JP2004002581A - 溶融袋に適したフィルムおよび溶融袋 - Google Patents

溶融袋に適したフィルムおよび溶融袋 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融操作温度よりも低い温度で溶融し、短時間で均一に溶融しうるものであって、十分な袋の腰の強さを有し、衝撃強度があり、低温でシールできる溶融袋に適したフィルムを提供すること、およびそれより得られるすぐれた特性を有する溶融袋を提供すること。
【解決手段】密度が0.898〜0.920g/cmの直鎖状エチレン重合体(A)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体および密度が0.905〜0.925g/cmであって直鎖状エチレン重合体(A)より高い密度の直鎖状エチレン重合体(B)から選ばれた少なくとも1種の重合体とを含む樹脂組成物からなる溶融袋に適したフィルム、およびそれより得られる溶融袋。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特性が改善された溶融袋に適したフィルムおよび該フィルムからなる溶融袋に関する。さらに詳しくは、直鎖状エチレン重合体を含む組成物よりなるフィルムおよび該フィルムからなる溶融袋に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路標示用トラフィックペイント、ホットメルト接着剤、カーボンブラックなどのゴム薬品、合成ゴムなどの改質剤などを他の成分と混合するために、しばしばフィルムで包装したままバンバリーミキサーや溶融炉に供給して溶融する方法が実施されている。それにより、使用済み袋の処理問題、袋からの取り出し時の環境問題や作業性、秤量の簡便化などの工程の簡便化などが図られているが、そのときに使用する包装袋は溶融袋と呼ばれる。
【0003】
溶融袋に求められる要件としては、その使用形態から、溶融操作温度よりも低い温度で溶融すること、短時間で溶融すること、袋の腰が強いことなどが求められる。
【0004】
これらの要件を満たす包装袋を提供する試みがなされてきた。たとえば、エチレンー酢酸ビニル共重合体またはこれとポリエチレンとの混合物を使用した溶融袋が特公昭52−48138および特公昭55−43033において提案されている。またエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を使用した溶融袋が特開昭63−165440において提案されている。
【0005】
さらに、メタロセン系オレフィン重合用触媒を用いて得られた特定のエチレン・αオレフィン共重合体を用いた溶融袋が特開2000−355359において提案されている。
【0006】
最近溶融袋に求められる必要特性が厳しくなる傾向にあり、前記した溶融操作温度よりも低い温度で溶融すること、短時間で溶融すること、袋の腰が強いことが満たされることに加えて、短時間で均一に溶融すること、衝撃強度があること、低温でシールできることなどが求められるようになってきた。また、フィルムの腰についても、他の要件を満たしながら従来提案されている溶融袋よりなお強い腰をもったものが求められている。
【0007】
従来提案されている溶融袋では、これら要求特性を満たすには不充分であるため、本発明者らは特性の改善された溶融袋の開発に鋭意取り組んだ結果本発明に到達した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、溶融操作温度よりも低い温度で溶融し、短時間で均一に溶融しうるものであって、十分な袋の腰の強さを有する溶融袋に適したフィルムを提供する。
また本発明は、溶融操作温度よりも低い温度で溶融し、短時間で均一に溶融しうるものであって、十分な袋の腰の強さを有し、衝撃強度があり、低温でシールできる溶融袋に適したフィルムを提供する。
さらに本発明は、上記改善された特性に加えて表面が滑り難い溶融袋に適したフィルムを提供する。
さらにまた本発明は、優れた特性を有するこれらフィルムからなる溶融袋を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、密度が0.898〜0.920g/cmの直鎖状エチレン重合体(A)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体および密度が0.905〜0.925g/cmであって直鎖状エチレン重合体(A)より高い密度の直鎖状エチレン重合体(B)から選ばれた少なくとも1種の重合体とを含む樹脂組成物からなる溶融袋に適したフィルムを提供する。
【0010】
前記直鎖状エチレン重合体(A)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体および直鎖状エチレン重合体(B)から選ばれた少なくとも1種の重合体の割合が、合計量を100重量%として直鎖状エチレン重合体(A)が20〜80重量%であるフィルムは、本発明の好ましい態様である。
【0011】
直鎖状エチレン重合体(A)および/または直鎖状エチレン重合体(B)が、メタロセン系直鎖状エチレン重合体である前記した樹脂組成物からなるフィルムは、本発明の好ましい態様である。
【0012】
前記樹脂組成物がさらに改質剤を含むものである樹脂組成物からなるフィルムは、本発明の好ましい態様である。
【0013】
また本発明は、前記したフィルムからなる溶融袋を提供する。
【0014】
本発明はまた、密度が0.898〜0.920g/cmのメタロセン系直鎖状エチレン重合体(A)、密度が0.905〜0.925g/cmであって直鎖状エチレン重合体(A)より高い密度のメタロセン系直鎖状エチレン重合体(B)、および炭酸カルシウムを含む樹脂組成物からなる溶融袋を提供する。
【0015】
【発明の実施の具体的形態】
本発明の溶融袋を得るのに好適なフィルムは、密度が0.898〜0.920g/cmの直鎖状エチレン重合体(A)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体および密度が0.905〜0.925g/cmであって直鎖状エチレン重合体(A)より高い密度の直鎖状エチレン重合体(B)から選ばれた少なくとも1種の重合体とを含む樹脂組成物から得ることができる。
【0016】
本発明の直鎖状エチレン重合体(A)は密度が0.898〜0.920g/cmの直鎖状エチレン重合体(A)であって、通常直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と呼ばれるエチレン重合体が好適に使用される。
【0017】
直鎖状エチレン重合体(A)の好適な例は、エチレンとα−オレフィンの共重合体である。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン−1、オクテン−1などの炭素数3〜12、好ましくは炭素数3〜8のものを挙げることができる。
【0018】
好ましいエチレンとα−オレフィンの例としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・ヘキセン−1共重合体、エチレン・オクテン−1共重合体などを挙げることができる。
【0019】
本発明の直鎖状エチレン重合体(A)のより好ましい例は、メタロセン系直鎖状エチレン重合体であり、より好ましくはメタロセン系エチレン・α−オレフィン共重合体である。メタロセン系直鎖状エチレン重合体とは、メタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下にエチレンとα−オレフィンを重合させて得られうる直鎖状のエチレンの単独重合体または共重合体をいう。
【0020】
メタロセン系オレフィン重合用触媒とは、通常シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも1個有するチタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの周期律表第IVB族金属の化合物からなるメタロセン触媒成分、および有機アルミニウム、有機アルミニウムオキシ化合物、イオン化イオン性化合物などから選ばれた触媒成分、さらに必要に応じて担体などから形成される触媒を代表例として挙げることができる触媒をいう。
【0021】
メタロセン系オレフィン重合用触媒の具体例およびそれを用いてエチレンとα−オレフィンを重合させる方法の具体的な例としては、たとえば特開平9−183816、特開平4−213309、特開平6−9724、特開平6−206939、特開平9−235312、特開平10−251334、特開平10−251335、特開平2−276807、特開平10−370575、WO93/0822などを挙げることができる。
【0022】
本発明のエチレン重合体(A)の密度は0.898〜0.920g/cmあり、好ましくは0.900〜0.915g/cmであり、より好ましくは0.900〜0.910g/cmである。
本発明のエチレン重合体(A)のメルトフローレイト(MFR)は、温度190℃、荷重2.16kgで測定して1〜10g/10分、好ましくは1.5〜6g/10分であることが望ましい。
【0023】
本発明の直鎖状エチレン重合体(B)は、直鎖状エチレン重合体(A)と同様に通常直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と呼ばれるエチレン重合体が好適に使用される。その具体的な例示は直鎖状エチレン重合体(A)について挙げた前述の例を示すことができる。
本発明の直鎖状エチレン重合体(B)のより好ましい例もまたメタロセン系直鎖状エチレン重合体である。
【0024】
直鎖状エチレン重合体(B)の密度は0.905〜0.925g/cmあり、好ましくは0.910〜0.925g/cm、より好ましくは0.910〜0.920g/cmである
【0025】
直鎖状エチレン重合体(B)は、密度がこの範囲にあって、メタロセン系直鎖状エチレン重合体(A)の密度よりも高いものである。直鎖状エチレン重合体(B)は、直鎖状エチレン重合体(A)は、よりも密度が0.02以上高いことが好ましく、0.001以上高いことがより好ましい。
【0026】
本発明のエチレン重合体(B)のメルトフローレイト(MFR)は、温度190℃、荷重2.16kgで測定して1〜10g/10分、好ましくは2〜6g/10分であることが望ましい。
【0027】
本発明のエチレン・酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルを重合させて得られうる共重合体である。エチレン・酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルのほかに他の重合しうる単量体を含んでいてもよい。
【0028】
エチレン・酢酸ビニル共重合体(以下EVAと略称することがある)としては、溶液重合法で得られるような低酢ビ含量の共重合体も、エマルジョン法で得られるような高酢ビ含量の共重合体も使用することがができるが、好ましくは酢酸ビニル含量が3〜25重量%程度、好ましくは5〜20重量%程度のものが好適に使用される。
【0029】
本発明のエチレン・酢酸ビニル共重合体のメルトフローレイト(MFR)は、温度190℃、荷重2.16kgで測定して1〜10g/10分、好ましくは2〜8g/10分であることが望ましい。
【0030】
本発明の樹脂組成物において、直鎖状エチレン重合体(A)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体および直鎖状エチレン重合体(B)から選ばれた少なくとも1種の重合体の割合は、両者の合計量を100重量%として、直鎖状エチレン重合体(A)が20〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%で、さらに好ましくは40〜60重量%であることが望ましい。
【0031】
エチレン・酢酸ビニル共重合体および直鎖状エチレン重合体(B)から選ばれた少なくとも1種の重合体としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体および直鎖状エチレン重合体(B)を使用することができるが、エチレン・酢酸ビニル共重合体または直鎖状エチレン重合体(B)をそれぞれ単独で使用する態様が好ましい態様として推奨される。中でも直鎖状エチレン重合体(B)を単独で使用する態様が特に好ましい。
【0032】
エチレン・酢酸ビニル共重合体を使用する場合、得られる樹脂組成物中の酢酸ビニル含量が、5〜20重量%となるようにエチレン・酢酸ビニル共重合体の量を選ぶと良好な結果が得られる。
【0033】
本発明の樹脂組成物における樹脂の組合せのうち、最も好ましいのは、 密度が0.898〜0.920g/cmのメタロセン系直鎖状エチレン重合体(A)、密度が0.905〜0.925g/cmであって直鎖状エチレン重合体(A)より高い密度のメタロセン系直鎖状エチレン重合体(B)である。
【0034】
本発明の樹脂組成物は、直鎖状エチレン重合体(A)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体および直鎖状エチレン重合体(B)から選ばれた少なくとも1種の重合体のほかに、炭酸カルシウム、シリカ、タルクなどの無機充填剤を改質剤として含んでいると、得られるフィルムの剛性が増加し、フィルムの腰などの特性を改善することができるので、これら改質剤を含んでいてもよい。改質剤としては、中でも炭酸カルシウムが好ましい。改質剤の添加量は、樹脂成分100重量部に対して5〜100重量部、好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは20〜40重量部であることが望ましい。
【0035】
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて他の樹脂成分、帯電防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、耐候(光)安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、核剤、滑剤、顔料、防曇剤などを、本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。
【0036】
直鎖状エチレン重合体(A)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体および直鎖状エチレン重合体(B)から選ばれた少なくとも1種の重合体、および必要に応じて改質剤その他の成分を従来公知の適当に選択された方法で混合することによって樹脂組成物とすることができる。混合は、バンバリミキサー、ニーダーミキサー、ロールや押出機等のミキサーを用いて均一に混合し混練りして目的とする組成物を得ることができる。得られた組成物を用い、従来公知の成形方法によってフィルム形状へと成形することができる。
【0037】
本発明の樹脂組成物をフィルム状に成形する方法としては、インフレーション成形法、Tダイ成形法などの公知の成形方法を用いることができるが、インフレーション成形法が特に好ましい。得られたフィルムは、必要に応じてコロナ処理などの従来公知の処理を行なってもよい。
【0038】
本発明のフィルムは、厚さが薄くても強い腰、耐衝撃強度を維持しており、必要とする強度を有するフィルムの取得を、より少ない原料樹脂量によって達成することができる。
【0039】
フィルムの厚さは特に制限がなく、用途に応じて適宜決定することができるが、通常50〜250μm、好ましくは80〜200μm、さらに好ましくは100〜180μm程度であることが望ましい。
【0040】
フィルムの厚さが薄いフィルムの使用を望む場合には、直鎖状エチレン重合体(A)と直鎖状エチレン重合体(B)により構成されている樹脂組成物から得られるフィルムが、薄いフィルム厚での強度の観点からより好適に使用される。
【0041】
本発明により得られるフィルムは、溶融温度が90〜120℃であって、溶融袋が使用される温度、たとえばトラフィックペイントにおける180℃付近よりも十分に低く、溶融操作温度よりも低い温度で溶融する溶融袋を与えうる融点を有している。
【0042】
また本発明のフィルムは、十分に強い腰を示す。フィルムの腰を示す尺度として初期弾性率を採ったとき、本発明のフィルムは従来の溶融袋に使用されているフィルムに比して、低い融点を維持したままで、高い初期弾性率を示しうるフィルムである。換言すれば、本発明のフィルムは優れた溶融特性と優れたフィルムの腰とを兼ね備えているのである。
【0043】
さらに本発明のフィルムは、耐衝撃性にも優れているので、衝撃強度を要求される用途に好適に対応することができる。また、本発明のフィルムは低温でシールすることができるので、フィルムの特性を損なうことなく袋体の成形が可能であるという特性を有する。
【0044】
本発明のフィルムは、上記改善された特性に加えて表面が滑り難い溶融袋を提供することができる。溶融袋の表面が滑り易いと、自動充填装置へ袋を供給する際につかみ不良が起こったり、段積み保管や運搬の際に荷崩れが起こったりする作業上の不具合の原因になる。そのため滑り難い表面を有する溶融袋は、作業性に優れた溶融袋として、溶融袋の価値を高めることができる。本発明のフィルムは、このような滑り難い表面を有する溶融袋を与えることができるフィルムである。
【0045】
本発明のフィルムを、従来公知の製袋法で成形することにより袋体とすることができる。得られた袋体は、その特性により各種包装袋として使用することができるが、特に溶融袋に適している。
本発明により提供される溶融袋は、溶融操作温度よりも低い温度で溶融し、短時間で均一に溶融しうるものであって、十分な袋の腰の強さを有する優れた特性を持っているので、溶融袋として広い用途に使用できるものである。
【0046】
さらに本発明の溶融袋は、耐衝撃性にも優れているので、衝撃強度を要求される用途に好適に対応することができる。
【0047】
本発明により提供される溶融袋は、さらに表面が滑り難いという特性を有しており、溶融袋への充填、保存、運搬などの作業性を改善することができる溶融袋である。
【0048】
【実施例】
以下実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例によって何ら制限されるものではない。
【0049】
本発明において、諸物性は下記の方法によって測定した。
(1)融点
JIS K7121に準拠して測定した。最大ピーク温度を融点とし、複数のピークが示される場合は各々を融点とした。
(2)密度
JIS K6760に従って測定した。
【0050】
(3)メルトフローレート(MFR)
ASTM D−1238に準拠し、190℃の温度、2.16kgの荷重下で測定した。
(4)初期弾性率
JIS Z1702に準拠して測定した。引張速度500mm/minで引張試験を行い、3%伸びの際の応力を求め、応力を3%で除して求めた。
【0051】
(5)衝撃強度
JIS Z7124に準拠して測定した。ダートはAタイプ、試験高さを66cmとした。
(6)シール強度
JIS Z1707に準拠して測定した。測定に使用したサンプルは製袋機で温度270℃で製袋したものを使用し、15mm幅の短冊状の試験片を引張試験機を使用して500mm/minの速度で180度剥離試験を行ないシール部が破断する強さを求めた。
【0052】
(7)滑り性
ASTM D1890に準拠して測定した。750mm角のホルダーにフィルム試験片を装着し、基板に取り付け同じフィルム試験片に載せて基板の一方を60度/分の速度で引き上げ、ホルダーが動き始める基板の角度を求めた。
【0053】
(8)溶融特性
路面標示用塗料の主成分である脂肪族系炭化水素樹脂(日本ゼオン(株)製 QuintoneC200S)および炭酸カルシウム(三共精粉(株)製K−1、エスカロン100)を使用した。
炭化水素樹脂70%と炭酸カルシウム30%(K−1 50%、エスカロン100 50%)を予め混合して50gを180℃〜195℃に加熱溶融し、フィルムを1cm巾4cm長さに切って0.25gを投入して棒でゆっくりと5分間かき混ぜた後、アルミ板上に流して冷却後約2mm厚さのシート状にしてフィルムの溶融状態を目視により観察し、下記基準に従って溶融特性を評価した。
フィルムの投入量は道路標示材料20kgを包装する溶融袋の重量より換算して求めた。
溶融状態
◎:溶け残りのフィルム片は小さく、細い糸を引く状態
○:溶け残りのフィルム片はやや大きい
△:溶け残りのフィルム片は大きい
【0054】
(実施例1)
直鎖状エチレン重合体(A)(LLDPE(A)と記す)として、密度0.902g/cm、MFR3.8g/10分のエボリューTMSP0540(三井化学社製)50重量%と、、直鎖状エチレン重合体(B)(LLDPE(B)と記す)として、密度0.913g/cm、MFR1.9g/10分のエボリューTMSP2020(三井化学社製)50重量%を樹脂成分とし、樹脂成分100重量部あたり30重量部の炭酸カルシウムに、酸化チタンを添加して混合し、得られた樹脂組成物を用いて、インフレーション成形を行ない、厚さ152μmのフィルムを得た。
得られたフィルムについて、諸物性を測定した。測定結果を表1に示した。
得られたフィルムから、製袋機によって袋状体を製造したところ、袋状体は溶融袋に好適なものであった。
【0055】
(実施例2)
実施例1において得られた樹脂組成物を用いて、同様にしてインフレーション成形を行なって、厚さ120μmのフィルムを得るほかは実施例1と同様にして得られたフィルムについて、諸物性を測定した。測定結果を表1に示した。
得られたフィルムから、製袋機によって袋状体を製造したところ、袋状体は溶融袋に好適なものであった。
【0056】
(実施例3)
直鎖状エチレン重合体(A)(LLDPE(A)と記す)として、密度0.902g/cm、MFR3.8g/10分のエボリューTMSP0540(三井化学社製)45重量%と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVAと記す)として、密度0.935g/cm、MFR3g/10分で、酢酸ビニル含量が15重量%のウルトラセンTM626(東ソー社製)55重量%を樹脂成分とし、樹脂成分100重量部あたり30重量部の炭酸カルシウムに、他の成分として酸化チタンを添加して得られる樹脂組成物を用いて、インフレーション成形を行ない、厚さ163μmのフィルムを得た。
得られたフィルムについて、諸物性を測定した。測定結果を表1に示した。
得られたフィルムから、製袋機によって袋状体を製造したところ、袋状体は溶融袋に好適なものであった。
【0057】
(実施例4)
直鎖状エチレン重合体(A)(LLDPE(A)と記す)として、密度0.902g/cm、MFR3.8g/10分のエボリューTMSP0540(三井化学社製)70重量%と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVAと記す)として、密度0.935g/cm、MFR3g/10分で、酢酸ビニル含量が15重量%のウルトラセンTM626(東ソー社製)30重量%を樹脂成分とし、樹脂成分100重量部あたり30重量部の炭酸カルシウムに、他の成分として酸化チタンを添加して得られる樹脂組成物を用いて、インフレーション成形を行ない、厚さ166μmのフィルムを得た。
得られたフィルムについて、諸物性を測定した。測定結果を表1に示した。
得られたフィルムから、製袋機によって袋状体を製造したところ、袋状体は溶融袋に好適なものであった。
【0058】
(比較例1)
実施例1において、樹脂成分をエチレン・メチルメタクリルレート共重合体(EMMA)(住化EMMATM、MA含量10モル%、住友化学社製)100%とするほかは同様にしてフィルムを製造した。得られたフィルムの諸物性を表1に示した。
【0059】
(比較例2)
実施例2において、樹脂成分を密度0.935g/cm、MFR3g/10分で、酢酸ビニル含量が15モル%のウルトラセンTM626(東ソー社製)のEVA100%とするほかは同様にしてフィルムを製造した。得られたフィルムの諸物性を表1に示した。
【0060】
【表1】
Figure 2004002581
【0061】
【発明の効果】
本発明により、溶融操作温度よりも低い温度で溶融し、短時間で均一に溶融しうるものであって、十分な袋の腰の強さを有する優れた特性をもった溶融袋に適したフィルムが提供される。
また本発明のフィルムは、衝撃強度があり、低温でシールできるので溶融袋に適したものである。
本発明により提供される溶融袋は、溶融操作温度よりも低い温度で溶融し、短時間で均一に溶融しうるものであって、十分な袋の腰の強さを有する優れた特性をもっているので、溶融袋として広い用途に使用できるものである。
本発明により提供される溶融袋は、さらに表面が滑り難いという特性を有しており、溶融袋への充填、保存、運搬などの作業性を改善することができる溶融袋である。

Claims (7)

  1. 密度が0.898〜0.920g/cmの直鎖状エチレン重合体(A)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体および密度が0.905〜0.925g/cmであって直鎖状エチレン重合体(A)より高い密度の直鎖状エチレン重合体(B)から選ばれた少なくとも1種の重合体とを含む樹脂組成物からなる溶融袋に適したフィルム。
  2. 前記直鎖状エチレン重合体(A)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体および直鎖状エチレン重合体(B)から選ばれた少なくとも1種の重合体の割合は、合計量を100重量%として直鎖状エチレン重合体(A)が20〜80重量%であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム。
  3. 直鎖状エチレン重合体(A)および/または直鎖状エチレン重合体(B)が、メタロセン系直鎖状エチレン重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム。
  4. 前記樹脂組成物がさらに改質剤を含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム。
  5. 前記改質剤が炭酸カルシウム、酸化チタンおよび帯電防止剤から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載のフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載されたフィルムからなる溶融袋。
  7. 密度が0.898〜0.920g/cmのメタロセン系直鎖状エチレン重合体(A)、密度が0.905〜0.925g/cmであって直鎖状エチレン重合体(A)より高い密度のメタロセン系直鎖状エチレン重合体(B)、および炭酸カルシウムを含む樹脂組成物からなる溶融袋。
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