JP2004000489A - 薬供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一定期間に服用する薬を適切な時期に供給するような装置を大型化させず、また、飲み忘れや誤服用を有効に防止できるようにする。
【解決手段】垂直軸43に対して独自に回転自在な複数の保持板56に複数のポケット47を設けて薬保持体44を構成し、その周囲をケーシング45で囲い、このケーシング45に開放部hを設ける。そしてこの開放部hを通して、一枚目の薬保持体44の表面側と、二枚目の薬保持体44の裏面側の二面が外部に露出するようにし、この外部に露出するポケット47内に、一日に服用すべき薬を収納する。そして例えば夜中の所定時刻に、一方側の薬保持体44を他方側の薬保持体44の位置まで移動させ、これを繰り返す。
【選択図】 図8
【解決手段】垂直軸43に対して独自に回転自在な複数の保持板56に複数のポケット47を設けて薬保持体44を構成し、その周囲をケーシング45で囲い、このケーシング45に開放部hを設ける。そしてこの開放部hを通して、一枚目の薬保持体44の表面側と、二枚目の薬保持体44の裏面側の二面が外部に露出するようにし、この外部に露出するポケット47内に、一日に服用すべき薬を収納する。そして例えば夜中の所定時刻に、一方側の薬保持体44を他方側の薬保持体44の位置まで移動させ、これを繰り返す。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば薬を常時服用する必要のある人等に対して、飲み忘れや誤飲用防止等に便利な薬供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば定時的に薬を服用する必要のある人で、服用の自己管理が困難なような人に薬を供給するような装置として、例えば予め薬をカプセルに収容して上下に積重ね、タイマースイッチによって最下段のカプセルを下方の取出し口に落下させるとともに、それを報知するような技術が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−253172号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような装置は、薬を収容するカプセルを上下に積重ねるため、例えば一日に複数回の服用が義務付けられている場合等には、数週間分のカプセルを積み重ねようとすると装置が極めて大型化するという問題がある。
また、例えば利用者が装置の近くにいなかった場合等において、カプセルが取出し口に溜まっている場合、いつの時点で飲むべきカプセルであったのかが不明であり、その後の服用管理が難しくなるという問題もある。
【0005】
そこで本発明は、一日に複数回の服用が義務付けられているような場合でも、適切な時期に服用できるような装置を提供するとともに、装置を小型化し、また、飲み忘れを発見しても、いつの時点で飲み忘れたかが容易に判り、その後の服用管理が容易に行えるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、薬の飲み忘れや勘違いによる二重服用等を防止するようにした薬供給装置において、一定期間に服用する薬を保持する薬保持体を環状列として複数配列し、当日分に服用すべき薬保持体だけを一日一回順次取出し可能な開放部に移動させ、その他の薬保持体は目に触れない箇所に隠するようにした。
【0007】
そして、例えば薬を毎日服用することを義務付けられている場合には、複数の薬保持体の中に一定期間の薬を収納し、例えば夜中の所定時刻に、当日分または翌日分に服用すべき薬保持体だけを開放部に臨ませるよう移動させ、その他の薬保持体を目に触れない箇所に隠しておくことで、例えば飲み忘れの薬がある場合は、すぐに気付くようになり、飲み忘れや二重服用等の誤服用が起きにくい。
ここで、薬保持体の移動機構としては各種態様が考えられるが、例えば回転機構等を使用すれば、装置の大型化を招かず小型化が可能となる。
【0008】
また本発明では、前記薬保持体を、垂直軸回りに回転自在な回転板またはチェーンに取付けるようにし、この回転板またはチェーンを一日一回所定角度回転させて所定箇所の薬保持体を開放部に臨ませるようにした。
このように、垂直軸回りに回転自在な回転板またはチェーンに薬保持体を取り付けるような回転機構を採用するようにすれば、装置の小型化、軽量化が図られる。
【0009】
また本発明は、前記薬保持体を、垂直軸回りに独自に回転可能な複数の保持板によって構成し、所定箇所の保持板を一日一回所定箇所に向けて回転移動させるようにした。
このように、所定箇所の保持板だけを移動させて、一日に服用すべき薬を開放部に臨ませるようにすれば、モータ等の回転駆動源にかかる負荷が減少し、電池やバッテリー等を使用出来るようになって装置の設置場所の自由度が増す。
【0010】
また本発明では、前記薬保持体に、複数のポケットを形成するようにした。
このように、複数のポケットを形成すれば、例えば一日分の薬でも更に服用時期を、朝用、昼用、夜用等に区分して収納することが出来、飲み忘れの防止に一層効果的であるとともに、飲み忘れた場合でもその時期が明確なため、その後の服用管理等が適切に行えるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る薬供給装置の第1実施例の全体図、図2は同分解斜視図、図3は回転体の説明図、図4は回転体の回転作動を説明する説明図、図5は薬保持体の前進作動を説明する説明図、図6及び図7は本装置の第2実施例の説明図、図8乃至図11は本装置の第3実施例の説明図である。
【0012】
本発明に係る薬供給装置は、薬の飲み忘れや二重服用等の防止に有効なようにされるとともに、例えば一日に複数回の服用が義務付けられている場合でも、薬を供給する装置を小型化することができ、また、薬を飲み忘れた場合でも、その後の服用管理が容易なようにされている。
【0013】
すなわち、本装置1の第1実施例は、図1、図2に示すように、装置本体2と、この装置本体2に対して回転自在な回転体3と、この回転体3の周囲に着脱自在に配設されるカバー4を備えている。
【0014】
そして回転体3には、複数の薬保持体5が環状列となって配設されるとともに、この薬保持体5は、後述するように保持プレート29の前面に取付けられる複数のポケット27から構成され、また、前記カバー4には、薬保持体5が出入り可能な開放部hが形成されている。
そして、例えば日中は、所定箇所の薬保持体5が開放部hから飛び出した状態で一日が経過し、例えば夜中の所定時刻に自動的に薬保持体5が開放部hの奥に引っ込んだ後、回転を始め、隣の薬保持体5が開放部hの位置まで回転すると、回転を停止して新たな薬保持体5が開放部hを通して前方に飛び出すようにし、一日ごとにこの動作を繰り返すようにしている。
【0015】
前記装置本体2は、図2に示すように、円板状の機台6と、この機台6の中央部に固定される軸受筒7と、機台6の一端側寄りに立設される第1受部材8と、他端側寄りに立設される第2受部材9を備えており、前記第1受部材8上には、不図示の24時間タイマーにより作動する駆動モータ10と減速機11が配設されるとともに、減速機11から延出する駆動軸12の延出端部が、前記第2受部材9によって回動自在に枢支されている。
そして、前記駆動軸12には、前記回転体3を回転させるための第1カム13と、薬保持体5をカバー4の開放部hを通して飛び出させるための第2カム14とが位相を異ならせて設けられている。
【0016】
また、軸受筒7には、ブラケット15が突設されており、このブラケット15には、揺動アーム16の基端部が揺動自在に枢支されている。そしてこの揺動アーム16は、基端側のバネ18によって通常時は上端部が後方に向けて付勢されるとともに、揺動アーム16の中間部には、前記第2カム14に係合可能な係合部材17が突設されており、前記第2カム14が係合部材17を押圧しながら回転すると、揺動アーム16の上端部が前方に向けて揺動するようにしている。
【0017】
また、揺動アーム16の基端部には、レバー20が取り付けられており、このレバー20の先端は、駆動モータ10の駆動を制御するためのマイクロスイッチ21に当接自在にされている。
そして、前記第2カム14が係合部材17に当接して揺動アーム16の上端部が前方に向けて揺動すると、最大揺動箇所付近でレバー20の先端がマイクロスイッチ21に当接し、駆動モータ10の駆動を停止させるようにしている。
尚、機台6上には、電源コードを接続したり、装置のオン・オフを作動させるためのスイッチ部19が設けられ、また、このスイッチ部19と駆動モータ10とマイクロスイッチ21等との間には、電気配線が設けられている。
【0018】
前記回転体3は、図3にも示すように、前記軸受筒7に挿入可能な中心軸22と、この中心軸22の上部側に取り付けられる八角形の回転板23を備えており、この回転板23の八辺部には、前記薬保持体5が保持されている。また、回転板23の下面には、薬保持体5の位置に対応して8個のスライドガイド24が取り付けられており、各スライドガイド24には、薬保持体5から後方に延出するスライドバー25が挿通されている。
【0019】
そして、スライドガイド24とスライドバー25との間には、スライドバー25を後方に向けて付勢するバネ26が設けられており、通常時は薬保持体5の背面が回転板23の辺部に当接する位置まで引き込まれるようにしている。
また、後述する要領により薬保持体5が前記開放部hの位置まで回転すると、図3の鎖線に示すように、前記揺動アーム16の先端部が、スライドバー25の後方に位置するようにされている。
【0020】
また、前記第1カム13は、図4にも示すように、スライドガイド24の側面に当接可能となり、第1カム13が回転中にスライドガイド24の側面を押圧することにより、回転体3を一定角度だけ回転させて、隣接する薬保持体5を順次開放部hの位置に臨ませることが出来るようにされている。
【0021】
前記薬保持体5の保持プレート29の前面には、一日に服用する薬を保持することの出来る保持部が形成され、本実施例では、朝服用分、昼服用分、夕服用分、夜服用分の4回に分けて収容することの出来る複数のポケット27を設けている。
【0022】
以上のような薬供給装置の作用等について説明する。
病院等から数日分の薬を纏めて受領すると、利用者は装置1のカバー4を外して、薬保持体5のポケット27に数日分の薬を区分けして収容する。この際、実施例では、8つの薬保持体5があるため、8日分の薬を同時にセットでき、また、一日のうちでも朝用、昼用、夕用、夜用に仕分けして各ポケット27にセットできる。勿論、一日三回の服用であれば、一つのポケット27は空にしておく。
そして薬の収容が完了すると、カバー4を被せ電源を入れる。
【0023】
すると、駆動モータ10が作動して駆動軸12が回転し、図4に示すように、まず第1カム13がスライドガイド24を押圧し、回転体3を回転させる。そして、所定箇所の薬保持体5が開放部hの位置に来ると、第1カム13とスライドガイド24の係合が外れて回転体3の回転が停止する。
【0024】
更に駆動軸12が回転すると、図5に示すように、第2カム14が揺動アーム16の係合部材17に係合するようになり、揺動アーム16が揺動を始める。
すると、揺動アーム16の上端がスライドバー25を押圧するようになり、当該薬保持体5が前進して、開放部hから飛び出る。そして、揺動アーム16が最大揺動箇所付近になると、レバー20がマイクロスイッチ21に当接して駆動モータ10が停止する。
そして、この飛び出た薬保持体5に保持される薬が一日分に服用すべき薬であり、利用者は、朝、昼、夕、夜に仕分けされた薬を時期に応じて服用する。
【0025】
この際、服用を忘れても、ポケット27に残る薬を見れば一目瞭然であり、また、例えば若干服用時間が遅れた時点で気付いた場合でも、その後の服用時間の調整等が容易である。
更に、勘違いで二重服用するような間違いも起きにくい。
【0026】
一日が終了し、例えば夜中の所定時刻になると、24時間タイマーによって駆動モータ10が自動的に作動して駆動軸12が回転を始めるようになり、第2カム14と係合部材17の係合が徐々に外れて、揺動アーム16はバネ18力で元の状態に復帰するとともに、薬保持体5のスライドバー25はバネ26力により後退する。このため、薬保持体5が開放部h内に没入する。
次いで、第1カム13がスライドガイド24を押圧し、回転体3が回転して隣の薬保持体5を開放部hの位置に臨ませた後、第2カム14が揺動アーム16の係合部材17を押圧して揺動アーム16が揺動を始め、揺動アーム16に押された薬保持体5が前進して、開放部hから飛び出る。
このような操作が一日ごとに繰り返される。
【0027】
ところで、以上の実施例の場合、薬保持体5を所望の角度で回転させた後、前方に押出して開放部hから飛び出せるようにしているため、装置が複雑化、大型化する傾向にあるが、図6、図7に示す第2実施例では、薬保持体5の押出し機能を廃止し、装置の小型化、簡素化を図るようにしている。
ここで、図6は第2実施例の装置の全体図、図7は同内部構造の説明図である。
【0028】
すなわち、本装置1の第2実施例は、図6、図7に示すように、形状が略楕円形状とされ、開放部hを有するケーシング32と、このケーシング32に対して回転自在な第1回転軸30と第2回転軸31を備えている。
そしてこの第1回転軸30と第2回転軸31には、それぞれ上下一対の溝付きプーリ33が取り付けられるとともに、このプーリ33には、上下一対のチェーン34が巻回され、溝内に嵌め込まれている。
【0029】
そして、このチェーン34には、所定間隔置きに複数の薬保持体35が取り付けられており、この薬保持体35の前面には、複数のポケット36が設けられている。
また、チェーン34の下方には、チェーン34の弛みを防止するためのガイド38が設けられている。
【0030】
また、第1回転軸30の下方部には、歯車37が取り付けられている。
そして、ケーシング32に固定される支持部材39には減速機付き駆動モータ40が取り付けられており、この駆動モータ40の出力軸に設けられるカム41が歯車37に係合可能にされている。
【0031】
そして、不図示の24時間タイマー等により駆動される駆動モータ40が作動すると、カム41が間欠的に歯車37に係合して薬保持体35をコマ送りし、順次隣接する薬保持体35を開放部hの位置に臨ませるようにされている。
【0032】
以上のような薬供給装置1において、複数の薬保持体35に数日分の薬を同時に収容し、24時間タイマーにより、隣接する薬保持体35を順次開放部hの位置に移動させて薬を取り出し可能にするとともに、一つの薬保持体35で一日分の薬を供給することについては、第1実施例と同様である。
そしてこの場合も、薬が、朝用、昼用等の服用時期ごとに区分けされてポケット36に収容されているため、飲み忘れや勘違いによる誤服用防止に有効である。
【0033】
次に、図8乃至図11に基づき第3実施例の薬供給装置を説明する。
ここで、図8は第3実施例の薬供給装置の全体図、図9は分解斜視図、図10は装置本体の説明図、図11はケーシングの突起カム面を説明するため一部を破断した説明図である。
【0034】
本装置の第3実施例は、上記実施例1や実施例2のように、回転板23やチェーン34によって全ての薬保持体5、35を同時に回転させる代わりに、1ヶ所の薬保持体だけを回転させるようにすることで、駆動モータ等の負荷を軽減させ、例えば電池やバッテリー等の駆動源でも長期間使用できるようにしたものである。
【0035】
すなわちこの装置1は、装置本体42と、垂直軸43に独自に回転可能に設けられる複数の薬保持体44と、この薬保持体44の外側に被せられるケーシング45を備えており、前記薬保持体44は、保持板46に保持される複数のポケット47から構成されるとともに、前記ケーシング45には、開放部hが設けられている。
【0036】
前記装置本体42は、図10に示すように、底板48の中央部に固定される軸受50と、この軸受50によって回転自在に支持される回転軸51と、この回転軸51を回転させるための減速機付き駆動モータ52を備えており、前記回転軸51の上部には水平円板53が固定されている。
また、回転軸51の中間部には、側方に向けて張出す押上げ用カム54が設けられており、この押上げ用カム54は、回転中、後述するストッパバー63の下端部に当接すると、ストッパバー63を押上げることが出来るようにされている。
【0037】
また、この押上げ用カム54に隣接してローラカム55が設けられ、このローラカム55は、水平円板53に対して基端部側が上下に揺動可能な揺動アーム59の先端部に取付けられている。そしてこの揺動アーム59は、スプリング56によって上方に付勢されるとともに、揺動アーム59の先端側には、水平円板53の切欠き部53kを通して上方に向けて突出するピン57が設けられている。そして、このピン57は、通常時はスプリング56の付勢力によって水平円板53の上面より上方に突出するようにされている。
因みに、このピン57は、水平円板53より上方に突出した状態になると、水平円板53と共に回転する際、回転下流側に位置する薬保持体44の下端部に当接して押圧することで、当該薬保持体44を回転させる役割を有している。
【0038】
また、この揺動アーム59の近傍には、駆動モータ52の作動を制御するマイクロスイッチ65や図に現れないタイマー等が設けられており、このマイクロスイッチ65やタイマーの制御によって、所定時刻になると、駆動モータ52が一日一回、一回転するようにしている。
【0039】
前記垂直軸43は本実施例では中空部材から構成され、その下端部には、軸受コマ58が回動自在に嵌合している。そして、この軸受コマ58は、前記回転軸51の上面に形成される六角穴51hに嵌合可能となり、回転軸51が回転すると、軸受コマ58だけが回転軸51や水平円板53と一緒に回転するようにされている。
【0040】
前記薬保持体44の保持板46は、それぞれが独自に垂直軸43に対して回動可能にされており、表裏面にポケット47を吊下げるための吊り具60が複数取り付けられている。そして本実施例では、片面側に朝用、昼用の二ヶ所、反対面側に夕用、夜用の二ヶ所が設けられ、後述するように、二枚の保持板46の表面と裏面が同時に開放部hに開放されるようにしている。
尚、各保持板46の一方側の所定面には、隣接する保持板46が所定角度以下に閉じた状態になるのを防止するスペーサ片61が取り付けられている。
【0041】
前記ケーシング45は、薬保持体44の外部に被せることが出来るようにされ、下方内周面部に環状のフランジ部62を備えるとともに、このフランジ部62より上方の外周の約半分弱が切り取られて開放部hとされている。そして、フランジ部62の内径は、装置本体42の水平円板53の径より僅かに大きめにされ、組み付け時にはフランジ部62の内周部に水平円板53を遊嵌せしめることが出来るようにされている。
【0042】
また、前記フランジ部62のうち、開放部hの一方側端部に近い箇所には、ストッパバー63が上下動可能に設けられている。このストッパバー63は、フランジ部62をスライド自在に貫通するとともに、上端部は、内側に張出して薬保持体44の保持板46の前面を遮ることが出来るような係止部63kとされ、下端部は、前記押上げ用カム54に係合可能にされている。
そして、前記回転軸51に回転に連れて押上げ用カム54が通過する際、押上げ用カム54がストッパバー63の下端部に当接すると、ストッパバー63は上方に押し上げられて係止部63kが薬保持体44から外れ、押上げ用カム54が通過してしまうと、ストッパバー63は自重により下方に落下して係止部63kが保持板46の前面を遮るようにしている。
尚、このストッパバー63は、不図示の機構により、一定の高さ以下に降下しないようにしている。
【0043】
また、フランジ部62の底面側の内周縁部には、開放部hやその近傍を除く箇所に突起カム面64が設けられ、この突起カム面64に前記ローラカム55が係合可能にされている。そして、ローラカム55が突起カム面64のある場所を通過する時は、突起カム面64によって揺動アーム59が下方に押し下げられ、ピン57が水平円板53より下方に没入するとともに、ローラカム55が突起カム面64のない箇所を通過する時は、スプリング56力によって揺動アーム59が上方に揺動し、ピン57が水平円板53より上方に突出するようにされている。そして、この突出したピン57によって、回転軸51や水平円板53の回転に伴って、開放部hの両端付近に位置する二枚の薬保持体44のうち、回転上流側の薬保持体44の背面を押圧して、一枚だけめくるような感じで移動させるようにしている。
【0044】
以上のような装置1において、装置本体42の回転軸51の六角穴51hに垂直軸43下端の軸受コマ58を嵌合させ、外側にケーシング45を被せて図8のような状態に組み付ける。この際、開放部hの両端部付近には二枚の薬保持体44の表面と裏面がそれぞれ外部に露出するようにされており、各薬保持体44のポケット47内に一日分の薬が収納されている。
【0045】
一日が経過して、例えば夜中の所定時刻になると、タイマーの作動によって駆動モータ52が作動し、回転軸51や水平円板53が回転を始める(図8の時計方向周り)。この際、ピン57は、図8の左方の薬保持体44の前面付近に位置しているが、回転を始めると同時に、ローラカム55が突起カム面64に当接して揺動アーム59が下方に揺動することにより、ピン57は水平円板53より下方に没入した状態で回転する。このため、回転を始めた当初は、ピン57はいずれの薬保持体44に干渉することなく、すべての薬保持体44は現在の個所を維持している。
【0046】
回転軸51や水平円板53が約180度強回転すると、まず、押上げ用カム54がストッパバー63の下端部に当接してこれを押上げ、それまで係止部63kを係合させていた薬保持体44から離脱させる。次いで、これとほぼ同時に、ローラカム55が突起カム面64から外れて揺動アーム59が上方に揺動し、ピン57が水平円板53より上方に突出する。そしてこのピン57が上方に突出する位置は、図8の右方の薬保持体44と、その奥の2番目(図では隠されている)の薬保持体44の中間部である。
【0047】
そして回転軸51や水平円板53はそのまま回転を継続し、上方に突出したピン57は、図8右方の薬保持体44の背面を押圧して、当該薬保持体44を一緒に回転させ始める。そして、当該薬保持体44が回転を始めストッパバー63の位置を過ぎると、ストッパバー63は押上げ用カム54から外れて下方に落下する。そして、係止部63kが2番目の薬保持体44の前進を妨げる位置になる。そして、ピン57により押圧されて移動した薬保持体44が、図8の左方の位置まで来ると、マイクロスイッチ65の作動によって駆動モータ52の作動が停止し、この状態では、開放部hの両端付近に位置する二枚の薬保持体44の表裏面のポケット47には、翌日または当日分の薬が収納され、開放部hから容易に取出すことが出来るようにされている。そしてこの状態で一日が経過し、これが繰り返される。
【0048】
そしてこの第3実施例では、駆動モータ52により連れ回すのが一日一回、1ヶ所の薬保持体44だけであるため、駆動モータ52にかかる負荷が軽減され、例えば電池等を駆動源として、設置場所の自由度を高めることが出来る。
尚、この実施例では、停電等に備えてバックアップ用電源を接続している。
【0049】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば薬保持体5、35、44の配設数や、ポケット27、36、47の数等は例示である。
また、実施例3において、ストッパバー63の上下動や、ピン57の上下動は、磁石の作用で行わせるようにしても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る薬供給装置は、一定期間に服用する薬を保持する薬保持体を複数配列し、当日分に服用すべき薬保持体だけを一日一回順次取出し可能な開放部に移動させるようにし、その他の薬保持体は目に触れない箇所に隠すようにしたため、薬の飲み忘れや誤服用等を防止することが出来る。
この際、前記薬保持体を、垂直軸回りに回転自在な回転板またはチェーンに取付け、この回転板またはチェーンを一日一回回転させて所定箇所の薬保持体を開放部に臨ませるようにすれば、装置の小型化や軽量化が図られる。
また、薬保持体を、垂直軸回りに独自に回転可能な保持板によって構成し、所定箇所の保持板を一日一回所定箇所に向けて回転移動させるようにすれば、モータ等の回転駆動源にかかる負荷が減少し、電池やバッテリー等を使用出来るようになって装置の設置場所の自由度が増す。
また、薬保持体に、複数のポケットを形成すれば、例えば服用時期別に収容する等によって飲み忘れ等を一層有効に防止出来るとともに、飲み忘れた場合でも、その後の服用管理等が適切に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬供給装置の第1実施例の全体図
【図2】同分解斜視図
【図3】回転体の説明図
【図4】回転体の回転作動を説明する説明図、
【図5】薬保持体の前進作動を説明する説明図
【図6】第2実施例の薬供給装置の全体図
【図7】同内部構造の説明図
【図8】第3実施例の薬供給装置の全体図
【図9】同分解斜視図
【図10】装置本体の説明図
【図11】ケーシングの突起カム面の説明するため一部を破断した説明図
【符号の説明】
1…薬供給装置、3…回転体、4…カバー、5…薬保持体、23…回転板、27…ポケット、32…ケーシング、34…チェーン、35…薬保持体、36…ポケット、43…垂直軸、44…薬保持体、46…保持板、47…ポケット、h…開放部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば薬を常時服用する必要のある人等に対して、飲み忘れや誤飲用防止等に便利な薬供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば定時的に薬を服用する必要のある人で、服用の自己管理が困難なような人に薬を供給するような装置として、例えば予め薬をカプセルに収容して上下に積重ね、タイマースイッチによって最下段のカプセルを下方の取出し口に落下させるとともに、それを報知するような技術が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−253172号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような装置は、薬を収容するカプセルを上下に積重ねるため、例えば一日に複数回の服用が義務付けられている場合等には、数週間分のカプセルを積み重ねようとすると装置が極めて大型化するという問題がある。
また、例えば利用者が装置の近くにいなかった場合等において、カプセルが取出し口に溜まっている場合、いつの時点で飲むべきカプセルであったのかが不明であり、その後の服用管理が難しくなるという問題もある。
【0005】
そこで本発明は、一日に複数回の服用が義務付けられているような場合でも、適切な時期に服用できるような装置を提供するとともに、装置を小型化し、また、飲み忘れを発見しても、いつの時点で飲み忘れたかが容易に判り、その後の服用管理が容易に行えるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、薬の飲み忘れや勘違いによる二重服用等を防止するようにした薬供給装置において、一定期間に服用する薬を保持する薬保持体を環状列として複数配列し、当日分に服用すべき薬保持体だけを一日一回順次取出し可能な開放部に移動させ、その他の薬保持体は目に触れない箇所に隠するようにした。
【0007】
そして、例えば薬を毎日服用することを義務付けられている場合には、複数の薬保持体の中に一定期間の薬を収納し、例えば夜中の所定時刻に、当日分または翌日分に服用すべき薬保持体だけを開放部に臨ませるよう移動させ、その他の薬保持体を目に触れない箇所に隠しておくことで、例えば飲み忘れの薬がある場合は、すぐに気付くようになり、飲み忘れや二重服用等の誤服用が起きにくい。
ここで、薬保持体の移動機構としては各種態様が考えられるが、例えば回転機構等を使用すれば、装置の大型化を招かず小型化が可能となる。
【0008】
また本発明では、前記薬保持体を、垂直軸回りに回転自在な回転板またはチェーンに取付けるようにし、この回転板またはチェーンを一日一回所定角度回転させて所定箇所の薬保持体を開放部に臨ませるようにした。
このように、垂直軸回りに回転自在な回転板またはチェーンに薬保持体を取り付けるような回転機構を採用するようにすれば、装置の小型化、軽量化が図られる。
【0009】
また本発明は、前記薬保持体を、垂直軸回りに独自に回転可能な複数の保持板によって構成し、所定箇所の保持板を一日一回所定箇所に向けて回転移動させるようにした。
このように、所定箇所の保持板だけを移動させて、一日に服用すべき薬を開放部に臨ませるようにすれば、モータ等の回転駆動源にかかる負荷が減少し、電池やバッテリー等を使用出来るようになって装置の設置場所の自由度が増す。
【0010】
また本発明では、前記薬保持体に、複数のポケットを形成するようにした。
このように、複数のポケットを形成すれば、例えば一日分の薬でも更に服用時期を、朝用、昼用、夜用等に区分して収納することが出来、飲み忘れの防止に一層効果的であるとともに、飲み忘れた場合でもその時期が明確なため、その後の服用管理等が適切に行えるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本発明に係る薬供給装置の第1実施例の全体図、図2は同分解斜視図、図3は回転体の説明図、図4は回転体の回転作動を説明する説明図、図5は薬保持体の前進作動を説明する説明図、図6及び図7は本装置の第2実施例の説明図、図8乃至図11は本装置の第3実施例の説明図である。
【0012】
本発明に係る薬供給装置は、薬の飲み忘れや二重服用等の防止に有効なようにされるとともに、例えば一日に複数回の服用が義務付けられている場合でも、薬を供給する装置を小型化することができ、また、薬を飲み忘れた場合でも、その後の服用管理が容易なようにされている。
【0013】
すなわち、本装置1の第1実施例は、図1、図2に示すように、装置本体2と、この装置本体2に対して回転自在な回転体3と、この回転体3の周囲に着脱自在に配設されるカバー4を備えている。
【0014】
そして回転体3には、複数の薬保持体5が環状列となって配設されるとともに、この薬保持体5は、後述するように保持プレート29の前面に取付けられる複数のポケット27から構成され、また、前記カバー4には、薬保持体5が出入り可能な開放部hが形成されている。
そして、例えば日中は、所定箇所の薬保持体5が開放部hから飛び出した状態で一日が経過し、例えば夜中の所定時刻に自動的に薬保持体5が開放部hの奥に引っ込んだ後、回転を始め、隣の薬保持体5が開放部hの位置まで回転すると、回転を停止して新たな薬保持体5が開放部hを通して前方に飛び出すようにし、一日ごとにこの動作を繰り返すようにしている。
【0015】
前記装置本体2は、図2に示すように、円板状の機台6と、この機台6の中央部に固定される軸受筒7と、機台6の一端側寄りに立設される第1受部材8と、他端側寄りに立設される第2受部材9を備えており、前記第1受部材8上には、不図示の24時間タイマーにより作動する駆動モータ10と減速機11が配設されるとともに、減速機11から延出する駆動軸12の延出端部が、前記第2受部材9によって回動自在に枢支されている。
そして、前記駆動軸12には、前記回転体3を回転させるための第1カム13と、薬保持体5をカバー4の開放部hを通して飛び出させるための第2カム14とが位相を異ならせて設けられている。
【0016】
また、軸受筒7には、ブラケット15が突設されており、このブラケット15には、揺動アーム16の基端部が揺動自在に枢支されている。そしてこの揺動アーム16は、基端側のバネ18によって通常時は上端部が後方に向けて付勢されるとともに、揺動アーム16の中間部には、前記第2カム14に係合可能な係合部材17が突設されており、前記第2カム14が係合部材17を押圧しながら回転すると、揺動アーム16の上端部が前方に向けて揺動するようにしている。
【0017】
また、揺動アーム16の基端部には、レバー20が取り付けられており、このレバー20の先端は、駆動モータ10の駆動を制御するためのマイクロスイッチ21に当接自在にされている。
そして、前記第2カム14が係合部材17に当接して揺動アーム16の上端部が前方に向けて揺動すると、最大揺動箇所付近でレバー20の先端がマイクロスイッチ21に当接し、駆動モータ10の駆動を停止させるようにしている。
尚、機台6上には、電源コードを接続したり、装置のオン・オフを作動させるためのスイッチ部19が設けられ、また、このスイッチ部19と駆動モータ10とマイクロスイッチ21等との間には、電気配線が設けられている。
【0018】
前記回転体3は、図3にも示すように、前記軸受筒7に挿入可能な中心軸22と、この中心軸22の上部側に取り付けられる八角形の回転板23を備えており、この回転板23の八辺部には、前記薬保持体5が保持されている。また、回転板23の下面には、薬保持体5の位置に対応して8個のスライドガイド24が取り付けられており、各スライドガイド24には、薬保持体5から後方に延出するスライドバー25が挿通されている。
【0019】
そして、スライドガイド24とスライドバー25との間には、スライドバー25を後方に向けて付勢するバネ26が設けられており、通常時は薬保持体5の背面が回転板23の辺部に当接する位置まで引き込まれるようにしている。
また、後述する要領により薬保持体5が前記開放部hの位置まで回転すると、図3の鎖線に示すように、前記揺動アーム16の先端部が、スライドバー25の後方に位置するようにされている。
【0020】
また、前記第1カム13は、図4にも示すように、スライドガイド24の側面に当接可能となり、第1カム13が回転中にスライドガイド24の側面を押圧することにより、回転体3を一定角度だけ回転させて、隣接する薬保持体5を順次開放部hの位置に臨ませることが出来るようにされている。
【0021】
前記薬保持体5の保持プレート29の前面には、一日に服用する薬を保持することの出来る保持部が形成され、本実施例では、朝服用分、昼服用分、夕服用分、夜服用分の4回に分けて収容することの出来る複数のポケット27を設けている。
【0022】
以上のような薬供給装置の作用等について説明する。
病院等から数日分の薬を纏めて受領すると、利用者は装置1のカバー4を外して、薬保持体5のポケット27に数日分の薬を区分けして収容する。この際、実施例では、8つの薬保持体5があるため、8日分の薬を同時にセットでき、また、一日のうちでも朝用、昼用、夕用、夜用に仕分けして各ポケット27にセットできる。勿論、一日三回の服用であれば、一つのポケット27は空にしておく。
そして薬の収容が完了すると、カバー4を被せ電源を入れる。
【0023】
すると、駆動モータ10が作動して駆動軸12が回転し、図4に示すように、まず第1カム13がスライドガイド24を押圧し、回転体3を回転させる。そして、所定箇所の薬保持体5が開放部hの位置に来ると、第1カム13とスライドガイド24の係合が外れて回転体3の回転が停止する。
【0024】
更に駆動軸12が回転すると、図5に示すように、第2カム14が揺動アーム16の係合部材17に係合するようになり、揺動アーム16が揺動を始める。
すると、揺動アーム16の上端がスライドバー25を押圧するようになり、当該薬保持体5が前進して、開放部hから飛び出る。そして、揺動アーム16が最大揺動箇所付近になると、レバー20がマイクロスイッチ21に当接して駆動モータ10が停止する。
そして、この飛び出た薬保持体5に保持される薬が一日分に服用すべき薬であり、利用者は、朝、昼、夕、夜に仕分けされた薬を時期に応じて服用する。
【0025】
この際、服用を忘れても、ポケット27に残る薬を見れば一目瞭然であり、また、例えば若干服用時間が遅れた時点で気付いた場合でも、その後の服用時間の調整等が容易である。
更に、勘違いで二重服用するような間違いも起きにくい。
【0026】
一日が終了し、例えば夜中の所定時刻になると、24時間タイマーによって駆動モータ10が自動的に作動して駆動軸12が回転を始めるようになり、第2カム14と係合部材17の係合が徐々に外れて、揺動アーム16はバネ18力で元の状態に復帰するとともに、薬保持体5のスライドバー25はバネ26力により後退する。このため、薬保持体5が開放部h内に没入する。
次いで、第1カム13がスライドガイド24を押圧し、回転体3が回転して隣の薬保持体5を開放部hの位置に臨ませた後、第2カム14が揺動アーム16の係合部材17を押圧して揺動アーム16が揺動を始め、揺動アーム16に押された薬保持体5が前進して、開放部hから飛び出る。
このような操作が一日ごとに繰り返される。
【0027】
ところで、以上の実施例の場合、薬保持体5を所望の角度で回転させた後、前方に押出して開放部hから飛び出せるようにしているため、装置が複雑化、大型化する傾向にあるが、図6、図7に示す第2実施例では、薬保持体5の押出し機能を廃止し、装置の小型化、簡素化を図るようにしている。
ここで、図6は第2実施例の装置の全体図、図7は同内部構造の説明図である。
【0028】
すなわち、本装置1の第2実施例は、図6、図7に示すように、形状が略楕円形状とされ、開放部hを有するケーシング32と、このケーシング32に対して回転自在な第1回転軸30と第2回転軸31を備えている。
そしてこの第1回転軸30と第2回転軸31には、それぞれ上下一対の溝付きプーリ33が取り付けられるとともに、このプーリ33には、上下一対のチェーン34が巻回され、溝内に嵌め込まれている。
【0029】
そして、このチェーン34には、所定間隔置きに複数の薬保持体35が取り付けられており、この薬保持体35の前面には、複数のポケット36が設けられている。
また、チェーン34の下方には、チェーン34の弛みを防止するためのガイド38が設けられている。
【0030】
また、第1回転軸30の下方部には、歯車37が取り付けられている。
そして、ケーシング32に固定される支持部材39には減速機付き駆動モータ40が取り付けられており、この駆動モータ40の出力軸に設けられるカム41が歯車37に係合可能にされている。
【0031】
そして、不図示の24時間タイマー等により駆動される駆動モータ40が作動すると、カム41が間欠的に歯車37に係合して薬保持体35をコマ送りし、順次隣接する薬保持体35を開放部hの位置に臨ませるようにされている。
【0032】
以上のような薬供給装置1において、複数の薬保持体35に数日分の薬を同時に収容し、24時間タイマーにより、隣接する薬保持体35を順次開放部hの位置に移動させて薬を取り出し可能にするとともに、一つの薬保持体35で一日分の薬を供給することについては、第1実施例と同様である。
そしてこの場合も、薬が、朝用、昼用等の服用時期ごとに区分けされてポケット36に収容されているため、飲み忘れや勘違いによる誤服用防止に有効である。
【0033】
次に、図8乃至図11に基づき第3実施例の薬供給装置を説明する。
ここで、図8は第3実施例の薬供給装置の全体図、図9は分解斜視図、図10は装置本体の説明図、図11はケーシングの突起カム面を説明するため一部を破断した説明図である。
【0034】
本装置の第3実施例は、上記実施例1や実施例2のように、回転板23やチェーン34によって全ての薬保持体5、35を同時に回転させる代わりに、1ヶ所の薬保持体だけを回転させるようにすることで、駆動モータ等の負荷を軽減させ、例えば電池やバッテリー等の駆動源でも長期間使用できるようにしたものである。
【0035】
すなわちこの装置1は、装置本体42と、垂直軸43に独自に回転可能に設けられる複数の薬保持体44と、この薬保持体44の外側に被せられるケーシング45を備えており、前記薬保持体44は、保持板46に保持される複数のポケット47から構成されるとともに、前記ケーシング45には、開放部hが設けられている。
【0036】
前記装置本体42は、図10に示すように、底板48の中央部に固定される軸受50と、この軸受50によって回転自在に支持される回転軸51と、この回転軸51を回転させるための減速機付き駆動モータ52を備えており、前記回転軸51の上部には水平円板53が固定されている。
また、回転軸51の中間部には、側方に向けて張出す押上げ用カム54が設けられており、この押上げ用カム54は、回転中、後述するストッパバー63の下端部に当接すると、ストッパバー63を押上げることが出来るようにされている。
【0037】
また、この押上げ用カム54に隣接してローラカム55が設けられ、このローラカム55は、水平円板53に対して基端部側が上下に揺動可能な揺動アーム59の先端部に取付けられている。そしてこの揺動アーム59は、スプリング56によって上方に付勢されるとともに、揺動アーム59の先端側には、水平円板53の切欠き部53kを通して上方に向けて突出するピン57が設けられている。そして、このピン57は、通常時はスプリング56の付勢力によって水平円板53の上面より上方に突出するようにされている。
因みに、このピン57は、水平円板53より上方に突出した状態になると、水平円板53と共に回転する際、回転下流側に位置する薬保持体44の下端部に当接して押圧することで、当該薬保持体44を回転させる役割を有している。
【0038】
また、この揺動アーム59の近傍には、駆動モータ52の作動を制御するマイクロスイッチ65や図に現れないタイマー等が設けられており、このマイクロスイッチ65やタイマーの制御によって、所定時刻になると、駆動モータ52が一日一回、一回転するようにしている。
【0039】
前記垂直軸43は本実施例では中空部材から構成され、その下端部には、軸受コマ58が回動自在に嵌合している。そして、この軸受コマ58は、前記回転軸51の上面に形成される六角穴51hに嵌合可能となり、回転軸51が回転すると、軸受コマ58だけが回転軸51や水平円板53と一緒に回転するようにされている。
【0040】
前記薬保持体44の保持板46は、それぞれが独自に垂直軸43に対して回動可能にされており、表裏面にポケット47を吊下げるための吊り具60が複数取り付けられている。そして本実施例では、片面側に朝用、昼用の二ヶ所、反対面側に夕用、夜用の二ヶ所が設けられ、後述するように、二枚の保持板46の表面と裏面が同時に開放部hに開放されるようにしている。
尚、各保持板46の一方側の所定面には、隣接する保持板46が所定角度以下に閉じた状態になるのを防止するスペーサ片61が取り付けられている。
【0041】
前記ケーシング45は、薬保持体44の外部に被せることが出来るようにされ、下方内周面部に環状のフランジ部62を備えるとともに、このフランジ部62より上方の外周の約半分弱が切り取られて開放部hとされている。そして、フランジ部62の内径は、装置本体42の水平円板53の径より僅かに大きめにされ、組み付け時にはフランジ部62の内周部に水平円板53を遊嵌せしめることが出来るようにされている。
【0042】
また、前記フランジ部62のうち、開放部hの一方側端部に近い箇所には、ストッパバー63が上下動可能に設けられている。このストッパバー63は、フランジ部62をスライド自在に貫通するとともに、上端部は、内側に張出して薬保持体44の保持板46の前面を遮ることが出来るような係止部63kとされ、下端部は、前記押上げ用カム54に係合可能にされている。
そして、前記回転軸51に回転に連れて押上げ用カム54が通過する際、押上げ用カム54がストッパバー63の下端部に当接すると、ストッパバー63は上方に押し上げられて係止部63kが薬保持体44から外れ、押上げ用カム54が通過してしまうと、ストッパバー63は自重により下方に落下して係止部63kが保持板46の前面を遮るようにしている。
尚、このストッパバー63は、不図示の機構により、一定の高さ以下に降下しないようにしている。
【0043】
また、フランジ部62の底面側の内周縁部には、開放部hやその近傍を除く箇所に突起カム面64が設けられ、この突起カム面64に前記ローラカム55が係合可能にされている。そして、ローラカム55が突起カム面64のある場所を通過する時は、突起カム面64によって揺動アーム59が下方に押し下げられ、ピン57が水平円板53より下方に没入するとともに、ローラカム55が突起カム面64のない箇所を通過する時は、スプリング56力によって揺動アーム59が上方に揺動し、ピン57が水平円板53より上方に突出するようにされている。そして、この突出したピン57によって、回転軸51や水平円板53の回転に伴って、開放部hの両端付近に位置する二枚の薬保持体44のうち、回転上流側の薬保持体44の背面を押圧して、一枚だけめくるような感じで移動させるようにしている。
【0044】
以上のような装置1において、装置本体42の回転軸51の六角穴51hに垂直軸43下端の軸受コマ58を嵌合させ、外側にケーシング45を被せて図8のような状態に組み付ける。この際、開放部hの両端部付近には二枚の薬保持体44の表面と裏面がそれぞれ外部に露出するようにされており、各薬保持体44のポケット47内に一日分の薬が収納されている。
【0045】
一日が経過して、例えば夜中の所定時刻になると、タイマーの作動によって駆動モータ52が作動し、回転軸51や水平円板53が回転を始める(図8の時計方向周り)。この際、ピン57は、図8の左方の薬保持体44の前面付近に位置しているが、回転を始めると同時に、ローラカム55が突起カム面64に当接して揺動アーム59が下方に揺動することにより、ピン57は水平円板53より下方に没入した状態で回転する。このため、回転を始めた当初は、ピン57はいずれの薬保持体44に干渉することなく、すべての薬保持体44は現在の個所を維持している。
【0046】
回転軸51や水平円板53が約180度強回転すると、まず、押上げ用カム54がストッパバー63の下端部に当接してこれを押上げ、それまで係止部63kを係合させていた薬保持体44から離脱させる。次いで、これとほぼ同時に、ローラカム55が突起カム面64から外れて揺動アーム59が上方に揺動し、ピン57が水平円板53より上方に突出する。そしてこのピン57が上方に突出する位置は、図8の右方の薬保持体44と、その奥の2番目(図では隠されている)の薬保持体44の中間部である。
【0047】
そして回転軸51や水平円板53はそのまま回転を継続し、上方に突出したピン57は、図8右方の薬保持体44の背面を押圧して、当該薬保持体44を一緒に回転させ始める。そして、当該薬保持体44が回転を始めストッパバー63の位置を過ぎると、ストッパバー63は押上げ用カム54から外れて下方に落下する。そして、係止部63kが2番目の薬保持体44の前進を妨げる位置になる。そして、ピン57により押圧されて移動した薬保持体44が、図8の左方の位置まで来ると、マイクロスイッチ65の作動によって駆動モータ52の作動が停止し、この状態では、開放部hの両端付近に位置する二枚の薬保持体44の表裏面のポケット47には、翌日または当日分の薬が収納され、開放部hから容易に取出すことが出来るようにされている。そしてこの状態で一日が経過し、これが繰り返される。
【0048】
そしてこの第3実施例では、駆動モータ52により連れ回すのが一日一回、1ヶ所の薬保持体44だけであるため、駆動モータ52にかかる負荷が軽減され、例えば電池等を駆動源として、設置場所の自由度を高めることが出来る。
尚、この実施例では、停電等に備えてバックアップ用電源を接続している。
【0049】
尚、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
例えば薬保持体5、35、44の配設数や、ポケット27、36、47の数等は例示である。
また、実施例3において、ストッパバー63の上下動や、ピン57の上下動は、磁石の作用で行わせるようにしても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る薬供給装置は、一定期間に服用する薬を保持する薬保持体を複数配列し、当日分に服用すべき薬保持体だけを一日一回順次取出し可能な開放部に移動させるようにし、その他の薬保持体は目に触れない箇所に隠すようにしたため、薬の飲み忘れや誤服用等を防止することが出来る。
この際、前記薬保持体を、垂直軸回りに回転自在な回転板またはチェーンに取付け、この回転板またはチェーンを一日一回回転させて所定箇所の薬保持体を開放部に臨ませるようにすれば、装置の小型化や軽量化が図られる。
また、薬保持体を、垂直軸回りに独自に回転可能な保持板によって構成し、所定箇所の保持板を一日一回所定箇所に向けて回転移動させるようにすれば、モータ等の回転駆動源にかかる負荷が減少し、電池やバッテリー等を使用出来るようになって装置の設置場所の自由度が増す。
また、薬保持体に、複数のポケットを形成すれば、例えば服用時期別に収容する等によって飲み忘れ等を一層有効に防止出来るとともに、飲み忘れた場合でも、その後の服用管理等が適切に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薬供給装置の第1実施例の全体図
【図2】同分解斜視図
【図3】回転体の説明図
【図4】回転体の回転作動を説明する説明図、
【図5】薬保持体の前進作動を説明する説明図
【図6】第2実施例の薬供給装置の全体図
【図7】同内部構造の説明図
【図8】第3実施例の薬供給装置の全体図
【図9】同分解斜視図
【図10】装置本体の説明図
【図11】ケーシングの突起カム面の説明するため一部を破断した説明図
【符号の説明】
1…薬供給装置、3…回転体、4…カバー、5…薬保持体、23…回転板、27…ポケット、32…ケーシング、34…チェーン、35…薬保持体、36…ポケット、43…垂直軸、44…薬保持体、46…保持板、47…ポケット、h…開放部。
Claims (4)
- 薬の飲み忘れや勘違いによる二重服用等を防止するようにした薬供給装置であって、一定期間に服用する薬を保持する薬保持体が複数配列され、当日分に服用すべき薬保持体だけを一日一回順次取出し可能な開放部に移動させ、その他の薬保持体は目に触れない箇所に隠すようにしたことを特徴とする薬供給装置。
- 前記薬保持体は、垂直軸回りに回転自在な回転板またはチェーンに取付けられ、この回転板またはチェーンが一日一回所定角度回転して所定箇所の薬保持体を開放部に臨ませることを特徴とする請求項1に記載の薬供給装置。
- 前記薬保持体は、垂直軸回りに独自に回転可能な複数の保持板によって構成され、所定箇所の保持板が一日一回所定箇所に向けて回転移動することを特徴とする請求項1に記載の薬供給装置。
- 前記薬保持体には、複数のポケットが形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の薬供給装置。
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Cited By (2)
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WO2012008648A1 (ko) * | 2010-07-14 | 2012-01-19 | 엘지전자 주식회사 | 약상자 |
JP2015116455A (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-25 | 建治 藤井 | Ptpシート吊り具及び服用管理器具 |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003048371A patent/JP2004000489A/ja active Pending
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WO2012008648A1 (ko) * | 2010-07-14 | 2012-01-19 | 엘지전자 주식회사 | 약상자 |
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