JP2004002171A - 無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内部あるいは外部に無機繊維からなる直径1〜10mm、長さ10mm以上の無機繊維からなる棒状成形体を設置した耐火物。特に、前記棒状成形体が、放射状若しくは長手に平行な直線状、環状又は螺旋状であること、耐火物の外周の一部または全部に設置されたこと、耐火物の内部に設置されていることが好ましい。また、直径1〜10mm、長さ10mm〜耐火物の最小寸法の3分の2の無機繊維からなる複数の棒状成形体が、耐火物内部に不特定の方向に設置されている無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄鋼をはじめとする金属の溶解精錬、廃棄物処理、ガラスやセメントの製造、高温処理などのための窯炉や保持容器、搬送路等の内張りに使用される耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐火物は溶融金属の精錬や保持、材料の熱処理などに広く大量に使用されている。使用開始時、使用終了時には、昇温や冷却などで温度の急激な変化が起こる。また、たとえばバッチ処理の処理間にも急激な温度変化が起こる場合がある。耐火物は熱膨張するため、急激な温度変化に伴って耐火物内部に熱応力が生じ、これによって耐火物が破壊する場合がある。この現象は熱衝撃破壊と呼ばれる。溶鋼の連続鋳造で溶鋼取鍋からタンディッシュへ溶鋼を導くのに使用するロングノズルやタンディッシュからモールドへ溶鋼を導くのに使用される浸漬ノズルなどでは、熱衝撃破壊がしばしば発生しトラブルとなっている。
【0003】
この問題を解決する手段の一つとして、耐火物マトリックスに炭素繊維収束体を配置した溶融金属用高耐熱高強度パイプが特許文献1に、また内部に貫通孔を有する耐火物に炭素繊維の束又は網状物を巻きつける方法が特許文献2に記載されている。また、繊維どうしあるいは繊維と耐火物を強固に結合させるために、炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸あるいは塗布する方法が特許文献3に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開昭59−156971号公報
【特許文献2】
特開平2−133166号公報
【特許文献3】
特開昭59−35069号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの方法はいずれも炭素繊維の糸、紐、テープ、トウ、束やこれらからなる網、布、フェルト、ペーパー、マットを使用する。以下ではこれらを炭素繊維の収束体と呼ぶ。これらの収束体はそれ自体に保形性がないか、あるいは乏しく、耐火物表面や内部に思うような形で設置するのが難しいという欠点がある。またこれに派生して、このような保形性がないか、あるいは乏しいものは耐火物表面や内部に直線的に設置することが難しいため、たるみが生じがちである。このため高強度で高弾性率の炭素繊維を使用しても、これを設置した耐火物にプレストレスを掛けることができず、従って十分な破壊防止機能が得られない。また炭素繊維収束体は炭素繊維がほつれやすいので、耐火物を製造する際にばらばらになって用をなさない場合がある。
【0006】
また、これらの収束体は一本一本の繊維の間に大きな空隙があるため、樹脂などを含浸あるいは塗布すると多くの樹脂が吸収されやすく、さながら樹脂の塊の所々に繊維が存在するような組織となる。このようなものは耐火物の使用温度に当たる高温では樹脂中の揮発分がなくなって非常に多孔質となり、強度が低いばかりでなく、また繊維も樹脂起源の炭素も酸化しやすい。
本発明は、熱衝撃などに起因する亀裂が発生しにくい耐用性の高い耐火物とその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
係る課題を解決するため、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)直径1〜10mm、長さ10mm以上の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(2)棒状成形体が放射状若しくは長手に平行な直線状、環状又は螺旋状であることを特徴とする前記(1)記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(3)棒状成形体が耐火物の外周の一部または全部に設置されたことを特徴とする前記(1)又は(2)記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(4)棒状成形体が耐火物の内部に設置されていることを特徴とする前記(1)〜(3)の何れかに記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(5)直径1〜10mm、長さ10mm〜耐火物の最小寸法の3分の2の無機繊維からなる複数の棒状成形体が、耐火物内部に不特定の方向に設置されていることを特徴とする無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(6)棒状成形体が、無機繊維を束ねて若しくは撚り合わせて若しくは編んで、又はこれをさらに無機繊維若しくは有機繊維で結束して束ねた成形体であることを特徴とする前記(1)〜(5)の何れかに記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(7)棒状成形体が、結合剤で無機繊維を束ねて若しくは撚り合わせて若しくは編んで、又はこれをさらに無機繊維若しくは有機繊維で結束して束ねた成形体であることを特徴とする前記(1)〜(5)の何れかに記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(8)結合剤が樹脂であることを特徴とする前記(7)記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(9)樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とする前記(8)記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(10)無機繊維が炭素繊維であることを特徴とする前記(1)〜(9)の何れかに記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(11) 内部が充填された塊状、板状又は棒状の耐火物であることを特徴とする前記(1)〜(10)の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(12) 棒状成形体の全部あるいは一部の軸線と稼動面のなす角度が45〜90°であることを特徴とする前記(1)〜(11)の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(13) コークス粉中に埋め込んで600℃で3時間加熱した後の質量が、加熱前の質量の5%以上である棒状成形体を用いることを特徴とする前記(1)〜(12)の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
(14) 棒状成形体を型枠の中で組み立て、又は棒状成形体を組み立てた後に周囲に型枠を設置し、その後型枠の中に流し込み耐火物を流し込むことを特徴とする前記(1)〜(13)の何れか1項に記載に無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物の製造方法。
(15) 型枠に流し込み耐火物を流し込んだ後、棒状成形体を流し込み耐火物中に挿入することを特徴とする前記(1)〜(13)の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物の製造方法。
(16) 棒状成形体を流し込み耐火物に混入して、流し込み耐火物と共に型枠に流し込むことを特徴とする前記(1)〜(13)の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明では従来の収束体に代えて、無機繊維からなる棒状成形体を使用する。棒状成形体は保形性があるため、耐火物を製造する際にたるむことがなく、狙いどおりの形状で耐火物表面あるいは内部に設置することができる。また棒状成形体を構成する繊維がほつれることもない。なおここで言う棒状成形体とは、長さ300mm程度の試料を張力を加えることなくスパン200mm程度で水平にさし渡しても変形して落ちない程度のものである。
【0009】
前記(1)に係る発明は、たとえば図3に示したような、直径1〜10mm、長さ10mm以上の無機繊維からなる棒状成形体1で補強した耐火物2である。直方体の耐火物2に棒状成形体1が内在することで耐火物を補強している。
耐火物に無機繊維からなる棒状成形体を内在させる、あるいは外部に配すると、棒は引張強度が高いので耐火物が補強される。これにより熱応力で破壊し難くなる。また破壊して亀裂が発生しても、棒状成形体の引き抜き抵抗による架橋効果で亀裂の進展と更に大きな破壊を抑制することができる。
かかる作用効果を発現するために、棒状成形体の直径は1mm以上とすることが必要であるが、10mm超では棒状成形体の酸化や溶損により耐火物全体の耐用性が低下する恐れがある。断面形状には特に制限はなく、たとえば円、楕円、多角形、星型、花形などでも良い。
また、長さは十分な架橋効果を得るために10mm以上とする必要がある。図3のような直線状の場合、棒状成形体の長さは最大でも耐火物の最大寸法までとする。
【0010】
前記(2)に係る発明では、無機繊維からなる棒状成形体は、耐火物の内部及び/又は外部に放射状若しくは又は長手に平行な直線状、環状又は螺旋状の筒状に配置する。棒状成形体は内部と外部の両方に設置してもよく、放射状、長手に平行、環状、螺旋状の2つ以上を組み合わせてもよい。また螺旋は二重以上の螺旋やピッチが逆の螺旋を組み合わせたものでもよい。図1には内部に棒状成形体1が同一円周上に4箇所放射状に内在する場合を、図2には棒状成形体1が長手に平行な直線状に内在する場合を、図4には棒状成形体1が環状に内在する場合を、図5には棒状成形体1が螺旋状に内在する場合をそれぞれ示した。
耐火物は金物と組み合わせた耐火物構造体でもよい。たとえば、芯金あるいは鉄心と呼ばれる鉄製の板や棒を支えとして有するRH脱ガス設備の浸漬管、鉄パイプを中心に有するガス吹き込み用ランスなどがこれに当たる。
【0011】
前記(3)に係る発明は、棒状成形体が耐火物の外周の一部または全部に設置されたことを特徴とする耐火物である。図6には棒状成形体1が耐火物2の外部の一部に長手方向に平行に設置されている場合を、図7には耐火物2の外周の全部に間隙を設けないで棒状成形体1が環状に設置されている場合を、図8には耐火物2の外周の一部に棒状成形体1が螺旋状に設置されている場合を、図9には耐火物2の外周の一部に棒状成形体1が環状に設置されている場合を、図10には外周の一部に間隙を設けないで棒状成形体1が環状に設置されている場合をそれぞれ示した。
棒状成形体を耐火物の外周の一部又は全部に設けると、たとえば筒状の耐火物であれば、内部に高温物質が存在する場合に、耐火物外周に発生する引っ張り応力に対して強い補強となるため、耐火物は破壊しにくくなる。
【0012】
前記(4)に係る発明は、棒状成形体が耐火物の内部に設置されていることを特徴とする耐火物である。
棒状成形体が耐火物の内部に設置されていると、その補強効果により耐火物の強度が向上し破壊し難くなる。さらに亀裂が発生しても、棒状成形体の架橋効果により亀裂が進展しにくく、さらに大きな破壊を防ぐことができる。
【0013】
前記(5)に係る発明は、直径1〜10mm、長さが10mmから耐火物の最小寸法の3分の2以下の無機繊維からなる複数の棒状成形体が、耐火物内部に不特定の方向に設置されている耐火物である。図11にこの例を示す。
直径1〜10mm、長さ10mm〜耐火物の最小寸法の3分の2からなる複数の棒状成形体1が、耐火物1の内部に不特定の方向に設置されていると、その補強効果により耐火物の強度が向上し破壊し難くなる。さらに亀裂が発生しても、棒状成形体の架橋効果により亀裂が進展しにくく、さらに大きな破壊を防ぐことができる。棒状成形体の直径の限定理由は前記(1)に係る発明と同様であり、長さが10mm未満では棒状成形体による補強効果と架橋効果が不十分で、最小寸法の3分の2を超えると棒状成形体が配向し、亀裂発生抑制効果が低下する場合がある。最小寸法とは、たとえばれんがのような定形のものであれば縦横高さのうち最小のもの、また不定形であれば、それを施工した時の最小寸法、通常は厚みである。たとえば65×114×230mmの並形れんが形状の場合であれば65mmが最小寸法で、取鍋の側壁に流し込み材を継ぎ足し施工する場合は、その継ぎ足し厚さである。なお、太さや長さの異なる棒状成形体が共存していてもよい。
【0014】
前記(6)に係る発明は、棒状成形体が、無機繊維を束ねて若しくは撚り合わせて若しくは編んで、又はこれを更に無機繊維若しくは有機繊維で結束して束ねた成形体である。あるいは前記(7)に係る発明は、結合剤で無機繊維を束ねて若しくは撚り合わせて若しくは編んで、又はこれを更に無機繊維若しくは有機繊維で結束して束ねた成形体である。無機繊維は束ねて若しくは撚り合わせて、若しくは編んでよい。束ねるとは繊維をほぼ平行に隣接させることである。撚り合わせるとはねじり合わせることで、繊維をねじりあわせたものをさらにねじり合わせ、縄のようにしたものもこれに含まれる。編むとは繊維を打ち違えに組むことで、組み紐やリリヤーンなどもこれに含まれる。
【0015】
結合剤としては種々の樹脂などの有機物、セメント、水ガラス、粘土などの無機物が使用可能で、フェノール樹脂は好ましい結合剤の一つである。結合剤とともに適当な溶媒を用いても良い。また、結合剤にはB4C、SiC、ガラス、金属などの粉末が含まれていても良い。これらは棒の高温での強度を高めたり、炭素繊維や残炭の酸化を抑制する効果を発揮する。
結合剤として樹脂を使用する場合、まず樹脂を無機繊維間に含浸させ、これを別の無機繊維で外側から結束するか、ダイス等を通して引き抜く。このため余分の樹脂は無機繊維間から押し出されて取り除かれ、樹脂の量の少ない棒状成形体を得ることができる。このため棒状成形体の強度は高く、酸化しにくい。
【0016】
また、無機繊維に張力を印加しながら樹脂で束ねた棒を作成すると、プリテンションの掛かった棒状成形体を作成することができる。これを使用して耐火物を作成すると、前述のようにたわみがないことと相俟って、プレストレスの掛かった耐火物を得ることができ、熱衝撃破壊の抑制に非常に大きな効果を発揮する。
また、束ねたり、撚り合わせたり、あるいは編んだりして結束したものを樹脂などの液体状の収束剤に浸してもよい。外側から結束せずに張力をかけてそのまま硬化させても棒状成形体は作成できる。
直棒は張力をかけることで製造できる。環状や螺旋状、多角形の棒状成形体は適当な枠に巻きつけて硬化させることで製造できる。
【0017】
前記(9)に係る発明は、樹脂がフェノール樹脂である場合であり、非酸化雰囲気で熱処理すると炭素が残留する。この炭素すなわち残炭が耐火物を構成する他の耐火骨材等の粒子を結合させ、またそれ自身も一種の耐火材として機能するので、耐火物に使用するには好適な樹脂である。このため無機繊維を束ねる樹脂としても非常に好適である。
【0018】
前記(10)に係る発明は、無機繊維が炭素繊維である場合であり、強度が高く耐熱性も高い。欠点は酸化により消失することである。炭素繊維をフェノール樹脂で束ねると、樹脂起源の炭素により繊維が一体化し、比表面積を小さくすることができる。このため耐酸化性を高めることができる。
【0019】
前記(11)に係る発明は、内部が充填された塊状、板状又は棒状の耐火物であることを特徴とする。本発明はパイプ状の耐火物のみならず、塊状、板状、棒状の耐火物にも適用でき、耐火物表面の剥離や亀裂発生を抑制することができる。
【0020】
前記(12)に係る発明は、棒状成形体の全部あるいは一部の軸線と稼動面のなす角度が45〜90°であることを特徴とする。棒状成形体の全部あるいは一部の軸線と稼動面のなす角度を45〜90°にすると、耐火物内部に生じる稼動面に平行な亀裂の発生を、あるいは亀裂に伴う耐火物表面の剥落を効果的に抑制することができる。稼動面とは耐火物によって保持される高温あるいは腐食性の物質と耐火物の接触面である。なお45°未満では効果が不十分である。
【0021】
前記(13)に係る発明は、コークス粉中に埋め込んで600℃で3時間加熱した後の質量が、加熱前の質量の5%以上である棒状成形体を用いることを特徴とする。結合剤により無機繊維を収束した場合、本発明の耐火物の乾燥、熱処理、あるいは使用中に結合剤中の揮発成分が逸散し、棒状成形体の周囲あるいは内部に空隙ができる。この空隙は欠陥として耐火物の耐食性や耐スラグ浸潤性などに悪影響を及ぼすので空隙はできるだけ少なくするべきである。空隙の量は棒状成形体の収束に用いられた結合剤と繊維の割合、および結合剤中の揮発成分の量比に影響される。これらを総合的に評価する指標として、棒状成形体をコークス粉中に埋め込んで600℃で3時間加熱し、加熱後の質量と加熱前の質量の比を特定することが有効である。この比、すなわち(加熱後質量)/(加熱前質量)が5%(=0.05)以上であれば、耐火物中の欠陥が少なく、耐食性や耐スラグ浸潤性に殆ど影響を与えない。なおこの比は高いほどよく、望ましくは20%以上である。
【0022】
無機繊維としては炭素繊維、ガラス繊維、たとえばアルミナ質、アルミナ−シリカ質、アルミナ質、ムライト質、ジルコニア質、マグネシア−シリカ質、マグネシア−シリカ−カルシア質などの無機繊維が使用可能である。前述のように炭素繊維は強度と耐熱性の観点からは特に優れている。他方、アルミナ−シリカ質、アルミナ質、ムライト質、ジルコニア質、マグネシア−シリカ質などの無機繊維は酸化消失することがないので、酸化が懸念されるような場合には有効である。結束には有機繊維を使用することも可能である。なお、これらの繊維を二種以上組み合わせて使用することも可能である。有機繊維として、たとえばアラミド繊維、ザイロンの商品名で知られる繊維、ポリウレタン繊維等を使用することができる。
【0023】
棒状成形体は直線状でも、また環状、螺旋状その他の曲線状でもよく、波形のもの、太さが一定でないものでもよい。棒状成形体には枝、突起、凹凸があると引き抜けにくくなるので好ましい。棒状成形体の作成の際、繊維を撚り合わせる、あるいは繊維で結束すると、表面に凹凸ができるので、引き抜きに対しては有利になる。撚り合わせの方法を工夫する、あるいは太い束状の繊維で結束するなどの手段を講じることで、より表面の凹凸の大きな棒を作成することができる。また短い棒状成形体を撚り込んだり繊維で結束したりすることで、枝のある棒状成形体を作成することもできる。
【0024】
母材となる耐火物は通常知られている耐火物すべてが可能である。たとえば、マグネシア、カルシア、スピネル、クロム鉱、クロミア、アルミナ、ムライト、シリカ、硅石、シャモット、ばん土頁岩、ボーキサイト、粘土、アンダリューサイト、シリマナイト、カヤナイトなどの各種のアルミナ−シリカ系原料、ジルコン、ジルコニア、SiC、B4Cなどの炭化物やほう化物、鱗状黒鉛、コークス、土状黒鉛、人造黒鉛、ピッチなどの各種炭素源を骨材とし、これらに必要に応じてバインダーや各種添加剤を加えた耐火物である。なお、棒状成形体の素材として炭素繊維を用いる場合は、その酸化を抑制する観点から炭素を含有する耐火物とした方が良い。
【0025】
次に本発明の耐火物の製造方法について説明する。
流し込み耐火物を用いると棒状成形体を設置するのが簡単である。すなわち前記(14)に係る発明のように、棒状成形体を型枠の中で組み立て、又は棒状成形体を組み立てた後に棒状成形体の周囲に型枠を設置し、その後型枠の中に混練した流し込み耐火物を流し込むことにより製造できる。棒状成形体は型枠に部分的に固定しておくとよい。こうすることで確実に狙った形に棒状成形体が内在する流し込み耐火物成形体を得ることができる。
また、前記(15)に係る発明のように、型枠に流し込み耐火物を流し込んだ後、棒状成形体を流し込み耐火物中に挿入しても良い。
あるいは前記(16)に係る発明のように、棒状成形体を流し込み耐火物に混入して、流し込み耐火物と共に混練し、流し込み耐火物と共に型枠に流し込んでもよい。
【0026】
束ねた棒状成形体を耐火物に埋め込むには、耐火物成形時に坏土や混練物に埋め込むと作業が楽である。耐火物を成形する際に孔をあけておき、あるいは穿孔して棒状成形体を装入し、周囲を流し込み耐火物や接着剤で充填することも可能である。
【0027】
棒状成形体を耐火物の外部に設置する場合は、棒状成形体を表面に沿わせて設置して接着剤や結束材などで固着させる、耐火物成形用の型枠の内側に棒状成形体を予め設置しておいてから、坏土や混練物を型枠に入れて棒状成形体と共に成形する、あるいは可撓性のある棒状成形体を耐火物表面に巻きつける、あるいはこれらを組み合わせた方法をとることができる。棒状成形体を配した後にさらに結合剤や金物で押さえてもよい。また耐火物坏土や混練物で覆って、棒状成形体が内在する耐火物を製造することも可能である。
結合剤中の揮発分は耐火物の受熱時に気体となり、耐火物を破損させる可能性がある。これを避けるために、必要に応じて棒状成形体あるいは棒状成形体を埋め込んだ耐火物を熱処理などを行い、揮発分を除去してもよい。
【0028】
【実施例】
[実施例1]
実験室レベルで本発明の効果を確認した。
炭素繊維(PAN系、強度約5000MPa、弾性率約24tf/mm2)にフェノール樹脂を塗りながら束ね、さらに同じ繊維の束を周囲に螺旋状に巻きつけて直径6mm、長さ約5mにしたものを熱処理して樹脂を硬化させたのち、これを長さ200mmに切断して棒状成形体を作成した。なお、棒状成形体の炭素繊維とフェノール樹脂の割合は40:60(容量比)であった。
【0029】
本発明例としてアルミナを主成分とし炭素を5質量%含有した流し込み材(キャスタブル)を母材とし、3本の作成した棒状成形体を長手方向に平行に約40mm間隔で内部に埋め込んだ65×114×230mmの試料を作成した。また、比較例として棒状成形体を埋め込まない試料も作成した。
上記棒状成形体をコークス粉中に埋め込んで600℃で3時間熱処理したあとの質量の、熱処理前質量に対する比は45%であった。
埋め込む手順は以下のようにした。流し込み用鉄製型枠(幅114mm×長さ230mm×深さ65mm)に、混練した流し込み材を深さ30mmまで入れて表面をならし、ここに長さ200mmの前記棒状成形体を中心に1本、その両脇に左右1本ずつ、40mmの間隔をあけて置いた。なお、棒状成形体の向きは型枠の230mmの辺と平行にし、棒状成形体の上下は各15mmずつ型枠の114mmの辺との間があくようにした。その後残りの35mm深さ分の流し込み材を入れて、表面をならしてからそのまま24時間室温で養生した。その後脱枠してから110℃で24時間乾燥した。
【0030】
これらを1600℃の溶銑に浸漬−放冷を繰り返した後に断面の亀裂を観察した。双方の亀裂の状況を図12に示す。何れもほぼ同じ深さの酸化層4が観察されたが、耐火物2に棒状成形体1を埋め込まなかった比較例(図12(b))には網目状の亀裂3が発達したのに対し、埋め込んだ本発明例(図12(a))では亀裂3は大幅に減少した。
【0031】
[実施例2]
溶鋼に粉体を吹き込むためのランスに本発明を適用した。
本発明例として、炭素繊維をフェノール樹脂で束ねた螺旋状の棒状成形体をランスに埋め込んだ。棒の材質と母材は実施例1と同じであった。
比較例とした通常のランスは耐火物で覆われた部分の長さが5m、外径が300mm、中心の鉄パイプの外径が100mmで、パイプの外側には長さ50mmの鉄製のスタッドをおよそ200mmピッチで90゜間隔で放射状に溶接して取り付けた。またパイプの下端にも同じスタッドを溶接して取り付けた。炭素繊維の棒状成形体は直径200mm、ピッチ200mmで螺旋状に成形した長さ4mのものを作成し、鉄パイプの下端から0mから4mのところにかぶせて、所々で鉄のスタッドに粘着テープで仮止めした。これらを流し込み用の型枠の中にセットし、流し込み材を流し込んで埋め込んだ。
【0032】
350℃で乾燥した後に溶鋼取鍋中の溶鋼にガスを吹き込み操業に供した。10回使用した後に観察したところ、螺旋状の棒を埋め込まなかった通常品(比較例)ではランス長手に平行な縦亀裂がほぼ90゜間隔で見られたのに対し、炭素繊維からなる棒状成形体を埋め込んだもの(本発明例)では顕著な縦亀裂は観察されなかった。
【0033】
[実施例3]
RH脱ガス設備の浸漬管に本発明を適用した。棒状成形体はアルミナ繊維とフェノール樹脂を用いて同様に作成した直径4mmのものであった。
本発明例として、外径1500mm内径800mm、フランジを含めた高さ750mmである300tRH脱ガス装置用浸漬管の下端のキャスタブルに環(リング)状の棒状成形体を埋め込んだ。なおリングは直径1300mmの環状に成形し、端部どうしは特に接合せず、約4分の1周分が重なるようにした。
【0034】
芯金の内側にマグクロれんがをセットし、芯金の下端と外周に高さ60〜100mmの鉄製スタッドを100mm程度のピッチで溶接して取付け、環状の棒棒状成形体を下端のスタッドに粘着テープで所々仮止めし、型枠をセットしてからアルミナ−スピネル質流し込み材を施工した。これを350℃で乾燥した後にRH下部槽に取り付けて使用した。上昇側で約60回使用した時点で観察したところ、比較例とした棒状成形体や紐状繊維を埋め込んでいないものは縦方向の亀裂が多数見られたが、棒を埋め込んだものでは亀裂発生は明らかに少なかった。
【0035】
[実施例4]
転炉底吹き羽口のスリーブれんがに本発明を適用した。棒状成形体は、炭素繊維とフェノール樹脂を用いて実施例1の場合と同様に作成した直径4mm、長さ800mmのものを使用した。
本発明例として、上底吹転炉の長さ950mm外径450mmの底吹き羽口スリーブれんがを製造する際に母材である炭素含有量20質量%のマグネシア−カーボン質の坏土を型に入れてならし、棒状成形体をれんがの長手に沿って置き坏土を被せることを繰り返す方法で、肉厚方向のほぼ中心に円周方向にほぼ均等に、すなわちほぼ30゜毎に12本埋め込んだ。これを乾燥してから転炉に装着して試用した。棒状成形体を埋め込まなかった比較例は転炉1炉代の間に4回程度交換するところを、本発明例は2回の交換で済んだ。
【0036】
[実施例5]
本発明例として転炉の傾斜部(上部、絞り部)に使用されるマグネシア−カーボンれんがに炭素繊維からなる棒状成形体を埋め込んだ。炭素繊維製の棒状成形体は実施例1と同じものを使用した。黒鉛含有量18質量%の坏土を型に半分入れ、型より50mm短い棒状成形体2本を幅方向は均等に長手方向に沿って並べ、さらに坏土を入れてプレス成形した。これを乾燥してから築造した。棒状成形体を加えていない比較例は転炉の使用回数が約1000回を超えるとれんが表面がかなり剥離するのに対し、棒状成形体を埋め込んだ本発明例は剥離が少なかった。
【0037】
[実施例6]
SNプレートに本発明を適用した。なお、SNプレートとはスライディングノズルプレートで、SGすなわちスライディングゲートとも、またSVすなわちスライディングバルブとも呼ばれ、孔の開いた二枚ないし三枚の耐火物製の板を面接触させ、孔のずれ度合いで溶融金属等の流量を制御するためのものである。
本発明例として、アルミナを主成分とし炭素を12質量%、シリカを8質量%程度含有し焼成含浸した厚さ40mmのSNプレートの周囲に、実施例1の棒状成形体を、樹脂が硬化しないうちに幅一杯に巻き付けたものを試作した。なお、比較例とした通常品は鋼製フープを重ねて厚さ約5mmに巻き付けたものである。これらを取鍋に使用したところ、比較例は3回使用すると孔の周囲に放射状の亀裂が発達しそれ以上の使用には耐えないが、本発明例は3回使用しても亀裂は軽微で再使用可能な状態であった。
【0038】
[実施例7]
実施例1と同じ方法、材料を用いて、直径4mm、長さ40mmに切断した棒状成形体を多数準備した。
実施例1と同じ流し込み材に、この棒状成形体を外掛けで2質量%加えて混練し、65×114×230mmの型に流し込み成形した。また、比較例として棒状成形体を混入しない試料も作成した。概念図を図11に示す。
これらを1600℃の溶銑に浸漬−放冷を繰り返した後に断面の亀裂を観察した。耐火物2に棒状成形体1を埋め込まなかった比較例には網目状の亀裂が発達したのに対し、埋め込んだ本発明例では亀裂は大幅に減少した。
【0039】
[実施例8]
炭素分5質量%、SiC配合量15質量%のアルミナ−SiC−C質流し込み材に、実施例7と同じ直径4mm長さ40mmの炭素繊維からなる棒状成形体を1質量%加えて混練し、本発明例として高炉大樋で溶銑と溶滓を分離する厚さ250mmのスキンマー堰を作成した。乾燥してから使用したところ、棒状成形体を加えていない比較例と比較して溶損は同程度だったが、亀裂発生程度は軽微だった。
【0040】
[実施例9]
MgO=7質量%のアルミナ−マグネシア質流し込み材に、ムライト組成の結晶質繊維を用いて実施例7の場合と同様に作成した、直径4mm長さ60mmの棒状成形体を1質量%添加して混練し、本発明例として流し込み成形により厚さ250mmの溶鋼取鍋用湯当たりブロックを作成した。乾燥してから溶鋼鍋に施工し、65回使用してから回収して調査したところ、棒状成形体を添加していない比較例の減寸(使用前と使用後の厚みの差)を100とすると、本発明例では75に改善されていた。また、比較例は稼働面に平行な幅3mm程度の大きな亀裂が発達して表面が端から剥離しかかっていたのに対し、本発明例には稼働面に平行な亀裂は生じていたものの亀裂の幅は0.5mm程度と小さく、剥離もほとんど見られなかった。
【0041】
[実施例10]
太さ5mmのアルミナ長繊維製ヤーン(組み紐)をフェノール樹脂に浸漬して樹脂を染み込ませた後に取り出して余分の樹脂を滴下させて取り除いた後に約300℃で硬化させ、棒状成形体を作成した。硬化時に張力をかけることで直棒を、また円柱状の型に巻きつけることで環状の成形体を作成した。これらの棒状成形体をコークス粉中に埋め込んで600℃で3時間熱処理したあとの質量の、熱処理前質量に対する比は25%であった。
この棒状成形体をRH浸漬管に適用した。直径約1000mm長さ約800mmの芯金の下端に取り付けた鉄製スタッドに、直径1000mmの環状成形体を芯金下端から20mm浮かせて所々粘着テープで仮止めし、さらに芯金外側にその軸に平行に長さ800mmの直棒成形体を90°毎に4本、これも鉄製スタッド芯金から20mm浮かせて粘着テープで仮止めした。その後型枠をセットしてアルミナ−スピネル質の流し込み材を流し込み施工し、その後2Gで3分間加振した。さらに、流し込んだ材料に長さ100mmの直棒成形体4本を下端面に垂直に押し込んだ。押し込み位置は800mmの直棒を設置した位置と45°離れた方向で、浸漬管壁の厚みのほぼ2分の1の位置とした。押し込み時に金物に当たって押し込めない場合は位置をややずらした。なおこれら一連の作業は、浸漬管をRH下部槽に締結するためのフランジを下に、下端を上にした状態で行った。
常温で1日養生したあと脱枠し、300℃で乾燥してからRH下部槽に取り付けて使用した。
通常は50回程度使用すると浸漬管の下端に縦方向の亀裂が生じ、100回を過ぎると下端の流し込み材が脱落する場合があるが、棒状成形体を設置した浸漬管では縦方向の亀裂が100回でも目立たず、流し込み材の脱落も起こらなかった。
【0042】
[実施例11]
実施例10に記載の棒状成形体を設置したバーナータイル(加熱炉のバーナーの焚き口に使用される部材)を製作し使用した。
350mm角で内部に円錐台状の焚き口孔(入口内径100mm炉内出口内径250mm)のあるバーナータイルを流し込み材で製作するに当たって、まず直径300mmの環状成形体2本と長さ300mmの直棒成形体4本を骨組みのように組み立てた。環を間隔80mmで平行に配置し、4本の直棒を環のなす面に垂直でかつ90°間隔に環に取り付け、環のなす面に平行な方向から見ると鳥居のような形になるように組み立てた。バーナータイルの外形をなす外枠(枠の下側が焚き口側で上側が炉内出口側)の内側に組み立てた棒状成形体を入れ、直棒がバーナータイルの隅に来るようにして型枠の下底面に鳥居の脚に当たる部分を粘着テープで仮止めした。
さらに焚き口を形成させるための円錐台型の中子を上下逆(太い部分が上、細い部分が下)になるようにセットした。この後ハイアルミナ質の流し込み材を流し込んで2Gで1分間加振した。1日常温で養生した後に脱枠し、さらに約300℃で乾燥してから鋼材加熱炉のバーナータイルとして組み込んで使用した。
通常は約半年使用すると亀裂が発生してバーナータイルの出口側が剥落する。棒状成形体を埋め込んだバーナータイルでも亀裂は発生したが、その幅は通常品の約半分で、出口側は剥落しなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明により各種耐火物の寿命を延長することができ、窯炉等の寿命延長、耐火物コスト削減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機繊維からなる棒状成形体が放射状に内在する筒状の耐火物。
【図2】無機繊維からなる棒状成形体が長手に平行に内在する筒状の耐火物。
【図3】無機繊維からなる棒状成形体が長手に平行に内在する棒状の耐火物。
【図4】無機繊維からなる棒状成形体が環状に内在する筒状の耐火物。
【図5】無機繊維からなる棒状成形体が螺旋状に内在する筒状の耐火物。
【図6】無機繊維からなる状成形体が長手に平行に外部に設置されている耐火物。
【図7】無機繊維からなる棒状成形体が環状に外部に設置されている耐火物。
【図8】無機繊維からなる棒状成形体が螺旋状に外部に設置されている耐火物。
【図9】無機繊維からなる棒状成形体が環状に外部の一部に設置されている耐火物。
【図10】無機繊維からなる棒状成形体が環状に外部の一部に設置されている耐火物。
【図11】無機繊維からなる棒状成形体が内部に不特定の方向に設置されている耐火物。
【図12】無機繊維からなる棒状成形体が長手に平行に内在する棒状の耐火物を溶銑に浸漬−冷却を繰り返した後の断面模式図。(a)は棒状成形体が内在した試料、(b)は棒状成形体が内在しない試料。
【符号の説明】
1:棒状成形体
2:耐火物
3:亀裂
4:酸化層
Claims (16)
- 直径1〜10mm、長さ10mm以上の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 棒状成形体が放射状若しくは長手に平行な直線状、環状又は螺旋状であることを特徴とする請求項1記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 棒状成形体が耐火物の外周の一部または全部に設置されたことを特徴とする請求項1又は2記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 棒状成形体が耐火物の内部に設置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 直径1〜10mm、長さ10mm〜耐火物の最小寸法の3分の2の無機繊維からなる複数の棒状成形体が、耐火物内部に不特定の方向に設置されていることを特徴とする無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 棒状成形体が、無機繊維を束ねて若しくは撚り合わせて若しくは編んで、又はこれをさらに無機繊維若しくは有機繊維で結束して束ねた成形体であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 棒状成形体が、結合剤で無機繊維を束ねて若しくは撚り合わせて若しくは編んで、又はこれをさらに無機繊維若しくは有機繊維で結束して束ねた成形体であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 結合剤が樹脂であることを特徴とする請求項7記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 樹脂がフェノール樹脂であることを特徴とする請求項8記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 無機繊維が炭素繊維であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 内部が充填された塊状、板状又は棒状の耐火物であることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 棒状成形体の全部あるいは一部の軸線と稼動面のなす角度が45〜90°であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- コークス粉中に埋め込んで600℃で3時間加熱した後の質量が、加熱前の質量の5%以上である棒状成形体を用いることを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物。
- 棒状成形体を型枠の中で組み立て、又は棒状成形体を組み立てた後に周囲に型枠を設置し、その後型枠の中に流し込み耐火物を流し込むことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物の製造方法。
- 型枠に流し込み耐火物を流し込んだ後、棒状成形体を流し込み耐火物中に挿入することを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物の製造方法。
- 棒状成形体を流し込み耐火物に混入して、流し込み耐火物と共に型枠に流し込むことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の無機繊維からなる棒状成形体で補強した耐火物の製造方法。
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