲弾2を解体することができる。
【0066】
図6は、本発明の実施のもう一つの形態である解体装置70の構成を簡略化して示す図である。本実施の形態の解体装置70は、前述の実施の形態である解体装置1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。図6では、図6(a)においてのみ把持搬送装置26を図示し、図6(b)〜図6(d)においては把持搬送装置26は図示されていないけれども、これは図を簡素化するために省略したものであり、図6(b)〜図6(d)において把持搬送装置26が砲弾2の把持搬送と位置決め手段の一部として作用することは、解体装置1と同様である。
【0067】
解体装置70において注目すべきは、砲弾2は、固定治具71に固定されることである。砲弾2は、固定治具71に固定されたまま、把持搬送装置26によって把持および搬送され、非破壊位置検出手段21で内部構造に関する位置情報が検出され、切断手段25によって切断される。また保持手段24は、砲弾2を固定治具71に固定されたまま位置決めされた位置において保持するのみであり、砲弾2を回転させないことである。したがって、第1WJノズル55が、移動することによって、砲弾2を切断位置で切断する。
【0068】
固定治具71は、基板72と、基板72に固設されて砲弾2を乗載する台座部73と、台座部73に乗載される砲弾2が動かないように拘束固定する拘束部材74とを含んで構成される。解体されるべくステージ27上に載置される砲弾2は、一旦把持搬送装置26によって把持された後、ステージ27上に準備される固定治具71の台座部73に載せられ、拘束部材74によって基板72および台座部73に固定される。このとき第1CCDカメラ33は、砲弾2と固定治具71との両者の外観画像情報を検出し、この外観画像情報に基づいて砲弾2を拘束部材74によって固定治具71に固定する位置を決定する。
【0069】
把持搬送装置26は、固定治具71に固定されたままの砲弾2を非破壊位置検出手段21まで搬送し、非破壊位置検出手段21によって砲弾2の内部構造に関する位置情報が検出される。このとき画像処理装置35は、第2および第3CCDカメラ43,44による砲弾2および固定治具71の外観形状に関する画像情報と、非破壊位置検出手段21による砲弾2の内部構造に関する画像情報とから得られる位置情報に対して座標を与え、座標情報として把持搬送装置26の制御部に入力する。このことによって、把持搬送装置26は、砲弾2の外観形状に関する位置と砲弾2を拘束している拘束部材74の位置と、内部構造に関する位置情報に基づく砲弾2の切断位置および回転軸線との相対的な位置関係についての座標情報を得ることができる。
【0070】
把持搬送装置26は、把持部材31によって固定治具71の拘束部材74の予め定められる位置を把持することによって、拘束部材74の把持されている位置を把持部材31の位置として扱うことができるので、自らが保有する3次元座標系における把持部材31の位置情報と合わせ、前述の実施の形態である解体装置1の場合と同様にして、切断手段25に対して砲弾2の切断位置および回転軸線位置を位置決めすることができる。
【0071】
把持搬送装置26によって、仮想平面上に投影される砲弾2の切断位置と第1WJノズル55の切断移動線とが一致するように、固定治具71を位置決めした状態で、保持手段24は固定治具71を保持することによって砲弾2を保持する。保持手段24は、たとえばクランプタイプの締付け具によって実現される。対を成して構成される保持手段24のつかみ部を、固定治具71の基板72の幅よりも大きい距離だけ離反させた状態で、固定治具71に固定される砲弾2を位置決めし、前記つかみ部の距離を狭めるように移動させて、基板72を幅方向に締付けることによって砲弾2を保持することができる。このとき、前述のように砲弾2は保持手段24によって回転されない。
【0072】
第1WJノズル55による砲弾2の切断は、第1WJノズル55が、前述のようにして定められる砲弾2の切断位置(切断線)に沿って直線移動、すなわち砲弾2の回転軸線に直交する方向に直線移動するようにして切断される。また砲弾2は、第1WJノズル55が、砲弾2の回転軸線まわりに角変位移動することによって切断されてもよい。このとき第1WJノズル55が角変位する中心は、砲弾2の回転軸線位置に一致するように設定されることが望ましい。なお、図6では第1WJノズル55を移動させる移動手段は省略されている。
【0073】
図7は、解体装置70を用いて砲弾2を解体する動作について説明するフローチャートである。図7のフローチャートは、前述の図5に示す解体装置1による砲弾2の解体動作に類似するので、同一の動作を表すステップについては説明を省略する。
【0074】
ステップb1〜ステップb5までは、前述の図5に示すフローチャートと同様にして進む。ステップb6では、固定治具71をステージ27上に準備する。ステップb7では、固定治具71の外観を、第1CCDカメラ33によって撮影し、第1CCDカメラ33は撮影した画像情報を画像処理装置35に送り、画像処理装置35が固定治具71の外観に対して座標情報を与える。ステップb8では、固定治具71の外観座標情報に基づいて、把持搬送装置26が固定治具71の台座部73に砲弾2を乗載させて拘束位置を決定し、拘束部材74によって砲弾2を拘束する。
【0075】
ステップb9では、固定治具71の外観座標情報に基づいて、把持搬送装置26による固定治具71の把持位置を決定する。このとき把持位置は、固定治具71の拘束部材74の位置に定められる。ステップb10では、砲弾2は固定治具71に固定されたまま把持搬送装置26によってRT装置まで搬送される。
【0076】
ステップb11〜ステップb17までは、前述の図5に示すフローチャートと同様にして進む。ステップb18では、第1WJノズル55を砲弾2の回転軸線に直交する方向に移動、すなわち砲弾2を横断する方向に移動させながら、WJを噴射させて砲弾2を切断位置で輪切りにするように横断切断する。ステップb19〜ステップb23までは、前述の図5に示すフローチャートと同様にして進み、一連の砲弾2の解体動作が終了する。ただし、ステップb20における洗浄工程では、第1WJノズル55が、切断によって形成される開口部まで移動して砲弾2の内部を洗浄する。
【0077】
このような解体装置70および解体装置70を用いる解体方法によれば、前述の実施形態である解体装置1および解体装置1を用いる解体方法と同様の作用効果を実現することができる。
【0078】
以上のように本実施の形態では、放射線発生手段36には、放射線源としてX線を用いるけれども、これに限定されることなく、放射性同位元素などを用いてもよい。また非破壊位置検出手段21に放射線を用いるけれども、これに限定されることなく、たとえば超音波および磁気共鳴などを用いてもよい。しかしながら、位置情報の検出精度および装置価格などの観点から、放射線が最も好適に用いられる。また被解体物には砲弾2を例示するけれども、これに限定されることなく、使用済み核燃料またはその他の危険物や有害物質の内在するものであってもよい。また非破壊位置検出手段21と切断手段25とは別体に構成されているけれども、これに限定されることなく、非破壊位置検出手段21と切断手段25とが一体的に構成されてもよい。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、解体装置は、内容物を有する被解体物の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出する非破壊位置検出手段と、非破壊位置検出手段によって検出される位置情報に基づき、被解体物の切断位置を位置決めする位置決め手段と、位置決め手段によって切断位置の位置決めされた被解体物を保持する保持手段と、保持手段に保持される被解体物を切断位置で切断する切断手段とを含んで構成される。
【0080】
このように構成される解体装置は、少なくとも2方向から得られる被解体物の内部構造に関する位置情報に基づいて、被解体物を解体するために切断する切断位置を適切な位置に精度よく定めることができる。このことによって、被解体物の切断時において内容物であるたとえば危険物や有害物の爆発、漏出および混入等を防止し、被解体物切断後における洗浄および回収処理を容易に行うことが可能になるので、安全かつ効率的に被解体物を解体できる解体装置の提供が実現される。
【0081】
また本発明によれば、解体装置は、非破壊位置検出手段によって検出される位置情報に基づき、被解体物の回転軸線を位置決めするもう一つの位置決め手段をさらに含み、保持手段には、被解体物を保持した状態で回転させる回転駆動手段と、回転駆動手段による回転中心と被解体物の回転軸線とを一致させるように装着する装着手段とが備えられる。このように構成される解体装置は、回転駆動手段による保持手段の回転中心と被解体物の回転軸線とを一致させた状態で、被解体物を回転軸線まわりに回転させながら切断することができる。このように、非破壊位置検出手段による内部構造に関する位置情報に基づいて被解体物の回転軸線を位置決めするので、被解体物がたとえば腐食や変形している状態であっても、その回転軸線を正確に位置決めし、回転軸線まわりに回転しながら切断することが可能になる。また切断手段を被解体物のまわりに回転させるという大掛かりな回転駆動手段を設ける必要がなくなるので、装置価格を低く抑制することができるとともに装置をコンパクトにすることができる。また切断手段を被解体物のまわりに回転させて切断する場合に比べて、切断効率を向上し解体処理能力を高めることができる。
【0082】
また本発明によれば、非破壊位置検出手段は、被解体物に対して放射線を照射する放射線発生手段と、放射線発生手段からの放射線を検知する放射線検知手段と、放射線検知手段による検知出力を画像処理して前記被解体物の内部構造に関する位置情報を検出する画像処理部とを含む。被解体物に放射線を透過させることによって得られる内部構造に関する位置情報は、精度が高く、容易に可視化され得るとともに制御信号に変換することが容易である。
【0083】
また本発明によれば、解体装置は、被解体物の内部を洗浄する洗浄手段を含む。このことによって、被解体物の内容物を除去または回収することが可能になる。
【0084】
また本発明によれば、切断手段および洗浄手段は、ウォータージェット装置である。ウォータージェットは、被解体物に与える衝撃力が小さいので、被解体物が不所望に損壊することを防止でき、また使用される水が冷却効果を有するので、被解体物の内容物の不所望な反応を防止することができる。このように、ウォータージェット装置は、切断および洗浄手段として好適に用いられる。
【0085】
また本発明によれば、炸薬や有害化学物質などの内在する砲弾を、安全かつ効率的に解体処理することができる。
【0086】
また本発明によれば、内容物を有する被解体物の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出し、その位置情報に基いて被解体物の切断位置および回転軸線を位置決めし、切断位置および回転軸線の位置決めされた被解体物を、回転軸線まわりに回転しながら切断位置で切断、または前記被解体物の切断に用いる切断ノズルを前記回転軸線まわりに回転もしくは前記回転軸線に直交する方向に移動しながら前記切断位置で切断するので、被解体物を安全に切断できる切断位置を精度よく定めることができ、定められた切断位置を効率良く切断することのできる解体方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である解体装置1の構成を簡略化して示す図である。
【図2】図1に示す解体装置1によって解体される被解体物の1例である砲弾2の構成を簡略化して示す断面図である。
【図3】模擬砲弾42の透過画像であるX線写真を示す図である。
【図4】装着手段50の構成を簡略化して示す平面図である。
【図5】解体装置1を用いて砲弾2を解体する動作について説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施のもう一つの形態である解体装置70の構成を簡略化して示す図である。
【図7】解体装置70を用いて砲弾2を解体する動作について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1,70 解体装置
2 砲弾
21 非破壊位置検出手段
22 位置決め手段
23 もう一つの位置決め手段
24 保持手段
25 切断手段
26 把持搬送装置
33 第1CCDカメラ
35 画像処理装置
43 第2CCDカメラ
44 第3CCDカメラ
48 洗浄手段
Claims (8)
- 内容物を有する被解体物を解体する解体装置において、
前記被解体物の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出する非破壊位置検出手段と、
前記非破壊位置検出手段によって検出される位置情報に基づき、被解体物の切断位置を位置決めする位置決め手段と、
前記位置決め手段によって切断位置の位置決めされた被解体物を保持する保持手段と、
前記保持手段に保持される被解体物を前記切断位置で切断する切断手段とを含むことを特徴とする解体装置。 - 前記非破壊位置検出手段によって検出される位置情報に基づき、被解体物の回転軸線を位置決めするもう一つの位置決め手段をさらに含み、
前記保持手段は、
前記被解体物を保持した状態で回転させる回転駆動手段と、
前記回転駆動手段による回転中心と前記被解体物の回転軸線とを一致させるように装着する装着手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の解体装置。 - 前記非破壊位置検出手段は、
前記被解体物に対して放射線を照射する放射線発生手段と、
前記放射線発生手段からの放射線を検知する放射線検知手段と、
前記放射線検知手段による検知出力を画像処理することによって前記被解体物の内部構造に関する位置情報を検出する画像処理部とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の解体装置。 - 前記切断手段によって被解体物に形成される開口部をとおして前記被解体物の内部を洗浄する洗浄手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の解体装置。
- 前記切断手段および洗浄手段は、
ウォータージェット装置であることを特徴とする請求項4記載の解体装置。 - 前記被解体物は、
砲弾であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の解体装置。 - 内容物を有する被解体物を解体する解体方法において、
前記被解体物の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出し、
前記位置情報に基づき、被解体物の切断位置および回転軸線を位置決めし、
前記切断位置および回転軸線の位置決めされた被解体物を回転軸線まわりに回転可能に保持し、
前記被解体物を前記回転軸線まわりに回転しながら前記切断位置で切断することを特徴とする解体方法。 - 内容物を有する被解体物を解体する解体方法において、
前記被解体物の内部構造に関する位置情報を少なくとも2方向から非破壊的に検出し、
前記位置情報に基づき、被解体物の切断位置および回転軸線を位置決めし、
前記切断位置および回転軸線の位置決めされた被解体物を保持し、
前記被解体物の切断に用いる切断ノズルを、前記回転軸線まわりに回転または前記回転軸線に直交する方向に移動しながら前記切断位置で前記被解体物を切断することを特徴とする解体方法。
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