JP2004001633A - 車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システム - Google Patents

車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システム Download PDF

Info

Publication number
JP2004001633A
JP2004001633A JP2002160161A JP2002160161A JP2004001633A JP 2004001633 A JP2004001633 A JP 2004001633A JP 2002160161 A JP2002160161 A JP 2002160161A JP 2002160161 A JP2002160161 A JP 2002160161A JP 2004001633 A JP2004001633 A JP 2004001633A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damaged portion
damage
panel
vehicle
point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002160161A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Kamigaki
上垣 健男
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2002160161A priority Critical patent/JP2004001633A/ja
Publication of JP2004001633A publication Critical patent/JP2004001633A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Cleaning, Maintenance, Repair, Refitting, And Outriggers (AREA)
  • Straightening Metal Sheet-Like Bodies (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、車輌の外板パネルにおける損傷箇所の修理を経験の浅い作業員であっても容易且つ確実に行える車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することを課題とする。また、本発明は、車輌の外板パネルに形成された損傷の修理を低コストにて行える車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することを課題とする。さらに、本発明は、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理にかかる作業量をより厳密に算出することができる車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の車輌修理の支援方法は、車体の外板パネルに形成された損傷箇所の損傷量を体積にて算出する工程と、この損傷量に基づいて引き出しポイントを算出する工程を含むことを特徴とする。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌の外板パネルの損傷の板金修理を支援する車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車車輌の外板パネルの凹みを修理するには、損傷部分の裏側からハンマ等によりパネルをたたき出して修理する方法や、或いは損傷部分の表面に銅製のワッシャやピンを電気的に溶着し、このワッシャやピンを工具を用いて外側に引き出すことによりパネルを修正する引き出し修理方法等がある。
【0003】
そして、例えば上述した引き出し修理方法においては、損傷部分の塗膜を剥離した後、損傷部分の表面に多数のワッシャをワッシャ溶植機によって電気溶接し、溶植したワッシャにスライドハンマーの先端フックを引っかけ、スライドハンマーの打撃力によりワッシャ溶植部のパネルを引き出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この引き出し修理方法では、引き出し箇所の設定(ワッシャ溶接箇所)は、作業員の経験則によって行われていた。即ち、各作業員の経験の違いより、同一の損傷について、作業員毎にワッシャの溶植数も異なることとなる。
【0005】
そのため、全ての作業員に対して、最も修理に適した引き出し箇所の設定を望むのは困難であった。特に、経験の少ない作業員にとっては、引き出し箇所の設定は非常に困難であり、ワッシャの溶植数が過大になり易く作業時間の増大を招くものであった。
【0006】
また、通常の引き出し修理では、損傷箇所の凹みの中心部(最も凹んでいる箇所)をまず引き出し、その後に他の箇所(凹みの端部)を引き出して修理しているが、凹みの中心部をまず引き出すと、後に凹みの端部を引きだした際に中心部が盛り上がってしまうことがある。
【0007】
これは、先に行った損傷箇所中心部での引き出し作業が過大であった為に起こる現象であるが、損傷箇所中心部における引き出し作業の加減は困難であり、結果として修正作業の増加を期すものであった。
【0008】
さらに、引き出し作業の前作業として、損傷箇所の塗装を剥離する必要があるが、この塗装剥離は広めに行われる傾向がある。これは、一旦塗膜の剥離作業を終了して引き出し作業に移行した際、さらに塗膜の剥離が必要であると判明した場合には、再び塗膜剥離を行うのは非常に面倒である為、広めに塗膜の剥離を行っているからである。
【0009】
しかし、塗膜剥離を広めに行うと、剥離作業自体に必要以上の時間を費やすと共に、剥離したパネル表面の復元に、パテや塗料等の復元用材料と修理時間を費やすことになってしまう。
【0010】
そして、以上のような損傷箇所の修理にあたっては、仮に同一の損傷であっても、作業員の技術熟練度によって使用材料量・作業時間・作業面積が異なってしまうという問題もあった。
【0011】
つまり、損傷の程度が同様の損傷であっても、熟練した作業員により修理が行われると、使用材料量、作業時間、作業面積何れも必要最低限で修理を行うことができ、修理作業に不慣れな作業員により修理が行われると、使用材料、作業時間、作業面積何れも前者に比べ多くなってしまうということである。
【0012】
また、これまでは、作業量の一部を作業面積に基づき算出していたが、損傷具合により損傷面積が小さくても作業量が少ないと一概に言い切れない場合がある。
【0013】
例えば、図16に示すように、損傷面積が大きく損傷の深さが浅い場合と、図17に示すように、損傷面積が小さくても損傷の深さが深い場合とを比較すると、前者は損傷面積は大きくても損傷の深さが浅い為外板パネルの引き出し量は少ない。しかし、後者は前者に比べて損傷面積は小さいが、前者に比べて損傷の深さがかなり深い為、パネルの引き出し量は前者よりも多くなる。
【0014】
この損傷面積を作業量の判断材料としてしまうと、作業量が正確に算出されない場合も少なからずあった。
【0015】
そこで、本発明は、上述した事項に鑑みてなされたものであり、車輌の外板パネルにおける損傷箇所の修理を経験の浅い作業員であっても容易且つ確実に行える車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することを課題とする。
【0016】
また、本発明は、車輌の外板パネルに形成された損傷の修理を低コストにて行える車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することを課題とする。
【0017】
さらに、本発明は、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理にかかる作業量をより厳密に算出することができる車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することを課題とする。
【0018】
加えて、本発明は、作業員の技術習熟度により作業量にバラツキが出てしまうことを極力防止する車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決する為に以下の手段を採用した。
【0020】
即ち、本発明は車体のパネル損傷の修理を支援する方法であって、コンピュータが、(a)パネルの損傷箇所における損傷量を入力する工程と、(b)入力した損傷量に基づき、損傷箇所の中心から外方へ亘って、パネルを引き出すべき引き出しポイントを演算する工程とを実行することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、コンピュータが車体パネルの損傷箇所における表面に所定間隔毎に配置された各測定ポイントを測定することにより得た損傷深度に基づき、損傷箇所における損傷量を計算することを特徴とする。
【0022】
尚、この損傷量としては、損傷箇所における凹み部分の体積値とするとより厳密な損傷量を得ることができる。
【0023】
これによって、損傷量を損傷面積としたときになされる、損傷面積が広い損傷は損傷面積が狭い損傷よりも作業量が多いという短絡的な判断に惑わされることなく損傷量をより正確に算出することができる。
【0024】
例えば、損傷面積が狭くても損傷深さが深い損傷は、損傷面積が広く損傷深さが浅い損傷よりも損傷量が多い場合等を正確に判断することができる。
【0025】
また、本発明における損傷量の算出方法としては、損傷箇所を測定ポイントに基づき損傷箇所を各立体ブロックに区分し、各々の立体ブロックの体積から損傷箇所の損傷量を算出する方法を例示できる。
【0026】
損傷箇所の凹み部分を立体ブロック状に分ける為、区分けする立体ブロックの大きさを小さく、即ち測定ポイントを増やして、各測定ポイントに対応する区分けを行えば、区分けがより細かくなりひいてはより正確な損傷量を求めることができる。
【0027】
さらに、本発明における測定ポイントは、車体パネルの損傷箇所に定めた座標系上に配置されていると好ましい。
【0028】
尚、この座標系を三次元座標系とすると、二次元平面座標で捉えた損傷面積に二次元平面座標に垂直な座標、即ち損傷深さを乗ずることで損傷箇所の損傷量を体積値で容易に求めることができる。
【0029】
また、損傷箇所を初めに立体ブロックに区分けし、その立体ブロックの中心を測定ポイントとし損傷箇所の深度を測定することもできる。
【0030】
また、本発明における(b)工程にて演算された引き出しポイントは、損傷量、及び損傷箇所の形状に応じて作業順に配設されていることを特徴とする。
【0031】
さらに、本発明は、(c)車輌パネルの修理を行う為の専用シートに引き出しポイントを印刷する工程も含まれている。
【0032】
このように作業順に配設された引き出しポイントが印刷された専用シートを損傷箇所に重ね、引き出し作業を行うことにより作業経験の少ない技術者であっても車輌パネルの修理を容易に、且つ正確に行うことができる。
【0033】
また、本発明は、コンピュータにより実行される(d)損傷量に基づいて車体の修理作業時間を算出する工程を含むことを特徴とする。この(d)工程は、(b)工程によりマークしたポイントを計数する工程((e)工程)と、計数したポイントに、1ポイント単位当たりの所定時間を乗じて当該損傷箇所における修理作業時間を算出する工程((f)工程)とを含む。
【0034】
即ち、本発明における(d)工程は、損傷量に基づき算出された引き出しポイントの数により修理作業時間を算出する工程である。尚、この工程を経るにあたって、例えば、引き出しポイントを一つ引き出す為に要する時間は30秒というように、引き出しポイント一つ当たりに要する作業時間を予め定めておく必要がある。
【0035】
また、この修理作業時間には、作業を行う為の準備にかかる時間も含まれている。この準備にかかる時間には、引き出し作業を行う装置を損傷箇所に設置する為にかかる時間や、引き出し作業を行う前に損傷箇所の塗膜を剥離する為にかかる時間等が含まれる。尚、これらの時間も予め設定しておくと好ましいが、損傷の程度や損傷面積/体積に応じて変更する必要がある。
【0036】
さらに、本発明は、コンピュータにより実行される(g)損傷量に基づいて車体の修理作業費用を算出する工程も含むと好ましい。この(g)工程は、(e)工程により計数したポイントに、1ポイント当たりの所定金額を乗じて当該損傷箇所における処理作業費用を算出する工程((h)工程)を含んでいる。
【0037】
即ち、本発明における(g)工程は、損傷量に基づき算出された引き出しポイントの数により修理に係る費用を算出する工程である。尚、この工程を経るにあたって、上述した修理作業時間の場合と同様に、例えば、引き出しポイント1つに対して修理費用が1000円というように、引き出しポイント1つあたりの修理費用を定めておく必要がある。
【0038】
尚、1ポイント当たりの修理作業時間や修理費用は、損傷の部位や損傷の程度により異なるように設定するとより好ましい。
【0039】
このように、引き出しポイントを算出すると共に、修理に係る時間や費用も算出することができるため、これまで、作業者の勘や経験に委ねられてきた修理作業時間や修理費用のバラツキを少なくすることができる。
【0040】
また、本発明は車体のパネル損傷の修理を支援する方法でもあり、(i)パネルの損傷箇所における損傷量を測定する工程と、(j)入力した損傷量に基づき、損傷箇所の中心から外方へ亘って、パネルを引き出すべき引き出しポイントを決定する工程とを含んでいる。
【0041】
さらに、本発明における車輌修理の支援方法は、(i)工程と(j)工程との間に、(k)各ポイントにおける塗膜を剥離する工程を挿入することも可能である。
【0042】
さらに、本発明は車体のパネル損傷の修理を支援するプログラムでもあり、
(l)パネルの損傷箇所における凹み部分の体積値を入力するステップと、(m)入力した損傷量に基づき、損傷箇所の中心から外方へ亘って、パネルを引き出すべき引き出しポイントを演算するステップとをコンピュータに実行させる。
【0043】
また、本発明は車体のパネル損傷の修理を支援するシステムでもあり、パネルの損傷箇所における凹み部分の体積値を測定する入力手段と、入力した体積値に基づき、損傷箇所の中心から外方へ亘って、パネルを引き出すべき引き出しポイントを決定する演算手段とを備えることを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車輌修理の支援方法に関し、その好適な実施形態について図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施形態は、あくまでも本発明の一実施形態であり、その詳細は特許請求の範囲に記載した要旨から逸脱しない範囲で種々に変更可能である。
【0045】
<第一の実施の形態>
本実施形態における車輌修理の支援方法は、図18に示すように車体パネル面101にできた損傷の修理を支援する方法である。そして、この支援方法は、車体の外板パネルに形成された損傷箇所の損傷量を測定する工程と、損傷量に基づき算出された引き出しポイントを算出する工程と、引き出しポイントから作業量を算出する工程と、引き出しポイントを引き出す工程と、引き出した後の損傷箇所にパテ付けを行う工程と、パテ付けを行った部分にプライマサーフェーサ層を形成させる工程と、仕上げの上塗り工程とを含む。
【0046】
まず、各工程の説明に先立ち、本実施形態における車輌修理の支援方法に用いる板金修理支援装置1について説明する。
【0047】
この板金修理支援装置1は、図1に示すように、損傷箇所の凹みを引き出す引出装置2と、引出装置2の制御を司る制御装置6と、これらの装置を支持する支持ラック5とから構成されている。
【0048】
まず、引出装置2の構成から説明する。図2に示すように、本実施形態における引出装置2は、第一プラー20及び第二プラー30を主要構成部品としている。
【0049】
この第一プラー20は、損傷箇所を所定の範囲で保持(固定)する吸着パッド21と、その吸着パッド21を下端に有する第一スライドロッド22と、第一スライドロッド22を昇降自在に支持する第一昇降装置23とを備えている。
【0050】
また、吸着パッド21はリング状に形成されており、図示しない負圧発生装置の負圧力を吸着力として損傷箇所を所定の範囲にて強固に保持できる。
【0051】
さらに、図3に示すように第一昇降装置23は、第一スライドロッド22に外嵌した状態で図2に示すプラーブラケット24上部に固定される第一昇降装置本体23aと、その第一昇降装置本体23aに固定されたリダクションモータ23b及びリダクションモータ23bの回転角を検出する回転角センサ23cを備え、第一スライドロッド22の外側面に形成したラックギヤ22aにリダクションモータ23bの回転力を伝達することでプラーブラケット24に対する第一スライドロッド22の上下動を可能にしている。
【0052】
一方、第二プラー30は、図2に示すように、第一スライドロッド22内に納められる第二スライドロッド31と、その第二スライドロッド31の下端に設けられ吸着パッド21にて保持される損傷箇所のさらに内側を局所で保持(固定)する電着チップホルダ32と、第二スライドロッド31を第一スライドロッド22に対して昇降自在に保持する第二昇降装置33とを備えている。
【0053】
また、電着チップホルダ32は、プラス側に帯電されたホルダ本体32aと、そのホルダ本体32aの先端部分に埋め込まれた電着チップ32b(溶植部材)と、を備え、マイナス側に帯電させた損傷部にその電着チップ32bを溶植することで第二スライドロッド31下端を損傷箇所に固定する。
【0054】
さらに、図3に示すように、第二昇降装置33は、第一スライドロッド22上端面に連結された第二昇降装置本体33aとその第二昇降装置本体33aに支持されたリダクションモータ34aと、リダクションモータ34aの回転角を検出する回転角センサ33cを備え、第二スライドロッド31側面に形成したラックギヤ34bにリダクションモータ34aの回転力を伝達することで第一スライドロッド22に対する第二スライドロッド31の上下動を可能にしている。
【0055】
また、図2に示すように、第二昇降装置本体33aと第一スライドロッド22上端面とは、第二昇降装置本体33a側に支持されたリダクションモータ34aを主要構成部品とする回転機構34を介して連結されている。
【0056】
この回転機構34は、電着チップホルダ32と損傷箇所との固定状態を解除する為のものであり、その固定状態を解除すべき時には、リダクションモータ34aの回転を第一スライドロッド22外周面に形成したラックギヤ34bに伝達し、第二スライドロッド31を含み第二昇降装置33全体を第一スライドロッド22周方向に捻ることでその固定状態を解除する。
【0057】
さらに、本実施形態における引出装置2には、損傷箇所から損傷復元位置までの距離を測定する測距装置71が設けられている。
【0058】
因みに、この測距装置71には超音波の反射時間に基づき測定対象物までの距離、即ち、損傷深さを計測する超音波式測距センサが採用されている。また、測距装置71には接触センサを用いても良い。接触センサを用いる場合は、基準となる位置から測定対象部まで接触センサを移動させ、測定対象部と接触させ損傷深さを測定する。
【0059】
また、図2に示すように、この測距装置71(超音波式測距センサ)はプラーブラケット24の一側から垂下されたステー71aを介して第一プラー20の吸着パッド21近傍に支持されている。即ち、測距装置71(超音波式測距センサ)は、プラーブラケット24と一体に移動して損傷箇所の各所において損傷深さを計測する。この損傷深さとは、損傷していない正常状態の車体パネル面から、損傷箇所の内底部までの距離のことである。
【0060】
また、損傷深さを測定するときには、測距装置71から正常状態の車体パネル面までの距離を予め考慮しておく必要がある。
【0061】
例えば、損傷箇所100に引出装置の吸着パッド21を固定すると、図4に示すように、引出装置2は、後述する支持ラック5に取り付けられており、引出装置2を損傷箇所に固定する為には、支持ラック5ごと取り付ける。
【0062】
このとき、図6に示すように、損傷していない車体パネル面(損傷箇所より外方の車体パネル面d)に支持ラック5全体を支持する支持脚52(図4参照)を固定させる。
【0063】
また、支持脚52には負圧を吸着力として支持ラック5を車体パネル面dに固定する吸着パッド52cが設けられている。即ち、吸着パッド52cを固定する車体パネル面は損傷深さを測定する際の正常状態の車体パネル面ということになる。
【0064】
すると、吸着パッド52cと測距装置71とが同じ高さに設けられていれば、正常状態の車体パネルから損傷内底部100aまでの距離即ち損傷深さを直接測定することができるが、図6に示すように、本実施形態における測距装置71は吸着パッド52cよりも高い位置に取り付けられている。
【0065】
そのため、測距装置71が設けられた位置から測距装置71により損傷深さを測定すると、その測定値(B)には、測距装置71から正常状態の車体パネルまでの距離(A)も含まれてしまう。
【0066】
つまり、損傷深さは、測定した損傷内底部100aまでの距離の値(B)と、測距装置71から正常状態の車体パネル位置までの距離の値(A)との差ということになる。
【0067】
また、支持脚の高さ(脚長)の調節量に伴い測距装置71から仮想上の正常状態の車体パネルまでの距離が変化するため、支持脚の高さの調節量を測距装置71から正常状態の車体パネルまでの推定距離に反映させる(測距装置71の位置をゼロ点補正する機能を付加させる)ようにすると好ましい。
【0068】
このような構成にすると、車体パネル面が湾曲等している場合に、支持脚52の高さを調節し、それに伴い測距装置71の高さが変わってしまっても、支持脚52を調節した高さ分を測距装置71により測定された測定結果から差し引く(或いは加算する)事により、仮想上の正常状態の車体パネルから損傷内底部までを測定した損傷深さを求めることができる。
【0069】
その他にも、損傷箇所のある車体パネルがドアパネル等の左右対称のドアパネルでありこの損傷箇所を補修する場合、損傷箇所に対応する位置の損傷していない側のドアパネルに、支持脚52を固定し、その支持脚52の高さ、並びに、測距装置71の各測定ポイントにおける高さ位置及びドアパネルとの距離を図1に示す制御装置6内のRAM63に記憶しておく構成とすることもできる。
【0070】
すると、損傷箇所のある側のドアパネルに支持脚52を固定したときに、損傷していない車体パネル(正常状態の車体パネル面)と、損傷している車体パネルとの差を算出することにより損傷深度を求めることができる。
【0071】
次に、プラーブラケット24の説明と共に、引出装置2を支持する支持ラック5の説明を行う。
【0072】
本実施形態における支持ラック5は、図4に示すように、四角枠状に形成された基礎フレーム51と、その基礎フレーム51に支持される複数の支持脚52と、基礎フレーム51のうち対向する一組のフレーム間に架設され、引出装置2の支持体となるプラーブラケット24を支持するプラーフレーム53とから構成されている。
【0073】
図5に示すように、この基礎フレーム51は二つのC型チャンネル51a、51bをその背面側にて連結した後、そのフレームを長方形状に枠組みして構成されている。
【0074】
また、基礎フレーム51の内周側及び外周側には、各チャンネル51a、51bの開口部によってガイドレール51cが形成されている。そして、このガイドレール51cのうち、図4に示す基礎フレーム51外周側に形成されたガイドレール51cには、支持脚用ブラケット52aを介して支持脚52が図4に示す第一移動装置54により移動自在に設けられている。
【0075】
尚、支持脚52は、支持脚用ブラケット52aに対して容易に着脱自在であり、その取付位置は作業者によって任意に変更可能となっている。加えて、図5に示すように、支持脚52には支持脚52の脚長を可変させるアジャスタ52bが設けられている。そのため、アジャスタ52bを調整することにより、車輌のパネル面に対する基礎フレーム51の高さや傾斜角度を設定することができる。
【0076】
また、本実施形態では、図5に示すように、支持脚52下端に吸着パッド21が設けられている。このため、支持脚52も先に説明した第一プラー20と同様に図示しない負圧装置の負圧力を吸着力として車輌のパネル表面に強固に固定される。
【0077】
また、図4に示すように第一移動装置54は、基礎フレーム51長辺側に位置したフレームの一端にプーリ54aと、回転角センサ54dとが設けられ、他端にステッパモータ54bが設けられている。さらに、プラーフレーム53(プラーフレーム用ブラケット53a)は、プーリ54aとステッパモータ54bとの間に掛け渡されたベルト54cに固定されている。
【0078】
よって、ステッパモータ54bを作動させると、ベルト54cが回転し、その回転に伴いプラーフレーム53は基礎フレーム51長辺方向(図4中X方向)へ移動する。
【0079】
また、回転角センサ54dはプーリ54aの回転軸に設けられ、プラーフレーム53の移動時にそのプーリ54aの回転角を検出すれば、プラーフレーム53の移動量を把握することができる。
【0080】
さらに、プラーフレーム53の移動時にその回転角センサ54dの出力をフィードバックすれば、プラーフレーム53を所望の位置に移動させることができる。
【0081】
一方、基礎フレーム51内周側に形成されたガイドレール51cのうち、その短辺側に位置するガイドレール51cには、それぞれのプラーフレーム用ブラケット53a、及びプラーブラケット用ガイドレール53bに取り付けられた引出装置2が第二移動装置55によりスライド自在に設けられている。
【0082】
また、図4に示すように、この第二移動装置55も第一移動装置54と同様に、プラーフレーム53の一端にプーリ55aと回転角センサ55dとが設けられ、他端にステッパモータ55bが設けられている。
【0083】
また、引出装置2はプーリ55aとステッパモータ55bとの間に掛け渡されたベルト55cに固定されている。そして、ステッパモータ55bを作動させると、ベルト55cが回転し、その回転に伴い引出装置2は基礎フレーム51短辺方向(図4中Y方向)へ移動する。
【0084】
さらに、回転角センサ55dはプーリ55aの回転軸に設けられ、引出装置2の移動量を把握することができる。以上が引出装置2を支持する支持ラック5の構成である。
【0085】
そして、図1に示すように、上述した引出装置2、支持ラック5は制御装置6に接続している。即ち、この制御装置6により引出装置2、測距装置71(図2参照)、支持ラック5が制御されている。次に、この制御装置6について説明する。
【0086】
本実施形態における制御装置6は、図1に示されるように、双方向性バスによって互いに接続されるROM(Read Only Memory)62、RAM(RandomAcsses Memory)63、CPU(中央処理装置)64、入力ポート65、出力ポート66等を主要構成部品とする制御装置6本体と、その周辺機材として各種データを作業者側に表示するディスプレー67、各種データを印刷する印刷装置69、制御装置6本体に各種データ等を入力する為のコントロールパネル68等を備えている。
【0087】
また、ROM62内には、引出装置2及び支持ラック5を制御する為に必要とされる各種制御プログラムが記録されている。
【0088】
また、ROM62に格納された制御プログラムは、大きく分けて損傷箇所を修復する為のプログラムと、損傷箇所の修理に要する作業量を算出する為のプログラムとに大別される。
【0089】
この損傷箇所を修理する為のプログラムには、図2に示す各種装置(引出装置2、支持ラック5、測距装置71)の移動(動き)を自動制御するプログラムや、損傷箇所の損傷量を計測するプログラム等がある。
【0090】
また、作業量を算出する為のプログラムには、測距装置71により計測されたデータに基づき損傷箇所の凹み部分の体積を演算するプログラムや、このプログラムによって算出された損傷量に基づき修理にかかる費用、時間を算出するプログラム等がある。尚、これらのプログラムについては後述する。
【0091】
尚、ROM62内には各種車輌の正常状態における車体フレームの寸法データを格納しても良い。正常状態における車体フレームの寸法データを格納しておくと、損傷深さを求める際に行われる、測距装置71から正常状態の車体パネル面までの距離を測定する工程を省略できる。即ち、ROM内から適当な車体フレームの寸法データを抽出し、その寸法データを測距装置により測定された損傷内底部100aまでの値から差し引くことにより求められる。
【0092】
さらに、入力ポート65には、第一昇降装置23及び第二昇降装置33に設けられた回転角センサ54d、55dによる検知信号や、第一移動装置54及び第二移動装置55に設けられた回転角センサ54d、55dによる検知信号や、測距装置71による計測データの信号が入力される。そして、CPU64及びRAM63では入力ポート65に入力された各種出力信号をフィードバックし、引出装置2及び支持ラック5にて必要とされるべき制御信号(制御命令)を適宜のタイミングで出力ポート66に出力する。
【0093】
以上が、本実施形態における板金修理支援装置1の構成である。次に、この板金修理支援装置1の構成を踏まえ、本実施形態における車輌修理の支援方法の各作業工程の説明を行う。
【0094】
<損傷量測定工程>
先ず初めに、損傷箇所の損傷量を計測する工程について、図7に示すフローチャートに基づき説明する。
【0095】
初めに、作業者は図18に示すような、車体パネル面101に形成された損傷箇所100の大凡の損傷面積をメジャーやノギス等により測定し、コントロールパネル68によりその値を入力する(S100)。
【0096】
そして、図4に示すように、修理対象となる損傷箇所上に前述した支持ラック5を固定する(ステップ101)。この工程では作業者が支持脚52の位置を決め、その支持脚52を損傷箇所の付近に固定することで支持ラック5が損傷部上に支持されることとなる。
【0097】
尚、各支持脚52を設置する場合、作業者は損傷箇所の周囲に各支持脚52がバランス良く配置されるように各支持脚52の間隔を調節する。また、各支持脚52のアジャスタ52bを操作して、支持ラック5と損傷箇所とができるだけ平行となるように、支持ラック5の取り付け角度を調節する。
【0098】
ここで、各支持脚52の間隔を調節する理由としては、支持ラック5の安定性を確保すること、損傷箇所の凹みを引き出す引き出し作業に伴う応力を損傷箇所外に波及させないこと等を挙げることができる。即ち、支持脚52を損傷箇所周囲にバランス良く配置すれば、その損傷箇所の周囲を支点として損傷箇所の凹み部分の引き出し作業が行われる為、損傷箇所の引き出し作業に伴う車体パネル面全体の歪みを防止することができる。
【0099】
続いて、各種制御プログラムによる引出装置2の自動制御、並びに支持ラック5の自動制御を開始させるべくその自動制御の基端となる位置に引出装置2をセットする(S102)。尚、ここで基点とは図8及び図9に示されるように、損傷箇所周囲の一角Tにおける正規のパネル面に相当し、引出装置2、及び支持ラック5は、その基点を始点として、損傷範囲内にて修理作業を開始する。
【0100】
また、引出装置2をその基点に移動させるにあたっては、作業者自らが制御装置6に設けられたコントロールパネル68を操作し、引出装置2をその基点たる損傷箇所100周囲の一角Tに移動させる。
【0101】
そして、損傷箇所周囲の一角に引出装置2が移動され、作業者によって損傷量の測定を行う指示がコントロールパネル68を介して入力される(S103)と、制御装置6は、図10に示す損傷箇所の損傷量を測定する為のプログラムを実行する(S104)。
【0102】
また、ステップ100で入力した損傷面積の範囲内で計測が終了することにより本プログラムは終了する(S105)。
【0103】
ここで、損傷量を測定するプログラムの処理内容と処理手順とを図10に示すフローチャートに基づき説明する。
【0104】
まず初めに、損傷量を測定するプログラムは、図9に示されるように基点となるべく損傷部周囲の一角Tを含みステップ100にて入力された損傷寸法(範囲)に従いその損傷箇所100上に平面座標系をとり、損傷箇所100を複数の領域に分割する(S200)。
【0105】
続いて、図6に示す測距装置71によって、基点Tにおける車体パネル面の正規の位置までの距離を測定する(S201)。そして、その計測値はRAM63上に記録される。これにより、制御装置6本体には各種制御の基準となる基準面(車体パネル面の正規の位置)の高さが設定される(S202)。
【0106】
次に、図9に示すように、制御装置6は損傷箇所100周囲の一角Tに隣接した他の領域T1に測距装置71を移動させる(S203)。その領域T1において超音波を損傷箇所に照射し、損傷深さを計測する(S204)。
【0107】
詳細には、図9に示すように、損傷箇所100表面に平面座標系(x軸、y軸)をとる。そして、測距装置71は、x軸とy軸とが所定の間隔毎に交差する(領域T1を形成している)平面座標系上の点(以下、測定ポイントと称す)にて超音波を照射し損傷深さを測定する。尚、ここでいう損傷深さは、平面座標系上の測定ポイントから平面座標系に垂直な方向に設けられている立体座標軸(z軸)方向への距離のことを示す。
【0108】
また、前述した測距装置71から平面座標系までの距離(正常状態の車輌パネル面までの距離)は予め考慮されていることとする。
【0109】
また、超音波による損傷深さの測定原理は様々ある。例えば、照射した超音波が損傷箇所へ到達し、反射して戻ってくるまでの時間から損傷深さを求めても良いし、反射波の性質(周波数、位相)から損傷深さを求めても良い。
【0110】
加えて、超音波により損傷深さを求める為、損傷箇所の内部形状が湾曲を成していても不具合無く損傷深さを正確に測定することができる。
【0111】
そして、以下同様にして、この領域T1に引き続き、T1に隣接した他の領域T2を計測するというように、測距装置71の移動及び測距装置71による計測を各領域毎に繰り返し行う。尚、ステップ203における測距装置71の移動方向と測距装置71の移動方向は、損傷深さ計測プログラムで予め定められている。本実施形態では、図9に示されるように、損傷箇所100上に設定された平面座標系内にて、その基点を始点とした長手方向の第一列目を計測した後その終端で折り返し、第一列目に隣接した第二列目の計測を行う。そして、以下この動作を繰り返し、第n列目までの計測を行うようにしている。
【0112】
また、本実施形態における測距装置71は引出装置2と共に移動する為、損傷箇所100の平面方向(x軸、y軸方向)の距離は回転角センサ54d、55dによる移動量の測定により求めることができる。また、これによって、平面座標系上における損傷分布も求めることができる。
【0113】
そして、第n列目の終端に達すると、制御装置6では損傷箇所100全体の測定ポイントにおける計測を終えたか否かを判断する(S205)。ここで、損傷箇所100全体の計測を終えたと判断した場合はステップ206に移行する。
【0114】
一方、ステップ205にて未だ全領域にて損傷深さが計測されていないと判断されたときには、ステップ203へ戻り、同様の処理を繰り返し各領域にて引き続き損傷部深さの計測を行う。
【0115】
続いて、ステップ206では、回転角センサ54d、55dが測定ポイントにて測定した移動量と平面座標系上における損傷分布と、損傷深さのデータを重畳し、損傷箇所100をイメージ化する(S206)。すると、図10に示すような、損傷箇所100の立体イメージが形成される。
【0116】
そして、この立体イメージを形成したに基づき、損傷深さのデータと測距装置71の平面方向(x軸、y軸)における移動量(単位当たりの移動距離)、即ち図9中のDx1とDy1とに基づき損傷部の体積を求める演算処理が行われる(S207)。尚、図11に示すように、損傷箇所100の各データを計測する為に複数の領域に分割した領域毎に損傷箇所100の凹み体積を求めると、損傷箇所100の凹み体積をより厳密に求めることができる。また、複数に分割した領域の内の一つの領域は、図11に示すように、二次元方向(x軸方向、y軸方向)にDx1、Dy1の大きさを持ち、三次元方向(z軸方向)にDz1の大きさを持つ立体イメージで表すことができる。
【0117】
以上のように、本実施形態における測距装置71によれば、損傷箇所100を図10に示すような複数の立体のパーツに分割し、その立体のパーツ個々の損傷箇所100の体積を求めることができる。尚、立体のパーツを細かく分ければ分けるほどより正確な損傷箇所100部分の体積を求めることが出来ると共に、損傷箇所の形状を三次元的に把握することができる。
【0118】
また、分割された複数の立体パーツを全て合わせることにより、損傷箇所100の凹み部分における体積を極めて厳密に求めることができる。
【0119】
<引き出しポイント算出工程>
図11に示す損傷箇所100の凹み体積が算出されると、この凹み体積に伴い引出装置2にて引出作業を行うべき引出ポイントのデータが作成される。このデータをイメージ化すると、図12に示すような、引出作業が必要な引出ポイント(90、95)と、損傷範囲を示す境界線のみがイメージ化される。尚、図12に示す引出作業が必要な引出ポイントのイメージについては、後述する第二の実施の形態中で詳細に説明する。
【0120】
<作業量算出工程>
次に、本実施形態における車輌修理の支援工程は作業量を算出する工程へと推移する。尚、本実施形態における作業量は、修理にかかる作業時間、修理材料量、修理費用であるとする。また、これらの作業量は前述した<損傷量測定工程>にて得られた体積値に基づいて算出される。そのため、単位当たりの体積値には、作業時間や修理材料費や修理費用額等が予め設定されている。
【0121】
例えば、体積が1mmの凹みを修理するために要する作業時間を1分としたり、1mmの凹みを修理する為に使用する修理用材料量を0.5ccとしたり、1mmの凹みを修理する為に要する修理費用額を100円とすること等を例示できる。
【0122】
このように、単位体積当たりに相当する作業時間や修理用材料量や修理費用額が決められていることにより、修理スケジュールの作成や修理費用の見積もりを容易に、且つ迅速に作成することができる。尚、図1に示す制御装置6内のRAM63にあらかじめ見積書のフォームを作成し、記憶させておくと、作業量を算出すると同時に見積書を発行することができる。
【0123】
また、本実施形態における作業量算出工程によれば、修理にかかる作業時間を算出することができる為、作業員の作業時間のスケジュールを管理することも容易に行えるようになる。
【0124】
<引き出し作業工程>
そして、作業量算出工程が終了すると、損傷箇所の引き出し作業が行われる。尚、この引き出し作業をおこなう前段階として、損傷箇所における塗膜の剥離を行う。
【0125】
何故なら、本実施形態における引き出し作業は、前述した図2に示す引出装置2に設けられた電着チップ32bを損傷面の車体パネル面101の鋼板の面に溶着して損傷箇所100を引き出す為である。しかし、鋼板は幾重もの塗膜に覆われている。そのため、引き出し作業を行う前に所定箇所における塗膜を剥離する必要がある。
【0126】
ここでの塗膜の剥離は、図12に示す損傷箇所100の外形線内に位置する第一ポイント90のそれぞれについて、図示しないベルトサンダー等にて1箇所ずつ剥離する。
【0127】
そして、所定箇所(第一ポイント90部分)の塗膜が剥離されると、その所定箇所に図13に示す電着チップ32bを溶着し損傷箇所100の引き出し作業を行う。
【0128】
この引き出し作業の作業手順は以下の通りである。尚、本実施形態における引出装置2は、制御装置6のRAMに記憶された引き出しポイント算出工程にて算出された凹み体積に伴い引出装置2にて引出作業を行うべき引出ポイントのデータ(引き出しポイントにおける引き出し順序及び引き出し量)を読み出し、自動的に引き出し作業を行うことができる。
【0129】
図13に示すように、損傷したパネルを元の状態に復元するには、まず第一スライドロッド22下端に設けられた吸着パッド21を引き出し対象である車体パネル面101に固定する。
【0130】
そして、電着チップ32bを引き出しポイントに当接させ、通電して電極チップの先端と損傷内底部100aとを溶着する。
【0131】
続いて、図13に示すように、図2に示すリダクションモータ34a(第二昇降装置33)を作動させ、第二スライドロッド31を上昇(図13中P方向)させると、その第二スライドロッド31の移動に伴い損傷箇所100が引き出される。
【0132】
尚、損傷面積が広く、損傷深さが浅い損傷の場合は、図14に示すように吸着パッド21を固定し、図2に示すリダクションモータ23b(第一昇降装置23)を作動させ、第一スライドロッド22を上昇(図14中Q方向)させる。
【0133】
すると、その第一スライドロッド22の移動に伴い吸着パッド21も引き上げられる。即ち、吸着パッド21が損傷箇所100に固定されている為、吸着パッド21が引き上げられることにより損傷箇所100の凹みが引き出される。
【0134】
また、本実施形態中では、電着チップ32bの溶接位置を確定する為に、吸着パッド21を固定してから電着チップ32bの溶接を行うと説明したが、吸着パッド21を固定せず電着チップ32bの溶接を行い損傷箇所100の凹みを引き出しても良い。尚、このように電着チップ32bのみで損傷箇所100の凹みを引き出す引き出し方法は、損傷面積が小さく損傷深さが比較的深い損傷の場合に好適である。
【0135】
また、引出装置2による引き出し作業は、図15に示すように、損傷箇所100外方であるポイント▲1▼から▲2▼→▲3▼→▲4▼→▲5▼へ順に行われる。即ち、引き出し作業は、損傷深さの浅い外方部分から、損傷深さの深い内方部分に向けて順に行われる。
【0136】
ここで損傷深さの浅い外方部分から引き出し作業を行う理由は、図15に示すように、ポイント▲1▼にて引き出し作業を行うと、ポイント▲1▼より内方のポイント▲3▼の位置もポイント▲1▼の引き出し動作に伴い引き上げられる。そのため、引き出し作業は全ての箇所において、少しずつの簡単な引き出し作業にて足りることになる。
【0137】
尚、引き出し作業は、図12に示す隣接する第一ポイント90を順次引き出しながら全体として渦状の線を描くように行われる。因みに、引出作業は、損傷箇所の外側(損傷深さの浅い側)から損傷箇所の内側(損傷深さの深い側)へ向かって順に行われる。
【0138】
また、本実施形態における引き出し作業は、引出装置2により一度に行われるものとして説明したが、測距装置71により引き出すべき箇所の損傷深さを測定しながら引き出し作業を行っても良い。
【0139】
例えば、所定数の引き出しポイントにて引き出し作業を行ったときに一旦引き出し作業を停止し、損傷箇所の深度を再度計測する。そして、再度計測して得られたデータに基づき引き出し量の誤差を算出し、この誤差データを後の引き出し作業の補正データとして反映させるというものを挙げることができる。
【0140】
<パテ作業工程>
そして、引き出し作業により損傷箇所が復元されると、引き出し作業では補修しきれない微細な凹みの修復をパテにより行う作業工程へと移行する。尚、パテ作業を行う前にパテを充填する部分の塗装を剥がす作業を行う。
【0141】
そして、塗装を剥がす作業が終了した後に、必要に応じた量のパテを埋め込む。尚、本実施形態におけるパテは、紫外線重合性組成物からなり、紫外線を照射することにより硬化する紫外線硬化型のパテである。
【0142】
パテの原料として用いられる紫外線重合性組成物としては、自動車等のパテ用原料として一般的に用いられる紫外線重合性組成物と同様の組成物が特に制限なく用いられる。
【0143】
また、このようなパテ原料として一般に用いられる紫外線重合性組成物は、必須成分として紫外線重合性プレポリマー、紫外線重合性モノマー、紫外線重合開始剤を含有し、任意成分として、増感剤、顔料、充填剤、消泡剤、表面改質剤、溶剤等を含有するものである。
【0144】
そして、パテ原料の埋め込みは、従来と同様の方法で行うことが可能である。好ましい方法としては、充填されるべき容積よりも少し多めの量のパテを数回に分けて埋め込む。
【0145】
尚、最初の一回は、充填量のうちの適当量をプラスチックベラで損傷箇所100にしごき付けるようにして埋め込む。
【0146】
さらに、この上から充填量の残りを適当な量ずつに分けて、プラスチックベラで空気を巻き込まないようにして塗り重ねる。
【0147】
そして、パテ充填後は、旧塗膜面よりもパテを充填した部分がやや盛り上がった仕上がりとなる。尚、パテ埋め込み部分のパテ原料厚さは、旧塗膜の厚さよりも0.1〜1.0mm程度厚くなる。
【0148】
また、パテの充填が終了すると、充填部分に紫外線を照射して紫外線重合性組成物であるパテを硬化させる。紫外線の照射は、紫外線を含む光を発生させる装置、例えば、UVランプ等を用いて行うことができる(図示せず)。
【0149】
さらに、紫外線重合性組成物を硬化させる為に要する紫外線照射時間は、例えば、パテの原料として好ましい組成物を用い、埋め込み厚さを上記範囲内にして、充分な紫外線量を照射すれば概ね30秒〜60秒とすることができる。
【0150】
上記紫外線照射によりパテは硬化し、上記必要に応じて前処理が施された損傷箇所はパテで充填される。ここで、パテが硬化することにより、パテの体積が多少減少すると、旧塗膜面からのパテの盛り上がりも、硬化前に比べて多少小さくなる場合がある。
【0151】
その後、旧塗膜面より盛り上がったパテは、その表面をダブルアクションサンダー、オービタルサンダー等を用いて、旧塗膜面のレベルまで研磨される。尚、上記一回のパテ充填、研磨作業により充分に平滑な面が出ない場合等には、さらに、一回目に充填されたパテの上に二回目のパテを充填し、研磨作業を行うと良い。
【0152】
このような作業により、引き出し作業が行われた車体パネル面の表面上に形成された微細な凹み(損傷)も、元の車輌パネル表面と同様の精度を持って復元することができる。
【0153】
<プライマサーフェーサ層の形成>
さらに、損傷箇所に充填されたパテを硬化させ研磨した後、プライマサーフェーサ層を形成する。尚、このとき、充填したパテと旧塗膜の境界周辺部分についてもプライマサーフェーサ層を形成すると好ましい。
【0154】
また、プライマサーフェーサ層は、充填したパテ表面上と旧塗膜面の境界付近が一定の厚さで最も厚く、その境界付近から遠ざかるにしたがって層の厚さが徐々に薄くなるように形成されている。
【0155】
また、プライマサーフェーサ層は、少なくとも充填したパテの表面を含む塗装面に、紫外線重合性組成物からなりスプレー塗布が可能な粘度のプライマサーフェーサ原料を均一にスプレー塗布し、得られた塗膜に紫外線を照射し硬化させることにより得られる。
【0156】
尚、プライマサーフェーサ層を形成させる前に、好ましくはエアーブロー等によりパテ表出面及びその周辺の旧塗膜面を洗浄し、更に脱脂を行う。
【0157】
また、プライマサーフェーサの原料として用いられる紫外線重合性組成物としては、均一なスプレー塗布が可能な粘度の紫外線重合性組成物であり、硬化後のプライマサーフェーサ層が上記パテやプライマサーフェーサ層の上に形成される上塗り塗料との密着性が良いものであれば、特に制限なく用いることができる。
【0158】
<上塗り作業工程>
プライマサーフェーサ層が形成されると、仕上げの塗装である上塗り作業が行われる。
【0159】
この上塗り作業は、車輌等における塗装面の修理において通常行われている上塗り塗装の方法と同様にして行うことができる。
【0160】
例えば、旧塗膜に合わせて、ソリッド塗装、メタリック塗装、3コートマイカ塗装等から適当な塗装方法が選択されて、塗装が実施される。
【0161】
そして、上記何れかの方法により塗装された塗装面の塗料が乾燥した後に、その塗装面をポリッシングし、仕上げ作業を行う。
【0162】
このポリッシングは、図示しないポリッシャーと研磨剤とを用いて塗装面のつや出しを行ったり、塗装面を平滑に整える為に行われる。
【0163】
以上が本実施形態における車輌修理の支援方法である。
【0164】
このように、本実施形態の車輌修理の支援方法によれば、損傷箇所における凹み部分の体積値を求めることができるため、より厳密な損傷量を得ることができる。
【0165】
これによって、損傷量を損傷面積としたときになされる、損傷面積が広い損傷は損傷面積が狭い損傷よりも作業量が多いという短絡的な判断に惑わされることなく損傷量をより正確に算出することができる。
【0166】
さらに、本実施形態の車輌修理の支援方法によれば、引き出し作業が必要な引き出しポイントを作業順に制御部内のRAM内に記憶させておくことができ、そのデータに基づいて自動的に引出作業を行う為、作業終了後における仕上がり面の精度を一様にすることができる。つまり、作業者の技術習熟度に関係なく仕上がり完成度が高い修理作業を行うことができる。
【0167】
また、本実施形態の車輌修理の支援方法によれば、引き出しポイントを算出すると共に、修理に係る時間や費用も算出することができるため、これまで、作業者の勘や経験に委ねられてきた修理作業時間や修理費用のバラツキを少なくすることができる。
【0168】
<第二の実施の形態>
本実施形態における車輌修理の支援方法は、車体の外板パネルに形成された損傷箇所の損傷量を測定する工程と、損傷量に基づき算出された引き出しポイントを車輌修理専用のシートに印刷する工程と、損傷量に基づき算出された引き出しポイントを算出する工程と、引き出しポイントから作業量を算出する工程と、シートを損傷箇所に固定する工程と、引き出しポイントを引き出す工程と、引き出した後の損傷箇所にパテ付けを行う工程と、パテ付けを行った部分にプライマサーフェーサ層を形成させる工程と、仕上げの上塗り工程とを含む。
【0169】
即ち、本実施形態における車輌修理の支援方法は、上述した第一の実施の形態中でイメージデータ化された引出ポイントと境界線を実際のシートに印刷し、このシートを使用して損傷箇所の修理を行うことを特徴とする。
【0170】
また、本実施形態における車輌修理の支援方法の引き出しポイントを引き出す工程は、上述したシートを用いて作業員が手動で引き出しポイントを引き出す。尚、本実施形態における車輌修理の支援方法の説明では、第一の実施の形態中と同じ工程の説明を省略する。加えて、本実施形態の図面においても第一の実施の形態の図面と重複する部材、又は装置には第一の実施の形態の図面と同一の符号を付した。
【0171】
そこで、本実施形態における車輌修理の支援方法の説明では、引き出しポイントを専用のシートに印刷する<引き出しポイント印刷工程>と、シートを所定の箇所に固定する<シート固定工程>と、引き出しポイントが印刷されたシートを用いて引き出し作業を行う<引き出し作業工程>との説明を行う。
【0172】
まず初めに、<引き出しポイント印刷工程>の説明を行う。
【0173】
<引き出しポイント印刷工程>
図11に示すように、損傷箇所100の凹み体積が算出されると、図2に示す引出装置2にて引き出し作業を行うべき引き出しポイントを専用のシートに印刷する工程へと移行する。
【0174】
このシートは合成樹脂製の透明なシートであり、所定の引き出しポイントや領域の境界線が印刷される。この所定の引き出しポイントや領域の境界線は、当然前述した損傷箇所の測定結果に応じて印刷される。尚、測定結果に応じて印刷された引き出しポイントや領域の境界線は、図19に示すような、基準となる、引き出しポイント及び領域の境界線をベースとしている。
【0175】
まず、図19に示すように、基準となる領域の境界線は、中心点Pを基点として放射状に広がる四つの領域を形成するように設けられている。この四つの領域とは、外側から第一境界線82(円周線)と第二境界線84間の第一領域91、第二境界線84と第三境界線84間の第二領域92、第三境界線84と第四境界線85間の第三領域93、第四境界線85内の第四領域94である。尚、これらの各境界線は中心点Pを中心とする同心円となっている。
【0176】
また、本実施形態におけるシート80(80A)には、各境界線に対応するコーナー部がそれぞれ四つ表示されている。そして、第一境界線82に対応する第一コーナー部86に囲まれた内面積は4dmを示し、第二境界線84に対応する第二コーナー部87に囲まれた内面積は2.25dmを示し、第三境界線84に対応する第三コーナー部88の内面積は1dmを示し、第四境界線85に対応する第四コーナー部89の内面積は0.25dmを示している。これにより、シート80を損傷部の上に重ねることにより、損傷箇所の平面方向における大凡の大きさを把握することができる。
【0177】
さらに、基準となる引き出しポイントは二種類に分かれている。即ち、各境界線から第一の所定距離(5mm)内方に位置する第一ポイント90と、各境界線から第二の所定距離(20mm)内方に位置する第二ポイント95との二種類である。
【0178】
この第一ポイント90は、周方向において隣接する他の第一ポイント90と、等間隔(15mm)にて配置されている。また、第二ポイント95は、周方向において隣接する他の第二ポイント95と、第一ポイント90同士よりは広めの等間隔(25mm)にて配置されている。
【0179】
本工程では、このような基準となる複数の引き出しポイントと複数の領域の境界線と、各コーナー部との中から、損傷箇所の形状や損傷程度に対応した引き出しポイント、領域の境界線、コーナー部のみを抽出し、これらのデータを図1に示す印刷装置69へ送信し、図20に示すようにシート80(80A)へ印刷を行う。
【0180】
この印刷装置69は、図1に示すように制御装置6の出力ポート66に接続されており、出力ポート66を介して送信された所定の引き出しポイント、領域の境界線、コーナー部をシート80上の所定の場所に印刷する(図12参照)。
【0181】
また、ここでの所定の引き出しポイントとは、引出装置2により必ず引き出し作業を行うべき引き出しポイントのことを示す。尚、必ず引き出し作業を行うべき引き出しポイントの他に、引き出し作業の進捗状況によって選択的に引き出し作業を行うべき引き出しポイントもシート80(80A)上に印刷するとより好適である。
【0182】
また、本実施形態におけるシート80(80A)は、図19に示すような、損傷箇所100が円形に近い形状の場合に好適に用いられる円形のシート80(80A)として説明するが、その他にも、図21に示すような損傷箇所100が四角形に近い形状の場合に適用する場合のシート80Bや、図22に示すような損傷箇所100が楕円形に近い形状の場合に適用するためのシート80C等を例示することができる。
【0183】
<シート固定工程>
そして、図20に示すように、シート80(80A)上に所定の引き出しポイント、領域の境界線、コーナー部が印刷されると、このシート80(80A)をシート80(80A)の中心部(中心点P)が損傷の中心部(最も凹みが深い部分)上となるようにドアパネル102に固定する工程へ移行する(図23参照)。
【0184】
尚、本実施形態におけるシート80は、予め裏面に接着剤を塗布すると共に、接着剤塗布面に保護シートが貼付されているので、この保護シートを外して、シート80(80A)を車体パネルに貼り付けることができるようになっている。また、この接着剤は、シート80裏面の前面に塗布されている必要はなく、更には接着剤でなくともマグネットを利用して、車体とマグネットの間にシート80を挟むように固定しても良い。
【0185】
シート80(80A)が損傷箇所に固定されると、修理にかかる作業時間や修理材料量等を含めた修理に費やす作業量を算出する工程を経て、損傷箇所の引き出し作業工程へと移行する。尚、本実施形態における作業量を算出する工程は、第一の実施の形態中の作業量を算出する工程と同様である為、説明を省略する。
【0186】
そこで、次に損傷箇所の引き出し作業工程の説明を行う。
【0187】
<引き出し作業工程>
本実施形態における引き出し作業も第一の実施の形態における引き出し作業と同様に、引き出し作業を行う前段階として、損傷箇所における塗膜の剥離を行う。
【0188】
塗膜の剥離は、損傷箇所の外形線内に位置する第一ポイント90のそれぞれについて、図示しないベルトサンダー等にて一箇所ずつ剥離する。このとき、ベルトサンダーの端部を第一ポイント90上からドアパネル(損傷箇所)に当接し、当接した箇所のシート部分(第一ポイント90)と共に塗膜を剥離する。
【0189】
即ち、図20に示すシート80(80A)は、損傷箇所100内の各第一ポイント90部分に穴が開いた状態となり、塗膜の剥離はポイント毎に行われることとなる。したがって、従来の修理方法とは異なり、損傷箇所内の全ての塗膜剥離は行わない。
【0190】
即ち、従来は最低限でも損傷箇所の外形線内の塗膜剥離を行っていたのが、本実施形態によれば、損傷箇所の外形線よりも内方で、しかも各ポイントのみの剥離を行えばよいこととなる。尚、損傷箇所内の第二ポイント95においても、塗膜の剥離を行うようにしてもよい。
【0191】
そして、所定箇所(損傷箇所付近)の塗膜が剥離されると、引き出し作業が行われる。
【0192】
この、引き出し作業には、図24〜図27に示す引出装置40を用いる。ここで、本実施形態の引き出し作業に用いる引出装置について説明する。
【0193】
引出装置40は、棒状の本体部41と、この本体部41に連結部42を介して連結されるカウンタープレート43とから構成されている。本体部41には、電極アタッチメント44が設けられており、溶接機45側と接続できるようになっている。
【0194】
また、本体部41の下部には、溶接機45からの電流が流れる電極チップ46が設けられている。尚、連結部42とカウンタープレート43とは、電極チップ46と連結部42とを結ぶ軸線方向にて回動可能に連結されている。
【0195】
さらに、連結部42、及びカウンタープレート43と、電極チップ46との間隔は、ノブ47をスライド溝48内で摺動させることにより、変更できるようになっている。
【0196】
また、本体部41の上部には、作業者が把持しやすいように、グリップ49が設けられている。さらに、本体部41はハンマー50を嵌合することにより、スライドハンマーとしての機能を備えることができる。
【0197】
次に、このように構成された引出装置40を用いた引き出し作業の原理について説明する。
【0198】
図25に示すように、損傷したパネルをパネルのように復元するには、電極チップ46を当接したい損傷箇所に当接し、通電して電極チップ46の先端と損傷とを溶着する。この状態で、カウンタープレート43にては下方(図25中A方向)に押圧しながら、本体部41を手前(図25中B方向)に引く。
【0199】
すると、電極チップ46は情報(図25中C方向)に引き上げられ、電極チップ46と共に損傷箇所も引き出される(図26)。尚、ノブ47のスライド溝48内の固定位置を変更すれば、一度の引き出し作業にて修復される損傷箇所の面積を変更することができる。
【0200】
そして、シートを用いた引き出し作業は、損傷箇所内における外方の領域内に位置する第一ポイント90から、内方の領域内に位置する第一ポイント90の順に、引出装置40によってパネルの引き出しが行われる。
【0201】
図27により説明すると、電極チップ46の溶着箇所(引き出し作業箇所)は、損傷箇所100をポイント▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲4▼→▲5▼の順番にて移行することになる。即ち、損傷の浅い外方部分から損傷の深い内方部分に向けて、順に引き出し作業が行われる。
【0202】
このように浅い損傷箇所から引き出し修正を行う事により、修復作業を完了するまでの間、各引き出しポイントにおいては、常に浅い損傷を引き出すこととなる。例えば、ポイント▲1▼にて引き出し修復をするとポイント▲1▼より内方のポイント▲3▼の位置も引き上げられているので、引き出し作業は全ての箇所において、少しずつの簡単な引き出し作業にて足りることになる。
【0203】
尚、引き出し作業は、同一の領域内であれば、各第一ポイント90における引き出しはどの順番にて行っても良いが、好ましくは隣接する第一ポイント90を順次引き出しながら全体として渦状の線を描くように行うとよい。また、中心点Pにても引き出し作業を行うようにしてもよい。
【0204】
ここで、第二ポイント95における引き出し作業の適否の判断について説明する。第二ポイント95は第一ポイント90にての引き出し作業だけでは充分な修復作業が行いきれない場合に、補足的に引き出し作業を行う場所を示すものである。
【0205】
引き出し作業は、損傷内の全ての第一ポイント90と第二ポイント95とを外側(凹みの浅い側)から内側(凹みの深い側)の順に引き出し作業を行えば、熟練していない作業員であっても精度良く修復作業を行うことができる。
【0206】
しかし、より一層引き出し作業を早く行う為に、第一ポイント90においての引き出し作業がよりよく行えた場合は、第二ポイント95の引き出し作業を省略する選択を持たせたのである。
【0207】
例えば、図20に示す、外側(例えば第三領域93内)の第一ポイント90にて引き出し作業を終えた後、第三領域93内の第二ポイント95にて引き出し作業を行い、さらに第四領域94内の第一ポイント90、第三領域93内の第二ポイント95というように作業をすることができる。或いは、第三領域93内の第一ポイント90にて引き出し作業を終えた後、第四領域94内の第一ポイント90にて引き出し作業を行い、その後、第三領域93内の第二ポイント95にて引き出し作業を行うようにしても良い。
【0208】
以上のように、引き出しポイントが印刷されたシート80(80A)(図20参照)を用いて引き出し作業を行う為、作業経験の少ない作業員であっても車体パネル面の修理を容易に、且つ正確に行うことができる。
【0209】
また、本実施形態のシート80(80A)は、引き出し作業が必要な引き出しポイント(第一ポイント90)と、引き出し作業を補足する引き出しポイント(第二ポイント95)とが印刷されることにより、損傷箇所の引き出し作業が未熟な作業員であっても、容易に且つ精度良く引き出し作業を行うことができる。
【0210】
また、本実施形態におけるシート80(80A)を用いて引き出し作業を行うことにより、引き出し作業に熟練した作業員であれば、引き出し作業を補足するポイント(第二ポイント95)における引き出し作業はなるべく割愛し、より短時間で損傷箇所の修復を行うことができる。
【0211】
また、本工程(引き出し作業工程)が終了すると、第一の実施の形態の車輌修理支援方法と同様に、<パテ作業工程>へと移行する。このとき、パテ作業を行う際には当然シート80を剥がす作業を行うが、本実施形態におけるシートは、損傷箇所100に対応する部分のみを剥がし、その他の部分を含んだシート80(80A)は車体パネル面上に残しておくようにする。これは、損傷していない部分をその後の作業により痛めないよう保護したり、作業に伴う汚れ等から保護したりする為である。
【0212】
また、図20に示す損傷箇所100に対応する部分のシートを剥がし易くする為に、シート80(80A)の各境界線に破断線(ミシン目)(図示せず)を形成しておき、損傷を包含する境界線にて、その内側部分の領域を引き離すようにするとより利便性が高まる。
【0213】
尚、上記したように本実施形態における車輌修理支援方法は、引き出し作業が終わると、パテ作業工程、プライマサーフェーサ層の形成工程、上塗り工程が行われるが、これらの工程も第一の実施の形態におけるパテ作業工程、プライマサーフェーサ層の形成工程、上塗り工程と同じである為、説明を省略する。
【0214】
以上のように、車体パネル面にできた損傷箇所の修復に専用のシートを用いることにより、容易に、且つ短時間で損傷箇所の修復を行うことができる。
【0215】
また、損傷箇所の修復に用いるシートには、引き出すべきポイントが引き出すべき順に印刷されているため、損傷箇所修復の作業経験が浅い作業員であっても正確に修復作業を行うことができる。
【0216】
【発明の効果】
以上のことにより、本発明によれば、車輌の外板パネルにおける損傷箇所の修理を経験の浅い作業員であっても容易且つ確実に行える車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することが可能となる。
【0217】
また、本発明は、車輌の外板パネルに形成された損傷の修理を低コストにて行える車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することができる。
【0218】
さらに、本発明によれば、車輌の外板パネルの損傷箇所の修理にかかる作業量をより厳密に算出することができる車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することが可能となる。
【0219】
加えて、本発明によれば、作業員の技術習熟度により作業量にバラツキが出てしまうことを極力防止する車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態に係る板金修理支援装置の概略構成図である。
【図2】第一実施形態に係る引出装置の一部断面図である。
【図3】第一実施形態に係る引出装置の上面図である。
【図4】第一実施形態に係る支持ラックの平面図である。
【図5】第一実施形態に係る支持脚及び基礎フレームの構造を説明する為の一部断面図である。
【図6】第一実施形態に係る測距装置の位置を示す図である。
【図7】第一実施形態における板金修理に伴う一連の作業工程を示すフローチャートである。
【図8】修理対象となる損傷箇所を示す図である。
【図9】第一実施形態における引き出し順序を示した図である。
【図10】第一実施形態における損傷量計測プログラムの処理工程を示すフローチャートである。
【図11】第一実施形態における損傷箇所の立体イメージを示す図である。
【図12】第一実施形態における引き出しポイントのイメージデータを示した図である。
【図13】第一実施形態における引出装置の第二プラーを併用して引き出し作業を行う状態の図である。
【図14】第一実施形態における引出装置の第一プラーを引き上げた状態を示す図である。
【図15】第一実施形態における引き出し作業の順序を示す図である。
【図16】損傷面積が広く損傷深さが浅い損傷箇所の断面図である。
【図17】損傷面積が狭く損傷深さが深い損傷箇所の断面図である。
【図18】修理作業によって修理する車体のドアパネルを示す図である。
【図19】第一実施形態における修理作業に用いるシート(円形損傷対応)を示す図である。
【図20】第二実施形態におけるシートに、所定の引き出しポイントが印刷された状態を示す図である。
【図21】他の実施形態における修理作業に用いるシート(四角形損傷対応)を示す図である。
【図22】他の実施形態における修理作業に用いるシート(楕円形損傷対応)を示す図である。
【図23】第二実施形態における修理作業に用いるシートを損傷上に固定した状態を示す図である。
【図24】第二実施形態における引出装置を示す全体斜視図である。
【図25】第二実施形態における引出装置の要部を示す斜視図である。
【図26】第二実施形態における引出装置の要部を示す斜視図である。
【図27】第二実施形態における引き出し作業を説明するための図である。
【符号の説明】
1 板金修理支援装置
2 引出装置
5 支持ラック
6 制御装置
20 第一プラー
21 吸着パッド
22 第一スライドロッド
22a ラックギヤ
23 第一昇降装置
23a 第一昇降装置本体
23b リダクションモータ
23c 回転角センサ
24 プラーブラケット
30 第二プラー
31 第二スライドロッド
32 電動チップホルダ
32a ホルダ本体
32b 電動チップ
33 第二昇降装置
33a 第二昇降装置本体
33b リダクションモータ
33c 回転角センサ
34 回転機構
34a リダクションモータ
34b ラックギヤ
40 引出装置
41 本体部
42 連結部
43 カウンタープレート
44 電極アタッチメント
45 溶接機
46 電極チップ
47 ノブ
48 スライド溝
49 グリップ
50 ハンマー
51 基礎フレーム
51c ガイドレール
52 支持脚
52a 支持脚用ブラケット
52b アジャスタ
53 プラーフレーム
53a プラーフレーム用ブラケット
53b ブラケット用ガイドレール
54 第一移動装置
54a プーリ
54b ステッパモータ
54c ベルト
54d 回転角度センサ
55 第二移動装置
55a プーリ
55b ステッパモータ
55c ベルト
55d 回転角度センサ
62 ROM
63 RAM
64 CPU
65 入力ポート
66 出力ポート
67 ディスプレー
68 コントロールパネル
69 印刷装置
71 測定装置
71a ステー
80 シート
82 第一境界線(円周線)
83 第二境界線
84 第三境界線
85 第四境界線
86 第一コーナー部
87 第二コーナー部
88 第三コーナー部
89 第四コーナー部
90 第一ポイント
91 第一領域
92 第二領域
93 第三領域
94 第四領域
95 第二ポイント
100 損傷箇所
100a 損傷内底部
101 車体パネル面
102 ドアパネル
P 中心点

Claims (17)

  1. 車体のパネル損傷の修理を支援する方法であって、
    コンピュータが、
    (a)パネルの損傷箇所における損傷量を入力する工程と、
    (b)入力した損傷量に基づき、損傷箇所の中心から外方へ亘って、パネルを引き出すべき引き出しポイントを演算する工程と、
    を実行する車輌修理の支援方法。
  2. コンピュータは、前記車体パネルの損傷箇所における表面に所定間隔毎に配置された各測定ポイントを測定することにより得た損傷深度に基づき、前記損傷箇所における損傷量を計算することを特徴とする請求項1に記載の車輌修理の支援方法。
  3. 前記損傷量は、損傷箇所における凹み部分の体積値であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌修理の支援方法。
  4. 前記車体パネルの損傷箇所は、前記測定ポイントに基づき前記凹み部分が各ブロックに区分され、各々のブロックの体積から損傷箇所の損傷量を算出することを特徴とする請求項2に記載の車輌修理の支援方法。
  5. 前記測定ポイントは、前記車体パネルの損傷箇所に定めた座標系上に配置されてることを特徴とする請求項4に記載の車輌修理の支援方法。
  6. 前記座標系は、三次元座標系であることを特徴とする請求項5に記載の車輌修理の支援方法。
  7. (b)入力した損傷量に基づき、損傷箇所の中心から外方へ亘って、パネルを引き出すべき引き出しポイントを演算する工程にて演算された前記引き出しポイントは、前記損傷量に応じて作業順に配設されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の車輌修理の支援方法。
  8. 前記(b)工程にて算出された前記引き出しポイントは、損傷箇所の形状に応じた位置に配設されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の車輌修理の支援方法。
  9. コンピュータが、(c)前記(b)工程にて演算した引き出しポイントを、所定のシートに印刷する工程を実行することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の車輌修理の支援方法。
  10. コンピュータが、(d)前記損傷量に基づいて車体の修理作業時間を算出する工程を実行することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の車輌修理の支援方法。
  11. 前記(d)工程は、
    (e)前記(b)工程により演算したポイントを計数する工程と、
    (f)計数したポイントに、所定時間を乗じて当該損傷箇所における修理作業時間を算出する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項10に記載の車輌修理の支援方法。
  12. コンピュータが、(g)損傷量に基づいて車体の修理作業費用を算出する工程を実行することを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載の車輌修理の支援方法。
  13. 前記(g)工程は、
    (h)前記(e)工程により計数したポイントに、所定金額を乗じて当該損傷箇所における処理作業費用を算出する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の車輌修理の支援方法。
  14. 車体のパネル損傷の修理を支援する方法であって、
    (i)パネルの損傷箇所における損傷量を測定する工程と、
    (j)入力した損傷量に基づき、損傷箇所の中心から外方へ亘って、パネルを引き出すべき引き出しポイントを決定する工程と、
    を含む請求項12、又は13に記載の車輌修理の支援方法。
  15. 前記(i)工程と前記(j)工程との間に、(k)各ポイントにおける塗膜を剥離する工程を含むことを特徴とする請求項14に記載の車輌修理の支援方法。
  16. 車体のパネル損傷の修理を支援するプログラムであって、
    (l)パネルの損傷箇所における凹み部分の体積値を入力するステップと、
    (m)入力した損傷量に基づき、損傷箇所の中心から外方へ亘って、パネルを引き出すべき引き出しポイントを演算するステップと、
    をコンピュータ実行可能な車輌修理の支援プログラム。
  17. 車体のパネル損傷の修理を支援するシステムであって、
    パネルの損傷箇所における凹み部分の体積値を測定する測定手段と、
    測定した体積値に基づき、損傷箇所の中心から外方へ亘って、パネルを引き出すべき引き出しポイントを決定する演算手段と、
    を備えることを特徴とする車輌修理の支援システム。
JP2002160161A 2002-05-31 2002-05-31 車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システム Pending JP2004001633A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002160161A JP2004001633A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002160161A JP2004001633A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004001633A true JP2004001633A (ja) 2004-01-08

Family

ID=30429674

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002160161A Pending JP2004001633A (ja) 2002-05-31 2002-05-31 車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004001633A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335142A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Tsubasa System Co Ltd 車両損傷記録表の作成システム及び車両修理シュミレーター
JP2009151770A (ja) * 2007-12-11 2009-07-09 General Electric Co <Ge> 適応加工システム及び適応加工方法
JP2018112999A (ja) * 2017-01-13 2018-07-19 株式会社ブロードリーフ 損傷判断装置、並びにこれを用いた期間・スケジュール演算装置及び修理・補修費用演算装置。
JP2019076951A (ja) * 2017-10-27 2019-05-23 三菱重工業株式会社 補修装置および補修方法
KR102148884B1 (ko) * 2020-04-02 2020-08-27 주식회사 애자일소다 차량의 손상 분석 시스템 및 방법
JP2020190421A (ja) * 2019-05-20 2020-11-26 有限会社シャルム 移動体評価装置、移動体評価方法、およびプログラム

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335142A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Tsubasa System Co Ltd 車両損傷記録表の作成システム及び車両修理シュミレーター
JP2009151770A (ja) * 2007-12-11 2009-07-09 General Electric Co <Ge> 適応加工システム及び適応加工方法
US8578579B2 (en) 2007-12-11 2013-11-12 General Electric Company System and method for adaptive machining
JP2018112999A (ja) * 2017-01-13 2018-07-19 株式会社ブロードリーフ 損傷判断装置、並びにこれを用いた期間・スケジュール演算装置及び修理・補修費用演算装置。
JP2019076951A (ja) * 2017-10-27 2019-05-23 三菱重工業株式会社 補修装置および補修方法
JP7039250B2 (ja) 2017-10-27 2022-03-22 三菱重工業株式会社 補修装置および補修方法
JP2020190421A (ja) * 2019-05-20 2020-11-26 有限会社シャルム 移動体評価装置、移動体評価方法、およびプログラム
JP7475023B2 (ja) 2019-05-20 2024-04-26 有限会社シャルム 移動体評価装置、移動体評価方法、およびプログラム
KR102148884B1 (ko) * 2020-04-02 2020-08-27 주식회사 애자일소다 차량의 손상 분석 시스템 및 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3373830B2 (ja) 立体造形方法及び装置
EP0514162A2 (en) Skiving equipment and method for recapping tyre
JP2004001633A (ja) 車輌修理の支援方法、車輌修理の支援プログラム、車輌修理の支援システム
KR940006045A (ko) 컴퓨터 제어에 의해 컴퓨터 데이타로부터 3-차원 대상체를 제조하는 방법 및 장치
CN105867306A (zh) 一种在机床加工处理过程中使用的控制和虚拟显示系统
CN110245317B (zh) 一种磁流变抛光去除函数的提取方法及装置
RU2771523C1 (ru) Распознавание деформации емкостей
WO2000059679A1 (fr) Procede de production de verres de lunettes et dispositif de traitement de verres
CN107688688A (zh) 与覆盖成形关联的系统和方法
US20220297385A1 (en) Imposing quality requirements on 3d models with support structures
US8667844B1 (en) Ultrasonic scalar adhesion test apparatus and method for paints and finishes
EP1005929B1 (en) Method of repairing a vehicle body and repairing sheet for carrying out the method
WO2004113136A1 (ja) 車輌修理の支援方法
KR20160020125A (ko) 연마장치의 정렬모듈 및 그 제어방법
JP4601914B2 (ja) 接着剤の塗布装置及び接着剤の塗布方法
JPH0816611B2 (ja) レンズのコバ厚測定方法およびそのための装置
IT1158898B (it) Dispositivo di controllo dell&#39;avanzamento di una mola rispetto ad un dispositivo di ravvivatura in una rettificatrice
CN216632080U (zh) 一种柜员机金属面板折弯辅助按压检测装置
JP2000142333A (ja) 車体の修理方法及び修理作業量算出方法
JP4708541B2 (ja) 曲げ加工方法及び曲げ加工システム
CN106584150A (zh) 一种去除铝合金薄板包覆层的夹具及方法
JP2005125134A (ja) 塗布装置
JPS62255062A (ja) 円柱外面疵の研削方法と装置
CN113624212A (zh) 一种水平度检测装置及作业设备的工作参数确定方法
JP2017161354A (ja) 部材の検査装置及び部材の補修方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040702

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040831

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050531

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20050920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070807

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071204